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ムートンの元醸造長パトリック・レオンが培ってきた情熱を反映させた『シャトー レ トロワ クロワ』  [来日したワイン生産者&関係者]

 レ トロワ クロワのマスタークラス
 仏ボルドーの右岸フロンサックに位置するワイナリー
 輸入元ミレジムに招聘されたベルトラン・レオンさんは、
 来日記念のマスタークラスセミナーで5種のワインについて解説


    偉大な父親から奥義を伝授されたベルトラン・レオンさん


ワイナリーについて
名門ワイナリーで秀逸な醸造家として活躍していたパトリック・レオンさんが第一線から離れ、当時、学業を終えたばかりのベルトランさんのために、1995年シャトーを入手。購入の最大の決め手は土壌と気候。フロンサックで、グラン・ヴァンに匹敵するワイン造りを目指すレオン一家にとって、前述の2要素は必須条件でした。

レ トロワ クロワは、“3本の十字架”を意味し、シャトーのぶどうが育つフロンサック、セイヤン、サンテニヤンの村にそびえる3つの教会の塔に由来。栽培面積は19.5㌶、畑の最高位は86m、土壌は粘土石灰質で、粘土質はストラクチャーとまろやかさ、フレッシュさとミネラル感は石灰質由来。ぶどう品種はメルロとカベルネ・フラン。全て手作業、収穫には10kgのカゴを使用、2回の選果、区画(45)ごとの醸造、木樽での育成

グラン・ヴァンとは何か
ベルトランさんは「バランスが最も大事」と強調。続けて「力強いワインは毎年造れますが、エレガントなワインはとても難しい。我々にとってのグラン・ヴァンはエレガントさを纏ったワイン」と言及。
2011年の来日時、パトリックさんが語ったリポートを添えておきます。ベルトランさんからいただいた情報と見比べてみると、若干の変化があることがわかります。


   【ちょっと寄り道】
   プライベートで楽しんだロゼ
   初めて試飲した時から心惹かれたロゼ
   2月初旬に現行の2022年VTをラデュレのマカロンと合せて楽しみました!


 5アイテムをテイスティング
 ワインのテクニカルデータはコチラで確認可
 2022レ トロワ クロワ ロゼ
 ME100%、直接圧搾によるロゼ(以前はセニエによる醸造も)

1995年から生産していたロゼ、当初は家族のためのワインでした。ベルトランさんの妹の結婚式で使用。色調は淡く日本の桜を連想させるピンク、石灰土壌に由来するフレッシュ感、酸は穏やか。柑橘果実や赤い果実のアロマがあり、香りと同時に口中に様々な果実の要素が広がるチャーミングな味わい。親しい友との語らいやアペリティフにお薦め

ベルトランさんに、ロゼ造りで最も重要な点について質問したところ、「酸化させないこと」とのお返事があり、「圧搾中ぶどうは空気に触れません。圧搾中にCO2を添加します。収穫は気温が低い夜間に行いますが、気温が低いと酸化プロセスはそれほど重要ではありません。醸造所には酸化を防ぐ、ぜん動ポンプ peristaltic pomp があり、果汁を送る際には、酸化を防ぐために少量の窒素を使います」と語りました。


      2011レ トロワ クロワ ルージュ マグナム
 
2011年は9月まで気候完璧。収穫の頃は気まぐれな天候が続き、最大限の熟度を得るまで待てなかったのですが、ぶどうは一滴の雨を受けることなく収穫できたので2009年や2010年に続く良作。
ME85%、CF15%。醸造は木樽、ステンレスタンク、コンクリートタンク、熟成は34%新樽使用、Alcは14.5%、アロマはフルーティでピュア、ミネラル、タバコ、繊細なニュアンス。「あと10年くらいで土壌由来の個性が加味されます」とベルトランさん


     オマージュヴィンテージの2018レ トロワ クロワ ルージュ
     パトリックさんが最後に関わったヴィンテージ
     ME88%、CF12%、新樽率39%
     熟した果実、きめ細かなタンニン、まろやかな口あたり
     余韻が長く、バランスが取れたエレガントなワイン、現行VT
     レオン一家が求めるグラン・ヴァン
     ファミリーの神髄を感じるヴィンテージ


      参考品 深窓のワイン2012ヴィラ マリー

最も古い区画のぶどう(樹齢80年)を使い、ベルトランさんとシャンパーニュのピエール・ペテルス、ラングドック・ルーションのドメーヌ・ラ・ジャスの3人でワインクラブを結成し、採算度外視でスタートさせたワイン。ファーストヴィンテージの2009年はME100%。ぶどうは完全に除梗し、温度管理しながら木樽で発酵。ピジャージュを施し優しく抽出、
良年のみ生産、本数は約2000本、ほとんど流通させることがない希少アイテム。ヴィラ・マリーは19世紀の建造物の壁に刻まれたかつてのシャトーの所有者の妻の名。ベルトランさんの愛娘の名もマリー。ちなみに、今はワインクラブ自体の活動はしていない模様。

メルロ92%、CF8%、新樽で17ヶ月熟成、完熟した果実、緻密なタンニン、レースのような食感、バランス良好、レ トロワ クロワらしいエレガントスタイル。クラシックなワイン


       参考品 2016ヴィラ マリー
IMG_3327.jpg
        ME66%、CF34%(2区画)
        木樽(新樽2/3、1年使用樽1/3)で16ヶ月熟成
        凝縮感のある果実、熟したタンニン、土壌由来のミネラル
        口中での存在感、フィネスとエレガンス
        2010年と同様の秀逸なヴィンテージ


        【ちょっと寄り道】
         パトリック&ベルトラン親子のサイン入りボトル
         2005年のマグナムボトルには、 
         2018年に惜しまれながら世を去ったパトリックさん
         ベルトランさんのサインが入っています、貴重な記念ワイン!

 2004年4月のセミナーから抜粋 拡大可
 出典:ソムリエ協会機関誌No.79

ソムリエ協会の機関誌編集長時代に担当した記念すべきページ
パトリックさんの熱い思いを感じますし、ベルトランさんのワイン造りの根幹をなしていることがよくわかります。このような機会を得たことを本当に有り難く思っています。
会場からの質問を受けて、パトリックさんが返したお言葉を、最後に書いておきます。

~ワイン造りでは、テロワールを理解し、その土地に対して何ができるかを探すことが大事です。自然を理解し、自然の個性を尊重し、自然の評価を高めるようにすれば、成功します。テロワールを反映させた素晴らしいワインは、ファッショナブルなワインとは違い、流行に押し流されず、歴史の中で、脈々と残ります。それが偉大なテロワールのワインです~


                🍷 🍷 🍷

ベルトランさんは、セミナーの冒頭、「シャトーを1995年に購入して29年が経過し、その間、家族が培ってきた情熱、働く人の情熱に支えられ、今があります」と挨拶していました。一子相伝のワイン造りを伝承された彼がさらに飛躍なさると確信しています!


【製品についてのお問い合わせ先】
株式会社ミレジム 電話 03-3233-3801
担当 @millesimes.com

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伊ピオ・チェーザレの若きリーダー フェデリカ・ロージー・ボッファ・ピオ当主が語る伝統の継承 [来日したワイン生産者&関係者]

 伊ピエモンテの老舗ワイナリー『ピオ・チェーザレ』
 5代目フェデリカ・ロージー・ボッファ・ピオ当主

1月から取扱いを開始した輸入元WINE TO STYLEの招聘でフェデリカさんが来日。ブルガリ イル リストランテ ルカ・ファンティンで8種のワインの試飲を交えながら、家族の系譜や新たな取り組みについて語りました。

 
   画像提供:WTS

初めてフェデリカさん(1997年生)と会ったのは、父親ピオ・ボッファ当主と一緒に来日していた2017年秋で、あどけない面影が印象的でした。
彼女が23歳の時、ボッファ当主がCOVID-19の合併症で逝去。それを契機に、フェデリカさんは5代目としてワイナリーを継承。今は、いとこのチェザーレ・ベンヴェヌート・ピオさんと143年の歴史を有すピオ・チェーザレを仕切っています。7年余りの間にいろいろありましたが、成長ぶりに感心しました。

「1881年にワイナリーを興した初代チェーザレ・ピオは、ワイン好きの情熱をビジネスに変えた人で、当時20歳。イタリアでのパスポート番号はNo.55、早くから海外を視野に入れ、販売にも力を入れていました」とフェデリカさん。ピオ家は、20代の若さが原動力なのかも知れませんね。ちなみに、ワインは現在、世界55ヵ国に輸出されています。

ピオ・チェーザレの独自性
イタリアの北西部ピエモンテ州ランゲ地方アルバ村の旧市街地の中心部にあり、歴史的なアルバ村に位置する唯一のワイナリーとして、村の紋章をラベルに載せることや、バルバレスコとバローロの生産も許されています。1700年代後半に建てられたセラーには、ローマ人が遺した城壁の跡があり、地下4層構造の最下層はタナロ川の地下水脈よりも低いことがわかっています。ワイナリーが手狭になってきたことから、現在、新しい施設を拡張中で、完成後は、白ワインの醸造やロジスティック部門で活用するとのことでした。

ぶどう畑は80㌶で、すべて自社畑。栽培には化学薬品を使わないサステナビリティを優先した農法を採用し、太陽熱を利用したソーラーパネルでワイナリーの電力の60%をまかなっています。栽培のスタッフはすべて正社員として雇用し、敷地内の住居で生活しているので、ここでも親から子へと仕事がきちんと引き継がれているようです。

ピオ・チェーザレでは、国際品種ソーヴィニヨン・ブラン(白ワインの大家ドゥ二・デュブルデュー教授は亡くなる直前まで醸造のコンサルタントをなさっていました)やシャルドネ、ネッビオーロに10%シラーをブレンドしたロゼを手掛けていますが、ピエモンテ地方の土着品種ティモラッソにも注目。数年後には新しいアイテムがリリースされる予定とか。長熟可能の白ぶどう ティモラッソの品種特性を考え、現在熟成中。晴れのデビューが楽しみです!


