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エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENV2018 同行取材リポート <その2> [エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー2018]

エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー2018の2日目の報告
Duckhorn 3 Palms Vineyard ぶどう畑ツアー


ナパ・ヴァレーのメルロを世に知らしめたダックホーン・ヴィンヤーズは1976年、ダン・ダックホーンとマーガレット・ダックホーンが設立しました。四半世紀にわたり、ボルドー品種の生産者として地位を確立してきましたが、2017年にはピノ・ノワールで一世を風靡したカレラ、今年の7月にはソノマにあるピノ・ノワールの造り手コスタ・ブラウンを買収、新たな広がりを見せています。

銘醸畑スリー・パームス・ヴィンヤード

photo by Masatoshi UENAKA
3本のヤシを背景にメンバー全員で記念ショット


記念にいただいたロゴ入りグラス


ふるまってくださったワインはメルロ スリー・パームス・ヴィンヤードの2015VT
2014年VTは昨年『ワイン・スペクテーター誌』のTOP100の第1位に選ばれています!


畝ごとに品種、植樹年、台木等の記載が



土壌の構成、台木による根の伸び方の違い等を観察

畑で説明を受けている間(15時前後)、ダッチヘンリーキャニオンからの風が吹き込んでいました。ICレコーダーの録音が聞き取りにくいほどの風の勢いで、身体より機器のほうが敏感に風力を感じ取っていました。毎日同じ時間に吹いてくるので、これがぶどうを守る大事な要素になっています。


 
アメリカ市場では、この4年間で、プレミアムクラスのメルロが伸びているそうです。
「カベルネ・ソーヴィニヨンがダントツですが、メルロが躍進していてレストランでもオンリストされています」とダックホーンのトレード・リレーションズ&エデュケーション・マネージャーのケイ・マラスケさん(画像左

折角の機会だったので、映画がらみの質問をさせていただきました。
「2004年に公開(日本は2005年)された映画『サイドウェイ』では、主人公がメルロ品種を酷評していましたが、ダックホーンでは映画の影響を受けましたか?」と。
「あの映画以降、市場ではメルロの消費がダウンしました。メルロにそれほど力を入れていなかったワイナリーは植え替えを余儀なくされました。弊社では特に大きな影響は受けていません。あのような出来事があったからこそ生き延びてこれたのだと思っています。メルロに特化することで、秀逸なメルロを造るワイナリーとして認知されています。その結果として、昨年はWS誌ベスト100の第1位に選ばれました。それと・・・今の若い人たちは14年前の映画のことは知らないと思いますよ」とケイさん。自信に満ちたお言葉!


イノベーションとテクノロージー Keever Vineyards

ヨーントヴィルのヒルサイド、標高300フィート(約92m)に位置する『キーヴァー・ヴィンヤーズ』はボーダフォンアジアの元CEOウィリアム・キーヴァーさん(中央)が興した極小規模ワイナリー。左隣は案内役をしてくださったご子息のジェーソン・キーヴァーさん、右隣は奥さま



訪問のテーマは“イノベーションとテクノロジー”
以前牧場だった場所を購入して、2000年にぶどう樹を植樹。2005年に山の一部を掘り起こし、2006年にカーブが完成。醸造施設も同年から稼働、重力を使ったグラビティー・フローで、年間約24,000本を生産しています。



ヴィンヤード・マネージャーはグレース・ファミリーやスクリーミング・イーグル等の超著名ワイナリーにぶどうを供給をしていたジム・バーバーさん。ワインメーカーはハーバーさんと交流があったセリア・ウェルチ女史(2002年から同ワイナリーに就任)、新カルトワイン『スケアクロウ』の醸造家として知られています。
『スケアクロウ』は2011年2月のワインオークションで、史上最高額で落札され、2014年にはさらに落札額が更新され、新カルトワインとして大ブレークしました。同時にウェルチさんの名も知れ渡りました。

スケアクロウのオーナー、ブレッド・ロペス&ミミ・デブラシオご夫妻が2014年に来日した折、インタビューさせていただきました。ロペスさんはウェルチ女史について、「感性、直観力、洞察力、判断力のある女性です。自分がワインメーカーであるということを前面に出してくるような人ではないところも魅力です。何より人間性があります」と語っていました。


4台の光学式カメラが付いた選果台、1時間に2トンのぶどうをチェック


メイン品種のカベルネ・ソーヴィニヨンには5つのクローンを使用
「クローン7には台木101-14、337には101-14、そしてENTAV191、同341、同33には110Rを使うことでより根が深く伸びます」とジェーソンさん


フラッグシップのカベルネ・ソーヴィニヨン2014
深みのあるガーネット、ブラックベリー、プラム、甘草、ミント、タンニンの木目は細かく、口中でヴァニラ、モカ、重厚さと繊細さが同居!


