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『たる』でポルトガル情報! [ポルトガルリポート2015]

10月25日刊の『たる10月号』が届きました!
9月25日刊の9月号と2回続きで、同誌上で、6月末から1週間訪問したポルトガル取材を紹介しています。
ポルトガルにはワイン造りの古い歴史があり、他国を圧する在来種があります。それらに加えて、近代的な醸造所、世界のワイン産地で学んできたニュー・ジェネレーションの柔軟な思考、優れたワイン・コンサルタントの登用等、面白く躍動しています。

産経新聞EX〝ワインのこころ〟ではポルトガルの個性を3回連載でご紹介しました。
■伝統と変革のポルトガル取材は甘口ポートから!
■ポルトガルの多種多様なエスプマンテに注目!
■食通を満足させるポルトガル「エスポラン」のツーリズム

南ア取材中、サンデマンの現当主7代目のジョージ T.D. サンデマンさんからのお礼メールが届いていたのですが、私はポルトガルの皆さんの人間的な温かさ、親日的なところが好きです。
ワインに関して言えば、甘口のポートワイン以外、辛口ワイン&スパークリング(エスプマンテ)の存在にも注目していただきたいと思っています。

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Portugal Wine Renaissance <Part I > [ポルトガルリポート2015]


(C) Wines of Portugal
ヨーロッパ南西の端、大西洋に面した位置にあるポルトガル。歴史あるワイン産地が、変化のうねりのなかにいます。ただし、ポルトガルは国際品種にフォーカスしていくのではなく、土地の個性を反映した固有品種(250種以上)を使ったワイン造りに注力しているのが興味深い点です。

今回のポルトガル取材ではドウロ川上流にあるポルト&ドウロ、そこからダン(地図はダォン表記)、さらにバイラーダ。リスボンに戻って、注目の産地アレンテージョに。1週間で連泊なしの日程でした!

到着日はバカリャウとエスプマンテ
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到着日、宿泊先のホテル『テアトロ』で、ワインズ・オブ・ポルトガルのエリア・マネージャー、フィリパ・アヌンシアソさんと待ち合わせ。ポルトの中心街にあるこのホテルは1859年には劇場でしたが、2010年にホテルとして再生しました。

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ホテル内のレストラン『パルコ』では、ウェルカム・ドリンクがエスプマンテ(ポルトガルの瓶内二次発酵のスパークリングワイン)。ポルトガルで最初に飲むワインが泡ものだったので大いに癒されました。

2本ともぶどう品種は小粒で果皮が厚い黒ぶどうのBaga(バガ)100%、バガは初めての体験でした! 産地はバイラーダ(ダンと大西洋岸の間にある農業地帯)。左の(1)マルケス・デ・マリアルヴァ2011は口開けにピッタリのブラン・ド・ノワール。爽快でオイリーな味わい。(2)キンタ・ド・オルティガウン2011は(1)より色も濃く、ドライな口当たり、若干埃っぽいニュアンス。

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ポルトガルの名物料理バカリャウ(干し鱈)
「ポルトガルは魚がとても大事です。鱈はノルウェーから輸入しています」とフィリパさん。口中をきれいに洗い流してくれる酸が好印象の(1)にバカリャウは良く合っていました。
フィリパさんから、「ワイン市場として大事な国は、アメリカ、カナダ、日本」とのお話も伺いました。

取材1日目はポートの故郷から
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英国人が愛して世界に広めた酒精強化ワイン
ドウロ川沿岸には日本でも良く知られたシッパー(商社)名が

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ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤのポート・ロッジの前を航行する観光船

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ポートの取材は1790年創業のサンデマンでした。同社はポルトガル(ポート)とスペイン(シェリー)でワインを生産しています。黒マントと幅広帽子のアイコン〝ドン〟は、ポルトガルの名門コインブラ大学の制服の〝黒いマント〟と、スペイン・アンダルシアの〝ソンブレロ〟を表現したキャラクターです。


現当主7代目はきりりとした紳士ジョージ T.D. サンデマンさん

2001年9月11日、私はスペイン・へレスのサンデマンを取材中でした。その時届いたニュースがアメリカの同時多発テロ。翌日厳戒態勢の空港から無事帰路につくことができましたが、サンデマンさんは同年同日、ドウロでアメリカからの来訪者の接客をなさっていた由。3人のお子さんはNYに滞在中だったそうで、「とても心配した」とおっしゃっていました。私にとってスペインのサンデマンは忘れられない場所になっています。


このボックス・ボイテルの瓶型に見覚えはありませんか? 
ポルトガルを代表するベストセラーワイン 微発泡の『マテウス・ロゼ(ドザージュ14g/L)』です。昔より、甘さは控えめになっています。生みの親は同国のトップリーダー ソグラペ社で秀逸な企業を傘下におさめています。サンデマンも2002年からソグラペ・グループの一員です。