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

             
              ピオ・チェーザレのラインナップ


      食前酒ヴェルモット・ディ・トリノNV
      限定生産1000本
      シャルドネベースの酒精強化ワインでヨモギやオレンジの皮など、
      25種以上の芳香のあるハーブをブレンド
      最後に焦した砂糖を加えることがポイント
      飲むときはレモンの皮のスライスを添えて、
      14~15度の温度帯にしてストレートで!


 個性が異なるシャルドネ
 鮪のタルタル トマトウォーター

4代目当主はピエモンテ州の白ぶどうとは異なる長熟タイプの品種を探していました。カリフォルニアの『ロバート・モンダヴィ・ワイナリー』で数ヶ月研鑽を積んでいた折、樽熟成で個性を発揮するシャルドネに目をつけ、帰国後、ネッビオーロを引き抜き、持ち帰ったシャルドネの苗木を1981年に植樹しました。
そのシャルドネから造られた『ピオディレイ(右)』、“ピオ家の女性”の意味を持つワインで樽発酵・樽熟成。彼女たちのように、味わいはしっかり&リッチです!

『ランゲ シャルドネ“ラルトロ”(左)』は、“もう一つの”を意味し、ピオディレイの別の顔というニュアンス。一部樽、一部ステンレスを使用。ソーヴィニヨン・ブラン を10%ブレンドしているフレッシュでフルーティーなタイプ


      伝統的なスタイルのバルバレスコとバローロ
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      カルナローリ米のリゾット ラディッキオロッソ

        普通のバルバレスコ、普通のバローロと呼ばないで
        バルバレスコ・ピノ、バローロ・ピノと呼んで欲しい!!


古典的・伝統的な造り
様々な村のぶどうをブレンドして造りあげる完成度の高いワインで、
バルバレスコは4つの村のぶどう、フレッシュさを備えながらもパワフルな味わい
バローロは8つの村で、ストラクチュー、フィネス、複雑味がある味わい
それぞれの畑の個性を生かし、すべての“要素”を融合させて造り上げる伝統製法のワイン!
近年、気候変動の影響で熟すのが難しかったネッビオーロに変化が出ている由。ゆえに樽の使用率も減り、熟成期間も短かくなっています。

 単一畑のバローロ"モスコーニ2018"&バローロ"オルナート2016"

モスコーニは4代目当主の還暦を記念して購入した畑で広さは10㌶。ぶどうは1940年代と1970年代の古樹の区画のセレクション。ワインは濃い色調で黒い果実、バルサミコ、レザーのアロマ、生産本数6300本、ファーストヴィンテージは2015年。2018年は雨が多かったそうですが、冷涼年を反映した品格あるスタイル

オルナートは円形状の南向き斜面で日照時間が長い暖かなエリア、ワイナリーで最も古いワイン。ファーストヴィンテージは1985年。2016年はグレートヴィンテージで生産量は14000本、ガンベロ・ロッソの赤ワインベスト。赤系果実、パワー&タンニンがありながらリッチでエレガント

フェデリカさんの「伝統的な造りのバローロには、モスコーニやオルナートのぶどうも使われています。伝統製法のバローロ・ピオと併せて、単一畑に特化したワインを造ることで、ピオ・チェーザレのパローロはどれも素晴らしいということを証明したかった」との力強いメッセージを聞きながら、私は、故ピオ・ボッファ当主の姿を思い浮かべていました。

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 ジビエとピエモンテのワインの相性良好

    鹿肉 根セロリ アミガサタケ

 2016年に復活したバローロ・キナート
 苺 バニラ マスカルポーネ

1)のヴェルモットも、8)のキナートも1952年までは潤沢に生産していましたが、50年代のカクテルの流行で、活躍の場を失い、生産中止に!
フェデリカさんがワイナリーに参画した2016年から、祖母直伝のオリジナルレシピに則り再生産、歴史あるラベルも採用。セラーには古いワインがストックされているとのことなので、まさに“温故知新”の貴重な酒精強化ワインです、生産量は限定1000本!
キナノキとアカキナノキの樹皮を少量のクラシック・バローロで21日間浸漬。その後、レシピにあるリンドウの根、ルバーブ、カルダモンシード、シナモン等の香草を加え、週週間の熟成の後、クラシック・バローロを加え、少しの砂糖とアルコールで味を調整。ストレートで楽しむ食後酒


 プレスランチに供出されたアイテム
 左から右に
 1)ヴェルモット・ディ・トリノNV
 2)ランゲ シャルドネ“ラルトロ”D.O.C.2022
 3)ランゲ シャルドネ"ピオディレイ"D.O.C.2021
 ※2020年ヴィンテージから4代目へのオマージュとして過去のラベルを復刻して使用

          参考画像:最左は2020年以前のラベル / 2017年撮影

           4)バルバレスコD.O.C.G.2019
           5)バローロD.O.C.G.2019
           6)バローロ"モスコーニ"D.O.C.G.2018
           7)バローロ"オルナート"D.O.C.G.2016
           8)バローロ・キナートNV


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



       フリーテイスティングには新アイテム登場
        祖母の名を冠したロゼ『ランゲ ロージー2022』
        ロージーはフェデリカさんのミドルネームでもあり、
        とっても由緒あるネーミング
        生産本数5000本、ファーストヴィンテージは2017年

 フリーテイスティングのワイン
 左から右へ
 #1:ガヴィD.O.C.G.2022
 #2:ランゲ ソーヴィニヨン・ブランD.O.C.2022
 #3:ランゲ ロージーD.O.C.2022
 #4:ドルチェット・ダルバD.O.C.2022
 #5:バルベーラ・ダルバD.O.C.2021
 #6:バルベーラ・ダルバ スペリオーレ フィデス モスコ-ニD.O.C.2021
 #7:ランゲネッビオーロD.O.C.2019

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE
 TEL:03-5413-8831
 info@winetostyle.co.jp


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仏サヴォワワイン生産者来日テイスティングディナー@蕎麦割烹こうもと [来日したワイン生産者&関係者]

 サヴォワ地方のワイン × 日本料理
 2019年9月以来の来日になりました[わーい(嬉しい顔)]

  最新:サヴォワワインの概要

 Le Comité Inter-professionnel des Vins de Savoie (CIVS)
 サヴォワワイン生産者委員会は、ワイン生産者とぶどう栽培者の共同事業体で、
 その使命はワインの生産とマーケティングを指導・調整すること。
 特に市場開拓と販売促進に力を入れています。

2024-02-08.png


 フランス南東部、スイス&イタリアの国境に位置する産地
 2050㌶のぶどう畑、22品種、様々な微気候、標高は250~550m、90%がAOPワイン
 白70%、赤20%、ロゼ6%、スパークリング4%
 年間販売本数1,400万本、年間売上高6,000万€、国内消費95%で輸出は5%
 産業分野のNo.1は酪農、No.2は穀物生産、ワイン産業はNo.3

 主要な3つのぶどう畑

 白ぶどう/ジャケール42%、アルテス12%、シャスラ5%、ルーサンヌ4%
 黒ぶどう/ガメイ14%、モンドゥーズ11%、ピノ・ノワール4%



 来日した8名を囲んで監修役田邉公一さん(後列中央)とこうもとの杉浦康祐オーナー(前列左)
 今回のペアリングはワインを試飲した後、田邉&杉浦両氏が意見交換を行い、
 ベストの組み合わせを構成しました!



