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気の向くままに京都散策 ~“歓迎”の意味を持つ藤がシンボルの京都迎賓館~ [伝統美、日本の美]

 新幹線から見た富士山🗻
 積雪具合もあり力強い印象


         余談ですが・・・
         photo by Mizoguchi
         京都在住のワイン仲間 溝口家のお庭の雪景色
         20日は京都の方もビックリの大雪
         21日は午前中まで、雪模様だった由
         晴れ女の私が到着した午後には雨も雪もなし[わーい(嬉しい顔)]


 伝統美の京都迎賓館
 2005年に賓客をもてなす場として、京都御所の中に建築された京都迎賓館
 事前登録した参加者は京都御所の清和院休憩所に集合し、
 ツアー開始前に動画を見ながら予習
 荷物はロッカーに預け、手荷物チェックを済ませたら、約90分のツアーに出発です!

 正門玄関の扉には樹齢700年の福井県産の檜の一枚板を使用
 扉を開けると、歓迎の意を表す生け花の設えで来賓をお出迎え
 京都迎賓館おもてなしの心/華道編が参考になるのでリンクしておきます。


 藤の間
 洋食の晩餐会や歓迎式典が行われる大広間
 日本画家の鹿見喜陌氏の下絵をもとに綴織りの技法で、
 39種類の草花が織り込まれた作品『麗花』


IMG_4128.jpg
 ひときわ目を引いたのが格子光天井
 本美濃紙と京指物の伝統的技能によるもので、3段の笠は上下作動で高さ調整が可能
 15パターンの組み合わせができる由

 右側から撮影した全景、豪華&繊細&みやび

 藤の花言葉は“歓迎”
 『麗花』のなかでも意味深いのが藤
  おもてなしの心を象徴する存在

 人間国宝 江里佐代子氏の響流光韻
 截金(きりかね)を用いた作品
 絹糸のように細かく切った金箔を、筆と接着剤でイメージした文様に1本1本貼っていく技法

      かすかな風も振動も妨げになってしまうので、
      筆の穂先に神経を集中して、少しずつ丁寧に作業を進めていきます。
      名工の技の凄さ!

IMG_4126.jpg
 平安時代以降、公家の邸宅で使われていた室内調度品『几帳』
 伝統技法として、
 漆、錺金物(かざりかなもの)、鋳金、羅織物、京縫、京組紐が用いられている由
 ここにも藤の花が描かれていますね。

IMG_4133.jpg
 テーブルセッティング



 桐の間
 和の晩餐室は24名まで会食可能
 漆黒の一枚仕上げのテーブルは鏡のように澄んでいます。
 そこに映り込む風情に日本らしさを感じます。

     畳の中央部の色が違うのがわかりますか?
     昔ながらの中継ぎ表(なかつぎおもて)という技法だそうです。
     1枚の畳表に使うイ草は1万本(通常は約4000本)とのことでした。
     初めて見聞した中継ぎ表、勉強になりました!
     イ草の良い部分だけを使い中央で繋ぐ技法


 随所に日本国政府の紋章「五七の桐」

 漆と蒔絵の美の調和
 施された桐の葉の色は微妙に異なり、
 同じ模様の座椅子はひとつもないとのこと。   
 最上位は床の間の前になりますが、その桐紋が見たかったです!


 夕映の間
 会議や晩餐会の待合として利用
 左右の絵画は日本画家の箱崎睦昌氏の下絵をもとに綴織り技法で仕上げた織物
 右側の作品は『比叡月映』


 ズームでチェック、美しい!


 人間国宝十四代今泉今右衛門氏の作品『色絵雪花墨色墨はじき 四季花文花瓶〔白磁〕』
 そこにあるだけで、その佇まいにときめきました!
「墨はじきのような、目に見えないところへの神経と手間を大事にすることを、
 ひとつの信念として取り組んでいきたい」とサイトに十四代目が記していました。
 おもてなしの心と符合するお言葉


 左側の作品は『愛宕夕照』


 細部に迫ってみました!


 人間国宝十四代酒井田柿右衛門氏の作品『濁手山つつじ文花瓶』
 花瓶の赤絵が愛宕夕日の赤と連なる印象で配置に抜群の統一感


 回路から見る庭園


 廊橋の透かし彫り




      秀吉時代の石柱
     ズームでみると「天正17年(1589年)8月」の刻印
     旧五条大橋(現在の松原橋)の橋脚に使われていた円柱石

   和舟
   丸子舟の職人さんが手掛けた和舟で賓客をおもてなし


四国で開花宣言が発表されましたね。
京都の桜は、まだ可愛いい蕾状態でしたが、4月早々には期待できそうです。
2016年から一般公開を開始した京都迎賓館のガイドツアーは一見の価値ありなのでお薦めです。赤坂の迎賓館とは全く異なる趣きです。国公賓等の接遇、その他迎賓館の運営上の都合で、予定されていた一般公開が急遽中止になることもあるようなので、サイトで日程確認をして是非!

[メモ]京都迎賓館の公式サイト

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コメント 2

gillman

初めて拝見しました。すごいですねぇ。貴重な体験ですね。
by gillman (2024-03-25 13:11) 

fumiko

gillman さん、コメントありがとうございます。
京都迎賓館は写真撮影OKだったので、
フランスの美術館にいる時のようなワクワク感がありました。
本当に素晴らしいものを共有させてもらえる喜びです。
gillmanご夫妻にはガイドツアーをお薦めしたいです!
by fumiko (2024-03-26 23:32) 

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