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9月14日世界市場に向けてリリースされたヴィニエド・チャドウィック2021 [チリワイン]

 9月18日はチリの独立記念日
 チリ人にとってクリスマスと同じくらい大事な日が独立記念日
 18日のナショナルデーを挟んだ1週間は街中にぎやか
 国旗や3色のリボンが飾られています!


 祝賀ムードにあふれる時期に世界市場に向けて発売を開始した
 チリ最高峰の赤ワインとして評価が高い『ヴィニエド・チャドウィック』
 最新ヴィンテージ2021年🍷


 道先案内人のおふたり
 アジア・マーケティング・ディレクターのサブリナ・トゥミノさん
 アジア・パシフィック・リージョナル・ディレクターのジュリアン・ポティエールさん

 9月14日の発売を前に、7月末、アジア圏担当のおふたりが来日し、
 ヴィニエド・チャドウィックの垂直試飲を交えながら、
 最新ヴィンテージをひと足早く紹介しました。


 右から左の順に
 2000年、2010年、2013年、2014年、2020年&最新ヴィンテージ2021年
 ヴィニエド・チャドウィックは近年、
 ラ・プラス・ド・ボルドー(ボルドーの流通システム)で販売しています。

 [NEW]2021年ヴィンテージ
 ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン97%、PV3%
 樽熟成:22ヶ月、フレンチオークの新樽80%とオーストリア産フードル20%
 フードルの容量は1500Lと3000L
 適度に冷涼だった生育期のおかげで、ぶどうは均一な熟度を得ることができ、
 ワインはフレッシュかつ緊張感にあふれ、複雑性の高いアロマを備えてエレガント




 ベルリンテイスティングの勝者2000年ヴィンテージ
 ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
 樽熟成:18ヶ月、フレンチオークの新樽100%
 初ヴィンテージは1999年で、このヴィンテージが2番目
 2004年1月に開始されたベルリン・テイスティングで、
 同ヴィンテージのボルドー1級格付けワインや、伊スーパー・タスカンを抑えて1位に!
 ワイン業界を驚愕させた伝説のワインテイスティングの軌跡はコチラをご覧ください。


      2013年ヴィンテージ
      ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
      樽熟成:22ヶ月、フレンチオークの新樽90%
      冷涼年だった2013年は、フレッシュでフードフレンドリーな印象
      フローラルなアロマ、赤系果実、スパイスやバルサミコのニュアンス
      「2013年と2021年が気に入っています」とジュリアンさん

 人気コミック『神の雫』に登場した究極のマリアージュ
 第9巻に登場したヴィニエド・チャドウィック2013 × プレ・サレ仔羊のロースト
 ローザンヌバレエコンクールのバレリーナのようにしなやかと形容されました。
 世界で最も有名なブランド羊。塩分を含んだ草を食べて育った仔羊肉


      マリアージュの再現
      入社して8年のサブリナさんはこのマリアージュを夢見てきたようです。
      能田シェフが今回のために特別に取り寄せてくださったプレ・サレ
      なまじの言葉はいらない仔羊でした!
      素直で自然体の旨味が広がり、
      肉質とワインのミネラルが口中で渾然一体[わーい(嬉しい顔)]

      2020年ヴィンテージ
      ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
      樽熟成:22ヶ月、フレンチオークの新樽75%とオーストリア産フードル25%
      温暖年の2020年は例年より2週間早く収穫
      暖かくて乾燥した気候条件のもと、畑での緻密な栽培管理が功を奏し、
      ぶどうはバランス良く熟し、凝縮感の高いワインになりました。
      色の濃いベリー系果実、カカオ、ナツメグ、刻みたばこ、甘いスパイス
      オークのニュアンスがあり、石灰質の感触を思わせる木目細かなタンニン


 会場は資生堂ファロ
 能田耕太郎シェフとサブリナさん

 シェフのこだわりでオールラム
 タリアテッレ 仔羊のラグーソース

     仔羊のラビオリ セージバターソース

  国際的評価一覧
  ジェイムズ・サックリングは2014年と2017年に100点評価
  ティム・アトキンMWは2021年ヴィンテージに100点評価しました!


              🍷 🍷 🍷 🍷 🍷

 
 【番外編】
 5月のチリ訪問で初日に、マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルトにある
 ヴィニエド・チャドウィックに伺いました。
 チャドウィック当主(当日は海外出張中でした)の生家で、
 父親ドン・アルフォンソさんから譲り受けた土地15㌶をぶどう畑に転換
 世界に誇るカベルネ・ソーヴィニヨンのワインを造っています。

 ポロの名選手だった父親アルフォンソさんの活躍が偲ばれる数々のトロフィー

 世界に誇る銘醸地を当主の愛娘マギーさんとアレハンドラさんと

   テイスティングの解説はマギーさん
   2000年、2010年、2018年、2020年&リリース前の2021年(2023年5月22日試飲) 

   2000年ヴィンテージ

       2021年ヴィンテージ


      8月初旬に来日したチャドウィックさんと久々に再会できました。

      6年程前から取り組んでいる畑の改革についてお話を伺うことができました。
      所有する15㌶の畑はマサルセレクションですが、
      その半分に2種のクローンを使い、改植を進めている由。
      ワインはまだ市場には出ていませんが、デビューすることになれば、
      ヴィニエド・チャドウックの生産量も増やせます。
      また、新樽比率も少しずつ減らしていますが、樽熟期間についても、
      ワインメーカーのフランシスコ・ベッティグさんと意見交換しながら、
      22ヶ月から18ヶ月に減らす方向でトライアルしているようです。
      チャドウィック当主のあくなき挑戦、楽しみです!

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家庭画報7月号 特集『世界のスパークリングワイン最前線』関連イベント プロローグ [家庭画報&関連イベント]



9月3日に資生堂パーラー ザ・ハラジュクで開催した『世界のスパークリングワインを楽しむ会』は、お陰様で成功裏に終わりました。
ご参加くださった超30名の泡ラバー様に、こころから御礼申し上げます!
加えまして、ご協賛くださった輸入元様にも、深く感謝しております。
ありがとうございました。

“今だけ、ここだけ”のおいしい時間のリポートは来週半ばをメドにアップいたしますので、
何卒宜しくお願いいたします。

ブログ仲間のhakoさんが早々に記事化してくださったので、まずはプロローグとして、
ご笑覧いただけると嬉しいです[わーい(嬉しい顔)]

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8月のシャンパーニュ講座はシェフ・ド・カーヴの力量にも注目しながら! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

8月は青山校の夏季休業(11日~16日)があったので、シャンパーニュ講座の第3週が第5週に変わりました。講座生の皆さまのご協力に感謝します、ありがとうございました!

 スパークリングワインの市場動向
 出典:メルシャン
 国別輸入数量の推移を見ると、2022年vs2012年では約1.5倍の伸び
 ベスト3はフランス、スペイン、イタリアになっています。


 グラン・メゾンのシェフ・ド・カーヴに愛を込めて
 供出した5アイテム
 #1:ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ
 #2:パイパー・エドシック ロゼ ソヴァージュ
 #3:マム グラン コルドン ロゼ 
 #4:シャルル・エドシック ロゼ2012
 #5:ゴッセ セレブリス・エクストラ・ブリュット2008




             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第1フライトはロゼ
 左から
 #1:ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ
 生産者:ペリエ ジュエ(NM)
 ぶどう品種:CH25%、PN50%、M25%、赤ワイン14%
 リザーブワイン:最大15%
 ドザージュ:8g/L
 価格:9,890円(税別)
淡オレンジを含んだサーモンピンク、フラワリー&華やかな果実のアロマ、芳醇で品格あるフェミニンな味わい。黒系ぶどうの比率が多いながら、香りや味わいに凜としたシャルドネの存在感

 #2:パイパー・エドシック ロゼ・ソヴァージュ
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN50%、CH25%、M25%、赤ワイン15%
 リザーブワイン:最低25%
 ドザージュ:8g/L
 価格:9,500円(税別)
アセロラカラー、ブラッドオレンジやブラックベリー、ピンクペッパーや甘草、最初から余韻に至るまで香りと味わいに黒系果実のニュアンス、エスニック料理との組み合わせも面白いかも

 #3:マム グラン コルドン ロゼ
 生産者:メゾン マム(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH22%、M18%、赤ワイン12~14%
 リザーブワイン:30%
 ドザージュ:6g/L
 価格:8,160円(税別)
マムの味わいが変わったことを確認したかったので供出。第3週&第4週とも講座生の9割以上が「第1フライトのベスト(3アイテムから1種だけという選択)」として挙手していたことが印象的でした。#1より若干オレンジのトーンが濃い印象。第1アロマのミネラル、フレッシュなベリー系果実、ドライローズ、活き活きした酸味、ふくよかさを感じさせつつエレガントに着地、好印象!


