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フロラン・ロック・ボワゼル当主が語る「ボワゼルの新たな展開&未来への希望」とシャンパーニュ講座 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

       
       メゾンの歴史に“新たな章”が加わった2023年
       シャンパーニュ地方エペルネの中心にメゾンを構えるボワゼル
       1834年の創業から家族経営でメゾンを継承してきました。
       コート・デ・ブランやアヴィーズに自社畑7㌶を所有、年間生産量300万本
       70㌶分は長年契約している農家からのぶどうでまかなっています。
       


 2019年に偉大なマダム エヴリンから メゾンを引き継いだ会長兼CEOのフロランさん
 シェフ・ド・カーヴを務める兄のリオネルさん(左)と協力して、 
 メゾンの発展とワイン造りに新たな弾みをつけています。

  講座で供出した5アイテム

 裏ラベルには情報を表示
 今秋から順次、新ラベルバージョンを出荷
 品種およびリザーヴワインの比率、ドザージュ量、デゴルジュマンの年月の記載


 第一フライトはNV比較
  #1: ボワゼル  ブリュット・レゼルヴNV
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN40%、CH35%、M25%
 ベースヴィンテージは2019年
 澱との接触は3年間
 リザーブワイン:40%(うち4%は大樽熟成)
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2023年5月
 価格:10,000円(税別)
第3週&第4週の2回のテイスティングで一番気に入ったのが#1。温度変化にもブレることなくバランスの良さが際立っていました。フロランさんが「全体の2/3はNVであり、メゾンの顔と言えるNVに最も気を配っています」と語っていた通りのアイテム。以前のブリュット・レゼルヴには中盤以降若干のビター感があり、それが気になっていたのですが、久々に味わった#1から酒質の向上、大樽熟成のリザーヴワインのさじ加減の良さを実感。
ベージュのトーンを帯びた色調でアロマ芳醇。ホワイトバター、白い花や白桃、アプリコット似の酸味、グラス内の温度変化でブリオッシュやアカシア。まるみがあり、バランスのとれた味わい。


 #2:ボワゼル ウルティム・ゼロNV
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN50%、CH40%、M10%
 澱との接触は5年間
 リザーブワイン:30%
 ドザージュ:0g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:11,000円(税別)
ノン・ドゼタイプ、#1のブリュットより2年長い瓶熟。スワリングで香りの広がり。口中ではシャープ、ドライ、ピュア。塩味と程よい密度。新鮮な素材の料理を引き立ててくれる優れもの。


 第2フライト
 #3:ボワゼル グランド・ヴィンテージ2013
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 澱との接触は8年間
 ドザージュ:4g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:17,000円(税別)
「過去10年間で2013年だけが10月の収穫、ぶどうはゆっくり熟しました」とフロラン当主。クラシックでポテンシャルのあるアイテム。温暖化の影響を受け、生産する回数も増えてきた由。次に予定しているヴィンテージは2019年。発酵・醸造ともステンレスタンク100%。
淡い黄金色で気泡繊細。黄桃、オレンジピール、ブリオッシュのニュアンス。エレガントな酸味、ミネラル、リッチで、今、味わって素直に“美味しい”シャンパーニュ。

 #4:ボワゼル ジョワイヨ・ドゥ・フランス2008
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 ドザージュ:3g/L
 デゴルジュマン:2021年12月
 価格:30,800円(税別)
プレスランチで、フロランさんが「メゾンにはすでに在庫がなく、ピーロートにあるだけ」と語っていたアイテム。新装したジョワイヨ2008とデゴルジュマンの年月が違うので、その比較に興味がありセレクト。第4週の講座生の大半が気に入っていた印象。
ワンワードだと“豊潤”。レモンやグレープフルーツから黄色系果実のコンポート、ロースト、スパイス、ブリオッシュ。香りと味わいによる層の厚み、熟成感を伴って広がる余韻。

 #5:ボワゼル ジョワイヨ2008
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 澱との接触は14年間
 ドザージュ:3g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:35,600円(税別)
ボワゼルのトップキュヴェ。ファーストヴィンテージは1961年。ボワゼルの“新しい章”として、今回、ネーミングを「ジュワイヨ・ドゥ・フランス」から「ジョワイヨ」にチェンジ。醸造では90%ステンレスタンク、10%オーク樽を使用、ドザージュ量は通常3~5g/L、最低10年間の熟成で2008年は14年間。次のヴィンテージは2012年を予定。
ワンワードだと“ミネラル”、輝きのある黄金色、溌溂としたスタイルで、バターやアーモンド、ココアや焙煎香、クリームブリュレ、余韻につながるアプリコット似の酸味。2008年ヴィンテージのポテンシャルを感じさせるアイテム、定点観測したい気分。


 コルクは超しっかり、でした。
 受講生Hakoさんのリポートもご参考までに!

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 2023年はメゾンとしての飛躍の年
 6代目当主になって初めての来日
 会場は国の重要文化財 明治生命館の地下1階センチューリーコート丸の内にある
 メインダイニングのレストラン・ロゼット
 鏡智行シェフ監修によるシャンパーニュボワゼルとの饗宴でした!


         新ロゴは荘厳な扉をエレガントかつ個性的にデザイン

 ボワゼルはここ数年、
 ■社内改革や大規模な改修工事 ■ブランドデザインの一新 ■醸造面へのテコ入れを実施
 ブリュット・レゼルヴはピノ・ノワールの比率を下げ、逆にシャルドネやムニエの使用増
 樽で熟成させたリザーヴワイン、全体的にリザーヴワインの比率増
 温暖化により、ぶどうの熟度も上がってきたので、ドザージュ量は減少傾向
「MLFはしています。ノン・マロの実験もしていますが、
 メゾンのスタイルを変えるつもりはなく、
 畑や醸造の見直しでフレッシュさを追求していきたいと考えています」とフロラン当主。

 
 【前菜】
 ブラン・ド・ブラン ラ・コート プルミエ・クリュ × 高知宿毛産カンパチのハーブマリネ
 北海道フルーツトマトと彩り野菜のコンポゼ
 決め手はトマト、優しい酸味がブリッジ役になって好印象

      フロラン当主が最もお気に召したマリアージュ
      ノン・ドゼとカンパチ、ハーブのニュアンスが良かったです![わーい(嬉しい顔)]


 【魚料理】
 グラン・ヴィンテージ2013 × 舌平目と帆立貝ムースのブレゼ ソースアルベール
 バランスが良く、いやし効果のある2013年は魚介類に寄り添う組み合わせ

 
     【肉料理】
      ジョワイヨ2008 × 富士高原鶏のロティ ジュドプーレと彩り野菜
      ジューシーで味わいの広がりがある鶏と新鮮で複雑味を備えたジュワイヨ
      2008年ヴィンテージならではの“酸味”がマリアージュを引き立ててナイス

     【デザート】
     フランボワーズとフランボワーズとホワイトチョコのオペラ仕立て
     華やかな色調のロゼ・アプソリュとは色で合わせるマリアージュ
     ホワイトチョコとの相性も良好!


 プレスランチに登場した6アイテム
 ブリュット・レゼルヴ、ウルティム・ゼロ、ブラン・ド・ブラン ラ・コートPC
 グランド・ヴィンテージ2013、ジョワイヨ2008、ロゼ・アプソリュ


 グラスは右から左の順

 【製品についての問い合わせ先】
 ピーロート・ジャパン株式会社 電話03-3458-4455(代表)
 Web: https://www.pieroth.co.jp




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 [NEW]2023年10月~2024年3月までのシャンパーニュ講座のご案内
 第3週 および第4週、シャンパーニュラバーさんの参加をお待ちしています!
 今だけ、ここだけ、青山文化センターだけの時間を共有したいと思っています。
 何卒宜しくお願いします。


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リリースされた創業200周年記念『キュヴェ エメラ2008』を試飲しながらアンリオ賛歌 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

 7月3日発売!! アンリオのプレステージ『キュヴェ エメラ2008』
 




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 初来日したシェフ・ド・カーヴ
 アリス・テティエンヌさんと吉川由紀子社長/2023年3月撮影

輸入元ファインズの招聘でアンリオのアリス・テティエンヌさんが来日。料飲店とプレスを対象にしたセミナーを開催しました。
テティエンヌさんはシャンパーニュ生まれ。ローラン・ペリエでマーケティングを習得。醸造家の国家資格を取得し、2014年ニコラ・フィアットで醸造を担当、2015年クリュッグに入社し、テイスティングと栽培の両チームを兼務。2020年2月からアンリオの醸造責任者に就任し、栽培と醸造を担当、今に至っています。

今回の来日では、世界に先駆け、本邦初『キュヴェ エメラ2008』を披露してくださいました。メゾン創業から200周年記念&今世紀最高のヴィンテージ2008年!!!


