『ふくしま逢瀬ワイナリー』応援ブログ、ワインだけではない魅力がいっぱい! [日本ワイン]
ワイン王国No143号の現地取材日本ワイン最前線で、
ふくしま逢瀬ワイナリーを担当しました。
逢瀬=出逢いのワイナリーです!
ワイン王国の誌面と熱海ブラック・クイーン2021
ワインと一緒にワイン王国も陳列中
画像提供:逢瀬ワイナリー
10月5日発売の限定品
りんごのブランデー500ml / 9,900円(税込)
オリジナルデザインのボトルにもご注目
ラベルを貼らず、首掛けで製品名を表示、SDGs&エコ対策
ロウ付けはワイナリーのスタッフ全員で行ったそうです、気合い十分!
ふくしまスピリッツ3本セット各150ml / 9,350円(税込)
りんごのブランデー、ぶどうのブランデー、梨のリキュールのセットで180セットのみ
お水を1~2滴、加えて味わうと香りが一段と広がり魅惑的
飲んだ後のグラスをレンジで温めると残り香が楽しめますよ
ふくしま逢瀬ワイナリー
X by Fumiko
6月にワイン王国村田編集長&醸造家メンバーとお邪魔した折、逢瀬祭の話を伺ったので、ワイン王国webでご紹介しました。ワイナリーの沿革や全体像がおわかりいただけるので、ご笑覧いただけると嬉しいです。
敷地内の多田野ヴィンヤードでは主要6品種を栽培
大河原久尚代表理事と醸造責任者の松尾弘則さん
🍀🍀🍀🍀🍀
ソーヴィニヨン・ブランの仕込み作業
協力農家から到着したばかりのみごとな房
醸造チームの中村和平さんがぶどうを次々に破砕機に
リズミカルに移動するぶどう
分別された梗
SBの果汁
松尾さんはワインを子どものように慈しんでいる感じ
逢瀬(おうせ)とオーセロワ
逢瀬(おうせ)ワイナリーでは、オーセロワのぶどうを栽培しています。
なぜ?
それは、ネーミングが似ているから![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
取材の前日までに収穫が終わっていたので、待望のぶどうと対面できず・・・
それでも、発酵中のワインを試すことができました、松尾醸造責任者に感謝!
収量が少ない為、単一品種で醸造することはありません。故に体験できてハッピー
誌面掲載用ワインのテイスティング
自然光で緑が映え、ラベルの緑もイイ感じ
ふくしまMEGRI シードル2022のりんごは果樹園やまとの阿部幸弘代表の愛情と情熱が詰まっています。ふじ、陽光、王林、紅玉等、全部で12種類のりんごを使っています。
シードル2023ドライはふじ100%、グラスから新鮮なりんごの香りが漂い、バランスの良い味わい。
すべてのりんごは、2等分にカットし、果肉の状態を目視してから、仕込み作業に入ります。阿部代表が精魂込めて造りあげた高級生食りんごなので、これは、是非、お試しいただきたいです。
ボトルの裏ラベルに情報記載
湖南シャルドネ2022
協力農家の小山順平(郡山市湖南町)さんが育てたシャルドネ
ワイナリー創業当初から共に歩んできたお仲間
ヴァン デ オラージュ熱海2021ブラック・クイーン
協力農家の佐藤勝喜さん&安斎清隆さんが造ったぶどう
ブラッククイーン87%は福島県郡山市熱海町
メルロ13%で福島県本宮市
🍀🍀🍀🍀🍀
お薦めマリアージュ
福島県の桃の代表品種「あかつき」から造った桃スパークリング
桃好き&泡好きの青木一押し
ラベルのイラストはお笑い芸人・関あつしさんが描いています。
購入してきた桃泡はTinc ganaに持込ませていただき、
菊池貴行シェフソムリエにショコラのデザートをお願いしました。
桃スパークリングとショコラ、お薦めできるマリアージュ!
福島県の銘菓『柏屋の薄皮まんじゅう』とatami2021
大河原さんから「相性最高!」との情報をいただいたので、
年内までには相性探求してみます!
🍀🍀🍀🍀🍀
ひとりごと
お盆の時期の・・・精霊トンボ
ワイナリーの敷地内を自在に飛び交っていました。
立ち止まって、大河原さんの話を伺っていた間(約3分)
私の前のポールで、微動だにせず、聞き耳を立てていたトンボ君
この子がメッセージを発信していた気がしたので、帰宅後、検索。
まあ、スピリチュアルなトンボ君!
ワインボトルの撮影時も、私の手元に寄ってきたのですが、
普通は飛び回っていて、捕まえるのができないとか
静止することがない子が、何と、何と。
来年10年目を迎える逢瀬ワイナリーに素晴らしいことがあると信じています!
ふくしま逢瀬ワイナリーを担当しました。
逢瀬=出逢いのワイナリーです!
ワイン王国の誌面と熱海ブラック・クイーン2021
ワインと一緒にワイン王国も陳列中
画像提供:逢瀬ワイナリー
10月5日発売の限定品
りんごのブランデー500ml / 9,900円(税込)
オリジナルデザインのボトルにもご注目
ラベルを貼らず、首掛けで製品名を表示、SDGs&エコ対策
ロウ付けはワイナリーのスタッフ全員で行ったそうです、気合い十分!
ふくしまスピリッツ3本セット各150ml / 9,350円(税込)
りんごのブランデー、ぶどうのブランデー、梨のリキュールのセットで180セットのみ
お水を1~2滴、加えて味わうと香りが一段と広がり魅惑的
飲んだ後のグラスをレンジで温めると残り香が楽しめますよ
ふくしま逢瀬ワイナリー
X by Fumiko
6月にワイン王国村田編集長&醸造家メンバーとお邪魔した折、逢瀬祭の話を伺ったので、ワイン王国webでご紹介しました。ワイナリーの沿革や全体像がおわかりいただけるので、ご笑覧いただけると嬉しいです。
敷地内の多田野ヴィンヤードでは主要6品種を栽培
大河原久尚代表理事と醸造責任者の松尾弘則さん
🍀🍀🍀🍀🍀
ソーヴィニヨン・ブランの仕込み作業
協力農家から到着したばかりのみごとな房
醸造チームの中村和平さんがぶどうを次々に破砕機に
リズミカルに移動するぶどう
分別された梗
SBの果汁
松尾さんはワインを子どものように慈しんでいる感じ
逢瀬(おうせ)とオーセロワ
逢瀬(おうせ)ワイナリーでは、オーセロワのぶどうを栽培しています。
なぜ?
それは、ネーミングが似ているから
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
取材の前日までに収穫が終わっていたので、待望のぶどうと対面できず・・・
それでも、発酵中のワインを試すことができました、松尾醸造責任者に感謝!
収量が少ない為、単一品種で醸造することはありません。故に体験できてハッピー
誌面掲載用ワインのテイスティング
自然光で緑が映え、ラベルの緑もイイ感じ
ふくしまMEGRI シードル2022のりんごは果樹園やまとの阿部幸弘代表の愛情と情熱が詰まっています。ふじ、陽光、王林、紅玉等、全部で12種類のりんごを使っています。
シードル2023ドライはふじ100%、グラスから新鮮なりんごの香りが漂い、バランスの良い味わい。
すべてのりんごは、2等分にカットし、果肉の状態を目視してから、仕込み作業に入ります。阿部代表が精魂込めて造りあげた高級生食りんごなので、これは、是非、お試しいただきたいです。
ボトルの裏ラベルに情報記載
湖南シャルドネ2022
協力農家の小山順平(郡山市湖南町)さんが育てたシャルドネ
ワイナリー創業当初から共に歩んできたお仲間
ヴァン デ オラージュ熱海2021ブラック・クイーン
協力農家の佐藤勝喜さん&安斎清隆さんが造ったぶどう
ブラッククイーン87%は福島県郡山市熱海町
メルロ13%で福島県本宮市
🍀🍀🍀🍀🍀
お薦めマリアージュ
福島県の桃の代表品種「あかつき」から造った桃スパークリング
桃好き&泡好きの青木一押し
ラベルのイラストはお笑い芸人・関あつしさんが描いています。
購入してきた桃泡はTinc ganaに持込ませていただき、
菊池貴行シェフソムリエにショコラのデザートをお願いしました。
桃スパークリングとショコラ、お薦めできるマリアージュ!
福島県の銘菓『柏屋の薄皮まんじゅう』とatami2021
大河原さんから「相性最高!」との情報をいただいたので、
年内までには相性探求してみます!
🍀🍀🍀🍀🍀
ひとりごと
お盆の時期の・・・精霊トンボ
ワイナリーの敷地内を自在に飛び交っていました。
立ち止まって、大河原さんの話を伺っていた間(約3分)
私の前のポールで、微動だにせず、聞き耳を立てていたトンボ君
この子がメッセージを発信していた気がしたので、帰宅後、検索。
まあ、スピリチュアルなトンボ君!
ワインボトルの撮影時も、私の手元に寄ってきたのですが、
普通は飛び回っていて、捕まえるのができないとか
静止することがない子が、何と、何と。
来年10年目を迎える逢瀬ワイナリーに素晴らしいことがあると信じています!
サントリーが世界に誇る『SUNTORY FROM FARM 登美甲州2022』発売開始!! [日本ワイン]
棚仕立ての甲州@登美の丘ワイナリー
photo by Fumiko / 2023年10月13日
昨年10月、家庭画報の取材でサントリー登美の丘ワイナリーを訪問
陽を受けて淡紫に輝く甲州の優美な姿は圧巻
今年も収穫シーズンになりました!
新製品・新ヴィンテージの試飲会@サントリー田町オフィス
10日の発売を前にプレスに披露された7アイテム
※甲州日本の白2021と登美の丘プティ・ヴェルド2020は発売中、それ以外は9月10日発売
セミナーでは左奥から右、左手前から右の順で試飲
白は甲州5アイテム、赤は登美の丘プティ・ヴェルドと登美赤
冒頭、ワイン本部宮下弘至日本ワイン部長がワイン市場や事業方針について言及
柳原亮シニアスペシャリスト(左)はワインに関する取り組み&テイスティングを担当
🍀🍀🍀🍀🍀
サントリーが手掛ける甲州
画像提供:サントリー
山梨県と長野県で全7アイテムを生産
今回の試飲セミナーでは甲州部分に“青色マーカー”を付けた5種を体験
エントリーレンジの『甲州日本の白2021』は、DWWA2024で銀賞受賞
『ワインのみらい』は、造り手がワインの未来を描くチャレンジシリーズで、
販売はオンラインショップ&セラードアのみ
プレミアムレンジの『 立科町甲州冷涼地育ち2023』は長野県産で酸味がシャープ!
冷涼な気候由来の鮮やかな酸味と豊かな柑橘感が魅力です。
初リリースの南アルプス甲州風立つ畑育ち2023
山梨県産のプレミアムレンジ。初試飲&好印象!
2023年が初ヴィンテージ。アロマ豊かで、全体的にエレガント、将来性を感じました。
「果実の甘さや白桃のようなふくらみがあり、甲州らしいほろ苦さも感じる」と柳原さん
甲州盆地の西端に位置する畑で栽培面積は約10㌶。甲州の1枚畑としては国内最大規模
DWWA2024で最高位のBest in Show受賞ワイン
フラッグシップで自園産ぶどう100%ワイン
生産本数は約94ケース、ステンレスタンクとフレンチオーク(15%)熟成
甘さを予感させるアロマ、蜜を含んだリンゴ、和柑橘果実、中盤から広がるねっとり感、
旨味、酸味の存在、グリぶどう由来のほろ苦さ(フェノール)、長い余韻
2014年から自家ぶどう園の強みを最大限に生かし、
様々な取り組みに挑戦してきた成果の結晶!
赤ワインはプティ・ヴェルド2020と登美 赤2020
昨年10月の訪問時、栽培技師長の大山弘平さんが「1990年代に植え付けた欧州系黒ぶどうのプティ・ヴェルドの酒質向上に手応えを感じています」と語っていましたが、登美の丘ワイナリーで活躍してきた先人たちがプティ・ヴェルドの試験栽培を開始して約30年。彼らが仕掛けた挑戦が、21世紀に入り、花開こうとしています。何度か試飲していますが、上質なタンニンの存在感、全体的を包み込む清涼感が良いと思います。
夜間の温度が下がらず、山梨では欧州系黒ぶどうの色付きがうまく行かないことがあるとのこと。そのようななかで、「色付きと黒い果実の香りがしっかりと出るのが晩熟のプティ・ヴェルドで飲み応えがあり、タンニンも感じます。ボルドーではブレンド用で比率も10%以下ですが、日本の気候風土で育つと強さが緩和される印象」と柳原さん
フラッグシップの赤ワイン『登美 赤』は自園産ぶどう100%ワイン。品種はプティ・ヴェルド54%、カベルネ・ソーヴィニョン46%。カベルネをブレンドすることで香りの上質感、滑らかでしなやかな食感、全体を包み込む上品さが表現できます。登美 赤は2000年代からブレンド比率でメルロが増え、その後は、プティ・ヴェルドが伸びています。
画像提供:サントリー
1982年ヴィンテージから2019年ヴィンテージまでの一覧表を見ると、気候変動の影響下、環境の変化に対応しながら、品種構成をシフトしているのがわかります。
🍀🍀🍀🍀🍀
サントリーの日本ワイン『SUNTORY FROM FARM 登美 甲州2022※』は、デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards / 略DWWA)2024で、最高位の「Best in Show」を受賞。日本から出品されたワインが同賞を受賞するのは史上初、素晴らしい快挙です!
さらに、『同 登美の丘 甲州2022』は金賞。『同 甲州 日本の白 2021』『同 甲州 日本の白 2022※1』『同 津軽シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019※2』は銀賞をそれぞれ受賞しました。
※ サントリー登美の丘ワイナリー、SUNTORY FROM FARM Online Shop及び一部流通等で数量限定発売
※1 2025年全国発売予定
※2 サントリー登美の丘ワイナリー、SUNTORY FROM FARM Online Shop 及び一部流通等で発売中
サントリーからのインフォメーション
10月5日(土)・10月6日(日)@サントリー登美の丘ワイナリー
日本初! 世界の50本に選ばれた『登美 甲州』体験ツアーの詳細はコチラで!
百聞は一見(&一飲)に如かず、です![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
photo by Fumiko / 2023年10月13日
昨年10月、家庭画報の取材でサントリー登美の丘ワイナリーを訪問
陽を受けて淡紫に輝く甲州の優美な姿は圧巻
今年も収穫シーズンになりました!
新製品・新ヴィンテージの試飲会@サントリー田町オフィス
10日の発売を前にプレスに披露された7アイテム
※甲州日本の白2021と登美の丘プティ・ヴェルド2020は発売中、それ以外は9月10日発売
セミナーでは左奥から右、左手前から右の順で試飲
白は甲州5アイテム、赤は登美の丘プティ・ヴェルドと登美赤
冒頭、ワイン本部宮下弘至日本ワイン部長がワイン市場や事業方針について言及
柳原亮シニアスペシャリスト(左)はワインに関する取り組み&テイスティングを担当
🍀🍀🍀🍀🍀
サントリーが手掛ける甲州
画像提供:サントリー
山梨県と長野県で全7アイテムを生産
今回の試飲セミナーでは甲州部分に“青色マーカー”を付けた5種を体験
エントリーレンジの『甲州日本の白2021』は、DWWA2024で銀賞受賞
『ワインのみらい』は、造り手がワインの未来を描くチャレンジシリーズで、
販売はオンラインショップ&セラードアのみ
プレミアムレンジの『 立科町甲州冷涼地育ち2023』は長野県産で酸味がシャープ!
冷涼な気候由来の鮮やかな酸味と豊かな柑橘感が魅力です。
初リリースの南アルプス甲州風立つ畑育ち2023
山梨県産のプレミアムレンジ。初試飲&好印象!
2023年が初ヴィンテージ。アロマ豊かで、全体的にエレガント、将来性を感じました。
「果実の甘さや白桃のようなふくらみがあり、甲州らしいほろ苦さも感じる」と柳原さん
甲州盆地の西端に位置する畑で栽培面積は約10㌶。甲州の1枚畑としては国内最大規模
DWWA2024で最高位のBest in Show受賞ワイン
フラッグシップで自園産ぶどう100%ワイン
生産本数は約94ケース、ステンレスタンクとフレンチオーク(15%)熟成
甘さを予感させるアロマ、蜜を含んだリンゴ、和柑橘果実、中盤から広がるねっとり感、
旨味、酸味の存在、グリぶどう由来のほろ苦さ(フェノール)、長い余韻
2014年から自家ぶどう園の強みを最大限に生かし、
様々な取り組みに挑戦してきた成果の結晶!
赤ワインはプティ・ヴェルド2020と登美 赤2020
昨年10月の訪問時、栽培技師長の大山弘平さんが「1990年代に植え付けた欧州系黒ぶどうのプティ・ヴェルドの酒質向上に手応えを感じています」と語っていましたが、登美の丘ワイナリーで活躍してきた先人たちがプティ・ヴェルドの試験栽培を開始して約30年。彼らが仕掛けた挑戦が、21世紀に入り、花開こうとしています。何度か試飲していますが、上質なタンニンの存在感、全体的を包み込む清涼感が良いと思います。
夜間の温度が下がらず、山梨では欧州系黒ぶどうの色付きがうまく行かないことがあるとのこと。そのようななかで、「色付きと黒い果実の香りがしっかりと出るのが晩熟のプティ・ヴェルドで飲み応えがあり、タンニンも感じます。ボルドーではブレンド用で比率も10%以下ですが、日本の気候風土で育つと強さが緩和される印象」と柳原さん
フラッグシップの赤ワイン『登美 赤』は自園産ぶどう100%ワイン。品種はプティ・ヴェルド54%、カベルネ・ソーヴィニョン46%。カベルネをブレンドすることで香りの上質感、滑らかでしなやかな食感、全体を包み込む上品さが表現できます。登美 赤は2000年代からブレンド比率でメルロが増え、その後は、プティ・ヴェルドが伸びています。
画像提供:サントリー
1982年ヴィンテージから2019年ヴィンテージまでの一覧表を見ると、気候変動の影響下、環境の変化に対応しながら、品種構成をシフトしているのがわかります。
🍀🍀🍀🍀🍀
サントリーの日本ワイン『SUNTORY FROM FARM 登美 甲州2022※』は、デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards / 略DWWA)2024で、最高位の「Best in Show」を受賞。日本から出品されたワインが同賞を受賞するのは史上初、素晴らしい快挙です!
さらに、『同 登美の丘 甲州2022』は金賞。『同 甲州 日本の白 2021』『同 甲州 日本の白 2022※1』『同 津軽シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019※2』は銀賞をそれぞれ受賞しました。
※ サントリー登美の丘ワイナリー、SUNTORY FROM FARM Online Shop及び一部流通等で数量限定発売
※1 2025年全国発売予定
