SSブログ
来日したワイン生産者&関係者 ブログトップ
前の10件 | -

1889年設立のナパ『マヤカマス』から醸造家が初来日、WSで高評価を受けた2015年VTを披露 [来日したワイン生産者&関係者]

 ピューマの遠吠えの意味をもつマヤカマス・ヴィンヤーズ
ワイナリー名はマヤカマス山脈に由来。敷地は190㌶、うち18㌶にぶどう植を植樹、畑は標高550m〜750mの山岳地帯に位置しています。生産量は5,000~6,000ケースで、内訳はCH2,000、ME500~1,000、CS2,000~3,000。ロゴのMの中に描かれているのは2 匹のピューマ(マウンテンライオン)、アメリカン・インディアンのワッポ族の言葉でマヤカマスは「ピューマの遠吠え」を意味します。

マヤカマスの沿革 敬称略
ナパで最も古いワイナリーのひとつとして知られているマヤカマス・ヴィンヤーズは、サンフランシスコでピクルスの販売をしていたドイツ人のジョン・ヘンリー・フィッシャーが、1889年に別荘兼ワイナリーとして立ち上げたものです。場所は現在のマウント・ヴィーダーAVA (当時の呼称はレッド・ウッズ)。趣味で植えたぶどう樹(ジンファンデル等)からワインを造り、販売。荷馬車で2日間かけてサンフランシスコまで運搬していたという記録も残っています。1906年のサンフランシスコ大地震とそれに伴う火災が原因で自己破産に追い込まれたフィッシャーは止む無く施設を手放すことに。1910年、オークションにかけられたワイナリーは、わずか5000ドルで落札されます。余談ですが、購入した人物はカトリック系だったので禁酒法時代 (1920~1933年)にも合法的にワイン造りをしていたとのことです。

禁酒法解禁後、廃墟に近い状態になっていたワイナリーを英国人のジャック・テイラーが購入。重力移動式のワイナリーとして再建し、敷地にシャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンを植樹。1965にワインメーカーとしてボブ・セッションズを雇用。彼は1971年まで働きました。1968年から所有者がテイラーからボブ・トラヴァース(1972年から2012年までワイン造りを担当)に変わります。機械工学を専攻した彼は、ワイン好きが高じて、ワイナリーを入手する以前には、ハイツ・セラーズでワイン醸造を学んでいました。

1976年に開催されたパリ・テイスティングで7位に入ったマヤカマス・カベルネ・ソーヴィニョン1971はボブ・セッションズが造ったワインです。この出来事以降、マヤカマスは評価を高め、さらに、2006年に行われたパリ・テイスティング30周年記念のテイスティングでは3位に輝き、長期熟成に耐えうるワインとしてマヤカマス・ヴィンヤーズは世界的に知れ渡るようになります。

2013年、トラヴァースが74歳の時に、現オーナーのショッテンスタイン財閥の傘下となり、スクリーミング・イーグルの元ワイン・メーカーのアンディ・エリクソンがワイン醸造を監修。ワイン造りは2月に来日した若きポープ、ブレイデン・アルブレクトが担当しています。
長期にわたり放ったらかしにされていた畑の大改革はカリフォルニアでオーガニック&バイオダイナミック農法のパイオニアとして知られているフィル・コトゥーリに委ねられ、マヤカマスは健全な土壌を取り戻すことに成功しました。



 細く長い林道の奥にあるマヤカマス・ヴィンヤーズ
 禁酒法時代にはスピークイージー(もぐり酒場)の場としても知られていた!?
 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の映画を思い出して・・・ 


 1976年の『パリスの審判』でのランキング

 2006年は第3位に!



2月に来日した醸造家ブレイデン・アルブレクトさんと輸出部長キャシー・コーンさん
アルブレクトさんの家族はラザフォードに畑を所有していたので、幼少期から土に馴染み、自社畑で獲れた野菜等を食べていたそうです。ソノマに転居し、高校生の時はワイン造りにはまり、カリフォルニア大学バークレー校に進学して農業を専攻。インターンシップでフィル・コトゥリーの元で学び、彼の哲学にほれ込みます。その恩師から紹介されたのがマヤカマスで、ワインメーカーとして現在に至っています。

 ブレイデン・アルブレクトとのテイスティング・タイム

バランスの取れたマヤカマス・ヴィンヤーズ シャルドネ ナパ・ヴァレー2014、2017
「2017年は山火事がありましたが、シャルドネはカベルネと醸造施設が異なるので生産することができました」とアルブレクトさん


樹齢40年のぶどう樹、無灌漑、発酵は小樽(新樽率5~10%)とパンチョンとステンレスタンクを使用。ノン・マロ、シュル・リーで12ヵ月(約15年位の使用樽)樽熟、その後6ヵ月ステンレスタンクで熟成させ瓶詰め。2017年は温暖な気候だったので、ワインの味わいを締める意味で6ヵ月ステンレスを使用



(左から) マヤカマス・ヴィンヤーズ CS マウント・ヴィーダー ナパ・ヴァレー 2012、2013、2015
2012年はボブ・トラヴァースが所有していたので栽培にも収穫にも関わっていないヴィンテージ。2013年から現オーナーのショッテンスタイン家が管理。栽培から収穫、醸造に至るまで全ての工程を自分たちで行った。納得できるヴィンテージで質も量も潤沢。温暖な2015年は結実不良があったものの酒質は良く、長期熟成タイプ。この年は2019年ワインスぺクテーター誌のTOP100で堂々の第2位!

 和牛ヒレ肉のカツサンド 
(左から)同2003、2005、2010
温暖だった2003年は果実味とタンニンの調和が取れたヴィンテージ。2005年は2015年と比べると穏やかな年だったが若干青っぽさがあり現段階では酸が際立つ。冷涼で雨が多かった2010年は、数年続いた干ばつ後の年になるので樹勢が強く、通常より、若干水分を感じるヴィンテージ

カベルネに関しては、糖度が上がりきらない状態(=酸が残っている状態)で、収穫を早めに行うことを心がけている由。ぶどうは房ごとに選果を行い、100%除梗、コンクリートタンクとステンレスタンクと蓋なしのフュードルの3つの容器を使い発酵させる。スキンコンタクトは14~21日、プレス、樽熟成(マヤカマスでは3年間)。ここでは1960年代から続けている醸造方法で、最初の2年は大きめのカスク(ものによっては1929年代や1940年代の樽、年季の入った大樽)で熟成。3年目は225㍑のフレンチオークが主体。新樽率は5~10%、年によっては新樽使用率ゼロのことも。4年目に瓶熟成を1年間行ってから出荷。VTによっては更なる熟成を加えることもあるそうです。

アルコール度数が13.5%~14%程度で収まっている理由について、アルブレクトさんは「標高が550m以上なので、畑は霧の上にあり、ぶどうは陽を浴びても涼しい環境にいるので、糖度が上がらなくてもぶどうはきちんと熟すことができます。ゆえに果実味とフェノール分を備えつつ、アルコール度数を低くおさえることができるのです。日照時間は長くても、標高が高く、涼しいので、ぶどうは加熟になりません」と語りました。

 10年違いのヴィンテージを発売

同2005、2015
数年前から、最新VTと10年前にさかのぼったVT(今回を例にすると2015年と2005年)を同時発売し、若いワインと熟成したワインの双方を楽しんでもらおうという試みをしています。2020年の12月には2016年と2006年、来年は2011年と2007年をリリース予定です。

2017年は山火事があり、ぶどうへの害はなかったものの、火事がひどくてテイスティングルームも燃えてしまったとのこと。停電と断水のため、醸造中のワインのメンテができなかったことから2017年は発売しません。ただし、ワイナリー用として250ケースはキープしています。そのような経過から、未発売だった2011年を2017年の代わりに発売することに決めたそうです。

      焙じ茶最中アイスとカベルネ

取材を終えて
初来日のおふたりは大のスキー好き。仕事が終わり次第、「ニセコに行く予定」と語っていました。スキーのイロハを教えてくれたアルブレクトさんのお父様と合流するとのことでした。北海道では1月末にCOVID-19の感染者が出ていたので少し気がかりでしたが、なんとかすり抜けたようです。
初めての日本訪問の印象が少しでも良いことを願っています!