 アンリオの歴史を振り返りながら
 出典:ファインズ

1808年、マダム・アポリーヌ・アンリオがメゾンを創業。
元々ぶどう栽培家の家系であり、この当時は3つのGC ヴェルジ、ヴェルズネー、マイイを所有、ぶどうはピノ・ノワール。
1880年、5代目の婚姻で、コート・デ・ブランのアヴーズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェの3つのグランクリュが加わり、白ぶどうのシャルドネを使用するようになります。

1957年から7代目のジョゼフ・アンリオ社長が指揮を執り、メゾンの拡大を図りました。1995年にはブルゴーニュのブシャール・エ・フィス、1998年にはシャブリのウィリアム・フェーブルを取得。2015年からは8代目のジル・ド・ラルズィエール=アンリオ社長が采配を振るい、最新のアイテム『キュヴェ エメラ』のデビューにも関わりました。2020年に女性シェフ・ド・カーヴとしてテティエンヌさんが就任。2世紀にわたり家族経営を貫いてきたのですが・・・

2022年、シャトー・ラトゥールやクロ・ド・タールを所有する高級ブランド『ケリング』 (ワイン部門はアルテミス・ドメーヌ)のオーナー、フランソワ・ピノー氏がアンリオの株を取得。2023年、生産協同組合 TEVC (テロワール・エ・ヴィニュロン・ド・シャンパーニュ)に移管されたことで、アンリオはTEVCの傘下になりました。ちなみに、ニコラ・フィアットもTEVCの傘下です。

アンリオグループで長年経営に携わってきたリシャール・モロー氏や醸造責任者のテティエンヌさん、現場のスタッフは続投なさるようなので安心していますが、アンリオラブの私としては胸中複雑。今後、ブシャール・ペール・エ・フィスはアルテミス・ドメーヌ、ウィリアム・フェーブルはドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド・ラフィットの管轄になるようです。

 
18世紀に建てられたコート・デ・ブランの迎賓館、優雅なレゾルノワで8代目ド・ラルズィエール社長から受けたおもてなしは最高でした/2019年11月撮影
この7月、上記に関して、全体の流れが見えてきたので、日本上陸したばかりのキュヴェ エメラ2008をメインに講座生の皆さんとアンリオに思いを馳せながら試飲しました。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 シャンパーニュ講座の5アイテム


 第1部はテロワールを生かしたアイテム
 #1:アンリオ ブラン ド ブランNV
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
コート・デ・ブランのシャルドネのみを使用。ポール・アンリオとマリー・マルゲの婚姻がもたらしたシャルドネへのオマージュとも言えるアイテム。ベースヴィンテージは2016年。シトラスフルーツ、白桃やアプリコットのアロマ、チョーク質土壌由来のミネラル、フレッシュバターやブリオッシュ、心地よく広がる酸味、ピュアな印象


 #2:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 出典:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天に恵まれ、
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 鯛、クレソン、セロリ(葉および茎)、カラフルミニトマトを使った目鯛サラダ
 味付けは柚子味噌とオリーブオイル、最後に白胡麻をふりかけて完成
 ミレジメ2012は和柑橘の柚子や白胡麻との相性抜群!

 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ:6g/L
 価格:14,000円(税別)
1年前に試飲した時のコメントには、ブリオッシュ、コーヒー、白胡椒、ヨード、ミネラル、口中に広がるスマートな酸味、中盤からの凝縮感、エレガントで重厚、イースト由来の旨味との記載あり。今回は繊細に連なる気泡、香りには柑橘(レモンやGF)果実、ローストや焙煎香、イースト由来の旨味があり、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感を伴う余韻


 #3:アンリオ キュヴェ エメラ2008
 出典:ファインズ
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:5g/L未満
 価格:35,000円/37,500円箱入(税別)

アンリオにとって「8」のつくヴィンテージは特別です。
以前、8代目のジルさんに伺ったことがあります。「アンリオの創業年は1808年で、初めてシャンパンを造った年になります。それ以降も、8が付く年は良い思い出につながっています。1988年VTもとても良い収穫年でしたし、セラーにある一番古いVTは1928年。アンリオにとって8には縁があります」と語っていました。

キュヴェ エメラにはマダム・アポネーリーヌの時代から続くアンリオの遺産、6つのGC=ストラクチュアのヴェルジ、エレガンスのヴェルズネー、アロマのマイイ、緊張感のアヴィーズ、豊潤さのシュイイ、輝きのメニル・シュル・オジェ のぶどうを使っています。ピノとシャルドネの比率は半々(年によって若干の違いあり)、10年間で3~4回の割合でリリースされる由。輝きのある色調、白桃や熟れた果実、ミネラル、アカシア、焙煎香やクリームブリュレ、口中クリーミー。フレッシュさと力強さの対極感、グラス内の温度変化で複雑味が増し、長く続く余韻はエレガント。
大手メゾンの多くは2008年ヴィンテージをリリース済です。「時間は友だち」と公言するアンリオ、長熟を旨とするスタイルは本当に素晴らしいです🥂🥂🥂

 アンリオのDNA、永遠のリザーヴ
 
1990年からスタートさせたソレラシステムによるリザーヴワイン。467ヘクトリットルのタンクの番号が38だったことから『キューブ38』と命名されました。タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVのブリュット・スーヴェラン、ブラン・ド・ブラン、ロゼ用のリザーヴワインとして、残りの約3%はマグナムサイズで約1000本限定の『キューヴ38』に使っています。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


 第2フライトはロゼ
 赤ワインを添加してロゼを造っているアンリオが最も大事にしているのがアロマ
 アッサンブラージュの時は黒いグラスを使い、最終的な決断をしています。
 理由は、赤ワインを加えるので ■視覚から受ける影響を避ける ■アロマや味わいを優先

 #4:ブリュット ロゼ
 ぶどう品種:CH30%、PN60%、M10%(赤ワインとして8~10%)
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
1980年代に誕生したアイテム。ピノ・ノワールとムニエは果実感とアロマを重視したモンターニュ・ド・ランス産、シャルドネはミネラル感を重視したコート・デ・ブラン産。ベースヴィンテージは2017年。色調はサーモンピンク。香りはラズベリーやチェリー、ピンクグレープフルーツやオレンジ、ホワイトペッパーやピンクペッパー似のスパイシーな風味、軽快な酸味とフレッシュな余韻


 #5:アンリオ ブリュット ロゼ ミレジメ2012
 ぶどう品種:CH45%、PN55%、赤ワイン10%以下
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,500円(税別)
ラベルの色調と重なり合う2種のロゼ。コーラルカラー(珊瑚色)、視覚から伝わってくるボディ感。森のベリーや野イチゴ、ブラッドオレンジやエキゾチックフルーツの香り。ミネラル、塩味、フェノールのニュアンスもあり、舌の上の脂分を洗い流してくれる印象なので肉料理とのマリアージュもお薦め。

 IWC2023で金賞を受賞したロゼNV



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 テティエンヌさんへの質問
 セミナー後、プレスメンバーからの質問タイムをいただき・・・
■ジョゼフ・アンリオ社長時代から、アンリオはムニエを使わず、ピノとシャルドネだけでしたが、現在では、栽培面積でみると、ムニエは15%程度あり、使用頻度も増えているように感じます。これに関しては、畑の購入に伴い、もともとムニエが植えられていたことが要因の1つとのことで、それらのムニエは植え替えを進めているので、今後は減少していく由。ただ、年によって収量が少なかったり、温暖化の影響もあるので、質の良いムニエはキープしていく方針のようです。
■ステンレス使いのロラン・ペリエや樽使いのクリュッグでシャンパーニュと関わってきたテティエンヌさん。アンリオではステンレス中心ですが、彼女の代になってから、新しい取り組みとして、樽を使ったワインをリザーヴワインとしてストックしているとのこと。温暖化の影響下でのトライアルとして、進化を見ている由



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      シャンパーニュ委員会からの声明書

2023年の1㌶当たりの収量の上限は、世界経済の状況やインフレの影響を考慮し、前年より600kg少ない11,400kgに設定。ぶどう畑の状態は良好。霜や雹による被害はほとんど無く、病害も抑えられているので、収穫は9月10日までに開始出来る見込み。2023年の出荷量は3億1,400万本(2022年は3億2,550万本)と予測



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 余談ながら・・・
 四季のうつろいを大事にしている人形町今半さん。
 二十四節気の大暑の期間にお邪魔しました。
 定番のシャンパーニュはアンリオ ブリュット スーヴェランNV

 うちわを模した器もあり、視覚でも清涼感を満喫

      桜満開の時期には春のあしらい
      凜としたスタイルのブリュット スーヴェランに良く似合います!

  アンリオについてのお問い合わせ
  株式会社ファインズ商品部 (担当:木場谷/こばや) 電話03-6732‐8600

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半期〆講座はロイヤル・ワラントのジョセフ・ペリエにフォーカス&来日記念ランチセミナー [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

 第4週の22日、日本中を感動させたWBC優勝という出来事があったので、
 シャンパーニュ講座に入る前に、皆さんと少しだけ、寄り道しました[わーい(嬉しい顔)]

  日本が14年ぶりの世界一
 たくさんの感動をありがとうございました!