※2 サントリー登美の丘ワイナリー、SUNTORY FROM FARM Online Shop 及び一部流通等で発売中
![[NEW]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/120.gif)
10月5日(土)・10月6日(日)@サントリー登美の丘ワイナリー
日本初! 世界の50本に選ばれた『登美 甲州』体験ツアーの詳細はコチラで!
百聞は一見(&一飲)に如かず、です
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
余市に行こう!! 「9月2日発 JALで行く余市ラフェト2023」募集のお知らせ [日本ワイン]
日本航空グループJALUXからのお知らせ
SDGsを推進している同グループは、地方創生にも力を入れています。
9月3日に北海道余市で開催されるワインイベント『ラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチ(農園開放祭)』にフィーチャーしたワインツアーも日本航空 / ジャルパック / JALUX 三社合同で進めています。
余市観光協会主催のラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチに、ご参集くださるワイン愛好家の皆さまに“リアルならではの体験”をしていただくことで、余市のワイン産業はより活性化していくと確信しています。日本航空グループと余市が企画したプロジェクトに、多くの皆さまが参加してくださることを期待しています。宜しくお願いいたします。
JALで行く余市ラフェト 2023
■北海道余市町ワインイベント :ラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチ(農園開放祭)
■出発日:2023年9月2日(土)
■出発地:全国各地
■商品内容:JAL往復航空券+宿泊+ラフェトチケット+イベント会場送迎(片道 or 往復)
■コース:札幌滞在1泊2日 / 札幌滞在2泊3日 / 札幌+小樽 or 余市2泊3日
■募集人数:200名
■発売開始:2023年6 月27日(火)12:00
特典:ご応募くださった皆さまの中から抽選で 12名さまに、ドメーヌタカヒコのワインの購入権が当たります。
■ナナツモリ ピノノワール 2021 / 2 本
■ヨイチノボリ パストゥグラン 2021 / 10 本
詳細はサイトで確認できます。
奮ってご参加くださいませ!
SDGsを推進している同グループは、地方創生にも力を入れています。
9月3日に北海道余市で開催されるワインイベント『ラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチ(農園開放祭)』にフィーチャーしたワインツアーも日本航空 / ジャルパック / JALUX 三社合同で進めています。
余市観光協会主催のラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチに、ご参集くださるワイン愛好家の皆さまに“リアルならではの体験”をしていただくことで、余市のワイン産業はより活性化していくと確信しています。日本航空グループと余市が企画したプロジェクトに、多くの皆さまが参加してくださることを期待しています。宜しくお願いいたします。
JALで行く余市ラフェト 2023
■北海道余市町ワインイベント :ラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチ(農園開放祭)
■出発日:2023年9月2日(土)
■出発地:全国各地
■商品内容:JAL往復航空券+宿泊+ラフェトチケット+イベント会場送迎(片道 or 往復)
■コース:札幌滞在1泊2日 / 札幌滞在2泊3日 / 札幌+小樽 or 余市2泊3日
■募集人数:200名
■発売開始:2023年6 月27日(火)12:00
特典:ご応募くださった皆さまの中から抽選で 12名さまに、ドメーヌタカヒコのワインの購入権が当たります。
■ナナツモリ ピノノワール 2021 / 2 本
■ヨイチノボリ パストゥグラン 2021 / 10 本
詳細はサイトで確認できます。
奮ってご参加くださいませ!
ぶどう産地で新たな魅力を体感、新装したサントリー登美の丘ワイナリーに let's go !! [日本ワイン]
富士見テラスからの展望
広大なぶどう畑、甲府盆地、その先に雄大な富士山
標高600㍍の眺望台からは、
南アルプス、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、茅ヶ岳の景観も楽しめます!
ワイン王国No.131 2022年11月号『未来へ紡ぐ日本ワイン』のページに、
昨秋 リニューアルしたサントリー登美の丘ワイナリーの取材記事を載せています。
字数の関係で同誌面に書き込めなかった内容をこのブログにまとめました。
サントリー登美の丘ワイナリー リニューアルオープンセレモニー
主催の吉雄敬子サントリー株式会社取締役執行役員ワインカンパニー社長(中央)
右から庄内文雄サントリー登美の丘ワイナリー長、長崎幸太郎山梨県知事、保坂武甲斐市長
甲州ぶどう
甲州ぶどう畑散策ツアー(2023年1月の開催はなし)では畑の中でテイスティグができます!
ぶどう畑の景観最高!
樽熟庫の表示
歴史を感じる熟成庫、特別な照明による空間演出
FROM FARM ワイナリーツアー中のテイスティングセミナー
貴腐ワインをはじめとする4種のワインを利き酒
ワインショップ
音声効果や映像を活用した空間
有料試飲コーナー
“ワインのみらい”と題した製品は売店とECのみで販売
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
ワイナリーでは11種のぶどう品種を栽培
大山弘平栽培技師長兼ワイン生産部課長に伺った話を盛り込みながら・・・
収穫は通常10月中旬がピーク、醸造所内の機器もフル稼働
副梢栽培の導入
サントリーが現在取り組んでいる副梢栽培の区画
一昨年はメルロー、昨年はCHとCSを対象に実施面積を8倍にした由
副梢栽培だと、完熟するのが通常収穫より、1ヶ月くらい遅くなるので、
醸造所内の機器の管理にも余裕が出るとのこと。
糖度やアントシアニン含有量(色調)、有機酸や香気成分の数値にも明確な差があり、
良い結果が得られています。
気候変動対策として大いに注目できます!
カバークロップの活用
90年代に使用していた牛ふん堆肥に混在していた牧草中心の草種のカバークロップ
現在およびこれからも、主として有機栽培区でぶどう樹と一緒に栽培することで、
病害虫対策に良い効果をもたらすコンパニオンプランツとして評価しているとのこと
大気中のCO2削減対策には、土壌の炭素貯留量を増やして相殺させる方法として、
◎夏に伸びた草を刈り込んだり、ぶどうの搾りかすを堆肥化して土に返す取り組み
◎“炭にした剪定枝を畑に投入する※”取り組みがあります。
【参考】
脱炭素化に向けて山梨県が取り組んでいるのが4パーミル・イニシアチブ
県内で参加しているのはサントリー登美の丘ワイナリーとドメーヌヒデの2ワイナリー
大山氏は※「地中に投入した炭化貯留では、炭化枝の微小な穴に微生物が棲みつくので、
二酸化炭素削減だけでなく、土壌の活性化につながることにも期待」とコメント
不耕起栽培に対する考え方
画像提供:サントリー株式会社 ワインカンパニー
登美の丘ワイナリーではほぼ全面的に不耕起栽培を導入しているので、
その点について伺ってみました。
登美の丘の土質を見ると、母岩となる凝灰岩が深さ2m以下に存在し、その上部は粘土・シルト層が覆っています。表土20~30センチはカバークロップによる影響で団粒構造が発達した土質となっているため、浅根の台木を用いることで、排水性の良い範囲に、水分ストレスをかける仕組みを構築しています。耕起(畑を耕すこと)を行うと団粒構造が破壊され、粘土・シルト層が表土近くに出てくるので、水の動きが鈍い圃場へと変化すると考えています。そのため、長年、不耕起草生栽培を実践し続けています。登美の丘の土壌構造は不耕起栽培にフィットしていると考えていますが、これは全てのワイン産地に当てはまることではなく、その土地が持つ土壌特性と狙う品質、味わいとの組合せだと感じています。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
新しい標語 “水と、土と、人と”&“はばたき鶴”との出会いも
9月のリニューアルを機に分散していた日本ワインのブランドをFROM FARMに集約
余談ながら・・・
インタビューが若干長引き、指定のバス時間に間に合わず、急ぎ、タクシーで駅まで!
降車間近に「私が折った鶴なのですがよろしければどうぞ」と運転手さん
小さな白い箱を手にした彼のほうに目をやると、色とりどりの鶴たちが待機中![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
私はみどりのストライプの鶴を選択、こころがぽっと温かくなる出来事でした。
日本が誇るワイン産地なので、海外からのお客様にも折鶴をプレゼントなさっている由
サントリーの新たな羽ばたきに重ね合わせることができるおめでたい鶴
サントリー登美の丘ワイナリー
〒400‐0103 山梨県甲斐市大垈2786
電話:0551‐28‐7311(受付時間9:30~16:30)
ワイナリー見学の申請は上記のQRコードからでも可能
2023年最初の予約開始日は1月10日(水)9時30分~
予約受付期間は2月2日(木)~2月28日(火)
🐰見学コース一覧
🐰サントリーお客様センター https://www.suntory.co.jp/customer/
広大なぶどう畑、甲府盆地、その先に雄大な富士山
標高600㍍の眺望台からは、
南アルプス、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、茅ヶ岳の景観も楽しめます!
ワイン王国No.131 2022年11月号『未来へ紡ぐ日本ワイン』のページに、
昨秋 リニューアルしたサントリー登美の丘ワイナリーの取材記事を載せています。
字数の関係で同誌面に書き込めなかった内容をこのブログにまとめました。
サントリー登美の丘ワイナリー リニューアルオープンセレモニー
主催の吉雄敬子サントリー株式会社取締役執行役員ワインカンパニー社長(中央)
右から庄内文雄サントリー登美の丘ワイナリー長、長崎幸太郎山梨県知事、保坂武甲斐市長
甲州ぶどう
甲州ぶどう畑散策ツアー(2023年1月の開催はなし)では畑の中でテイスティグができます!
ぶどう畑の景観最高!
樽熟庫の表示
歴史を感じる熟成庫、特別な照明による空間演出
FROM FARM ワイナリーツアー中のテイスティングセミナー
貴腐ワインをはじめとする4種のワインを利き酒
ワインショップ
音声効果や映像を活用した空間
有料試飲コーナー
“ワインのみらい”と題した製品は売店とECのみで販売
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
ワイナリーでは11種のぶどう品種を栽培
大山弘平栽培技師長兼ワイン生産部課長に伺った話を盛り込みながら・・・
収穫は通常10月中旬がピーク、醸造所内の機器もフル稼働
副梢栽培の導入
サントリーが現在取り組んでいる副梢栽培の区画
一昨年はメルロー、昨年はCHとCSを対象に実施面積を8倍にした由
副梢栽培だと、完熟するのが通常収穫より、1ヶ月くらい遅くなるので、
醸造所内の機器の管理にも余裕が出るとのこと。
糖度やアントシアニン含有量(色調)、有機酸や香気成分の数値にも明確な差があり、
良い結果が得られています。
気候変動対策として大いに注目できます!
カバークロップの活用
90年代に使用していた牛ふん堆肥に混在していた牧草中心の草種のカバークロップ
現在およびこれからも、主として有機栽培区でぶどう樹と一緒に栽培することで、
病害虫対策に良い効果をもたらすコンパニオンプランツとして評価しているとのこと
大気中のCO2削減対策には、土壌の炭素貯留量を増やして相殺させる方法として、
◎夏に伸びた草を刈り込んだり、ぶどうの搾りかすを堆肥化して土に返す取り組み
◎“炭にした剪定枝を畑に投入する※”取り組みがあります。
【参考】
脱炭素化に向けて山梨県が取り組んでいるのが4パーミル・イニシアチブ
県内で参加しているのはサントリー登美の丘ワイナリーとドメーヌヒデの2ワイナリー
大山氏は※「地中に投入した炭化貯留では、炭化枝の微小な穴に微生物が棲みつくので、
二酸化炭素削減だけでなく、土壌の活性化につながることにも期待」とコメント
不耕起栽培に対する考え方
画像提供:サントリー株式会社 ワインカンパニー
登美の丘ワイナリーではほぼ全面的に不耕起栽培を導入しているので、
その点について伺ってみました。
登美の丘の土質を見ると、母岩となる凝灰岩が深さ2m以下に存在し、その上部は粘土・シルト層が覆っています。表土20~30センチはカバークロップによる影響で団粒構造が発達した土質となっているため、浅根の台木を用いることで、排水性の良い範囲に、水分ストレスをかける仕組みを構築しています。耕起(畑を耕すこと)を行うと団粒構造が破壊され、粘土・シルト層が表土近くに出てくるので、水の動きが鈍い圃場へと変化すると考えています。そのため、長年、不耕起草生栽培を実践し続けています。登美の丘の土壌構造は不耕起栽培にフィットしていると考えていますが、これは全てのワイン産地に当てはまることではなく、その土地が持つ土壌特性と狙う品質、味わいとの組合せだと感じています。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
新しい標語 “水と、土と、人と”&“はばたき鶴”との出会いも
9月のリニューアルを機に分散していた日本ワインのブランドをFROM FARMに集約
余談ながら・・・
インタビューが若干長引き、指定のバス時間に間に合わず、急ぎ、タクシーで駅まで!
降車間近に「私が折った鶴なのですがよろしければどうぞ」と運転手さん
小さな白い箱を手にした彼のほうに目をやると、色とりどりの鶴たちが待機中
![[わーい(嬉しい顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/140.gif)
私はみどりのストライプの鶴を選択、こころがぽっと温かくなる出来事でした。
日本が誇るワイン産地なので、海外からのお客様にも折鶴をプレゼントなさっている由
サントリーの新たな羽ばたきに重ね合わせることができるおめでたい鶴
サントリー登美の丘ワイナリー
〒400‐0103 山梨県甲斐市大垈2786
電話:0551‐28‐7311(受付時間9:30~16:30)
ワイナリー見学の申請は上記のQRコードからでも可能
2023年最初の予約開始日は1月10日(水)9時30分~
予約受付期間は2月2日(木)~2月28日(火)
🐰見学コース一覧
🐰サントリーお客様センター https://www.suntory.co.jp/customer/
本日発売のワイン王国7月号 (123号) のハイライトは日本ワイン! [日本ワイン]
6月5日(土)発売の『ワイン王国』
No.123の並びには軽快感があってイイ感じ!
215本のブラインド・テイスティングから63本を決定!
私たちが選んだ“本当に美味しい”日本ワィンはこれ!
今号ではテイスターをさせていただきました。
2日間にわたる検証
photo by Kadowaki
赤ワインのテーブルでテイスターの川邉久之エノログと
マスカット・ベーリーAのコーナー
テイスティングは5人のテイスターが密にならないように3か所に分けて実施
夜、編集部から、一覧表にした5人の試飲結果が届きました、お疲れ様です!
すべてのワイン銘柄も記載されていたので、自らの採点を明確に確認できました。
215本のアイテムの中から“きらり”と光る存在も発見!
色調の違いにも趣があるロゼワイン
2日目は上位ワインをリ・テイスティング
撮影に備えてセッティング中のカメラマンKadowakiさん
この日は日本ワインの旗振り役石井もと子さんもご参加くださいました。
意見交換の様子は動画をご覧くださいませ!
甲州部門で高得点だったワインのフライト
ルバイヤートはマイベスト3の中の1本、超お薦めのワインです!
国際品種シャルドネ部門で5つ星のソラリス
安定感のあるワイン!
山梨県果樹試験場で育種されたビジュ・ノワール
フランス語で“黒い宝石”という意味を持つ品種です!
今、一番気になっているぶどう品種がアルバリーニョ
気候変動対策の一環として、仏ボルドー地方でも栽培が許可された品種
アルバリーニョ プレイバック!
photo by Morigami/2020年12月@つきぢ神楽寿司新館
昨年12月、大分県出身の森上久生ソムリエとワイン王国の村田惠子編集長&同編集部の大久保嬢と密やかな忘年会(コロナ渦中ということで)をしました。ワインは日本ワインに特化しました。その折、森上ソムリエが持参してくれたのが、同郷の安心院葡萄酒工房のアルバリーニョ2019でした。神楽寿司の和のテイストととても良く合っていました。森上さんは「2019年は原産地本来のアルバリーニョらしい、香味のキャラクターが備わりつつも、収穫時期の幾度にも重なる台風で、レイニーヴィンテージになりました」と語っていました。
今回、私はブラインド・テイスティングで、『安心院ワイン アルバリーニョ2020』に五つ星評価をしていました。2020年はぶどうも程よく熟し、ほぼ理想的な状態で収穫できたことがわかる味わいで、私にしっかりと存在感を示していました。日本で造られているアルバリーニョは高額なものが多いだけに、このワインは“カリテプリなアルバリーニョ”として、お薦めしたいです!
アルバはラテン語で“白”を意味する言葉
スペインのへレスの白い土壌アルバリサやアルバムも同じ語源です!
スパークリングワイン部門のフライト
キャメルファームワイナリーのレガミ エクストラ ドライ
6種のぶどうを巧みにブレンドしたチャーミングな泡もの!
ワイン王国の日本ワイン紹介ページ&編集部作成の動画
ワイン王国7月号の購入はコチラから、お役に立つ最新号です!
追記:ルバイヤート甲州と川上善兵衛翁が開発したブラック・クイーン
画像データ:ワイン王国123号28頁