Panel discussoin and tasting パネルディスカッション&テイスティング
マット・スタンプMSをモデレーターにして、6名のパネリストと共に6種の異なるAVAのカベルネ・ソーヴィニヨン(5)&カベルネ・フラン(1)を試飲。ナパヴァレーのテロワール、AVAがもたらすワインのスタイル等を学習


(左から)
トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤーズのジョン・ルエルCEO、イタリックス・ワイングロワーズのテイラー・マーチン マネージング・パートナー、ホワイトホール・レーンのジェイソン・モールトン ワインメーカー、マット・スタンプMS、ガリカのローズマリー・ケークブレッドオーナー&ワインメーカー、アキュメンのヘンリック・ポウルセン ワインメーキングデイレクター、ヘス・コレクション・ワイナリーのデイヴ・ガフィーワインメーカー


すべてのワインは2014年ヴィンテージ
選択理由についてスタンプMSは「現行VTであり、個人的に好きなVTだから」とコメント


ナパ・ヴァレーのAVA

ナパ・ヴァレーはサンフランシスコまで77km、太平洋まで58km、北に行くほど暖かく、標高が高いほど日照が長い。毎朝の霧(標高180~300m辺りまで)とサンパブロ湾からの涼風の影響大。大まかに言って山のエリアは斜面に張りつく表土の浅い岩まじりの土壌で、ぶどうは小粒で凝縮感がある。ワインのスタイルは複雑なアロマとしっかりしたタンニンが特徴。段丘(べンチ)エリアは岩まじりで水はけの良い土壌、ワインのスタイルは果実味が豊かで、山のエリアほどタンニンの存在感はない。ヴァレーフロアはナパ・ヴァレーの川岸に堆積したシルトや粘土の土壌で、ワインのスタイルはフレッシュな酸と豊かな果実味。


(左から順に)
#1:トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤーズ CS オークノール地区 
今年創業50周年を迎えた家族経営のワイナリー。AVAのなかでは冷涼な産地、ぶどうはすべて自社畑のもので、「灌漑の量を減らし、収量を減らすことで質の良いぶどうを造る」とルエルCEO。ワインはフラワリーでプラムやブラックベリーのニュアンス、果実本来の豊かさ、程良いタンニン、冷涼エリアならではの酸に由来するフレッシュ感

#2:イタリックス ワイングロワーズ エステイトCS クームスヴィル
日本未入荷のワイン
パネラーのテーラー・マーティンさんはテキサス出身で農業に従事、クームスヴィルの可能性を信じて家族でナパに移住。若いワイナリーなので供出ワインも2年目のVT。ワインは自社畑の1990年代のぶどう樹と2008年に植樹したぶどう樹からとれたものブレンド

クームスヴィルについて
2012年に認可された一番新しいAVA。認可前までは知名度が低かった。火山の爆発で地殻変化が起き、それによって水流が遮られた。250m前後の場所に火山灰がつもり、サンパブロ湾からの風によりダストが流れ込み、標高の異なる丘のような地形が生まれた。サンパブロ湾からの風の影響を受ける冷涼な産地。
「AVAの認可が出なかったのは水に恵まれず、火山灰の影響が多すぎてぶどう栽培にマイナスと思われていたからで、近年の動き・・・クームスヴィルがボルドーブレンドに適した可能性があるということと、テクノロジーの進化により、水の供給ができるようになったことから、認可に至りました」とマーティンさん

#3:ホワイトホール・レーン CS ナパ・ヴァレー
ぶどう畑はラザフォードとセントヘレナの境目にあり、2つのプレートがぶつかり合ったことで、異なる土壌が形成された。ラザフォードにある畑は小石まじりの粘土質ローム層で、セントヘレナにある2つの畑のうちのひとつはラザフォードと同じ小石まじりの粘土質ローム土壌で、他方の畑は小石まじりの砂質土壌。
CS100%で、27ヶ月樽熟(65%仏産オークの新樽)、 「最初に口に含んだ時からミッドパレット、余韻までアロマやフレーバー、すべてにおいてバランスが取れているワインが理想」とモールトンさん