◍製品についてのお問い合わせはWine in Style
Tel:03-5413‐8831

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

スマイルが輸入を開始して早25年、自転車ロゴで人気の『Cono Sur』 [来日したワイン生産者&関係者]

祝 スマイル × コノスル交流25年

『コノスル』のマティアス・リアス醸造責任者(右から4人目)と『スマイル』の菅宜雄取締役常務執行役員(右から3人目)を中心にした両社の皆さま

コノスルの創業は1993年、南米のチリ、コルチャグア・ヴァレーを拠点にしています。親会社はコンチャ・イ・トロですが、スタート当初から、“ぶどうの能力”、“果実の力”を最大限に引き出すことを念頭に、“no family trees, no dusty bottles, just quality wine (家系図や埃をかぶった瓶はない、あるのは高品質のワインだけ)” をスローガンにして、その実力を発揮してきました。日本でその魅力を伝道してきたのは輸入元スマイルです。昨年(2019年)で両社の付き合いは25年になりました。おめでとうございます!


ラベルの自転車は、コノスルのぶどう造りの基本!
“自然のサイクルを尊重”というコンセプト&ぶどう畑で働く農夫たちのシンボル。

登場したワイン
昨秋、25周年記念で来日した醸造責任者マティアス・リオス氏はプレスランチセミナーを開催し、同社自慢のアイテムを披露しました。南米最大のピノ・ノワール生産者としての実力を示すべく、ブラインドテイスティングタイムもありました。


(左から)
#1:センティネラ2015
カサブランカ・ヴァレーにあるエル・センティネラ農園のシャルドネ100%、瓶内二次発酵のスパークリングワイン。一次発酵はステンレスと一部は小樽。畑は太平洋から9kmの場所にある冷涼なエリア、日較差は約20度。ドザージュ6g/L
#2:20バレル・リミテッド・エディション SB 2018
厳選した最良の20樽 (バレル)のみを瓶詰めした限定生産ワイン。切れの良さ、清涼感ある味わい。
#3:オシオ2016
カサブランカ・ヴァレーの『エル・トリアングロ』のぶどうが85%、サンアントニオ・ヴァレーのぶどうが15%、ブラウンのトーンを含む熟成したニュアンス、複雑味や旨味、広がりのある余韻。伝統国のピノではないと直感できるが、深みのある味わい。第一香の印象と味わった後に感じる印象に若干の違和感(酵母!?)。リアス氏いわく「天然酵母と培養酵母を半々ずつ使用しているが、後者に関してはカサブランカ・ヴァレーで培養した酵母を使っている」
#4:シャルム・シャンベルタン2016 (ジャンテ・パンショ)
ブルゴーニュもチリも2016年は冷涼年。ジャンテ・パンショの創業は1954年、現当主ヴァンサン・ジャンテ氏は2代目で、2006年からご子息もドメーヌに参画。色調は赤紫、第一香は閉じ気味、果実味と酸味のバランスが良く、中盤以降、喉の奥にAlc由来の温かさ。
#5:コセチャ・ノーブレ2013
世界最南端の栽培地ビオビオ・ヴァレーのリースリングを使用。ワイン名は“高貴な収穫”、残糖70g/Lなれど、甘味と酸味のバランス良好、余韻も長い。




チリは春から夏にかけて乾燥した地中海性気候で、日較差(昼夜の寒暖差/20度)が大きく、日照量も豊富。コノスルのぶどう畑は、北部はリマリ・ヴァレー、南部はビオビオ・ヴァレーまでの約880kmに広がっています。現在300㌶以上の畑を所有し、多様な品種を有機農法で栽培しています。

ピノ・ノワール対決

ピノ・ノワール2種をブラインドで!


大きさの異なる丸がリズミカル、視覚的にも楽しめたアミューズブーシュ


ともにヴィンテージは2016年


烏賊と里芋のタルタル 柚子のジュレと白魚


真鱈の白子とあんこうのポシェ デュグレレ風
20 バレル・リミテッド・エディションSB


牡蠣のフラン 春菊と牛バヴェットのエギュイエット 赤ワインソース


オシオ(休暇の意味)はブルゴーニュの『ジャック・プリュール』のマルタン・プリュール氏の協力を得て造られた限定生産品、伝統国とニューワールドの個性を併せ持つワイン。


自家製ヨーグルト 無花果のコンポート
コセチャ・ノーブレ2013

ロブマイヤーのシャンデリア!


奇しくも、2週続きで『ロステリーレカン』にお邪魔することになったのですが、初回と違って今回は会場全体が見わたせる位置だったことで、ゆっくりとお部屋を観察することができました。天井を見上げて、まぁ、大好きなロブマイヤー発見!
NYのメトロポリタン歌劇場のシャンデリアと同じデザインでした。4代目H・ハラルド・ラードがじゃがいもと自転車のスポークで模型を作った伝説のシャンデリア、素敵です!

財務省発表の酒類輸入通関実績 (2019年1~11月累計)における輸入上位10ヵ国を見ると、1位はフランス(前比10.5%増)でした。ボジョレ・ヌーヴォーの輸入が数字に反映しています。日欧EPAの影響で、スーパーマーケットのチリワインの棚取りが減ってしまい、まだ以前の状態には戻っていないようですが、日智EPAは締結期間が終了し撤廃されたので、2020年は、リーズナブルなアイテムだけでなく、チリのプレミアムワインに注目していただきたいと思っています。

◆コノスル製品へのお問合わせは(株)スマイル
TEL: 03- 6731-2400
http://www.smilecorp.co.jp/goods/wine.html

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

カリフォルニアを代表するスパークリング『シュラムスバーグ』のヒュー・ディヴィーズ当主来日セミナー  [来日したワイン生産者&関係者]

米国産スパークリングワインのパイオニア『シュラムスバーグ』


ワイン・イン・スタイルの招聘で来日したヒュー・デイヴィーズ当主
日本はNo.1の市場ということで気合十分、今回で4回目の訪日になります!
プレス向けのテイスティングセミナーではシュラムスバーグのフラッグシップワイン『ジェイ・シュラム』のリリース前の2018年のベースワイン数種とそれらをブレンドした完成形、『ジェイ・シュラム』のヴィンテージ違いやベストセラーアイテム『ブラン・ド・ブラン』等を披露し、ワイン造りの哲学、キーとなる区画やスタイルの多様性についても言及しました。

ワイナリーの沿革
2002年に訪問した時に、最も印象深かったのはカーヴでした。
カリフォルニア最古と言われ、1800年代に人の手によって掘られた歴史的な建造物です。現在は最大で300万本ものスパークリングが寝ています。ちなみに、シャンパーニュ地方で、ローマ人たちが遺した石切り場をカーヴとして使っているメゾンにはシャルル・エドシックやルイナール等がありますが、人(協同組合の生産者たち)が手で掘って完成させたカーヴで一番良く知られているのはマイィ・グラン・クリュです。時代的には1929年のことなので、シュラムスバーグの古さが良くわかります。

ワイナリーは1862年にドイツ移民のジェイコブ&アニー・シュラム夫妻によって設立され、建物の周囲には、リースリング、シャスラ、ジンファンデル等が植えられていました。年間10万本程度の生産量で、ロンドンやNYにも輸出。禁酒法下、経営困難で廃業状態になり、何人かの手に渡った後、1965年に2代目当主ヒューさんの両親であるジャック&ジェイミー・デイヴィーズ夫妻が購入。アメリカ初の瓶内二次発酵(シャンパーニュ方式)のスパークリングワイン造りに挑戦し、アメリカ産スパークリングワインのパイオニアとして成功を収めて今に至っています。約150年間にわたる歴史については年表を参考にしてください。

       ワイナリー&ぶどう畑の位置
       

シュラムスバーグはダイヤモンド・マウンテンにあります。
デイヴィーズ夫妻は、ワイナリー周囲の自社畑に植樹してあったリースリングやシャスラを、シャルドネCHとピノ・ノワールPNに植え替え、シャンパーニュと同じ品種、同じ製法に注力していましたが、近年、サイドビジネスとして、ボルドー品種やピノ・ノワールを使った赤ワインを生産。1994年にCHとPNをカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えて2001年にはCSのファースト・ヴィンテージをリリース。セント・ヘレナにはデイヴィーズ・ヴィンヤーズも完成しています。
シュラムスバーグのスパークリングワインに使うぶどうは、3つの自社畑、3つの自社管理畑、契約農家の計200㌶からなる120区画のもので、それらを300ロットのキュヴェにして使用しています。沿岸地域、カーネロス、ソノマ・コースト、アンダーソン・ヴァレーまでの南北210kmに及ぶ幅広いエリアから調達しています。