 米国のパイオニアのひとりペレット・エステートのカベルネ・ソーヴィニヨン2010
 決勝戦の対戦相手&WBCの舞台となったアメリカに敬意を表し、
 13年経過した未輸入ワインで乾杯🍷


 こどもたちに伝えたい思い
 画像:テレビ朝日報道ステーション/ 2023年3月23日

WBCに出場した日本の選手たちは子供の頃にWBCを見ててこうなりたいと思っていた。今回僕が見ても選手たちはカッコ良かったので、僕がこどもだったら、こんな風になりたいなぁと感じたと思う。やはり、こうなりたいと思うと、人間努力もできるし我慢もできる。そのことを選手たちが伝えてくれたと思うとそれが一番嬉しい。もちろん個人は大事ですが、野球は誰かのために頑張っているという面もあるので、それが伝われば嬉しいし、人を助けてあげるということは自分に力を付けないとできない 23日の番組のインタビューから抜粋


東京学芸大学卒で教員免許を持つ栗山英樹監督がヤクルト時代(84~90年)、愚息が通っていた東京学芸大学附属世田谷小学校で、社会人の先輩として、子どもたちに野球の話をしてくれたことがありました。話がわかりやすくカッコ良い栗山選手に多くのこどもたちは憧れを抱いたようです。
今回のWBCでも子どもたちに「野球の魅力を感じて欲しい」というメッセージを発信し続けていた栗山監督。その姿勢は当時と変わりなく、また、全試合を通して選手たちを信じきっている姿には、真摯でピュアなこころを感じました!!
WBCジャパンの監督、本当にお疲れ様でした。

備忘録(追記):3年後のWBCの監督話題で名前が出ていたイチローは自らを「人望がないから監督は無理」とコメントしていました。私もWBCの監督は無理だと思っています。加えて “スーパー選手だった人が良い監督になるとは限らない”ので。
栗山英樹監督は現役時代、名選手ではありませんでしたし、たくさんの挫折を味わってきた方です。その分、人の痛みがわかっていると思います。そんな時に目にした文春オンラインの記事はまさに備忘録として残しておきたい🏅栗山英樹語録(出典:文春オンライン)でした!



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 3月の講座はロイヤル・ワラントのジョセフ・ペリエ
 1825年創業、家族経営のメゾンで現在6代目ベンジャミン・フロモンさんが当主です。

 2007年からシェフ・ド・カーヴはナタリー・ラプレイジュさん
 2019年にシャンパーニュ最優秀シェフ・ド・カーヴを受賞
 2020年3月にJPのミモザキャンペーンでオットー・プシュビラ取締役と来日

 今月の講座で「5種のシャンパーニュを出します」とナタリーさんに伝えていたところ、
 第4週講座が終わった翌日、丁寧なメッセージ(上記画像右側)を頂戴しました。
 もちろん、即、お返事しました!
 来月下旬には、オットーさんと来日なさるので、再会が楽しみです。


IMG_9401.jpg
 シャロン・アン・シャンパーニュに位置するジョセフ・ペリエ
 醸造はステンレスタンクのみ使用、MLFも実施


 第1フライトはメゾンの顔と新顔
 キュヴェ・ロワイヤルとして確たる存在感を示すブリュット
 2020年にデビューしたノン・ドゼのブリュット・ナチュール

 #1:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH35%、PN35%、M30%
 ドザージュ:7g/L
 価格:7,000円(税別)

 #2:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ナチュールNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH62%、PN14%、M24%
 ドザージュ:0g/L
 価格:8,300円(税別)

#1は3品種がほぼ3分の1ずつですが、#2はブレンドの比率が大きく異なります。さらに熟成期間も前者は36ヵ月(3年)、後者は72ヵ月(6年)で、倍の年数かけていますが、これはドザージュをしない分、熟成には十分な時間をかけるのがメゾンのスタイルとのこと。
#1は淡い黄金色でフレッシュ、気泡は活発で細やか、白桃や洋梨、酸味溌溂、バランス良好。#2はゴールドを帯びた色調、気泡は#1より少し落ち着いた印象、ネクタリン、ブリオッシュやナッツ、白コショウ、口中クリーミー、ドライ感、旨味、広がりのある余韻

 2020年に世に出たブリュット・ナチュール
 ブリュット・ナチュールの初ヴィンテージ等についてオットさんに質問したところ、
 いつもながらの熱意あふれる返信(一部掲載)が届き、
「講座生と楽しんで」とのメッセージも[exclamation×2]
  ファーストリリースのベースヴィンテージは2014年、現行アイテムは2015年


 第2フライト

 #3:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ドゥ・ブランNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:6g/L以下
 価格:8,700円(税別)

 #4:ジョセフ・ペリエ ジョセフィーヌ2014 × ジョルダン・サジェ 限定5,000本
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH60%、PN40%
 ドザージュ:5g/L
 価格:40,000円(税別)

#3はメゾンが誇るブラン・ドゥ・ブラン。2012年に山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したノーベル賞晩餐会で、乾杯のシャンパーニュとして選ばれました。絶え間なく連なる気泡、柑橘系果実、アプリコットやミラベル、白コショウやヴァニラ、若干のビター感、熟成による複雑味、バランス良好。第3週&第4週の講座生から評価大=価格と酒質
#4はジョセフィーヌ・ペリエの結婚とキュヴェの生誕175年を記念してリリースしたアイテムで、デザインを手がけたのはアーティストのジョルダン・サジェ。ジョセフィーヌはファーストリリースの1982年以降、85年、89年、90年、95年、98年、2002年、04年、08年、12年、最新ヴィンテージ2014年の11ヴィンテージのみ生産。色調はゴールデンカラー、アロマは豊潤でドライナッツやドライフルーツのニュアンス。白桃、黄桃、スパイス、ミネラル、ビター感(タンニン)、余韻に綺麗な酸、複雑味を備えたフェミニンなスタイル

 イエロートーンのブラン・ドゥ・ブラン
 トップキュヴェ、2014年ヴィンテージのジョセフィーヌ


 2014年ヴィンテージについて
 難しいヴィンテージでしたが、
 ぶどうが熟す条件は満たしていた年だった由


  5,000本中2,447本目のジョセフィーヌ
  プラークの裏側にもデザインが施されています!


 第3フライトは桜に似合うロゼ
 #5:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH25%、PN70%、M5%、赤ワイン(キュミエール村のPN)約12%ブレンド
 ドザージュ:7g/L
 価格:9,600円(税別)

綺麗なサーモンピンク、細やかな気泡、赤系・黒系の果実、甘草、ピンクペッパー、ミネラル、余韻に広がる切れ感と上質感、チャーミングなロゼ

 
 講座生のhakoさんリポート

        
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 ジョセフ・ペリエ来日記念ランチセミナー
 3年振りのベンジャミン当主&2020年3月以来のオットー取締役
 昨秋 輸入元JALUX主催で開催されたランチセミナー

 マリアージュ@ホテルニューオータニKATO'S Dining & Bar
 ロワイヤル・ブリュットNV
 ふぐから揚げ、ゆり根、芽慈姑 / エシャロット生ハム、菜花辛子漬け /銀鱈西京焼き、銀杏松葉 / 槍烏賊鮟肝掛け

 ロワイヤル・ブリュット・ナチュールNV
 炙り寒鰤薄造り、柚子ポン酢ドレッシィング掛け、生野菜

      キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ドゥ・ブランNV
      焼甘鯛と海老 焙烙焼き、吟醸ソース、半兵衛麩、しめじ、万願寺唐辛子、浅葱

     キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
     青羽田と蛤アクアパッツア、ポロ葱、アスパラ、エリンギ茸、大葉

 キュヴェ・ジョセフィーヌ ジョルダン・サジェ2014
 和牛筋肉ビーフシチュー和風仕立て、焼野菜

 5,000本中625本目のボトルでした!


 熟し柿とぶどう


 左から右の順で供出された5アイテム

【製品についての問い合わせ先】
 (株)JALUXワイン部 電話:03-6367-8756 / 担当:大塚

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2月のシャンパン講座、ハイライトはゴッセ究極の『セレブリス セレブリッシム1995』 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

  ゴッセの魅力全開!!

