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クインテッサ Quintessa × ファヴィア favia の新たな動きに注目! [カリフォルニア]

     カリフォルニアの秀逸なワイナリー
     ラザフォードの『クインテッサ』とクームスヴィルの『ファヴィア』
     詳細はワイン王国WEBにアップされたリポートにまとめました。
     ご笑覧いただけると嬉しいです!


       クインテッサ

     クインテッサとはコロナ渦中の2020年からZoom インタビューを実施。
     毎回最新ヴィンテージを利き酒しながら、ホットな話題を伺ってきました。
     4年間の躍進を感じていただけると思います。


     2023年に初めて白ワイン『イルミネーション』を試飲して一飲惚れ[目がハート]
     和の食材にもしっかり寄り添ってくれる超お薦めのワインです。


IMG_1996.jpg



    ファヴィア

     ファヴィアはカリフォルニアのカルトワインとして垂涎の的
     スクリーミングイーグルの醸造と栽培に関わっていたおふたり
     アンディ・エリクソン&アニー・ファヴィア夫妻が立ち上げたワイナリー
     2018年に訪問した折、ご夫妻とお目にかかることができました。

         アンディさんの経歴も興味深かったです。



     クインテッサの栽培方法(ビオディナミ農法)を取り入れながら、
     アニー・ファヴィア女史がどのような手腕を発揮なさるか。
     両ワイナリーの知恵と経験の開花にワクワクです!

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醸造家レベッカ・ワインバーグが語ったクインテッサの最新VT2020とワイナリーの取り組み [カリフォルニア]

     Beyond Bordeaux Tokyo 2023でクインテッサ2020を先行試飲
 
黒系果実、スパイス、ドライハーブ。マスキュランかつ繊細さを持ち合わせたタンニン、ミネラル、バランスの良さを伴って広がる余韻。2017年ヴィンテージから現地と繋いで、最新情報を伺いつつ、先行試飲してきたクインテッサ。年々酒質の向上を実感しています。
 
                 🍷 🍷 🍷


今年は9月22日にオンラインインタビューをさせていただきました。
2年続きで、レベッカさんが対応してくださったので、昨年のリポートをご覧いただくことで、クインテッサの魅力がより鮮明になると思っています。宜しくお願いします!

                
       クインテッサから届いた2020VT
       【Quintessa2020/クインテッサ2020 375ml
       収穫時期:9月3日~9月26日
       醸し期間:果皮と共に平均20日
       オーク樽:フレンチオークの新樽60%
       熟成期間:22カ月
       Alc度数:14.5%
       瓶詰時期:2022年7月
       ぶどう品種:87%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%カベルネ・フラン
             4%カルメネール、2%プティ・ヴェルド


 
2020年ヴィンテージは、乾燥した冬の後、春は温暖な気候で、3月下旬には芽吹き開始。ぶどう樹の成長も早く、糖度も蓄積され、小粒で高いレベルのタンニンを備えたぶどうを収穫。ほとんどの収穫を終えたのは9月26日でしたが、その翌日27日にグラス・ファイアがあり、穫み残していたぶどうにはスモークテイント(煙害)の影響が出たとのこと。


2020年の山火事
山火事は、通常だと、収穫を終えた10月頃なのですが、2020年は8月下旬と9月下旬の2回発生しました。幸い、1回目は煙が高く舞いあがっていたので、ぶどうに影響はなかったのですが、2回目のグラス・ファイアは、クインテッサがあるラザフードにも近かったので、穫み残したぶどうに煙害が[ふらふら]

■2020年ヴィンテージは9月26日までに収穫したぶどうを使用
■煙害対策は、2022年のリポートに記述した通り、コンテナー内にオゾンを充満させ、煙の分子を分解させようと一晩の静置を試みましたが、「思っていたほどの効果はなかった」とレベッカさん。煙害に関しては、3年前にはほとんど調査がなかったので、当時は手繰り状態での対応だったようです。2020年は温暖だったので収穫が早くスタートし、最終的に、煙害無しのぶどうだけで醸造できた由


 土壌へのさらなる取り込み
 source: Quintessa
 (画像中央)池の右側マウスポインターのある場所がドラゴンズ・ブロック

 source: Quintessa
(地図の右上)池の上部ポインターで示した場所がドラゴンズ・ブロック、ヴァカ山脈側


以前からの取り組みをさらにバージョンアップ。
昨年から開始した調査には、テロワール研究の第一人者アメリカ人のブレンナ・クイグリー女史、チリの地質学者ヘドロ・パラ氏がチームに加わっています。具体例としては、上記のドラゴン・ブロック。今までは一つのブロックとして見ていたエリアですが、調査・分析で、ふたつの異なる地質があることが判明。現在、その分析に基づいて、4区画に分けて、剪定や灌漑等の方法を変えながら、新たな取り組みをしています。ドラゴン・ブロックはクインテッサのメインとなるぶどう畑なので、今後、さらなる酒質の向上に期待!!


                  🍷 🍷 🍷



        こころ惹かれたイルミネーション2022
       【Illumination2022/イルミネーション2022】
        アペレーション:45%ナパ・カウンティ / カリストガ
                55%ソノマ・カウンティ / ベネット・ヴァレー
        収穫時期:8月22日~9月22日
        Alc度数:14%
        瓶詰時期:2022年7月
        ぶどう品種:50%ソーヴィニヨン・ブラン・ムスケ(SBの亜種)
              33%ソーヴィニョン・ブラン
              17%セミヨン

ナパは温暖で朝夕の日較差が大きいのが特徴。ソノマは霧の影響下にある冷涼な地域。2つの産地のぶどうを手摘み収穫、全房発酵で醸造。容器は60%が使用樽、15%がステンレスタンク、20%がコンクリートエッグ、フレンチオークの新樽1%、アカシアの新樽4%の5種を使用、とてもユニーク!

ぶどうの半分以上はソーヴィニヨン・ブランの亜種ムスケで、この品種からはシトラスフルーツやストーンフルーツのニュアンスが。セミヨンを使うことで、ワインにまるみが加わります。イルミネーションを味わった時に感じる柑橘果実の内果皮似のビターさは様々な料理と合わせて楽しみたくなります。


 source: Quintessa ボルドーのネゴシアン経由で流通、日本ではファインズの取り扱い


今年の収穫は
オンライン当日の9月22日からイルミネーションに使うソーヴィニヨン・ブランの収穫が始まった由。2023年は冬から春にかけて多雨。2021年と2022年が干ばつだったので、雨によって土壌は潤い、復活したようです。夏は暑くもなく熱波もなかったので、特筆出来るヴィンテージになりそうとレベッカさんは力説していました。

レベッカさんからクインテッサ・ファンにメッセージ
クインテッサのワインを味わった瞬間、ナパにトランスポートして欲しいですし、イルミネーションを口にした時にはカリファルニアの太陽を感じて欲しいです。ワインからクインテッサの複雑なテロワールを感じ取っていただけると嬉しいです。


      マリアージュ探求
      石鯛のお造り × イルミネーション2022
      フレンチスタイルのSB、真っ先に感じたのはスパイスのニュアンス
      それも和の要素で、私的にはもみじおろし
      もみじおろしを少し舐めてからワインを味わうと抵抗感なく渾然一体
      新鮮な白身魚の薄切りにもみじおろしを添えて!