壮観! 2時間のセミナーに登場したワインたち

左から第1フライトの6本、第2フライトの6本、第3フライトの3本
木箱のなかにあるのはヒューさん愛用のサーベル

完成品になる前の2018年のベースワインを試飲

A:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
ダットン・ウィンクラー・ヴィン ヤード(グリーン・ヴァレー)
砂質土壌、柑橘果実、南国フルーツ、夏ミカンの内果皮似のビター感、上品でスマート
B:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
ホーク・ヒル・ヴィンヤード(グリーン・ヴァレー)
Aより南(ソノマ・コースト)に位置し、収穫は1週間程度遅い、活き活きした酸、硬質で塩味の印象
C:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
スカイウォーカー・ヴィンヤード(マリン)
ヒューさんは「レモンの皮を擦ったような引き締まった感じ。10年後のリリースを考えた時に必要となる要素」と語っていました。
D:シャルドネ
樽(パンチョン)ベースワイン
キーファー・ヴィンヤード(グリーン・ヴァレー)
Aに近い自社畑、樽を使ったふくよかでまるみのあるスタイル
通常は全体の25%をフレンチオークの旧樽で発酵させ、一部MLFも行うとのこと。
E:ピノ・ノワール
ステンレスタンクタンクべースワイン
レディング・ランチ・ヴィンヤード(マリン)
標高243㍍のCに近い畑、完熟しはじめたイチゴのニュアンス、芯のある酸味、長い余韻
F:ジェイ・シュラムのベースブレンド
CH 82%、PN18%。ステンレスタンク発酵65%、樽発酵35%。残糖 0.05g/100ml、pH 3.02、総酸度0.97g/100ml、Alc11.6%
「ジェイ・シュラムを構成するベースワインのうち、A~Eは全体の50%、残りの50%はそれ以外の畑。ただし、Aのダットン・ウィンクラー・ヴィンヤードのシャルドネは比率的に多い」とヒューさん。



EのPNは凝縮感があり、リッチな印象


第2フライト


G:ジェイ・シュラム ナチュラル2018
CH82%、PN18%、樽発酵率35%。F(第1フライトのAからEのベースワインをブレンド/Aclは11.6%)の瓶内二次発酵終了後のワイン。糖分25g(シャンパーニュ地方では24g)とイーストを加え、瓶内2次発酵させることでアルコールが1%アップするので、このワインのAlcは12.5%。フレッシュで飴のような甘やかな印象、Fより華やか。
H:ジェイ・シュラム ナチュラル2014(熟成中)
CH86%、PN14%、樽発酵率29%
Gより香り閉じ気味、温度変化で焼きりんごや熱した果実、良好な酸化熟成のニュアンス
I: ジェイ・シュラム ナチュラル2009(熟成中)
CH86%、PN14%、樽発酵率27%
Jのドザージュをしていないタイプ。粘性があり、ヘーゼルナッツ、スパイス、クリーミー
J:ジェイ・シュラム 2009(完成品)
CH86%。PN14%、樽発酵率27%、ドザージュ10g/L
香りは開いていて華やか、洋梨、カスタード、アーモンド、鮮明な酸味とスムーズな食感
K:ジェイ・シュラム 2004(完成品)
CH85%、PN15%、樽発酵率34%、ドザージュ11g/L
暑かった年、デゴルジュマンは2012年、焼きりんご、ココア、ロースト香、長い余韻
L:ジェイ・シュラム Late Disgorged1999(完成品)
CH74%、PN26%、樽発酵率38%<、ドザージュ11g/L
冷涼年、収穫遅め、デゴルジュマンは2015年、果実のコンポート、クリームブリュレ、クルミ、層になって広がる旨味

心ときめいた1999年


ヒューさんが最近試みているのが、Late disgorged (デゴルジュマンの時期を通常より遅らせ、澱との接触期間を長く保たせるスタイル)で、顧客のなかにも、このスタイルを好む人たちが増えているとのこと。では、通常のデゴルジュマン(ジェイ・シュラムは基本的に8年間瓶熟させ、その後デゴルジュマンを実施)とどう違うか? 「低温調理だと、香りや味わいに深みが出るのと同じで、スパークリングワインもじっくりと時間をかけることで、ヴァニラがキャラメルや糖蜜に、ヘーゼルナッツがクルミに変化していきます。それと同じです」とコメントしていました。古酒の醍醐味、旨み成分をしっかり感じました!

第3フライト

M:ブラン・ド・ブラン2016
シュラムスバーグが一番最初に生産したアイテム。35,000ケース/年、CH100%、瓶内熟成2年、樽発酵率25%、フレッシュ、クリーン、クリスピー、「柑橘の要素と合わせて楽しんで」とヒューさん。
N:ブラン・ド・ノワール2015
PN 81%、CH19%、 瓶内熟成2年、樽発酵率34%。シャルドネを入れるのはシャープさを出すためとおいしさを与えるため、ピノの果実味を邪魔しない程度に使用。
O:ブリュット・ロゼ2015
PN 59% (うち5%は3〜4日スキンコンタクト)、CH 41%、瓶内熟成2年、樽発酵率35%、「スキンコンタクトの目的は色素の抽出と味わいにコクが出から」とヒューさん。ベリー系果実やチェリー。ロゼの出荷量は20年前は5%、10年前は20%、現在30 %で若い女性からの人気が高いとのこと。

歴代アメリカ大統領御愛用スパークリングワイン


年表にもあったように1972年はシュラムスバーグにとって運命の年でした。ニクソン大統領が訪中の折、周恩来首相との会見の最終日に、“平和への乾杯”として、シュラムスバーグのブラン・ド・ブランを供出したからです。それまでほとんど無名に近かったスパークリングワインが世界から脚光を浴び、それ以降、ホワイトハウスで歴代の大統領から重用されています。


1975年、昭和天皇が訪米なさった時にサービスされたのは『ブラン・ド・ブラン1971』でした。

サーベラ―ジュを披露


ワイナリーではサーベラ―ジュを推奨しているので、ヒューさんが腕前を披露してくれました。さすがに手馴れていて所作もお見事! サーベルでボトルのネック部分をカットする時は一瞬の出来事なので、撮影のタイミングが合わなかった人もいて・・・そこで、ワイン・イン・スタイルの武村さんと一緒にスローモーションでプレイバック



ヒューさんのお茶目さが面白すぎて一同大爆笑!
シュラムスバーグの醸造家として語っている時とは全く違うキャラだったので本当は凄い人かも(笑)
魅力あるナパのスパークリングワインストーリーと貴重なベースワイン体験、とても勉強になりました。ありがとうございました!

◆商品のお問い合わせはワイン・イン・スタイル
TEL: 03-5413-8831
URL: http://www.wineinstyle.co.jp/
nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

2020年1月14日発売開始! 『インシグニア2016』のプレ・リリース特別セミナー報告 [来日したワイン生産者&関係者]

ひと足早くインシグニア2016をお披露目

ジェロボームの招聘で4年ぶりに来日したジョセフ・フェルプスのロバート・バクスター輸出部長が、2020年1月に日本でリリースされる『インシグニア2016』の特別セミナーを開催しました!
WAで99点評価を受けた2016年ヴィンテージは、発売直後(過去において100点は4回ありましたが、いずれもリリースしてすぐではないので)のインシグニアとしては今までで最高のポイント


ジョセフ・フェルプス・ヴィンヤードの沿革
コロラド在住の建築業者ジョセフ(ジョー)・フェルプスは1970年代初頭、ワイナリー建設を依頼され、出向いたカリフォルニアに魅了され、1973年に同州セントヘレナ近郊スプリングヴァレーの牧草地を購入し、ワイン業界に参入します。畑も施設もなく、すべてゼロからの出発でした。初代ワインメーカーはドイツ人のウォルター・シュグだったことから、スタート当初はカベルネ・ソーヴィニヨンCSのほかに、PN(シュペートブルグンダー)やヨハニスベルグ・リースリングを栽培。ファーストヴィンテージは1973年で、この時は購入したぶどうを使い、ハイツセラーズの醸造施設を借りて行いました。

1978年に、カリフォルニア初のボルドーブレンド『インシグニア1974』がデビュー。当時は、ぶどう品種や畑名を記載したワインが主流でしたが、ジョーはCS94%とメルロME6%をブレンドしたワインにブランド名を付けて発売。アメリカ市場で評価となり、ワインは大ヒット。ワイナリーを代表するアイコンワインとして、今に至っています。
「ナパのCSとは違うキュヴェを造りたい」と思っていた創業者は、その年のベストなキュヴェをブレンドして最高のワインを造り出すことを考えました。それがインシグニアです。1990年代から2000年代にかけて、ロバート・パーカーから高い評価を受け、2002年ヴィンテージは2005年のWS年間トップ100の第1位にランクされています。

