NZフォリウムの岡田岳樹栽培・醸造責任者が来日! ヴィンテージファーストのワイン造りを語る [来日したワイン生産者&関係者]
なでしこジャパンはW杯ベスト4進出ならずでしたが、本当にお疲れ様でした。
会場はニュージーランド北島北部のAuckland / オークランドにある、
イーデン・パークでした。
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
今回はサッカー繋がりでNZにフォーカス
現地で活躍中の日本人醸造家が手がける美味なワインを紹介させていただきます!
最新データ
7月にニュージーランドワイングロワーズ主催のセミナーがあり、直近のデータを得ることができたので、はじめに、いくつか情報を載せておきます。
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
ワイン生産量は世界全体のわずか1%、緯度は南緯35-45度
ぶどう栽培地の96%はサステイナブル認証を受けています。
主要生産品種はソーヴィニヨン・ブラン、主要生産地域はマールボロ
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
気候と土醸
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
サブリージョンのスタイル
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
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4年ぶりに来日したフォリウム・ヴィンヤーズの岡田岳樹さん
コロナが落ち着いてきた2023年の今、1ヶ月の長旅を続けてきた岡田さん
訪日前、NY、ダブリン、ロンドン、シンガポール、香港、ソウルを巡回してきましたが、訪問先での首尾も上々だったようで、世界のマーケットでも人気のSBになっています!
2010年ニュージーランド南島の北東部Marlborough / マールボロのブランコット・ヴァレーに創業したFolium/フォリウムは輸入元WINE TO STYLEのグループ会社であり、岡田さんはワイナリー設立当初から栽培と醸造のすべてを取り仕切り、フォリウムならではのワインスタイルを貫いています。中心となるぶどうはソーヴィニヨン・ブランで、ピノ・ノワールとシャルドネも栽培しています。プレスセミナーでは、自然と対峙したワイン造りや最新ヴィンテージについて言及し、バックヴィンテージやニューフェイスのワインも披露しました。
NZに移住して今年でちょうど20年目
岡田さんのワインはヴィンテージ・ファーストです。「フォリウムは多くの土壌が粘土質なので保水性は良好。毎年降雨(650ミリ)が一定量あるので、これがヴィンテージを特徴付ける大きな要因になっていると考えています。非灌漑 (2011年から実施) にすることで、ヴィンテージ毎の特徴が出ているのではないかと思っています。SDGsでも、灌漑しないことで、180万㍑/haの節水になっています」と岡田さん
ニュージーランドのサブリージョンはワイラウ、サザン・ヴァレー、アワテレですが、フォリウムはサザン・ヴァレーに属しています。岡田さんは、このエリアについて、 ■ワイラウに比べ、涼しくて乾燥している ■氷河期に削られた粘土質土壌がメイン ■マールボロの生産量の25%を占める、と述べていました。
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マールボロのSBの特徴とは
マールボロのSBは、清涼感あるピーマン、スグリ、完熟したパッションフルーツの要素を備えた爽やかなワインと評されていますが、近年の研究で、チオール類(3MHと3MHA)の量が非常に多いことがわかってきました。この結果を得て、NZの生産者たちはチオール類を最大化することを目標に、チオール類の多いワイン造りをしています。
チオールはグレープフルーツやパッションフルーツ様の香り成分で、岡田さんはチオールについて「Mercaptants / メルカプタンとも呼ばれる有機物で、香りが強いため、少量でもワインに香りに影響を与えます。チオールは果実には存在せず、果汁中に含まれる前駆体から酵母の働きによって生成されます」とコメント
出典:フォリウム・ヴィンヤーズ
その前駆体を最大化するには、■土壌中のチッソ素量 ■ 紫外線 ■ぶどうの葉 / これら3要素は少ないより多いほうが良く、また、古樹より若木のほうが多いとのこと。さらには、手収穫より機械収穫で行うほうがチオール量が倍以上とのお話でした。