 
黒系果実のプラム、ブラックベリー、ダークチェリーのアロマ、MLF由来の乳酸、タンニンは木目細かく、酸味はおだやか。抜栓初日より、2日目のほうが全体的にバランス良好。第一印象はシャイなので、空気と触れあわせることで、本領を発揮するワイン。今のところマイベストは緻密で凝縮感ある2019年ヴィンテージなのですが、それより若干ソフトな印象、定点観測してみたいヴィンテージ。

 
 スティックカリフラワーと三年味噌のバーニャカウダ
 トマトとモッツァレラのシンプルサラダ
 なすと肉のオーブン焼き

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カリフォルニアワイン協会公認のグローバルな教育プログラム キャップストーン・カリフォルニア 体験記 [カリフォルニア]

 カリフォルニアワイン協会CWIが世界に向けて発信する教育プログラム
 昨年9月、カリフォルニアワインの輸入元&プレスを対象に、
 オンライン説明会が開催されました。
 MCを務めたのはCWI日本事務所扇谷まどか共同代表
 CWIオナー・コンフォート国際部長はカリフォルニアワイン教育のビジョンに言及し、
 主任講師の山本香奈エデュケーターはショートバージョンで模擬講座を行い、 
 プログラムの総監修者エヴァン・ゴールドスタインMSは2種の白ワインについてコメント
 試飲ではMSが用いるディダクティブ・テイスティング(演繹的試飲法)を採用
 マスター・ソムリエの略。有資格者は世界に約300名

Capstone Californiaの概要
開発したのはCWI輸出プログラムチ ームと世界のワイン専門家で、カリフォルニアワインに特化したコンテンツを多言語対応のマルチメディアを介して世界のワイン業界のプロや愛好家に提供するものです。初級から専門家レベルまでの4段階のカリキュラムによって構成されており、日本では2021年10 月下旬から初級/Level1がスタートしました。講座はアカデミー・デュ・ヴァンでの座学&テイスティングと、オンラインによるセルフ・スタディの2コースです。


 10月からスタートした座学@アカデミー・デュ・ヴァン
 カリフォルニアに精通する山本香奈講師による初級は10月から月1回ペースで4回開催
 内容は歴史、地理、気候、土壌、ぶどう品種、栽培や醸造、熟成、ワイン法令等


 供出されたアイテム
 1回目の講座で試飲した4種。テイスティングには、
 カリフォルニアの歴史を背景にしたワインも登場するのでお楽しみに!

 左から
 #1:マタンザス・クリーク ソーヴィニヨン・ブラン2019
 #2:シャトー・モンテレーナ シャルドネ2018
 #3:ブエナ・ヴィスタ ピノ・ノワール2017
 #4:ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン2018


 第3回講座のディダクテイブ・テイスティングは森覚講師が担当
 切れの良い語りで、今講座の“売り”の1つである試飲法を丁寧に解説


 演繹的試飲法とは?
 コート・オブ・マスター・ソムリエCMSがテイスティングで取り入れている方法
 ディダクティブ・テイスティングは日本語では演繹的試飲法と訳されています。
 あらゆる要素に基づいて結論を導き出していくのが演繹(えんえき)法です。

 香りを利いて、柑橘類があるかないか、あるなら具体的な果実の名、その特徴
 果実以外なら、例えば、ハーブはあるかないか、バターやクリームはあるかないか
 項目ごとに利き分け、香り(アロマ)と味覚(フレ―ヴァ―)を組み合わせて結論に到達

 国際ソムリエ協会ASIや日本ソムリエ協会JSAのコンクールではテイスティングの際、
 ワインについて様々な“形容”を使って表現しますが、
 演繹的試飲では“ある or ない”の二者択一
 その積み重ねで、結論を導き出していくのが特徴です。


 テイスティングシートのフォーマット / (C)CMS
 シャトー・モンテレーナCH 2018の模範解答の一部

  ブエナ・ヴィスタ PN2017の場合、色調は「ガーネット」
  Alc度数13.5%ですが、ここでは「やや高い」にチェックを入れるのが 正解


 受講後は毎回オンラインによる小テスト
 4択問題で、正解なら緑色、間違っている時は赤色の表示になります。
 不正解でも「テストをやり直す」で再チャレンジできます。
 テストは好きなだけ挑戦できますし、一発勝負で決まるわけではないので、ご心配なく!
 但し、問題はいつも同じではなく、その都度変わっているようです。

 最終テストの出題は50問でした!
 小テストが終わったら最後の仕上げのテストです。
 講師が念押ししたり、白板に記述していた事柄の確認は大事

 すべてをクリアすると
 小テスト&最終試験を通過すると、このような表示に[わーい(嬉しい顔)]
 Level1の受講者は2月28日迄に最終テストを済ませておくことが必須だったので、
 試験をクリアした受講生には3月中に初級の認定証が届く予定です。

キャップストーン・カリフォルニアは、初級・中級・上級・専門家/アンバサダーの 4つのレベルから成り、最初のレベルを修了すると次の段階に進むことができます。
募集はアカデミー・デュ・ヴァンの公式サイトで公開されますが、オンラインによるセルフ・スタデイの場合はテイスティングがないので、3月と4月に開催される森覚講師によるデイダクティブ・テイスティングコースを受講するのも選択肢の1つです。

キャップストーン・カリフォルニアは、カリフォルニアワインの海外市場向け販売拡大を目的とした多角的10年戦略の一翼を担うもので、世界中の人々を対象に、体系的な学習を通してカリフォルニアワインの知識が会得できるようになっています。

【キャップストーン・カリフォルニアのご案内】
詳細はコチラで!

【関連講座のご案内】
ディダクテイブ・テイスティング講座
カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム キャップストーン・カリフォルニア(Cap stone California) レベル2資格認定講座


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世界進出に舵を向けたナパ・ヴァレーの逸材『Quintessa クインテッサ』 [カリフォルニア]

第5の要素『クインテッサ』
昨年から輸出に力を入れ始めたナパ・ヴァレー、ラザフォードにあるクインテッサ
先日、Zoomで、ロドリゴ・ソトGMとディエゴ・ギャレイ輸出担当ディレクターからワイナリーや新ヴィンテージ2017について伺うことができました。
内容はニュースサイトワインのこころで紹介しています。隠れた逸材クインテッサの魅力を感じていただけましたら幸いです。


 来月上旬発売される『クインテッサ2017』 Photo by Fumiko


         ジェネラル・マネージャーのロドリゴ・ソト氏
         Photo by Quintessa

      フェッツアーやベンジガー、チリではマテテックやヴェラモンテで活躍
      ビオディナミの指導者として著名なアラン・ヨーク氏との親交も篤い

         ワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん 
         Photo by Quintessa

      所用があり、Zoomには参加できなかったレベッカさん
      カリフォルニア大学デイビス校で栽培と醸造学の修士号を取得
      2015年からクインテッサに参画しました!

 輸出担当ディレクターのディエゴ・ギャレイ氏 Photo by Quintessa

セーニャのジェネラル・マネージャー、アルマヴィーヴァのジェネラル・マネージャーを歴任なさったギャレイ氏は日本市場の重要さを熱く語っていました。


[NEW]:カリフォルニア州の山火事
雷によって発生した山火事はナパ・ヴァレーの東側に移動していますが、最新の情報はナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)のFBに随時掲載しています。また、火災の状況はMapで確認できます。
避難による密もあるので、火災とコロナ感染はダブルで気がかりです。

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期間限定で開催された『ナパワインフェア2019』の受賞店13店舗を表彰! [カリフォルニア]

 ナパワインフェア2019授賞式
2月10日東京アメリカンクラブで授賞式が行われました。13店舗の皆さま、おめでとうございます!

『ナパワインフェア2019』はナパヴァレー・ヴィントナーズ(Napa Valley Vintners、略称NVV)主催の期間限定フェア。2019年10月1日から11月30日までの2か月間、全国の飲食店66店舗と小売店20店舗が参加して、飲食店はナパワインのグラス売り、小売店は4種類以上のナパワインを取り扱いました。受賞店舗&詳細はコチラで!