#4:ガリカ CF オークヴィル
当日のマイベスト。願わくば、ローズマリーさんのCSを体験したかったです。
赤系果実、土壌由来の清涼感、ナパの秀逸な女性メーカーが造るエレガントなCF!
ローズマリーさんはスポッツウッドのワインメーカーとして活躍の後、直近の12年間は自身のブランド『ガリカ』でワイン造りに専念。「カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配によって誕生したのがカベルネ・ソーヴィニヨンなので、ここでは親であるカベルネ・フランにフォーカスするのも面白いのでは」と。

オークヴィルのAVAはマヤカマス山脈からヴァレーフロアを通り、ヴァカ山脈までの東西にわたる広範囲なエリア。基本的にCS、CF、SBを栽培。CFは晩熟で収穫はCSが終ってから。300Lの樽で約18ヶ月熟成。CFはフローラルな香りが特徴、ヴァカ山脈の標高450mで栽培しているCFで、土壌は茶色を帯びた火山灰土壌。保水性に富んだ土壌はCFとの相性が良い。
子供の頃、調布のアメリカンスクールに通っていたというローズマリーさん。日本語は懐かしい響きだったようです。

#5:アキュメン・ピーク CS アトラスピーク
日本未入荷のワイン
標高は450~700m、霧は300m以上には届かないので、霧の上にある畑のぶどうは日照を浴び続け、果皮は厚い。「タンニンは果皮と種から抽出されるので、収穫時期を見極めないとタンニンが出過ぎてしまう」とポウルセンさん。日照には恵まれるが、風が吹き抜ける環境なので、気温はそれほど高くならない。ゆえに、ぶどうはゆっくりと熟す。
ナパワインの3%だけが、標高300m以上のエリアから生産されている。土壌は65%以上が岩で構成されている。雨が降っても岩が多いので、水はけは良い。アトラスピークのワインの特徴はpHの低さ。

#6:ザ・ヘス・コレクション ザ・ライオン CS マウント・ヴィーダー
マウント・ヴィーダーは85%が自然のままの状態で残っているエリアで、多様性に富んでいる。標高は約182~730mなので、水の確保が難しい、雨水を貯水した池を造り、水源を確保。土壌は粘土ローム層で、水ハケが良い。マウント・ヴィーダーはナパヴァレー全体のわずか1%の生産量。ヘス・コレクションのトップ・レンジ『ザ・ライオン』は82%CS、17%マルベック、1%PVのブレンド、仏産オークで22ヵ月熟成(新樽65%)、
黒系果実や甘草、ダークチョコ、タンニンの存在感もあり、6アイテムのテイスティングの最後に相応しい重厚さを備えたナパのカベルネでした!



Featuring white wines 白ワインに注目

1977年、創始者ピーター・ニュートンはセントヘレナの西に位置するスプリング・マウンテンの斜面の土地約260㌶を購入して『ニュートン・ヴィンヤード』を設立し、自然と一体となったワイン造りをしています。



中国人の奥さまは、日本への造詣が深く、庭園には赤い鳥居も!
映画『ブラック・レイン』には、この鳥居が出てきます。また、ワイナリーや赤ワインの『パズル』は映画『サイドウェイズ(日本版)』に登場しました。


ウェルカム・ドリンクは『ニュートンアンフィルタード シャルドネ2015』


日差しに映えて輝くシャルドネ!
ニュートンはカリフォルニアのアンフィルタードワインの第一人者


この日のテーマは白ワイン。参加ワイナリーのサン・スペリー(ラザフォード)のソーヴィニヨン・ブラン、Y.ルソー・ワインズ(クームスヴィル)のシャルドネ、ケネフィック・ランチ(カリストガ)のローヌ・ブレンドにフォーカスしました。


ホストはニュートンのジャン・バティスト・リヴェールエステートディレクター


シャネルが所有する『サン・スペリー エステート&ワイナリー』
エマ・スワンCEOは、「ワインは自社畑のぶどうのみを使い、ナパ・グリーン(環境保護プログラム)の認証も受けています」とコメント