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



     和食とワインのマリアージュ
     #1 Mr Mathieu FANTAUZZI / Créman de SavoieNV
     品種:ジャケール40%、アルテス40%、シャルドネ20%
1966年設立、ファミリー経営。ぶどうは手摘み、20ヵ月の熟成を経てリリース。ジャケール(白い花)、アルテス(エキゾチックなアロマ)、シャルドネのブレンド。クレマン・ド・サヴォワは2015年9月に認定され、ジャケールの使用は40%以上と規定されている。万人受けするスパークリングワイン

      <前菜>前菜盛り合わせ  
      水蛸とフルーツトマト  柚子味噌ソース
      水菜と壬生菜のおひたし、からみ鴨含め煮
      帆立寄せ 葉山葵のせ、聖護院大根の茶碗蒸し
八寸に該当する前菜。ペアリングのポイントは、フレッシュさ、深みのある味わい、クリーミーさの3要素。守備範囲の広いクレマンにどの食材もうまく寄り添い、中でも茶碗蒸しは泡のクリーミーなテクスチュアとバランス良好


   #2 Mr Laurent CAVAILLE / Savoie Chignin Terres de Famille2022
   品種:ジャケール100%
1949年創設、土壌は粘土石灰質、フレッシュでミネラル感のあるワインを産出。サヴォワのオンプレミス市場を牽引する存在。サヴォワワイン生産者委員会の会長であるローラン・カヴァイエ氏は「1973年にA.O.P.の認定を受けてからワインの評価、真の発展に繫がった」と言及

       <強肴>吟醸からすみ蕎麦 
同店の看板メニューからすみ蕎麦。ペアリングのポイントはワインからほのかに漂う吟醸香と、磨き抜かれた日本酒で仕上げた吟醸からすみの一体感。双方に共通する塩味効果。ワインの清涼感とからすみ蕎麦の旨味と濃厚さも面白い対比


       #3 Mr Jérémy DUPRAZ / Savoie Apremont Terres Blanches2022
       品種:ジャケール100%
2004年設立、現在弟とワイナリーを運営。モレーヌ土壌(氷堆石)で花崗岩が多いので収穫したぶどうは酸味とフレッシュ感が特徴。小区画ごとに手摘み収穫して個別に18ヵ月熟成させ最後に1つにブレンド。2022年VTは太陽の恩恵を受けた良質なワイン


      <お造り>旬のお造り盛り合わせ
       ~クエ、金目鯛、松皮蝶昆布締め、あおりいか すべてお塩で~
魚介類を塩で食すことにより、ワインの深み、旨味、コク、アフターに広がる塩味とぴったり相乗する組み合わせ


      #4 Mr Pascal PERCEVAL / Roussette de Savoie
      God Save the Altesse2022
      品種:アルテス100%
2005年設立、ぶどうは手摘み、土着酵母で発酵。13世紀にモン・グラニエ山の崩壊によってできた粘土石灰土壌に由来する繊細でフレッシュなアロマ。現在有機栽培に転換中。黄色系果実、エキゾチックスパイス、キノコ(土)、ミネラル、味わいは軽やかでまろやか


      <焼物>鰆生姜焼き きのこ味噌和え
鰆と生姜にはワインのスパイシーさ、別添えの合わせ味噌にはアワビ茸、椎茸、エリンギの3種のキノコを使い、ワインの土っぽいニュアンスとの相性を堪能


      #5 Mr Kevin FOUCHER / Château de la Gentilhommière2020
      品種:モンドゥーズ100%
共同経営ぶどう栽培者のケヴィン・フーシェ氏がワイナリー経営者のフランク・マソン氏とタッグを組み手掛けたワイン。2021年有機農法に転換し、2023年にビオディナミを実践。ぶどうは除梗し、フードルで15ヵ月熟成、こなれたタンニン、口中滑らか


       <肉物>岐阜県飛騨牛フィレ肉ロースト 旬の根菜焼き
ワインとの相性を考え、フィレ肉は炭火でロースト、なると金時に塩を使うと、素材本来の甘さが上品に広がる印象。ケヴィン・フーシェ氏は「先にサービスされた味噌和えにも合う」とコメント。きのこを使った発酵食品の味噌に土っぽさがあったので、彼の意見に同意!


      #6 Mr Thomas SENGER / Roussette de Savoie Le Marestel2020
      品種:アルテス100%
創業1830年のぶどう農家、16世紀に開拓された畑は泥灰土質のモン・デュ・シャ山の支脈に広がる。現在6代目、ワイン名はマレステル伯爵に由来。ぶどうは手摘み、3年間の熟成。黄桃や杏のような核の大きな黄色系果実、アーモンドや蜂蜜、シャンピ二オン、様々な要素


     <揚物>牛蒡白胡椒揚げ天つゆ
素材は北海道産の牛蒡。2種の調理法で、細切りはフレッシュ、太いのは出汁で炊いたものを天麩羅にして上から白胡椒をまぶした厚みのある味わい。ワインと牛蒡に共通する土のニュアンス、フレッシュな溌溂感とまるみ、天つゆの旨味と渾然一体


         #7 Mr Didier BERTHOLLIER / Chigin-Bergeron Les Salins2021
         品種:ルーサンヌ100%
1998年、ディディエ&ドゥ二兄弟がワイナリーを継承、それを機に有機栽培・ビオディナミに転換。傾斜のきつい石灰質土壌の畑から造られるルーサンヌ(サヴォワでの呼称はベルジュロン)、キュヴェ名サリンはサリニテ(塩味)の意味。生産量3,000本。甘やかなアロマ、黄金糖のニュアンス、旨味&清涼感


  <手打ち蕎麦>胡麻蕎麦 
同店の人気メニューの胡麻蕎麦。蕎麦の濃厚な旨味は、アロマ豊かでコクがあり、しっかりとした味わいのワインと好印象。温かいお蕎麦で試したかった気持ちもあり・・・


      #8 Mr Florent HERITIER / Roussette de Savoie Frangy Altessima2020
      品種:アルテス100%
2004年にワイナリーを設立。氷河期に形成された土壌、ワインはすべてオーガニックから「デメテル」までのビオディナミ認証済。ぶどうは手摘み、コンクリートと砂岩製の卵型タンクで18ヵ月熟成


     <甘味&チーズ盛り合わせ>クリームチーズ麹漬け金柑甘露煮 林檎パイ
同店オリジナルの林檎パイ。多様なチーズを生産しているサヴォワゆえ、田邉&杉浦両氏が熟考したクリームチーズの麹漬け、金柑の甘露煮は、クリーミーな食感や酸味が絶妙!


  フルメンバーの記念ショット

田邉スーパーバイザーと『こうもと』の杉浦オーナーの自信が伝わってくるペアリングでした。生産者の皆さんも満足なさっていました。サヴォワワインは国内消費が多いので、輸出量はわずか5%。今回のディナーに登場した #2、#4、#5、#6、#8はまだ日本市場に参入していません。目にする機会が少ないサヴォワワインですが、日本料理に寄り添ってくれるピュアな味わいは本当に魅力的です。ワインラバーの皆さんに興味を持っていただく“価値大の優れもの”だと思っています!

【お問い合わせ先】
フランス大使館貿易投資庁ービジネスフランス
℡:03-5798-6128

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伊ヴェネト州『ブリガルダーラ』のチェザーリ社長が語る“至福のアマローネ” [来日したワイン生産者&関係者]

輸入元オーバーシーズの招聘で、ヴェネト州からブリガルダーラの創業者ステファーノ・チェザーリ氏が来日しました。2019年のVinitalyで出会い、同年10月から輸入を開始しましたが、その後、COVID-19の影響下に。取引を開始して4年が経過し、2023年にパンデミックが明けたので、チェザーリ社長が来日。今回、自らのワインについて語りました。

 第一部はアマローネワインマスタークラス
 供出順左から
 第1フライト
 #1:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーヴォロ2018
 ●畑:カーヴォロ / 標高130m ●品種:コルヴィーナ59%、コルヴィノーネ21%、
 ロンディネッラ17%、その他3% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
 価格:7000円(税別)
 オレンジのトーンを含むガーネット、フローラル、タンニンも柔らかで飲みやすいワイン
 #2:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ クラッシコ2018
 ●畑:ブリガルダーラ / 標高250m ●品種:コルヴィーナ47%、コルヴィノーネ39%、
 ロンディネッラ6%、その他8% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で36ヶ月
 価格:7000円(税別)
 香りに干しぶどうのニュアンス、レッドチェリーやベリー、草っぽさ、中盤から広がる凝縮感

 カーセ・ヴェチエのぶどう畑
 画像:ブリガルダーラ

 第2フライト
 ●畑:カーセ・ヴェチエ / 標高450m ●品種:コルヴィーナ39%、コルヴィノーネ30%、
 ロンディネッラ31% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
 価格:#3は11000円(税別)、#4~#6はオープン価格
 #3:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2017
 #4:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012
 #5:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2010
 #6:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005

 #3と#4は温暖年
 2017年はアロマ豊か、プラムや干しイチジク等の果実風味、口中滑らか。
 2012年の第1香はシャイ、時間の経過でチェリージャム、甘草、安定したバランス。
 #5と#6は冷涼年
 明るいルビーで温暖年と比べると酸がエレガント。4種のなかのマイベストは2005年。  
 黒糖、ソーテルヌワイン似のセメダイン的なアロマ、しなやかな酸味、甘草、なめし皮、
 熟したタンニン、心地よい余韻。


 第3フライト
 ●畑:自社畑から最良のぶどうを選択 ●品種:コルヴィーナ55%、コルヴィノーネ25%、
 ロンディネッラ20%、●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で60ヶ月、参考商品
 #7:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2013
 #8:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2007
 
 左から右に供出

 第3フライトは2種のリゼルヴァにフォーカス
 当日のベストワンは#8(前列右)
 層になって広がる旨味、今飲んでも美味、今後の熟成にもさらなる期待
 宮嶋通訳が「2007年VTはPP97点。チェザーリ氏も気に入っています」と言及[わーい(嬉しい顔)]
 Alcは17.5%ながら、全体のバランスが良く、味わっているだけで、こころ和むワイン
 素晴らしいアマローネは “至福のワイン”と形容できます!