同フェアのために仕入れ or 販売されたナパワインは約27,000本でした。

 ワイルドカード賞は『hOnda麻布十番』の手に
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授賞式当日、ワインの仕入れ本数が200本以上の参加店の中から抽選でワイルドカード賞を選出。ラッキーな当選者は麻布十番hOnda (画像右)

 東京アメリカンクラブによるワインと料理のマリアージュ
アイオーリソースを添えた蟹料理、シトラスをブリッジ食材に使い、リンゴをトッピングすることで、ナパ・ヴァレーのシャルドネのミネラル感や酸味と相乗

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モーレソース(唐辛子、チョコレート、ナッツ、果物)の甘辛さが鶏もも肉と絶妙なバランス、ナパ・ヴァレーのメルロの果実感とボリューム感と相性良好

低温調理したリブ肉を塩と肉汁だけで味付けた素材重視の一皿。ブリッジ食材のタイムやマジョラム、ホースラディッシュがアクセントに。ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとナイスマリアージュ

お肉のカッティングシーンも楽しめました。


 研修ツアー『エクスペリエンス・ナパヴァレー』
(右から)フェアの成功に感謝の意を表したアメリカ大使館農産物貿易事務所バレット・バンパス副所長、ナパヴァレー・ヴィントナーズ日本事務所の若下静代表&同小枝絵麻代表、アメリカ大使館農産物貿易事務所青木純夫シア・マーケティング・スペシャリスト

受賞店の代表者は、4月に『エクスペリエンス・ナパヴァレー』に招待されます。
私は2018年にプレスとして同行させていただきました。とても素晴らしい内容だったので、受賞店の皆さまにとりましても研修ツアーは貴重な体験になると確信しております。リポートはコチラにまとめてありますので、ご笑覧いただけましたら嬉しく思います。

同フェアについてのお問い合わせはナパヴァレー・ヴィントナーズ窓口 若下静様まで
japan@napavintners.com
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エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENV2018 同行取材リポート <その2> [カリフォルニア]

エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー2018の2日目の報告
Duckhorn 3 Palms Vineyard ぶどう畑ツアー


ナパ・ヴァレーのメルロを世に知らしめたダックホーン・ヴィンヤーズは1976年、ダン・ダックホーンとマーガレット・ダックホーンが設立しました。四半世紀にわたり、ボルドー品種の生産者として地位を確立してきましたが、2017年にはピノ・ノワールで一世を風靡したカレラ、今年の7月にはソノマにあるピノ・ノワールの造り手コスタ・ブラウンを買収、新たな広がりを見せています。

銘醸畑スリー・パームス・ヴィンヤード

photo by Masatoshi UENAKA
3本のヤシを背景にメンバー全員で記念ショット


記念にいただいたロゴ入りグラス


ふるまってくださったワインはメルロ スリー・パームス・ヴィンヤードの2015VT
2014年VTは昨年『ワイン・スペクテーター誌』のTOP100の第1位に選ばれています!


畝ごとに品種、植樹年、台木等の記載が



土壌の構成、台木による根の伸び方の違い等を観察

畑で説明を受けている間(15時前後)、ダッチヘンリーキャニオンからの風が吹き込んでいました。ICレコーダーの録音が聞き取りにくいほどの風の勢いで、身体より機器のほうが敏感に風力を感じ取っていました。毎日同じ時間に吹いてくるので、これがぶどうを守る大事な要素になっています。


 
アメリカ市場では、この4年間で、プレミアムクラスのメルロが伸びているそうです。
「カベルネ・ソーヴィニヨンがダントツですが、メルロが躍進していてレストランでもオンリストされています」とダックホーンのトレード・リレーションズ&エデュケーション・マネージャーのケイ・マラスケさん(画像左

折角の機会だったので、映画がらみの質問をさせていただきました。
「2004年に公開(日本は2005年)された映画『サイドウェイ』では、主人公がメルロ品種を酷評していましたが、ダックホーンでは映画の影響を受けましたか?」と。
「あの映画以降、市場ではメルロの消費がダウンしました。メルロにそれほど力を入れていなかったワイナリーは植え替えを余儀なくされました。弊社では特に大きな影響は受けていません。あのような出来事があったからこそ生き延びてこれたのだと思っています。メルロに特化することで、秀逸なメルロを造るワイナリーとして認知されています。その結果として、昨年はWS誌ベスト100の第1位に選ばれました。それと・・・今の若い人たちは14年前の映画のことは知らないと思いますよ」とケイさん。自信に満ちたお言葉!


イノベーションとテクノロージー Keever Vineyards

ヨーントヴィルのヒルサイド、標高300フィート(約92m)に位置する『キーヴァー・ヴィンヤーズ』はボーダフォンアジアの元CEOウィリアム・キーヴァーさん(中央)が興した極小規模ワイナリー。左隣は案内役をしてくださったご子息のジェーソン・キーヴァーさん、右隣は奥さま



訪問のテーマは“イノベーションとテクノロジー”
以前牧場だった場所を購入して、2000年にぶどう樹を植樹。2005年に山の一部を掘り起こし、2006年にカーブが完成。醸造施設も同年から稼働、重力を使ったグラビティー・フローで、年間約24,000本を生産しています。



ヴィンヤード・マネージャーはグレース・ファミリーやスクリーミング・イーグル等の超著名ワイナリーにぶどうを供給をしていたジム・バーバーさん。ワインメーカーはハーバーさんと交流があったセリア・ウェルチ女史(2002年から同ワイナリーに就任)、新カルトワイン『スケアクロウ』の醸造家として知られています。
『スケアクロウ』は2011年2月のワインオークションで、史上最高額で落札され、2014年にはさらに落札額が更新され、新カルトワインとして大ブレークしました。同時にウェルチさんの名も知れ渡りました。

スケアクロウのオーナー、ブレッド・ロペス&ミミ・デブラシオご夫妻が2014年に来日した折、インタビューさせていただきました。ロペスさんはウェルチ女史について、「感性、直観力、洞察力、判断力のある女性です。自分がワインメーカーであるということを前面に出してくるような人ではないところも魅力です。何より人間性があります」と語っていました。


4台の光学式カメラが付いた選果台、1時間に2トンのぶどうをチェック


メイン品種のカベルネ・ソーヴィニヨンには5つのクローンを使用
「クローン7には台木101-14、337には101-14、そしてENTAV191、同341、同33には110Rを使うことでより根が深く伸びます」とジェーソンさん


フラッグシップのカベルネ・ソーヴィニヨン2014
深みのあるガーネット、ブラックベリー、プラム、甘草、ミント、タンニンの木目は細かく、口中でヴァニラ、モカ、重厚さと繊細さが同居!


Panel discussoin and tasting パネルディスカッション&テイスティング
マット・スタンプMSをモデレーターにして、6名のパネリストと共に6種の異なるAVAのカベルネ・ソーヴィニヨン(5)&カベルネ・フラン(1)を試飲。ナパヴァレーのテロワール、AVAがもたらすワインのスタイル等を学習


(左から)
トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤーズのジョン・ルエルCEO、イタリックス・ワイングロワーズのテイラー・マーチン マネージング・パートナー、ホワイトホール・レーンのジェイソン・モールトン ワインメーカー、マット・スタンプMS、ガリカのローズマリー・ケークブレッドオーナー&ワインメーカー、アキュメンのヘンリック・ポウルセン ワインメーキングデイレクター、ヘス・コレクション・ワイナリーのデイヴ・ガフィーワインメーカー


すべてのワインは2014年ヴィンテージ
選択理由についてスタンプMSは「現行VTであり、個人的に好きなVTだから」とコメント


ナパ・ヴァレーのAVA

ナパ・ヴァレーはサンフランシスコまで77km、太平洋まで58km、北に行くほど暖かく、標高が高いほど日照が長い。毎朝の霧(標高180~300m辺りまで)とサンパブロ湾からの涼風の影響大。大まかに言って山のエリアは斜面に張りつく表土の浅い岩まじりの土壌で、ぶどうは小粒で凝縮感がある。ワインのスタイルは複雑なアロマとしっかりしたタンニンが特徴。段丘(べンチ)エリアは岩まじりで水はけの良い土壌、ワインのスタイルは果実味が豊かで、山のエリアほどタンニンの存在感はない。ヴァレーフロアはナパ・ヴァレーの川岸に堆積したシルトや粘土の土壌で、ワインのスタイルはフレッシュな酸と豊かな果実味。


(左から順に)
#1:トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤーズ CS オークノール地区 
今年創業50周年を迎えた家族経営のワイナリー。AVAのなかでは冷涼な産地、ぶどうはすべて自社畑のもので、「灌漑の量を減らし、収量を減らすことで質の良いぶどうを造る」とルエルCEO。ワインはフラワリーでプラムやブラックベリーのニュアンス、果実本来の豊かさ、程良いタンニン、冷涼エリアならではの酸に由来するフレッシュ感