今年最初の取材メゾンはゴッセでした。
1月に来日した醸造責任者のオディロン・ド・ヴァリーヌさんと輸出担当マネージャーのカリナさんが語ってくださった内容はオディロン・ド・ヴァリーヌ醸造責任者が語ったシャンパーニュ『ゴッセ』の魅力にまとめてあります。


        出典:テラヴェール(拡大可)


 シャンパン講座では5アイテムを供出

新型コロナウイルスのワクチンや検査キット等の安心情報が無い状況下なので、2月の講座は半数くらい欠席かしら・・・と危惧していたのですが、シャンパンラバーの皆さま(仕事の都合で1名欠席)と笑顔で再会できました。ありがとうございます!
2月26日に行った回ではオディロンさんから伺った超フレッシュな情報と今まで知られていなかったゴッセのこだわりについて講座生の皆さんにお伝えしました。

ゴッセのシャンパンのなかで、MLFをしているアイテムが1つだけあります。それは『エクストラ・ブリュット(最低36ヵ月の瓶内熟成)』で、理由は“リンゴ酸を生かすためには長熟させることが肝要”なので熟成36ヵ月では、それが表現できないという考えだからです。リザーヴワインに関しては14年前は16%、近年は8~12%なので、他のメゾンと比べて圧倒的に少ないのが特徴。あくまでスパイス的、穴埋め的に使用しています。ドザージュ量は温暖化の影響で近年減少傾向になっています。

  第1フライト



#1:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV マグナム
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、シャルドネ45%、ムニエ10%
ドザージュ:7g/L
価格:18,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、アンボネー、ル・メニル・シュル・オジェ。色調はレモンイエロー、白桃、スモモ、柑橘系果実のアロマ、ロースト風味、ふくらみのある余韻と綺麗な酸味

#2:ゴッセ グラン・ブラン.・ド・ブラン・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:11,000円(税別)
主要生産村GCはアヴィズ、シュイイ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、トゥール・シュル・マルヌ。「コート・デ・ブランのシャルドネの繊細さとモンターニュ・ド・ランスの骨格をブレンドすることでゴッセ独自のブラン・ド・ブランに仕上げています」とオディロンさん。白い花、アプリコット、スモモ、かりん、柑橘系果実のアロマ、グレープフルーツの内果皮(軽いビターさ)、ミネラル、#1より口中すっきり、エレガント

#3:ゴッセ グラン・ロゼ・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%、ブレンド用赤ワイン8%
ドザージュ:8g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアンボネー、ブージー、ヴェルズネー、アヴィズ、シュイイで、ブレンド用の赤ワインはブージー、アンボネー。色調はオレンジ色を含んだサーモンピンク、木苺のようなフレッシュさ、バラ、コンフィや熟したイチゴ、スパイス、若干のタンニン、全体を引き締める爽やかな酸味

 第2フライト



#4:ゴッセ グラン・ミレジム・ブリュット2006
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール56%、シャルドネ44%
ドザージュ:6g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ルーボワ、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。「2006年は良質のピノ・ノワールに恵まれたので、熟度の高いピノ由来の豊かな果実味と長期の瓶熟による凝縮感を楽しんで欲しい」とオディロン氏。イエローゴールド、気泡はワインに溶け込み口中クリーミー、蜜を含んだりんご、洋梨、スモモ、プラム、焙煎香、アールグレー、余韻に持続性のある酸味

#5:ゴッセ セレブリス“セレブリッシム1995
生産者:ゴッセ(NM)/生産量1,000本
ぶどう品種:ピノ・ノワール54%、シャルドネ46%
ドザージュ:8.5g/L
価格:70,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ヴェルズネー、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。10年間シュル・リー、その後澱抜きをしてさらに10年以上熟成させた特別なアイテム。かりん、アカシア、ハーブやスパイス、バルサミコ、クルミ、層になって広がる長い余韻。フレッシュかつ時間の経過で複雑味と旨み。ゴッセが求めるスタイルを表現した逸品。

  新潟の食用菊を使った押しずしとのマリアージュ

講座の前日、酒類界の重鎮 戸塚昭先生の引率で親しいワイン仲間と新潟の久須美酒造を訪問してきました。久須美社長自らご案内くださった日本酒造りとその後のフレンチとのマリアージュランチは本当に素晴らしい体験でした。これらのリポートは改めてブログにアップいたします!

新潟はおいしい食材にあふれています。
帰路、久須美社長に「新潟ならではのお土産を探しています。明日のシャンパン講座で楽しめるものはないですか?」と相談してみました。そこで、揃えたくださったのが、ホテルニューオータニ長岡 胡蝶の菊鮭寿し、お米も銀鮭も食用菊もすべてが新潟県産の特産品です、素敵!

講座ではおいしい時間になりました。
多くの講座生を納得させたマリアージュは菊鮭寿しとロゼ! 鮭のピンクとはもちろん色でも良く合いますが、お寿司のハーブ系要素、程良い塩味、すし酢等がリンゴ酸を生かしたシャンパンとバランスが良く、何より、赤ワインに由来するタンニンが口中を綺麗に洗い流してくれました。さすがロゼのスペシャリストを自負するゴッセ。久須美社長のお気遣いにも改めて感謝いたします!!
菊鮭寿し誕生の由来は、2011年11月に日経新聞に掲載されていた食用菊の押し寿し開発ニューオータニ長岡をご覧くださいませ。人気の限定製品なので売り切れてしまうこともありますが、シャンパンと楽しめる新潟県のお土産としてお薦めできます。

 一期一会のアイテム『セレブリッシム1995』

ゴッセがメゾン初のアイテムとしてリリースさせたセレブリッシムについて、ワインのこころで紹介していますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。セレブリッシムの次なる登場がいつになるのか、どのヴィンテージになるのか、今の段階では未定なので、この1995年を見つけたら買いですよ!!

[ダイヤ]製品についてのお問合わせはテラヴェール(株) TEL 03- 3588-2415
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セバスチャン・ル・ゴルヴェ醸造責任者が語ったアンリ・ジローの世界をシャンパーニュ講座で! [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

シャンパーニュメゾン『アンリ・ジロー』
ルイ13世の統治下の1625年、創業者フランソワ・エマールがアイ村の畑を入手したことから始まりました。現在8㌶の自社畑を有し、年間生産量は約25万本程度ですが、世界中のシャンパンラバーを魅了しています。アルゴンヌの森に惚れこみ、容器の選択には独自の世界を貫き、シャンパーニュ地方が長年培ってきたドザージュをも尊重しているメゾンです。

アイ村出身の醸造責任者


アンリ・ジローの12代目クロード・ジロー当主の次女と結婚したセバスチャン・ル・ゴルヴェさんは、アイ村生まれで、前職は建築家。2000年からメゾンで働き始め、シャンパーニュ造りの手ほどきは義父とワイン醸造家Georges Hardy氏のおふたりから受けました。醸造学校とは無縁の経歴ですが、当主から絶大な信用を得て、今では醸造責任者として活躍しています。ちなみにアンリ・ジローでは2016年からステンレスタンクを全廃しています。


セバスチャンさんは「アイ村は南向きで陽のあたりが良いので、コート・ロティのようです」と形容していました。「地表の20cm下には200 m の石灰土壌が広がっています」との解説では図を描いて!


ラベルに描かれたオークは携帯画像にある6mの樹がモデル


プレスランチョンの口開けはエスプリ・ナチュール
ピノ・ノワール80%(40%はアイ村、それ以外はモンターニュ・ド・ランス)とシャルドネ20%で、ドザージュ7g/L、リザーブワインを1990年からのソレラを50%使用していますが、メゾンでは“perpetual 永遠の”と形容していました。保存用の容器90hlを3個使っている由。


ファアグラのソテー フルーツキャラメリゼ バルサミコヴィネガーと合わせて
ひとさらのなかに、脂分、果実味、酸味がバランスよく同居しており、エスプリ・ナチュールの豊かなまるさと良い相性。


フュ・ド・シェーヌ MV(マルチヴィンテージ)13
アイ村のぶどうを100%使用、「MV13」とはベースワインが2013年という意味
コルクはアグラフ(ホチキスの意味)


アルゴンヌの森の樫の木樽で発酵させてから1年間の樽熟成(85 %が新樽)、リザーブワインは30%、こちらの保存用のタンクは60hlで6個使っているとのこと。
ドライフルーツ、果実のコンフィ、温度変化を楽しみたいアイテム


ホタテ貝のソテー トリュフクリームソース

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黒毛和牛 A4ステーキ 焼き野菜


アルゴンヌの森の話
この森のオークは、16世紀、帆船に使われていたそうです。土壌が貧しいので木はゆっくりと成長し、それにより、木目が詰まった硬くで丈夫な木質になるとのこと。区画ごとに異なるテロワールを読み取って木樽を構成させていますし、樽内部の焼き加減についても自ら、指示している由。「外科医のように、手術中の患者の容態を見ながら行います。最初は白松の香り、次はパンデピス、さらにバター香からブリオッシュ、そして最後がグリオット・タルト。この香りになればそこが終着点です」と。このように表現した醸造家は初めてです!


5月25日に発売された『アルゴンヌ2011』は2002年、2004年、2008年に次ぐヴィンテージです。ボトルのラベルデザインはドイツ人の金細工師ウヴェ・シェファーさん。

「2011年はカビに悩まされた厳しい年だったが、それだけにぶどうを厳選。テロワールを反映した素晴らしいシャンパーニュが完成した」とセバスチャンさん。

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リリースして間がないヴィンテージに敬意を表し、30分程前にデキャンターに移して

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(左から供出順に)
#1:エスプリ・ナチュール@7,000(税抜)
#2:フェ・ド・シェーヌ マルチ・ヴィンテージ MV13@26,000(税抜)
#3:アルゴンヌ2011@70,000(税抜)
6月5日に数量限定ギフトBOX・専用オープナー付@75,000(税抜)を発売

至福の味わいラタフィア
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ランチ後、サービスされたのがソレラ・ラタフィア・シャンプノワ
果汁にブランデーを添加した酒精強化で、アンリ・ジローがこだわるアルゴンヌ産オークの小樽に入れソレラ(1990~2013)で熟成、ラベルにも表記されています。濃密度、至福の味わい!