初日に215本のワインをブラインド・テイスティングした後、5人のテイスターの結果は即、集計され、最終的に「63本のワイン」が選出されました。そのなかで、特に評価が高かったワイン23本には “5つ星マーク” が付けられています。
“マイベスト3”は添付した画像の通りです。
✥130周年記念「ルバイヤートワイン」白2020年/丸藤葡萄酒工業
一覧表が届き、自分のメモと照らし合わせながら銘柄を確認。甲州部門で私が5つ星評価していたのは5本(エントリー数24)あり、なかでもB-21という番号のワインは酸味、果実味、なによりバランスの良さが際立っていて高評価できました。それが丸藤葡萄酒工業の甲州、自分でも納得できる結果だったと思っています。
編集部から「ベストワインを3本挙げてください」との指示が届いたので、マイベストのこのワインの要点をまとめるために、大村春夫社長に電話で軽いインタビューをさせていただきました。
先人へのオマージュは良いワインを造ること 大村春夫
甲州ぶどうは日本固有の品種として知られており、2010年にはブドウ・ワイン国際機構OIVに品種登録されました。カリフォルニア大学デイビス校によるDNA鑑定では85%ヴィティス・ヴィニフェラと判定されており、生産量が一番多い山梨県では、近年品質向上が著しく、甲州ぶどうから造られるワインは海外から高い評価を得ています
★★★★★ ☆☆☆☆☆ ★★★★★
ルバイヤートでは早くから辛口の甲州を生産していました。料理に合うワイン造りを念頭に置いていたからです。縁あって、俳優業以外でも料理研究をライフワークにしていた金子信雄(故人)さんが経営する荻窪のフランス料理店「牡丹亭(環八沿い)」にワインを持ち込み、味を見てもらいますが、小沢幸一シェフから「このワインだとうちの料理には合わない!」と厳しい指摘を受けます。
「嫌なら扱わないと言うはずだ。味の欠点を指摘してくれるのは、ワインの可能性を見込んでいるからかも知れない」と、シェフの心理を読んだ大村さんは、持ち前の負けん気を出して大奮闘。味わいの欠陥をなくすために試行錯誤を繰り返しました。
折しも、1983年にメルシャンがシュール・リー製法を開発して、2500円程(大村社長の記憶)でワインを発売したことは、大村さんにとって大きな衝撃でした。
同社が導入したパイパーオキシデーションや果汁処理(1970年代から試みられていた綺麗な果汁を得るための方法)等、ワイン造りの情報共有を受けながら、自らのワインに改善を加えていきます。
麻井宇介先生(故人)から甲州シュール・リー&ハイパーオキシデーションの関係を伝授された大村さんはルバイヤート独自の甲州を生み出します。タンク内のワインにポンプで空気を送り込み、酸化反応を起こさせ、酒質を向上させる製法なのですが、シュール・リーはフレッシュなうちに飲む若飲みワインなので、その効果がいかんなく発揮されています。いつ飲んでも美味しいし、“酢飯”が食べたくなる甲州シュール・リー。何度も言いますが(笑)、超お薦めの1本です!
大村社長は〆の言葉として、「良いワインを造ることが先人へのオマージュであり、それは・・・麻井さんや小沢シェフ、メルシャンさんたちへの感謝の想いです」と語っていました! 大村社長って、やっぱり、イイですね。
コロナが落着いたら、絶対にルバイヤートに行くぞ!!
✥ミュゼドゥヴァン松本平ブラッククイーン2019年/アルプス
ブラック・クイーンを初めて意識したのは、開発者川上善兵衛翁が開園した岩の原葡萄園120周年のイベントでした。岩の原と同年の1890年に開業した帝国ホテルで行われたディナーにブラック・クイーン2007が供出されたのですが、その時の印象は酸味の強さ!
その後、連載していた産経EXで善兵衛翁のマスカット・ベーリーAとブラック・クイーンについて紹介させていただきました。「いつか世の人が自分を認めてくれる日が来るであろう」と書き遺した善兵衛翁に対するリスペクトと日本の風土に合わせて開発されたぶどうたちを応援したく思ったからです。アグネスホテルで開催された岩の原葡萄園主催のぶどう品種と料理とのマリアージュでは、豚肩ロース肉のグリエとブラック・クイーンの相性がとても良く、口中の脂分をしっかりとした酸がきれいに洗い流してくれる印象でした。
2010年に岩の原葡萄園との関わりが深いサントリーワインインターナショナル株式会社(以後サントリー)がドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト社(以後DBR)と共同で特別醸造ワイン『センチュリー』を発売しました。ブレンド比率は、
・CS カベルネ・ソーヴィニヨン/33%(登美の丘ワイナリー産)
・PV プティ・ヴェルド /33%(同上)
・ME メルロ/ 28%(同上 18%、長野・塩尻市産10%)
・MBA マスカット・ベーリーA/ 3%(長野・塩尻市産)
・BQ ブラック・クイーン/ 3%(登美の丘ワイナリー産)
固有品種のMBAとBQは今までトップ・キュヴェに使われることはありませんでした。
DBRの醸造家エリック・コレールさんにとっても、これら2種のぶどうは初めて口にするものであり、欧州の醸造家が皆、そうであるように違和感や戸惑いを感じていたようです。でも、試飲を重ねるうちに、マスカット・ベーリーAに綿菓子のような甘さ、キャラメルのような甘さがあり、「ワインに温かさや優しさを与えること」、ブラック・クイーンは「ワインに強さを与えること」を実感し、センチュリーのブレンドに使うことを決めたそうです。
日仏友好のワイン『デュオ ダミ』に使われたブラック・クイーン
限定1380本、ぶどう産地は山梨県甲斐市産(登美の丘)62%、長野県塩尻産38%。ブレンド比率はメルロ56%、カベルネ・ソーヴィニヨン32%、プティ・ヴェルド7%、マスカット・ベーリーA4% 、ブラック・クイーン0.9%、カベルネ・フラン0.1%
2011年は冷涼なVTで完熟した年ではないものの、瓶内でゆっくり熟成していくスタイル
フランス語で“友好の二重奏”を意味する『デュオ ダミ』と命名されたワインが2014年に数量限定でリリースされたのですが、これはセンチュリーでもコンビを組んでいた ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト[ラフィット]社の醸造家エリック・コレールさんとサントリー登美の丘ワイナリーの渡辺直樹ワイナリー長の傑作です。
以上のようなブラック・クイーン遍歴をしてきた私にとって、ミュゼドゥヴァン松本平ブラッククイーン2019は目からウロコのワイン、とても鮮烈でした。本誌対談で、石井もと子さんは「ぶどうの熟度を高めることで、酸の強さをうまく束ね」とコメントし、エノログの川邉久之さんは「“じゃじゃ馬”なブラック・クイーンという品種を見事にデザインしたワインに仕上げています」と語っていますが、特徴的な強い酸味は全面に出ることもなく、ひたすら親しみやすいワイン、好感度200%でした!
川上善兵衛翁も、日本中のワインラバーが、ミュゼドゥヴァンを愛飲してくだされば、「いつか世の人が自分を認めてくれる日が来るであろう」との言葉を実感し喜んでくださると思っています。
ブログにお立ち寄りくださった皆さんがトライしてくださることを願っています!
No.123の並びには軽快感があってイイ感じ!
215本のブラインド・テイスティングから63本を決定!
私たちが選んだ“本当に美味しい”日本ワィンはこれ!
今号ではテイスターをさせていただきました。
2日間にわたる検証
photo by Kadowaki
赤ワインのテーブルでテイスターの川邉久之エノログと
マスカット・ベーリーAのコーナー
テイスティングは5人のテイスターが密にならないように3か所に分けて実施
夜、編集部から、一覧表にした5人の試飲結果が届きました、お疲れ様です!
すべてのワイン銘柄も記載されていたので、自らの採点を明確に確認できました。
215本のアイテムの中から“きらり”と光る存在も発見!
色調の違いにも趣があるロゼワイン
2日目は上位ワインをリ・テイスティング
撮影に備えてセッティング中のカメラマンKadowakiさん
この日は日本ワインの旗振り役石井もと子さんもご参加くださいました。
意見交換の様子は動画をご覧くださいませ!
甲州部門で高得点だったワインのフライト
ルバイヤートはマイベスト3の中の1本、超お薦めのワインです!
国際品種シャルドネ部門で5つ星のソラリス
安定感のあるワイン!
山梨県果樹試験場で育種されたビジュ・ノワール
フランス語で“黒い宝石”という意味を持つ品種です!
今、一番気になっているぶどう品種がアルバリーニョ
気候変動対策の一環として、仏ボルドー地方でも栽培が許可された品種
アルバリーニョ プレイバック!
photo by Morigami/2020年12月@つきぢ神楽寿司新館
昨年12月、大分県出身の森上久生ソムリエとワイン王国の村田惠子編集長&同編集部の大久保嬢と密やかな忘年会(コロナ渦中ということで)をしました。ワインは日本ワインに特化しました。その折、森上ソムリエが持参してくれたのが、同郷の安心院葡萄酒工房のアルバリーニョ2019でした。神楽寿司の和のテイストととても良く合っていました。森上さんは「2019年は原産地本来のアルバリーニョらしい、香味のキャラクターが備わりつつも、収穫時期の幾度にも重なる台風で、レイニーヴィンテージになりました」と語っていました。
今回、私はブラインド・テイスティングで、『安心院ワイン アルバリーニョ2020』に五つ星評価をしていました。2020年はぶどうも程よく熟し、ほぼ理想的な状態で収穫できたことがわかる味わいで、私にしっかりと存在感を示していました。日本で造られているアルバリーニョは高額なものが多いだけに、このワインは“カリテプリなアルバリーニョ”として、お薦めしたいです!
アルバはラテン語で“白”を意味する言葉
スペインのへレスの白い土壌アルバリサやアルバムも同じ語源です!
スパークリングワイン部門のフライト
キャメルファームワイナリーのレガミ エクストラ ドライ
6種のぶどうを巧みにブレンドしたチャーミングな泡もの!
![[ぴかぴか(新しい)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/150.gif)
ワイン王国7月号の購入はコチラから、お役に立つ最新号です!
追記:ルバイヤート甲州と川上善兵衛翁が開発したブラック・クイーン
画像データ:ワイン王国123号28頁
初日に215本のワインをブラインド・テイスティングした後、5人のテイスターの結果は即、集計され、最終的に「63本のワイン」が選出されました。そのなかで、特に評価が高かったワイン23本には “5つ星マーク” が付けられています。
“マイベスト3”は添付した画像の通りです。
✥130周年記念「ルバイヤートワイン」白2020年/丸藤葡萄酒工業
一覧表が届き、自分のメモと照らし合わせながら銘柄を確認。甲州部門で私が5つ星評価していたのは5本(エントリー数24)あり、なかでもB-21という番号のワインは酸味、果実味、なによりバランスの良さが際立っていて高評価できました。それが丸藤葡萄酒工業の甲州、自分でも納得できる結果だったと思っています。
編集部から「ベストワインを3本挙げてください」との指示が届いたので、マイベストのこのワインの要点をまとめるために、大村春夫社長に電話で軽いインタビューをさせていただきました。
先人へのオマージュは良いワインを造ること 大村春夫
甲州ぶどうは日本固有の品種として知られており、2010年にはブドウ・ワイン国際機構OIVに品種登録されました。カリフォルニア大学デイビス校によるDNA鑑定では85%ヴィティス・ヴィニフェラと判定されており、生産量が一番多い山梨県では、近年品質向上が著しく、甲州ぶどうから造られるワインは海外から高い評価を得ています
★★★★★ ☆☆☆☆☆ ★★★★★
ルバイヤートでは早くから辛口の甲州を生産していました。料理に合うワイン造りを念頭に置いていたからです。縁あって、俳優業以外でも料理研究をライフワークにしていた金子信雄(故人)さんが経営する荻窪のフランス料理店「牡丹亭(環八沿い)」にワインを持ち込み、味を見てもらいますが、小沢幸一シェフから「このワインだとうちの料理には合わない!」と厳しい指摘を受けます。
「嫌なら扱わないと言うはずだ。味の欠点を指摘してくれるのは、ワインの可能性を見込んでいるからかも知れない」と、シェフの心理を読んだ大村さんは、持ち前の負けん気を出して大奮闘。味わいの欠陥をなくすために試行錯誤を繰り返しました。
折しも、1983年にメルシャンがシュール・リー製法を開発して、2500円程(大村社長の記憶)でワインを発売したことは、大村さんにとって大きな衝撃でした。
同社が導入したパイパーオキシデーションや果汁処理(1970年代から試みられていた綺麗な果汁を得るための方法)等、ワイン造りの情報共有を受けながら、自らのワインに改善を加えていきます。
麻井宇介先生(故人)から甲州シュール・リー&ハイパーオキシデーションの関係を伝授された大村さんはルバイヤート独自の甲州を生み出します。タンク内のワインにポンプで空気を送り込み、酸化反応を起こさせ、酒質を向上させる製法なのですが、シュール・リーはフレッシュなうちに飲む若飲みワインなので、その効果がいかんなく発揮されています。いつ飲んでも美味しいし、“酢飯”が食べたくなる甲州シュール・リー。何度も言いますが(笑)、超お薦めの1本です!
大村社長は〆の言葉として、「良いワインを造ることが先人へのオマージュであり、それは・・・麻井さんや小沢シェフ、メルシャンさんたちへの感謝の想いです」と語っていました! 大村社長って、やっぱり、イイですね。
コロナが落着いたら、絶対にルバイヤートに行くぞ!!
✥ミュゼドゥヴァン松本平ブラッククイーン2019年/アルプス
ブラック・クイーンを初めて意識したのは、開発者川上善兵衛翁が開園した岩の原葡萄園120周年のイベントでした。岩の原と同年の1890年に開業した帝国ホテルで行われたディナーにブラック・クイーン2007が供出されたのですが、その時の印象は酸味の強さ!
その後、連載していた産経EXで善兵衛翁のマスカット・ベーリーAとブラック・クイーンについて紹介させていただきました。「いつか世の人が自分を認めてくれる日が来るであろう」と書き遺した善兵衛翁に対するリスペクトと日本の風土に合わせて開発されたぶどうたちを応援したく思ったからです。アグネスホテルで開催された岩の原葡萄園主催のぶどう品種と料理とのマリアージュでは、豚肩ロース肉のグリエとブラック・クイーンの相性がとても良く、口中の脂分をしっかりとした酸がきれいに洗い流してくれる印象でした。
2010年に岩の原葡萄園との関わりが深いサントリーワインインターナショナル株式会社(以後サントリー)がドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト社(以後DBR)と共同で特別醸造ワイン『センチュリー』を発売しました。ブレンド比率は、
・CS カベルネ・ソーヴィニヨン/33%(登美の丘ワイナリー産)
・PV プティ・ヴェルド /33%(同上)
・ME メルロ/ 28%(同上 18%、長野・塩尻市産10%)
・MBA マスカット・ベーリーA/ 3%(長野・塩尻市産)
・BQ ブラック・クイーン/ 3%(登美の丘ワイナリー産)
固有品種のMBAとBQは今までトップ・キュヴェに使われることはありませんでした。
DBRの醸造家エリック・コレールさんにとっても、これら2種のぶどうは初めて口にするものであり、欧州の醸造家が皆、そうであるように違和感や戸惑いを感じていたようです。でも、試飲を重ねるうちに、マスカット・ベーリーAに綿菓子のような甘さ、キャラメルのような甘さがあり、「ワインに温かさや優しさを与えること」、ブラック・クイーンは「ワインに強さを与えること」を実感し、センチュリーのブレンドに使うことを決めたそうです。
日仏友好のワイン『デュオ ダミ』に使われたブラック・クイーン
限定1380本、ぶどう産地は山梨県甲斐市産(登美の丘)62%、長野県塩尻産38%。ブレンド比率はメルロ56%、カベルネ・ソーヴィニヨン32%、プティ・ヴェルド7%、マスカット・ベーリーA4% 、ブラック・クイーン0.9%、カベルネ・フラン0.1%
2011年は冷涼なVTで完熟した年ではないものの、瓶内でゆっくり熟成していくスタイル
フランス語で“友好の二重奏”を意味する『デュオ ダミ』と命名されたワインが2014年に数量限定でリリースされたのですが、これはセンチュリーでもコンビを組んでいた ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト[ラフィット]社の醸造家エリック・コレールさんとサントリー登美の丘ワイナリーの渡辺直樹ワイナリー長の傑作です。
以上のようなブラック・クイーン遍歴をしてきた私にとって、ミュゼドゥヴァン松本平ブラッククイーン2019は目からウロコのワイン、とても鮮烈でした。本誌対談で、石井もと子さんは「ぶどうの熟度を高めることで、酸の強さをうまく束ね」とコメントし、エノログの川邉久之さんは「“じゃじゃ馬”なブラック・クイーンという品種を見事にデザインしたワインに仕上げています」と語っていますが、特徴的な強い酸味は全面に出ることもなく、ひたすら親しみやすいワイン、好感度200%でした!
川上善兵衛翁も、日本中のワインラバーが、ミュゼドゥヴァンを愛飲してくだされば、「いつか世の人が自分を認めてくれる日が来るであろう」との言葉を実感し喜んでくださると思っています。
ブログにお立ち寄りくださった皆さんがトライしてくださることを願っています!
シャトー・メルシャン 椀子(マリコ)ワイナリーオープン! [日本ワイン]
本日待望のオープン『シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー』
235.jpg)
小林弘憲ワイナリー長、村田惠子ワイン王国編集長、松尾弘則ゼネラル・マネージャーと
3連休初日の9月21日(土)にオープンした椀子ワイナリーについて、 ワインのこころで紹介させていただきました。3日間だけのオープニングイベントがありますので、この機会を利用して、お出かけくださいませ。
シャトー・メルシャンの哲学を表現した日本画
235.jpg)
作者は武田裕子(たけだひろこ)さん、若き精鋭!
http://www.takedahiroko.jp/about/
E6A480E5AD90E381AEE6B3A1.jpg)
椀子ヴィンヤードのシャルドネから造られたスパークリングワインは現地で楽しめます!