 一代でワイナリーを興した実力派ステファーノ・チェザーリ氏
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 セミナーの前半で沿革について解説

ブリガルダーラの歴史は古く、紀元1100年には農園として存立していました。1200-1400年の間は修道院が所有、1600年代になるとフォンタナ家、1800年代にはイタリア系オースラリア人のジュゼッペ・フラッカローリが入手。現在の外観が整い、小さな庭園を造り、糸杉も植樹。1928年チェザーリ当主の祖父レンツォがブリガルダーラ(分割されず同じ名称で続いてきた)を取得したことで農場に転換。父ランベルトが継承し、1970年代には畑にぶどう樹を植えますが、最大の推進力はチェザーリ氏で、1979年に自社ブランドワインの醸造を開始しました。

ちなみに、農場を継承した父親の本業は農耕機器(ブルドーザー等)を輸入する仕事で、日本の小松製作所の機械も扱っていた由。チェザーレ氏も、1976年に大学を出て父親と同じ仕事に就きますが10年位で転職。ヴァルポリチェッラでのワイン造りに着手、今に至っています。

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 画像:ブリガルダーラ

所有面積10㌶のうち6㌶の畑からスタートし、現在では120㌶で47㌶まで拡張。生産量は年間30万本。
自社畑は3つで、ブリガルダーラは重い粘土質でベースは凝灰岩。カーセ・ヴェチエは標高が高く、有機物が多いシルトの砂質土壌。カーヴォロ2㌶は東向きで、石ころが多く水はけが良い。雨が多い年は良好ですが、干ばつの年はなかなか厳しいとのこと。栽培している品種は黒ぶどうのコルヴィーナ(チェリーのトーンがあるエレガントな品種)、コルヴィノーネ(ハーブ的、若干粗野な品種)、ロンディネーラ(病害虫に強い品種)、モリナーラ、古来品種オセレータ。白ぶどうのガルガーネガ。

イタリアにおける生産量/2009年と2021年
チェザーリ当主が示した(1)ヴァルポリチェッラ (2)リパッソ (3)アマローネの数量
2009年 (1)2300万本 (2)1300万本 (3)870万本
2021年 (1)2000万本 (2)3500万本 (3)1800万本
ヴァルポルチェッラは減少傾向、リパッソとアマローネは倍以上の伸び。「アマローネは80%が輸出市場であり、リパッソはアマローネの味わいがあり、より安価なので、海外での人気が高い。アメリカとカナダは14%、スイス12%、英国10%、スウェーデンとドイツは8%、日本とロシアはわずか1%」と語りました。

さらに「2010年までは225㍑のバリックのみでしたが、それ以降から、500㍑のトノーも併用し、最初の2年は小樽、あとの2年はスラヴォニアンオークの大樽を使っています。アルコール度数の高いワインなので、発酵に耐えるジンファンデル酵母も使用しています」との追加コメントもありました。


              🍷 🍷 🍷 🍷 🍷



 第二部は料理と合わせて@パレスホテル東京グランドキッチン

 ソアーヴェ2022
 オマール海老と茸のテリーヌ/茸のマリネとオマール海老のクリーム、キャヴィア
 品種はガルガネーガ100%、グレープフルーツやカモミール、白桃、溌溂とした酸味
 ほのかに広がるビター感、フレッシュ&フルーティー
 オレンジを煮詰めてソアーヴェを加え、酸を引き出し双方を相乗させたマリアージュ。
  “酸”がポイント。テリーヌのクリーミーなテクスチャーと好印象
 

 ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ カーセ・ヴェチエ2021
 ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ ・リパッソ2020(右)
 的鯛のカダイフ/牛蒡のヴルーテ&フリット
 的鯛のサクサク感および魚の皮と身の間に血合いがあるので、
 赤と合わせることで香ばしさが際立つ相性。バルサミコを使ったソースがポイント


 アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012、同2017(右)
 赤ワインのリゾット、トリュフ

 この料理だけは伝統的なイタリアンへのオマージュとして考案
 リゾットのなかのパンチェッタやレーズンがブリッジ食材になり、
 アマローネのドライレーズンや甘いスパイス風味とナイスマリアージュ


      アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005
    国産牛フィレ肉のグリル、南瓜のピューレ&フリット、赤ワインソース、トリュフ
     セミナーに登場した2005年ヴィンテージ、マデイラを使ったソースがポイント
      牛肉を炭焼きした“香ばしさと甘さ”が、アマローネの要素と重なり美味 

          ディナー風景
        右側の中程にステファーノ・チェザーリ当主、宮嶋勲通訳

 JETCUPのふたりの優勝者
 サービス担当の瀧田昌孝ソムリエ(右)
 セミナーとディナーに参加していた本多康志氏(資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長)
 おふたりはJETCUPの歴代の優勝者、イタリアワインに精通しています!
 山田琢馬ソムリエ(左)は先輩を目標に精進中

 マリアージュで心がけたポイント
 瀧田ソムリエに気を遣った点について伺ってみました。
 一代でワイナリーを築いた当主なので、イタリアン重視より、インターナショナル路線
 国際感覚を備えたビジネスマンに焦点を当てたフレンチスタイルを考えたとのこと。
 すべての料理にワインを使っています。

 マリアージュの記述は、瀧田ソムリエの説明も加えてあります。
 ブリガルダーラのアマローネは残糖が少なくて、食事に合わせやすいワインです。
 年末年始の集いに活用できると確信しています、お楽しみくださいませ!

【製品についての問い合わせ先】
 株式会社オーバーシーズ 電話03-5779-7545
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ワイン造りもロゴもオーナーの美的センスが光るイタリアの『イ・ジュスティー・エ・ザンツァ』 [来日したワイン生産者&関係者]

伊トスカーナから、カンティーナ『イ・ジュスティー・エ・ザンツァ』のオーナー、パオロ・ジュスティさんが来日し、ガエターノ・ドニゼッティーの歌劇『愛の妙薬』に登場する人物たちに因んだネーミングのワインや新しいアイテム、近況情報について語りました。


 photo by Fumiko
 上の画像は2017年に撮影


イ・ジュスティー・エ・ザンツァのスタイル
知名度が高いキアンティやモンタルチーノ、ボルゲリに対抗すべく、新しい産地で、新しいトスカーナワインの可能性を追求しているイ・ジュスティー・エ・ザンツァ。オーナーのパオロ・ジュスティさんは元建築家、異色の造り手です。

彼の父ブルーノと祖父アンジェロは、1900年代初頭から、マッサ・カッラーラ県(トスカーナ北部リグーリア州との州境)でワイン造りを行っていました。パオロさんはボルドーの左岸のような畑を求め、それに見合う最適な場所を探していました。1995 年、リヴォルノとの州境に位置するピサ県の小さな町ファウリアの古いスコピッチ農園に、理想とするぶどう畑を見つけ、父とともに購入。なだらかな丘陵地帯にある畑は、砂と砂利質、豊富な化石を含む土壌で、彼の夢が叶いました。


    通算5回目の来日になるパオロさん
    一番好きなワインは尊敬する父親への思いを込めた『ペルブルーノ』
    ラベルは鷲が羽根を広げたイメージです!

      愛の妙薬」オペラで楽しむワイン
       資料提供:WTS
      「愛の妙薬」の主人公がラベルを飾るワインは、
       2015年からオーガニック認証を取得、ワイン誌でも高得点獲得。


 
 #1:2020ネモリーノ トスカーナ・ビアンコI.G.T.
 ぶどう品種:トレッビアーノとセミヨン各50%
 地中海のフレッシュさとアロマを表現し、海辺の夏の夕暮れを連想させるワイン
 #2:2019ネモリーノ コスタ・トスカーナ・ロッソI.G.T.
 ぶどう品種:シラー60%、サンジョヴェーゼ20%、メルロ20%
 コンセプトはフレッシュな果実味とクリーンで即効性のあるアロマ
 トスカーナの伝統的な前菜やアペリティーヴォに最適
 #3:2018アディーネ コスタ・トスカーナ・ロッソI.G.T.
 ぶどう品種:サンジョヴェーゼ90%、アリカンテ10%
 日本の輸入元とのコラボで誕生した日本限定発売のワイン。2016年が初ヴィンテージ
 #4:2020ベルコーレ コスタ・トスカーナ・ロッソI.G.T.
 ぶどう品種:サンジョヴェーゼ80%、メルロ20%
 トスカーナの海岸地域の果実の凝縮感を表現したワイン。
 #5:2019ペルブルーノ コスタ・トスカーナ・ロッソI.G.T.
 ぶどう品種:シラー100%
 父親へのオマージュワイン。単一畑のブドウから生産、他界した 2003 年が初収穫
 骨格と濃密でビロードのようなタンニンを備えた長熟ワイン、ジビエと好相性
 #6:2018デュルカマーラ コスタ・トスカーナ・ロッソI.G.T.
 ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、プティ・ヴェルド5%
 1996 年が初ヴィンテージのフラッグシップ。
 沿岸部のトスカーナで偉大なボルドー・ブレンドを造るのが夢だぅたパオロさん。
 それを形にしたのがデュルカマーラ


                🍷 🍷 🍷 🍷 🍷

     生ハムの盛り合わせとデュルカマーラ

     トマトとサンジョヴェーゼは酸味が相乗して良い相性


ランチ会場だったKNOCKはパスタが売りのレストラン。イ・ジュスティー・エ・ザンツァのワインと合わせて楽しむパスタということで、パオロさんがセレクトしたお薦めの組み合わせは・・・
【ネモリーノ・ビアンコ】
鶏ササミとカラスミ『わさびペペロンチーノ』スパゲティ
『レモン・クリーム&ケッパー』スパゲティ
【ネモリーノ・ロッソ】
KNOCK の定番マスカルポーネとこんがりレーズン『パネ・パンナ』
【アディーネ】
キャベツの『アンチョビ・ペペロンチーノ』スパゲティ
【ベルコーレ】
濃厚チーズブレンド『KNOCKʼN CHEESE』のチョップドスパゲティ
クラッシュエッグ&とろけるチーズ『ミートソース』スパゲティ
【ペルブルーノ】
『山盛りキノコ&クリーム』スパゲティ
【デュルカマーラ】
マッシュルーム『デュクセル・ブラウンソース』スパゲティ


                🍷 🍷 🍷 🍷 🍷

 
サンジョヴェーゼを愛するパオロさんは美術に対する造詣が深く、絵心も見事。アディーネのラベルの女性を、KNOCKのコースターにさりげなく描いてしまう手腕はさすがでした!