 赤ワインのブレンド比率

 #1~#3の一覧表、たかだが1%の違いでも色調には違いが!
 ペリエ ジュエの要はシャルドネ、パイパー・エドシックはピノ・ノワール
 メゾンのスタイルの違いを色調&味わいから感じ取ることができました。


 ペリエ ジュエ
 photo by Fumiko/2023年4月
 最高醸造責任者に就任後、日本で3回お目にかかる機会がありました。
 毎回、新たな刺激を与えてくださるセヴリーヌ・フレルソンさん! 
 ワイン王国誌用のインタビュー、テクスチュアに関する言及部分に、
 彼女の繊細さ&発想の妙をお感じいただけると思います。
 シャンパーニュ業界を牽引していく女性醸造家の筆頭だと確信しています!

 プラークへのこだわり


 裏面まで気配りしている双璧は、ペリエ ジュエとポル・ロジェ
 ペリエ ジュエはベル エポックだけでなく、ブラゾン ロゼにも適応[わーい(嬉しい顔)]


 パイパー・エドシック
 photo by Fumiko/2023年7月
 エミリアン・ブティヤさんの生家はシャンパーニュの生産者
 世界各国のワイナリーで研鑽を積み、伝説の醸造家レジス・カミュさんの後任として、
 現在パイパー・エドシックとレアのシェフ・ド・カーヴ。
 ぶどう畑への取り組みにも熱心で、2022年にはシャンパーニ業界初のB-corp取得

          個性的なロゼ・ソヴァージュ
          以前より色調は若干淡くなっている印象
     ファーストインプレッションには、ピノの果実感とそれに見合う色彩
     肉料理なら口中の脂分を洗い流してくれる赤ワイン的要素のロゼ


       故ローラン・フレネさんを偲んで
       出典:メゾン・マム

メゾン・マムは、8月の講座でフォーカスしたアンリオと関連しています。
アンリオで数多くの受賞歴を誇り、ワインメーカーとしても表彰されてきたフレネさん。彼のロゼに最初にときめいたのはアンリオ・ロゼ2008でした。その時のことは今でもしっかり覚えています

彼は2020年1月にメゾン・マムに加わりました。だいぶ前から、マムの味わいに少し違和感を覚えていたので、フレネさんの参画で、マムの酒質が変わると期待していました。そのような折、今春急逝の報があり、衝撃を受けました。

ワインの味わいと感覚を15年間研究し続けてきた神経科学者ガブリエル・レプゼさんとメゾン・マムのグラン コルドン ステラ(宇宙で賞味できる初のシャンパーニュ)の瓶の技術的課題を解決したデザイナー、オクターブ・ドゴールさんの協力のもと、ワインのアロマのあらゆる側面をあきらかにすることで、メゾン・マムのワインの味わいをより深いものにする取り組みに着手していたフレネさん。優れた技量が遺憾なく発揮されたはずと思うので、本当に残念です。



IMG_5868.jpg
 マム・ロゼのプラークはレオナールフジタのバラでした。
 もちろん、歴史ある“赤いたすき”も好きですが、
 フジタのバラのほうがもっと好き、回帰することはないのでしょうか、ね


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2フライトは必須のグレート・ヴィンテージ
 #4:シャルル・エドシック ロゼ2012   7月10日発売
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN62%、CH38%、赤ワイン9%
 ドザージュ:9g/L
 価格:26,400円(税別)
ラベルと同じ赤銅色の色調、熟した白桃やプラム、ローストしたアロマ、蜂蜜や黒糖のニュアンスもあり、中盤から広がる酸味とクリーミーな食感、すべての面でバランスの良さを漂わせているロゼ


 #5:ゴッセ セレブリス・エクストラ・ブリュット2008
 生産者:ゴッセ(NM)
 ぶどう品種:CH43%、PN57%
 ドザージュ:3g/L
 価格:34,000円(税別)
 輸入元:テラヴェール
シャンパーニュ業界のなかで、当初からノン・マロを貫いている歴史あるメゾン。リンゴ酸を生かした造り。2008年ヴィンテージはフレッシュな酸味と長い熟成による複雑味を備えた究極のスタイル。色調は光沢ある黄金色、蜜を含んだリンゴ、ヘーゼルナッツやアーモンド、モカや焙煎香、クリームブリュレ、旨味、層になって広がる様々な要素、一貫したトーンで継続していく石清水のような酸味、今後10年、20年後の瓶熟に期待。出会えたことに感謝の1本


 出典:日本リカー

シャルル・エドシックのシェフ・ド・カーヴだったシリル・ブランさんは2023年3月1日付で、新任のエリース・ロスフェルド女史にバトンタッチ。コロナ渦中だったことで、お目にかかることができかったことがとても残念でした。
2015年にシャルル・エドシックに就任した折、両親が3代続くワイン生産者、ネゴシアン&樽製造者で、幼い頃からぶどう畑で過ごしていたこと。アイ村にある我が家は小規模生産なので、大きな規模のメゾンで働きたいと思っていて、種々の品種や種々のクリュが扱えることは魅力、と語っていました。
ブランさんはヴーヴ・クリコに15年以上従事し、特にロゼの手腕は絶妙でした。そんなブランさんが手がけたシャルル・エドシック ロゼ2012はぶどうの凝縮感、綺麗な酸味、バランスの良さが秀でていて、さすがの味わいでした。今後はイタリアの名門フェッラーリで活躍なさるとのことなので、シャンパーニュに拮抗するスプマンテの動向から目が離せません。

 photo by Fumiko / 2022年1月

コロナ禍突入直前に醸造責任者のオディロン・ド・ヴァリーヌさんと東京でお目にかかることができました。「メゾンが大事にしていることは“フレッシュさ”と“深み”です」と語っていましたが、リンゴ酸を生かし、ノン・マロで長い期間、澱と接触させておくことで、ゴッセならではのスタイルが完成しています。2008年ラバーの私および講座生にとって、印象深いアイテムになりました。ちなみにセレブリスはブリュットもロゼも同じ価格。後日、セレブリス・ロゼ2008を探求したいと思っています。


     [NEW]秋季講座募集開始
    第3週第4週の告知です!
    満席でも多少の枠は考えますので、キャンセル待ちにご登録くださいませ。
    ワクワク感のある時間を楽しんでいただきたいと思っています。
    お待ちしています🥂🥂🥂


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五感で楽しむPure Chablis ~シャブリとアートが出会うとき~ [ワイン]

           
            シャブリワインアートアワード結果発表

シャブリワインアートアワードとは・・・
シャブリワインを管轄するブルゴーニュ委員会BIVBが日本で初開催したアート公募展
応募資格20歳以上45歳以下で、ワイン好きという条件を満たしているアーティストから、
48作品のエントリーがあり、10作品が最終選考に残りました。
ポール・エスピタリエBIVB/シャブリ会長、橋爪勇介氏、秋山かおり氏、大橋健一MWによる厳正な審査の結果、グランプリと準グランプリ2作品が選ばれました。

 受賞おめでとうございます!
 画像提供:SOPEXA(C) BIVB_yusuke onuma

グランプリは「息吹」谷本めいさん(中央)
準グランプリは「Esprit de Chablis」SAYAKA ASAIさん(左)
準グランプリは「Pureness」URBAN KNITさん(右)