セバスチャンさん 、アンリ・ジローの佐藤GM (後列右から3人目)を交え、全員で「G」サインで記念ショット。


7月のシャンパン講座で4アイテムにフォーカス
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第1フライトはメゾンの顔を容量違いで
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#1:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン50%
ドザージュ:7g/L
価格:7,560円(税込)
白桃や洋梨に加え黒系果実プラムの存在感も。気泡の刺激あり、時間の経過で様々な要素、口中ドライ、柑橘果実のビターな印象、スパイス
裏ラベルにあるQR コードでデータが読み取れます。


エスプリ・ナチュールに使うアルゴンヌ製木樽とテラコッタ製卵型タンク

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#2:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:17,280円(税込)
フレッシュ感とまるみのある味わいが絡み合い、大容量の醍醐味を実感。フルーツの旨味、スパイス(白胡椒)、心地よい余韻

#3:アンリ・ジロー オマージュ 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン40%
ドザージュ:7g/L
価格:10,800円(税込)
創始者フランソワ・エマールへのオマージュアイテム。木樽とホウロウ引きした鉄製小型タンクで発酵。香り華やかな、溌剌とした気泡、1よりこなれた印象で果実味と酸味のバランスがナイス!

#4:アンリ・ジロー オマージュ 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:22,680円(税込)
熟した果実、フレッシュさがあり、ミネラルと酸味が魅力、まるくて厚味もあり、第1フライトでの一番人気

エスプリ・ナチュールとオマージュの大きな違いは酸味。酸に弱いラバーさんには馴染みやすいタイプ。オマージュはシャンパンを飲みこなしているラバーさんのお気に入りになるはずです。

第2フライトは樽100%
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#5:アンリ・ジロー コード・ノワール
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN100%(土着品種プティ・ドレ)
ドザージュ:7g/L
価格:19,440円(税込)

アルゴンヌ産のオークの小樽で発酵、12ヵ月の熟成後、瓶熟。5種のシャンパンのなかで一番色調が深く、熟成香、アカシアの密、コンポートした果実があり、旨み、ミネラル、温度変化でスカイスの風味も。当日のマイベスト!!

第3フライトは酒精強化ワイン
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#6:アンリ・ジロー ソレラ・ラタファイア・シャンプノワ 500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
価格:7,560円(税込)
セバスチャンさん来日の折、デザートと一緒に楽しんだアイテム。以前とはボトルの形状だけでなく、フィーヌ・ド・シャンパーニュの仕入れ先もアイ村つながり、Jean Goyandになりました。
一日の締めくくりのお酒として、食後にゆったりとした気分で味わいたいお薦めです!!
※輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン TEL: 03- 5777-2639
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ビオディナミの大家エルヴェ・ジェスタンが仕切るシャンパン『シャトーダヴィズ』 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

エルヴェ・ジェスタン氏来日に伴うランチミーティング@モナリザ丸の内

(左から)シャトーダヴィズの広報担当ペギー・ファロナ・バトゥー女史、エルヴェ・ジェスタン氏、モナリザ丸の内の河野透オーナーシェフ
供出アイテムはグラン・クリュ ブラン・ド・ブラン エクストラ ブリュット2012(左)とフォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット2011


シャトーダヴィズについて
2010年にシャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区のGCアヴィズ村に設立されたメゾン(NM)で、5名で運営。フォリアージュ(“葉っぱ”の意味)はシャトーアヴィズの弟分的位置付け。ぶどう栽培、ワイン醸造まですべての監修を行っているのはエルヴェ・ジェスタン氏。シャトーダヴィズの共同出資者のひとりでもあります。ビオディナミ農法&シャンパン造りに精通し、多くのメゾンでコンサルタントをしていたことで知られています。1982年から2006年までは『デュヴァル=ルロワ』の醸造責任者、ルイ・ロデレールでも活躍しました。ちなみに、シャンパーニュ地方におけるオーガニックの栽培面積は約0.01%、オーガニック生産者とビオディナミ生産者数の比率は 127 / 30の割合になっています。

栽培と醸造に関して
■ステンレスタンクと樽で発酵
■MLFは樽内で行うが、基本的に自然の成り行き
■門出のリキュールに使う蔗糖はオーガニック栽培のサトウキビ

シャトーダヴィズのこだわり
■自社ぶどうはシャルドネ。買付ぶどうはオーガ二ック栽培をしている生産者のものを使用
■NVは単一年。個性を明確に表現する意味でヴァン・ド・レゼルヴは使用せず
■ヴィンテージ・シャンパンは良い年だけ生産

シャンパーニュ地方でシャトー名を冠するメゾンは3つだけ
「カーヴの前にまとまった区画の畑があることが条件」とジェスタン氏。シャンパーニュではChateau d'Avize(コート・デ・ブラン)、Chateau de Bligny(コート・デ・バール)、Chateau de Boursault(エペルネ)


自然を尊び、キャップシュールは蝶々の絵柄



ジェスタン氏はボトルとグラスの“共鳴”を測っています。そのための機器が手にしているLecher Antenna(1950年代にドイツの物理学者が開発したもので、建築やセラピー等でも利用)
追記:2019年5月2日:オーストリア生まれのErnst Lecher エルンスト・レッヒャー(1861- 1925)が考案したアンテナなので、カタカナ表記はレッヒャー・アンテナにしておきます。

「アンテナのはね返りでワインのエネルギーの数値を測定し、それによってシャンパン自体がどのグラスに入りたいかを見ています。2012年ヴィンテージは丸い形状のグラス(下部にある画像のふっくらしたタイプ)を選びました」とコメント。ドザージュ量もこのアンテナを使って決めているそうです。


丸の内モナリザの料理に合わせて



アミューズ・ブーシュはトマト味のキッシュ、上に乗っているのはおかひじき
左のグラスが2012年ヴィンテージ、右は2011年ヴィンテージ


アスパラガスのフェットチーネ
こだわり卵のカルボナーラ仕立て


温泉卵のねっとり感を2012年のきれいな酸が洗い流してくれて口中爽快


春キャベツで包んだ鴨モモ肉のコンフィ ビガラードソース


表情がなんとも可愛い!


どの食器もパステルカラーでとっても優しいイメージ、河野オーナーシェフ好みなのでしょうね。
ジェスタン氏自慢の2012年はアミューズ・ブーシュからデザートまでに寄り添ってナイスマリアージュ


参加者全員で記念ショット


ジェスタン氏のビオディナミ考
アルコールに否定的だったルドルフ・シュタイナー
ジェスタン氏はランチ時、「シュタイナーは農業やぶどう栽培については触れていますが、ワイン醸造については触れていません。彼はインド哲学に傾倒していたので、ワインについて考える事をしなかったのではないかと思っています」と述べました。
それに関連して思い出したことがあります。
2004年、ビオディナミの教祖と言われていたニコラ・ジョリー氏が来日した時のことです。私はどうしてもジョリー氏に聞きたいことがあったので、次にような質問をしました。

青木:ルドルフ・シュタイナーはタバコとアルコール、とりわけアブサンが人体に与えるものは害であると説いています。アルコールに対して否定的だったシュタイナーが提唱するビオディナミ農法によってぶどう栽培をしていることについてあなたはどのように考えているのですか?

ニコラ・ジョリー:私はシュタイナーの農業を自分なりに解釈し、いつも自分に問いかけながら仕事をしています。それを実践の場に持ってこなければなりません。シュタイナーは何ひとつとして禁じることはしていません。誤解して欲しくないのですが、ワインだけが唯一のアルコールではないのです。タバコもアルコールも、どれだけ摂取するかが問題なのです。全ては量と質の問題になります。人工的に造られたワインはとても危険であり、ビオディナミで造られた正しいワインを飲むのであれば健康に問題は生じません。シュタイナーの考えは農業と土地と太陽を結びつけることにあります。土に命を与えるため、ビオディナミの調剤を散布し、土を肥沃にします。それによってその土地に育つぶどう樹は太陽エネルギーを受けやすくなり、伸びて行きます。ぶどう樹は土と太陽を結ぶ媒体になるので、ビオディナミで育てられたぶどう樹は、ワインの中に自分を十分に表現できるのです。本物のぶどう樹によって造られた“本物のワイン”です。
出典:日本ソムリエ協会機関誌No77 10頁/リポート青木冨美子

ジェスタン氏は“アルコール(狭義のワイン)”造りに関して、「ワインは嗜好品なので、あってもなくても良いものですが、皆がワインを飲むということはそこに良い影響がなければなりません」と述べ、25年以上にわたり、考えていることが、「飲み手が酔わずに、体に悪影響を及ぼすことなく、メッセージを伝えることができるワイン造りです」と語りました。

そして、一例として挙げていたのが調剤のカモミールです。
「カモミールにはワインのなかの良くない要素(=アルコールの悪い影響)を取り除いてくれる効果があります。(自然界から採取された)硫黄の効果を高め、ワインをきれいにする効果もあります」と解説、これは抽出して使うようです。
ジェスタン氏が言うように、シュタイナーがワイン醸造については触れていないとするなら、氏が語っていたことはほとんどオリジナルになると思います。ランチ中も、「生きているワイン、飲み手に特別の感情をいだかせるワイン、エネルギーのあるワインを造りたい」と再三語っていたので、ビオディナミの指導者、大家として、今後さらに独自の醸造スタイルを築きあげてくださると確信しています。