収穫前のメルロー畑のぶどうたち
椀子ワイナリーへのアクセス
■電車の場合
北陸新幹線「上田駅」下車
JR上田駅からタクシーで約25分
■車の場合
上信越自動車道「東部湯の丸」ICより約10分
詳細はhttps://www.chateaumercian.com/winery/mariko/index.html
235.jpg)
小林弘憲ワイナリー長、村田惠子ワイン王国編集長、松尾弘則ゼネラル・マネージャーと
3連休初日の9月21日(土)にオープンした椀子ワイナリーについて、 ワインのこころで紹介させていただきました。3日間だけのオープニングイベントがありますので、この機会を利用して、お出かけくださいませ。
シャトー・メルシャンの哲学を表現した日本画
235.jpg)
作者は武田裕子(たけだひろこ)さん、若き精鋭!
http://www.takedahiroko.jp/about/
E6A480E5AD90E381AEE6B3A1.jpg)
椀子ヴィンヤードのシャルドネから造られたスパークリングワインは現地で楽しめます!

収穫前のメルロー畑のぶどうたち
椀子ワイナリーへのアクセス
■電車の場合
北陸新幹線「上田駅」下車
JR上田駅からタクシーで約25分
■車の場合
上信越自動車道「東部湯の丸」ICより約10分
詳細はhttps://www.chateaumercian.com/winery/mariko/index.html
アサイ・ウスケ・ワールドを悠々自適にプレイバック! [日本ワイン]
先週末、『シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー』の生みの親である麻井宇介先生と、彼の思想を受け継ぎ、ワイン造りに人生をかけて突き進んでいく革命児たちを描いた映画『ウスケボーイズ』の試写を観たのがきっかけで、先生の書籍を読み返してみました。
ワインづくりの思想 ~銘醸地は動く~
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~ 着陸態勢に入るとアナウンスがあって間もなく、雲海の上の明るい空から乳白色の霧の中へ、機体は静かに沈み始めた。窓の外はたちまち光を失って、薄明の空間へすべりこむと、機内の空気は時が止まったように張りつめた ~
麻井宇介先生(2002年6月1日逝去)が2001年に上梓した『ワインづくりの思想/中公新書』の冒頭部分が好きです。なぜなら、ワイン書とは思えない流麗な文体、そこから見えてくる情景描写が見事だからです。
生前、先生が各方面に寄稿された「酒論」を、醸造産業新聞社が一冊にまとめた『酒精の酔い、酒のたゆたい(2003年5月初版)』に、微笑みたくなる一文がありました。
麻井文体のルーツ
そこへ現れたのが『フランスの葡萄酒』であった。その時まで、私はこの本が昭和11年に限定500部で刊行されていたことなど全く知らなかった。
「仏蘭西で私の居た家には大きな酒倉があって、毎日飲む食卓酒の他に、日曜日や祭日には必ず良い酒を倉から出して飲む習慣であった。(中略) 此等の人達と共に見たり聞いたり或は味わったことを思い出すままに書き綴ったのが、此の本である」
このさりげない著者のはしがきの通り、一読して感じたなによりの魅力は、自分の言葉で語り、知識の請け売りに堕していないところ にあった。この著者はいかなる人物か、寡聞にして知らない。もちろん余技としての著述であろう。だが、その簡明な文章は、よく整理された知識の上に凝縮していて、なみの教養人のものではない。ワインのある暮らしを体得した強みだけで書いた文章とは違う。読んでいて、私もまたいつかはこの本のように自分の言葉でワインを語れるようになりたい、 そういう思いにかられたものであった。
日本人の手になる最初の「ワイン書」のページより抜粋
麻井先生はこの著者の名を記していなかったので、ネットで調べてみました。
経歴は不明ですが、「十和田一郎」なる人物であることがわかりました。
麻井先生の格調高い文体は、酒書彷徨三昧を重ねるうちに、十和田氏の書籍に出逢い、感化され、先生の文章力にさらに磨きがかかったものと思われます。麻井先生が形容している “自分の言葉で語り、知識の請け売りでない”、これこそウスケ・スタイルの真髄であり、多くの読み手を魅了している点に他なりません。
海外の古書を収集し、それもウイスキーを主になさっていた先生は、ワインにはなるべく近づくまいとしていた。ワイン書は底なし沼。溺れたら危ない。それに、海外の酒をその国の人以上に知ろうなど所詮徒労ではないかと書いています。
でも・・・『フランスの葡萄酒』を書架に加えた時を機に、蒐書の比重はウイスキーからワインに傾いていったようです。さらに、関心は日本のワイン書発掘に向って行きます。それは、前述の名著誕生や桔梗ヶ原メルロー造りに繋がり、はたまた、戦後を生きたひとりの酒造技術者の見聞と行動を資料として残す、語り部としてのお役目も。ここに先生の宿命を感じます。
自らが手掛けたプロヴィダンス1999