ピーチのソテーにマーシュ(ハーブ)、ヘーゼルナッツ、ブッラータチーズを添えた前菜&サン・スペリー『ダラーハイド・ソーヴィニヨン・ブラン2015』とのマリアージュ。パッションフルーツやグレープフルーツの香り、爽快感、樽由来の安定感、旨味があり、食材とワインの各要素がバランスよく調和していました。

日本未入荷のY.ルソーは『三銃士』にちなんだラベル


左がランチに供出された『Milady ミレディ、クームスヴィル2016』、右(参考)はタナ種主体のら『Musketeer』
ミレディというネーミングと絵柄を見て、「あれ?!」と思い、サイトで他のボトルをチェックしたところ、銃士や太陽王(ルイ14世)の名が付いたワインがありました。余談ですが、2001年のアメリカ映画『ヤング・ブラッド』の原題は、タナ種を使ったワイン名と同じMusketeer(マスケット銃士)。映画もアレクサンドル・デュマの三銃士を基にした冒険活劇でした。
オーナー兼ワインメーカーのヤニック・ルソーさんはフランス出身なので、母国とナパの個性を反映させたワイン造りをしていますが、三銃士に絡むラベルから母国愛が伝わってきます。

『ミレディ』は奥さまお気に入りのワインとのこと。クームスヴィルはカーネロスに次いで涼しいエリアで、シングルヴィンヤードのぶどうは樹齢50年。樹が古いので灌漑の必要はなく、根はかなり深くまで伸びています。ワインは11ヶ月熟成(新樽率17%)、ノン・フィルター、ノン・マロ、トロピカルフルーツや洋梨、ジャスミンのニュアンス。謎を秘めたミレディのように一面だけではない要素を備えたワイン!



ケネフィック・ランチの2代目クリス・ケネフィックさん
1970年、神経外科医だった父親トム・ケネフィック博士がナパヴァレーを初訪問。この地に魅せられ、1978年にぶどう畑を開墾し、収穫したぶどうを販売。90%以上をナパのトップワイナリーに売っていたが、2002年に満を持してファミリー名を付けたワインを生産。年間3000ケース。50㌶強の自社畑にはボルドー品種(CS、CF、ME、PV、マルベック、SB)とローヌ系品種(グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、マルサンヌ)を植樹。

登場したワインはローヌブレンドの『2015ピケット・ロード ホワイト、カリストガ』、カリストガはナパの南に位置する温かなエリア。自社畑のぶどう100%で、グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、マルサンヌの混醸。2006年が初リリース。数年使用したフレンチオークで7ヶ月熟成、出しゃばらず、料理に寄り添うタイプ


特別の日の特別なワインということで1986年の3Lボトル登場



30年以上の熟成を経たシャルドネは黄金色に輝き、蜂蜜や砂糖漬けの果実、ヘーゼルナッツ、白コショウ、ミネラル感、層になって広がる味わいの複雑味と長い余韻、大容量ボトルでの熟成からくる若さも魅力


「ニュートンの原点となるワインです」とワインメーカーのアルベルト・ブランチさん


意外な品種を楽しむディナー@Favia ファヴィア

(左から)アレハンドロ・ブルゴローニ・エステートのマシュー・サンズアシスタントワインメーカー、ファヴィアのアンディ&アニー夫妻、マサイアソンのスティーヴ・マサイアソン ワインメーカー


ローヌ系の白品種に使っているという卵型のコンクリートタンク
バイ・ザ・グラス優秀店のメンバーが記念のサイン!


歴史を感じさせるエントランス
ウェルカム・ワインはファヴィアのSB



2003年にアンディ&アニー・ファヴィア夫妻が興したワイナリー『ファヴィア・エリクソン・ワイングロワーズ』
アンディさんはフランスで国際政治学を学んでいた折、ワインと食の融合に目覚め、帰国後、UCディヴスに入学。醸造学を履修し、ワイン界に参入します。アニーさんは大学卒業後、ニュートン・ヴィンヤードで醸造のキャリアを積み、栽培を学ぶために大学に再入学して学士号を取得。2003年にふたりは自らのブランド、ファヴィアを立ち上げ、“ソウルフルなワイン造り”を哲学をモットーにして、今に至っています。



ローストしたアーモンドやスパイシーなナッツが入った一皿、シソや黒ゴマなどの和食材がアクセントに。リボッラ・ジャッラのミネラル感、ヘーゼルナッツや白コショウが料理の隠れた要素と相乗してナイス!



