ランソン × リーデル × ミシュランスターシェフのフィリップ・ミル / 2月のシャンパーニュ講座リポートと併せて [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]
ランソンイベント@リーデル青山本店
アサヒビールとリーデルの共催
MCはランソンのマリアン・ジョフロワ アジア・エクスポート・ディレクター(左)
ゲストコメンテーターはフィリップ・ミル ミシュランスターシェフ
アイテムにあわせてセレクトされたリーデルグラス
シャンパーニュは左から(番号はサービス順)
3)ロゼラベル・ブリュットNV
1)ブラックラベル・ブリュットNV
5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
2)ブラック・レゼルヴNV
4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004
グラスは供出順に
奥左から右へ 1)とヴェローチェ 2)とパフォーマンス 3)とヴェリタス
手前左から右へ 4)とワインウィングス 5)とブルゴーニュ・ピノ
ランソンの沿革
1760年創業、現在ランソンBCCグループ
所有する自社畑57㌶はすべて有機栽培、うち16㌶はビオディナミ農法に移行中。
ぶどう生産者との長い付き合いにより、460㌶の畑から供給を受け、まかなっています。
4つの原則
①クリュの多様性
100以上のクリュがあり、50%以上がグラン・クリュとプルミエ・クリュ
②ノン・マロ
ほとんどの場合、MLFを実施しない方針
③潤沢なリザーヴワイン
ステンレスタンクだけでなく、フードル(木樽)も活用
20年以上保存しているキュヴェからセレクト
④熟成期間の長さ
リンゴ酸を生かすためには長い熟成期間が必要であり、それによってシャンパーニュ本来の姿を表現
ヴィンテージコレクション
1976年以降、消費者からの要望で古いヴィンテージをリリース
最古のヴィンテージは1894年
パートナーシップ
ヴィクトリア女王から授与されたロイヤルワラント、現在はエリザベス2世からの紋章
40年以上にわたりウィンブルドン・テニストーナメントの公式シャンパーニュ
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
テイスティング&マリアージュのコメント
※2)、3)、5)のテクニカルデータはシャンパーニュ講座の項に記載
1)ブラックラベル・ブリュットNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ50%
ベースワインは2017年VT
リザーヴワインは45%
熟成は4年以上
ドザージュは8g/L
マリアン:勢いのある口当たり、柑橘果実や白い花、爽やかで活き活きしていてまろやか、バランスの取れた味わい
フィリップ:ヴェローチェのグラスで味わうとシャンパーニュの塩味がよくわかる。
天麩羅の衣のカリカリ感と良く合い、トースト風味もあるので温かな衣とピッタリ。酸味の心地良さはトマトのジュレや柑橘(レモンやオレンジ)の皮の甘苦みと合せて。パルメザンチーズの香りや味わいはブラックラベルの塩味と相乗するし、歯応えある味わいなので、イタリアのオッソブーコ(仔牛すね肉の煮込み)も面白い。
2)ブラック・レゼルヴNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ70%
マリアン:熟成感があり、1) より厚みのある味わい。柑橘果実、バターやアーモンド、木の実、シュル・リー由来の旨味、複雑味
フィリップ:パフォーマンスグラスで味わうとワインの力強さや石灰のニュアンスを感じる。牛肉のカルパッチョやセヴィーチェ。フレッシュアーモンドやヴィネガー、少し辛めの調味料を使ったり、イタリアのアマレットのソースを使った料理もお薦め
3)ロゼラベル・ブリュットNV
マリアン:英国で人気のロゼ。柑橘ならレモン、グレープフルーツ、クレマンティーヌ。赤いベリー系果実のニュアンスも。ランソンならではの一本筋の通った酸味
フィリップ:ロゼは深みのあるヴェリタスグラス。ラングスチーヌは白身で、甘さ・軽さ・爽やかさがあり、食べ応えもあるので、ブイヨンあるいはコンソメで調理。日本なら甘エビで代用できる。仕上げにバラの花びらを散らすとロゼに映える。柑橘のソースで味付けても良い。イチゴに生クリームやシロップを添えてロゼと楽しむのも一興