そのような研究結果を踏まえつつ、ヴィンテージファーストで、チオールファーストではない岡田醸造責任者は、手収穫&非灌漑 (灌漑を行うほうがぶどうの葉の数は多い)というワイン造りを貫いています。
ヴィンテージを反映させたワイン
#1: Sauvignon Blanc Reserve Marlborogh2021 / 参考小売価格4,800円
#2: 同2013 / 5,800円
#3: Chardonnay Marlborough2021 / 5,500円
#4: Pinot Noir Rose Marlborough2022 / 4,200円
#5: Pinot Noir Reserve Marlborough2021 / 5,800円
#6: 同2014 / 7,600円
#7: Sauvignon Blanc Late Harvest Marlborough2022 / 6,800円
左から右に#1~#7
#1と#2はフォリウムのフラッグシップ、#3のシャルドネは初登場
2021年ヴィンテージは淡イエロー、粘性があり、溌溂とした酸味と塩味が魅力、料理と合わせて楽しめる柑橘果実の内果皮似の軽いビター感。2013年は若干濃いめの黄色、10年の熟成を経ても若々しく、トロピカルフルーツや完熟果実、白胡椒のニュアンス、口中での厚み、凝縮感。
7年程前、岡田さんのSBを購入し、3年間セラーで寝かせ、その後、和食とマリアージュさせる機会があり試しましたが、穏やかな熟成と綺麗な酒質が印象的でした。
一般的なマールボロのSBと違い、チオールを前面に出し過ぎていないフォリウムをお試しいただけると嬉しいです!
満を持してリリースした#3シャルドネ。発酵はステンレスタンクで天然酵母使用。熟成は古樽で18ヶ月。冷涼エリアを感じさせる柑橘系果実、昆布出汁似のアロマ、時間の経過で味わいまろやか。岡田醸造責任者の人柄が反映しているワイン(笑)
鰺のマリネ 胡瓜とジンのジュレ、豆苗のサラダ スダチ醤油ドレッシング
ブリッジ食材になっていたスダチ醤油ドレッシング(酸味と乳酸のまるみ)
シャルドネの柑橘ニュアンスやハーブの清涼感が料理と相乗
最新ヴィンテージ2022年
2020年が初ヴィンテージ、コロナ渦中に誕生したロゼ
「セニエ製法だと年毎の差が出ないので、ダイレクトプレスで造っています」と岡田さん
色調はコーラルカラー、赤系果実やスイカのアロマ、フードフレンドリーな酸味、
中盤からシルキーなタンニン、凝縮感
2014年ヴィンテージ(右)と最新ヴィンテージ2021年を比較試飲
画像から色調の違いがおわかりいただけると思います。
NZのピノの熟成能力を証明してくれた1本、フランス的な雰囲気を纏った2014年
雨が少なかった2021年は深みのある色調で骨格、ボリューム感、ポテンシャルあり
サーロインのグリルは滑らかながら存在感あるタンニンの2021年ヴィンテージと好相性
口中の脂分を優しく流してくれる印象
タンニンが溶け込みスムースな味わいの2014年はブルゴーニュの熟成したチーズと!
国産牛サーロインのグリル チミチュリソース
とうもろこし ズッキーニ トマト 甘長唐辛子
“バスク”チーズケーキ オレンジ アーモンドチュイル × #7
1996年に植樹したSB、貴腐ぶどう100%のレイト・ハーベスト、以前リリースした2018VTと同じく、2022年VTも2月に200ミリ以上の降雨があったことでボトリティス発生。ぶどうの生育では難しい年だったが、ワインは癒やしの空気感を纏ったエレガントな甘口.。舌の上を洗い流してくれるフレッシュで綺麗な酸味、熟した果実のコンポート、ロースト感。オレンジの酸やアーモンドチュイルの蜂蜜や焦しがし風味がワインとバランス良くマリアージュ
【製品についてのお問い合わせ先】
WINE TO STYLE(株) 電話03-5413ー8831 / https://www.winetostyle.co.jp
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山梨大学×NHK文化センターでの体験
チオールについて深掘りしたくて・・・
山梨大学・鈴木教授が担当なさった『香りで楽しむ日本ワイン』を受講してきました
出典:(C)山梨大学
岡田さんから前駆体が増える要素を伺っていましたが、
山梨大学とメルシャンの研究によると、3MH前駆体合成は夜明け前に盛んになるとのこと
ナイトハーベストは科学的有意性あり
期せずして、岡田醸造責任者と鈴木教授からチオールについて伺うことができました。
有意義な学習時間でした、ありがとうございました!
