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新登場 オーストリアの固有品種グリューナー・ヴェルトリーナーのニューフェイス『ニュー チャプター』 [Zoom / ワイン]

 
 レンツ・モーザー + マルクス・フーバー = New Chapter
 オーストリアの固有品種グリューナー・ヴェルトリーナー(以後 GV)
 私の大好きなぶどう品種です!
 2003年、初めてのオーストリア取材で、秀逸なGVと対面して恋に落ちました[わーい(嬉しい顔)]
 それ以来、GVの応援をしています。和食に合うのも魅力です!
 でも・・・消費はドイツ語圏が中心なので、圏外に出るのはわずか10%程度です。

 そんなGVを、“TOMORROW’S GRUNER TODAY”と表現してリリースさせたのが、 
 歴史ある レンツ・モーザー家のレンツ・モーザーと、
 ワイングート マルクス・フーバー の10代目 若き精鋭マルクス・フーバーのおふたり。
 4月初旬、オーストリアと東京をZoomで繋ぎ、そのワインが披露されました!

 2009年に訪問したレンツ・モーザー、オーストリアカラーのお洒落な外観



         15年の友情から誕生した「ニュー チャプター」
        レンツ・モーザー(左)、マルクス・フーバー(右)


1849年に創設されたワイナリー『レンツ・モーザー』。祖父のレンツ・モーザー3世はNew Trellising system(高垣式)の栽培法を考案。父は1978年に自国にビオディナミを紹介し、1980年代の初めにGVをメジャーにした功労者です。既にワイナリーはモーザー家の手を離れてしまいましたが、オーストリア最大のワイン製造会社として良質なワインを市場に提供しています。

マルクス・フーバーは10代目で、醸造学校を卒業後、南ア、ドイツ、フランス、ハンガリーで研鑽を積み、2000年にワイナリーを継承。2015年にはファルスタッフ誌のワインメーカーオブザイヤーを受賞、2020年にはIWCのベスト白ワインメーカーオブザイヤーを受賞するなど、才能を遺憾なく発揮している期待のワインメーカーです。


        ふたりの情熱を形にしたニュー チャプター2020
ふたりは1種類のワインだけに注力、総生産量5万本、次VTからはマグナムボトルも登場
ふたりがフォーカスするのはロンドン、チューリッヒ、ミラノ、NY、東京等のワインシティ


       トライゼン川の流域に広がるトライゼンタール
 ニュー チャプターの拠点はニーダーエスタライヒ州のトライゼンタール

大陸性気候とパノニア気候が交差するエリアで、森林もあり、自然の要塞のような景観。
土壌はトライゼンタールの東側がレスとローム、西側が石灰と花崗岩を含む礫岩。
トライゼンタールはGVの生産量が多く、65%を占めていますが、マルクス・フーバーの畑はオーストリアのなかで唯一“石灰質土壌”。そこから誕生するグリューナーです!

畑は丘陵の中腹にあり、すべてが東向き。樹齢は古いもので70年。オーガニック栽培、全部で120区画、ニュー チャプターに使用するぶどうは最高の畑、最高の区画のものを厳選。



    IMG_5343.jpg   IMG_5344.JPG 
 4週間(10月初旬~11月初旬)に分けて健全果のみを収穫
 収穫の初期は凛とした果実味のぶどう、後半は複雑味を備えたぶどう
 それらをブレンドすることで、ワインに厚味や風味が加わる。
 部分的に全房発酵、マセラシオンは6~7時間
 醸造はステンレスタンク、500㍑のブルゴーニュ樽、アカシアの大樽を使用



             コンセプトは“未来を読む”           

モーザー&フーバーのおふたりが提唱している“Tomorrow’s Gruener Today”とは「明日のGVのスタイルを今日飲んで欲しい」との意味で、その真意は“未来を読み込む”こと。それを具現化したのが、ONE WINE-TWO MENの『ニュー チャプター』です。

彼らは、スティーブ・ジョブズのスピーチ “The people who are crazy enough to think they can change the world are the ones who do.(世界を変えられると本気で思っているようなクレージーな人間が世界を変えていく人間なんだ)”を引用し、自分たちが完成させた新しいグリュナーについて解説。