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第一部はシャブリセミナー


 講師の大橋健一MWはワインに関わって30年
 多くのワインがあるなかで 、シャブリワインを“ヒーロー中のヒーロー”と形容
 4銘柄の試飲を交え、最新話題からテロワールまでをMWならではの奥深さで解説


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2部はアワードにまつわる審査員対談
 左から
MCを担当していたのはWeb版「美術手帖」編集部の橋爪勇介、STUDIO BYCOLOR代表/デザイナー秋山かおり、大橋健一MW各氏
トークセッションのなかで、審査のポイントについて、秋山さんは■素材の魅力が出ていること。大橋MWは■北のイメージのシャブリは澄んだ空気や張り詰めた硬質感があり、キーワードのピュアが作品に表現されているかどうか、とコメント

     グランプリを獲得した「息吹」
      素材は石灰岩とイエローオニキス
 対談で秋山審査員が「思わず匂いを嗅ぎたくなった」とコメントしていましたが、
 昔は海だったことがわかる土壌の様子が伝わってくる作品でした。

 未踏の地に思いを馳せながら
 
秋山コメントにあった匂いについて、グランプリを受賞した谷本さんに伺ってみました。 
お返事は「石灰岩を彫っていると“石粉”が立ち上がってきます。石灰やミネラルの香りで、それを常に意識しながら作業をしていました。シャブリには行ったことがないので、製作過程でどうして良いかわからなくなったりもしましたが、結果的に、石粉の香りで、シャブリと一体化出来た気がしています」

谷本さんが作業中に感じていた“香り”が、秋山さんにストレートに伝わった印象です。
五感で楽しめるシャブリならではの、ストーリーかも!

未踏の地に思いを馳せながら、作品を完成させた谷本さんの話を聞いていて、
思わず、漫画家池田理代子さんの『ベルサイユのばら』を連想してしまいました。
フランスに行ったことがなかった池田さんは、資料を調べ尽くし、創造力を駆使して、
素晴らしい作品を生み出し、一世を風靡しました。
そんなことを思い出しながら、私のなかで、おふたりが重なりました。


  準グランプリ作品
 ASAIさんの作品の素材は紙と牡蠣の貝殻

 URBAN KNITさんの作品の素材はガラスと燧石

 シャブリに合わせて提供されたアミューズ・ブッシュ


昨年7月はシャブリと音楽の融合でした。今年はアートとの出会いを通して新たな魅力を発信したシャブリ。視覚・嗅覚・味覚だけでなく、触覚や聴覚=五感すべてで楽しめるワインの魅力に是非触れてください!
さて・・・2024年は、私たちをどのような世界に誘ってくれるのでしょうか。
今からとても楽しみです。


         [NEW]2023年版【数字で読み解くシャブリワイン】
      出典:vins de Bourgogne

      出典:vins de Bourgogne


 【イベント担当窓口】
  ブルゴーニュワイン委員会BIVB 日本事務所 /SOPEXA JAPON
 【関連サイト】https://www.chablis.jp

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コロナ禍あけの来日でエデュアルド・チャドウィック当主が披露した“ヴィラ・ドン・マキシミアーノ” [来日したワイン生産者&関係者]

チリワインの素晴らしさを世界中に知らしめた『ベルリン・テイスティング』
ドイツのベルリンで2004年に開催され、世界のワイン関係者を驚愕させました。その後、2011年までの間、18の都市で22回のブラインドテイスティングが展開されましたが、日本では2006年に、ワインジャーナリストの有坂芙美子女史の仕切りで執り行われました。
主催者は1870年に創業したチリの名門ヴィーニャ・エラスリスのエデュアルド・チャドウィック当主。ベルリン・テイスティングから10年目には仕掛け人のスティーヴン・スパリュアさんと一緒に東京でLook Back in Wonderと題するセミナーを開催しました。
来年は、世紀のベルリン・テイスティングから20周年になります!!


 入門レベルから高品質なワインまで
 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 アコンカグア・ヴァレーにあるワイナリー
 お出迎えは様々な国の言葉で!

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 2010年に新設したドン・マキシミアーノ アイコン・ワイナリー
 現代的で持続可能な醸造施設

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 上のデザインと見比べながら、拡大して、ご覧ください!


               🍷 🍷 🍷 🍷 🍷



             5年瓶熟のスパークリングワイン
        エラスリス エクストラ・ブリュット/小売価格8,250円

太平洋から12kmの場所にある冷涼エリア アコンカグア・コスタのシャルドネ65%とピノ・ノワール35%をブレンド、ベースヴィンテージは2017年。「瓶熟の具合を細かくチェックしながらタイミングを見極め、ユニークさを備えたアイテムとしてリリースさせました」とチャドウィック当主。8月の来日は、コロナ禍あけ初のアジアツアーだったので、同席メンバーと喜びを分かち合いながら乾杯しました、Cheers🥂

余談ですが、家庭画報7月号の世界のスパークリングワイン特集で、エクストラ・ブリュットを候補に挙げたので、4月下旬の撮影時に初めて試飲しました。あれから3ヶ月経過して再度テイスティングした感想は、落ち着きが出ていてバランス良好。エラスリスのスパークリングワインはエクストラ・ブリュットとブラン・ド・ブランの2種類ありますが、ともに希少アイテム、チリのエスプマンテ(チリのスパークリングワイン)の最高峰です!



発酵はステンレスタンクとフレンチオークの古樽16%、瓶詰前にオークの古樽で7ヶ月熟成。MLFは30%実施。シュル・リーで5年間瓶熟。淡い麦わら色、気泡は繊細、香りは華やか、シャルドネ由来のスマートな酸味、ピノ由来の豊潤なボリューム感、気泡はワインに溶け込みスムース


 涼やかなソーヴィニョン・ブラン
 エラスリス アコンカグア・コスタ ソーヴィニヨン・ブラン2021/同4,180円

エクストラ・ブリュツトと同じく、アコンカグア・コスタの畑(ローム質の薄い層からなる粘土と変成岩の土壌)から収穫されたソーヴィニヨン・ブラン。早朝の手摘み収穫で、85%ステンレスタンク、10%樽、5%は卵型のコンクリートタンクで発酵。淡いストローカラー、青リンゴや柑橘系果実、ミントやハーブ、テロワールを反映したミネラル、溌溂としたワイン


      ボルドー品種と地中海品種のブレンドタイプ
      エラスリス ヴィラ・ドン・マキシミアーノ2018/同7,700円

アイコンワイン『ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ』のセカンド。初ヴィンテージは2016年、「(3番目となる)2018年はここ10年来で最もバランスの取れた年」とチャドウィック当主。ボルドー品種と地中海品種をブレンドした現代的なスタイルのワインで、CS28%、シラー23%、マルベック21%、CF16%、グルナッシュ7%、ムールヴェードル5%を使用、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率50%。ボルドーのクラシックな要素と地中海の独創性を併せ持つスタイルは、従来からのセカンドワインとは趣きを異にしており、エラスリスの今までの成果を形にしたアイテム。フラッグシップの弟分ワインをもっと身近に感じて、是非、トライしていただきたいと思っています!


  チリを代表するカルメネール
 エラスリス カイ2012/同27,500円 (右)カイ2019/同14,300円
 
チャドウィック当主が “テディベア”と形容するカイ!
その心は「鋭さを持ち合わせているカベルネと違って、人を優しく包み込むタッチのワインなので、いつでも抱いていたいと思わせるイメージ」と当主[わーい(嬉しい顔)]
太平洋から60kmに位置するアコンカグア・ヴァレーのマックスVヴィンヤードの最良の区画のぶどうから造られるカイは、チリを代表するぶどう品種カルメネール主体、数多くの受賞歴を有すワインです。

2012年も2019年もカルメネール95%、シラー5%のブレンド。フランス産オーク樽で22ヶ月熟成。ただ、新樽の使用率は前者が47%、後者は70%。2019年は温暖な気候で、ぶどうのポテンシャルを考え、樽の比率も多めになった由。冷涼年の2012年ヴィンテージはフィネスがあり、タン二ンはシルキー。2019年ヴィンテージは黒系果実、黒オリーブや黒胡椒、焙煎香やダークチョコ、パワフルさを備えた滑らかな味わい

      photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
      エラスリスの畑のカルメネーレ、赤い葉が特徴です!