#2:イタリックス ワイングロワーズ エステイトCS クームスヴィル
日本未入荷のワイン
パネラーのテーラー・マーティンさんはテキサス出身で農業に従事、クームスヴィルの可能性を信じて家族でナパに移住。若いワイナリーなので供出ワインも2年目のVT。ワインは自社畑の1990年代のぶどう樹と2008年に植樹したぶどう樹からとれたものブレンド

クームスヴィルについて
2012年に認可された一番新しいAVA。認可前までは知名度が低かった。火山の爆発で地殻変化が起き、それによって水流が遮られた。250m前後の場所に火山灰がつもり、サンパブロ湾からの風によりダストが流れ込み、標高の異なる丘のような地形が生まれた。サンパブロ湾からの風の影響を受ける冷涼な産地。
「AVAの認可が出なかったのは水に恵まれず、火山灰の影響が多すぎてぶどう栽培にマイナスと思われていたからで、近年の動き・・・クームスヴィルがボルドーブレンドに適した可能性があるということと、テクノロジーの進化により、水の供給ができるようになったことから、認可に至りました」とマーティンさん

#3:ホワイトホール・レーン CS ナパ・ヴァレー
ぶどう畑はラザフォードとセントヘレナの境目にあり、2つのプレートがぶつかり合ったことで、異なる土壌が形成された。ラザフォードにある畑は小石まじりの粘土質ローム層で、セントヘレナにある2つの畑のうちのひとつはラザフォードと同じ小石まじりの粘土質ローム土壌で、他方の畑は小石まじりの砂質土壌。
CS100%で、27ヶ月樽熟(65%仏産オークの新樽)、 「最初に口に含んだ時からミッドパレット、余韻までアロマやフレーバー、すべてにおいてバランスが取れているワインが理想」とモールトンさん

#4:ガリカ CF オークヴィル
当日のマイベスト。願わくば、ローズマリーさんのCSを体験したかったです。
赤系果実、土壌由来の清涼感、ナパの秀逸な女性メーカーが造るエレガントなCF!
ローズマリーさんはスポッツウッドのワインメーカーとして活躍の後、直近の12年間は自身のブランド『ガリカ』でワイン造りに専念。「カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配によって誕生したのがカベルネ・ソーヴィニヨンなので、ここでは親であるカベルネ・フランにフォーカスするのも面白いのでは」と。

オークヴィルのAVAはマヤカマス山脈からヴァレーフロアを通り、ヴァカ山脈までの東西にわたる広範囲なエリア。基本的にCS、CF、SBを栽培。CFは晩熟で収穫はCSが終ってから。300Lの樽で約18ヶ月熟成。CFはフローラルな香りが特徴、ヴァカ山脈の標高450mで栽培しているCFで、土壌は茶色を帯びた火山灰土壌。保水性に富んだ土壌はCFとの相性が良い。
子供の頃、調布のアメリカンスクールに通っていたというローズマリーさん。日本語は懐かしい響きだったようです。

#5:アキュメン・ピーク CS アトラスピーク
日本未入荷のワイン
標高は450~700m、霧は300m以上には届かないので、霧の上にある畑のぶどうは日照を浴び続け、果皮は厚い。「タンニンは果皮と種から抽出されるので、収穫時期を見極めないとタンニンが出過ぎてしまう」とポウルセンさん。日照には恵まれるが、風が吹き抜ける環境なので、気温はそれほど高くならない。ゆえに、ぶどうはゆっくりと熟す。
ナパワインの3%だけが、標高300m以上のエリアから生産されている。土壌は65%以上が岩で構成されている。雨が降っても岩が多いので、水はけは良い。アトラスピークのワインの特徴はpHの低さ。

#6:ザ・ヘス・コレクション ザ・ライオン CS マウント・ヴィーダー
マウント・ヴィーダーは85%が自然のままの状態で残っているエリアで、多様性に富んでいる。標高は約182~730mなので、水の確保が難しい、雨水を貯水した池を造り、水源を確保。土壌は粘土ローム層で、水ハケが良い。マウント・ヴィーダーはナパヴァレー全体のわずか1%の生産量。ヘス・コレクションのトップ・レンジ『ザ・ライオン』は82%CS、17%マルベック、1%PVのブレンド、仏産オークで22ヵ月熟成(新樽65%)、
黒系果実や甘草、ダークチョコ、タンニンの存在感もあり、6アイテムのテイスティングの最後に相応しい重厚さを備えたナパのカベルネでした!



Featuring white wines 白ワインに注目

1977年、創始者ピーター・ニュートンはセントヘレナの西に位置するスプリング・マウンテンの斜面の土地約260㌶を購入して『ニュートン・ヴィンヤード』を設立し、自然と一体となったワイン造りをしています。



中国人の奥さまは、日本への造詣が深く、庭園には赤い鳥居も!
映画『ブラック・レイン』には、この鳥居が出てきます。また、ワイナリーや赤ワインの『パズル』は映画『サイドウェイズ(日本版)』に登場しました。


ウェルカム・ドリンクは『ニュートンアンフィルタード シャルドネ2015』


日差しに映えて輝くシャルドネ!
ニュートンはカリフォルニアのアンフィルタードワインの第一人者


この日のテーマは白ワイン。参加ワイナリーのサン・スペリー(ラザフォード)のソーヴィニヨン・ブラン、Y.ルソー・ワインズ(クームスヴィル)のシャルドネ、ケネフィック・ランチ(カリストガ)のローヌ・ブレンドにフォーカスしました。


ホストはニュートンのジャン・バティスト・リヴェールエステートディレクター


シャネルが所有する『サン・スペリー エステート&ワイナリー』
エマ・スワンCEOは、「ワインは自社畑のぶどうのみを使い、ナパ・グリーン(環境保護プログラム)の認証も受けています」とコメント



ピーチのソテーにマーシュ(ハーブ)、ヘーゼルナッツ、ブッラータチーズを添えた前菜&サン・スペリー『ダラーハイド・ソーヴィニヨン・ブラン2015』とのマリアージュ。パッションフルーツやグレープフルーツの香り、爽快感、樽由来の安定感、旨味があり、食材とワインの各要素がバランスよく調和していました。

日本未入荷のY.ルソーは『三銃士』にちなんだラベル


左がランチに供出された『Milady ミレディ、クームスヴィル2016』、右(参考)はタナ種主体のら『Musketeer』
ミレディというネーミングと絵柄を見て、「あれ?!」と思い、サイトで他のボトルをチェックしたところ、銃士や太陽王(ルイ14世)の名が付いたワインがありました。余談ですが、2001年のアメリカ映画『ヤング・ブラッド』の原題は、タナ種を使ったワイン名と同じMusketeer(マスケット銃士)。映画もアレクサンドル・デュマの三銃士を基にした冒険活劇でした。
オーナー兼ワインメーカーのヤニック・ルソーさんはフランス出身なので、母国とナパの個性を反映させたワイン造りをしていますが、三銃士に絡むラベルから母国愛が伝わってきます。

『ミレディ』は奥さまお気に入りのワインとのこと。クームスヴィルはカーネロスに次いで涼しいエリアで、シングルヴィンヤードのぶどうは樹齢50年。樹が古いので灌漑の必要はなく、根はかなり深くまで伸びています。ワインは11ヶ月熟成(新樽率17%)、ノン・フィルター、ノン・マロ、トロピカルフルーツや洋梨、ジャスミンのニュアンス。謎を秘めたミレディのように一面だけではない要素を備えたワイン!