  ニュー チャプターのポイント

✥ネーミングにもあるように、グリューナー・ヴェルトリーナーの新たな“チャプター(章)”
✥瓶型は従来のタイプではなく存在感のあるフォルム
✥単一ぶどう100%のワインを重視するオーストリアにあって、敢えてブレンドを実施
 リースリングを1%ブレンド
 収穫時期の異なるぶどうをブレンド


 Zoomミーティングでは3アイテムを試飲
 ミーティング用に送られてきた3ワイン

 ✥ニュージーランド、クラウディ・ベイのソーヴィニョン・ブラン2020
 ぶどう品種:SB100%、豊かな果実味、過去10年間のなかで最も秀逸と評されているVT
 ✥オーストリア、トライゼンタールのニューチャプター2020
 ぶどう品種:GV99%、リースリング1%のブレンド
 フローラルなアロマ、ピュア、溌剌とした酸味、ミネラル、飲み飽きしない味わい
 ✥フランス、ペサック・レオニャンのシャトー・カルボニュー・ブラン2018
 ぶどう品種:SB、SE。熟成によるアロマ、フレッシュさと層を成して広がる旨味


 世界のトップワインを検証しながら

ニュー チャプターが目指すのは、世界のトップワインと肩を並べること。
ふたりは、国内外の100以上のワインを利き酒し、検証を重ねながら、ニュー チャプターの方向性、スタイルを探り、ワインを完成させました。欧州で発売して約4週間余りですが、ドイツを中心に快調な動きを見せています。
今回テイスティングして、大いに魅了されました、素晴らしいGVです!

ニューチャプターについてのお問い合わせ先
Weingut Markus Huber / markus@weingut-huber.at 宛
https://www.newchapter.wine/



    グリューナーをNYで大ブレイクさせたジャンシス・ロビンソン
私がオーストリアでGVに夢中になっていた前年、GVはNYのソムリエたちを虜にしていました。GVを語る上で外すことができない重要な出来事なので、触れておきたいと思います。
仕掛人はジャンシス・ロビンソンMWでした。
2002年、まだマイナーな品種だったGVのポテンシャルをいち早く察知し、名だたるブルゴーニュの銘醸ワインとのブラインドテイスティングをロンドンで開催。結果、高評価のGVに世界中から注目が集まりました。審査員も錚々たるメンバーで、パリスの審判の故スティーヴン・スパリュアも加わっていました。このテイスティングの後、長い名前のグリューナーは“グルービー”という可愛いネーミングに(笑) ブームを後押ししたのはNYのソムリエたちで、かの地で大ブレークしました!

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       2002年11月のFinancial Timesの記事/クリックで拡大可


       クリックで拡大可
 オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)が当時の出来事をまとめた記事には、
 供出されたワイン名や審査員名が!


 クリックで拡大可
 2003年9月、日本でもAWMB主催でGVとCHの対決をしました。
 ピュリニー・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ、ムルソー、シャブリと比較

 
           ☆☆☆☆☆
 【番外編】として和食とのマリアージュも加えておきます!
  冒頭にも書いたように、GVは和の食材とホント良く合います。

  いくらの醤油漬け
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 2003年以来、何度も試しているのが「いくらの醤油漬け」
 大根おろしを加えて2層にしたパターンと醤油漬けだけのパターン
 レモンのスライスをひとかけら添えて

  わさびとのマリアージュ
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 “みどり”の意味を持つグリューナーは色で合わせるマリアージュも楽しめます。
 上質なわさびとの相性は絶妙です。

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 魚介類とは文句なし!

  柑橘系果実と合せて
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 レモンピールのニュアンスを感じたニュー チャプターやカルボニューを、
 レモンをかじってから味わってみると、両ワインとも見事に釣り合いました。

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        クラウディ・ベイはレモンよりライムに寄り添う印象

 現地オーストリアで
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 食べ飽きしない組み合わせ
 旬のホワイトアスパラガスとグリューナー・ヴェルトリーナーは最高に美味!

 
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