    
 出典:weekend-cinema 
パオロさんから、徹底した“こだわり”が伝わってきたので、「イタリアの女優さんで、サンジョヴェーゼと重なる方は?」と聞いてみました。少しだけ、沈黙があり、その後、「モニカ・ヴィッティ! 親しみがあって穏やかなところがサンジョヴェーゼに通じます。温かみのあるキャラクターが好きです」と。サンジョヴェーゼとモニカ・ヴィッテイの共通項。親しみある雰囲気、成る程、よくわかります。
モニカ・ヴィッティさんは昨年他界しましたが、誕生日は11月3日でした!


ご息子ジャコモ(24 歳)さんがカンティーナに参画し、ファミリーの 4 代目のワイン生産者になるために精進中。「彼のアイデアとエネルギーが、イ・ジュスティー・エ・ザンツァの伝統を尊重しながら、品質を向上させてくれることを願っています」とパオロさん。愛娘は英国のフィナンシャル・タイムスに勤務し、ワインや経済について執筆しているそうです。


               🍷 🍷 🍷 🍷 🍷

私は『デュルカマーラ』のラベルがお気に入りです。パオロさんは「豚肉ときのことリンゴの煮込み」との相性を挙げていました。じっくり煮込んだジビエや、脂肪分の多い柔らかなチーズ、トリュフはデュルカマーラに良く合いますね。
美的&知的センスにあふれたイ・ジュスティー・エ・ザンツァのワインは、ジャケ買いでも一押しです。

【製品に関するお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE 株式会社 担当: 斎藤美樹 PRディレクター
 〒106‐0045 東京都港区麻布十番1-5-30 十番董友ビル2階 Tel:03- 5413- 8831
 公式HP: https://www.winetostyle.co.jp


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コロナ禍あけの来日でエデュアルド・チャドウィック当主が披露した“ヴィラ・ドン・マキシミアーノ” [来日したワイン生産者&関係者]

チリワインの素晴らしさを世界中に知らしめた『ベルリン・テイスティング』
ドイツのベルリンで2004年に開催され、世界のワイン関係者を驚愕させました。その後、2011年までの間、18の都市で22回のブラインドテイスティングが展開されましたが、日本では2006年に、ワインジャーナリストの有坂芙美子女史の仕切りで執り行われました。
主催者は1870年に創業したチリの名門ヴィーニャ・エラスリスのエデュアルド・チャドウィック当主。ベルリン・テイスティングから10年目には仕掛け人のスティーヴン・スパリュアさんと一緒に東京でLook Back in Wonderと題するセミナーを開催しました。
来年は、世紀のベルリン・テイスティングから20周年になります!!


 入門レベルから高品質なワインまで
 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 アコンカグア・ヴァレーにあるワイナリー
 お出迎えは様々な国の言葉で!

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 2010年に新設したドン・マキシミアーノ アイコン・ワイナリー
 現代的で持続可能な醸造施設

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 上のデザインと見比べながら、拡大して、ご覧ください!


               🍷 🍷 🍷 🍷 🍷



             5年瓶熟のスパークリングワイン
        エラスリス エクストラ・ブリュット/小売価格8,250円

太平洋から12kmの場所にある冷涼エリア アコンカグア・コスタのシャルドネ65%とピノ・ノワール35%をブレンド、ベースヴィンテージは2017年。「瓶熟の具合を細かくチェックしながらタイミングを見極め、ユニークさを備えたアイテムとしてリリースさせました」とチャドウィック当主。8月の来日は、コロナ禍あけ初のアジアツアーだったので、同席メンバーと喜びを分かち合いながら乾杯しました、Cheers🥂

余談ですが、家庭画報7月号の世界のスパークリングワイン特集で、エクストラ・ブリュットを候補に挙げたので、4月下旬の撮影時に初めて試飲しました。あれから3ヶ月経過して再度テイスティングした感想は、落ち着きが出ていてバランス良好。エラスリスのスパークリングワインはエクストラ・ブリュットとブラン・ド・ブランの2種類ありますが、ともに希少アイテム、チリのエスプマンテ(チリのスパークリングワイン)の最高峰です!



発酵はステンレスタンクとフレンチオークの古樽16%、瓶詰前にオークの古樽で7ヶ月熟成。MLFは30%実施。シュル・リーで5年間瓶熟。淡い麦わら色、気泡は繊細、香りは華やか、シャルドネ由来のスマートな酸味、ピノ由来の豊潤なボリューム感、気泡はワインに溶け込みスムース


 涼やかなソーヴィニョン・ブラン
 エラスリス アコンカグア・コスタ ソーヴィニヨン・ブラン2021/同4,180円

エクストラ・ブリュツトと同じく、アコンカグア・コスタの畑(ローム質の薄い層からなる粘土と変成岩の土壌)から収穫されたソーヴィニヨン・ブラン。早朝の手摘み収穫で、85%ステンレスタンク、10%樽、5%は卵型のコンクリートタンクで発酵。淡いストローカラー、青リンゴや柑橘系果実、ミントやハーブ、テロワールを反映したミネラル、溌溂としたワイン


      ボルドー品種と地中海品種のブレンドタイプ
      エラスリス ヴィラ・ドン・マキシミアーノ2018/同7,700円

アイコンワイン『ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ』のセカンド。初ヴィンテージは2016年、「(3番目となる)2018年はここ10年来で最もバランスの取れた年」とチャドウィック当主。ボルドー品種と地中海品種をブレンドした現代的なスタイルのワインで、CS28%、シラー23%、マルベック21%、CF16%、グルナッシュ7%、ムールヴェードル5%を使用、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率50%。ボルドーのクラシックな要素と地中海の独創性を併せ持つスタイルは、従来からのセカンドワインとは趣きを異にしており、エラスリスの今までの成果を形にしたアイテム。フラッグシップの弟分ワインをもっと身近に感じて、是非、トライしていただきたいと思っています!


  チリを代表するカルメネール
 エラスリス カイ2012/同27,500円 (右)カイ2019/同14,300円
 
チャドウィック当主が “テディベア”と形容するカイ!
その心は「鋭さを持ち合わせているカベルネと違って、人を優しく包み込むタッチのワインなので、いつでも抱いていたいと思わせるイメージ」と当主[わーい(嬉しい顔)]
太平洋から60kmに位置するアコンカグア・ヴァレーのマックスVヴィンヤードの最良の区画のぶどうから造られるカイは、チリを代表するぶどう品種カルメネール主体、数多くの受賞歴を有すワインです。

2012年も2019年もカルメネール95%、シラー5%のブレンド。フランス産オーク樽で22ヶ月熟成。ただ、新樽の使用率は前者が47%、後者は70%。2019年は温暖な気候で、ぶどうのポテンシャルを考え、樽の比率も多めになった由。冷涼年の2012年ヴィンテージはフィネスがあり、タン二ンはシルキー。2019年ヴィンテージは黒系果実、黒オリーブや黒胡椒、焙煎香やダークチョコ、パワフルさを備えた滑らかな味わい

      photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
      エラスリスの畑のカルメネーレ、赤い葉が特徴です!


 創始者ドン マキシミアーノ エラスリスへのオマージュワイン
 (右)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2018/同12,100円 
 (左)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2008/同15,400円
 2018年ヴィンテージから瓶型をチェンジ。若干高さが増しスリム&ストロングなボトル

アコンカグア・ヴァレーのテロワールを表現した高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしたワインで、偉大なる 創始者の名を冠しています。
2018年は完璧なぶどう生育期に恵まれました。ワインは深みのある紫色、赤系&黒系果実、心地よい酸味、きめ細かで滑らかなタンニン、エレガントで奥行きのある味わい。ぶどう品種CS70%、マルベック15%、カルメネール7%、プティ・ヴェルド5%、CF3%、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率75%

2008年はエルニーニョの影響下にあり、雨が多く、日照も少なかったヴィンテージ。最も古い区画マックスⅠ、Ⅱ、Ⅴのぶどうを使用、10年違いであることを意識しながら味わうと丁寧に造られたことが伝わってきます。チリワインの熟成具合を見事に表現したワイン、フィネスと複雑味。ぶどう品種CS84%、カルメネール8%、PV5%、CF3%、フランス産オーク樽で20ヶ月熟成、新樽率100%


     プエンテ・アルト最高のカベルネ
      ヴィニエド・チャドウィック2020/同77,000円



温暖で乾燥した気候だった2020年ヴィンテージはCS100%で、フランス産オークで22ヶ月熟成、新樽率75%、フードルを25%使用。黒系&赤系果実、ダークチョコ、バルサミコ、甘草、木目細かいながら存在感あるタンニン

ぶどう畑は、ポロ競技の名選手として活躍し、同時にワイン造りにも情熱を傾けていた父親ドン・アルフォンソさんの夢を実現したもので、自邸にあったポロ競技場をぶどう畑に転換することをチャドウィック当主に委ねたところから、このワイン誕生の物語は始まります。
1992年にヴィニエド・チャドウィックのぶどう畑が完成しますが、父君は翌年他界。このぶどう畑から造られたワインを味わうことはありませんでしたが、その思いはワインの中に生き続けています。

 栄光のヴィンテージ
 photo by Fumiko/2016年9月
 マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルトの畑から誕生したヴィニエド・チャドウィック🍷
 1999年がファーストヴィンテージ。
 ボルドーの1級格付けワインとスーパー・タスカンを抑えて、
 ベルリン・テイスティングで1位に選ばれたのは、2番目の2000年ヴィンテージです。
 現在のラベルとは少し異なり、現行ラベルでは、ヴィンテージが記載してある箇所に、
 偉大な父親アルフォンソさんのポロ競技の勇士がイラストで描かれています。
 亡き父へのオマージュ!



