Portugal Wine Renaissance <Part I > [ポルトガルリポート2015]

(C) Wines of Portugal
ヨーロッパ南西の端、大西洋に面した位置にあるポルトガル。歴史あるワイン産地が、変化のうねりのなかにいます。ただし、ポルトガルは国際品種にフォーカスしていくのではなく、土地の個性を反映した固有品種(250種以上)を使ったワイン造りに注力しているのが興味深い点です。
今回のポルトガル取材ではドウロ川上流にあるポルト&ドウロ、そこからダン(地図はダォン表記)、さらにバイラーダ。リスボンに戻って、注目の産地アレンテージョに。1週間で連泊なしの日程でした!
到着日はバカリャウとエスプマンテ
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到着日、宿泊先のホテル『テアトロ』で、ワインズ・オブ・ポルトガルのエリア・マネージャー、フィリパ・アヌンシアソさんと待ち合わせ。ポルトの中心街にあるこのホテルは1859年には劇場でしたが、2010年にホテルとして再生しました。
ホテル内のレストラン『パルコ』では、ウェルカム・ドリンクがエスプマンテ(ポルトガルの瓶内二次発酵のスパークリングワイン)。ポルトガルで最初に飲むワインが泡ものだったので大いに癒されました。
2本ともぶどう品種は小粒で果皮が厚い黒ぶどうのBaga(バガ)100%、バガは初めての体験でした! 産地はバイラーダ(ダンと大西洋岸の間にある農業地帯)。左の(1)マルケス・デ・マリアルヴァ2011は口開けにピッタリのブラン・ド・ノワール。爽快でオイリーな味わい。(2)キンタ・ド・オルティガウン2011は(1)より色も濃く、ドライな口当たり、若干埃っぽいニュアンス。

ポルトガルの名物料理バカリャウ(干し鱈)
「ポルトガルは魚がとても大事です。鱈はノルウェーから輸入しています」とフィリパさん。口中をきれいに洗い流してくれる酸が好印象の(1)にバカリャウは良く合っていました。
フィリパさんから、「ワイン市場として大事な国は、アメリカ、カナダ、日本」とのお話も伺いました。
取材1日目はポートの故郷から
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英国人が愛して世界に広めた酒精強化ワイン
ドウロ川沿岸には日本でも良く知られたシッパー(商社)名が
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ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤのポート・ロッジの前を航行する観光船
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ポートの取材は1790年創業のサンデマンでした。同社はポルトガル(ポート)とスペイン(シェリー)でワインを生産しています。黒マントと幅広帽子のアイコン〝ドン〟は、ポルトガルの名門コインブラ大学の制服の〝黒いマント〟と、スペイン・アンダルシアの〝ソンブレロ〟を表現したキャラクターです。

現当主7代目はきりりとした紳士ジョージ T.D. サンデマンさん
2001年9月11日、私はスペイン・へレスのサンデマンを取材中でした。その時届いたニュースがアメリカの同時多発テロ。翌日厳戒態勢の空港から無事帰路につくことができましたが、サンデマンさんは同年同日、ドウロでアメリカからの来訪者の接客をなさっていた由。3人のお子さんはNYに滞在中だったそうで、「とても心配した」とおっしゃっていました。私にとってスペインのサンデマンは忘れられない場所になっています。

このボックス・ボイテルの瓶型に見覚えはありませんか?
ポルトガルを代表するベストセラーワイン 微発泡の『マテウス・ロゼ(ドザージュ14g/L)』です。昔より、甘さは控えめになっています。生みの親は同国のトップリーダー ソグラペ社で秀逸な企業を傘下におさめています。サンデマンも2002年からソグラペ・グループの一員です。
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サンデマンが数世代にわたって収集した英国におけるボトルの一部、形状の変遷がわかります。玉ねぎ型から、現在のような瓶型になったことで、横積みも可能になりました。

ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのサンデマン・セラーは1811年に初代が入手しました。
635㍑の樽は約5900貯蔵されているそうです。

床には石ではなく、伝統的な木片のブロックが。樽や桶を作る時の廃材利用
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ドウロ川の氾濫でセラー内に浸水した日時が石壁に記されていました。
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ヴィンテージポートの瓶熟庫の平均温度は16度、湿度は70度、最古のヴィンテージは1870年産です。歴史あるセラーの雰囲気はCask33のyoutubeでタイムスリップできます。是非ともポートの世界に!
http://www.sograpevinhos.com/marcas/Sandeman#/campanhas/videos/-pZYAzvTeek
ポートワインの基本
ポートワインのべースとなるワインはドウロ渓谷のワイナリーで醸造、酒精強化させ、その後、ドウロ地方で熟成させるか、あるいはドウロ川河口のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのロッジに運ばれ、熟成させます。ぶどう品種はトウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・ロリス、ティンタ・バローカ、ティント・カンなど。
ルビー・ポートとトウニー・ポートに2分でき、ルビー系は若々しいルビー、良年のみのヴィンテージ、樽熟が長いレイト・ボトルド・ヴィンテージ(LBV)。トウニー系は褐色(トウニー)のポートで、樽熟により、色素が落ち、茶系になってくるので、そのように呼ばれています。
8月13日付のワインのこころではポートの楽しみ方について触れました。
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画像左からホワイト・ポート(マルヴァジア・フィナ、ヴィオシーニョ、グヴェイオなどのぶどうを使い、平均3年熟成)、ルビー・ポート、ヴィンテージ・ポート2000(ボトルの底に滓が沈殿するのでデキャンターが必要)、レイト・ボトルド・ヴィンテージ2010
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トウニー10年、同20年、同30年、ゆったりとした時間の流れを感じます。英国紳士のイメージ!
マリアージュで
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赤系果実&ショコラをLBV2010に合わせて楽しめました!
再訪してサンデマンのマディラも味わってみたいと思っています。
細やかなおもてなしのサンデマン当主、広報担当役員のイネスさんの迅速な対応にこころから感謝しております。ありがとうございました!
Information
お立ち寄りくださった皆さまのお蔭で、400万PV(2015年8月12日付)をクリアいたしました。感謝です
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)

お祝いにいただいたショコラはAOKIつながり・・・美味でした♪

人生もこんな感じにカラフルに生きたいです!
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