ジョセフ・フェルプスは現在ジョーの孫にあたる3世代目が継承しているファミリー経営のワイナリーです。ワインメーカーはそれぞれナパとソノマにいて、ナパは1999年の収穫時からワイナリーと関わっているAshley Hepworth女史、2008年からワインメーカーとして活躍しています。ソノマはJustin Ennisで、彼は2007年にフリーストーンのセラーマスターとしてワイン造りに加わり、2011年にアシスタントワインメーカー、2014年にワインメーカーに就任しました。


テイスティングを交えながら

(供出順に左から)
#1:Sauvignon Blanc Napa Valley 2017  希望小売価格7,200円(税別)
#2:Freestone Vineyard Chardonnay 2016  希望小売価格8,500円(税別)
#3:Freestone Vineyard Pinot Noir 2016  希望小売価格9,400円(税別)
#4:Cabernet Sauvignon Napa Valley 2016  希望小売価格15,000円(税別)
#5:Insignia 2016  希望小売価格オープン(税別)

ナパにある7つの畑
ナパには以下6つのほかにカーネロスにも畑があります。すべて自社畑で150㌶

画像協力:ジョセフ・フェルプス

(1)Home Ranch Vineyard
AVA:セントヘレナ。ジョセフ・フェルプスが1973年に植樹した畑。ワイナリー周辺に位置し、カベルネ・ソーヴィニヨンCS、マルベックMa、プティ・ヴェルドPV、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、ショイレーべ 
(2)Banca Dorada Vineyard
AVA:ラザフォード。1983年に取得した畑でナパのなかでは温暖、CSのみ栽培、しっかりとしたタンニン、ミネラル感
(3)Las Rocas Vineyard
AVA:スタッグス・リープ・ディストリクト、1983年に取得、ラザフォードより温暖、日照を受ける東向きの畑、CSのみ栽培 
(4)Barboza Vineyard
AVA:スタッグス・リープ・ディストリクト、1974年からバルボザ家が運営していたところをジョセフ・フェルプスが1997年に長期リース契約した畑で、CS、PVを栽培。春に霜害があるので風車を設置して防備
(5)Yountville Vineyard
AVA:オーク・ノール・デイストリクト。ナパの西側にあり、ジョセフ・フェルプスの最初のぶどう供給源になっていた畑で1979年に購入。1973年当時の主たるぶどうはヨハニスベルグ・リースリングでしたが、今はCSのみ栽培
(6)Suscol Vineyard
AVA:ナパ・ヴァレー。ナパの南側に位置し、一番新しく面積も広い畑。かなり涼しいエリア。アルコール度数は低く、酸の高いぶどうなので、ナパのCSやインシグニアにブレンド。CS、CF、Maを栽培

ソノマの畑は海に近い冷涼エリア
20年前にソノマコーストに2箇所の土地を購入、全部で40㌶。2007年にワイナリー完成(それ以前はすべてナパに運搬して醸造)。土壌は砂岩が風化して堆積したゴールドリッジ


画像協力:ジョセフ・フェルプス

(1)Pastorale Vineyard
フリーストーンのエリアにあり、PNとCHの2品種を栽培
(2)Quarter Moon Vineyard
フリーストーンのエリアにあり、PNだけを栽培

白ワイン2種からテイスティング


#1:ソーヴィニヨン・ブラン ナパ・ヴァレー2017
ホーム・ランチ・ヴィンヤードのSB100%、500L のフレンチオーク使用(新樽1/3)、7ヶ月熟成、天然酵母。フレッシュ、酸は強すぎず上品、余韻に軽いビター感、まるみを感じさせるスタイル
#2:フリーストーン・ ヴィンヤード シャルドネ 2016
フリーストーンのパストラルのシャルドネ100%の希少ワイン。500L と228L のフレンチオークを使用(新樽1/3)、ヴィンテージにもよりますが12~13ヶ月熟成、燻した樽のニュアンス、シトラス、アカシア、SB同様、酸の印象が強すぎずバランス良。


(C)Joseph Phelps
フリーストーン・ヴィンヤードの周囲には湿気を好むレッドウッドが多い。

赤ワインはピノ・ノワールからスタート

赤ワインはすべて2016年でした。「量、質ともに素晴らしいヴィンテージ」とバクスターさん

#3:フリーストーン・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016
フリーストーン(クォーター・ムーン51%、パストラル49%)のPN100%、天然酵母、ステンレスタンクで発酵後、フレンチオークの新樽34%と1~2年の使用樽66%で13ヶ月熟成。バクスターさんは「全房を20%することで引き締まったスタイルになります」とコメント。フレッシュ、ラズベリー、バルサミコ、クローブ、ナツメグ、ミネラル、フェミニンでバランスのとれたスタイル
#4:カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2016
ぶどう品種:CS86%、ME7%、PV3%、Ma2%、CF2%。バクスターさんが「グラスのなかにナパがある」と形容していた異なる畑のぶどうをブレンドしたワイン。ステンレスタンクで発酵させた後、新樽48%(フレンチオーク62%、アメリカンオーク38%)と1~2年の使用樽52%(フレンチ、アメリカン)を使用、18ヶ月の熟成。ヴァニラ、ココア、グラファイト、アルコール由来の甘さ、舌の上を軽くなぞるタンニン。アメリカンオークを併用することで、若くても飲みやすいスタイルに。インシグニアのセカンド的存在
#5:インシグニア2016
ぶどう品種:CS84%、PV10%、Ma3%、CF3%。ステンレスタンクで発酵させた後、フレンチオークの新樽100%で24ヶ月熟成、5社の樽メーカーを使用。紫色を帯びたガーネット、黒系果実(ブルーベリー、ブラックチェリー等)、樽香、杉、グラファイト、甘草、肉厚なニュアンス、余韻に果実のふくらみ



量より質を重視するジョセフ・フェルプスが、ナパ・ヴァレーの最高のキュヴェをブレンドして造るインシグニア。高評価を受けた2016年VTの日本での発売は1月14日(火)。ナパワインファン、インシグニアファンの皆さまは年開け要チェックです!
製品のお問い合わせはジェロボームまで。TEL 03-5786-3280

nice!(6)  コメント(2) 
共通テーマ:グルメ・料理

ナパヴァレーで活躍する日本人醸造家林泰久氏の『PAULOWNIA』を和食に合わせて! [来日したワイン生産者&関係者]

家紋の五三の桐をラベルにしたワイン

(左から)
セカンドラベルの
#1:ボン・オドール・カベルネ・ソーヴィニヨン2017
#2:同2016
フラッグシップの
#3:パウロニア・カベルネ・ソーヴィニヨン2017
#4:同2016
#5:同2015

ワイン道はイングルヌックで


岡山県倉敷市出身の林泰久氏は旅行会社で働いていた時に、社員全員で応募したグリーンカード(アメリカ永住権)が当選し、ロサンゼルスに転勤。さらにサンフランシスコに異動したことで、ナパワインの魅力にハマります。ワインに魅了された彼は2000年にイングルヌックに入社。半年間はワイナリーでホスピタリティーの仕事に従事し、その後、ワイン造りの現場に加わるチャンスを得ます。ワイナリーでは、2人の師、ルビコンの醸造家で果実味を生かした造りをするスコット・マクラウド氏と、シャトーマルゴーの醸造家でエレガントさを大事にするフィリップ・バスコール氏からの指導を受けながら、研鑚を積みました。

2014年に独立して、セントヘレナのぶどうでHayashi Winesのワイン造りを開始。ぶどう品種はカベルネ・ソーヴィニヨン100%、契約している畑から購入しています。2017年に初ヴィンテージ2015年の『パウロニア』と『ボン・オドール』を出荷。2018年には2016年ヴィンテージ、2019年には3番目のヴィンテージとなる2017年をリリースしました。年間の総生産量はわずか150ケースの希少ワインです。
ワイン販売に関しては、サイエストインターナショナル(株)が運営している完全会員制ワインクラブThe Stellaが行なっており、会員だけでなく、一般販売もしているので、同社HPから購入することができます。ステラの商品はすべてカリフォルニアでワイン・ディレクターをしている秋月康孝氏が発掘したものです。品質が良くて美味しくて少量生産のワインを日本に紹介している秋月氏と林氏との出会いは2007年でした。秋月氏とエレノア・コッポラさん(コッポラ監督の奥様)との交流があったことで、イングルヌックで対面。それがきっかけとなって、2014年に独立した林氏のワインをサイエストインターナショナル(株)で扱うことになりました。

グラス・マウンテンの土壌

セカンドラベル『ボン・オドール カベルネ・ソーヴィニヨン2017』
ぶどうはグラス・マウンテンの単一畑から生産されていますが、土壌の深層部にはガラス(グラス)のように光沢ある黒曜石(こくようせき)があります!