2017年にフィリップさんが桜をイメージして創作したデザート
4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004
ぶどう品種はCH100% / ノン・マロ
グラン・クリュ100%
アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイィ
熟成は18年
ドザージュは6g/L
生産本数は14,017本
マリアン:ノーブル・シャンパーニュは素晴らしいヴィンテージのみ造られる。生産量は10,000~15,000本。ブラン・ド・ブランは1983年がファーストVTで、1989、1990、1994、1995、1996、1997、1998、1999、2002と2004。2004年は夏の間は灰色の雲に覆われたが、9月には太陽の祝福に満ち、最高のシャンパーニュが誕生した。長い熟成を経たニュアンス、ビスケット、焼いたパン、アカシアの花、砂糖漬けの果実、舌の両端に感じる塩味
フィリップ:初めて体験するウィングスは鼻がグラスに入ってしまう大きな口径。ブラン・ド・ブランは魚介類に合わせたいシャンパーニュ。フランスなら帆立、牡蠣のヨード香にも相乗。メインの魚料理の脇役として、桃屋の海苔の佃煮を添えてサービスするのも良い。
5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
マリアン:ピノ・ノワールの力強さが出ている。泡はワインに溶け込みスムースでクリーミー。果肉が柔らかで甘味のある桃や梨。小麦を使ったお菓子やスパイスの効いた物と!
フィリップ:根菜類が合う。大根や蕪のような白色の根菜をキノコと一緒に茹でたり煮たりして、煮汁の風味を生かす。焼きたてのお菓子や洋梨のタルトを冷た過ぎない温度帯の2004年と合せて楽しむこともできる。
おふたりともシャンパーニュ地方のご出身!
マリアン・ジョフロワさんはフランスのネオマビジネススクールで学び、その後、ブルゴーニュでワインとスピリッツのビジネスの修士号を取得。2010年に生まれ故郷のシャンパーニュに戻り、2013年にランソン入社。欧州市場を担当し、現在はアジア・エクスポート・ディレクターとして活躍中
フィリップ・ミルさんは2008年料理芸術の全国コンテストで優勝し、翌年2009年にはブロンズボキューズで優勝。2009年にランスの老舗『レ・クレイエール』のシェフに就任。2011年ミシュラン1つ星、2012年には2つ星を獲得し、往年の星を取り戻している功労者。2017年の来日時、インタビューするチャンスがあり、見事な料理も披露していただきました。ミシュランスターシェフの心意気をお感じいただけましたら幸いです。
進化するランソン
1986年から2014年までセラーマスターとして在職していたジャン・ポール・ガンドン氏は徹底したノン・マロ主義。2013年に後任者として就任したエルヴェ・ダンタンさん(前職はマイィ・グランクリュの醸造長)は、ガンドン氏の造りを少し外しています。そのことについて、マリアンさんに質問してみました。
マリアン:エルヴェは、従来からの造りを継承しつつ、飲み手に新鮮な驚きや喜びを感じていただきたいと思い、ランソンのシャンパーニュの複雑味の重層化を考えています。醸造設備の改築に手を加え、ステンレスタンクだけでなく、フードルを導入したのも、そのための取り組みです。エルヴェは、今までの経験や直感に基付き、ぶどうの出来具合や状態をみて、判断を下しています。リザーヴワインについても、ソレラシステムや過去何年か遡ったキュヴェを使うというような“決まり事”は全くなく、すべて彼の決断に依るものです。
テイスティングしたヴィンテージ・シャンパーニュはノン・マロ、ノン・ヴィンテージには若干MLFを施しています。
5アイテムを試飲してみると、どんな温度になっても “フレッシュ感、複雑味、芯のある酸味” が顕著です。それをお感じいただければ、エルヴェの考え方が見えてきます。今回のテイスティングでそれがお伝えできれば嬉しいです。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
2月のNHK文化センター青山校シャンパーニュ講座