マサイアソンのリボッラ・ジャッラはイタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州と隣接するスロべニアに共通する土着品種リボッラ・ジャッラ100%のオレンジワイン。ぶどうは全房のまま、開放型のステンレスタンクで発酵させ、その後、プレスして、旧樽で20ヶ月熟成、生産本数3792本



日本未入荷のアレハンドロ・ブルゴローニのカベルネ・ソーヴィニヨン2015
ラベルの質感は上等、ボトルは超重量級、ワインは濃厚で重厚。ワインメーカーはフィリップ・メルカ&コンサルタントはミシェル・ロランで、ともにロバート・パーカーJr好みの方々。オーナーのアレハンドロ・ブルゴローニさんは弁護士で起業家とのこと。ディナーのメインは上質なラムでしたが、ワインのパワーに押され気味


デザートはスフレスタイルのチーズケーキでアプリコットジャム添え
ここでは意外な品種としてセミヨンのオレンジワイン登場!



ナパで密かなブームになっているのがセミヨン品種!
7年間樽熟させた『ルーム』はシェリーのアモンティリャードやオロロソを彷彿とさせる香り。樽由来の甘さもあり、中盤以降、酸のニュアンスも。テーマだった“予想外の品種”の〆にふさわしく、ふわふわ感のあるチーズケーキ(脂分と甘味)とアンズ(甘味と酸味)の組合わせが、予想外に面白いマリア―ジュになりました。
「クレージーなソムリエが来たら開けようと思っていた」とアンディさん
参加メンバーのなかにビンゴのソムリエがいたようで(笑) そのお陰で、私たちは数量限定の1回限りのスペシャルワインを味見することができました。
ありがとうございました!


なが~い報告になりましたが、2日目が終りました。
それでは、3日目に向けて移動しますね!


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エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENV2018 同行取材リポート <その1>   [エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー2018]

最初のミッションはゴールデンゲートブリッジで

photo by M.Uenaka
エクスペリエンス・ナパ・ヴァレーENVについてはプロローグで全体の流れをご紹介したので、今回からは順を追ってリポートしていきます。
羽田組がサンフランシスコ到着後、最初に受けた使命は、強風のゴールデンゲートブリッジで記念撮影!



画像協力:NVV
この日は眠くても寝てはダメ、ENVのプログラムに備えてお勉強
講師はシレノス・ワイナリーのゼネラル・マネージャー、スコット・メドウさん。英語でのご挨拶の後、あらら、こてこての関西弁でプレゼンテーション、メンバーからは大受け。

スコットさんは30年ほど前、日本で7年間生活なさっていたそうです。日本で飲んだ『Chラフィット・ロートシルト1977』に感銘を受け、ワインにめざめ、帰国後、ワイン業界に参入。セミナーではご自身のワイン遍歴を盛り込みながら、ナパの歴史、テロワール、AVA等について解説。ここで学習したことはツアー最後の修了試験に出ました!

遊びと学習の一体化“ピザペアリング・ウェルカムディナー”

ガーギッチ・ヒルズ・エステート訪問は9年ぶりなのでとっても楽しみでした!
2003年からぶどうはすべて自社畑100%、オーガニックの認証も受けています。


ワイン界に大旋風を巻き起こした1976年のパリ・テイスティングで、白ワインのトップに選ばれたのがミリェンコ・マイク・ガーギッチさんが手掛けた『シャトー・モンテレーナ・シャルドネ1973』

マイクさんは1977年の独立記念日にコーヒー業を営んでいたオースティン・ヒルズと一緒に『ガーギッチ・ヒルズ・セラー』(2007年にワイナリー名を変更)を設立。以後、“King of Chardonnay”と呼ばれるようになります。当日、我々を迎えてくれたワインもマイクさんとは切り離せないガーギッチのシャルドネでした!