プロヴィダンスに感銘を受け、ヴルティッチ流のワインづくりを会得しようと、ニュージーランドまで出向き、ワインを醸造してきた麻井先生のイニシャル「UA (ラベルの右下)」が記された1999年ヴィンテージ
時を経たプロヴィダンス1999を試飲

我が家に保存してあったプロヴィダンス
底から4㎝ほどしか残っていませんが大事な記念のワインです。
思い立って、ワインをグラスに注いでみると・・・
細かな澱と一緒にまどろんでいたワインは、オレンジや琥珀の濃淡を纏(まと)い、濁りは帯びているものの、下に置いた印刷物の文字が楽に読めるほどの淡さになっていました。香りはシェリーのオロロソに似た甘やかな印象、口中を支配するのは直線的な酸味、なめらかなタンニンの存在、鼻腔にかすかに残る果実のニュアンス、喉の奥に広がる余韻、バキュバンすることなく置いてあったにもかかわらず、多くの時を経てきたとは思えない状態、雑味や不快感がないことに驚愕!
醸造の過程で無水亜硫酸をまったく添加していないプロヴィダンスに関して、麻井先生は、無添加であることに疑問を感じ、精密な化学分析を依頼なさったと書いています。でも、結果は、「見事に何も検出されなかった」と。
ビオディナミの教祖ニコラ・ジョリ氏が来日したセミナーで、麻井先生が隣席という幸運に恵まれたのですが、その時のジョリ氏のセミナーでは、当日に抜栓したワインと3日前に抜栓したワイン(コルク栓もしない)の利き比べを行いました。ワインは『クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン1996』、2つのグラスの開き具合に多少の時間差はありましたが、ともにパワフルだったことだけは覚えています。
私は先生に「このワインは如何ですか?」と質問してみました。
「凄いワインだと思いますが、私は次の一杯も飲みたいと思うワインが好きです」とのお言葉が返ってきました。これって、プロヴィダンスのブラインドで先生が書いている言葉と同じです。思えば、これも1999年の出来事でした。
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『ワインづくりの思想』のプロローグに、1999年2月、プロヴィダンスのオーナー、ジェームス・ヴルティッチ氏が来日し、ボルドーのトップシャトーとプロヴィダンスのブラインドテイスティングが行なわれたこと。先生はそこで、おいしいと感銘し、次の一杯もこれを飲みたいと思うものを2点選ぶのですが、その2点ともがプロヴィダンスだったというくだりがあります。
未知の土地にぶどうを植え、たちまち頭角を現すというのは、偶然なのだろうか、それとも科学技術の進歩によるものなのか。この素朴な疑問は日本でワインをつくりつづけてきた私にとって、なんとしても答えを見出さなけれはならない宿題の1つであった。物語をもっと大きく設定するならば、「銘醸地は動くのか」ということである。
「ワインづくりの思想」より抜粋
宿命的風土論を超えて
ブドウ畑は、それぞれに個性を持つ。差異があるのは当たりまえなのである。これを「風土の違い」と表現したあたりで、、日本では銘醸地との差異が、追いつくことのできない宿命的な落差の意味を持つようになってしまった。そして、この逆もまたワインの世界では根強く蔓延した。名付けて「宿命的風土論」という。
銘醸地は人間がつくり出すものである。だから動く。一見、それが運命的に定まっているかのように、ここ150年ほど、動かずにいると見えるのは、人びとが「宿命的風土論」の呪縛から逃れられずにいたからだ。
「ワインづくりの思想」より抜粋

日本のワインづくりは、ブドウ農家と苦楽を分かち合う信頼関係を支えとしなければ存立しえないのである。桔梗ヶ原で、その問題と直面するのは、この時(昭和29年)から20年も後の事になる。
「酒・戦後・青春/世界文化社刊」より抜粋
この一文から20年後の塩尻で、メルローを栽培する決断が・・・
麻井宇介先生の信念
1976年1月、長野県塩尻市街にある桔梗ケ原の中央公民館で、100名を超す果樹栽培者を前に、「甘味果実酒の原料ぶどうを転換するなら、欧州系の本格的な品種に」と先生は提案。欧州系品種への改植、生ぶどう酒産地に生まれ変わる必要性を説き、桔梗ヶ原を熟知している林農園の林五一翁の後継者幹雄さんの「どうしてもやるのであれば・・・メルロー」という発言を受けて、栽培家にメルローへの取り組み(棚栽培)を促します。
シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローの育ての親ポール・ポンタリエ氏
今秋 長野県塩尻市に待望の『シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー』がオープンします。9月初旬にはプレス向けの視察もあるので、今からとても楽しみです。

1976年から契約栽培を開始した長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高700m、砂利質の水はけの良い土壌、画像は棚式栽培のメルロー(提供:メルシャン株式会社)

シャトー・マルゴー総支配人兼醸造責任者として活躍していたポール・ポンタリエ氏(2016年3月27日逝去)は1998年からシャトー・メルシャンの醸造アドバイザーに就任。以後、品質向上に向けてご尽力くださいました。
初めて、桔梗ヶ原メルローを試飲したポンタリエ氏は、ワインのポテンシャルを理解すると同時に、栽培上の欠点をも感じ取っていました。そこで、最初に提案したことは、“垣根式栽培の導入”でした。翌年(1999年)ポンタリエ氏のアドバイスに従い、同社では垣根式栽培の導入を決断。双方の努力により、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローはさらに素晴らしい進化を遂げています。

シャトー・メルシャンのラベルもチェンジします!
7月31日に発表された『Japan Wine Competition2018』で、桔梗ヶ原メルロー2014が金賞を受賞しました。発売は9月4日(火)なので、日本ワインファン、シャトー・メルシャンファンはお忘れなく!
桔梗ヶ原メルローの生み親 麻井先生と共にワイン造りに励み、ボルドー滞在中は子供同士がクラスメイトだったご縁で、ポンタリエ氏とメルシャンのつなぎ役をした藤野勝久氏が、『桔梗ヶ原メルロー30年の歩み』を同社のサイトに綴っています。一見の価値ありです!!!
http://www.chateaumercian.com/stories/special/kikyogahara_merlot/
尊敬する麻井宇介先生から、私がいただいたお言葉は
ワインを飲む楽しみは、知る楽しみによってさらに深まる
でした。同じように、映画を観る楽しみも、“知る楽しみ”によってさらに深まります。
日本ワインを世界レベルに引き上げたワイン業界屈指の有識者 麻井宇介先生の足跡&人となりを、映画をご覧になる前の“知る楽しみ”にしていただけると嬉しいです。
映画『ウスケボーイズ』

監督:柿崎ゆうじ
エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
プロデューサー:古谷健一 前田茂司
出演:渡辺大 出合正幸 内野謙太 竹島由夏 寿大聡ほか
原作:河合香織『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』小学館
企画・製作・配給:カートエンターテイメント
配給協力:REGENTS
10月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://usukeboys.jp/
ニュースサイトワインのこころ でも紹介しているので、覗いてください!
ワインづくりの思想 ~銘醸地は動く~
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~ 着陸態勢に入るとアナウンスがあって間もなく、雲海の上の明るい空から乳白色の霧の中へ、機体は静かに沈み始めた。窓の外はたちまち光を失って、薄明の空間へすべりこむと、機内の空気は時が止まったように張りつめた ~
麻井宇介先生(2002年6月1日逝去)が2001年に上梓した『ワインづくりの思想/中公新書』の冒頭部分が好きです。なぜなら、ワイン書とは思えない流麗な文体、そこから見えてくる情景描写が見事だからです。
生前、先生が各方面に寄稿された「酒論」を、醸造産業新聞社が一冊にまとめた『酒精の酔い、酒のたゆたい(2003年5月初版)』に、微笑みたくなる一文がありました。
麻井文体のルーツ
そこへ現れたのが『フランスの葡萄酒』であった。その時まで、私はこの本が昭和11年に限定500部で刊行されていたことなど全く知らなかった。
「仏蘭西で私の居た家には大きな酒倉があって、毎日飲む食卓酒の他に、日曜日や祭日には必ず良い酒を倉から出して飲む習慣であった。(中略) 此等の人達と共に見たり聞いたり或は味わったことを思い出すままに書き綴ったのが、此の本である」
このさりげない著者のはしがきの通り、一読して感じたなによりの魅力は、自分の言葉で語り、知識の請け売りに堕していないところ にあった。この著者はいかなる人物か、寡聞にして知らない。もちろん余技としての著述であろう。だが、その簡明な文章は、よく整理された知識の上に凝縮していて、なみの教養人のものではない。ワインのある暮らしを体得した強みだけで書いた文章とは違う。読んでいて、私もまたいつかはこの本のように自分の言葉でワインを語れるようになりたい、 そういう思いにかられたものであった。
日本人の手になる最初の「ワイン書」のページより抜粋
麻井先生はこの著者の名を記していなかったので、ネットで調べてみました。
経歴は不明ですが、「十和田一郎」なる人物であることがわかりました。
麻井先生の格調高い文体は、酒書彷徨三昧を重ねるうちに、十和田氏の書籍に出逢い、感化され、先生の文章力にさらに磨きがかかったものと思われます。麻井先生が形容している “自分の言葉で語り、知識の請け売りでない”、これこそウスケ・スタイルの真髄であり、多くの読み手を魅了している点に他なりません。
海外の古書を収集し、それもウイスキーを主になさっていた先生は、ワインにはなるべく近づくまいとしていた。ワイン書は底なし沼。溺れたら危ない。それに、海外の酒をその国の人以上に知ろうなど所詮徒労ではないかと書いています。
でも・・・『フランスの葡萄酒』を書架に加えた時を機に、蒐書の比重はウイスキーからワインに傾いていったようです。さらに、関心は日本のワイン書発掘に向って行きます。それは、前述の名著誕生や桔梗ヶ原メルロー造りに繋がり、はたまた、戦後を生きたひとりの酒造技術者の見聞と行動を資料として残す、語り部としてのお役目も。ここに先生の宿命を感じます。
自らが手掛けたプロヴィダンス1999
プロヴィダンスに感銘を受け、ヴルティッチ流のワインづくりを会得しようと、ニュージーランドまで出向き、ワインを醸造してきた麻井先生のイニシャル「UA (ラベルの右下)」が記された1999年ヴィンテージ
時を経たプロヴィダンス1999を試飲
我が家に保存してあったプロヴィダンス
底から4㎝ほどしか残っていませんが大事な記念のワインです。
思い立って、ワインをグラスに注いでみると・・・
細かな澱と一緒にまどろんでいたワインは、オレンジや琥珀の濃淡を纏(まと)い、濁りは帯びているものの、下に置いた印刷物の文字が楽に読めるほどの淡さになっていました。香りはシェリーのオロロソに似た甘やかな印象、口中を支配するのは直線的な酸味、なめらかなタンニンの存在、鼻腔にかすかに残る果実のニュアンス、喉の奥に広がる余韻、バキュバンすることなく置いてあったにもかかわらず、多くの時を経てきたとは思えない状態、雑味や不快感がないことに驚愕!
醸造の過程で無水亜硫酸をまったく添加していないプロヴィダンスに関して、麻井先生は、無添加であることに疑問を感じ、精密な化学分析を依頼なさったと書いています。でも、結果は、「見事に何も検出されなかった」と。
ビオディナミの教祖ニコラ・ジョリ氏が来日したセミナーで、麻井先生が隣席という幸運に恵まれたのですが、その時のジョリ氏のセミナーでは、当日に抜栓したワインと3日前に抜栓したワイン(コルク栓もしない)の利き比べを行いました。ワインは『クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン1996』、2つのグラスの開き具合に多少の時間差はありましたが、ともにパワフルだったことだけは覚えています。
私は先生に「このワインは如何ですか?」と質問してみました。
「凄いワインだと思いますが、私は次の一杯も飲みたいと思うワインが好きです」とのお言葉が返ってきました。これって、プロヴィダンスのブラインドで先生が書いている言葉と同じです。思えば、これも1999年の出来事でした。
201999.jpg)
『ワインづくりの思想』のプロローグに、1999年2月、プロヴィダンスのオーナー、ジェームス・ヴルティッチ氏が来日し、ボルドーのトップシャトーとプロヴィダンスのブラインドテイスティングが行なわれたこと。先生はそこで、おいしいと感銘し、次の一杯もこれを飲みたいと思うものを2点選ぶのですが、その2点ともがプロヴィダンスだったというくだりがあります。
未知の土地にぶどうを植え、たちまち頭角を現すというのは、偶然なのだろうか、それとも科学技術の進歩によるものなのか。この素朴な疑問は日本でワインをつくりつづけてきた私にとって、なんとしても答えを見出さなけれはならない宿題の1つであった。物語をもっと大きく設定するならば、「銘醸地は動くのか」ということである。
「ワインづくりの思想」より抜粋
宿命的風土論を超えて
ブドウ畑は、それぞれに個性を持つ。差異があるのは当たりまえなのである。これを「風土の違い」と表現したあたりで、、日本では銘醸地との差異が、追いつくことのできない宿命的な落差の意味を持つようになってしまった。そして、この逆もまたワインの世界では根強く蔓延した。名付けて「宿命的風土論」という。
銘醸地は人間がつくり出すものである。だから動く。一見、それが運命的に定まっているかのように、ここ150年ほど、動かずにいると見えるのは、人びとが「宿命的風土論」の呪縛から逃れられずにいたからだ。
「ワインづくりの思想」より抜粋

日本のワインづくりは、ブドウ農家と苦楽を分かち合う信頼関係を支えとしなければ存立しえないのである。桔梗ヶ原で、その問題と直面するのは、この時(昭和29年)から20年も後の事になる。
「酒・戦後・青春/世界文化社刊」より抜粋
この一文から20年後の塩尻で、メルローを栽培する決断が・・・
麻井宇介先生の信念
1976年1月、長野県塩尻市街にある桔梗ケ原の中央公民館で、100名を超す果樹栽培者を前に、「甘味果実酒の原料ぶどうを転換するなら、欧州系の本格的な品種に」と先生は提案。欧州系品種への改植、生ぶどう酒産地に生まれ変わる必要性を説き、桔梗ヶ原を熟知している林農園の林五一翁の後継者幹雄さんの「どうしてもやるのであれば・・・メルロー」という発言を受けて、栽培家にメルローへの取り組み(棚栽培)を促します。
シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローの育ての親ポール・ポンタリエ氏
今秋 長野県塩尻市に待望の『シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー』がオープンします。9月初旬にはプレス向けの視察もあるので、今からとても楽しみです。

1976年から契約栽培を開始した長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高700m、砂利質の水はけの良い土壌、画像は棚式栽培のメルロー(提供:メルシャン株式会社)