ランソンをメインにユレ・フレール、アルフレッド・グラシアンをセレクト
比較試飲しながら3メゾンの特徴をチェック
コルクの背比べ
第1フライト
#1:ランソン ブラック・レゼルヴNV
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
ベースワインは2014年VT
リザーヴワインは45%
デゴルジュマン:2021年8月
ドザージュ:7g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:アサヒビール
2024年なので「4」に注目
第1フライトに2014年と2004年絡みのヴィンテージを入れました。
#1のベースヴィンテージは2014年。色調はストローカラー、柑橘果実や赤系果実、内果皮の軽いビター感。熟成感があり、フレッシュでありながら、時間の経過で様々な要素が層を成すシャンパーニュ。最後まで続く自然体の酸味が好印象
#2:ユレ・フレール キャトル・エレマン ピノ・ムニエ2014
生産者:ユレ・フレール(NM)
ぶどう品種:ムニエ100% / ノン・マロ
リュード村の単一区画「ラ・グロッセ・ピエーレ」のムニエ/1963年に植樹
デゴルジュマン:2019年
ドザージュ:3g/L
価格:13,800円(税別)
輸入元:テラヴェール
1960年創業のユレ・フレール、所有畑は10㌶、相続で叔父たちと畑を分割。但し、管理は3代目のフランソワ・ユレ当主が行っているので、実質的にはRM形態。モンターニュ・ド・ランスにある畑は北向きなので、ぶどうはゆっくり熟し、粘土質の土壌はぶどうに厚みと豊かさをもたらす。シャンパーニュ業界の次世代を担う実力派
他の2アイテムより濃い目の色調、果実感と熟成のニュアンス、ミネラル、ピュアな酒質、ドザージュ量が極少ながらぶどうの熟度に由来する甘味。温度が上がっても最後まで存在感のある酸味。第3週の講座生の多くを魅了していたアイテム。キャトル・エレマン(4つの要素)は単一品種、単一畑、単一年&ひとりの造り手を意味するネーミング
#3:ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
特別手配のドンペリニヨングラスDPGと通常のリースリンググラス
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:CH70%、PN30% /ノン・マロ
デゴルジュマン:2021年9月
ドザージュ:6g/L以下
価格:26,800円(税別)
輸入元:アサヒビール
DPGはドン ペリニヨン前醸造最高責任者のリシャール・ジェフロワさんが2019年に後任のヴァンサン・シャプロンさんと共に、視覚、嗅覚、味覚のすべてにおいて最高のテイスティング体験が可能になるグラス開発に挑戦したもので、1年を超える試行錯誤の末、最終的にジェフロワさんによる分析と改良案に従って形状を決定し完成
プレステージシャンパーニュの利き比べの時に、DPGを使うと、複雑なシャンパーニュのどの側面も主張し過ぎず、バランスよく試飲できるので、私はよく使っています。ワンワードだと“浄化”
マルタ騎士団のロゴ
1760年フランソワ・ドラモットがメゾンを興し、次男と事業を行っていましたが、
1798年に聖マルタ騎士団の騎士だった長男ニコラ・ルイが帰国したことでメゾンを継承
ランソンのラベルやプラークにある十字マークは聖マルタ騎士団の紋章
ランソンには赤が似合ってますね!
第2フライト
アルフレッド・グラシアンは1864年から150年以上続く家族経営
すべてのアイテムはノン・マロ、樽発酵&樽熟成
シェフ・ド・カーヴは一子相伝で、ジェジェ家が代々継いでいます。
#4:アルフレッド・グラシアン ロゼNV
生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
ぶどう品種:CH46%、PN29%、M25%、ブージー産PN12%添加 / ノン・マロ
リザーヴワインは約40%、瓶熟成は約24カ月
デゴルジュマン:2023年2月
ドザージュ:9g/L以下
価格:10,500円(税別)
輸入元:WINE TO STYLE
アセロラカラーからオレンジに近い色調。果実のアロマ、タンニンや酸味のニュアンス、最初から最後までフレツシュ感を伴ったロゼ。ランソンより力強さがありますが、DPGで試すとタンニンまろやか!