前菜

カリフラワームース 才巻海老 雲子フライ 抹茶塩 鯖寿司炙り 鰻サンド あん肝 タルタル
鯖寿司をボン・オドールに合せても魚の生臭さは一切なし、鰻サンドに隠し味的に使われていた辛子の存在感がカベルネのスパイシーな要素のつなぎ役になり好印象

御造り

鰤/鬼おろし 茗荷 あさつき 山葵 海苔
カベルネのヨード感が海苔の佃煮と良く合ってびっくり!

揚物

鰆 二色揚げ 
胡麻 ゆかり
銀杏 クリームチーズ粕漬け
 
煮物

焼茄子万寿 生雲丹 渡り蟹のあんかけ
料理の味わい深さがパウロニアの複雑味と相乗

2016年と2017年の違いは

ボン・オドールCS2016、同2017
ラベルを見ると、2016年はセントヘレナ、2017年はナパヴァレー(セントヘレナ+オークノール)。これについて林氏は「通常はセントヘレナ産のぶどうのみで生産していますが、2017年は暑い年だったことと熱波と山火事の影響で、量的に十分なぶどうが得られなかった為、2017年だけはオークノールのぶどうも使いました」とコメント。

果実味と上質なタンニンのあるワインはパウロニア

パウロニアCS2016、同2017
「ひとつのタンクでワインを造りますが、生産過程で、フラッグシップかセカンドに分類します。前者は果実味と上質なタンニンを備えているもの、後者は飲みやすいことが決め手です。瓶熟期間も前者は1~1年半ほど長くなります」と林氏。パウロニアは4樽、ボン・オドールは2樽の生産だそうです。

特別供出の初ヴィンテージ2015

ファーストヴィンテージの2015年、とても良い熟成具合

メイン

京都七谷鴨 すき焼き 九条葱 大黒占地
京鴨の優しさ、和の素材に寄り添うCS2016はフードフレンドリー

お食事

小豆島産手摘みオリーブ釜炊き御飯 生ハム
絶妙な塩加減の生ハムと旬のオリーブ
熟成期間が長いパウロニア2015との組み合わせ◎


全員が注目した旬房カレーうどん
ワインのスパイシーな要素と様々なスパイスを使ったカレーとのユニークなマリアージュ
参加メンバー全員が微笑んだ組み合わせ

デザート

黒糖プリン いちご
黒糖のポリフェノール、これはカベルネのポリフェノールと合致。日本のいちごはまるみと甘さがあるので酸味があっても熟成を経たカベルネなら守備範囲は広いと思いました。


ヘビー・トーストからミディアム・ライト・トーストまで樽の焼き具合のサンプル


グランドハイアット東京のロビーにあった可愛いツリー!

◍製品についてのお問い合わせ先はサイエストインターナショナル株式会社(担当:長瀬敦子)
電話03-5797-7658

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

俳優カイル・マクラクラン氏が情熱を傾けるワイン『pursued by bear 』 [来日したワイン生産者&関係者]

カイル・マクラクラン氏来日


テレビ『ツイン・ピークス』、『グッド・ワイフ』や映画『ブルー・ベルベット』でよく知られているマクラクランさん。今回は自らが造るワインのPRで来日しました!

ワシントン州コロンビア・ヴァレーにあるヤキマ出身の彼は、2005年から郷里でワイン造りをしています。同州『ダンハム・セラーズ』のエリック・ダンハムさんが造る秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンの味に惚れこみ、ダンハムさんにワインメーカーを依頼。マクラクランさんが求めていたワインスタイルを実現することができました。現在のワインメーカーはダンハムさんの元でアシスタント・ワインメーカーを務めていたダニエル・ワンプラーさんが担当しています。

マクラクランさんに質問してみました。
Q:何故ワイン界に参入したのですか? 事業なら他にもやれることがあったのでは?
マクラクラン:ワインを選んだ理由は3つ。まず第1にワインが好きだから。毎日ワインを飲んでいるよ。第2に父が住んでいるヤキマに帰ろうと決めたから。第3に私の趣味として。

お父上は不動産ブローカーで造園も自分で手掛けてしまうほどの器用人、食べることや飲むことが大好きだそうです。マクラクランさんがワイン造りに関わってから、家族と過ごす時間が増えたと喜んでいました。ご子息は今、11歳ですが、ワインに興味を持っているようです。

パースード バイ ベアは醸造所も自社畑も所有していませんが、醸造に関してはワラ・ワラにある『ABEJAアベハ』の施設を借りて行っています。畑は、初代ワインメーカーだったダンハムさんから的確な情報を得ており、秀逸な栽培家のぶどう畑と契約し、自ら出向いてぶどうの具合を見ています。独特のラベルは、ロンドン在住のアーティスト、キャロライン・チャーチ女史のスクラッチ・ボードによる熊の絵が使われています。

ワイン名はシェークスピア繋がり

Once Upon a Time・・・
シェークスピアの作品が多く上演されていた劇場といえばグローブ座
円筒状の木造建築で屋根がない劇場、このイラストがそうですね。

pursued by bear 熊に追われて退場


「シェークスピアの『冬物語』の第三幕、第三場のト書にある“pursued by bear パースード バイ ベア”から命名しました」とマクラクランさん。
舞台上に突然 熊が出てきて、役者さんを追いたててしまうト書きはとても鮮烈な驚きだった由。ワシントンのワイン界に、突然、俳優が出てきてワイン造りを始めるということを、パースード バイ ベアにリンクさせたかったようです。

試飲会ではマムラクランさん自ら解説

マクラクランさんが大好きなカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、それから一番新しいロゼが登場



ブラッング ベア ロゼ2018
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:ムールヴェドル50%、グルナッシュ30%、サンソー20%
生産量:424 ケース
希望小売価格:4,900円(税別)
ステンレスタンクと木樽を併用。南仏のロゼをイメージして造られたフレッシュ&フルーティなワイン。淡いさくら色、ピュアな酸味、ドライな味わい。魚介類と香味野菜をたっぷり使ったブイヤベースが似合いそう!


カベルネは2ヴィンテージ。2014年はカベルネ100%、2015年は若干メルロをブレンド。果実味、全体のバランスから言って2015年がマイベスト!

カベルネ・ソーヴィニヨン2014
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:CS100%
生産量:95ケース
希望小売価格:10,800円(税別)
発酵も熟成も木樽(ブルゴーニュのタランソー)、ブラック・チェリー、バイオレット、大人びた風格、青みのニュアンス、鉛筆の芯、2015年VTと比べるとスリムな印象

カベルネ・ソーヴィニヨン2015
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:CS81%、ME19%
生産量:479ケース
希望小売価格:10,800円(税別)
発酵も熟成も木樽(ブルゴーニュのタランソー)、果実感にあふれ、綺麗な酸味とこなれたタンニンのバランス好印象、豊潤、長熟タイプ


シラーも2ヴィンテージ、2013年は参考出品。シラー好きの私は、2013年ヴィンテージに惹かれました、複雑味&奥行きあり!

べビー ベア シラー2014(画像は)同2013
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:シラー100%
生産量:384ケース
希望小売価格:7,800円(税別)
(2014年は)ステンレスタンクで発酵、600㍑の木樽で32ヶ月熟成。ブラックベリーやブルーベリー、甘草、黒胡椒、きめ細かいタンニン、穏やかで豊潤な味わい。
(2013年は)マクラクランさんが特別に持ち込んだヴィンテージ。熟成による香りの変化、赤系果実、中盤から余韻に続く酸味、エレガントな印象。
シラーが蝋栓なのは、瓶型とのバランスを考え、「一番似合うから」ということで使用しています!




拙著『映画でワイン・レッスン』のコンセプトを説明してから、マクラクランさんに本をプレゼント!
日本語のみですが、本誌にある映画のジャケットとワイン画像を見れば、イメージはご理解いただけるはず。著名な俳優さんに“映画とワインの世界”をお伝えできて、本当に光栄な時間でした。
輸入元オルカインターナショナル(株)の今川栄造取締役にこころから感謝です。ありがとうございました!!