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サンデマンが数世代にわたって収集した英国におけるボトルの一部、形状の変遷がわかります。玉ねぎ型から、現在のような瓶型になったことで、横積みも可能になりました。


ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのサンデマン・セラーは1811年に初代が入手しました。
635㍑の樽は約5900貯蔵されているそうです。


床には石ではなく、伝統的な木片のブロックが。樽や桶を作る時の廃材利用

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ドウロ川の氾濫でセラー内に浸水した日時が石壁に記されていました。

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ヴィンテージポートの瓶熟庫の平均温度は16度、湿度は70度、最古のヴィンテージは1870年産です。歴史あるセラーの雰囲気はCask33のyoutubeでタイムスリップできます。是非ともポートの世界に!
http://www.sograpevinhos.com/marcas/Sandeman#/campanhas/videos/-pZYAzvTeek


ポートワインの基本
ポートワインのべースとなるワインはドウロ渓谷のワイナリーで醸造、酒精強化させ、その後、ドウロ地方で熟成させるか、あるいはドウロ川河口のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのロッジに運ばれ、熟成させます。ぶどう品種はトウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・ロリス、ティンタ・バローカ、ティント・カンなど。
ルビー・ポートとトウニー・ポートに2分でき、ルビー系は若々しいルビー、良年のみのヴィンテージ、樽熟が長いレイト・ボトルド・ヴィンテージ(LBV)。トウニー系は褐色(トウニー)のポートで、樽熟により、色素が落ち、茶系になってくるので、そのように呼ばれています。

8月13日付のワインのこころではポートの楽しみ方について触れました。


画像左からホワイト・ポート(マルヴァジア・フィナ、ヴィオシーニョ、グヴェイオなどのぶどうを使い、平均3年熟成)、ルビー・ポート、ヴィンテージ・ポート2000(ボトルの底に滓が沈殿するのでデキャンターが必要)、レイト・ボトルド・ヴィンテージ2010


トウニー10年、同20年、同30年、ゆったりとした時間の流れを感じます。英国紳士のイメージ!

マリアージュで
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赤系果実&ショコラをLBV2010に合わせて楽しめました!
再訪してサンデマンのマディラも味わってみたいと思っています。

細やかなおもてなしのサンデマン当主、広報担当役員のイネスさんの迅速な対応にこころから感謝しております。ありがとうございました!




Information
お立ち寄りくださった皆さまのお蔭で、400万PV(2015年8月12日付)をクリアいたしました。感謝です[わーい(嬉しい顔)]

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お祝いにいただいたショコラはAOKIつながり・・・美味でした♪

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人生もこんな感じにカラフルに生きたいです!


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温故知新のポルトガル、14ワイナリーのご紹介から [ポルトガルリポート2015]

Wines of Portugalのお招きで、6月28日から7月5日(戻り)までポルトガルワインの取材をしてきました。日中は35度前後、1日だけ40度超えもあり、暑々でしたが、ドライな空気と青空は心地良く、しばし、梅雨時の日本を忘れることができました。ポルトガルの皆さんのフレンドリーさも心に深く残りました。まさに oburigada(オブリガーダ) 、ありがとう!

初日29日はポートの名門『サンデマン』から
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ポート・ロッジが並ぶヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤからドウロ川の対岸オポルトを臨む光景

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サンデマンは2002年にソグラペ(ボックスボイテル型のマテウス・ロゼで有名)の傘下に

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接客してくださった長身の紳士サンデマンの7代目ジョージ T. D.サンデマン取締役


ドウロの『オルタ・オゾリオ・ワインズ』ではハウスヴィンテージポート1930が登場
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ファミリー経営のオルタ・オゾリオ・ワインズは日本でのインポーターを探しています。
同社の看板ワイン、中央の『アチャド2012(トウリガ・フランカ70%、ソウサン20%、トウリガ・ナショナル10%)』はSAKURA2015でGoldメダルを受賞。明日7日開催予定のポルトガルワイン試飲会@八芳園には顧問のジョアンさん(後列左)も参加します。

現地でのディナーでは、ジョゼ取締役会長(前列中央)の誕生年1930年のポート(画像左)も登場、ボトルから85年の歴史を感じました!
ワインズ・オブ・ポルトガルのエリアマネージャー、チャーミングなフィリパ・アヌンシアソさん(右)


30日は作家壇一雄が愛したダン地域
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『ヴィーニョス・デ・ダレイ』のジョゼ&カルロス親子

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ジョゼさんの名を冠したトップレンジ『ジョゼ(右端)』はスパイシーで凝縮感のあるワイン


コンクリート・ラガール(ポルトガル独自の発酵用容器、上部表面は常時オープン)
「仕込み時、ラガールのなかで仲間と踊ったり、歌ったりして、ぶどうを足で踏み、色を出していきます」とカルロスさん