#5:ランソン ロゼ・ラベル・ブリュットNV
通常のリースリンググラスとドンペリニヨングラスDPG
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN53%、CH32%、M15%、赤ワイン※を7%添加
※ブージー、キュミエール、リセの黒ぶどうを使用
一部MLF
デゴルジュマン:2021年10月
ドザージュ:8g/L以下
価格:12,000円(税別)
輸入元:アサヒビール
上品なサーモンピンク、果実のアロマ、心地よい酸味、軽いビター感。DPGで味わうと、味わいが淘汰され、ランソンに新風を吹き込んだエルヴェ・ダンタンスタイルを実感。“バラの香り”を明確に感じ、フィリップさん提案の料理が完璧にイメージできました。第3週&第4週の講座生の多くが絶賛していたロゼ、お花見に超お薦め!
講座生のHakoさんブログも添えておきます。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
4月からのシャンパーニュ講座募集開始
毎月第3週、第4週になります。
キャンセル待ちの登録も受け付けています。
多くのシャンパーニュラバーさんにご興味を持っていただけると嬉しいです![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
春季からは、2クラスのメリットを生かしながら、
最終回の6回目を合同開催にすることにしました。
シャンパーニュの醍醐味であるマグナムサイズに特化
引き続き、宜しくお願いします。
INFORMATION
3月1日スタート『ランデブーAWA(泡)』
今年は帝国ホテル開業134周年なので「134」に因み、
134銘柄のシャンパーニュやスパークリングワイン等の品揃え
グラスで提供するのは、お薦めのプレミアム等常時10種程度
営業時間は17時~22時30分 / 席数は52
お電話でのお問い合わせは03-3539-8045
詳細情報は以下
https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/awa/
アサヒビールとリーデルの共催
MCはランソンのマリアン・ジョフロワ アジア・エクスポート・ディレクター(左)
ゲストコメンテーターはフィリップ・ミル ミシュランスターシェフ
アイテムにあわせてセレクトされたリーデルグラス
シャンパーニュは左から(番号はサービス順)
3)ロゼラベル・ブリュットNV
1)ブラックラベル・ブリュットNV
5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
2)ブラック・レゼルヴNV
4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004
グラスは供出順に
奥左から右へ 1)とヴェローチェ 2)とパフォーマンス 3)とヴェリタス
手前左から右へ 4)とワインウィングス 5)とブルゴーニュ・ピノ
ランソンの沿革
1760年創業、現在ランソンBCCグループ
所有する自社畑57㌶はすべて有機栽培、うち16㌶はビオディナミ農法に移行中。
ぶどう生産者との長い付き合いにより、460㌶の畑から供給を受け、まかなっています。
4つの原則
①クリュの多様性
100以上のクリュがあり、50%以上がグラン・クリュとプルミエ・クリュ
②ノン・マロ
ほとんどの場合、MLFを実施しない方針
③潤沢なリザーヴワイン
ステンレスタンクだけでなく、フードル(木樽)も活用
20年以上保存しているキュヴェからセレクト
④熟成期間の長さ
リンゴ酸を生かすためには長い熟成期間が必要であり、それによってシャンパーニュ本来の姿を表現
ヴィンテージコレクション
1976年以降、消費者からの要望で古いヴィンテージをリリース
最古のヴィンテージは1894年
パートナーシップ
ヴィクトリア女王から授与されたロイヤルワラント、現在はエリザベス2世からの紋章
40年以上にわたりウィンブルドン・テニストーナメントの公式シャンパーニュ