クロアチア原産のぶどう品種ジンファンデル
IMG_8336.JPG
マイク・ガーギッチさんの故郷はクロアチア、ラベルの左下には国旗も
ぶどう品種はジンファンデル98%、プティ・シラー2%、フレンチ大樽15ヶ月熟成

愛娘バイオレットさんは「クロアチア出身の父がナパに来て、初めての朝、目の前にあるぶどう樹(ジンファンデル)が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリに似ていたので、父はこのぶどうがクロアチアの樹に違いないと思いました。その後、長い年月をかけて、UCデイビス校がDNA鑑定を行い、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが判明しました。ジンファンデルは私たち家族の思いが詰まったぶどう品種です」と語り、続けて、「私たちのジンファンデルは軽やかでエレガント、酸もきれいで果実味があり、どのような料理にも合わせられるのが特徴です。赤ワインが苦手とおっしゃる方にも飲んでいただけるワインです」と。


クロアチアはアドリア海を挟んでイタリアの対岸
1994年、UCデイビス校のキャロル・メレディス博士によるDNA鑑定でイタリアのプリミティーヴォ種とジンファンデルが同一品種であることが判明。

UCデイビス校とザグレブ大学の調査団が、クロアチアのプラーヴァッツ・マリのDNA鑑定をした結果、プラーヴァッツ・マリはジンファンデルとクロアチアのドブリチェッチの子供であることがわかりました、親子の関係!
その後、2001年12月に、ジンファンデルと同じDNAを持つツュリエナック・カシュテランスキ種が発見され、ジンファンデルのルーツがクロアチアであることが証明されました。

バイオレットさんから届いたメッセージ

今朝、バイオレットさんからメッセージが!
FIFAワールドカップ準決勝でイングランドとの激戦を勝ち抜いたクロアチアのサッカーチームへのお祝い!
マイクさんのお元気そうなお姿もありました。
決勝進出、おめでとうございます、相手はフランスですね、パリ・テイスティングを思わず連想!

マイクさんの常套句、幸運というのは準備と好機が出会った時に生まれるものなのですね、なるほど[わーい(嬉しい顔)]

4グループに分かれてピザ作り

画像協力:NVV
私のグループはバイオレット・ガーギッチさんがリーダー


ピザはトマトソースをベースにトッピングを工夫


投票(コルク栓)が一番多かったのはブラックバードチーム、おめでとうございます!


1位になったチームリーダーのポール・レアリーさんのワインとピザ!
メルロ・アライズ2014はメルロ37%、CF28%、CS21%、PV14%のブレンドタイプ、畑は20~24でナパの冷涼な区画のぶどうに特化。ワイナリーは2003年創業、メルロを中心にぶどう栽培が行なわれ、アーロン・ポットさんがワイン造りを担当。


ロンバウアーのセールス担当マネージャーのジョン・イーガンさん(左)
ロンバウアー・ヴィンヤード・ジンファンデル2016はジンファンデル94%、プティ・シラー6%のブレンドで、シャルドネに使用した樽を使って14ヶ月熟成。ワイナリーでの初ヴィンテージは1980年で、シェーファーのワイナリーと自宅のガレージでワインを生産。1984年に初ヴィンテージをリリース


日本未入荷のワイン、トネラ・セラーズのスティーヴ・トネラさん
ぶどう栽培業者として100年以上の歴史があり、2010年からワイン造りを開始。初リリースのカベルネ・シーヴィニヨンは6週間で完売、2014年にはソーヴィニヨン・ブランを、来年にはボルドーブレンドをリリース予定。父親がルートストックの会社を経営していて、現在、使用しているクローンもナパ以外では使われていない純な存在とのことでした。ワインは果実味があり力強いタイプ!


ナパの心地良いディナー



ジンファンデルには粉もの、ピザやパスタが合います!


バターミルクとヴァニラのパンナコッタ、ラズベリーの酸味がアクセント!



徹夜状態の初日が無事終わりました、大変お疲れ様でした!

2日目はイノベーションとテクノロジー、土壌とカベルネと題したパネルディスカッション、ぶどう畑ツアー、そして意外な品種が登場するディナーの予定
では、後日のリポートで!

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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ バイザグラスフェア2017研修ツアー同行取材 <プロローグ> [エクスペリエンス・ナパ・ヴァレー2018]

まずはintroduction

カリストガのウェルカムサインで全員集合(6月20日撮影

6月18日から21日(23日帰国)までの日程でカリフォルニア・ナパ取材、これは昨秋にナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(以後NVV)が主催・開催したナパヴァレー・バイザグラスフェア2017で優秀店に選ばれた皆さんの研修ツアーで、ナパヴァレーのワインに関わる業界関係者、プレスを交えた総勢18名で遂行されました。

6月18日(月)

ナパへはサンフランシスコから


写真撮影のためにゴールデンゲートブリッジで束の間下車


人気のバーガーショップGott's Roadsideでランチ


Napa River Innが定宿、連泊だと気が楽!