 創始者ドン マキシミアーノ エラスリスへのオマージュワイン
 (右)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2018/同12,100円 
 (左)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2008/同15,400円
 2018年ヴィンテージから瓶型をチェンジ。若干高さが増しスリム&ストロングなボトル

アコンカグア・ヴァレーのテロワールを表現した高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしたワインで、偉大なる 創始者の名を冠しています。
2018年は完璧なぶどう生育期に恵まれました。ワインは深みのある紫色、赤系&黒系果実、心地よい酸味、きめ細かで滑らかなタンニン、エレガントで奥行きのある味わい。ぶどう品種CS70%、マルベック15%、カルメネール7%、プティ・ヴェルド5%、CF3%、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率75%

2008年はエルニーニョの影響下にあり、雨が多く、日照も少なかったヴィンテージ。最も古い区画マックスⅠ、Ⅱ、Ⅴのぶどうを使用、10年違いであることを意識しながら味わうと丁寧に造られたことが伝わってきます。チリワインの熟成具合を見事に表現したワイン、フィネスと複雑味。ぶどう品種CS84%、カルメネール8%、PV5%、CF3%、フランス産オーク樽で20ヶ月熟成、新樽率100%


     プエンテ・アルト最高のカベルネ
      ヴィニエド・チャドウィック2020/同77,000円



温暖で乾燥した気候だった2020年ヴィンテージはCS100%で、フランス産オークで22ヶ月熟成、新樽率75%、フードルを25%使用。黒系&赤系果実、ダークチョコ、バルサミコ、甘草、木目細かいながら存在感あるタンニン

ぶどう畑は、ポロ競技の名選手として活躍し、同時にワイン造りにも情熱を傾けていた父親ドン・アルフォンソさんの夢を実現したもので、自邸にあったポロ競技場をぶどう畑に転換することをチャドウィック当主に委ねたところから、このワイン誕生の物語は始まります。
1992年にヴィニエド・チャドウィックのぶどう畑が完成しますが、父君は翌年他界。このぶどう畑から造られたワインを味わうことはありませんでしたが、その思いはワインの中に生き続けています。

 栄光のヴィンテージ
 photo by Fumiko/2016年9月
 マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルトの畑から誕生したヴィニエド・チャドウィック🍷
 1999年がファーストヴィンテージ。
 ボルドーの1級格付けワインとスーパー・タスカンを抑えて、
 ベルリン・テイスティングで1位に選ばれたのは、2番目の2000年ヴィンテージです。
 現在のラベルとは少し異なり、現行ラベルでは、ヴィンテージが記載してある箇所に、
 偉大な父親アルフォンソさんのポロ競技の勇士がイラストで描かれています。
 亡き父へのオマージュ!



   2024年に向けて始動開始
  
    5月のチリ訪問では、チャドウィック当主が海外に出ていたので、
    お目にかかれませんでした。それだけに今回の再会はとても嬉しいものでした。
 
    ディナーの翌々日、韓国に向かわれましたが、
    ベルリン・テイスティング20周年イベントに向けて既に始動開始しています!
    どのような展開になるのか、今から、ワクワクしています。
    ワインラバーの皆さまにはもっともっと
    チリのプレミアムワインの素晴らしさを感じていただきたいと思っています!

    【製品についてのお問い合わせ先】
     株式会社JALUX ワイン部 電話03-6367ー8756 / https://www.jalux.com

 
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NZフォリウムの岡田岳樹栽培・醸造責任者が来日! ヴィンテージ・ファーストのワイン造りを語る [来日したワイン生産者&関係者]

 なでしこジャパンはW杯ベスト4進出ならずでしたが、本当にお疲れ様でした。
 会場はニュージーランド北島北部のAuckland / オークランドにある、
 イーデン・パークでした。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 今回はサッカー[サッカー]繋がりでNZにフォーカス
 現地で活躍中の日本人醸造家が手がける美味なワインを紹介させていただきます!


最新データ
7月にニュージーランドワイングロワーズ主催のセミナーがあり、直近のデータを得ることができたので、はじめに、いくつか情報を載せておきます。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 ワイン生産量は世界全体のわずか1%、緯度は南緯35-45度
 ぶどう栽培地の96%はサステイナブル認証を受けています。

     主要生産品種はソーヴィニヨン・ブラン、主要生産地域はマールボロ
     出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 気候と土醸
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 サブリージョンのスタイル
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 

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4年ぶりに来日したフォリウム・ヴィンヤーズの岡田岳樹さん
コロナが落ち着いてきた2023年の今、1ヶ月の長旅を続けてきた岡田さん
訪日前、NY、ダブリン、ロンドン、シンガポール、香港、ソウルを巡回してきましたが、訪問先での首尾も上々だったようで、世界のマーケットでも人気のSBになっています!

2010年ニュージーランド南島の北東部Marlborough / マールボロのブランコット・ヴァレーに創業したFolium/フォリウムは輸入元WINE TO STYLEのグループ会社であり、岡田さんはワイナリー設立当初から栽培と醸造のすべてを取り仕切り、フォリウムならではのワインスタイルを貫いています。中心となるぶどうはソーヴィニヨン・ブランで、ピノ・ノワールとシャルドネも栽培しています。プレスセミナーでは、自然と対峙したワイン造りや最新ヴィンテージについて言及し、バックヴィンテージやニューフェイスのワインも披露しました。


 NZに移住して今年でちょうど20年目

岡田さんのワインはヴィンテージ・ファーストです。「フォリウムは多くの土壌が粘土質なので保水性は良好。毎年降雨(650ミリ)が一定量あるので、これがヴィンテージを特徴付ける大きな要因になっていると考えています。非灌漑 (2011年から実施) にすることで、ヴィンテージ毎の特徴が出ているのではないかと思っています。SDGsでも、灌漑しないことで、180万㍑/haの節水になっています」と岡田さん

ニュージーランドのサブリージョンはワイラウサザン・ヴァレーアワテレですが、フォリウムはサザン・ヴァレーに属しています。岡田さんは、このエリアについて、 ■ワイラウに比べ、涼しくて乾燥している ■氷河期に削られた粘土質土壌がメイン ■マールボロの生産量の25%を占める、と述べていました。

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マールボロのSBの特徴とは
マールボロのSBは、清涼感あるピーマン、スグリ、完熟したパッションフルーツの要素を備えた爽やかなワインと評されていますが、近年の研究で、チオール類(3MHと3MHA)の量が非常に多いことがわかってきました。この結果を得て、NZの生産者たちはチオール類を最大化することを目標に、チオール類の多いワイン造りをしています。


チオールはグレープフルーツやパッションフルーツ様の香り成分で、岡田さんはチオールについて「Mercaptants / メルカプタンとも呼ばれる有機物で、香りが強いため、少量でもワインに香りに影響を与えます。チオールは果実には存在せず、果汁中に含まれる前駆体から酵母の働きによって生成されます」とコメント

 出典:フォリウム・ヴィンヤーズ

その前駆体を最大化するには、■土壌中のチッソ素量 ■ 紫外線 ■ぶどうの葉 / これら3要素は少ないより多いほうが良く、また、古樹より若木のほうが多いとのこと。さらには、手収穫より機械収穫で行うほうがチオール量が倍以上とのお話でした。

そのような研究結果を踏まえつつ、ヴィンテージ・ファーストで、チオール・ファーストではない岡田醸造責任者は、手収穫&非灌漑 (灌漑を行うほうがぶどうの葉の数は多い)というワイン造りを貫いています。

 

 ヴィンテージを反映させたワイン
 #1: Sauvignon Blanc Reserve Marlborogh2021 / 参考小売価格4,800円
 #2: 同2013 / 5,800円
 #3: Chardonnay Marlborough2021 / 5,500円
 #4: Pinot Noir Rose Marlborough2022 / 4,200円
 #5: Pinot Noir Reserve Marlborough2021 / 5,800円
 #6: 同2014 / 7,600円
 #7: Sauvignon Blanc Late Harvest Marlborough2022 / 6,800円

 左から右に#1~#7


 #1#2はフォリウムのフラッグシップ、#3のシャルドネは初登場
2021年ヴィンテージは淡イエロー、粘性があり、溌溂とした酸味と塩味が魅力、料理と合わせて楽しめる柑橘果実の内果皮似の軽いビター感。2013年は若干濃いめの黄色、10年の熟成を経ても若々しく、トロピカルフルーツや完熟果実、白胡椒のニュアンス、口中での厚み、凝縮感。
7年程前、岡田さんのSBを購入し、3年間セラーで寝かせ、その後、和食とマリアージュさせる機会があり試しましたが、穏やかな熟成と綺麗な酒質が印象的でした。
一般的なマールボロのSBと違い、チオールを前面に出し過ぎていないフォリウムをお試しいただけると嬉しいです!