ニコライホフのワインにある“核”


ジェスタン氏は江本勝氏の『水の記憶』についても触れていました。これは愛情あふれる言葉と罵倒するような言葉を浴びせた水を、顕微鏡で見ると、前者は綺麗な結晶になり、後者はいびつになるというお話。ゆえに、ジェスタン氏は醸造所内では、きたない言葉を使わないようにしていると語っていました。

これを聞いて思い出したのが、チリの名門モンテスの樽貯蔵庫です。ここではいつもグレゴリオ賛歌を流しています。ワイナリーサイドでも効果はあると思っているようです。

そして・・・結晶に関しては、私自身、江本氏の本を読んでいないので、意見を言える立場にはありませんが、2006年にビオディナミの造り手、尊敬するオーストリアの『ニコライホフ』の当主夫人クリスティーネ・サース氏が来日して行ったセミナーで、1滴のワインのなかに存在する“核の結晶”を見せてもらったことがあります。上記の左の画像がそれで、ニコライホフのビオディナミの畑のぶどう(グリューナーフェルトリーナー)から造ったワイン1滴を顕微鏡で見た“核”です。右は農薬を使ったワインだそうで、核はありません。
出典:日本ソムリエ協会機関誌No95 53頁/リポート青木冨美子

折しも5月にニコライホフ訪問を予定しているので、ワイン1滴のなかで証明できる“結晶”の話をもう1度、伺ってみたいと思っています。



「桜の季節に訪日したかったので、アズマコーポレーションのお陰で実現して嬉しい」とジェスタン氏。次回の来日は日本で行われるラグビーワールドカップの観戦も兼ねて、のようです。


[NEW]4月のシャンパーニュ講座はジェスタン氏絡みのアイテム
NHK文化センター青山校の上期講座(4月~9月)スタート、第1回目でフォリアージュを取り上げました。



第1フライトはデュヴァル=ルロワとルイ・ロデレールを交えて
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#1:デュヴァル=ルロワ フルール・ド・シャンパーニュ 1er ブリュットNV
生産者:デュヴァル=ルロワ
ぶどう品種:CH70%、PN30%
ドザージュ:8g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:アイコニック ワイン ジャパン
1911年から生産しているアイテム。ステンレスタンク内で発酵・醸造。最低30ヶ月瓶熟成。MLF有。フレッシュ、“フルール”の名の通りフラワリー、泡の食感滑らか、中盤から余韻まで優しい酸味が続き、果実の余韻も重なってフェミニンな印象
ジェスタン氏がデュヴァル=ルロワ在籍中に完成させたビオディナミ農法による『オーセンティス(“正真正銘”の意味)』のキュミエールとトレパイユは現在生産していません。新製品プレシャス・パーセル・シリーズのキュミエール(有機栽培によるピノ・ノワール100%)がそれに当たります。

#2:ルイ・ロデレール ブリュット プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%
ドザージュ:9g/L
価格:7,200円(税別)
輸入元:エノテカ
気泡の木目も細かく活発、香りは#1より華やか 、酸のニュアンス(ノン・マロ)、グレープフルーツ、白桃、ミネラル、アカシア、味わいに厚みがあり、余韻も長め。
ビオディナミへの取り組みは十数年前からで、すべての作業はカレンダーにそって実施。クリスタル(2020年に100%の予定)とブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデルにはビオディナミのぶどうを使用。ルイ・ロデレールのシャンパンの気圧は5気圧(平均5.2気圧)で、ブラン・ド・ブランは4気圧になっています。

#3:フォリアージュ キュヴェ・エクストラ・ブリュットNV
生産者:レ・シャンパーニュ・デュ・シャトーダヴィズ
ぶどう品種:CH40%、PN30%、M30%
ドザージュ:5g/L
価格:8,900円(税別)
輸入元:アズマコーポレーション
ヴィンテージ表記なしですがベースは2010年産ワインで、NVであってもリザーヴワインは一切使いません。3アイテムのなかで一番濃いめの色調、フレッシュな酸味、メロン、ドライフルーツ、燻したニュアンス、クリームブリュレ、ぶどうの熟度を感じる味わい。



第2フライトではヴィンテージ比較


#4:フォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット2012
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4.0g/L
価格:25,000円(税別)
2012年はジェスタン氏渾身の1本。カーヴ前の畑のぶどうを完成したカーヴで仕込んだもので、同メゾンの2番目のヴィンテージ、講座で用意したシャトーダヴィズの4アイテムのなかで一番存在感あり。ガス圧6.8。ピュアで、筋の通った酸も魅力。旨味があり、グラス内の温度があがってもブレることのない安定感

#5:フォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット2011
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4.1g/ L
価格:9,240円(税別)
カーヴ前の畑のぶどうを使い、別の施設で仕込んだファーストヴィンテージ。伝統的な垂直式圧搾機で圧搾、自然に清澄、ステンレスタンクと樽で発酵、澱の上で9ヶ月寝かせ、36ヶ月熟成、ガス圧6.2 。フレッシュ、白い花、ミネラル、ロースト、シルキー、果実味と酸味のバランス



コトー・シャンプノワも供出


#6:フォリアージュ コトー・シャンプノワ・ブラン2014
ぶどう品種:CH100%
価格:12,000円(税別)
非発泡性ワイン。生産量590本、22ヶ月澱の上で樽熟成、ノンフィルターで瓶詰め、良年のみ生産。淡いイエロー、フレッシュ、火打石、石灰由来の香り、柑橘系果実に加え、アーモンドやナッツ、味わいにグレープフルーツの内果皮似のビター感、口中シームレス


どのボトルも状態が良く、嬉しく思いました。4月から青山校にもワイン用セラーが常設されたのでより安心です! 来月も引き続き、ジェスタン・シャンパンの探究をする予定でおります。
講座生の皆さま、4月に体験したシャンパンの味わいを覚えておいてくださいませ!

[イベント]6月19日に開催するシャンパーニュに拮抗するスパークリングワイン探究 
ただ今受付中です、残席数名になりました。
皆さまのご参加、お待ちしております!!

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フィリポナの3サムライ 上陸待ちの『レ・サントル』&ピノの実力派『ル・レオン』と『クロ・デ・ゴワセ』 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

1522年にスイスからシャンパーニュ地方アイ村に移住したフィリポナ

ロワイヤル・レゼルヴ・ロゼ(PN75% CH20% PM5% ドザージュ9g/L) NV
アイとマレイユ・シュル・アイ(アイの東隣の村)のグランクリュ(GC)とプルミエクリュ(PC)のピノ・ノワール主体。赤ワイン(マレイユ・シュル・アイとリセのPN)を7~8%添加したフレッシュでエレガントなスタイル


輸入元 富士インダストリーズの招聘で来日したフィリポナ当主のシャルル・フィリポナさんは日本文化への造詣が深い方です。スイスでは国王を警備する役職だったそうで、それを日本のサムライに例えていました。


当日は4種のシャンパンを京橋『シェ・イノ』の料理と合せて


ロゼのタンニンがカモの脂分をきれいに洗い流してくれる感触、美味!


グラン・ブラン2006はGCのメニル・シュル・オジェ村、クラマン村のシャルドネと、クロ・デ・ゴワセの畑のシャルドネを使った贅沢なシャンパン。手長海老とは安心のマリア―ジュ、旬の白アスパラとは色でも楽しめました。

クロ・デ・ゴワセのハートに位置するサントル
2006年に単一畑クロ・デ・ゴワセの特別な区画から誕生した『レ・サントル』
生産本数は2,065本、日本上陸は夏前か秋口で入荷本数は60本の予定、価格は6万円前後(未定)

クロ・デ・ゴワセのなかには14の区画があり、その中心部は最も勾配がキツイ45度。まさにその部分の「グラン・サントル」と「プティ・サントル」から穫れたピノ・ノワールを70%。グラン・サントルの右隣にある「ジョリヴェ・ブラン」のシャルドネを30%使った最高級のシャンパンです。甘辛表示はエクストラ・ブリュットでドザージュ量は4.5g/L、MLFは行っていません。
以下の地図は画面をクリックしていただくと拡大できます。

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レ・サントル誕生の経緯は、ミシェル・ベタンヌさんとの雑談がきっかけです。フィリポナさんは「秀逸なクロ・デ・ゴワセの畑のなかの最高のプロットからワインを造ったどうなるかとの投げかけがヒントになり、実現するに至りました」と語っていました。

「目を瞑って味わってみてください。フランボワーズのような赤い実の果実を感じるはずです。例えればシャンボル・ミュジニー」と。最初のインパクトは赤系果実、フランボワーズのジャムやスピリッツを彷彿とさせる香りがありました!