ケネフィック・ランチの2代目クリス・ケネフィックさん
1970年、神経外科医だった父親トム・ケネフィック博士がナパヴァレーを初訪問。この地に魅せられ、1978年にぶどう畑を開墾し、収穫したぶどうを販売。90%以上をナパのトップワイナリーに売っていたが、2002年に満を持してファミリー名を付けたワインを生産。年間3000ケース。50㌶強の自社畑にはボルドー品種(CS、CF、ME、PV、マルベック、SB)とローヌ系品種(グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、マルサンヌ)を植樹。

登場したワインはローヌブレンドの『2015ピケット・ロード ホワイト、カリストガ』、カリストガはナパの南に位置する温かなエリア。自社畑のぶどう100%で、グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、マルサンヌの混醸。2006年が初リリース。数年使用したフレンチオークで7ヶ月熟成、出しゃばらず、料理に寄り添うタイプ


特別の日の特別なワインということで1986年の3Lボトル登場



30年以上の熟成を経たシャルドネは黄金色に輝き、蜂蜜や砂糖漬けの果実、ヘーゼルナッツ、白コショウ、ミネラル感、層になって広がる味わいの複雑味と長い余韻、大容量ボトルでの熟成からくる若さも魅力


「ニュートンの原点となるワインです」とワインメーカーのアルベルト・ブランチさん


意外な品種を楽しむディナー@Favia ファヴィア

(左から)アレハンドロ・ブルゴローニ・エステートのマシュー・サンズアシスタントワインメーカー、ファヴィアのアンディ&アニー夫妻、マサイアソンのスティーヴ・マサイアソン ワインメーカー


ローヌ系の白品種に使っているという卵型のコンクリートタンク
バイ・ザ・グラス優秀店のメンバーが記念のサイン!


歴史を感じさせるエントランス
ウェルカム・ワインはファヴィアのSB



2003年にアンディ&アニー・ファヴィア夫妻が興したワイナリー『ファヴィア・エリクソン・ワイングロワーズ』
アンディさんはフランスで国際政治学を学んでいた折、ワインと食の融合に目覚め、帰国後、UCディヴスに入学。醸造学を履修し、ワイン界に参入します。アニーさんは大学卒業後、ニュートン・ヴィンヤードで醸造のキャリアを積み、栽培を学ぶために大学に再入学して学士号を取得。2003年にふたりは自らのブランド、ファヴィアを立ち上げ、“ソウルフルなワイン造り”を哲学をモットーにして、今に至っています。



ローストしたアーモンドやスパイシーなナッツが入った一皿、シソや黒ゴマなどの和食材がアクセントに。リボッラ・ジャッラのミネラル感、ヘーゼルナッツや白コショウが料理の隠れた要素と相乗してナイス!



マサイアソンのリボッラ・ジャッラはイタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州と隣接するスロべニアに共通する土着品種リボッラ・ジャッラ100%のオレンジワイン。ぶどうは全房のまま、開放型のステンレスタンクで発酵させ、その後、プレスして、旧樽で20ヶ月熟成、生産本数3792本



日本未入荷のアレハンドロ・ブルゴローニのカベルネ・ソーヴィニヨン2015
ラベルの質感は上等、ボトルは超重量級、ワインは濃厚で重厚。ワインメーカーはフィリップ・メルカ&コンサルタントはミシェル・ロランで、ともにロバート・パーカーJr好みの方々。オーナーのアレハンドロ・ブルゴローニさんは弁護士で起業家とのこと。ディナーのメインは上質なラムでしたが、ワインのパワーに押され気味


デザートはスフレスタイルのチーズケーキでアプリコットジャム添え
ここでは意外な品種としてセミヨンのオレンジワイン登場!



ナパで密かなブームになっているのがセミヨン品種!
7年間樽熟させた『ルーム』はシェリーのアモンティリャードやオロロソを彷彿とさせる香り。樽由来の甘さもあり、中盤以降、酸のニュアンスも。テーマだった“予想外の品種”の〆にふさわしく、ふわふわ感のあるチーズケーキ(脂分と甘味)とアンズ(甘味と酸味)の組合わせが、予想外に面白いマリア―ジュになりました。
「クレージーなソムリエが来たら開けようと思っていた」とアンディさん
参加メンバーのなかにビンゴのソムリエがいたようで(笑) そのお陰で、私たちは数量限定の1回限りのスペシャルワインを味見することができました。
ありがとうございました!


なが~い報告になりましたが、2日目が終りました。
それでは、3日目に向けて移動しますね!


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エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENV2018 同行取材リポート <その1>   [カリフォルニア]

最初のミッションはゴールデンゲートブリッジで

photo by M.Uenaka
エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENVについてはプロローグで全体の流れをご紹介したので、今回からは順を追ってリポートしていきます。
羽田組がサンフランシスコ到着後、最初に受けた使命は、強風のゴールデンゲートブリッジで記念撮影!



画像協力:NVV
この日は眠くても寝てはダメ、ENVのプログラムに備えてお勉強
講師はシレノス・ワイナリーのゼネラル・マネージャー、スコット・メドウさん。英語でのご挨拶の後、あらら、こてこての関西弁でプレゼンテーション、メンバーからは大受け。

スコットさんは30年ほど前、日本で7年間生活なさっていたそうです。日本で飲んだ『Chラフィット・ロートシルト1977』に感銘を受け、ワインにめざめ、帰国後、ワイン業界に参入。セミナーではご自身のワイン遍歴を盛り込みながら、ナパの歴史、テロワール、AVA等について解説。ここで学習したことはツアー最後の修了試験に出ました!

遊びと学習の一体化“ピザペアリング・ウェルカムディナー”

ガーギッチ・ヒルズ・エステート訪問は9年ぶりなのでとっても楽しみでした!
2003年からぶどうはすべて自社畑100%、オーガニックの認証も受けています。


ワイン界に大旋風を巻き起こした1976年のパリ・テイスティングで、白ワインのトップに選ばれたのがミリェンコ・マイク・ガーギッチさんが手掛けた『シャトー・モンテレーナ・シャルドネ1973』

マイクさんは1977年の独立記念日にコーヒー業を営んでいたオースティン・ヒルズと一緒に『ガーギッチ・ヒルズ・セラー』(2007年にワイナリー名を変更)を設立。以後、“King of Chardonnay”と呼ばれるようになります。当日、我々を迎えてくれたワインもマイクさんとは切り離せないガーギッチのシャルドネでした!

クロアチア原産のぶどう品種ジンファンデル
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マイク・ガーギッチさんの故郷はクロアチア、ラベルの左下には国旗も
ぶどう品種はジンファンデル98%、プティ・シラー2%、フレンチ大樽15ヶ月熟成

愛娘バイオレットさんは「クロアチア出身の父がナパに来て、初めての朝、目の前にあるぶどう樹(ジンファンデル)が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリに似ていたので、父はこのぶどうがクロアチアの樹に違いないと思いました。その後、長い年月をかけて、UCデイビス校がDNA鑑定を行い、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが判明しました。ジンファンデルは私たち家族の思いが詰まったぶどう品種です」と語り、続けて、「私たちのジンファンデルは軽やかでエレガント、酸もきれいで果実味があり、どのような料理にも合わせられるのが特徴です。赤ワインが苦手とおっしゃる方にも飲んでいただけるワインです」と。


クロアチアはアドリア海を挟んでイタリアの対岸
1994年、UCデイビス校のキャロル・メレディス博士によるDNA鑑定でイタリアのプリミティーヴォ種とジンファンデルが同一品種であることが判明。

UCデイビス校とザグレブ大学の調査団が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリのDNA鑑定をした結果、プラーヴァッツ・マリはジンファンデルとクロアチアのドブリチェッチの子供であることがわかりました、親子の関係!
その後、2001年12月に、ジンファンデルと同じDNAを持つツュリエナック・カシュテランスキ種が発見され、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが証明されました。

バイオレットさんから届いたメッセージ

今朝、バイオレットさんからメッセージが!
FIFAワールドカップ準決勝でイングランドとの激戦を勝ち抜いたクロアチアのサッカーチームへのお祝い!
マイクさんのお元気そうなお姿もありました。
決勝進出、おめでとうございます、相手はフランスですね、パリ・テイスティングを思わず連想!

マイクさんの常套句、幸運というのは準備と好機が出会った時に生まれるものなのですね、なるほど[わーい(嬉しい顔)]

4グループに分かれてピザ作り

画像協力:NVV
私のグループはバイオレット・ガーギッチさんがリーダー


ピザはトマトソースをベースにトッピングを工夫


投票(コルク栓)が一番多かったのはブラックバードチーム、おめでとうございます!