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
テイスティング&マリアージュのコメント
※2)、3)、5)のテクニカルデータはシャンパーニュ講座の項に記載
1)ブラックラベル・ブリュットNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ50%
ベースワインは2017年VT
リザーヴワインは45%
熟成は4年以上
ドザージュは8g/L
マリアン:勢いのある口当たり、柑橘果実や白い花、爽やかで活き活きしていてまろやか、バランスの取れた味わい
フィリップ:ヴェローチェのグラスで味わうとシャンパーニュの塩味がよくわかる。
天麩羅の衣のカリカリ感と良く合い、トースト風味もあるので温かな衣とピッタリ。酸味の心地良さはトマトのジュレや柑橘(レモンやオレンジ)の皮の甘苦みと合せて。パルメザンチーズの香りや味わいはブラックラベルの塩味と相乗するし、歯応えある味わいなので、イタリアのオッソブーコ(仔牛すね肉の煮込み)も面白い。
2)ブラック・レゼルヴNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ70%
マリアン:熟成感があり、1) より厚みのある味わい。柑橘果実、バターやアーモンド、木の実、シュル・リー由来の旨味、複雑味
フィリップ:パフォーマンスグラスで味わうとワインの力強さや石灰のニュアンスを感じる。牛肉のカルパッチョやセヴィーチェ。フレッシュアーモンドやヴィネガー、少し辛めの調味料を使ったり、イタリアのアマレットのソースを使った料理もお薦め
3)ロゼラベル・ブリュットNV
マリアン:英国で人気のロゼ。柑橘ならレモン、グレープフルーツ、クレマンティーヌ。赤いベリー系果実のニュアンスも。ランソンならではの一本筋の通った酸味
フィリップ:ロゼは深みのあるヴェリタスグラス。ラングスチーヌは白身で、甘さ・軽さ・爽やかさがあり、食べ応えもあるので、ブイヨンあるいはコンソメで調理。日本なら甘エビで代用できる。仕上げにバラの花びらを散らすとロゼに映える。柑橘のソースで味付けても良い。イチゴに生クリームやシロップを添えてロゼと楽しむのも一興
2017年にフィリップさんが桜をイメージして創作したデザート
4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004
ぶどう品種はCH100% / ノン・マロ
グラン・クリュ100%
アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイィ
熟成は18年
ドザージュは6g/L
生産本数は14,017本
マリアン:ノーブル・シャンパーニュは素晴らしいヴィンテージのみ造られる。生産量は10,000~15,000本。ブラン・ド・ブランは1983年がファーストVTで、1989、1990、1994、1995、1996、1997、1998、1999、2002と2004。2004年は夏の間は灰色の雲に覆われたが、9月には太陽の祝福に満ち、最高のシャンパーニュが誕生した。長い熟成を経たニュアンス、ビスケット、焼いたパン、アカシアの花、砂糖漬けの果実、舌の両端に感じる塩味
フィリップ:初めて体験するウィングスは鼻がグラスに入ってしまう大きな口径。ブラン・ド・ブランは魚介類に合わせたいシャンパーニュ。フランスなら帆立、牡蠣のヨード香にも相乗。メインの魚料理の脇役として、桃屋の海苔の佃煮を添えてサービスするのも良い。
5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
マリアン:ピノ・ノワールの力強さが出ている。泡はワインに溶け込みスムースでクリーミー。果肉が柔らかで甘味のある桃や梨。小麦を使ったお菓子やスパイスの効いた物と!
フィリップ:根菜類が合う。大根や蕪のような白色の根菜をキノコと一緒に茹でたり煮たりして、煮汁の風味を生かす。焼きたてのお菓子や洋梨のタルトを冷た過ぎない温度帯の2004年と合せて楽しむこともできる。
おふたりともシャンパーニュ地方のご出身!