2006年は重すぎず軽すぎずのヴィンテージ。 瓶詰は2007年6月、デゴルジュマンは2015年10月なのですが、まだまだフレッシュで、ブリオッシュやミネラル、チョーク質由来の切れ味と柔軟性に富んだ余韻が印象的でした。日本上陸が楽しみです!


2種のシャンパンについて、フィリポナさんからユニークなコメントが!
「レ・サントルは日本の弓道、それは弓をぴ~んと張った印象です。一方のクロ・デ・ゴワセは相撲取り、一緒の勝負で重量感があります」
彼らしい、日本の伝統文化を取り入れた表現でした。


大山地鶏のフリカッセ シャンパーニュ風
料理にもシャンパンにもクリーミーさとロースト風味があったので、双方のバランスがとても良く、特にクロ・デ・ゴワセの酸とソースの酸が絶妙でした。フィリポナさんは料理のアロマとレ・サントルのアロマの相性を絶賛していました。


フィリポナのシャンパンは余韻に続く酸が本当にきれい!
ロゼもグラン・ブランもデザート類の酸と良くマッチしました。

シェ・イノの伊東賢児シェフソムリエはいつでもシャンパン(ワイン)をベスト温度でサービスしてくださるので、プラスαの学習ができます。今回もお世話になりました!



そして・・・
プレスランチの翌日、富士インダストリーズでのテイスティング会にお邪魔して、フィリポナの取り扱い製品を全試飲。6月のシャンパン講座用アイテムを決めました。フィリポナさんも同席していらしたので、お話を伺いながら味見したのですが、そこで、面白い発言が


6月の講座ではフィリポナ直伝のマリア―ジュに挑戦
NHK文化センター青山校で

フィリポナの顔NVを2種(マグナム)、、ブラン・ド・ノワール2008、ル・レオン2006、クロ・デ・ゴワセ2005


コルクのしまり方も良好、熟成もイイ感じ!

第1フライト
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ベースワイン、ぶどう品種の比率、リザーヴワインの比率はすべて同じ。ドザージュ量、デゴルジュマンの年月は異なります。

#1:フィリポナ ロワイヤル レゼルヴ ブリュット マグナム
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:PN65% CH30% PM5% (2009年ベース)
リザーヴワイン:25%
ドザージュ:8g/L
デゴルジュマン:2014年9月
価格:14,000円(税別)
気泡細やか、黄桃、かりん、アプリコット、果実のコンポート、ミネラル、ヨーグルト、口中クリーミー、ソフトな酸、バランスが良く、穏やかな余韻

#2:フィリポナ ロワイヤル レゼルヴ  ノン・ドゼ マグナム
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:PN65% CH30% PM5%(2009年ベース)
リザーヴワイン:25%
ドザージュ:0g/L
デゴルジュマン:2015年1月
価格:14,000円(税別)
グラス上部の泡沫きわめて元気、ピュア、石清水、白い花、白桃、ミネラル、口中クリーミーながらドライな味わい、泡の刺激は#1より多い。酵母由来の旨味、酸味は1本の線になって余韻につながっていく印象、守備範囲の広いシャンパン◎



フィリポナさんの一押しマリアージュ

「ノン・ドゼには生の魚介類、牡蠣、お寿司、それから塩辛が合うよ」
「えっ?」

塩辛を食せるフランス人は初めてです。シェ・イノでも料理とシャンパンンのマリアージュについて熱心に語っていたフィリポナさんだったので、お言葉に従い、講座で挑戦することにしました。

さて、講座生プラス私の計24名の結果は・・・#1が2名、 #2が22名でフィリポナ説に賛同できました。私的にはレモンは必須、より完璧な相性にするにはレモンがあったほうが良いと思います。
この結果はフィリポナさんにもお伝えしておきます!


第2フライトに登場したニューフェイス
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#3:フィリポナ ブラン・ド・ノワール  ブリュット2008
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:4.25g/L
デゴルジュマン:2015年3月
価格:10,000円(税別)
溌剌感、完熟ぶどうの厚み、#1に通じるヨーグルトのニュアンス、軽いタンニン、バランス良好、酸味ソフト、上品な酸の余韻

#4:フィリポナ ル・レオン2006
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:4.25g/L
デゴルジュマン:2015年2月
価格:25,000円(税別)/生産本数2,085本
レ・サントルとともにデビューした3部作、特別区画のシャンパンのひとつ。
1522年からフィリポナが所有するグランクリュGC、アイ村の単一畑のシャンパン。第2フライトのなかで色調は一番濃く、気泡繊細。果実のコンポート、スモーキー、ミネラル、スパイス等、力強さと複雑味があり、余韻も長い◎

3部作のもうひとつは『マルイユ・シュル・アイ2006』で4つの畑のぶどうをブレンドしたスタイル。ドザージュ4.25g/L、限定2,304本、25,000円

#5:フィリポナ クロ・デ・ゴワセ モノポール2005
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:PN65% CH35%
ドザージュ:4.25g/L
デゴルジュマン:2014年11月
価格:28,000円(税別)/15,000~20,000本
フィリポナのフラッグシップ。14の区画のぶどうを使用。クロ・デ・ゴワセ(〝重労働〟の意味)は急斜面にはピノ・ノワール、上部と下部にはシャルドネを栽培。基本的にピノ・ノワールを重視、MLFは行いません。
熟成香、ミント、アカシアの蜂蜜、ナッツ、軽いタンニン、ふくらみがあり、時間の経過で複雑味、豊潤な余韻



『ル・レオン2006』は立派な木箱入り!
講座では料理研究家の笹島ゆりさんにお願いしてハンバーガーを用意しました。
パテは牛肉の薄切り(オージービーフと和牛をブレンド)を塩だけで味付け、チーズはギリシャのフェタを使用。。バンズのなかにはレタス、玉ねぎ、トマト、パテ、目玉焼き(クミンを効かせて)、フェタ、辛子マヨネーズ。
視覚通りの肩ひじ張らないマリアージュ。ノン・ドゼは温度が上がってから、さらに旨味が増し、包容力の大きさを実感。マグナムだったことも正解でした!
当日のベストワインは、どれも魅力的で、1アイテムにはだけには決められない難しさがありましたが、強いて言えば、ル・レオン2006です! 
太陽をしっかり受けたアイ村の完熟ぶどう、酸味は上品でおだやか。塩辛と合せても生臭さはなく、ハンバーガーにも寄り添ってくれる度量のシャンパンでした!

味わって損がないフィリポナのシャンパン、未体験の方には一度はお試しいただきたいと思っています!

 
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5月のシャンパン講座はパイパーとシャルルの両エドシック競演 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

パイパーとシャルルの個性の違い

新天地NHK文化センター青山校になって2回目のレッスン。フォーカスしたのはパイパー・エドシックとシャルル・エドシックでした!


4月1日からパイパー・エドシックの輸入元が日本リカーに変わりました。
先月中旬、シェフ・ド・カーヴのレジス・カミュさんが来日してセミナーを開催、内容がとても丁寧だったので、今月の講座で久々にパイパーを取り上げることに。日本リカーでは昨9月からシャルル・エドシックも取り扱っているので、両エドシックをじっくり比較することができました。ちなみに両エドシックは2011年からフランスのラクジュアリーブランド企業のEPIグループのメンバーです。

赤&金がブランドイメージ

カンヌ映画祭だけでなく、昨年2月からアカデミー賞の公式シャンパーニュになりました。レッドカーペットでセレブがたしなむシャンパンンのイメージですね。
ブランドカラーは赤とゴールド、ラベルかボトルのなかにそれらの色が使われています。赤は情熱、大胆、エナジー、遺産を。ゴールドは崇高、永遠、忠誠心を意味しています。

レジス・カミュ講師のセミナーでは4アイテムをテイスティング
1785年、フローレンス=ルイ・エドシックが毛織物とシャンパンの仲買を行うエドシック商会を設立。卓越したシャンパンとして評判になり、王室で愛飲されるようになります。そして1837年、フローレンスの甥アンリ=ギヨーム・パイパーが会社の後継者となり、2家族の名を冠したパイパー・エドシックが誕生しました。

パイパーの顔エッセンシエル・キュヴェ・ブリュット


収穫は通常9月ですが近年5回に1回の割で8月の収穫になることも。一方で2013年は10月だったそうです。NVのベースワインは2008年、リザーヴワイン(4~6年)11%添加。エッセンシエル・キュヴェ・ブリュットの裏ラベルにはこのシャンパンに関する詳細なデータが載っています。



カミュ:色調はグレー・ゴールド。色合いだけを見れば輝いていますが、この後出てくるアイテムと比べるとグレーの意味がおわかりいただけます。細やかな泡立ち、上品で爽やかなアロマ、ミネラル、ピノ・ノワールが際立っています。骨格、赤い果実、柑橘系のレモンやグレープ・フルーツ、青いリンゴや洋梨をかじった時の歯ごたえも感じます。カクテル、食前酒、食中酒に。お薦めはサラダや魚介類