■製品についてお問い合わせは
オルカインターナショナル(株) ℡03-3803-1635
http://www.orca-international.com/

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

【備忘録】仕事冥利な時間 Champagne BOLLINGER × L'AFFINAGE [来日したワイン生産者&関係者]

ボランジェと四つに組んで
先日、銀座レカンの元料理長で、現在はラフィナージュのオーナーシェフとして活躍している髙良康之氏の料理に、大好きなシャンパン『ボランジェ』を合わせ、それらの相性についてリポートするというお仕事がありました。誌面に載せる画像はプロのカメラマンさんが担当、ゆえに私は相性チェックに集中。マリアージュの合間に、髙良シェフ渾身の料理をカメラに収めることができたので、これらの画像は私の大事な備忘録!

ディナーの席上、髙良シェフは「自分のなかでボランジェは“指針のためのシャンパン”という位置付けになっています」と語っていましたが、そのお言葉通り、6アイテムそれぞれの個性を大事にしながら考案されたメニューから、ボランジェ好きのシェフの細部にわたるこだわりが感じられました。マリアージュについてのコメントは、ワイン王国12月号に掲載する予定です。

メゾンの顔スペシャル・キュヴェ、トップレンジの順で

素晴らしいラインナップ!


スペシャル・キュヴェをマグナムで味わう醍醐味!
多くの要素を感じさせてくれるキュヴェゆえに、甲殻類、あわび、蛤を使った3種のアミューズ・ブッシュで味わい探究しました。


蒸したあわびをパン粉で揚げた一品(左)と蛤のグラタン
あわびの下にクルミを配してシャンパンから感じ取れるクルミやヘーゼルナッツを表現した演出もあり!

当日のハイライト『ヴィエイユ・ヴィ―ニュ・フランセーズ』

注いでいる最中から甘やかな香りが・・・


Photo by Fumiko /2009年3月
メゾンの誇り! 
メゾンの裏手にある2区画のぶどう畑で栽培されている貴重な自根のピノ・ノワール
ブジーにあった3区画目の畑は1990年代フィロキセラによって全滅


ボランジェ・ラバーとして最高の瞬間!
12年経過したシャンパンは黄金色に輝き、口中では熟成による多種多様な味わいが層になって広がり、最後にはシェリー的なニュアンスも。


長野県産 天然スッポンのロワイヤル、白トリュフの芳香 × ヴィエイユ・ヴィ―ニュ・フランセーズ2007
旨味、きのこ類や枯葉のニュアンスが料理から伝わってくる種々の要素と相乗◎


フォアグラとドライイチジクのパヴィ × ラ・グランダネ2008
「酸味と酸味が出合うと次に出てくるのは甘味」と語っていた髙良シェフ。フォアグラのトップ部分に赤ワインヴィネガーを使い、2008年ヴィンテージの酸味と重ねることで絶妙な甘みの要素、美味美味!
「なるほど」と納得できる“青み”の存在感


雑誌用の写真を担当していた瀧岡カメラマンを盗み撮り m(_ _)m


ブルターニュ産オマール海老とセップ茸のフリカッセ × ロゼNV


ランド産仔鳩のロースト、赤ワインソース × ラ・コート・オーザンファン2014


個室での撮影では髙良シェフのご配慮もあり


ハチミツとフルムダンベールチーズのムース × R.D.2004


琴線に触れた当日のマイベスト『R.D.2004』、素晴らしかったです!!



ディナーではボランジェのコマーシャル・ディレクター ギー・ド・リヴォワール氏が各アイテムを解説し、輸入元アルカンの伊藤啓介部長が通訳を担当。ワイン王国の原田勲会長のお姿も!
超希少なヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ2007、完成度の高いR.D.2004を、髙良シェフの秀逸な料理と合せて堪能できたことは、本当に仕事冥利な時間になりました。
ワイン王国の村田惠子編集長に深く感謝いたします、ありがとうございました!



[わーい(嬉しい顔)]ボランジェの記事プレイバック
2009年、シャンパン講座(当時は昭和女子大学オープンカレッジ)で、ラ・グランダネ2000、同ロゼ2002、R.D.1997、ラ・コート・オーザンファン2002の4アイテムを出したのですが、その時のマイベストも、ラフィナージュの時と同じくR.D.でした。
私的感想を見てみると、「どのアイテムも素晴らしく甲乙つけがたしというのが正直な気持ちです。ゆえに1つに絞るのは難しかったのですが、R.D.から感じる新鮮さと熟成感のバランスの面白さ、食材と合わせた時の包容力は最大の魅力」と書いてありました。
そうなんです、R.D.のバランス感は素晴らしく、完成度が高いです!

で・・・その講座後、受講生にボランジェについてアンケートを取ったのですが、今、読み返しても興味深いので、プレイバック!

本日飲んだ中で最も印象に残ったのは。その理由も教えてください。
参加者:21名(男性5名、女性16名)、シャンパン愛飲歴:平均4年
●ラ・グラン・ダネ・ロゼ2002:11名
香り華やか、奥行きあり、バランスのよさ、果実の豊かさ、時間の経過による変化、長い余韻
●R.D1997.:5名
熟成感、酸味がきれい、温度変化で広がるふくらみ
●ラ・グラン・ダネ:4名
乾いたミネラル感と香ばしさ、
●ラ・コート・オーザンファン2002:1名
文句なしにおいしい!
<私的感想>
どのアイテムも素晴らしく甲乙つけがたしというのが正直な気持ちです。ひとつに絞るのは難しかったのですが、R.D.から感じる新鮮さと熟成感のバランスの面白さ、食材と合わせた時の包容力は最大の魅力。

ボランジェのシャンパンのイメージは
クラシック&ゴージャス、深みとコク、007のイメージ、骨格があり男性的&通好み
凝縮感&品質安定、育ちが良くてまじめで丁寧、伝統、英国王室御用達
質実剛健、高価でスペシャル、ボディ&厚み、安心感、やや古臭い
<私的感想>
1829年という歴史あるメゾンから連想される伝統や格式、安定感のイメージ
映画007のボンドから連想される男性的イメージ
高価なシャンパンだけに特別の日に飲みたい、というイメージ
これらがキーになっていると感じました。

(女性に質問します)男性にレストランに誘われ、その人がボランジェを選んだら、あなたは相手をどのように評価しますか
■本物のシャンパン好き=自分を大切にしてくれそう
■料理との相性を考えた上でシャンパンを選択したのなら嬉しい=相手を認める
■シャンパンを飲み慣れている=好評価、好感度UP
■映画好き、センスが良い、味覚に長けている
■プライドが高そう、ちょっとキザっぽい(ボンドを連想してしまうので)、金持ち=相手を警戒
<私的感想>
シャンパンを飲み慣れていてセンスが良い=好感度。
一方でお金に余裕があり、遊び人的なイメージを持つとの印象も。
男性の皆さま、女性を誘ってシャンパン選びをする時は熟考なさいませ(笑)

(男性に質問します)あなたが女性をレストランに誘い、その人が「ボランジェが飲みたい」と言ったら、相手をどのように感じますか
■ソフトで丸い味わいより、きっちりとした凝縮感のある味わいを好む女性(男性評価の価値観も肉食系タイプを好む)  ←面白いです
■ミーハーではなく、シャンパン通の女性
■シャンパンへのこだわりがあり、良いものを知っている
■なぜボランジェが飲みたいのか、逆にその心理を知りたくなる
■シャンパン好きだとは思うが、好感は持たないかも
<私的感想>
無記名で提出していただいたわけですが、男性の回答者は5名。
「そうか、そのようなイメージを持つのか」なんて思いながら、男性心理の機微を感じた次第(笑)

ボランジェと007の関係をどのように捉えていますか
肯定派
■超強力なタイアップ
■スーパーマン的でPBだけど洗練された魅力という点から合っている
■味覚にうるさい007が選んだシャンパンなので納得できる、ボンドの趣味のよさが出ている
■ともに引き立て合う関係、流行に流されることのないエレガンスさが共にある
■女性を口説くための小道具として効果がある
否定派
■特に007が好きでないので・・・ちょっと古臭いイメージ
<私的感想>
ボランジェ関係者は来日の折、よく007との関係を強調していますが、あまり強調しすぎると男性的なイメージが濃くなりすぎる気がします。イギリスで愛されている一因にボンド効果はありますが、日本ではもう少し違う角度(女性目線)を取り入れるのも一考かも。