   2024年に向けて始動開始
  
    5月のチリ訪問では、チャドウィック当主が海外に出ていたので、
    お目にかかれませんでした。それだけに今回の再会はとても嬉しいものでした。
 
    ディナーの翌々日、韓国に向かわれましたが、
    ベルリン・テイスティング20周年イベントに向けて既に始動開始しています!
    どのような展開になるのか、今から、ワクワクしています。
    ワインラバーの皆さまにはもっともっと
    チリのプレミアムワインの素晴らしさを感じていただきたいと思っています!

    【製品についてのお問い合わせ先】
     株式会社JALUX ワイン部 電話03-6367ー8756 / https://www.jalux.com

 
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NZフォリウムの岡田岳樹栽培・醸造責任者が来日! ヴィンテージ・ファーストのワイン造りを語る [来日したワイン生産者&関係者]

 なでしこジャパンはW杯ベスト4進出ならずでしたが、本当にお疲れ様でした。
 会場はニュージーランド北島北部のAuckland / オークランドにある、
 イーデン・パークでした。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 今回はサッカー[サッカー]繋がりでNZにフォーカス
 現地で活躍中の日本人醸造家が手がける美味なワインを紹介させていただきます!


最新データ
7月にニュージーランドワイングロワーズ主催のセミナーがあり、直近のデータを得ることができたので、はじめに、いくつか情報を載せておきます。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 ワイン生産量は世界全体のわずか1%、緯度は南緯35-45度
 ぶどう栽培地の96%はサステイナブル認証を受けています。

     主要生産品種はソーヴィニヨン・ブラン、主要生産地域はマールボロ
     出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 気候と土醸
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 サブリージョンのスタイル
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 

             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


4年ぶりに来日したフォリウム・ヴィンヤーズの岡田岳樹さん
コロナが落ち着いてきた2023年の今、1ヶ月の長旅を続けてきた岡田さん
訪日前、NY、ダブリン、ロンドン、シンガポール、香港、ソウルを巡回してきましたが、訪問先での首尾も上々だったようで、世界のマーケットでも人気のSBになっています!

2010年ニュージーランド南島の北東部Marlborough / マールボロのブランコット・ヴァレーに創業したFolium/フォリウムは輸入元WINE TO STYLEのグループ会社であり、岡田さんはワイナリー設立当初から栽培と醸造のすべてを取り仕切り、フォリウムならではのワインスタイルを貫いています。中心となるぶどうはソーヴィニヨン・ブランで、ピノ・ノワールとシャルドネも栽培しています。プレスセミナーでは、自然と対峙したワイン造りや最新ヴィンテージについて言及し、バックヴィンテージやニューフェイスのワインも披露しました。


 NZに移住して今年でちょうど20年目

岡田さんのワインはヴィンテージ・ファーストです。「フォリウムは多くの土壌が粘土質なので保水性は良好。毎年降雨(650ミリ)が一定量あるので、これがヴィンテージを特徴付ける大きな要因になっていると考えています。非灌漑 (2011年から実施) にすることで、ヴィンテージ毎の特徴が出ているのではないかと思っています。SDGsでも、灌漑しないことで、180万㍑/haの節水になっています」と岡田さん

ニュージーランドのサブリージョンはワイラウサザン・ヴァレーアワテレですが、フォリウムはサザン・ヴァレーに属しています。岡田さんは、このエリアについて、 ■ワイラウに比べ、涼しくて乾燥している ■氷河期に削られた粘土質土壌がメイン ■マールボロの生産量の25%を占める、と述べていました。

             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


マールボロのSBの特徴とは
マールボロのSBは、清涼感あるピーマン、スグリ、完熟したパッションフルーツの要素を備えた爽やかなワインと評されていますが、近年の研究で、チオール類(3MHと3MHA)の量が非常に多いことがわかってきました。この結果を得て、NZの生産者たちはチオール類を最大化することを目標に、チオール類の多いワイン造りをしています。


チオールはグレープフルーツやパッションフルーツ様の香り成分で、岡田さんはチオールについて「Mercaptants / メルカプタンとも呼ばれる有機物で、香りが強いため、少量でもワインに香りに影響を与えます。チオールは果実には存在せず、果汁中に含まれる前駆体から酵母の働きによって生成されます」とコメント

 出典:フォリウム・ヴィンヤーズ

その前駆体を最大化するには、■土壌中のチッソ素量 ■ 紫外線 ■ぶどうの葉 / これら3要素は少ないより多いほうが良く、また、古樹より若木のほうが多いとのこと。さらには、手収穫より機械収穫で行うほうがチオール量が倍以上とのお話でした。

そのような研究結果を踏まえつつ、ヴィンテージ・ファーストで、チオール・ファーストではない岡田醸造責任者は、手収穫&非灌漑 (灌漑を行うほうがぶどうの葉の数は多い)というワイン造りを貫いています。

 

 ヴィンテージを反映させたワイン
 #1: Sauvignon Blanc Reserve Marlborogh2021 / 参考小売価格4,800円
 #2: 同2013 / 5,800円
 #3: Chardonnay Marlborough2021 / 5,500円
 #4: Pinot Noir Rose Marlborough2022 / 4,200円
 #5: Pinot Noir Reserve Marlborough2021 / 5,800円
 #6: 同2014 / 7,600円
 #7: Sauvignon Blanc Late Harvest Marlborough2022 / 6,800円

 左から右に#1~#7


 #1#2はフォリウムのフラッグシップ、#3のシャルドネは初登場
2021年ヴィンテージは淡イエロー、粘性があり、溌溂とした酸味と塩味が魅力、料理と合わせて楽しめる柑橘果実の内果皮似の軽いビター感。2013年は若干濃いめの黄色、10年の熟成を経ても若々しく、トロピカルフルーツや完熟果実、白胡椒のニュアンス、口中での厚み、凝縮感。
7年程前、岡田さんのSBを購入し、3年間セラーで寝かせ、その後、和食とマリアージュさせる機会があり試しましたが、穏やかな熟成と綺麗な酒質が印象的でした。
一般的なマールボロのSBと違い、チオールを前面に出し過ぎていないフォリウムをお試しいただけると嬉しいです!

満を持してリリースした#3シャルドネ。発酵はステンレスタンクで天然酵母使用。熟成は古樽で18ヶ月。冷涼エリアを感じさせる柑橘系果実、昆布出汁似のアロマ、時間の経過で味わいまろやか。岡田醸造責任者の人柄が反映しているワイン(笑)

 鰺のマリネ 胡瓜とジンのジュレ、豆苗のサラダ スダチ醤油ドレッシング
 ブリッジ食材になっていたスダチ醤油ドレッシング(酸味と乳酸のまるみ)
 シャルドネの柑橘ニュアンスやハーブの清涼感が料理と相乗
 
 最新ヴィンテージ2022年
 2020年が初ヴィンテージ、コロナ渦中に誕生したロゼ
「セニエ製法だと年毎の差が出ないので、ダイレクトプレスで造っています」と岡田さん
 色調はコーラルカラー、赤系果実やスイカのアロマ、フードフレンドリーな酸味、
 中盤からシルキーなタンニン、凝縮感

 2014年ヴィンテージ(右)と最新ヴィンテージ2021年を比較試飲 
 画像から色調の違いがおわかりいただけると思います。 
 NZのピノの熟成能力を証明してくれた1本、フランス的な雰囲気を纏った2014年
 雨が少なかった2021年は深みのある色調で骨格、ボリューム感、ポテンシャルあり
 サーロインのグリルは滑らかながら存在感あるタンニンの2021年ヴィンテージと好相性
 口中の脂分を優しく流してくれる印象
 タンニンが溶け込みスムースな味わいの2014年はブルゴーニュの熟成したチーズと!