ヴィンテージ2006、レア2002&ロゼ・ソヴァージュ

左から)エッセンシエル、ヴィンテージ2006、レア2002、ロゼ・ソヴァージュ

ブリュット・ヴィンテージ2006
ヴィンテージを造るか造らないかを決めるのはシェフ・ド・カーヴですが、カミュさんは「ヴィンテージもののほうがNVより造りやすい」と。ブレンドの妙をパズルに例えて、毎年同じ味わいのNVは100以上のクリュを使い、ヴィンテージものは17のクリュのブレンド。その巧妙さがカミュさんの主張したいところです。

ヴィンテージ・シャンパンが造れる年なのに、それを造らないことがあります。その理由はNVに使うリザーヴ・ワインとしてキープしておく必要があるからです。NVに使えるリザーヴ・ワインが多ければ多いほど豊かなシャンパンを造ることができるので、これがメゾンの要です。

カミュ:基本的にピノ・ノワールPNとシャルドネCHだけを使います。PNの比率が6割なのですが、2006年は例外。CHの出来が良かったので、CH51%、PN49%になりました。ヴィンテージをひとことで表現するなら、98年は繊細さ、99年は快活さ、2000年は完成度の高さ、2004年はマラソン走者(まだ半分くらいしか走っていない印象)、2006年は外交的(今飲んでも美味、長期保存も可能)

カミュ:色合いは光輝くゴールド。果実の存在感が際立っていてデリケート。オレンジの皮、アプリコットや桃を口に含んだ印象、ミネラル、肉付きの良さ、太陽を十分に受けたヴィンテージですが、フレッシュさも備えています。食事と合せるならリッチな味わいのもの、和食なら天ぷらを

レア2002

カミュさんは、「洋服なら、NVはプレタポルテ、ヴィンテージ・シャンパンは春秋の限定コレクション、レアはオートクチュール(手縫いのドレス)」と表現。1976年の初リリースから2002年の最新ヴィンテージまでで生産したのはわずか8つだけ。76年は干ばつだった年、79年は収穫が10月半ばで、85年はマイナス30度の激寒、以後88年、90年、98年、99年、2002年と続きます。

76年は長い猛暑で、フランスは前例のない干ばつに見舞われました。そのような極限状態のなかで、パイパーの関係者はメゾンにふさわしいシャンパンが造れるのか危惧しました。しかし、予想に反して、異例な年であるにも関わらず、素晴らしいヴィンテージ・シャンパンが完成。その事例から、できたシャンパンを〝レア〟と命名。パイパー・エドシックのトップ・キュヴェが誕生しました。

カミュ:2002年は〝豊かさ〟と表現できます。10年以上経過しているのに透明感があり、味わいはフレッシュ。細かな泡立ち。シャルドネの比率(70%)が多く、キウイ、パイナップル、パッション・フルーツ、マンゴー、ミネラル、ワールドスパイスの様々な香り。エレガントで洗練された味わい、長期保存できるヴィンテージ。フォアグラ、キャヴィア、魚介類では特に帆立、リッチな料理に合わせて

ロゼ・ソヴァージュNV
カミュ:NVのロゼなので毎回同じ味わい&同じ色合いにしなければなりません。赤は安定した色合いにするのが難しいです。非常に特徴のある色なので、ロゼ・ソヴァージュ=野生のロゼと命名しました。今から15年前に発表した時には多くの批判を受けましたが、今となれば、他のメゾンでも同じようなロゼを造っているので、早すぎた感があります。色調はルビー色、赤銅色、気泡は細かく、フルーティ、ブラッドオレンジ、胡椒、口中でも赤い果実やマイルドなスパイスの印象。アペリティフでも食中酒でも楽しめます。イチゴやフランボワーズのデザートにもお薦め

最後に・・・私はパイパー・エドシックはMLFをしていないメゾンだと思っていましたが、カミュさんに質問したところ、1990年から行っているとのこと。MLFをしていて、ここまでフレッシュ感があるシャンパンであることに誇りをお持ちでした。


冒頭のあいさつでダミアン・ラフォリCEO()は「日本リカーとのコラボレーションで新しい時代が始まる」とコメント。また、レジス・カミュ シェフ・ド・カーヴが伝説的な人物であり、インターナショナル・ワイン・チャレンジIWCで8回もスパークリングワイン、メーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことも紹介していました。



セミナー後、試飲会場でEPIグループの精鋭クリストファー・デスクール社長にご挨拶することができました。凄いメンバーに囲まれての光栄なるショット、ゴールドのティアラをまとったレア・ボトルの存在感も!
(左から)ロバート・レムナント シャルル・エドシック社オーストラリア・ニュージーランド・日本代表、クリストファー・デスクールEPI社長、レジス・カミュ シェフ・ド・カーヴ、ダミアン・ラフォリ パイパー・エドシック社CEO


ホットな情報を蓄えての5月のシャンパン講座@NHK文化センター青山
レジス・カミュさんはパイパー・エドシックとシャルル・エドシックの違いを次のように表現しました。
パイパーはフレッシュ、エレガント、クラシック。フルーティでストラクチュアがあり、さわやかさを備えたシャンパン。
シャルルは複雑味、クリーミー、美食と合わせて楽しめ、お菓子の世界を連想させるシャンパン。シャルル・エドシックの前シェフ・ド・カーヴの言葉を引用して「シャルルには4つ目の品種がある。それは〝時の流れ〟である」と語っていましたが、まさにその通りだと思います。
1995年が現行ヴィンテージというメゾンは、シャルルの他、ないのではないでしょうか。それだけ時を大事にしているメゾンです。そこが大好きです!

シャルル・エドシックについて書いた情報
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2015-10-09

パイパーvsシャルル

左から4本目)シャルル・エドシックのブラン・デ・ミレネール1995のコルク、長い!


#1~#6の順

第1フライト

#1:パイパー・エドシック エッセンシエル キュヴェ・ブリュットNV
生産者:パイパー・エドシック(NM)
ぶどう品種:PN60% CH15% PM25% (ベースワイン2008年)
リザーヴワイン:11%
ドザージュ:7g/L   デゴルジュマン:2012年10月 
価格:6,300円(税別)
気泡きわめて活発、みかんやグレープフルーツ、種の大きなアプリコットや洋梨、余韻に軽いビター感
#2:シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴNV
生産者:シャルル・エドシック(NM)
ぶどう品種:CH PN PM 各3分の1  
リザーヴワイン:40%(平均10年)
ドザージュ:11g/L
価格:7,500円(税別)
いつ飲んでも安定感のあるブリュット、中盤からの酸の印象エレガント、余韻に広がるふくらみ、上質感

第2フライト

#3:パイパー・エドシック レア2002
生産者:パイパー・エドシック(NM)
ぶどう品種:CH70% PN30%
価格:23,000円(税別)
色調はイエローゴールド、ドライフルーツ、ヘーゼルナッツ、白コショウ、ミントティー、時間の経過で複雑味

#4:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール1995

昨年11月訪問したシャルル・エドシックのシェフ・ド・カーヴ シリル・ブランさん
秘蔵のブラン・デ・ミレネール1985(旧ラベル)を抜栓してくださいました。
古酒の醍醐味、複雑味、私のなかでベスト・ワン、身に余る光栄な時間でした!

生産者:シャルル・エドシック(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:9g/L
価格:25,000円(税別)
色調ゴールド、気泡はワインに溶け込みクリーミー、ミルキー、果物のコンフィ(お菓子を連想)、焙煎香、品良く続く長い余韻!

第3フライト

#5:パイパー・エドシック ロゼ・ソヴァージュNV
生産者:パイパー・エドシック(NM)
ぶどう品種:PN50~55% PM30~35% CH10~15%/赤ワイン20~25%
価格:7,200円(税別)
過去に何度も試飲し、セミナーでも試しましたが、今までで一番状態が良かったです。目を瞑って飲めば、タンニンの要素も感じますが、ミネラル感と酸のバランスが良く、すごくエレガント。正直言って、今まで粗野な印象だったのですが、口当たりも良く上品な印象に。講座生からの反応も良かったです。肉系の料理で食中酒としてもお薦め
#6:シャルル・エドシック ロゼ・レゼルヴNV
生産者:シャルル・エドシック(NM)
ぶどう品種:白ワイン95%、赤ワイン5%(レ・リセ産のPN)のブレンド
白ワイン80%(PN PM CH3分の1ずつ)2008年VT、残り20%(PN CH)平均5年のリザーヴワイン
ドザージュ:11g/L
価格:9,500円(税別)
見事なサーモンオレンジ、グレープフルーツやアプリコットを思わせるきれいな酸が際立っていました。シャルル・エドシックのテイスティング・ルールは「まずロゼ」から、です。それは基本となるブリュット・レゼルヴNVが10年以上熟成させたリザーヴワインを40%使っているので重厚感があるので、それより少しライトなロゼからスタートする流儀です。
講座ではロゼ対決が第3フライトだったので最後に(シリル・ブランさん、すみません)! 


〝荘厳〟という形容がぴったりの2000年前に造られたクレイエール。ここでブラン・デ・ミレネールが眠っています。カーヴの奥がシャンパンのボトル型に見えませんか?
トップ・キュヴェ、ブラン・デ・ミレネールのホワイトボックに、このイメージが使われています。

製品の問い合わせ先は日本リカー ℡03-5643-9770


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