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リリースされた創業200周年記念『キュヴェ エメラ2008』を試飲しながらアンリオ賛歌 [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

 7月3日発売!! アンリオのプレステージ『キュヴェ エメラ2008』
 




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 初来日したシェフ・ド・カーヴ
 アリス・テティエンヌさんと吉川由紀子社長/2023年3月撮影

輸入元ファインズの招聘でアンリオのアリス・テティエンヌさんが来日。料飲店とプレスを対象にしたセミナーを開催しました。
テティエンヌさんはシャンパーニュ生まれ。ローラン・ペリエでマーケティングを習得。醸造家の国家資格を取得し、2014年ニコラ・フィアットで醸造を担当、2015年クリュッグに入社し、テイスティングと栽培の両チームを兼務。2020年2月からアンリオの醸造責任者に就任し、栽培と醸造を担当、今に至っています。

今回の来日では、世界に先駆け、本邦初『キュヴェ エメラ2008』を披露してくださいました。メゾン創業から200周年記念&今世紀最高のヴィンテージ2008年!!!


 アンリオの歴史を振り返りながら
 出典:ファインズ

1808年、マダム・アポリーヌ・アンリオがメゾンを創業。
元々ぶどう栽培家の家系であり、この当時は3つのGC ヴェルジ、ヴェルズネー、マイイを所有、ぶどうはピノ・ノワール。
1880年、5代目の婚姻で、コート・デ・ブランのアヴーズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェの3つのグランクリュが加わり、白ぶどうのシャルドネを使用するようになります。

1957年から7代目のジョゼフ・アンリオ社長が指揮を執り、メゾンの拡大を図りました。1995年にはブルゴーニュのブシャール・エ・フィス、1998年にはシャブリのウィリアム・フェーブルを取得。2015年からは8代目のジル・ド・ラルズィエール=アンリオ社長が采配を振るい、最新のアイテム『キュヴェ エメラ』のデビューにも関わりました。2020年に女性シェフ・ド・カーヴとしてテティエンヌさんが就任。2世紀にわたり家族経営を貫いてきたのですが・・・

2022年、シャトー・ラトゥールやクロ・ド・タールを所有する高級ブランド『ケリング』 (ワイン部門はアルテミス・ドメーヌ)のオーナー、フランソワ・ピノー氏がアンリオの株を取得。2023年、生産協同組合 TEVC (テロワール・エ・ヴィニュロン・ド・シャンパーニュ)に移管されたことで、アンリオはTEVCの傘下になりました。ちなみに、ニコラ・フィアットもTEVCの傘下です。

アンリオグループで長年経営に携わってきたリシャール・モロー氏や醸造責任者のテティエンヌさん、現場のスタッフは続投なさるようなので安心していますが、アンリオラブの私としては胸中複雑。今後、ブシャール・ペール・エ・フィスはアルテミス・ドメーヌ、ウィリアム・フェーブルはドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド・ラフィットの管轄になるようです。

 
18世紀に建てられたコート・デ・ブランの迎賓館、優雅なレゾルノワで8代目ド・ラルズィエール社長から受けたおもてなしは最高でした/2019年11月撮影
この7月、上記に関して、全体の流れが見えてきたので、日本上陸したばかりのキュヴェ エメラ2008をメインに講座生の皆さんとアンリオに思いを馳せながら試飲しました。


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 シャンパーニュ講座の5アイテム


 第1部はテロワールを生かしたアイテム
 #1:アンリオ ブラン ド ブランNV
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
コート・デ・ブランのシャルドネのみを使用。ポール・アンリオとマリー・マルゲの婚姻がもたらしたシャルドネへのオマージュとも言えるアイテム。ベースヴィンテージは2016年。シトラスフルーツ、白桃やアプリコットのアロマ、チョーク質土壌由来のミネラル、フレッシュバターやブリオッシュ、心地よく広がる酸味、ピュアな印象


 #2:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 出典:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天に恵まれ、
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 鯛、クレソン、セロリ(葉および茎)、カラフルミニトマトを使った目鯛サラダ
 味付けは柚子味噌とオリーブオイル、最後に白胡麻をふりかけて完成
 ミレジメ2012は和柑橘の柚子や白胡麻との相性抜群!

 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ:6g/L
 価格:14,000円(税別)
1年前に試飲した時のコメントには、ブリオッシュ、コーヒー、白胡椒、ヨード、ミネラル、口中に広がるスマートな酸味、中盤からの凝縮感、エレガントで重厚、イースト由来の旨味との記載あり。今回は繊細に連なる気泡、香りには柑橘(レモンやGF)果実、ローストや焙煎香、イースト由来の旨味があり、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感を伴う余韻


 #3:アンリオ キュヴェ エメラ2008
 出典:ファインズ
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:5g/L未満
 価格:35,000円/37,500円箱入(税別)