会場はニュージーランド北島北部のAuckland / オークランドにある、
イーデン・パークでした。
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
今回はサッカー繋がりでNZにフォーカス
現地で活躍中の日本人醸造家が手がける美味なワインを紹介させていただきます!
最新データ
7月にニュージーランドワイングロワーズ主催のセミナーがあり、直近のデータを得ることができたので、はじめに、いくつか情報を載せておきます。
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
ワイン生産量は世界全体のわずか1%、緯度は南緯35-45度
ぶどう栽培地の96%はサステイナブル認証を受けています。
主要生産品種はソーヴィニヨン・ブラン、主要生産地域はマールボロ
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
気候と土醸
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
サブリージョンのスタイル
出典:ニュージーランドワイングロワーズ
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4年ぶりに来日したフォリウム・ヴィンヤーズの岡田岳樹さん
コロナが落ち着いてきた2023年の今、1ヶ月の長旅を続けてきた岡田さん
訪日前、NY、ダブリン、ロンドン、シンガポール、香港、ソウルを巡回してきましたが、訪問先での首尾も上々だったようで、世界のマーケットでも人気のSBになっています!
2010年ニュージーランド南島の北東部Marlborough / マールボロのブランコット・ヴァレーに創業したFolium/フォリウムは輸入元WINE TO STYLEのグループ会社であり、岡田さんはワイナリー設立当初から栽培と醸造のすべてを取り仕切り、フォリウムならではのワインスタイルを貫いています。中心となるぶどうはソーヴィニヨン・ブランで、ピノ・ノワールとシャルドネも栽培しています。プレスセミナーでは、自然と対峙したワイン造りや最新ヴィンテージについて言及し、バックヴィンテージやニューフェイスのワインも披露しました。
NZに移住して今年でちょうど20年目
岡田さんのワインはヴィンテージ・ファーストです。「フォリウムは多くの土壌が粘土質なので保水性は良好。毎年降雨(650ミリ)が一定量あるので、これがヴィンテージを特徴付ける大きな要因になっていると考えています。非灌漑 (2011年から実施) にすることで、ヴィンテージ毎の特徴が出ているのではないかと思っています。SDGsでも、灌漑しないことで、180万㍑/haの節水になっています」と岡田さん
ニュージーランドのサブリージョンはワイラウ、サザン・ヴァレー、アワテレですが、フォリウムはサザン・ヴァレーに属しています。岡田さんは、このエリアについて、 ■ワイラウに比べ、涼しくて乾燥している ■氷河期に削られた粘土質土壌がメイン ■マールボロの生産量の25%を占める、と述べていました。
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マールボロのSBの特徴とは
マールボロのSBは、清涼感あるピーマン、スグリ、完熟したパッションフルーツの要素を備えた爽やかなワインと評されていますが、近年の研究で、チオール類(3MHと3MHA)の量が非常に多いことがわかってきました。この結果を得て、NZの生産者たちはチオール類を最大化することを目標に、チオール類の多いワイン造りをしています。
チオールはグレープフルーツやパッションフルーツ様の香り成分で、岡田さんはチオールについて「Mercaptants / メルカプタンとも呼ばれる有機物で、香りが強いため、少量でもワインに香りに影響を与えます。チオールは果実には存在せず、果汁中に含まれる前駆体から酵母の働きによって生成されます」とコメント
出典:フォリウム・ヴィンヤーズ
その前駆体を最大化するには、■土壌中のチッソ素量 ■ 紫外線 ■ぶどうの葉 / これら3要素は少ないより多いほうが良く、また、古樹より若木のほうが多いとのこと。さらには、手収穫より機械収穫で行うほうがチオール量が倍以上とのお話でした。
そのような研究結果を踏まえつつ、ヴィンテージファーストで、チオールファーストではない岡田醸造責任者は、手収穫&非灌漑 (灌漑を行うほうがぶどうの葉の数は多い)というワイン造りを貫いています。
ヴィンテージを反映させたワイン
#1: Sauvignon Blanc Reserve Marlborogh2021 / 参考小売価格4,800円
#2: 同2013 / 5,800円
#3: Chardonnay Marlborough2021 / 5,500円
#4: Pinot Noir Rose Marlborough2022 / 4,200円
#5: Pinot Noir Reserve Marlborough2021 / 5,800円
#6: 同2014 / 7,600円
#7: Sauvignon Blanc Late Harvest Marlborough2022 / 6,800円
左から右に#1~#7
#1と#2はフォリウムのフラッグシップ、#3のシャルドネは初登場
2021年ヴィンテージは淡イエロー、粘性があり、溌溂とした酸味と塩味が魅力、料理と合わせて楽しめる柑橘果実の内果皮似の軽いビター感。2013年は若干濃いめの黄色、10年の熟成を経ても若々しく、トロピカルフルーツや完熟果実、白胡椒のニュアンス、口中での厚み、凝縮感。
7年程前、岡田さんのSBを購入し、3年間セラーで寝かせ、その後、和食とマリアージュさせる機会があり試しましたが、穏やかな熟成と綺麗な酒質が印象的でした。
一般的なマールボロのSBと違い、チオールを前面に出し過ぎていないフォリウムをお試しいただけると嬉しいです!