エリザベス女王はダニエル・クレイグファンですね!
私も映画好きで、クレイグ好きなので、彼の最終作(となるであろう)『NO TIME TO DIE』の公開はとても楽しみです。『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが出演するとの情報も嬉しいです。最新作にはどのアイテムが登場するのかなぁ・・・

■ボランジェ製品へのお問い合わせは正規代理店(株)アルカン
℡03-3664-6551(代) 
https://www.arcane.co.jp/wine/

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

サヴォワワインの生産者と和食とのマリアージュ@広尾おくむら [来日したワイン生産者&関係者]

Vin de Savoie × Japanese Cuisine(washoku)
 











サヴォワから来日した生産者を囲んで




















生産者の皆さんにとって多忙な一日。
午後からのマスタークラスセミナー@フランス大使公邸に続いて、夜はマリアージュ体験@広尾おくむら


サヴォワワイン生産者委員会(CIVS)のアレクシス・マルティノー ディレクター(最左) と同コミニュケーション担当のフランク・ベルクレスさん(最右)

サヴォワワインの基本情報
サヴォワ県の作付面積は2,200㌶、全体がAOP(原産地保護呼称)の対象になっています。畑は標高250~500m、ぶどうは山のふもとの急斜面で栽培しています。品種は23あり、その多くは固有品種。代表的な白ぶどうはジャケールやアルテス、黒ぶどうはモンドゥーズやぺルサン。比率は白ワイン70%、赤ワイン20%、ロゼワイン5%、スパークリングワイン5%の比率。国内消費が95%、輸出はわずか5%。スパークリングワイン=クレマン・ド・サヴォワには注目が集まっていて、スカンジナビア諸国、アメリカ、ベルギーを中心に輸出。サヴォワワイン全体の輸出相手国第1位はアメリカで、「日本は第2位の市場」とフランクさん。


白ぶどう
◍ジャケール/サヴォワの6つのアペラシオンで使用している品種。粘土石灰質と相性良好。
◍アルテス/熟すに従って黄金色、ピンクから赤い色に変化。別名ルーセット。
◍ルーサンヌ/ベルジュロンと呼ばれていた品種。晩熟品種で生産地は限定されている。
黒ぶどう
◍モンドゥーズ/サヴォワを代表する品種。石灰岩や片岩の土壌と相性良好。
◍ガメイ/早熟で収穫エリアは限られている。ストラクチャアがあり、風味豊か。
◍ピノ・ノワール/ 第2次世界大戦後に導入。ぶどう畑全体のわずか2%、50㌶


昨年7月、サヴォワワインと和食のマリアージュ@小田島にお声がけいただいたのですが、その時に白ワインは石灰に由来するミネラル感、赤はボディ感はありながら料理に寄り添うタイプという印象を受けました。特に、白の主要品種ジャケールやアルテスは同じ山岳地帯スイスのシャスラやオーストリアのグリュナー・ヴェルトリーナーのように香りに癖がなく、ニュートラルなので、甲州ワインのように、和食と合わせて楽しめると実感!

和食とのマリアージュ
料理の構成は、CIVSからのワインリストとおくむらさんからのメニューを勘案して、中西祐介ソムリエが担当しました。


オードブル5種盛り合わせ
◍ガラスの器はガスパッチョ(スイカ、フルーツトマト)
◍焼とうもろこし、雲丹
◍鰻蒲焼、キャビアドオーベルジーヌ
◍イチジク、ブルーチーズ
◍カニ、ビーツマリネ 
#1:Domaine Vendange, Crémant de Savoie, Grande RéserveNC
#2:Domaine Jean Perrier&Fils, Savoie Apremont, Gastronomie2018
#3:Domaine Dupraz, Savoie Apremont, Terres Blanches2018

青木私感:唯一の泡もの#1は2016年がベースワインのクレマン・ド・サヴォワ。ドライでスマート。柑橘系果実やストーンフルーツのニュアンスがあり、グラス内の温度が上って複雑さが増す印象。#2ジャン・ペリエ・エ・フィスのジャケールはフレッシュで白い花やミネラル感豊か、カニやビーツマリネと合わせて〇、シュル・リーで12ヶ月置いた#3ドメーヌ・デュプラはイチジクやブルーチーズと合わせて〇、鰻蒲焼とジャケールの相性には多くの生産者が納得。


碗物
◍合鴨ロース、コンソメ、ブイヨンドレギューム、冬瓜、舞茸、シメジ、トリュフ
(右から順に)
#4:La cave du Prieuré, Roussette de Savoie 2018
#5:La cave du Prieuré, Roussette de Savoie Marestel 2018
#6:Les Fils de René Quenard, Savoie Arbin, Clos de laGalèze2017



青木私感:旨味が効いたスープがすべての要。出汁をひと口味わってワインを口にした時の渾然一体感は好印象。素直な味わいの冬瓜からきのこ類へ、きのこ類からトリュフへと重心を移していくにつれ、複雑味が増す味わい。#4
#5ルーセットは旨味との統一感、#6モンドゥーズはきのこ風味とのハーモニー。汁物とは合わせにくいはずのワインの“酒質”を考えたからこそできた組み合わせで、ナイス・マリアージュ!
ただ、(私の前方に座っていた)カーヴ・デュ・プリウレの方には「白は魚!」との思いがあり、相性には満足せず、手長海老的料理を希望していました。その点に関して言えば、和食の出汁の繊細さ、奥深さにどれだけ慣れているかということが根底にあると感じました。


旬のもの
◍鱧フライ、白味噌ソース、野菜マリネ(青トマト、水茄子、あかねカブ)
#7:Château d'Apremont, Savoie Apremont, Cuvée Spéciale Jacques de Montmayeur2017
#8:Domaine Vendange, Roussette de Savoie, Madame de M…2017
#9:Domaine Jean Perrier & Fils, Roussette de Savoie Monterminod 2017

青木私感:ジャケール100%の#7シャトー・ダプルモンはミネラル感が際立ち、厚みもあり、溌剌とした酸(ノン・マロ)の効果で鱧フライの脂分を洗い流してくれる印象。アルテス100%(MLF有)の#8ルーセット・ド・サヴォワと#9同モンテルミノは、#8はジンジャーや柑橘類の砂糖漬け、#9はさらに骨格があり、蜂蜜や果物のコンフィの要素。白味噌ソースをブリッジ食材にすることで、ワインの豊潤さと果実味が引き出された感じ。


近海より
◍秋鮭西京焼き、オゼイユソース
#10:Domaine Denis et Didier Berthollier, Savoie Chignin Bergeron, Les Salins2016
#11:Maison Cavaillé, Savoie, Origine2015
#12:Maison Cavaillé, Seyssel, Vieilles Vignes2014

青木私感:西京焼に#10シニャン・ベルジュロン(ルーサンヌ)の厚みとねっとり感、#11ジャン・キャヴァイエ(CH、ジャケール、アルテスのブレンド)の豊かさ、#12ルーセット・ド・セイセル(アルテス)の複雑さを合わせて!   唯一のルーサンヌはシュル・リー由来の旨味、スモーキーさが西京焼の味わいに馴染んでバランス良し。


シグネチャー
◍黒毛和牛フィレ肉 山椒
#14:Domaine Dupraz, Savoie Mondeuse, Phoenix2018
#15:Domaine Denis et Didier Berthollier, Savoie, Et ma goutte de…2018
青木私感:赤ワインとお肉という定番の組み合わせに、山椒、わさび、ガーリックのソースを添えて。#14サヴォワ・モンドゥーズは黒系果実やスパイス、タバコ等の要素を備えた骨格あるワイン。自然酵母で発酵させた#15モンドゥーズは、色調は濃紫、スミレやピンクぺッパー、ふくらみのある味わいでタンニンの存在感も。ともに山椒との相性も良く、和の食材に寄り添ってくれる包容力あり。


一杯のひととき
◍ミニャルディーズ


ディナーに参加した生産者

(左から)
Jean Perrier & Filsのジル・ペリエさん、Philippe Vialletのマチュー・ファントッツィさん、Domaine Duprazのジェレミー・デュプラスさん、Maison Cavailleのジャン・クリストフ・カバイユさん、Domaine Vendangeのダイアン・ゴネルさんand La Cave du Prieureのシモン・バーレットさん