アンリオにとって「8」のつくヴィンテージは特別です。
以前、8代目のジルさんに伺ったことがあります。「アンリオの創業年は1808年で、初めてシャンパンを造った年になります。それ以降も、8が付く年は良い思い出につながっています。1988年VTもとても良い収穫年でしたし、セラーにある一番古いVTは1928年。アンリオにとって8には縁があります」と語っていました。

キュヴェ エメラにはマダム・アポネーリーヌの時代から続くアンリオの遺産、6つのGC=ストラクチュアのヴェルジ、エレガンスのヴェルズネー、アロマのマイイ、緊張感のアヴィーズ、豊潤さのシュイイ、輝きのメニル・シュル・オジェ のぶどうを使っています。ピノとシャルドネの比率は半々(年によって若干の違いあり)、10年間で3~4回の割合でリリースされる由。輝きのある色調、白桃や熟れた果実、ミネラル、アカシア、焙煎香やクリームブリュレ、口中クリーミー。フレッシュさと力強さの対極感、グラス内の温度変化で複雑味が増し、長く続く余韻はエレガント。
大手メゾンの多くは2008年ヴィンテージをリリース済です。「時間は友だち」と公言するアンリオ、長熟を旨とするスタイルは本当に素晴らしいです🥂🥂🥂

 アンリオのDNA、永遠のリザーヴ
 
1990年からスタートさせたソレラシステムによるリザーヴワイン。467ヘクトリットルのタンクの番号が38だったことから『キューブ38』と命名されました。タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVのブリュット・スーヴェラン、ブラン・ド・ブラン、ロゼ用のリザーヴワインとして、残りの約3%はマグナムサイズで約1000本限定の『キューヴ38』に使っています。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


 第2フライトはロゼ
 赤ワインを添加してロゼを造っているアンリオが最も大事にしているのがアロマ
 アッサンブラージュの時は黒いグラスを使い、最終的な決断をしています。
 理由は、赤ワインを加えるので ■視覚から受ける影響を避ける ■アロマや味わいを優先

 #4:ブリュット ロゼ
 ぶどう品種:CH30%、PN60%、M10%(赤ワインとして8~10%)
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
1980年代に誕生したアイテム。ピノ・ノワールとムニエは果実感とアロマを重視したモンターニュ・ド・ランス産、シャルドネはミネラル感を重視したコート・デ・ブラン産。ベースヴィンテージは2017年。色調はサーモンピンク。香りはラズベリーやチェリー、ピンクグレープフルーツやオレンジ、ホワイトペッパーやピンクペッパー似のスパイシーな風味、軽快な酸味とフレッシュな余韻


 #5:アンリオ ブリュット ロゼ ミレジメ2012
 ぶどう品種:CH45%、PN55%、赤ワイン10%以下
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,500円(税別)
ラベルの色調と重なり合う2種のロゼ。コーラルカラー(珊瑚色)、視覚から伝わってくるボディ感。森のベリーや野イチゴ、ブラッドオレンジやエキゾチックフルーツの香り。ミネラル、塩味、フェノールのニュアンスもあり、舌の上の脂分を洗い流してくれる印象なので肉料理とのマリアージュもお薦め。

 IWC2023で金賞を受賞したロゼNV



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 テティエンヌさんへの質問
 セミナー後、プレスメンバーからの質問タイムをいただき・・・
■ジョゼフ・アンリオ社長時代から、アンリオはムニエを使わず、ピノとシャルドネだけでしたが、現在では、栽培面積でみると、ムニエは15%程度あり、使用頻度も増えているように感じます。これに関しては、畑の購入に伴い、もともとムニエが植えられていたことが要因の1つとのことで、それらのムニエは植え替えを進めているので、今後は減少していく由。ただ、年によって収量が少なかったり、温暖化の影響もあるので、質の良いムニエはキープしていく方針のようです。
■ステンレス使いのロラン・ペリエや樽使いのクリュッグでシャンパーニュと関わってきたテティエンヌさん。アンリオではステンレス中心ですが、彼女の代になってから、新しい取り組みとして、樽を使ったワインをリザーヴワインとしてストックしているとのこと。温暖化の影響下でのトライアルとして、進化を見ている由



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      シャンパーニュ委員会からの声明書

2023年の1㌶当たりの収量の上限は、世界経済の状況やインフレの影響を考慮し、前年より600kg少ない11,400kgに設定。ぶどう畑の状態は良好。霜や雹による被害はほとんど無く、病害も抑えられているので、収穫は9月10日までに開始出来る見込み。2023年の出荷量は3億1,400万本(2022年は3億2,550万本)と予測



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 余談ながら・・・
 四季のうつろいを大事にしている人形町今半さん。
 二十四節気の大暑の期間にお邪魔しました。
 定番のシャンパーニュはアンリオ ブリュット スーヴェランNV

 うちわを模した器もあり、視覚でも清涼感を満喫

      桜満開の時期には春のあしらい
      凜としたスタイルのブリュット スーヴェランに良く似合います!

  アンリオについてのお問い合わせ
  株式会社ファインズ商品部 (担当:木場谷/こばや) 電話03-6732‐8600

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