『マグナム・ヴィーニョス』は3人の仲間で立ち上げた3ブランド
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訪問したワイナリーのなかで、発酵用の樽庫の温度・湿度が高く、汗だく。
それがワイン造りの流儀とのことでしたが。


国際コンクールでも高評価の『キンタ・ドス・ロケス』
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何度も日本に来日している当主ローレンソさんと妻マリア・ルイーザさん。気品のある母上は82歳とか。輸入元は木下インターナショナル


訪問3日目は元気パワーのオーナー、カルロスさんの『カンポラルゴ』
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カルロスさん自慢のワイナリーは2004年秋に完成、スパークリングから気になるプティ・ヴェルドまでをテイスティング


ファミリー経営の『カーザ・サントス・リマ』は40か国以上に輸出IMG
中央は管理者のジョゼさん、マーケティングのサルバドールさん(左)。明日八芳園で行われる試飲会にはディレクターのリカルドさん(画像右)も出席なさるそうです!

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2時間で醸造所視察、画像のワインを全テイスティング。ユニークなラベル、多彩なアイテム!


『コンパニーア・ダス・キンタス』のエコ対策

コルクの国ポルトガルで初めて見たビー・ワックス(ミツバチのオイル)のコルク!
「ソフトな触感はシリコン仕上げのように固くなく、自然に優しい」とシニア・ワインメーカーのフレデリコさん

自然に配慮したワイナリー&ミシュランガイドにも載っているレストラン
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『エスポラン』(三国ワイン扱い)で12年活躍している女性醸造家サンドラさん
『モンテ・ヴェーリョ』の赤も白も20種(主要は3~4)のぶどうを使ったワイン。フードフレンドリーでとても良いです。サンドラさんは8月にはママに \(^o^)/
併設のレストランでは25歳のシェフが腕を奮っています。供出されたオリーブオイルやパンにもこだわりがあり好感度大。リスボンから車で1時間足らずの超おすすめワイナリー! 

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エコシステムを利用した改装したばかりの醸造所には大理石のラガールが。石の冷たさがワインの発酵にはとてもよいとのこと。


ワイナリー内にはクラシックカーの展示『モンテ・ダ・ラバスケイラ』
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『モンテ・ダ・ラバスケイラ レゼルバ・レッド2012』はSAKURA2015でシルバーを受賞、輸入元は荒井商事。トレード・マネージャーのフランシスコさんの案内で、コルク樫や工程途中のコルクを見学できました。


国・内外のコンクールで受賞実績あるワイナリー
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『アントニオ・マヌエル・ランカ・エルダデ・グランデ』では、低価格レンジのワインの質感にびっくり
高級レンジはバランスが良く、オリーブオイルも気に入りました!


スパのあるホテル建設の着工もまじかな『アシエンダ・ブランカ』
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ワインメーカーのリカルドさん
今年で6年勤務の32歳で、それ以前は豪州やNZでワイン造りを体験


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エステート・マネージャーのヘレナさんの車でぶどう畑を視察

新装したばかりのワイナリー『エルメリンダ・フレイタス』
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「女系家族なんです」と後継者のジョアナさん(
ワインの説明はクオリティー・マネージャーのアナさん
シャンパン製法のスパークリングにも力を入れています。


最後の晩餐はスパークリング・ワインから
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最終日のディナーはリスボンから車で2時間弱の所にあるレストラン『ヴィクター・カルロ』へ。大西洋を眺めながらのお洒落な空間で、『ルソヴィニィ』の輸出担当マネージャー、ヌーノ・フェルナンデスさんと5種のワインをテイスティング


暑くてもネクタイ着用のビトーさんIMG
空港でのお迎えから最終日まで丁寧な接客マナーで対応してくれたビトーさん
ドウロからダン、バイラーダ、セトゥーバル、アレンテージョ、リスボンと連日移動移動の長旅でしたが、体への負担がなかったのはベンツのシートを含むすべてが快適だったからだと思います。


ワインズ・オブ・ポルトガルに感謝を込めて

Photo by Filipa san

『エスポラン』からもらった麦わら帽子着用での2ショット
今回のプレスツアーはワインジャ-ナリストの山本昭彦さんと私の2名で、ワインズ・オブ・ポルトガルのフィリパさん(日本、カナダ、米国担当)がすべてをコーディネートしてくださいました。
細やかなご配慮、ありがとうございました!


5日間で14ワイナリーの関係者とお目にかかりました。
これから、新聞、ワイン情報誌、ブログ等に詳細をまとめていきます。アルコール強化ワイン(ポートやマディラ)の印象が強かったポルトガルですが、近年、大きく変化しています。スティルワインの素晴らしさをお伝えしなければ! 
明日は現地でお会いしたワイン関係者数名と再会できそうです!


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