愛娘さんが作ってくれたという日仏対訳表を手に笑顔のアレクシスさん

ワイン生産者団体の役員は、ワイン関係者から選出されることが多いのですが、サヴォワワイン生産者委員会(CIVS)のアレクシス・マルティノー ディレクターはユニークな経歴の持ち主で、17年間チーズ業界で活躍なさってきた方です。ディナーでは隣席だったので会話するチャンスがありました。たまたまチーズ話題になった時、あまりの詳細さにびっくり。訳を伺ったところ、経歴がわかりました。ワインにどっぷりつかっていない点やサヴォワワインの生産者を一歩引いた立ち位置から見る余裕もおありなので、CIVSの新ディレクターの手腕に期待したいです。

収穫開始は9月10日頃とおっしゃっていましたが、今年は雹害や嵐に見舞われ、アプルモンのコミューンではぶどうが収穫できなくなった生産者が数社あるとのこと。量的にも質的にも恵まれていた2018年よりは減量になりますが、納得のいく収穫であることを願っています。

nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

スペインワインの評価本『ギア・ペニン』で95点以上を獲得した最優秀ワイン [来日したワイン生産者&関係者]

テイスティングセミナー『カタ・デル・ポディオ』

『ギア・ペニン』はスペイン語圏で最も多作なワインジャーナリストとして知られているホセ・ペニン氏が1990年に創設したワインガイドブックで、スぺインワインの国際取引においても影響力があり、スペイン政府が認めている権威ある書籍です。2020年には創刊30周年を迎えます。

ギア・ペニンの創始者ホセ・ペニン氏

来日回数が多いので顔なじみの方もたくさんいらっしゃると思います。
「ここ10年位の変化としては、大手著名ワイナリーだけでなく、小規模生産者による素晴らしいワインが次々と登場しています」とペニン氏。


2019年は12,500アイテムをテイスティングしたとのことで、その比率は赤ワイン54%、白ワイン27%、スパークリングワイン8%、ロゼワイン7%、酒精強化ワイン他4%で、95点以上は239アイテム。ちなみにペニン氏は100点は付けない主義なので、評価本での最優秀ワインは95~99点ということになります。

5アイテムをテイスティング
7月に来日して行ったテイスティングセミナー『カタ・デル・ポディオ』にはポディオ(スペイン語で“表彰台”の意味)にのぼった高得点(95点以上)ワインが供出されました。




(左から順に/最後の数字は点数)
#1:Domaines Lupier EL Terroir2015 D.O.ナバーラ 95点
#2:Abadia Retuerta Pago Negralada 2014 V.T.カスティーリャ・イ・レオン 95点
#3:Victorino 2015 D.O.トロ 97点
#4:Triga Magnum 2015 D.O.アリカンテ 95点
#5:Quo Vadis 1972 D.O.アリカンテ 95点

気になったワインは・・・


ナバーラのドメーヌ・ルピエールが造るエレガントなガルナッチャ!
夫婦でワイナリーを経営、平均樹齢80年のガルナッチャ100%、標高は400~600m、土壌は粘土石灰質、ビオディナミ農法。20日間のマセレーションの後、容量の異なるオーク(500L、300L、250L)で14ヶ月熟成。熟した赤系果実、野イチゴの可愛い酸味、、熟したタンニンによる滑らかさ、樽使いのうまさ、ガルナッシャの果実味とテロワール(ネーミング通り)を反映させたバランスの良さ、自然体で楽しめる好感度200%のワイン!


サンパウの菊池ソムリエもサービスをサポート



遅摘みしたモナストレル(ムールヴェードル)100%のワイン!
樹齢30年以上、標高500m、ビオディナミ農法、天然アルコール度数16%。仕込み年は1972年。それをベースにして毎年新しいワインを加えていくソレラシステムによるワイン(最後に添加したヴィンテージは1988年)。香りと味わいのギャップが魅力、第一香はドライシェリー、酸味の印象。味わうと中盤以降口中で層になって広がる複雑味と甘味。チェリー等の赤系果実、果物のコンフィ、菓子パン、蜂蜜、黒糖。


ボトルに中には1972年から1988年までのワインが!

ギア・ペニン・セレクションTOKYO会場

試飲会場には18のブースがあり、No1の生産者ドメーヌ・ルピエールも出展していました。日本での輸入元はないとのことでしたが、酒質の良さに興味ひかれた方々も多かったようで、担当のエリサさんに商談を持ちかけて・・・日本での扱いが決まることを願っています!

キラキラボトル

味わいだけでなく、ボトルも魅力的だったNo.5のモナストレル
透明ボトルに金字を施し、スワロースキーのような装飾品を纏ったボトルはスペイン王室の華やかを彷彿とさせる優雅さでした。空ボトルはデキャンターとして活用できますね。

◆Guía Peñín
URL: http://www.guiapenin.com
URL: http://suscripciones.guiapenin.wine/ 

nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

バースデー・ヴィンテージ・ワインとしてもお薦めしたい輝きにあふれた『Lux Vitis 2015』 [来日したワイン生産者&関係者]

このところ、日照時間の少ない日が続いていますね。
太陽が恋しいなぁ・・・
そんな思いをしている方に、“豪華な光”に満ちたイタリアワインをご紹介します。


ぶどう品種はカベルネ・ソーヴィニヨン95%、サンジョヴェーゼ5%、生産本数は7,500本
セメントタンクで発酵、ブレンドしてからフレンチオーク(新樽100%)で24ヶ月熟成、希望小売価格27,000円(税別)


命をはぐくむ光のワイン


テヌータ・ルーチェ社が10 年ぶりにリリースした新製品ルックス・ヴィティス
ラテン語でLuxは光、Vitisはぶどう属で、 “Vita(命)”をはぐくむ光という意味が込められています。すべてのものに命をもたらす“光”、その光に敬意を込めて命名されました。


最初はシャイな印象、空気と触れ合うことで少しずつ表情に変化が・・・
深みのあるガーネット、フルーツの凝縮感、サンジョベーゼに由来する芯の通った酸、エレガントさと複雑さを備えた味わい、ふくらみのある長い余韻。



1995 年、ヴィ ットリオ・フレスコバルディとロバート・モンダヴィのジョイントベ ンチャーとして誕生したトスカーナの革新的なワイナリー『テヌータ・ルーチェ』。モンダヴィと離れ、2004年、フレスコバルディがすべての権利を取得した時点で、今までルーチェに使っていなかったぶどう品種カベルネを植樹し、新たな挑戦に取り組みます。それがルックス・ヴィティス! 砂質土壌に適合し、収穫のタイミングもほとんど同時期のカベルネとイタリアのDNAそのもののサンジョヴェーゼをブレンドして造り上げた逸品。



アジアパシフィック・エリアマネージャーのエリカ・リバルディさんが新製品を解説。
鎌倉見学の後、会場に駆け付けたエリカさんは、開口一番「初めての鎌倉でたくさんのエネルギーをもらいました」と挨拶し、ビックバンのようなパワフルな鮮烈さで集まったメンバーをくぎ付けにしました。
2015年を初ヴィンテージにしたことについて、「イタリアにとって素晴らしい年で、ブルネッロ協会は5つ星の収穫年を与えています。ルーチェプロジェクトでぶどう樹を植樹してから23年経過していること等、いくつかの理由があります」とコメントしました。

IMG_4118.jpg
ルックスをテイスティングして、はち切れんばかりの笑顔に


文句なしのマリアージュは乾燥イチジク、ドライアプリコットとワインの酸もナイス!

瓶詰の年月日&時間まで記載


プレス会見の折、サービスされたボトルに、L 8/038 11:51 との刻印がありました。
これはL(ルックス)、8(2018年)、038(1月1日から数えて38日目、つまり2月7日)、11:51(11時51分)を示すものです。全ボトルにデータが刻まれていますが、ここまでのこだわりが凄い!

そこで思ったことが・・・


子供が生まれた時に、お洒落なプレゼントをいただきました。
銀製のスプーンとフォークのセットで、表面の柄の部分には「出生時間」、裏面には「生年月日とファーストネーム」が刻印されているので大事な記念になっています。ルックスもそれと同じ感覚で楽しめます。

2015年のバースデー・ヴィンテージ・ワインを探しているなら、これはお薦めです。
生産量の10%だけを日本市場で販売するとのお話だったので、いずれにしても希少ワインです。興味があれば是非!

[ダイヤ]製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)事業部
TEL:03-5643-9772

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理
前の10件 | - 来日したワイン生産者&関係者 ブログトップ