満を持してリリースした#3シャルドネ。発酵はステンレスタンクで天然酵母使用。熟成は古樽で18ヶ月。冷涼エリアを感じさせる柑橘系果実、昆布出汁似のアロマ、時間の経過で味わいまろやか。岡田醸造責任者の人柄が反映しているワイン(笑)

 鰺のマリネ 胡瓜とジンのジュレ、豆苗のサラダ スダチ醤油ドレッシング
 ブリッジ食材になっていたスダチ醤油ドレッシング(酸味と乳酸のまるみ)
 シャルドネの柑橘ニュアンスやハーブの清涼感が料理と相乗
 
 最新ヴィンテージ2022年
 2020年が初ヴィンテージ、コロナ渦中に誕生したロゼ
「セニエ製法だと年毎の差が出ないので、ダイレクトプレスで造っています」と岡田さん
 色調はコーラルカラー、赤系果実やスイカのアロマ、フードフレンドリーな酸味、
 中盤からシルキーなタンニン、凝縮感

 2014年ヴィンテージ(右)と最新ヴィンテージ2021年を比較試飲 
 画像から色調の違いがおわかりいただけると思います。 
 NZのピノの熟成能力を証明してくれた1本、フランス的な雰囲気を纏った2014年
 雨が少なかった2021年は深みのある色調で骨格、ボリューム感、ポテンシャルあり
 サーロインのグリルは滑らかながら存在感あるタンニンの2021年ヴィンテージと好相性
 口中の脂分を優しく流してくれる印象
 タンニンが溶け込みスムースな味わいの2014年はブルゴーニュの熟成したチーズと!

 国産牛サーロインのグリル チミチュリソース
 とうもろこし ズッキーニ トマト 甘長唐辛子

 “バスク”チーズケーキ オレンジ アーモンドチュイル × #7
1996年に植樹したSB、貴腐ぶどう100%のレイト・ハーベスト、以前リリースした2018VTと同じく、2022年VTも2月に200ミリ以上の降雨があったことでボトリティス発生。ぶどうの生育では難しい年だったが、ワインは癒やしの空気感を纏ったエレガントな甘口.。舌の上を洗い流してくれるフレッシュで綺麗な酸味、熟した果実のコンポート、ロースト感。オレンジの酸やアーモンドチュイルの蜂蜜や焦しがし風味がワインとバランス良くマリアージュ

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE(株) 電話03-5413ー8831 / https://www.winetostyle.co.jp

                               
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 山梨大学×NHK文化センターでの体験
 チオールについて深掘りしたくて・・・
 山梨大学・鈴木教授が担当なさった『香りで楽しむ日本ワイン』を受講してきました[わーい(嬉しい顔)]
 
 出典:(C)山梨大学
 岡田さんから前駆体が増える要素を伺っていましたが、
 山梨大学とメルシャンの研究によると、3MH前駆体合成は夜明け前に盛んになるとのこと
 ナイトハーベストは科学的有意性あり
 期せずして、岡田醸造責任者と鈴木教授からチオールについて伺うことができました。
 有意義な学習時間でした、ありがとうございました!

 
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リリースされた創業200周年記念『キュヴェ エメラ2008』を試飲しながらアンリオ賛歌 [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

 7月3日発売!! アンリオのプレステージ『キュヴェ エメラ2008』
 




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 初来日したシェフ・ド・カーヴ
 アリス・テティエンヌさんと吉川由紀子社長/2023年3月撮影

輸入元ファインズの招聘でアンリオのアリス・テティエンヌさんが来日。料飲店とプレスを対象にしたセミナーを開催しました。
テティエンヌさんはシャンパーニュ生まれ。ローラン・ペリエでマーケティングを習得。醸造家の国家資格を取得し、2014年ニコラ・フィアットで醸造を担当、2015年クリュッグに入社し、テイスティングと栽培の両チームを兼務。2020年2月からアンリオの醸造責任者に就任し、栽培と醸造を担当、今に至っています。

今回の来日では、世界に先駆け、本邦初『キュヴェ エメラ2008』を披露してくださいました。メゾン創業から200周年記念&今世紀最高のヴィンテージ2008年!!!


 アンリオの歴史を振り返りながら
 出典:ファインズ

1808年、マダム・アポリーヌ・アンリオがメゾンを創業。
元々ぶどう栽培家の家系であり、この当時は3つのGC ヴェルジ、ヴェルズネー、マイイを所有、ぶどうはピノ・ノワール。
1880年、5代目の婚姻で、コート・デ・ブランのアヴーズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェの3つのグランクリュが加わり、白ぶどうのシャルドネを使用するようになります。

1957年から7代目のジョゼフ・アンリオ社長が指揮を執り、メゾンの拡大を図りました。1995年にはブルゴーニュのブシャール・エ・フィス、1998年にはシャブリのウィリアム・フェーブルを取得。2015年からは8代目のジル・ド・ラルズィエール=アンリオ社長が采配を振るい、最新のアイテム『キュヴェ エメラ』のデビューにも関わりました。2020年に女性シェフ・ド・カーヴとしてテティエンヌさんが就任。2世紀にわたり家族経営を貫いてきたのですが・・・

2022年、シャトー・ラトゥールやクロ・ド・タールを所有する高級ブランド『ケリング』 (ワイン部門はアルテミス・ドメーヌ)のオーナー、フランソワ・ピノー氏がアンリオの株を取得。2023年、生産協同組合 TEVC (テロワール・エ・ヴィニュロン・ド・シャンパーニュ)に移管されたことで、アンリオはTEVCの傘下になりました。ちなみに、ニコラ・フィアットもTEVCの傘下です。

アンリオグループで長年経営に携わってきたリシャール・モロー氏や醸造責任者のテティエンヌさん、現場のスタッフは続投なさるようなので安心していますが、アンリオラブの私としては胸中複雑。今後、ブシャール・ペール・エ・フィスはアルテミス・ドメーヌ、ウィリアム・フェーブルはドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド・ラフィットの管轄になるようです。

 
18世紀に建てられたコート・デ・ブランの迎賓館、優雅なレゾルノワで8代目ド・ラルズィエール社長から受けたおもてなしは最高でした/2019年11月撮影
この7月、上記に関して、全体の流れが見えてきたので、日本上陸したばかりのキュヴェ エメラ2008をメインに講座生の皆さんとアンリオに思いを馳せながら試飲しました。


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 シャンパーニュ講座の5アイテム


 第1部はテロワールを生かしたアイテム
 #1:アンリオ ブラン ド ブランNV
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
コート・デ・ブランのシャルドネのみを使用。ポール・アンリオとマリー・マルゲの婚姻がもたらしたシャルドネへのオマージュとも言えるアイテム。ベースヴィンテージは2016年。シトラスフルーツ、白桃やアプリコットのアロマ、チョーク質土壌由来のミネラル、フレッシュバターやブリオッシュ、心地よく広がる酸味、ピュアな印象


 #2:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 出典:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天に恵まれ、
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 鯛、クレソン、セロリ(葉および茎)、カラフルミニトマトを使った目鯛サラダ
 味付けは柚子味噌とオリーブオイル、最後に白胡麻をふりかけて完成
 ミレジメ2012は和柑橘の柚子や白胡麻との相性抜群!