マリアン・ジョフロワさんはフランスのネオマビジネススクールで学び、その後、ブルゴーニュでワインとスピリッツのビジネスの修士号を取得。2010年に生まれ故郷のシャンパーニュに戻り、2013年にランソン入社。欧州市場を担当し、現在はアジア・エクスポート・ディレクターとして活躍中
フィリップ・ミルさんは2008年料理芸術の全国コンテストで優勝し、翌年2009年にはブロンズボキューズで優勝。2009年にランスの老舗『レ・クレイエール』のシェフに就任。2011年ミシュラン1つ星、2012年には2つ星を獲得し、往年の星を取り戻している功労者。2017年の来日時、インタビューするチャンスがあり、見事な料理も披露していただきました。ミシュランスターシェフの心意気をお感じいただけましたら幸いです。
進化するランソン
1986年から2014年までセラーマスターとして在職していたジャン・ポール・ガンドン氏は徹底したノン・マロ主義。2013年に後任者として就任したエルヴェ・ダンタンさん(前職はマイィ・グランクリュの醸造長)は、ガンドン氏の造りを少し外しています。そのことについて、マリアンさんに質問してみました。
マリアン:エルヴェは、従来からの造りを継承しつつ、飲み手に新鮮な驚きや喜びを感じていただきたいと思い、ランソンのシャンパーニュの複雑味の重層化を考えています。醸造設備の改築に手を加え、ステンレスタンクだけでなく、フードルを導入したのも、そのための取り組みです。エルヴェは、今までの経験や直感に基付き、ぶどうの出来具合や状態をみて、判断を下しています。リザーヴワインについても、ソレラシステムや過去何年か遡ったキュヴェを使うというような“決まり事”は全くなく、すべて彼の決断に依るものです。
テイスティングしたヴィンテージ・シャンパーニュはノン・マロ、ノン・ヴィンテージには若干MLFを施しています。
5アイテムを試飲してみると、どんな温度になっても “フレッシュ感、複雑味、芯のある酸味” が顕著です。それをお感じいただければ、エルヴェの考え方が見えてきます。今回のテイスティングでそれがお伝えできれば嬉しいです。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
2月のNHK文化センター青山校シャンパーニュ講座
ランソンをメインにユレ・フレール、アルフレッド・グラシアンをセレクト
比較試飲しながら3メゾンの特徴をチェック
コルクの背比べ
第1フライト
#1:ランソン ブラック・レゼルヴNV
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
ベースワインは2014年VT
リザーヴワインは45%
デゴルジュマン:2021年8月
ドザージュ:7g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:アサヒビール
2024年なので「4」に注目
第1フライトに2014年と2004年絡みのヴィンテージを入れました。
#1のベースヴィンテージは2014年。色調はストローカラー、柑橘果実や赤系果実、内果皮の軽いビター感。熟成感があり、フレッシュでありながら、時間の経過で様々な要素が層を成すシャンパーニュ。最後まで続く自然体の酸味が好印象
#2:ユレ・フレール キャトル・エレマン ピノ・ムニエ2014
生産者:ユレ・フレール(NM)
ぶどう品種:ムニエ100% / ノン・マロ
リュード村の単一区画「ラ・グロッセ・ピエーレ」のムニエ/1963年に植樹
デゴルジュマン:2019年
ドザージュ:3g/L
価格:13,800円(税別)
輸入元:テラヴェール
1960年創業のユレ・フレール、所有畑は10㌶、相続で叔父たちと畑を分割。但し、管理は3代目のフランソワ・ユレ当主が行っているので、実質的にはRM形態。モンターニュ・ド・ランスにある畑は北向きなので、ぶどうはゆっくり熟し、粘土質の土壌はぶどうに厚みと豊かさをもたらす。シャンパーニュ業界の次世代を担う実力派
他の2アイテムより濃い目の色調、果実感と熟成のニュアンス、ミネラル、ピュアな酒質、ドザージュ量が極少ながらぶどうの熟度に由来する甘味。温度が上がっても最後まで存在感のある酸味。第3週の講座生の多くを魅了していたアイテム。キャトル・エレマン(4つの要素)は単一品種、単一畑、単一年&ひとりの造り手を意味するネーミング
#3:ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
特別手配のドンペリニヨングラスDPGと通常のリースリンググラス