満を持してリリースした#3シャルドネ。発酵はステンレスタンクで天然酵母使用。熟成は古樽で18ヶ月。冷涼エリアを感じさせる柑橘系果実、昆布出汁似のアロマ、時間の経過で味わいまろやか。岡田醸造責任者の人柄が反映しているワイン(笑)
鰺のマリネ 胡瓜とジンのジュレ、豆苗のサラダ スダチ醤油ドレッシング
ブリッジ食材になっていたスダチ醤油ドレッシング(酸味と乳酸のまるみ)
シャルドネの柑橘ニュアンスやハーブの清涼感が料理と相乗
最新ヴィンテージ2022年
2020年が初ヴィンテージ、コロナ渦中に誕生したロゼ
「セニエ製法だと年毎の差が出ないので、ダイレクトプレスで造っています」と岡田さん
色調はコーラルカラー、赤系果実やスイカのアロマ、フードフレンドリーな酸味、
中盤からシルキーなタンニン、凝縮感
2014年ヴィンテージ(右)と最新ヴィンテージ2021年を比較試飲
画像から色調の違いがおわかりいただけると思います。
NZのピノの熟成能力を証明してくれた1本、フランス的な雰囲気を纏った2014年
雨が少なかった2021年は深みのある色調で骨格、ボリューム感、ポテンシャルあり
サーロインのグリルは滑らかながら存在感あるタンニンの2021年ヴィンテージと好相性
口中の脂分を優しく流してくれる印象
タンニンが溶け込みスムースな味わいの2014年はブルゴーニュの熟成したチーズと!
国産牛サーロインのグリル チミチュリソース
とうもろこし ズッキーニ トマト 甘長唐辛子
“バスク”チーズケーキ オレンジ アーモンドチュイル × #7
1996年に植樹したSB、貴腐ぶどう100%のレイト・ハーベスト、以前リリースした2018VTと同じく、2022年VTも2月に200ミリ以上の降雨があったことでボトリティス発生。ぶどうの生育では難しい年だったが、ワインは癒やしの空気感を纏ったエレガントな甘口.。舌の上を洗い流してくれるフレッシュで綺麗な酸味、熟した果実のコンポート、ロースト感。オレンジの酸やアーモンドチュイルの蜂蜜や焦しがし風味がワインとバランス良くマリアージュ
【製品についてのお問い合わせ先】
WINE TO STYLE(株) 電話03-5413ー8831 / https://www.winetostyle.co.jp
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山梨大学×NHK文化センターでの体験
チオールについて深掘りしたくて・・・
山梨大学・鈴木教授が担当なさった『香りで楽しむ日本ワイン』を受講してきました
出典:(C)山梨大学
岡田さんから前駆体が増える要素を伺っていましたが、
山梨大学とメルシャンの研究によると、3MH前駆体合成は夜明け前に盛んになるとのこと
ナイトハーベストは科学的有意性あり
期せずして、岡田醸造責任者と鈴木教授からチオールについて伺うことができました。
有意義な学習時間でした、ありがとうございました!
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