 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ:6g/L
 価格:14,000円(税別)
1年前に試飲した時のコメントには、ブリオッシュ、コーヒー、白胡椒、ヨード、ミネラル、口中に広がるスマートな酸味、中盤からの凝縮感、エレガントで重厚、イースト由来の旨味との記載あり。今回は繊細に連なる気泡、香りには柑橘(レモンやGF)果実、ローストや焙煎香、イースト由来の旨味があり、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感を伴う余韻


 #3:アンリオ キュヴェ エメラ2008
 出典:ファインズ
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:5g/L未満
 価格:35,000円/37,500円箱入(税別)

アンリオにとって「8」のつくヴィンテージは特別です。
以前、8代目のジルさんに伺ったことがあります。「アンリオの創業年は1808年で、初めてシャンパンを造った年になります。それ以降も、8が付く年は良い思い出につながっています。1988年VTもとても良い収穫年でしたし、セラーにある一番古いVTは1928年。アンリオにとって8には縁があります」と語っていました。

キュヴェ エメラにはマダム・アポネーリーヌの時代から続くアンリオの遺産、6つのGC=ストラクチュアのヴェルジ、エレガンスのヴェルズネー、アロマのマイイ、緊張感のアヴィーズ、豊潤さのシュイイ、輝きのメニル・シュル・オジェ のぶどうを使っています。ピノとシャルドネの比率は半々(年によって若干の違いあり)、10年間で3~4回の割合でリリースされる由。輝きのある色調、白桃や熟れた果実、ミネラル、アカシア、焙煎香やクリームブリュレ、口中クリーミー。フレッシュさと力強さの対極感、グラス内の温度変化で複雑味が増し、長く続く余韻はエレガント。
大手メゾンの多くは2008年ヴィンテージをリリース済です。「時間は友だち」と公言するアンリオ、長熟を旨とするスタイルは本当に素晴らしいです🥂🥂🥂

 アンリオのDNA、永遠のリザーヴ
 
1990年からスタートさせたソレラシステムによるリザーヴワイン。467ヘクトリットルのタンクの番号が38だったことから『キューブ38』と命名されました。タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVのブリュット・スーヴェラン、ブラン・ド・ブラン、ロゼ用のリザーヴワインとして、残りの約3%はマグナムサイズで約1000本限定の『キューヴ38』に使っています。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


 第2フライトはロゼ
 赤ワインを添加してロゼを造っているアンリオが最も大事にしているのがアロマ
 アッサンブラージュの時は黒いグラスを使い、最終的な決断をしています。
 理由は、赤ワインを加えるので ■視覚から受ける影響を避ける ■アロマや味わいを優先

 #4:ブリュット ロゼ
 ぶどう品種:CH30%、PN60%、M10%(赤ワインとして8~10%)
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
1980年代に誕生したアイテム。ピノ・ノワールとムニエは果実感とアロマを重視したモンターニュ・ド・ランス産、シャルドネはミネラル感を重視したコート・デ・ブラン産。ベースヴィンテージは2017年。色調はサーモンピンク。香りはラズベリーやチェリー、ピンクグレープフルーツやオレンジ、ホワイトペッパーやピンクペッパー似のスパイシーな風味、軽快な酸味とフレッシュな余韻


 #5:アンリオ ブリュット ロゼ ミレジメ2012
 ぶどう品種:CH45%、PN55%、赤ワイン10%以下
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,500円(税別)
ラベルの色調と重なり合う2種のロゼ。コーラルカラー(珊瑚色)、視覚から伝わってくるボディ感。森のベリーや野イチゴ、ブラッドオレンジやエキゾチックフルーツの香り。ミネラル、塩味、フェノールのニュアンスもあり、舌の上の脂分を洗い流してくれる印象なので肉料理とのマリアージュもお薦め。

 IWC2023で金賞を受賞したロゼNV



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 テティエンヌさんへの質問
 セミナー後、プレスメンバーからの質問タイムをいただき・・・
■ジョゼフ・アンリオ社長時代から、アンリオはムニエを使わず、ピノとシャルドネだけでしたが、現在では、栽培面積でみると、ムニエは15%程度あり、使用頻度も増えているように感じます。これに関しては、畑の購入に伴い、もともとムニエが植えられていたことが要因の1つとのことで、それらのムニエは植え替えを進めているので、今後は減少していく由。ただ、年によって収量が少なかったり、温暖化の影響もあるので、質の良いムニエはキープしていく方針のようです。
■ステンレス使いのロラン・ペリエや樽使いのクリュッグでシャンパーニュと関わってきたテティエンヌさん。アンリオではステンレス中心ですが、彼女の代になってから、新しい取り組みとして、樽を使ったワインをリザーヴワインとしてストックしているとのこと。温暖化の影響下でのトライアルとして、進化を見ている由



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      シャンパーニュ委員会からの声明書

2023年の1㌶当たりの収量の上限は、世界経済の状況やインフレの影響を考慮し、前年より600kg少ない11,400kgに設定。ぶどう畑の状態は良好。霜や雹による被害はほとんど無く、病害も抑えられているので、収穫は9月10日までに開始出来る見込み。2023年の出荷量は3億1,400万本(2022年は3億2,550万本)と予測



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 余談ながら・・・
 四季のうつろいを大事にしている人形町今半さん。
 二十四節気の大暑の期間にお邪魔しました。
 定番のシャンパーニュはアンリオ ブリュット スーヴェランNV

 うちわを模した器もあり、視覚でも清涼感を満喫

      桜満開の時期には春のあしらい
      凜としたスタイルのブリュット スーヴェランに良く似合います!

  アンリオについてのお問い合わせ
  株式会社ファインズ商品部 (担当:木場谷/こばや) 電話03-6732‐8600

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オーストリアワインの新しい章“ニューチャプター”に込めた思い [来日したワイン生産者&関係者]

レンツ・モーザー&マルクス・フーバー両氏がデビューさせた白ワイン
“ニューチャプター”が日本で初めて紹介されたのは2021年4月のことでした。
現地と東京を繋いだオンラインで同国が誇る固有品種グリューナー・ヴェルトリーナー(以後GV)から造られたワインについておふたりが解説。オーストリアワインの新しい章、GVの新しい章、ふたりの男にとっての新しい章 “ニューチャプター” 誕生の経緯は、こちらのリポートをご覧いただくことで、ご理解いただけると思います。

そして・・・2年経過した2023年6月、レンツ・モーザー氏が2番目のヴィンテージ『ニューチャプター2021』を引っさげて来日。今回はリアルなお披露目になりました。


 第1部 世界トップの白ワインと利き比べながら
 ニューチャプターをリリースするにあたり、おふたりは国内外の100以上のワインを検証
 世界で人気の白ワイン、#3~#5に、敬意を表しています。

 左から
 #1: New Chapter2021 750ml
 #2: 1st growth - Ried Zwirch2021 Markus Huber
 #3: Cloudy Bay 2021
 #4: Chablis 1er Cru - Les Vaudevey 2021 Domaine Laroche
 #5: Antinori - Cervaro della Sala2021 モーザー氏が愛する伊ワイン
 #6: New Chapter2021 Magnum 今回初登場[わーい(嬉しい顔)]


 オーストリアの名門ロブマイヤーの手吹きグラスで試飲
 左から#1~#5

   
     マグナムボトルを手にするモーザー氏
     瓶型が特殊なのでボトル代も高くなりますが、
     モーザー氏にとって、ニューチャプターは特別なワイン。
     レギュラーサイズと比較試飲してみると、マグナムはとてもフレッシュ
     酸味のメリハリあり、GVの特徴香とも言える白胡椒のニュアンス
     大容量ボトルの本領発揮!