シャトー・マルゴー総支配人兼醸造責任者として活躍していたポール・ポンタリエ氏(2016年3月27日逝去)は1998年からシャトー・メルシャンの醸造アドバイザーに就任。以後、品質向上に向けてご尽力くださいました。
初めて、桔梗ヶ原メルローを試飲したポンタリエ氏は、ワインのポテンシャルを理解すると同時に、栽培上の欠点をも感じ取っていました。そこで、最初に提案したことは、“垣根式栽培の導入”でした。翌年(1999年)ポンタリエ氏のアドバイスに従い、同社では垣根式栽培の導入を決断。双方の努力により、シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルローはさらに素晴らしい進化を遂げています。
シャトー・メルシャンのラベルもチェンジします!
7月31日に発表された『Japan Wine Competition2018』で、桔梗ヶ原メルロー2014が金賞を受賞しました。発売は9月4日(火)なので、日本ワインファン、シャトー・メルシャンファンはお忘れなく!
桔梗ヶ原メルローの生み親 麻井先生と共にワイン造りに励み、ボルドー滞在中は子供同士がクラスメイトだったご縁で、ポンタリエ氏とメルシャンのつなぎ役をした藤野勝久氏が、『桔梗ヶ原メルロー30年の歩み』を同社のサイトに綴っています。一見の価値ありです!!!
http://www.chateaumercian.com/stories/special/kikyogahara_merlot/
尊敬する麻井宇介先生から、私がいただいたお言葉は
ワインを飲む楽しみは、知る楽しみによってさらに深まる
でした。同じように、映画を観る楽しみも、“知る楽しみ”によってさらに深まります。
日本ワインを世界レベルに引き上げたワイン業界屈指の有識者 麻井宇介先生の足跡&人となりを、映画をご覧になる前の“知る楽しみ”にしていただけると嬉しいです。
映画『ウスケボーイズ』
監督:柿崎ゆうじ
エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
プロデューサー:古谷健一 前田茂司
出演:渡辺大 出合正幸 内野謙太 竹島由夏 寿大聡ほか
原作:河合香織『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』小学館
企画・製作・配給:カートエンターテイメント
配給協力:REGENTS
10月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://usukeboys.jp/
ニュースサイトワインのこころ でも紹介しているので、覗いてください!
シャトー・メルシャン プリムール・テイスティング2018 ~思い出を重ね合わせながら~ [日本ワイン]
2017年産ワインの利き酒
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大橋健一MWを迎えての『シャトー・メルシャン プリムール・テイスティング』
今年で2回目の開催です。昨年、私は出張中で参加できなかったので、今回は安蔵光弘チーフワインメーカー(左)によるミレジム(収穫年)とワインの造りについての解説、大橋健一MWによる各ワインの講評をしっかり拝聴させていただきました。

会の冒頭、館野敦常務執行役員営業本部長は、「ワイン市場は緩やかに成長しており、なかでも日本ワインは順調に推移。構成比は全体の5%程度ですが、好調な伸びを示しており、弊社では今年9月長野県塩尻市に桔梗ヶ原ワイナリー、来秋には長野県上田市に椀子ワイナリーを建設予定。品質を含め、さらなる成長していきたい」と述べました。
2017年のミレジムについて
下表はボルドーのプリムール・テイスティングを参考にして作成した城の平地区のメルローの生育記録です。通常は萌芽、開花、ヴェレゾン(ぶどう果実の着色)、収穫を記載しますが、日本ではぶどうの萌芽が早い時は桜の開花も早いとのことで、よりわかりやすさを示す意味で、桜の開花(ピンク)と梅雨(空色)を挿入してあります。

画像はクリックで拡大
表をご覧いただくと、2015年の開花が早いことがわかります。例年より4~5日早かったようで、桜の開花とぶどうの萌芽に間があるのは寒さがぶり返し、その影響で萌芽が若干遅れたことを意味しています。2016年は2015年より、さらに4~5日早かったので、結果として10日ほど早い開花でした。
2017年の開花は例年並み。梅雨が短く、雨量も少なかったことで、晩腐病の一時感染が少なかったとのこと。8月は曇天と降雨で日照量は少なめ。9月以降は晴天が続き、生育の遅れを取り戻しました。10月中旬から気温が下がったので、晩熟のカベルネには酸が残り、最終的に、病気も少なく、糖度の高いぶどうが収穫できました。
シャトー・メルシャン テイスティングアイテム

(前列左から右)
#1:甲州きいろ香
#2:北信シャルドネRGC千曲川左岸収穫
#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸収穫
(後列左から右)
#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
#5:城の平 Barrel sample
#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample
#7:椀子オムニス Barrel sample
シャトー・メルシャンの各ワイン解説&講評
#1:甲州きいろ香

きいろ香のファーストヴィンテージは2004
大橋MWが「ピンクスキンのぶどうで、グリ系のゲヴェルツ等の品種とは異なる個性を持っている」と表現していた甲州
■産地は山梨県甲府市の南に位置する玉諸(たまもろ)地区、標高(約250m)は低く、砂地で熟すのが早いエリア。2004年の初VT以降、きいろ香に最適な産地を模索した結果、2010年頃から玉諸地区の甲州を使用。2017年は2016年より10日ほど遅い収穫になった。澱下げや冷却処理(酒石除去)は行わず、フィルター掛けも酵母等の大きな固まりを取り除く程度、できるだけ旨味を残す工夫をしている。
MW講評:甲州に関して、プロの間では確実に認知度があがっていると個人的には理解している。初期の甲州にはエステル香があり、酵母の力に頼っていた。2017年のきいろ香を昨年のものと比べると、テクスチュアがフェノリック(フェノール化合物由来の苦みの効いた)。良い意味でのビターさがあるので、ワイン全体のフィニッシュに奥行きを与えている。メルシャンチームの収穫時期の洞察、醸造技術を生かした個性的なヴィンテージと言える。
私感:きいろ香の生みの親、故富永敬俊博士のお言葉を辿りながら・・・・。
いつも、「きいろ香はリリース後、半年は静かにさせてから味わって」とおっしゃっていました。2005年ヴィンテージの発売後、博士からいただいたコメントに、「フグ刺にグレープフルーツを搾ることは躊躇しそうですが、バンペイユや日向夏等の和製柑橘なら合いそうですね。香りは果肉と皮ではかなり違います。きいろ香にみいだされる日向夏やバンペイユの香りは果皮に傷をつけて嗅ぐと良くわかります。柑橘の皮の持つビターさが連想できそうな、より複雑な香りが楽しめるはずです。きいろ香と和製柑橘で和食がもっと楽しくなりそうな気配です」というのがありました。2017年ヴィンテージを利き酒して、MWがコメントしていたビターな味わいは、柑橘果実の内果皮の苦みと重なり、料理との相性連想も楽しめました。
プリムール・テイスティングで供出された2017年VTから10年遡る2007年VTに関して、博士が寄稿してくださったアロマティック品種とノン・アロマティック品種も載せておきます。ご命日の6月8日、間もなくです。
#2;北信シャルドネRGC千曲川左岸 収穫
■産地は長野市豊野地区とその周辺。標高300~400m、粘土質土壌、収穫は10月上旬から中旬、右岸・左岸というテロワールを強調したワイン、ぶどうの果実味を大事にしているので、新樽(30%)の使用率は少なめ。すべて樽内発酵。
MW講評:北信シャルドネは左岸・右岸ということで、キャラクターの違うワインに仕上がっている。樽の乗り具合に幾分違いがあり、昨年はもう少しトースティ-でグリルした印象だったが、今年はクリーミー。ライトで酸がきれいに伸びているので、今の時点で完成度の高さを感じる。樽やMLF由来の滑らかさと、最後に和食に合うきれいな酸とかすかなフェノリックがテクスチュアを引き締める役割をしている美しいワイン。
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#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸
安蔵チーフワインメーカーは「熟したグレープフルーツ」、定点観測している大橋MWは「ソーヴィニヨン・ブランに感じるグァバやパッション・フルーツ様な香りがある面白いヴィンテージ」と表現した右岸のシャルドネ
■産地は長野県北信地区高山村と須坂地区。標高の最高位は650m、砂礫質土壌で日本でも有数の砂利が多いエリア、収穫は10月中旬、ブレント比率は須坂11%、高山89%、左岸同様新樽率は30%
MW講評:ソーヴィニヨン・ブランに感じるような香りのニュアンスが出ることが今までと違うヴィテージの印象。収穫をギリギリまで伸ばしたことで、酸は昨年より高め。今際立って感じる酸味、樽の要素は今夏のリリース時までには落ち着いてくると予想
4種の赤ワイン
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#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
■産地は山梨県穂坂地区、同地区の2つの畑をセレクト、遅摘み。標高は450~550m、昼夜の温度差が大きいので、きれいな酸が残る。樽育成(20~24ヵ月)は長めにして、キャンディー香ではなく、苺(完熟した苺)の香りを前面に出したい。瓶詰は早くて2年後。
MW講評:フォクシーフレーバーは勝沼より穂坂のほうが控えめなので、海外市場で適応できる。アールグレーのような若干スパイシーな茶葉の香り。より複雑味を増して進化したMBA。余韻にきれいな酸が残る。品種特性として酸もタンニンは控えめなので、それを補正するために、もう少し退廃的(オールドリオハや昔のカリフォルニアワインに感じたダスティーなニュアンス)なワイン造りも選択肢のひとつ(?)
アメリカンオークの使用について安蔵チーフワインメーカーは「2005年に、初めてMBAを名乗った品種別のワイン『山梨マスカット・ベーリーA 2001』をリリースした時にはフレンチオークを使用していましたが、その後のバレルトライアルで、MBAの華やかな香り、イチゴやジャムのような香りがアメリカンオークと相性が良いことがわかり、取り入れています」とおっしゃっていました。
私感:今年は岩の原葡萄園の創始者、MBAの生みの親 川上善兵衛さん生誕150年!
岩の原葡萄園のMBAのぶどうは真ん中からカットすると切り口が羊羹状! 凝縮していて水分をあまり感じさせません。安蔵チーフワインメーカーによると、穂坂のぶどうはジューシーとのこと。MBAに関しては、ぶどう自体の違い、収穫のタイミング、直近で試飲した各社(メルシャン、岩の原葡萄園、サントリー、MGVs等)それぞれの樽使い(樽熟)にも非常に興味惹かれています。
#5: 城の平
※バレルサンプルのブレンド比率は最終決定ではないのでリリース時とは異なる可能性あり
■産地は山梨県甲府市城の平ヴィンヤード、勝沼にある自社管理畑、標高550~600m、ここ10年くらいでカベルネ・フランCF、メルローME、プティ・ヴェルドPV、カベルネ・ソーヴィニヨンCSを植樹。ブレンド比率はCS84%、ME11%、PV5%、新樽率は60%。早摘みぶどうのCFは、8月1日からの悪天候(日照が少なかった)のため、ピラジン(ピーマン臭)が出てしまい、ブレンドには使用しない。ちなみに収穫日はCF10月4日~、ME10月5日~、PVは10月9日~、CSは10月18日。
MW講評:シャトー・メルシャンのアイコンワインのひとつ。偉大なCSを生産していることが素晴らしい。昨年来日して試飲したサム・ハロップMWは「2016年VTをインターナショナルクラス」と評価。ボルドーのワインと比べるとテクスチュアはまるいが、全体的なシェープは細い、昨年は全体的にまとまっていた。昨年がサン・ジュリアンだとしたら、2017年はぺサック・レオニャン、メルローを加えることで、幾分か肉付けをしているスタイル。タンニンは桔梗ヶ原と比べるとグラベリー(ごつごつした小石を口にした味わい、まだタンニンのざらつきが前面に出る)、カベルネらしさが出ているワインと言える。
#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample

■メルシャンのシグナチャーのワイン。産地は長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高730m、礫層が基盤の火山灰層が堆積した水はけの良い土壌。垣根式栽培、遅くまで収穫を引っ張った年、10月10日から開始。健全で糖度が上がった年、十分な酸味もあり、バレルサンプルは比較的醸しの長いタイプのものをブレンド。
MW講評:堂々たる存在感のあるワイン、メルロー主体のグラン・ヴァンに必要な要素が完結している。違うのはテクスチュアで、ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る。香りや木目の細かいタンニンの完成度は、日本のメルローの代表選手としてインターナショナルなレベルまでこのワインを押し上げているメルシャンの技術力によるもの。
私感:1998年からメルシャンの醸造アドバイザーに就任した故ポール・ポンタリエさん。
2013年の来日時に行った桔梗ヶ原メルローの垂直試飲での言葉がとても印象的でした。
「ワイン造りの定義は国によって様々であり、テロワールも違うので、フランスやカリフォルニア等と同じものを造っていくのではなく、本当の意味での“日本ワインを造る”ことであり、そのためには日本の文化、食生活と常にリンクしていかなければならない」と。そのポンタリエさんが桔梗ヶ原メルローに求めていた“フィネス&エレガンス”。今回、大橋MWは講評で「ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る」と表現していていましたが、私はこのスリムながら最後に酸が残るスタイルこそが、ポンタリエさんが常々言っていた“日本ならではの清涼感”だと思っています。故ポンタリエさんがアドバイスしてくださった桔梗ヶ原メルローの完成形、期待しています!
#7:椀子オムニス
■産地は長野県上田市椀子ヴィンヤード、標高650m、強粘土質土壌、垣根式栽培、椀子ではメルローのタンニンをうまく熟させたいというのが課題、ゆえに長くハングタイムを取りたい、ただ糖分がどんどん上がってしまうので、そのタイミングが難しい。カリフォルニアやボルドー右岸の様な悩みを持つ年は初めて。オムニスは椀子ヴィンヤードの中で、その年のベストの品種をメインにしているワイン。2017年の主要品種はCF。城の平(500m)と椀子(650m)では収穫時期が1週間から10日しか違わず、天候も山梨、長野とも大差なかったが、椀子の標高の高さと10日間の差がCFにベストマッチ。ブレンド比率は暫定でCF45%、ME33%、CS18%、PV4%。収穫日はME9月27日~、CF10月4日~、PV10月5日~、CS10月13日
MW講評:毎年主要品種が変わるワイン。世界からフューチャーリングされているCFがメインになったVT。 CFの良さがしっかり出ているかどうか、他の品種がCFからのサポートを受けているかを見ると、本来のCFのキャラクター赤い果実ではなく、オムニスは黒い果実イメージ。ただ、余韻にCFの特性のスミレのフレーバー、トップノートに微量ながらバランスの取れた軽いピラジンがある。香りより味わいの統一感に時間をかけるべきで、口中に感じるタンニンの素性、樹から抽出されたタンニンがまだ残っているので、瓶詰めまでにより時間をかけてリリースして欲しい。
■シャトー・メルシャン情報 >>>http://www.chateaumercian.com/aboutus/
■メルシャン製品ついてのお問い合わせ先 お客様相談室(フリーダイヤル) 0120-676-757
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大橋健一MWを迎えての『シャトー・メルシャン プリムール・テイスティング』
今年で2回目の開催です。昨年、私は出張中で参加できなかったので、今回は安蔵光弘チーフワインメーカー(左)によるミレジム(収穫年)とワインの造りについての解説、大橋健一MWによる各ワインの講評をしっかり拝聴させていただきました。