1位になったチームリーダーのポール・レアリーさんのワインとピザ!
メルロ・アライズ2014はメルロ37%、CF28%、CS21%、PV14%のブレンドタイプ、畑は20~24でナパの冷涼な区画のぶどうに特化。ワイナリーは2003年創業、メルロを中心にぶどう栽培が行なわれ、アーロン・ポットさんがワイン造りを担当。


ロンバウアーのセールス担当マネージャーのジョン・イーガンさん(左)
ロンバウアー・ヴィンヤード・ジンファンデル2016はジンファンデル94%、プティ・シラー6%のブレンドで、シャルドネに使用した樽を使って14ヶ月熟成。ワイナリーでの初ヴィンテージは1980年で、シェーファーのワイナリーと自宅のガレージでワインを生産。1984年に初ヴィンテージをリリース


日本未入荷のワイン、トネラ・セラーズのスティーヴ・トネラさん
ぶどう栽培業者として100年以上の歴史があり、2010年からワイン造りを開始。初リリースのカベルネ・シーヴィニヨンは6週間で完売、2014年にはソーヴィニヨン・ブランを、来年にはボルドーブレンドをリリース予定。父親がルートストックの会社を経営していて、現在、使用しているクローンもナパ以外では使われていない純な存在とのことでした。ワインは果実味があり力強いタイプ!


ナパの心地良いディナー



ジンファンデルには粉もの、ピザやパスタが合います!


バターミルクとヴァニラのパンナコッタ、ラズベリーの酸味がアクセント!



徹夜状態の初日が無事終わりました、大変お疲れ様でした!

2日目はイノベーションとテクノロジー、土壌とカベルネと題したパネルディスカッション、ぶどう畑ツアー、そして意外な品種が登場するディナーの予定
では、後日のリポートで!

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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ バイザグラスフェア2017研修ツアー同行取材 <プロローグ> [カリフォルニア]

まずはintroduction

カリストガのウェルカムサインで全員集合(6月20日撮影

6月18日から21日(23日帰国)までの日程でカリフォルニア・ナパ取材、これは昨秋にナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(以後NVV)が主催・開催したナパヴァレー・バイザグラスフェア2017で優秀店に選ばれた皆さんの研修ツアーで、ナパヴァレーのワインに関わる業界関係者、プレスを交えた総勢18名で遂行されました。

6月18日(月)

ナパへはサンフランシスコから


写真撮影のためにゴールデンゲートブリッジで束の間下車


人気のバーガーショップGott's Roadsideでランチ


Napa River Innが定宿、連泊だと気が楽!


ナパヴァレーについてのプレゼンテーションは日本滞在の経験があるシレノス・ワイナリーのスコット・メドウさん、語りは日本語、みごとな関西弁に全員びっくり。ツアーの最後にテストがあるとのことで、到着日は眠くてもガマン、寝てられませ~ん。


ウェルカムスパークリングは日本未入荷のマム・ナパ

ピザ作り!

初日のピザペアリング・ウェルカムディナーでは4生産者と4グループに分かれてピザ作り@ガーギッチ・ヒルズ・エステート


我々のグループはガーギッチのジンファンデルに合わせて、トマトソースをベースにトッピング選び

関西組は地震の影響を受けながらも無事合流

今ツアーの窓口、NVVインターナショナル・マーケティングマネージャーのディナ・オズボーンさん(最右) 、NVV日本事務所若下静さん(左から2人目)、ロンバウアー・ヴィンヤードのセールス・オペレーションズ・マネージャーのジョンさん(最左) &東京組の岡さん (後列右) 

出発日当日の朝発生した地震で、関西組は大変でした。
旅行社の迅速な対応で、フライトを変更することができたので、福田さん(後列左)や山野さん(前列右から2人目)たちは夕方にはナパのホテルに無事到着、本当に良かったです。

6月19日(火)

ヨーントヴィルの極小規模ワイナリー、キーヴァー見学


ホワイトホールレーンで土壌とカベルネに特化したパネルディスカッション


白ワインにフォーカス@ニュートン


2017年のワイン・スペクテーターでトップ100の第1位に選ばれたダックホーン スリー・パームスの畑に


ダックホーン自慢のメルロ!


最新AVAのクームズヴィルに位置するファヴィアでは意外な品種にもフォーカス


6月20日(水)

料理大学CIA COPIAでワイン&フード ペアリングレッスン


講師はモンダヴィ・ワイナリーのテイスティングルームスーパーバイザーのトムさん


シャトーボズウェルワイナリーで3女性ワインメーカーを囲んでのランチ


シルヴァーオークで10社のワインをウォーク・アラウンド・テイスティング
優秀店メンバーからの評価が高かったアミューズ・ブーシュ


グループに分かれて生産者と少人数でのディナー
ウエスティンホテル内にあるミシュラン1つ星のレストラン ラ・トークへ


視覚的にもきれいなナパ色のグリーンのガスパチョ


シルヴァーオークのオーナー、ダンカン一族のご子息セールス・マネージャーのマットさんは弱冠28歳! スペシャルなワインも供出してくれたので、それは後日のリポートで!

6月21日(木)

初日にプレゼンテーションしてくれたスコットさんのシレノス・ワイナリーでCS(2種/クローン違い)、CF、MEの4種を使ったブレンディングセッション!


5チームに分かれての挑戦!
我がグループは、CS70%、CF15%、ME15%のブレンドで、全体では3番人気。嬉しかったのはワインメーカーのブラッドレーさんが一番高評価をしてくれたワインだったということ、やったー!

日本未発売のワイン

ブラック・スタリオン・エステート・ワイナリーへは4年振りの訪問


ナパ・グリーン、環境保護プログラムに関してホーニッグワイナリーでぶどう畑を散策しながらの学習。巣箱からブルーバードが顔を出しているのが見えますか?

フェアウェルパーティ

研修ツアーの最後のディナー、全員の記念画像!


シルヴァーラードのスペシャルな甘口ワイン!


今ツアーでの学習具合は4択問題でテストされましたが、私も無事難関をクリア!
ハチャメチャ弾けていたシルヴァーラードのワイスCEO、ケークブレッドのブルース社長、ロング・メドゥ・ランチのグローパー副社長から修了証明書を受け取りました。


10時間あまりのフライトでサンフランシスコから羽田に。
機内では大好きな『パディントン2』チェック、別キャラのヒュー・グラント


NVVのディナさん&若下さん、参加者全員から深い信頼を得ていた通訳の村田みづ穂さん、ありがとうございました!!
次回からは各日にフォーカスしていきます。


【参考データ】
2009年にナパに特化した懐かしい取材です。お役に立つ情報があれば嬉しいです。
鴨のラベルと2巨匠の肖像画ラベル
ミシュランが選んだ世界一の美食都市“東京”と“ナパ”の違い
ちょっぴりミーハー気分で映画の舞台ナパを散策

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醸造家クリス・カーペンターが語るナパ・ヴァレー〝マウンテン・ワイン〟の世界 [カリフォルニア]

醸造家クリストファー・カーペンターさん
パーカーポイント高得点の滅多に試飲できないワインたちとの対面、仕事冥利な時間でした!