        第2部 料理とのマリアージュ@エラン/élan
マリアージュのポイントは ■ワインのミネラリティと塩 ■ブリュレのニュアンス(焦げたニュアンス) 。モーザー氏は「GVにはソーヴィニヨン・ブランと同じような“ロースト感”があります」と語りました。ゆえにマリアージュでは、その要素を意識しながら相性を診ました。信太竜馬シェフ考案のメニューについては野中洸太支配人が解説してくれました。

      乾杯はフーバー氏のゼクト
      グリューナー・ヴェルトリーナーブラン・ド・ブラン
      日本の6月は湿気が多いので軽快で爽やかなGVの泡は魅力的


 
赤パプリカをじっくりローストして作ったピュレとハマグリの出汁のソースを“泡立て”仕上げた一品で、食材のホワイトアスパラガスはしっかりと焼き目をつけてローストし、スミイカは丁寧に包丁を入れ、さっとあぶるように火を入れることで、ぷりっとした食感と一気に広がる甘味が堪能できたひと皿。GVにイカの甘味とホワイトアスパラガスのほろ苦さがバランス良く釣り合いナイス!


       5種のワインとの相性を見ながら



酸味を意識したハーブを香らせたブールブランのソース、魚(マナガツオ)が主役なのですが、味わい的にはブルーチーズ(フルムダンベール)を乗せてローストした白桃がアクセントのひと皿


 容量違いを利き比べてみると、マグナムボトルは、
 フレッシュさ、溌溂とした酸味、食事を引き立てるミネラル感が最高!


 
信太シェフにとって、GVを肉に合わせるのも、フルコースに合わせるのも今回が初挑戦。
シャモの肉汁に土っ要素要素があるヴァンジョンヌのソースを使用。さらに舞茸を焼いて香ばしさを強調。花ズッキーニを配し、アルザスやドイツで好まれているポムスフレを添えて仕上げたひと皿

信太シェフは、ヴァンジョンヌのソースを“泡状”にして供出しました。野中支配人は「泡にすると軽さが表現でき、口中でそれが弾けると香りが出てきます」とコメント


 好奇心旺盛な信太シェフが取り組んでいる養蜂
 巣箱から取ったばかりのハチミツ


 ワインから感じ取れるパッションフルーツやマンゴーやメロン
 ヨーグルトソースの酸味、爽やかな青みのバジルを合わせたひと皿


    来日できたことに大満足のモーザーー氏
   「来春は2020、2021、2022、バレルサンプルの4種を比べたい」とコメント


    モーザー氏との初の2ショット


 信太シェフとモーザー氏


           ニューチャプターの輸入元はロシナンテ

ロシナンテはオーストリアの老舗ロブマイヤー日本総代理店です。ロブマイヤーは歴史あるガラスメーカーで、ハプスブルグ家とも関わりが深く、シャンデリアでも良く知られています。「NYのメトロポリタン歌劇場にあるシャンデリア」は特に有名です。同国を愛するロシナンテの志村有一社長がグリューナー・ヴェルトリーナーの素晴らしいワイン『ニューチャプター』に惚れ込み、扱いを開始したことは大いに納得できます。

モーザー氏の6月来日にまつわるリポートはワイン王国webで紹介させていただきました。ご笑覧いただけましたら幸いです。
製品についてのお問い合わせは(株)ロシナンテまで/電話03-3423-4552


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今秋ニューデザインボトルで登場!! ジョセフ・ペリエの最高級品『キュヴェ・ジョセフィーヌ2014』 [シャンパン]

 シャロン・アン・シャンパーニュを拠点にする ジョセフ・ペリエ
 1825年創業のメゾン / 2019年撮影


      全長3km、200万~300万本をストックしているセラー
      ガロ・ロマン時代の遺産 / 2019年影撮


     シェフ・ド・カーヴのナタリー・ラプレイジュさん  
    2019年にシャンパーニュの専門誌で女性初のセラーマスター賞を受賞 / 2019年撮影



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 2022年12月開催のランチセミナー
 来日したベンジャミン・フルモン社長&オットー・プシュビラ取締役


 
 お披露目された『キュヴェ・ジョセフィーヌ2014』
 ストリートアーティスト、ジョルダン・サジェとのコラボによる限定バージョン
 ジョセフ・ペリエの娘ジョセフィーヌの結婚175年記念ボトル
 2014年はナタリーさんの前任クロード・デルヴァンさんが手がけたヴィンテージ
 アロマが豊かで酒質がとてもきれいです!
 初ヴィンテージの1982年に続き、85年、89年、90年、95年、98年、2002年、04年
 08年、12年&最新2014年。これまでに「11回のみの生産」になります。


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 2014年ヴィンテージ

 個性あるプラーク
 左は今秋発売予定の通常バージョン
 右は5000本限定生産だったサジェ・バージョン


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  ニューデザインボトルの2014年ヴィンテージ
  
  先日ベンジャミンさん手書きのメッセージと共にニューボトルが届きました!
  力強さ、繊細さ、優雅さを備えた注目すべきヴィンテージ
  このボトルにはメゾン創業200周年を2年後に控えた熱い思いが込められています
  透明感溢れたギフトボックス、鶴首の茶色のボトル、細部へのこだわり

  200周年の幕明けを待つレギュラーバージョンからイメージしたのは“ピュアさ”
  そこで新鮮野菜を使った冷製バーニャカウダとのマリアージュを考えました。


 朋友が自家栽培しているとりたて野菜が届いたこともタイムリーでした!


 野菜の彩りに気を遣いつつ・・・
 バーニャカウダの準備完璧!


 長なすはオーブンで軽く焼いて
 トウモロコシはベビーコーンも使いました!
 アンチョビをふんだんに使ったバーニャカウダのソースとシャンパーニュはイイ相性


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 新たな魅力が探求できたグラス違いの試飲
 
ヴェリタスグラス(左)で味わうと、白い花や石灰由来のニュアンス、アルベド(柑橘果実の内果皮の部分)の様なビター感や塩味、中盤以降に広がる酸味、全体的には優しくまとまって着地する印象でした。
一方のドンペリニョングラス(グラスの開発にはジェフロワさんが関与)では、香りのインパクトが強く、繊細なイメージより、果実の厚みや凝縮感が明確。口中では旨味、その後きれいな酸味が続き、それがそのまま舌の上に乗って長い余韻につながっていく印象!
酸味やミネラルの“質感”、ジョセフィーヌが備えている様々な要素が、旨味につながっていく流れを感じることができ、斬新で興味深い体験になりました。


     左がヴェリタス、右がドンペリニョングラス

グラスの利き比べは、リーデル・ジャパンの庄司大輔ブランドアンバサダーと一緒に行ったのですが、アンバサダーのコメントは「ヴェリタスでは、シャンパーニュの世界観の一面は楽しめるのですが、あえて“陽”と“陰”と表現するなら、内在する“陰”の部分が捉えにくかったかも知れません。ドンペリニョングラスだと、後半から芯の強さ、構成の大きさ、存在感のある酸味など、表面的なエレガントさだけでない要素を感じ取ることができました。美味しいだけではなく、様々な要素が楽しめ、より一層余韻も長く感じました」


[NEW]追記(2023年7月26日)
ブログを完成させてから、ジョセフ・ペリエに報告しました。オットー取締役から「2タイプのグラス比較をしたよ」との嬉しい返信が届きました。

As Joséphine 2014 has very delicate and subtle aromas, we consider the Dom Perignon glass more appropriate, as its shape better retains and encapsulates.
the flavors. Furthermore, the Dom Perignon glass offers a more solid, slightly thicker stem.
This allows a safer grip and full focus on the tasting experience and the joy linked to this precious moment.
ジョセフィーヌ2014は繊細な香りや味わいなので、ドンペリニョングラスを使うと、それらの要素がよりよく保たれ、また、グラスやステムもしっかりしているので、より安全に握ることができる。ゆえにテイスティング体験と貴重な瞬間がつながる喜びに集中できる、ということで、グラスの件に関しては同意していただけました[わーい(嬉しい顔)]

歴史あるシャンパーニュメゾン『ジョセフ・ペリエ』の経験豊富な皆さんが即、実践してくださったことに感激です。本当にありがとうございました、心からの感謝を込めて!


                  乞うご期待!
        キュヴェ・ジョセフィーヌ2014レギュラーエディション
        【製品に関するお問い合わせ先】
        輸入元:株式会社 JALUXワイン部 / 03-6367-8756 
        詳細は今秋発表予定
        シャンパーニュラバーの皆さま、お楽しみに!!