会の冒頭、館野敦常務執行役員営業本部長は、「ワイン市場は緩やかに成長しており、なかでも日本ワインは順調に推移。構成比は全体の5%程度ですが、好調な伸びを示しており、弊社では今年9月長野県塩尻市に桔梗ヶ原ワイナリー、来秋には長野県上田市に椀子ワイナリーを建設予定。品質を含め、さらなる成長していきたい」と述べました。
2017年のミレジムについて
下表はボルドーのプリムール・テイスティングを参考にして作成した城の平地区のメルローの生育記録です。通常は萌芽、開花、ヴェレゾン(ぶどう果実の着色)、収穫を記載しますが、日本ではぶどうの萌芽が早い時は桜の開花も早いとのことで、よりわかりやすさを示す意味で、桜の開花(ピンク)と梅雨(空色)を挿入してあります。

画像はクリックで拡大
表をご覧いただくと、2015年の開花が早いことがわかります。例年より4~5日早かったようで、桜の開花とぶどうの萌芽に間があるのは寒さがぶり返し、その影響で萌芽が若干遅れたことを意味しています。2016年は2015年より、さらに4~5日早かったので、結果として10日ほど早い開花でした。
2017年の開花は例年並み。梅雨が短く、雨量も少なかったことで、晩腐病の一時感染が少なかったとのこと。8月は曇天と降雨で日照量は少なめ。9月以降は晴天が続き、生育の遅れを取り戻しました。10月中旬から気温が下がったので、晩熟のカベルネには酸が残り、最終的に、病気も少なく、糖度の高いぶどうが収穫できました。
シャトー・メルシャン テイスティングアイテム

(前列左から右)
#1:甲州きいろ香
#2:北信シャルドネRGC千曲川左岸収穫
#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸収穫
(後列左から右)
#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
#5:城の平 Barrel sample
#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample
#7:椀子オムニス Barrel sample
シャトー・メルシャンの各ワイン解説&講評
#1:甲州きいろ香

きいろ香のファーストヴィンテージは2004
大橋MWが「ピンクスキンのぶどうで、グリ系のゲヴェルツ等の品種とは異なる個性を持っている」と表現していた甲州
■産地は山梨県甲府市の南に位置する玉諸(たまもろ)地区、標高(約250m)は低く、砂地で熟すのが早いエリア。2004年の初VT以降、きいろ香に最適な産地を模索した結果、2010年頃から玉諸地区の甲州を使用。2017年は2016年より10日ほど遅い収穫になった。澱下げや冷却処理(酒石除去)は行わず、フィルター掛けも酵母等の大きな固まりを取り除く程度、できるだけ旨味を残す工夫をしている。
MW講評:甲州に関して、プロの間では確実に認知度があがっていると個人的には理解している。初期の甲州にはエステル香があり、酵母の力に頼っていた。2017年のきいろ香を昨年のものと比べると、テクスチュアがフェノリック(フェノール化合物由来の苦みの効いた)。良い意味でのビターさがあるので、ワイン全体のフィニッシュに奥行きを与えている。メルシャンチームの収穫時期の洞察、醸造技術を生かした個性的なヴィンテージと言える。
私感:きいろ香の生みの親、故富永敬俊博士のお言葉を辿りながら・・・・。
いつも、「きいろ香はリリース後、半年は静かにさせてから味わって」とおっしゃっていました。2005年ヴィンテージの発売後、博士からいただいたコメントに、「フグ刺にグレープフルーツを搾ることは躊躇しそうですが、バンペイユや日向夏等の和製柑橘なら合いそうですね。香りは果肉と皮ではかなり違います。きいろ香にみいだされる日向夏やバンペイユの香りは果皮に傷をつけて嗅ぐと良くわかります。柑橘の皮の持つビターさが連想できそうな、より複雑な香りが楽しめるはずです。きいろ香と和製柑橘で和食がもっと楽しくなりそうな気配です」というのがありました。2017年ヴィンテージを利き酒して、MWがコメントしていたビターな味わいは、柑橘果実の内果皮の苦みと重なり、料理との相性連想も楽しめました。
プリムール・テイスティングで供出された2017年VTから10年遡る2007年VTに関して、博士が寄稿してくださったアロマティック品種とノン・アロマティック品種も載せておきます。ご命日の6月8日、間もなくです。
#2;北信シャルドネRGC千曲川左岸 収穫
■産地は長野市豊野地区とその周辺。標高300~400m、粘土質土壌、収穫は10月上旬から中旬、右岸・左岸というテロワールを強調したワイン、ぶどうの果実味を大事にしているので、新樽(30%)の使用率は少なめ。すべて樽内発酵。
MW講評:北信シャルドネは左岸・右岸ということで、キャラクターの違うワインに仕上がっている。樽の乗り具合に幾分違いがあり、昨年はもう少しトースティ-でグリルした印象だったが、今年はクリーミー。ライトで酸がきれいに伸びているので、今の時点で完成度の高さを感じる。樽やMLF由来の滑らかさと、最後に和食に合うきれいな酸とかすかなフェノリックがテクスチュアを引き締める役割をしている美しいワイン。
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#3:北信シャルドネRDC千曲川右岸
安蔵チーフワインメーカーは「熟したグレープフルーツ」、定点観測している大橋MWは「ソーヴィニヨン・ブランに感じるグァバやパッション・フルーツ様な香りがある面白いヴィンテージ」と表現した右岸のシャルドネ
■産地は長野県北信地区高山村と須坂地区。標高の最高位は650m、砂礫質土壌で日本でも有数の砂利が多いエリア、収穫は10月中旬、ブレント比率は須坂11%、高山89%、左岸同様新樽率は30%
MW講評:ソーヴィニヨン・ブランに感じるような香りのニュアンスが出ることが今までと違うヴィテージの印象。収穫をギリギリまで伸ばしたことで、酸は昨年より高め。今際立って感じる酸味、樽の要素は今夏のリリース時までには落ち着いてくると予想
4種の赤ワイン
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#4:穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィヤーズ Barrel sample
■産地は山梨県穂坂地区、同地区の2つの畑をセレクト、遅摘み。標高は450~550m、昼夜の温度差が大きいので、きれいな酸が残る。樽育成(20~24ヵ月)は長めにして、キャンディー香ではなく、苺(完熟した苺)の香りを前面に出したい。瓶詰は早くて2年後。
MW講評:フォクシーフレーバーは勝沼より穂坂のほうが控えめなので、海外市場で適応できる。アールグレーのような若干スパイシーな茶葉の香り。より複雑味を増して進化したMBA。余韻にきれいな酸が残る。品種特性として酸もタンニンは控えめなので、それを補正するために、もう少し退廃的(オールドリオハや昔のカリフォルニアワインに感じたダスティーなニュアンス)なワイン造りも選択肢のひとつ(?)
アメリカンオークの使用について安蔵チーフワインメーカーは「2005年に、初めてMBAを名乗った品種別のワイン『山梨マスカット・ベーリーA 2001』をリリースした時にはフレンチオークを使用していましたが、その後のバレルトライアルで、MBAの華やかな香り、イチゴやジャムのような香りがアメリカンオークと相性が良いことがわかり、取り入れています」とおっしゃっていました。
私感:今年は岩の原葡萄園の創始者、MBAの生みの親 川上善兵衛さん生誕150年!
岩の原葡萄園のMBAのぶどうは真ん中からカットすると切り口が羊羹状! 凝縮していて水分をあまり感じさせません。安蔵チーフワインメーカーによると、穂坂のぶどうはジューシーとのこと。MBAに関しては、ぶどう自体の違い、収穫のタイミング、直近で試飲した各社(メルシャン、岩の原葡萄園、サントリー、MGVs等)それぞれの樽使い(樽熟)にも非常に興味惹かれています。
#5: 城の平
※バレルサンプルのブレンド比率は最終決定ではないのでリリース時とは異なる可能性あり
■産地は山梨県甲府市城の平ヴィンヤード、勝沼にある自社管理畑、標高550~600m、ここ10年くらいでカベルネ・フランCF、メルローME、プティ・ヴェルドPV、カベルネ・ソーヴィニヨンCSを植樹。ブレンド比率はCS84%、ME11%、PV5%、新樽率は60%。早摘みぶどうのCFは、8月1日からの悪天候(日照が少なかった)のため、ピラジン(ピーマン臭)が出てしまい、ブレンドには使用しない。ちなみに収穫日はCF10月4日~、ME10月5日~、PVは10月9日~、CSは10月18日。
MW講評:シャトー・メルシャンのアイコンワインのひとつ。偉大なCSを生産していることが素晴らしい。昨年来日して試飲したサム・ハロップMWは「2016年VTをインターナショナルクラス」と評価。ボルドーのワインと比べるとテクスチュアはまるいが、全体的なシェープは細い、昨年は全体的にまとまっていた。昨年がサン・ジュリアンだとしたら、2017年はぺサック・レオニャン、メルローを加えることで、幾分か肉付けをしているスタイル。タンニンは桔梗ヶ原と比べるとグラベリー(ごつごつした小石を口にした味わい、まだタンニンのざらつきが前面に出る)、カベルネらしさが出ているワインと言える。
#6:桔梗ケ原メルローBarrel sample

■メルシャンのシグナチャーのワイン。産地は長野県塩尻市桔梗ヶ原地区、標高730m、礫層が基盤の火山灰層が堆積した水はけの良い土壌。垣根式栽培、遅くまで収穫を引っ張った年、10月10日から開始。健全で糖度が上がった年、十分な酸味もあり、バレルサンプルは比較的醸しの長いタイプのものをブレンド。
MW講評:堂々たる存在感のあるワイン、メルロー主体のグラン・ヴァンに必要な要素が完結している。違うのはテクスチュアで、ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る。香りや木目の細かいタンニンの完成度は、日本のメルローの代表選手としてインターナショナルなレベルまでこのワインを押し上げているメルシャンの技術力によるもの。
私感:1998年からメルシャンの醸造アドバイザーに就任した故ポール・ポンタリエさん。
2013年の来日時に行った桔梗ヶ原メルローの垂直試飲での言葉がとても印象的でした。
「ワイン造りの定義は国によって様々であり、テロワールも違うので、フランスやカリフォルニア等と同じものを造っていくのではなく、本当の意味での“日本ワインを造る”ことであり、そのためには日本の文化、食生活と常にリンクしていかなければならない」と。そのポンタリエさんが桔梗ヶ原メルローに求めていた“フィネス&エレガンス”。今回、大橋MWは講評で「ボルドーのものより幾分スリム、でも酸味がきれいに残る」と表現していていましたが、私はこのスリムながら最後に酸が残るスタイルこそが、ポンタリエさんが常々言っていた“日本ならではの清涼感”だと思っています。故ポンタリエさんがアドバイスしてくださった桔梗ヶ原メルローの完成形、期待しています!
#7:椀子オムニス
■産地は長野県上田市椀子ヴィンヤード、標高650m、強粘土質土壌、垣根式栽培、椀子ではメルローのタンニンをうまく熟させたいというのが課題、ゆえに長くハングタイムを取りたい、ただ糖分がどんどん上がってしまうので、そのタイミングが難しい。カリフォルニアやボルドー右岸の様な悩みを持つ年は初めて。オムニスは椀子ヴィンヤードの中で、その年のベストの品種をメインにしているワイン。2017年の主要品種はCF。城の平(500m)と椀子(650m)では収穫時期が1週間から10日しか違わず、天候も山梨、長野とも大差なかったが、椀子の標高の高さと10日間の差がCFにベストマッチ。ブレンド比率は暫定でCF45%、ME33%、CS18%、PV4%。収穫日はME9月27日~、CF10月4日~、PV10月5日~、CS10月13日
MW講評:毎年主要品種が変わるワイン。世界からフューチャーリングされているCFがメインになったVT。 CFの良さがしっかり出ているかどうか、他の品種がCFからのサポートを受けているかを見ると、本来のCFのキャラクター赤い果実ではなく、オムニスは黒い果実イメージ。ただ、余韻にCFの特性のスミレのフレーバー、トップノートに微量ながらバランスの取れた軽いピラジンがある。香りより味わいの統一感に時間をかけるべきで、口中に感じるタンニンの素性、樹から抽出されたタンニンがまだ残っているので、瓶詰めまでにより時間をかけてリリースして欲しい。
■シャトー・メルシャン情報 >>>http://www.chateaumercian.com/aboutus/
■メルシャン製品ついてのお問い合わせ先 お客様相談室(フリーダイヤル) 0120-676-757
半導体製造業からワイン業界に参入したMGVs(マグヴィス)ワイナリー [日本ワイン]
創業1周年を迎えたMGVs(マグヴィス)ワイナリーへ
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(左から)袖山政一醸造責任者、松坂浩志代表取締役、前田健栽培ディレクター
勝沼に誕生したサイエンスのワイナリー
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マグヴィスワイナリーの母体は半導体製造の塩山製作所。注目のワイナリーなので、お訪ねする2日前(20日)にも、NHK「ニュースチェック11」で取り上げられていました。
初訪問した22日は好天に恵まれ、松坂社長と前田氏の案内でぶどう畑を視察、ワイナリーに戻って袖山氏と共に施設を見学、テイスティングでは当日リリースされたばかりのワインを含む6アイテムを体験しました。
松坂社長への囲み取材で、
日本国内で行っていた半導体の生産はベトナムに移行したこと。明治時代から続く、ぶどう栽培農家の4代目で、所有するぶどう樹から収穫した甲州ぶどうを日川中央葡萄酒(タンクを1本レンタル)に委託してプライベートワインを造っていたこと。半導体の工場は元々ぶどう畑があった場所に建設したもので、ワイン事業にシフトするなら、土地の個性を反映させ、ローカルにこだわったものを造りたいというヴィジョンがあったこと等を伺いました。
半導体製造で使っていた窒素ガスのタンクを搾汁機に改造することで、酸化しやすい甲州対策に活用。半導体と同じく、ワインの品質に関しても徹底したこだわりを見せています。
印象的だったフレーズ
「ワイナリーでワインを造っていたのは芸術家だったが、芸術家だと失敗もある。でも、今ではペンフォールドは科学(サイエンス)を手に入れたので失敗がない」
前述の言葉は、お手本にしているというオーストラリアの名門ペンフォールド発のものだそうですが、これを引用して、「ワイン造りには失敗があるかも知れないけれど、サイエンスによって、一定の水準のものを出していかないと世界基準に通用しない」と松坂氏。
海外進出も視野に入れていますが、国際品種のカベルネやピノ・ノワール等の栽培ではなく、日本の固有品種甲州とマスカット・ベーリーA(MBA)に特化しているので、「まずは2品種の認知度を高めることが先決」と。ワイン愛飲者のすそ野を広げることも課題の1つになっています。将来的にはニュージーランド(条件として雨が降らないエリア)で、甲州とMBAを生産して、2品種の可能性を試したいとの考えもお持ちのようです。
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手掛ける品種は白ぶどうの甲州と黒ぶどうのMBAのみ
ワイナリー内の畑には垣根式のMBA!
3月22日発売のシャルマ法の甲州スパークリング
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差別化を考えてデザインされたボトルとユニークなラベル
泡もの全体の呼称は“ポシュPOSH”にしたいとのこと。発泡酒(はっぽうしゅ)の語呂に合わせた“ポシュ”は、英語では、豪華、素晴らしい、洒落た、贅沢な等の意味があります。
2020年をめどに瓶内2次発酵のスパークリングワインもリリース(1,000本)予定!
ワイン名の読み方レッスン