ナパヴァレーについてのプレゼンテーションは日本滞在の経験があるシレノス・ワイナリーのスコット・メドウさん、語りは日本語、みごとな関西弁に全員びっくり。ツアーの最後にテストがあるとのことで、到着日は眠くてもガマン、寝てられませ~ん。


ウェルカムスパークリングは日本未入荷のマム・ナパ

ピザ作り!

初日のピザペアリング・ウェルカムディナーでは4生産者と4グループに分かれてピザ作り@ガーギッチ・ヒルズ・エステート


我々のグループはガーギッチのジンファンデルに合わせて、トマトソースをベースにトッピング選び

関西組は地震の影響を受けながらも無事合流

今ツアーの窓口、NVVインターナショナル・マーケティングマネージャーのディナ・オズボーンさん(最右) 、NVV日本事務所若下静さん(左から2人目)、ロンバウアー・ヴィンヤードのセールス・オペレーションズ・マネージャーのジョンさん(最左) &東京組の岡さん (後列右) 

出発日当日の朝発生した地震で、関西組は大変でした。
旅行社の迅速な対応で、フライトを変更することができたので、福田さん(後列左)や山野さん(前列右から2人目)たちは夕方にはナパのホテルに無事到着、本当に良かったです。

6月19日(火)

ヨーントヴィルの極小規模ワイナリー、キーヴァー見学


ホワイトホールレーンで土壌とカベルネに特化したパネルディスカッション


白ワインにフォーカス@ニュートン


2017年のワイン・スペクテーターでトップ100の第1位に選ばれたダックホーン スリー・パームスの畑に


ダックホーン自慢のメルロ!


最新AVAのクームズヴィルに位置するファヴィアでは意外な品種にもフォーカス


6月20日(水)

料理大学CIA COPIAでワイン&フード ペアリングレッスン


講師はモンダヴィ・ワイナリーのテイスティングルームスーパーバイザーのトムさん


シャトーボズウェルワイナリーで3女性ワインメーカーを囲んでのランチ


シルヴァーオークで10社のワインをウォーク・アラウンド・テイスティング
優秀店メンバーからの評価が高かったアミューズ・ブーシュ


グループに分かれて生産者と少人数でのディナー
ウエスティンホテル内にあるミシュラン1つ星のレストラン ラ・トークへ


視覚的にもきれいなナパ色のグリーンのガスパチョ


シルヴァーオークのオーナー、ダンカン一族のご子息セールス・マネージャーのマットさんは弱冠28歳! スペシャルなワインも供出してくれたので、それは後日のリポートで!

6月21日(木)

初日にプレゼンテーションしてくれたスコットさんのシレノス・ワイナリーでCS(2種/クローン違い)、CF、MEの4種を使ったブレンディングセッション!


5チームに分かれての挑戦!
我がグループは、CS70%、CF15%、ME15%のブレンドで、全体では3番人気。嬉しかったのはワインメーカーのブラッドレーさんが一番高評価をしてくれたワインだったということ、やったー!

日本未発売のワイン

ブラック・スタリオン・エステート・ワイナリーへは4年振りの訪問


ナパ・グリーン、環境保護プログラムに関してホーニッグワイナリーでぶどう畑を散策しながらの学習。巣箱からブルーバードが顔を出しているのが見えますか?

フェアウェルパーティ

研修ツアーの最後のディナー、全員の記念画像!


シルヴァーラードのスペシャルな甘口ワイン!


今ツアーでの学習具合は4択問題でテストされましたが、私も無事難関をクリア!
ハチャメチャ弾けていたシルヴァーラードのワイスCEO、ケークブレッドのブルース社長、ロング・メドゥ・ランチのグローパー副社長から修了証明書を受け取りました。


10時間あまりのフライトでサンフランシスコから羽田に。
機内では大好きな『パディントン2』チェック、別キャラのヒュー・グラント


NVVのディナさん&若下さん、参加者全員から深い信頼を得ていた通訳の村田みづ穂さん、ありがとうございました!!
次回からは各日にフォーカスしていきます。


【参考データ】
2009年にナパに特化した懐かしい取材です。お役に立つ情報があれば嬉しいです。
鴨のラベルと2巨匠の肖像画ラベル
ミシュランが選んだ世界一の美食都市“東京”と“ナパ”の違い
ちょっぴりミーハー気分で映画の舞台ナパを散策

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