 国産牛サーロインのグリル チミチュリソース
 とうもろこし ズッキーニ トマト 甘長唐辛子

 “バスク”チーズケーキ オレンジ アーモンドチュイル × #7
1996年に植樹したSB、貴腐ぶどう100%のレイト・ハーベスト、以前リリースした2018VTと同じく、2022年VTも2月に200ミリ以上の降雨があったことでボトリティス発生。ぶどうの生育では難しい年だったが、ワインは癒やしの空気感を纏ったエレガントな甘口.。舌の上を洗い流してくれるフレッシュで綺麗な酸味、熟した果実のコンポート、ロースト感。オレンジの酸やアーモンドチュイルの蜂蜜や焦しがし風味がワインとバランス良くマリアージュ

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE(株) 電話03-5413ー8831 / https://www.winetostyle.co.jp

                               
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 山梨大学×NHK文化センターでの体験
 チオールについて深掘りしたくて・・・
 山梨大学・鈴木教授が担当なさった『香りで楽しむ日本ワイン』を受講してきました[わーい(嬉しい顔)]
 
 出典:(C)山梨大学
 岡田さんから前駆体が増える要素を伺っていましたが、
 山梨大学とメルシャンの研究によると、3MH前駆体合成は夜明け前に盛んになるとのこと
 ナイトハーベストは科学的有意性あり
 期せずして、岡田醸造責任者と鈴木教授からチオールについて伺うことができました。
 有意義な学習時間でした、ありがとうございました!

 
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オーストリアワインの新しい章“ニューチャプター”に込めた思い [来日したワイン生産者&関係者]

レンツ・モーザー&マルクス・フーバー両氏がデビューさせた白ワイン
“ニューチャプター”が日本で初めて紹介されたのは2021年4月のことでした。
現地と東京を繋いだオンラインで同国が誇る固有品種グリューナー・ヴェルトリーナー(以後GV)から造られたワインについておふたりが解説。オーストリアワインの新しい章、GVの新しい章、ふたりの男にとっての新しい章 “ニューチャプター” 誕生の経緯は、こちらのリポートをご覧いただくことで、ご理解いただけると思います。

そして・・・2年経過した2023年6月、レンツ・モーザー氏が2番目のヴィンテージ『ニューチャプター2021』を引っさげて来日。今回はリアルなお披露目になりました。


 第1部 世界トップの白ワインと利き比べながら
 ニューチャプターをリリースするにあたり、おふたりは国内外の100以上のワインを検証
 世界で人気の白ワイン、#3~#5に、敬意を表しています。

 左から
 #1: New Chapter2021 750ml
 #2: 1st growth - Ried Zwirch2021 Markus Huber
 #3: Cloudy Bay 2021
 #4: Chablis 1er Cru - Les Vaudevey 2021 Domaine Laroche
 #5: Antinori - Cervaro della Sala2021 モーザー氏が愛する伊ワイン
 #6: New Chapter2021 Magnum 今回初登場[わーい(嬉しい顔)]


 オーストリアの名門ロブマイヤーの手吹きグラスで試飲
 左から#1~#5

   
     マグナムボトルを手にするモーザー氏
     瓶型が特殊なのでボトル代も高くなりますが、
     モーザー氏にとって、ニューチャプターは特別なワイン。
     レギュラーサイズと比較試飲してみると、マグナムはとてもフレッシュ
     酸味のメリハリあり、GVの特徴香とも言える白胡椒のニュアンス
     大容量ボトルの本領発揮!


        第2部 料理とのマリアージュ@エラン/élan
マリアージュのポイントは ■ワインのミネラリティと塩 ■ブリュレのニュアンス(焦げたニュアンス) 。モーザー氏は「GVにはソーヴィニヨン・ブランと同じような“ロースト感”があります」と語りました。ゆえにマリアージュでは、その要素を意識しながら相性を診ました。信太竜馬シェフ考案のメニューについては野中洸太支配人が解説してくれました。

      乾杯はフーバー氏のゼクト
      グリューナー・ヴェルトリーナーブラン・ド・ブラン
      日本の6月は湿気が多いので軽快で爽やかなGVの泡は魅力的


 
赤パプリカをじっくりローストして作ったピュレとハマグリの出汁のソースを“泡立て”仕上げた一品で、食材のホワイトアスパラガスはしっかりと焼き目をつけてローストし、スミイカは丁寧に包丁を入れ、さっとあぶるように火を入れることで、ぷりっとした食感と一気に広がる甘味が堪能できたひと皿。GVにイカの甘味とホワイトアスパラガスのほろ苦さがバランス良く釣り合いナイス!


       5種のワインとの相性を見ながら



酸味を意識したハーブを香らせたブールブランのソース、魚(マナガツオ)が主役なのですが、味わい的にはブルーチーズ(フルムダンベール)を乗せてローストした白桃がアクセントのひと皿


 容量違いを利き比べてみると、マグナムボトルは、
 フレッシュさ、溌溂とした酸味、食事を引き立てるミネラル感が最高!


 
信太シェフにとって、GVを肉に合わせるのも、フルコースに合わせるのも今回が初挑戦。
シャモの肉汁に土っ要素要素があるヴァンジョンヌのソースを使用。さらに舞茸を焼いて香ばしさを強調。花ズッキーニを配し、アルザスやドイツで好まれているポムスフレを添えて仕上げたひと皿

信太シェフは、ヴァンジョンヌのソースを“泡状”にして供出しました。野中支配人は「泡にすると軽さが表現でき、口中でそれが弾けると香りが出てきます」とコメント


 好奇心旺盛な信太シェフが取り組んでいる養蜂
 巣箱から取ったばかりのハチミツ


 ワインから感じ取れるパッションフルーツやマンゴーやメロン
 ヨーグルトソースの酸味、爽やかな青みのバジルを合わせたひと皿


    来日できたことに大満足のモーザーー氏
   「来春は2020、2021、2022、バレルサンプルの4種を比べたい」とコメント


    モーザー氏との初の2ショット


 信太シェフとモーザー氏


           ニューチャプターの輸入元はロシナンテ

ロシナンテはオーストリアの老舗ロブマイヤー日本総代理店です。ロブマイヤーは歴史あるガラスメーカーで、ハプスブルグ家とも関わりが深く、シャンデリアでも良く知られています。「NYのメトロポリタン歌劇場にあるシャンデリア」は特に有名です。同国を愛するロシナンテの志村有一社長がグリューナー・ヴェルトリーナーの素晴らしいワイン『ニューチャプター』に惚れ込み、扱いを開始したことは大いに納得できます。

モーザー氏の6月来日にまつわるリポートはワイン王国webで紹介させていただきました。ご笑覧いただけましたら幸いです。
製品についてのお問い合わせは(株)ロシナンテまで/電話03-3423-4552


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ジル・デプレ輸出部長が語るブルゴーニュの名門《ルロワ》日本上陸50年 [来日したワイン生産者&関係者]

 髙島屋 × ルロワ社 50年
 マダム・ルロワのリクエストで誕生した50年記念のローズちゃん人形
 髙島屋では1972年からルロワ社のワインを輸入しています。
 2022年に50周年を迎えました。


   来日したルロワ社のジル・デプレ輸出部長
1990年仏国認定ソムリエの資格取得、モナコの『ルイ・キャーンズ』でマダムと出会い、2011年ルロワ社に入社。米国勤務の後、フランスに戻り、セールス・マネジャーに就任、現在に至る。


 画像提供:髙島屋

マダムは動画で「長年にわたりルロワのワインを変わらずに愛してくださったこと。また、わたしたちの思いを髙島屋が伝え続けてくれたことにも、こころからの感謝をお伝えしたいと思います。なぜなら、それぞれのワインには、お客様ひとりひとりに対する様々なメッセージがあり、それらを通して、わたしたちもお客様と出会うことができるからです」と語りました。

バイヤーさんのリポートにはルロワ訪問が掲載されていますのでリンクしておきます。
🌹 ルロワ 日本上陸50年 / 2022年5月
🌹 ルロワが導く、未来のワインスタイル / 2022年11月


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 2022年10月25日@日本橋 髙島屋

ジル・デプレさんが語った要約
1868年ブルゴーニュ地方オクセー・デュレス村に創業したメゾン・ルロワ。ワイン商として150年近い歴史を有す。ワインの買い付けはすべてブラインドで行い、毎年ワインを買い付けるとは限らない(直近の2021年は買い付けはしなかった)という姿勢を貫いている。ワイン本来の味わいが出てくるには、ばらつきがあるので、3年、10年と待つ必要があり、ポテンシャルの高いワインを選び、市場に出すべきかどうか、熟考した上で決めている。マダムが事業を引き継いだのは1955年。プロとして初仕事は1955年VTのジュヴレ・シャンべルタンの買い付けだった。当時のネゴシアンはそれなりの力を持っていたが、GCの買い付けは年々難しくなり、ミクロ・ネゴシアンの台頭もあり、マダムは「伝統的なスタイルを守り、最高品質のワインを造るには自らのメゾンを立ち上げるしかない」と決断、1988年にシャルル・ノエラが所有していたGC他を買収し、ドメーヌ・ルロワを立ち上げる。

マダムのモチベーションの根源は1988年から取り入れたビオディナミ農法であり、当初は奇異な目で見られていたが、完璧なワインを造り出していることで、今ではマダムと同じ考えの生産者が増えている。ルロワのワインには3種類あり、メゾン・ルロワ、ドメーヌ・ルロワ(22㌶、赤ワイン主体。白ワインはコルトン・シャルルマーニュ、アリゴテ。ステンレスタンク・木樽を使用)、ドメーヌ・ドーヴネ(マダム個人が所有、白ワイン主体で木樽100%)、ドメーヌ・ルロワ&ドーヴネとも醸造方法はすべて同じ。
ジルさんの語りでは触れていませんが、オクセーデュレス レ ラヴィエールやコトーブルギニヨンの白ワインもあり

