今年の〆講座は3年ぶりに来日したミッシェル・ドラピエ当主から伺った情報を盛り込みながら [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]
2022年12月21日&28日の2講座が無事に終わりました。
特に第4週にご参加の皆様には師走のお忙しい折にご足労をおかけしました。
改めて御礼申し上げます🥂
試飲したのは息子世代が手掛ける新キュヴェと4ミレジメ
7代目ミッシェル・ドラピエ当主の3年ぶりの来日
11月30日に開催されたシャンパーニュ騎士団@マンダリンオリエンタル東京(右)
12月2日輸入元テラヴェール主催で行われた来日ディナー@caveman(中央)
帰国後、送ってくださったポストカード(左)
3年ぶりの笑顔の再会でした
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
フランスに戻られて、すぐ書いてくださったご丁寧なるおハガキ
細やかなお気遣いをしてくださるミッシェル当主のお人柄が伝わってきます。
コート・デ・バールのウルヴィルが拠点のメゾン 1930年初頭、ミッシェル当主の母方の祖父が初めてピノ・ノワールを植樹
今ではドラピエの70%をピノ・ノワールが占めています。
110㌶の畑を所有しており、内訳は60㌶が自社畑、50㌶が長期の契約畑。
除草剤や殺虫剤は一切使用せず、2頭の馬と電動の機械で耕作
基本的に畑の管理は手作業
ソーラー・パネルで蓄えた電力の75%は自家用として賄っています。
栽培しているのは7品種、ブラン・ヴァリ(ピノ・ブラン)
ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、フルマントウ(ピノ・グリ)
シャルドネ、アルバンヌ、プティ・メリエ
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シャンパーニュ委員会CIVCが規定しているぶどう品種は7つです。
品種の呼称に関する公式見解は以下の通りです。
ブラン・ヴァリやフルマントウの呼び名はシノニムになるので、
CIVCの正式な呼称は、ピノ・ブラン、ピノ・グリになります。
第1フライトは最新キュヴェ
#1:ドラピエ クラレヴァリNV
ぶどう品種:PN75%、M10%、CH10%、ブラン・ヴァリ5%
ノン・フィルター
ドザージュ:4g/L
価格:8,800円(税込)
気泡は極めて細やか。フラワリーな香り、柑橘系果実から黄桃、アプリコット、マンゴー等、グラス内の温度変化で様々な果実のニュアンスが広がり、キンメリジャン土壌由来のミネラル感も! 余韻は中程度、軽快にフィニッシュ。口中に残る塩味は和の要素の料理と合わせて楽しめそうな印象
2016年からメゾンに参入した長女シャルリーヌさんはラべル等のデザイン&マーケティング。#1のラベルも彼女が描いたもので、12世紀、聖ベルナールが遺した聖書をイメージして作成。長男ヒューゴさんは栽培と醸造、動物好きの次男アントワンヌさんはビオディナミをそれぞれ担当しています。8世代目の彼らが取り組んでいることの1つが古代品種を使ったアイテム。余談ですが、当主には、(12月初めの時点で)生後4ヵ月から4歳までの孫たちが4人いるとのこと、9代目の成長が楽しみです!
ドラピエでは20年以上前に古代品種に興味を持ち植樹を開始。研究と実際の栽培と醸造を通して、その特性を学び、2019年にトロ・アン・フォウをリリース
ドラピエが所有する歴史あるカーヴ
裏ラベルに詳細が記載してあります。
上記は来日した当主がディナーの折に語ってくださった内容をまとめました。
気泡の細かさの理由
ドラピエのシャンパーニュは基本的にノン・フィルターです。「フィルターを掛けないことで、ワイン中にはプロテインが多く残ります。プロテインの分子は規則的に並んでいるので、それらが、気泡の発生を良い意味で邪魔をするので、泡自体が細かくなります」とミッシェルさん。今講座で改めて、気泡の細かさを注意深く観察してみましたが、お言葉通りでした。プロテインと気泡の粒の関係について、より詳細な説明を伺っているので、年明けに、お返事が届き次第、加筆します!