資料:MGVsワイナリー
マグヴィスワイナリーのラベルは極めてユニークです。
甲州はK、MBAはMで表示されています。さらに3桁の数字の一桁目は「ぶどうの収穫地」、2桁目は「仕込み、原料処理方法」、3桁目は「醸造方法」を意味しています。
K111のワインは、甲州、勝沼地区、フリーラン(一番果汁)、ステンレスタンク発酵で造られている、ということで、桁と数字を理解すれば、ワインの地域や造りがすべてわかる仕組みになっています。今までになかった斬新なアイデア、理系的発想! 2018年ヴィンテージからは耐水性のラベルに変わります。
視察したルートを辿って
甲府盆地が一望できる鳥居平
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マグヴィスワイナリーのぶどう畑は日川沿いに点在。段丘の底辺部分にあり、砂地で水はけの良さが特徴。
松坂社長によると、ワイナリーに隣接する日川は大菩薩(最高2000m)から下流まで一気に流れてくる急流で、特に500mから下流までは川がまっすぐだったことから、昔から何度も洪水に悩まされており、ワイナリー(330m)のある場所も明治40年の大水害で、全部流された由。現在の土壌は河川の浸食によってできたもので、段丘上部の粘土質の栄養分が流れ込んでいる砂地とのことでした。
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標高500mの鳥居平からは甲府盆地が見渡せます。
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3年前に植樹された西田の畑の元気な甲州!
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勢いのあるマスカット・ベーリーA
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温度管理について解説中の袖山醸造長
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バレルテイスティングしたのは下川久保の遅摘み甲州2017
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勝沼上岩崎引前のMBA(2017年10月収穫)、酒質がイイです!
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樽はフレンチオークとアメリカンオークを併用
春の新ヴィンテージリリース
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初のスパークリング
#1:K537 甲州NV GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
2015年と2016年に収穫した甲州。フリーランだけでなくプレスを使用しているにもかかわらず酒質ピュア、タンク内発酵(シャルマ法)が甲州のアロマを生かした印象。泡もクリーミー、ランチで一番使い勝手が良かったアイテム、1,002本、3,672円
遅摘甲州のヴィンテージ違い
#2:K131 甲州 勝沼町下川久保2017
4月22日ニューリリース
10月27日まで完熟させた甲州、フリーラン/プレスでステンレス発酵、2,464本、5,400円
#3:K131 同2016
2017年4月23日リリース
10月16日収穫、ワイナリーに隣接する単一畑の甲州、1年の熟成の違いが、香りに豊潤さ、味わいにまるみが出ていました。1,888本、5,400円
新生ロゼ
#4:B521 マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI
4月8日ニューリリース
淡い桜色、セニエ、ステンレスタンク発酵、MBAの果実風味、ライトな酸、全体におとなしい印象、2,328本、2,376円
樽の使い方、産地の違いを比較
#5:B553 マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
9月10日&27日収穫、甲州勝沼町&山梨牧丘町のぶどう、ステンレスタンクで発酵+8ヶ月樽熟、深紫色、キャンディアロマ、1,806本、3,240円
#6:B153 マスカット・ベーリーA 勝沼町下岩崎2016
2017年7月26リリース
10月3日の収穫、勝沼町下岩崎の単一畑、ステンレスタンク発酵+フレンチオークとアメリカンオークで6ヶ月熟成、赤紫色、赤系果実、アロマ芳醇、甘やかながら重厚感も備えた酒質、果粒コントロールの成果。1,481本、5,400円
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#5、#6の順
収穫のタイミングや酸化を防ぐ方法等で試行錯誤感のある甲州に比べて、MBAのほうが馴染み易く、品種の個性を感じました。個人的には果実風味に加え、重厚感のある#6に興味惹かれました。雨の多い日本ではぶどうの粒が大きくなってしまいがちなので、それを改善すべく、副梢果房栽培でMBA果房を30%小さくする努力を行っているとのこと。#6の凝縮感にその成果が出ている印象。
松坂社長は山梨大学岸本宗和准教授が研究している副梢果房のことを話していました。リンクした研究成果報告書を見ると、果房の変化が良くわかります。
すべてのステージを遅目(秋の長雨をやり過ごしてから収穫)にしているマグヴィスワイナリー。「健全果であればMBAは遅摘でも全然問題がなく、醸造に果梗も使える」との話も出ていたので、より深みのあるMBA誕生が楽しみです。
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各畑の土壌サンプル
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今回の視察を仕切ってくださった石井もと子氏
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ランチ By ビストロ・ミル・プランタン、五味さんのお店のケータリング!
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親しみやすい味わいのメニュー
K537のポシュは万能選手、B153の2016は鴨胸肉の軽い燻製と合わせて。
■日本ワイン探訪で、MGVsワイナリーにもお出かけください。新宿から塩山まで90分ほどです。https://mgvs.jp/
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(左から)袖山政一醸造責任者、松坂浩志代表取締役、前田健栽培ディレクター
勝沼に誕生したサイエンスのワイナリー
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マグヴィスワイナリーの母体は半導体製造の塩山製作所。注目のワイナリーなので、お訪ねする2日前(20日)にも、NHK「ニュースチェック11」で取り上げられていました。
初訪問した22日は好天に恵まれ、松坂社長と前田氏の案内でぶどう畑を視察、ワイナリーに戻って袖山氏と共に施設を見学、テイスティングでは当日リリースされたばかりのワインを含む6アイテムを体験しました。
松坂社長への囲み取材で、
日本国内で行っていた半導体の生産はベトナムに移行したこと。明治時代から続く、ぶどう栽培農家の4代目で、所有するぶどう樹から収穫した甲州ぶどうを日川中央葡萄酒(タンクを1本レンタル)に委託してプライベートワインを造っていたこと。半導体の工場は元々ぶどう畑があった場所に建設したもので、ワイン事業にシフトするなら、土地の個性を反映させ、ローカルにこだわったものを造りたいというヴィジョンがあったこと等を伺いました。
半導体製造で使っていた窒素ガスのタンクを搾汁機に改造することで、酸化しやすい甲州対策に活用。半導体と同じく、ワインの品質に関しても徹底したこだわりを見せています。
印象的だったフレーズ
「ワイナリーでワインを造っていたのは芸術家だったが、芸術家だと失敗もある。でも、今ではペンフォールドは科学(サイエンス)を手に入れたので失敗がない」
前述の言葉は、お手本にしているというオーストラリアの名門ペンフォールド発のものだそうですが、これを引用して、「ワイン造りには失敗があるかも知れないけれど、サイエンスによって、一定の水準のものを出していかないと世界基準に通用しない」と松坂氏。
海外進出も視野に入れていますが、国際品種のカベルネやピノ・ノワール等の栽培ではなく、日本の固有品種甲州とマスカット・ベーリーA(MBA)に特化しているので、「まずは2品種の認知度を高めることが先決」と。ワイン愛飲者のすそ野を広げることも課題の1つになっています。将来的にはニュージーランド(条件として雨が降らないエリア)で、甲州とMBAを生産して、2品種の可能性を試したいとの考えもお持ちのようです。
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手掛ける品種は白ぶどうの甲州と黒ぶどうのMBAのみ
ワイナリー内の畑には垣根式のMBA!
3月22日発売のシャルマ法の甲州スパークリング
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差別化を考えてデザインされたボトルとユニークなラベル
泡もの全体の呼称は“ポシュPOSH”にしたいとのこと。発泡酒(はっぽうしゅ)の語呂に合わせた“ポシュ”は、英語では、豪華、素晴らしい、洒落た、贅沢な等の意味があります。
2020年をめどに瓶内2次発酵のスパークリングワインもリリース(1,000本)予定!
ワイン名の読み方レッスン

資料:MGVsワイナリー
マグヴィスワイナリーのラベルは極めてユニークです。
甲州はK、MBAはMで表示されています。さらに3桁の数字の一桁目は「ぶどうの収穫地」、2桁目は「仕込み、原料処理方法」、3桁目は「醸造方法」を意味しています。
K111のワインは、甲州、勝沼地区、フリーラン(一番果汁)、ステンレスタンク発酵で造られている、ということで、桁と数字を理解すれば、ワインの地域や造りがすべてわかる仕組みになっています。今までになかった斬新なアイデア、理系的発想! 2018年ヴィンテージからは耐水性のラベルに変わります。
視察したルートを辿って
甲府盆地が一望できる鳥居平
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マグヴィスワイナリーのぶどう畑は日川沿いに点在。段丘の底辺部分にあり、砂地で水はけの良さが特徴。
松坂社長によると、ワイナリーに隣接する日川は大菩薩(最高2000m)から下流まで一気に流れてくる急流で、特に500mから下流までは川がまっすぐだったことから、昔から何度も洪水に悩まされており、ワイナリー(330m)のある場所も明治40年の大水害で、全部流された由。現在の土壌は河川の浸食によってできたもので、段丘上部の粘土質の栄養分が流れ込んでいる砂地とのことでした。
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標高500mの鳥居平からは甲府盆地が見渡せます。
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3年前に植樹された西田の畑の元気な甲州!
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勢いのあるマスカット・ベーリーA
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温度管理について解説中の袖山醸造長
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バレルテイスティングしたのは下川久保の遅摘み甲州2017
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勝沼上岩崎引前のMBA(2017年10月収穫)、酒質がイイです!
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樽はフレンチオークとアメリカンオークを併用
春の新ヴィンテージリリース
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初のスパークリング
#1:K537 甲州NV GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
2015年と2016年に収穫した甲州。フリーランだけでなくプレスを使用しているにもかかわらず酒質ピュア、タンク内発酵(シャルマ法)が甲州のアロマを生かした印象。泡もクリーミー、ランチで一番使い勝手が良かったアイテム、1,002本、3,672円
遅摘甲州のヴィンテージ違い
#2:K131 甲州 勝沼町下川久保2017
4月22日ニューリリース
10月27日まで完熟させた甲州、フリーラン/プレスでステンレス発酵、2,464本、5,400円
#3:K131 同2016
2017年4月23日リリース
10月16日収穫、ワイナリーに隣接する単一畑の甲州、1年の熟成の違いが、香りに豊潤さ、味わいにまるみが出ていました。1,888本、5,400円
新生ロゼ
#4:B521 マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI
4月8日ニューリリース
淡い桜色、セニエ、ステンレスタンク発酵、MBAの果実風味、ライトな酸、全体におとなしい印象、2,328本、2,376円
樽の使い方、産地の違いを比較
#5:B553 マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI
4月22日ニューリリース
9月10日&27日収穫、甲州勝沼町&山梨牧丘町のぶどう、ステンレスタンクで発酵+8ヶ月樽熟、深紫色、キャンディアロマ、1,806本、3,240円
#6:B153 マスカット・ベーリーA 勝沼町下岩崎2016
2017年7月26リリース
10月3日の収穫、勝沼町下岩崎の単一畑、ステンレスタンク発酵+フレンチオークとアメリカンオークで6ヶ月熟成、赤紫色、赤系果実、アロマ芳醇、甘やかながら重厚感も備えた酒質、果粒コントロールの成果。1,481本、5,400円
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#5、#6の順
収穫のタイミングや酸化を防ぐ方法等で試行錯誤感のある甲州に比べて、MBAのほうが馴染み易く、品種の個性を感じました。個人的には果実風味に加え、重厚感のある#6に興味惹かれました。雨の多い日本ではぶどうの粒が大きくなってしまいがちなので、それを改善すべく、副梢果房栽培でMBA果房を30%小さくする努力を行っているとのこと。#6の凝縮感にその成果が出ている印象。
松坂社長は山梨大学岸本宗和准教授が研究している副梢果房のことを話していました。リンクした研究成果報告書を見ると、果房の変化が良くわかります。
すべてのステージを遅目(秋の長雨をやり過ごしてから収穫)にしているマグヴィスワイナリー。「健全果であればMBAは遅摘でも全然問題がなく、醸造に果梗も使える」との話も出ていたので、より深みのあるMBA誕生が楽しみです。
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各畑の土壌サンプル
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今回の視察を仕切ってくださった石井もと子氏
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ランチ By ビストロ・ミル・プランタン、五味さんのお店のケータリング!
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親しみやすい味わいのメニュー
K537のポシュは万能選手、B153の2016は鴨胸肉の軽い燻製と合わせて。
■日本ワイン探訪で、MGVsワイナリーにもお出かけください。新宿から塩山まで90分ほどです。https://mgvs.jp/
本日から8日まで開催! シャトー・メルシャン ハーベスト・フェスティバル2017 [日本ワイン]

日本ワイン140年を記念して、メルシャンが今日(6日)から8日まで、 『シャトー・メルシャン ハーベスト・フェスティバル2017』を開催!
会場は六本木・東京ミッドタウンの広場キャノピー スクエア & シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バルの2ヶ所です!
乾杯の音頭を執った松尾GMは「今年のぶどうの出来は赤・白ともに素晴らしい」と宣言!
乾杯用のワインは当イベントのために用意した山梨県産シラーから造ったロゼ
五感テイスティング・ツアー
収穫の様子を体感できるVRコーナー
3機だけなので、並んでお待ちくださいね
チケットを購入してお好きなワインをセレクト!
青木のお薦めはシャトー・メルシャン 北信シャルドネRDC 千曲川左岸収穫2015
シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ2015
ワインセミナーやライブもありますので、詳細をチェック!http://blog.chateaumercian.com/fun/topics/2017/10/-2017-in-tokyo.html
東京で楽しめる収穫祭です。ワインな週末をenjoy!!
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