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シカゴ出身のクリス・カーペンターさんは旅行でナパを訪問した時、自分が好きな科学への興味と、料理&ワインへの情熱の2つが同時に満たされるライフスタイルを発見します。その道を究めるため、すぐに、カリフォルニア大学デイビス校の大学院に入学し、ぶどう栽培学と醸造学の博士号を取得。イタリアやカリフォルニアのワイナリーで研鑽を積んだ後、ジャクソン・ファミリー・ワインズの醸造チームの一員として入社して、醸造家としての一歩を踏み出します。2000年に同グループのロコヤ、2001年にはカーディナル、2005年にはラ・ホタのワインメーカーに就任し、2007年からマウント・ブレイヴのプロジェクトに参加しています。

マウンテン・ワイン(山のワイン)の第一人者
プレスセミナーでは前述4ワイナリーの9アイテムを試飲。ヴィンテージはここ10年間で一番良いと言われている2012年でした。

カリフォルニアの産地はヴァレー・フロア(平坦地)とマウンテン・サイド(山岳部)に大別できますが、クリスさんが得意なのは〝マウンテン・ワイン(山のワイン)〟で、その魅力について、「平坦地にはない酸味、凝縮感、長熟感があり、そこに惹かれている」と語っていました。

クリスさんによると、ナパ・ヴァレーの土壌は3つに分けられ、ひとつは低地でナパ川に沿った栄養分のある土壌。あとの2つは山岳部で、海底が隆起した堆積土壌と、地殻変動から1000万年後に起きた火山活動による火山性土壌とのことです。

ナパ・ヴァレーの西側にあるマヤカマス山脈は朝日を受けても、霧の好影響下にあるので、陽ざしはやわらかく、湿り気もあり、青々としています。一方、東側のヴァカ山脈には西日がストレートにあたるので土壌は乾燥して赤茶けています。ただし、ヴァカ側にあるハウエル・マウンテンだけは例外で、西側に大きな山があることで湾からの霧がそこにぶつかり、ハウエル・マウンテンにかかります。ゆえに、ヴァカ側にありながら、最も冷涼で湿気もあり、ナパ・ヴァレーのなかでボルドーに最も近いアペラシオンと言えます。そこから生まれたワインが『ラ・ホタ』です。


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画像をクリックすると拡大
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ワインは左から順に#1~#9
グラスは前列左から#1~#4、後列左から#5~#9


ラ・ホタ
オリジナルの醸造所が完成したのは1898年、現在でもその施設を使っています。
創始者はドイツ系スイス人、デザイナーはイタリア人、ワイナリーを建設したのは中国人、畑を耕していたのはメキシコ人で、『ラ・ホタ』という名はアメリカンインディアンに由来。スペイン語で〝Jという文字〟を意味しています。

ハウエル・マウンテンはナパ・ヴァレーでも標高(427㍍)が基準になっている唯一のAVA。霧が到達する位置より上部にあるので、朝、霧の影響を受けることはありません。ラ・ホタ・ヴィンヤードおよび自社畑キイズ・ヴィンヤードのぶどうを使い、山岳部のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランを生産しています。

#1:ハウエル・マウンテン  カベルネ・フラン ナパ・ヴァレー (RP91)
#2:ハウエル・マウンテン  カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー (RP92)
#1 は1976年に植樹したカベルネ・フラン100%。「古樹があることはラッキーだが、収量は1㌶あたり1.5トン、250ケースしかないので、日本へは数ケースだけ」とクリスさん。加えて、「ハウエル・マウンテンのワインは、タンニンがしっかりしているので、近隣の『ダン』のように、飲み頃になるまでには20年かかりますが、#2はCS77%、CF11%、PV8%、ME4%のブレンドで、ダークフルーツ、ミネラル、細かなタンニンが特徴で、若いうちから楽しめます」とコメントしていました。
ラ・ホタ2012 輸入元:ラ・ラングドシェン、参考小売価格:13,000円(税別)


マウント・ブレイヴ
スペイン人が入植する前に住んでいたワッポーインディアン族への敬意を込めた〝勇敢な戦士〟が名前の由来。1860年代初めからワイン造りの歴史があるマウント・ヴィーダーはナパ・ヴァレー最大のアペラシオンですが、ワインの生産は全体の2%のみです。

#3:マウント・ヴィーダー メルロー
#4:マウント・ヴィーダー カベルネ・ソーヴィニヨン(RP92)
「マウント・グレイヴ・ヴィンヤードは標高は約430~550㍍なので、霧が降りてくる位置より上にあり、まだ寒いうちから日差しを受けるので、フレーヴァーの生育が早く始まります」とクリスさん。#3のメルローはパワーと凝縮感もあり、#4のカベルネはブレンドタイプで、味わいはしっかりしていますが、柔らかいタンニンなので口中スムース
日本未発売


カーディナル
ナパ・ヴァレーのいろいろなアぺラシオンをブレンドしたのがカーディナル。様々な特徴を持つワインを、ヴィンテージの特徴を生かしながら、層を重ねるように深みのあるスタイルに造り上げています。クリスさんは「オーケストラには管楽器、弦楽器等、いろいろなパートがありますが、ひとつにまとまっています。また、素晴らしいオーケストラならバイオリンに注力しようと思えばそれもできます。カーディナルも同じで、ハウエル・マウンテンに注力すればそれがどのようなワインかが理解できるし、全体として何かが突出しているのではなく、バランスが取れています」と解説。2012年は素晴らしいVTだったので、7つのアぺラシオン(マウント・ヴィーダー、ハウエル・マウンテン、スタッグス・リープ、スプリング・マウンテン、セント・ヘレナ、ヨントヴィル、ダイヤモンド・マウンテン)をブレンドしたそうですが、彼の芸術性が試される特徴的なワインのひとつです。
カーディナル2012(RP98)、輸入元:ラ・ラングドシェン、参考小売価格:45,000円(税別)


ロコヤ
カーディナルがオーケストラなら、1995年設立のロコヤはソロのワイン。ナパ・ヴァレーの標高335~550㍍の4つの山岳部の畑のカベルネ・ソーヴィニヨンをすべて同じ醸造法で造るので、違いは場所だけ。彼のワインメイキングを表現したワインです。
山のワインの大家クリスさんは「ロコヤはコレクターのためのアイテム。理由はコレクターは購入してから長い間セラーで寝かせておくことができるからです。ロコヤの4つの違いは〝タンニンの違い〟なので、今日テイスティングした順番が力強さの順になります。アメリカでは子供が生まれたらロコヤのマウント・ヴィーダーを購入し、21歳になったら開けて楽しむことが多い」と述べていました。

#6:ロコヤ ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト CS(RP96)
ダイヤモンド・マウンテンはマヤカマス側の一番北側にあり、温かな場所なので、チョコレートがけのチェリー、豊潤な味わいが特徴。自社畑ではないので、購入したぶどうを使用

#7:ロコヤ スプリング・マウンテン・ディストリクト CS(RP98)
土壌が他と違い、海底が隆起した堆積土壌なので、フローラルさが特徴。オレンジや桜のような香り、赤い果実と濃い果実の香りがあり、若々しいタンニンがあります。

#8:ロコヤ ハウエル・マウンテン CS(RP99)
ラ・ホタから1.5㎞離れた自社畑キイズ・ヴィンヤーズのぶどうを使用。ここでは1994年からワイン造りをしていますが、「ナパでも1、2を争う秀逸な畑、リッチさが特徴」とクリスさん

#9:ロコヤ マウント・ヴィーダー CS(RP100)
マウント・グレイブのお隣にあり、1993年に購入した畑。山岳部の畑にしては珍しくフラットな土壌なので、クリスさんは「栽培家にとっては正確に日照量を計測しコントロールできる利点がある」とコメント。スミレやブルーベリー、力強いタンニンのストラクチャーが特徴。
ロコヤ2011 輸入元:JALUX、参考小売価格:59,000円(税別) ※2012年未リリース


ホテルオークラ『山里』でのマリアージュ体験

セミナー後は澤内恭和食調理総料理長が、事前にワインを試飲して考案してくださったメニューと合わせての贅沢なマリアージュ体験!
澤内料理長から「香りが高く、しっかりしたワインなのですが、料理との相性を考えた時、正面から組むと、前菜から和食が負けてしまうので」とのお言葉がありましたが、実際に試して、そのお言葉の裏にあった見事な工夫はとても勉強になりました。

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突出し:無花果 黒胡麻味噌 かもじ葱 鰻 豆腐もろみ漬け オクラ

無花果に和の素材の黒いゴマを使うことで重厚さが加わりました。私は登場した鰻に山椒を合わせたくて、粉山椒をお願いしたのですが、これは定番ともいえる組み合わせなので、有馬焼(山椒を使った焼き物)を考えていらした料理長は敢えて突出しでの山椒使用は避けていらした由。鰻の下の諸味噌は長い時間漬け込んで、水分を絞り、湯葉に近い豆腐 (チーズのような状態)にしたものだったので、2005年VTの熟成感と拮抗していました。

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凝縮感たっぷりのロコヤ2005

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お造り:鰹土佐造り 玉葱醤油 季節の芽物

料理長いわく「お造りが一番難しかった」と。刺身の場合、旨みがのっている状態がベストなのですが、今回は血合いを赤ワインに合わせるのが基本にあったので、鰹の食べ頃の旨味と血合いの鮮度の具合がポイントに。鰹を少しあぶり、桜のチップで少々燻製香をつけ、食感をきちんと残しつつ、醤油のジュレを添えて、ロコヤ2001との相性を考えた一品になりました。
玉葱醤油はコンソメをジュレにしてかつおだしと合せたものです。下準備の段階ではカツオにワインとお醤油でほんの少し味をつけています。相性の良さを引き立てるために作った白ゴマドレッシング(ゴマとかつおだしだけ)もありました。

ちなみに登場したロコヤ2001はクリスさんが栽培から醸造まで手掛けた最初のワインで、初デビューでパーカーポイント100点をゲット、14年以上の熟成を経てもまだ若さがありました!