時空を超えた?!
キュヴェ・ジョセフィーヌ2014の通常バージョンを送ってくださったジョセフ・ペリエに感謝しながら、バーニャカウダとのマリアージュと2種のグラス比較の画像を添えて、オットー取締役にメールで報告した折のこと。

オットーさんはイタリアでバカンスを満喫していました。フランスに帰還なさってから、私に返信をくださったのですが、そのメールには・・・
One last mention and an amazing coincidence: your message reached me whilst arriving in Piedmont (Alba, Canelli, Asti…) the region of Italy where Bagna Cauda is originally from. (Your pictures are so mouthwatering!)

前述したように、私はジョセフィーヌ2014を手にした時、バーニャカウダとのマリアージュを連想し、即トライしました。同じ時期、オットーさんはバーニャカウダ発祥の地ピエモンテ州にいらっしゃいました。私からのバーニャカウダ&シャンパーニュ画像とメールを受信なさったのは、まさに、ピエモンテ在の瞬間。電磁波パワーを何度か体験している私にとって、これは時空を超えた出来事?!

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伝統あるメゾンの血筋を受け継いでいるシャンパーニュメゾン『ヴィルジニー T. 』 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

         21世紀に誕生したメゾン
 
茅場町Le temps voleの占部オーナーシェフからマーカムインターナショナル(株)を紹介していただき、6月のシャンパーニュ講座の候補として『ヴィルジニー T. ブリュット』を事前テイスティング。2、3日かけて、香り&味わいをチェックしました。
初日には黒ぶどう主体(PN70%)のニュアンス、2日目はミネラル感が顕著で、白ぶどうシャルドネの要素の出方も面白い発見でした。それは・・・
飲み慣れたテタンジェの雰囲気をそこはかとなく感じさせるもので、思わず、醸造担当者のDNAが反映している?! と思った次第です。


 パイパー・エドシック × テタンジェ クリックで拡大 
 参考画像:マーカムインターナショナル(株)

パイパー・エドシックは黒ぶどうのPN、テタンジェは白ぶどうのCHを要にしているメゾン。2008年にヴィルジニー T.を立ち上げたマダム・ヴィルジニー・テタンジェの家系をみると、父親はテタンジェの社長を長年務めたクロード・テタンジェ氏、母親はパイパー・エドシックのオーナー一族だったマダム・キャサリン・デ・スアレス・ダウランで、由緒あるメゾンの血筋を引いていることがわかりました。

マダム・ヴィルジニーは1986年にテタンジェに入社し、2006年父親の引退に伴い自らも退職。テタンジェ在職中は経営者のひとりとして従事し、カリフォルニアのドメーヌ・カーネロスの展開にも尽力しました。退社後はテロワールを重視したシャンパーニュ造りの道に進むことを決意。現在は息子にすべてを任せたいということで、シェフ・ド・カーブの職を委ねましたが、アッサンブラージュ等は親子で行っています。


  参考画像:マーカムインターナショナル(株)

ヴィルジニー T. のネゴシアンとしての拠点はヴェルジィ村(自社畑1㌶)で、現在はシルリィ村でシャンパーニュを醸造しています。2024年にはセラーをヴェルゼネ村に移転予定なので、拠点も同村になります。ヴェルゼネ村とルーヴォワ村にも計2㌶の自社畑を所有し、契約農家は長年の付き合いのある5軒(約10㌶分)から供給を受けています。年間生産量は8万本以下。

シェフ・ド・カーヴに関しては、マーカムインターナショナル(株)の紙浦泰宏社長から「メゾン創業当初はヴィルジニー・テタンジェでしたが、今は、2015年からメゾンに参画した息子フェルディナンド・プガーチです」との返信を頂戴しました。



 ヴィルジニー T. にフォーカス
 
 ということで、6月はヴィルジニー T. の5アイテムを選びました。
 リザーブワインはステンレスタンクで保存していて、通常は10~15%程度。
 ヴィンテージ、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワールに関しては、
 木樽でストックしているものも使っています。

 #1~#4の使用品種は、
 PN70%、CH20%、ムニエ10%とすべて同率、違いはドザージュ量のみ
 #1:ヴィルジニー T. ブリュット
 #2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
 #3:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
 #4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
 #5:ヴィルジニー T. ロゼ

 
 ラベルとプラークの配色にも気配りを感じます。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第1フライト

 #1:ヴィルジニー T. ブリュット
 生産者:ヴィルジニ・・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:7.5g/L
 価格:10,000円(税別)
 マダム・ヴィルジニーのDNAを象徴していると感じたアイテム!
 グラン・クリュとプルミエ・クリュのPNを中心に15村からなるキュヴェを調合
 ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟5年以上、100%MLF。
 黒ぶどう主体の果実の厚み、酸味は軽快、中盤以降スレンダー。
 2008年創業なので、リザーブワインが潤沢になれば、味わいにも変化が出ると予想

 #2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:4g/L
 価格:12,000円(税別)
 #1より1年長い瓶熟、スタイルはピュアでフレッシュ、活き活きとしてクリーミー
 気泡快活、果実風味、口中ドライながら、旨味があり、中盤からの広がり好印象

 特別供出:モンテス・スパークリング エンジェル・ブリュット
 生産国:チリ DOアコンカグア・ヴァレー
 ぶどう品種:PN70%、CH30%

 3ボトル

 3アイテムともPN70%なので、色調には類似点も!


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2フライトは2009年ヴィンテージのドザージュ違い

 #4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:0g/L
 価格:23,000円(税別)
 #4および#5の製法は同じ。ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF
 ローストやブリオッシュのアロマ、ぶどう本来の熟度由来の厚み
 口中クリーミー、熟成による複雑味が余韻とともに広がる印象

 #5:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:12g/L
 価格:18,000円(税別)
 ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF、果実味&酸味のバランス良好
 超10gのドザージュを感じさせない味わい。近年ドザージュ減量傾向ですが、
 糖分の多いシャンパーニュには、長い瓶熟により、メイラード反応が出てきます。
 クリーム・ブリュレやカラメルのニュアンス、#5にその要素を感じました。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第3フライトはロゼ 

 特別供出:バルディビエソ エクラ ブリュット・ロゼ
 生産国:チリ
 製法:シャルマ製法
 ぶどう品種:サンソー90%、PG10%
 ドザージュ:10g/L
 日本未輸入/参考出品

 #6:ヴィルジニー T. ロゼ
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN55%、CH35%、M10%
 ドザージュ:7g/L
 価格:13,000円(税別)
 2012年にボトリング、ブージィ村のPNとCHを使用。発酵・熟成はステンレスタンク、
 100%MLF。要はミネラル感、第3週&第4週とも女子たちから支持を得ていたアイテム


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



6月の講座ではチリ取材(5月20日~6月2日)で試飲してきたスパークリングワインの中から2アイテムを選び、講座生の皆さんにお土産の泡ものとして楽しんでいただきました。
 
ビーニャ・バルディビエソは南米で最初にスパークリングワインを手がけた家族経営のワイナリーで、チリ国内でのシェアも高く、カリテ・プリな泡(ワインも)の生産者として人気があります。チリの南部イタタ・ヴァレーのサンソーとピノ・グリを使ったエクラ・ロゼ。製法はシャルマ法(二次発酵はステンレスタンク)。最初にペトロール香(オイルに似た香り)を感じましたが、空気との触れあいでスイカやザクロ、優しい甘さと柑橘系果実似の酸味、親しみやすい印象のロゼ。


 
World's Best Vineyards 2022の第3位モンテスが誇る伝統製法によるエンジェル・ブリュット。アウレリオ・モンテス Jr.に「シャンパーニュ講座を担当しています」と話したら 「講座で飲み比べて」ということで持たせてくださったスパークリングワイン。
第4週ではシャンパーニュと利き違える講座生もいました。酒質が綺麗で、供出温度やグラスの形状によっては、さらにシャンパーニュと混乱させる実力ある泡もの🥂

🎆 World's Best Vineyards 2023の発表は2023年7月12日です!
https://www.worldsbestvineyards.com/

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