第2フライトはトップキュヴェのグラン・サンドレ
ウルヴィルの単一区画、命名は1838年の大火で焼灰に覆われた区画に由来
灰はCendre、土地登記簿上の綴りの誤植でCがSに
#2:ドラピエ グラン・サンドレ2012 新ヴィンテージ
ぶどう品種:PN55%、CH45%
ノン・フィルター
ドザージュ:5.5g/L
価格:18,000円(税込)
#3:ドラピエ グラン・サンドレ2009 蔵出し
ぶどう品種:PN55%、CH45%
ノン・フィルター
ドザージュ:5.5g/L
価格:18,000円(税込)
ドラピエのトップキュヴェならではの品格があり、最新の2012年と3年違いながら静かに時を重ねた2009年にはそれぞれの魅力がありました。2012年は若さがあり、ひとことで形容するなら“アロマと酸味”、2009年は“厚みと熟成感”。旨味、ミネラル、余韻の長さは2つのグラン・サンドレの共通項。2012年と2009年を利き比べできたことがラッキーだと思いました。
シャンパーニュ騎士団のディナーではミッシェル当主自慢の『グラン・サンドレ2008 マグナム』が登場しました。酸が活き活きしていて、底知れないポテンシャルがありました。
第3フライトは特別なミレジメ
通常カルト・ドールはNV、良年にのみ例外的にミレジメを生産
#4:ドラピエ ミレジメ・エクセプション2015
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ドザージュ:5.6g/L
価格:9,800円(税込)
ウルヴィル周辺の自社畑の中で樹齢の古い区画のぶどうを使用
熟成はステンレスタンク、40%樫の大樽、100%MLF
ドザージュは20年間熟成させたリキュールを使用
豊かなアロマ、溌剌とした酸、土壌由来のミネラルとぶどう本来の凝縮感、軽いビター感
軽やかでエレガント、超カリテ・プリなアイテム
#5:ドラピエ カルト・ドール ミレジメ・クラシック2002
ぶどう品種:PN75%、CH15%、M10%
ノン・フィルター
ドザージュ:4.5g/L
価格:15,000円(税込)
黄金色、第一香は若干シェリーや紹興酒似の酸化熟成したニュアンス、焙煎香、モカ
ココア、黒糖、ドライフルーツ、エスニックスパイス、中華料理に合わせたいアイテム
2022年の講座を締め括るにふさわしい20年経過したシャンパーニュ!
温度があがってもブレない酒質、価格的にもリーズナブル
新年のお祝いの席や仲間との集いにドラピエは超お薦めできます!
hakoさんのブログに全ボトルの裏ラベルがしっかり載っています。
ありがとうございました!
輸入元:テラヴェール株式会社 / https://terravert.co.jp/
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シャンパーニュ委員会CIVCの代表来日
左からシャルル・ゴエメールCIVC事務局長
共同代表のダヴィッド・シャティオンUMC(メゾン組合NM)会長と
マクシム・トゥバールSGV(ブドウ栽培・醸造業者組合RM)会長
CIVC日本事務局代表の笹本由香理さん
「日本とシャンパーニュは距離的には離れていても文化的には近い」と代表メンバー
フランス国内の売上のシェアは約37%、EUは20%、それ以外のエリアは43%
2021年日本向け出荷量は1381万本、3億5400万€
代表メンバーは「他国と比べてコロナ禍以前の勢いに戻るのが少し出遅れた印象。
2022年の日本については20%UPを予想しています」とコメントしていました。
✥2022年はルイ15世の戴冠式の晩餐会でシャンパーニュがはじめてゲストに供された
記念すべき300年目の年
✥シャンパーニュの2021年の出荷量は3億2000万本、売上総額は57億€
✥メンバーの父親の代は通常10月収穫だったが、この10年間を見ると「8月収穫が4回」
✥2022年の収穫は質も量もずば抜けて素晴らしい年
2021年の出荷TOP3は米国、英国、日本
第1位 米国は7億9349万€(前比158%)/3412万本(164%)
第2位 英国は5億358万€(前比149%)/2988万本(前比141%)
第3位 日本は3億5400万€(前比131%)/1381万本(前比128%)
※第4位はドイツですが金額をみると2億193万€で日本と大きな差があります。
ドイツは基本的にNVが多く、日本はプレステージが多いのが理由です。
✥CIVCの新HP: https://www.champagne.fr/ja
今回が今年最後のブログになります。
拙ブログにお立ち寄りくださいましてありがとうございました!
秋以降、来日者やリアルでのイベントが多くなりました。
内容の濃いリポート山積みなので、2023年1月からサカサカとアップしてまいります。
引き続き、宜しくお願いいたします。
皆さま、どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ!!
香りがダメなので今年も先生のブログで目を楽しませて頂きました。
来年もよろしくお願いいたします。良いお年を!
by gillman (2022-12-31 10:31)
gillmanさんの嗅覚が少しでも改善されることを願っていますが、
まだ少し時間がかかりそうですね。
ワインの香りと味わいをご堪能いただける日を心から願っています。
脳と嗅覚は密切な関係があるので、それらを刺激するような
画像をたくさん撮るようにします。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ!!!
by fumiko (2022-12-31 12:36)