焼き物:銀鱈有馬焼 谷中生姜 諸胡瓜 諸味噌

この印象について7月23日付のワインのこころで、一足先にご披露させていただきました。
銀鱈の有馬焼(実山椒を使った料理)で、山椒の実を炊き、それをたたいてのせています。旬の谷中生姜はスパイシーさ、刺激を生かした工夫。ロコヤ2001との相性は料理長の愛が実った一皿でした!

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黒毛和牛 すき焼き 野菜をロコヤ2007とカーディナル2005と合わせて
個人的にはブレンドタイプのカーディナルとの相性が好きでした。

今まで、カリフォルニアや豪州等の、濃くてアルコール度数の高いワインを和食に合わせるという試み、その相性すら十分に考えるチャンスがなかったので、とても興味深い体験になりました。
ありがとうございました!


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サーの称号を持つピーター・マイケルがソノマに興したピーター・マイケル・ワイナリー [カリフォルニア]

今回は〝サー〟の称号を持つ英国人のピーター・マイケルさんが1982年にカリフォルニア・ソノマに興したピーター・マイケル・ワイナリー。ワイン・イン・スタイルさんのサイトが詳細なので、できるだけダブらないようにしています。最初にお立ち寄りいただくと全体が理解しやすくなります。

ピーター・マイケル・ワイナリ―のワインは米国大統領の晩餐会で多用されています。ホワイトハウスの執事が英国出身でマイケル卿のワインが好きだったことから、クリントン、ブッシュ、オバマ各政権で使われており、英国にある米国大使館でも活用されています。

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レ・パヴォ(仏語で〝ポピーの花〟)は数千年前の火山活動で形成された土壌で、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが栽培されています。ワイナリーの敷地にはワイン名の由来カリフォルニアン・ポピーが!

父親がフランスに赴任していた時、ピ-ター・マイケルさんは父親に連れられ、よくワイン産地を訪問していたそうです。好みはボルドーワイン(クラレット)であり、カリフォルニアでワイン造りをすると決めた時も、本人の夢はボルドースタイルのワインを造ることでした。レ・パヴォでそれを実現しています。

100 by 100 plan
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当日は3回目の来日となるポール・マイケルさん(ピ-ター・マイケルさんのご子息)がワイナリー& ワインについて解説。100 by 100 planが意味するものは、100年間100%家族経営を行っていくことを掲げたもので、創始者のマイケルさん、2代目ご子息ポールさん、そしてお孫さんと・・・代々家族でワイナリーを維持していきます。

ワイナリーのポリシー
ピーター・マイケルさんが仕事でシリコンヴァレーに滞在していた時、SFのレストランで仏ワイン(ボルドー)をオーダー、ところが1本目ブショネ、2本目ブショネとの事態で、仕方なく地元のワインを注文。初めて飲んだカリフォルニアワインがシャトー・モンテリーナの赤ワインでした。
ワイン造りの夢を抱き、理想の地を求め、7年間のリサーチの末、1982年、セント・ヘレナ山の西向きの麓にある土地を購入(ナイツ・ヴァレー)。1983年から植樹開始。現在、環境保全型農業で、ワイナリーの消費電力の95%はソーラーパネルで賄っています。生産している15種類のワインのうち、14種は無濾過・無清澄。ラプレ・ミディ(SB)だけはフィルター掛けをした非MLFのワイン。敷地内に醸造施設が2つあり、1つはピノ用、もう1つはCSとCH用に分けて行っています。ピーター・マイケル・ワイナリーのポリシーは、
■山岳地帯(斜面)のぶどうを使ったワイン造り 
■伝統的な醸造方法でのワイン造り
■生産量限定の希少価値の高いワイン造り
総生産量20,000ケース、フラッグシップのレ・パヴォは3,000ケース

ナイツヴァレーで造るレ・パヴォの垂直とナパで造るオー・パラディー
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レ・パヴォはカベルネ・ソーヴィニヨン主体でカベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルドを使用。ブレンド比率は各ヴィンテージで若干異なります。ワインは左岸のカベルネをイメージしたワインで70%~77%使用。バランスが取れたワインでタンニン滑らか、パワフルかつエレガントで長期熟成できるワイン

同じ敷地でなぜカベルネとシャルドネが栽培できるかについて、ポールさんは「レ・パヴォは位置的に温暖であり、シャルドネが植えてある斜面は太平洋からの冷たい風の影響を直接受けるので栽培が可能」と。

#1:レ・パヴォ2006
バランスのとれた熟成具合
#2:レ・パヴォ2007
温暖な年。果実味があり、タンニンも柔らか。「長熟タイプですが若くても楽しめるワイン」とポールさん
#3:レ・パヴォ2008
2007年ヴィンテージは剪定にもかなり気を使ったヴィンテージ 
#4:レ・パヴォ2009
「良年で 2007年に似ています。07年よりタンニンもしっかりあり、長熟に向くヴィンテージ」とポールさん 
#5:レ・パヴォ2011
冷涼で難しい年。涼しいなかで、どれだけぶどうを熟させることができるかを示したヴィンテージ

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#6:オー・パラディー2011
2009年にオークヴィル・アペレーション東側の山間に土地を購入、ボルドー品種を植えています。画像の左がオークヴィルの土壌、鉄分を含んでいます。大きな岩が多い畑だったので、岩を砕き畑を整地。ナパでは雨水を貯めて灌漑用の池も作っています。右はナイツ・ヴァレーで、ともに火山性土壌です。

ナイツ・ヴァレーに特化していたピーター・マイケル・ワイナリーがナパにぶどう畑を購入した理由について、「ナイツ・ヴァレーからナパまでは車で15分程度であり、毎日畑作業をしている間、ナパは絶えず目の前にありました。いつもナパの話を耳にしていましたので、純粋にナパでワインが造りたいと思ったからです」とポールさん

プレスランチで供出された4本
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#1:ラプレ・ミディ2013
レ・パヴォの敷地内にあるシングル・ヴィンヤード。当初はロワール的な造りをしていましたが、近年、セミヨンをブレンドしたボルドースタイルに変わっています。素直で飲みやすい点が魅力
#2:マ・ベル・フィーユ2012
すべての畑のなかで標高が一番高い600m、霧が広がる高さより上なので、霧に覆われることもなく、日照度もあるのでワインにはトロピカルフルーツのニュアンスも。シャルドネ100%
#3:ル・カプリース2012
仏語で変わり者、気まぐれの意味があるカプリース。ピノ・ノワール100%で、標高300m~450mに位置する畑から産出
#4:レスプリ・デ・パヴォ2011
火山性土壌(流紋岩)で、根が地中深くにまで伸びています。最善のクローンのカベルネ、メルロ、プティ・ヴェルドのブレンド

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シェフからの可愛らしい一皿

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様々なビーツの調べ ヤギチーズと松の実と共に

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真鱈のペルシャード 具たくさんのスープ仕立て

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ワインのサービスは森覚シェフソムリエが担当してくださいました。

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仔羊のスパイスとの出会い 林檎とセロリで香り豊かに

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レモンのプリズム メレンゲとシナモンで引き立てて

ワインについてのお問い合わせはワイン・イン・スタイル ℡03-5212-2271

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