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Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year2016の覇者はカンテサンスの井黒 卓選手! [ポルトガルワイン]

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Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year2016の熱い戦いが終わりました。結果については(一社)日本ソムリエ協会のHPに掲載されていますが、栄えあるトロフィーを勝ち取ったのは東京・カンテサンスの井黒卓選手でした。おめでとうございます!

準決勝には11名がチャレンジ
八芳園で行われた非公開準決勝(プレスのみ公開)には、予選を通過した11名の選手がチャレンジ。2つの部屋を同時進行で使用、試験はすべて英語での問答でした。
ここでは全体の流れをお伝えさせていただきます。

Aの部屋は石田博副会長と同コンクール2014の優勝者星山厚豪さんが担当
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設問1:7種のブラインドテイスティング

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No1のオルタ・オゾリオ・ワインズ リザーブ・ホワイト2014についてはフルコメント、No2のヴィーニョ・ヴェルデからNo7のトウニーポートまではDO(リージョン)、ぶどう品種、ヴィンテージについて答える(6分)

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井黒選手にはリズム感がありました!

設問2:ブレンドワインおよび土着品種について述べるプレゼンテーション(4分)

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ワインの温度管理やセッティングの裏方を担当した北康信理事


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Bの部屋は佐藤陽一理事と加茂文彦理事が担当

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テーブル上には2種のグラスとエッグタルト

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設問1:ブランディーズのセルシアル10年(最左)とマルムジー10年(右隣)にデザートを合せてハーモニーを答える(5分)
設問2:ワインリストの間違い探し 指摘すべき個所は全部で14 (3分) 
設問3:画像を見て人物や施設等を答える(2分)

決勝進出者は5名
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左から)塚元晃、岩田渉、森本美雪、定兼弘、井黒卓各選手が公開審査に臨みました!

設問1:6種のブラインド DO(リージョン)、品種、ヴィンテージを答える(3分)
No1のルイス・パト マリア・ゴメス・ホワイト2014からNo6のルイス・パトヴィーニャ・バローサ2013まで(前掲の2種のマディラと一緒に写っている右側の6本

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紅一点だった森本美雪選手

設問2:ポルトガルのファルカン会長が出題、ワイン(ランサーのロゼ)を日本に輸入するのであなたの考えやアドバイスを(3分)

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設問3:ポルトガルのサルバドール女史が出題、リストから3種のポルトガルワインを選び、スペシャルディナーメニューを提案する(2分)

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設問4:7種の強化ワインから1本を選んで子豚のローストとのベストマリアージュを提案 (2分)

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塚元選手が選んだのはホワイトポート

設問5:ヴィンテージポート1970のサービス実技 (3分)

前回も入賞したベテランの定兼選手
制限時間3分で、抜栓からグラスに注ぐまでの一連の作業を完遂できた選手は残念ながら・・・

表彰式
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森覚技術研究部長のMCで、審査員が紹介されました。
(左から)ポルトガルからはポルトガルワイン委員会のヌーノ・ヴェイルマーケティングディレクター、同エデュケーターのソフィア・サルバドールさん、インスティテュート・オブ・ワイン・アンド・ヴァインのフレデリコ・ファルカン会長。日本ソムリエ協会からは石田、佐藤、加茂、星山各審査員

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ファルカン会長はポルトガルが多様性に富んだ国であることを強調。その1つが設問にも出ていた品種の多さで、ポルトガルには認定品種が343種あり、そのうちの250種が固有品種。種類の多さでは世界で3番目だそうです。

「ポルトガルにとって日本は大事な市場であり、日本への輸出量も良好で、今後数年間で18%増が予測されています。両国の長年の友好関係から、ポルトガルは日本の強力なパートナーになり得ると信じていますし、我々が特異な存在であることを示し、ぶどう品種やワインについてのトレーニングを推進していくことは両国の利益になると確信しています」という言葉であいさつを締めくくりました。

発表は1位から5位の順で
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右から)2016年の優勝者は井黒選手!
2位岩田選手、3位塚元選手、4位森本選手、5位定兼選手に決定しました。

~ ワインは人を楽にしてくれる、落ち着かせてくれる、緊張を和らげてくれる、そして寛大にしてくれる ~

ファルカン会長があいさつの中で引用したベンジャミン・フランクリンの格言です。
ポルトガルワインへの思いを込めて戦った若き精鋭たち、コンクールに関わったすべての方々、激戦を観戦したワインラバーの皆さまに贈るにふさわしいエールだと思いました。
お疲れ様でした!

あとがき
準決勝では2つの部屋が使われていたので、すべての選手の健闘ぶりは拝見できませんでしたが、Aの部屋では固有品種の多さ、ポルトガルの伝統であるブレンドのメリット、近年バガ種を代表に単一品種で造るワインも生産されていることに言及した選手もいて、短い時間を有効活用した選手の存在が光りました。

Bの部屋ではマディラの10年もので、セルシアルとマルムジーと言い当てた選手がいました。残糖、酸度も的確だったので慣れ親しんでいるアイテムだったのかも知れません。エッグタルトと合わせた時にセルシアルだとシトラス、酸のニュアンスを感じるので、ジャム等を添えることで、バランスが良くなると言及した選手も。トースト、キャラメルの要素がある2(マルムジー)とタルトとの相性を薦める選手が多かった印象

決勝ではランサーロゼについての特徴、加えて、泡ものはワイン入門者にはスタイリッシュなので薦めやすいこと、日本では桜の季節にロゼが好まれること、女子会にもお薦めできる等のコメントでプレゼンテーションしていた井黒選手の目配り(ゲスト2名の顔を交互に見ながら)も含めた自然体の演技が印象的でした。
日本の若手のソムリエさんの、世界を視野に入れた今後の活躍に期待したいと思っています。

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