ドメーヌ・ド・ロマネ・コンティDRCとの関係は1930年代に遡る。世界恐慌下で、DRCを所有していたジャック・シャンボン氏が畑を維持していくのが困難になり、エドモン・ド・ヴィレーヌ氏(DRC現当主オベールさんの父親)とアンリ・ルロワ(マダムの父親)に権利を半分ずつ譲渡。これを機に、若きビーズ・ルロワがワインの世界に参画。
1933年生まれのマダム、長い歳月が流れている。


 白ワインのテイスティング

 ムルソー2018
 
ジルさんは2018年ヴィンテージに関連し、「この年の冬は多くの霜と、何日かは雹も降りました。2018年~2022年までの間は、冬のマイナス要素を温暖化による温度上昇が補っているような面があり、2021年は9月23日が収穫日でしたが、2022年は同時期で収穫も発酵も終了していました。8月の収穫も増えているので近年、温度調整器付きの運搬トラックを活用しています」と言及。
白い花のイメージ、柑橘系果実の清々しいアロマ、木の実や蜂蜜、口中滑らか、余韻に続く酸味とミネラル


 シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ2014
  白ワイン部門のマイベスト。凝縮感、温度が上がってからまるみのある果実味
  スパイス、ミネラル、旨味、納得のピュアさ


      サントーバン プルミエ・クリュ1999
 
シャサーニュ・モンラッシェとピュリニー・モンラッシェの間に位置する村で、早くから楽しめるワイン。光沢をまとった黄金色、蜜を含んだフジリンゴ、果実の甘露、黄金糖、甘味のあるスパイス、ミネラル、口中で噛み応えのある味わい、長い余韻



  赤ワインのテイスティング


  ジルさん自ら赤ワインの状態をチェック


  サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ ナルバントン1972

『マダム・ルロワの愛からワイン(文園社刊)』には、サヴィニーを「ベリー系の果実の香りや樽香などのわかりやすいおいしさが親近感をもたらし、ルロワが造るサヴィニーが、この地のグレードを確かなものにした。15~20年の熟成に耐えるワイン」との記述があります。
グラスから下の字が読み取れる透明感は艶やか。若干オレンジを含んだルビーで、赤系果実やピンクペッパー似のアロマ、口中滑らか、中盤から果実の旨味、アルコール由来の甘味、50年を経ても厚味を感じさせるワイン


  ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ1972
 
ボトル差があったアイテム。NSG好きの私にとって最初にサービスされたワインは、熟成具合に違和感があったので、異なるボトルのワインも試させていただきました。
オレンジを含み、サヴィニーより若干明るい色調。縮縮感、干しぶどう、黒鉛、皮革、漬物等、長い熟成に由来する第3のアロマ豊かで、ワンワードなら茶葉の渋み


 ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ エストゥネル・サン・ジャック1972
 50周年記念イベントのマイベスト。50年の歳月を経ても、果実の存在感あり。
 ブラックチェリーやブラックベリー、タバコ、湿った土っぽさ。
 口中スムース、ワインに馴染んだタンニンと旨味


 
1972年にプレイバック!
ボジョレーのジョルジュ・デュブッフとの出会いにより、フランスの料理界のグラン・シェフたちと繋がりができた年。ポール・ボキューズ巨匠から届いた手紙には「あなたのお陰で私はブルゴーニュ高級ワインの最高峰を発見することができました」との文字が!
出典:マダム・ルロワの愛からワイン


 左から右の順に
 Gevrey Chambertin 1er Estournelles Saint Jacques1972 / Maison LEROY
 Nutis Saint Georges 1er Cru 1972 / Maison LEROY
 Savigny Les Beaune 1er Cru Narbantons1972 / Maison LEROY
 Saint Aubin 1er Cru 1999 / Maison LEROY
 Chassagne Montrachet 1er Cru 2014 / Maison LEROY
 Meursault 2018 / Maison LEROY


裏方でワインのサービスを担当していた優秀なスペシャリストから話を伺ってみました。
1972年ヴィンテージの3アイテムのうち、ジュヴレ・シャンべルタン エストゥルネル・サン・ジャックだけは、リコルクしていないワインでした。3本とも (予備を含むと4本) 状態は違っていましたが、ポテンシャルというか、個性がはっきりしていたのは、エストゥルネルでした。3本とも状態の良かったボトルは果実味や味わいがしっかりとしていて、マダムがおっしゃっている“村の特徴”が出ていました。



            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 利き酒の後は、髙島屋オリジナルプレートでマリアージュ体験
 手前左から時計回りに
 黒毛和牛ローストビーフとレッドマスタード
 マンデイアン(ドライフルーツ、ナッツを乗せたチョコレート菓子)
 フォワグラテリーヌとイチジクの白ワイン煮
 生ハムと2色の大根のミルフィーユ 柚子の香り
 蟹と帆立貝のタルタル キャビアを添えて
 トリュフとクリームチーズのプティシュー(中央)



 魚介類や白ワインを使ったひと皿には3種の白ワイン
 ローストビーフやチョコレート菓子には3種の赤ワイン
 最初は上記の感じでトライしてみましたが、
 マスタードや柚子、クリームチーズ等がブリッジ食材になり、
 すべてがバランス良く食せました。
 マダムからの愛を感じながら・・・



 【参考データ】
 40周年記念45周年記念 と貴重な時間を共有させていただきました。
 ありがとうございます!!!
 2回ともマダムの来日は叶いませんでしたが、
 記念ヴィンテージの供出は忘れがたいものであり、
 両社の足跡をたどる意味でも、大事な記録になっています。
 ご覧いただけるようにしてありますので、タイムスリップしていただけましたら幸いです!


お詫び 使用していたPCがエネルギーを受けすぎたせいなのか(苦笑)、データが取り出せなくなり、リポートが大幅に遅れてしまいました。髙島屋様には長らくお待たせしてしまいましたこと、お詫びいたします。何卒ご容赦くださいませ。

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アルゼンチン最古のワイナリー『ボデガ・コロメ』のトロンテス、ソーヴィニョン・ブラン、マルベック [来日したワイン生産者&関係者]

 アルゼンチンのワインイメージを変えるプレミアム・ワイナリー

アルゼンチン北西部サルタ州にあるボデガ・コロメからクリストフ・エアーバー当主(左)が来日、日頃はスイス在住です。
久々の訪日だったので親交のあるアンダーズ東京のギヨーム・ポピーGMとともに親しい友人だけのランチ会を開催。私は輸入元ヴィレッジ・セラーズのコーエン社長&中村専務とご一緒にお邪魔させていただきました。とても光栄なことでした、ありがとうございます!


 エンパナーダ!


    貴重なSB
    なんと標高3100mに位置するアルトゥーラ・ラクシマで収穫したぶどう
    75%はステンレス・タンク、25%はフレンチオークの新樽で発酵
    最初から最後まで塩味が続き、深みのある旨味、酸味の印象
    当主に塩味について質問してみました。
    「痩せた土壌で海風の影響はないが、
    昔、海の底だった場所なので海中生物や貝殻の跡はある」と。
    納得できました!


 メイン料理に添えてあったレモンの厚焼
 SBとレモンの酸が素晴らしい相乗


 山羊のチーズ添えパンプキン、ビーツ、ハーブ


   ザ・タヴァンのジュリアン・ピゲ総料理長のメニュー解説


 贅沢な3種のマルベック利き比べ

 ボデガ・コロメは現存するアルゼンチン最古のワイナリー
 アルゼンチンと言うとメンドーサにフォーカスしがちですが、
 高地サルタ州のカルチャキ・ヴァレーの魅力を改めて認識、標高3100m、凄すぎ!

 アンデス山麓の豊かな自然が育む果実味を生かしたワインです。
 それを実現させているのは洗練された栽培&醸造技術


 純粋な果実の風味と高地ならではのストラクチャーが調和
 スマートでエレガントなワイン


    標高の高い畑(標高1700m~3100mの間に4ヶ所あり)で育ったぶどうは、
    紫外線から身を守るため果皮が厚い。濃厚な色合いと芳醇な果実味があり、
    昼夜の気温差が25℃と大きいため、しっかりした酸を備えます。


 メインの多種の肉料理、ラムもビーフもポークも美味
 途中退席せねばならず[もうやだ~(悲しい顔)]


    (C)アルゼンチン大使館

   次の取材があり、ランチは最後まで滞在できなくて、とても残念でした。
   動きやすいお席にしていただき、自然光がキャッチできる場所で撮影は完璧
   スタッフの皆さまにも助けていただきました、感謝です。


   久々に再会したコンラッド東京の森覚エグゼクティヴソムリエ(上記画像左列2人目)から、
   新たな仕事場で活躍なさる事を伺いました。
   ランチが終わったら、FBで公式発表するとおっしゃっておりました。
   さらなるご活躍、大いに期待しています。

   さてさて・・・サルタ州のコロメを訪問するチャンスがあるのかなぁ、ふふふ

  【ボデガ・コロメについての問い合わせ先】 
   ◆ヴィレッジ・セラーズ 
   ◆https://www.village-cellars.co.jp/

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