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:CH70%、PN30% /ノン・マロ
デゴルジュマン:2021年9月
ドザージュ:6g/L以下
価格:26,800円(税別)
輸入元:アサヒビール
DPGはドン ペリニヨン前醸造最高責任者のリシャール・ジェフロワさんが2019年に後任のヴァンサン・シャプロンさんと共に、視覚、嗅覚、味覚のすべてにおいて最高のテイスティング体験が可能になるグラス開発に挑戦したもので、1年を超える試行錯誤の末、最終的にジェフロワさんによる分析と改良案に従って形状を決定し完成
プレステージシャンパーニュの利き比べの時に、DPGを使うと、複雑なシャンパーニュのどの側面も主張し過ぎず、バランスよく試飲できるので、私はよく使っています。ワンワードだと“浄化”
マルタ騎士団のロゴ
1760年フランソワ・ドラモットがメゾンを興し、次男と事業を行っていましたが、
1798年に聖マルタ騎士団の騎士だった長男ニコラ・ルイが帰国したことでメゾンを継承
ランソンのラベルやプラークにある十字マークは聖マルタ騎士団の紋章
ランソンには赤が似合ってますね!
第2フライト
アルフレッド・グラシアンは1864年から150年以上続く家族経営
すべてのアイテムはノン・マロ、樽発酵&樽熟成
シェフ・ド・カーヴは一子相伝で、ジェジェ家が代々継いでいます。
#4:アルフレッド・グラシアン ロゼNV
生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
ぶどう品種:CH46%、PN29%、M25%、ブージー産PN12%添加 / ノン・マロ
リザーヴワインは約40%、瓶熟成は約24カ月
デゴルジュマン:2023年2月
ドザージュ:9g/L以下
価格:10,500円(税別)
輸入元:WINE TO STYLE
アセロラカラーからオレンジに近い色調。果実のアロマ、タンニンや酸味のニュアンス、最初から最後までフレツシュ感を伴ったロゼ。ランソンより力強さがありますが、DPGで試すとタンニンまろやか!
#5:ランソン ロゼ・ラベル・ブリュットNV
通常のリースリンググラスとドンペリニヨングラスDPG
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN53%、CH32%、M15%、赤ワイン※を7%添加
※ブージー、キュミエール、リセの黒ぶどうを使用
一部MLF
デゴルジュマン:2021年10月
ドザージュ:8g/L以下
価格:12,000円(税別)
輸入元:アサヒビール
上品なサーモンピンク、果実のアロマ、心地よい酸味、軽いビター感。DPGで味わうと、味わいが淘汰され、ランソンに新風を吹き込んだエルヴェ・ダンタンスタイルを実感。“バラの香り”を明確に感じ、フィリップさん提案の料理が完璧にイメージできました。第3週&第4週の講座生の多くが絶賛していたロゼ、お花見に超お薦め!
講座生のHakoさんブログも添えておきます。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
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毎月第3週、第4週になります。
キャンセル待ちの登録も受け付けています。
多くのシャンパーニュラバーさんにご興味を持っていただけると嬉しいです
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
春季からは、2クラスのメリットを生かしながら、
最終回の6回目を合同開催にすることにしました。
シャンパーニュの醍醐味であるマグナムサイズに特化
引き続き、宜しくお願いします。
![[NEW]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/120.gif)
3月1日スタート『ランデブーAWA(泡)』
今年は帝国ホテル開業134周年なので「134」に因み、
134銘柄のシャンパーニュやスパークリングワイン等の品揃え
グラスで提供するのは、お薦めのプレミアム等常時10種程度
営業時間は17時~22時30分 / 席数は52
お電話でのお問い合わせは03-3539-8045
詳細情報は以下
https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/awa/
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