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昭和女子大オープンカレッジ閉校! 講師冥利のファイナル・レッスン! [オープンカレッジ]


fumi(23)の日のファイナル・レッスン!
今月31日で、さきがけ的存在だった昭和女子大学オープンカレッジが閉校に。私の講座も23日が最後になりました。

「最終回にはクリュッグを出してください」との声が多かったので、実現させましたが、当たり前は嫌いなので、今回はマグナムで用意しました。もう1本は希少シャンパンのアラン・ロベール。輸入元の(株)八田・城野社長にお願いして、特別供出していただきました。ヴィンテージは1990、思い入れのあるヴィンテージです。


クリュッグと比較したのはボランジェR.D.(Récemment Dégorgé/デゴルジュマンしたばかりの意味)2002。クリュックとボランジェは樽使いの双璧であり、007の最新『スペクター』にも登場しているアイテムなので、その話題性も含め、さらにはマグマムという贅沢さも加えて。

中央のレギュラ―サイズは、前座として登場させたタルランのトラデション・ブリュットNV。
輸入元の城野社長いわく「すごいスターたちが揃っているのだから、前座は必要だよ(笑)」ということで決定!

アラン・ロベールと比較したのは、長熟シャンパンの雄アンリオのアンシャンテルール1996(私の大好きなヴィンテージ)。アンリオはシャルドネを重視するメゾンであり、シャルドネだけのメゾン、アラン・ロベールの古酒との比較に興味がありました。


(左から
第1フライト 
#1:タルラン トラディション・ブリュットNV 750ml
生産者:タルラン(RM/輸入元:八田)
ぶどう品種:PN56% CH5%  PM39%/ドザージュ:6g/L 
デゴルジュマン:2014年2月
価格:オープン価格
輝きのあるイエロー、白い花、チョーク由来のミネラル、グレープフルーツや和風柑橘(イヨカン)、味わいにも柑橘果実(内側の白い皮)、ソフトなビター感、中盤から広がるきれいな酸味、バランスの取れたシャンパン

第2フライト

#2:ボランジェ アール・ディーR.D.1500ml
生産者:ボランジェ(NM/輸入元:アルカン)
ぶどう品種:PM60% CH40%/ドザージュ:3g/L
価格:80,000円(税別)
マダム・ボランジェが考案してリリースした1952年ヴィンテージから数えて24本目。通常はピノの比率が多いボランジェですが、2002年はシャルドネの出来が良かったので、60対40。フレッシュ感と同時に、口中にしばらく含んでから味わうとふくらみとまるみがより際立ち、そのあとに心地良い酸味。ナッツ、蜂蜜、エスニックノーズ、クリュッグはフェミニン、ボランジェは男性的な印象

#3:クリュッグ グランド・キュヴェ 1500ml
生産者:クリュッグ(NM/輸入元:MHDモエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:CH、PN、PM /ドザージュ:非公開
価格:59,000円(税別)
10の収穫年、約120種類のワインのなかから厳選(なかには15年を経たワインもあり)し、それらをブレンドしたマルチ・ヴィンテージ。グラス表面の泡沫は活発、フルーツゼリーやドライフルーツ、パンやへーゼルナッツ、アーモンド、品よくまとまった味わい

第3フライト

#4:アンリオ アンシャンテルール1996  1500ml
生産者:アンリオ(NM/輸入元:ファインズ)
ぶどう品種:CH50% PN50%/ドザージュ:10g/L
価格:59,000円(税別)
20歳を迎えたヴィンテージ、まだ若さを感じるイエロー、ピュアなミネラル感、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、ジンジャー、アンリオの神髄の〝酸〟はフレッシュ、(あと20年以上熟成可能)、旨味、長く続く余韻

#5:アラン・ロベール メニル・レゼルヴ(シャルドネ)1990  1500ml
生産者:アラン・ロベール(RM/輸入元:八田)
ぶどう品種:CH100%
特別供出:100,000円/現在在庫無
アラン・ロベールとの出会いは2006年に行った2006年度ベスト・ワン・シャンパンで、超リッチなYUTAKAさんが1本提供してくださったことがきっかけ。16年の熟成を経たアラン・ロベールは手間暇かけた逸品で、きらりと光る存在でした。

そして2008年4月、大容量ボトルでの熟成を学習するために選んだのがポル・ロジェで、その時にトップ・キュヴェのサー・ウインストン・チャーチル1996と比べたのがアラン・ロベール・メニル・レゼルヴ1990。デゴルジュマン(澱引き)は2007年12月上旬でした。 注文を受けてからデゴルジュマンすることでシャンパンにフレッシュさを与え、また長期間澱と一緒にしておくことで複雑さと旨みを引き出す。この対極がアラン・ロベールの特徴、ボランジェR.D.と同じ考え方ですが、出荷するまでには1年以上の期間を取っています。

奇しくも8年経過して対面したアラン・ロベール。とにかく美味! 今まで多くのシャンパンを味わってきましたが、これは究極の1本だと思います、マイ・ベストです!
黄金色、香りは複雑、柑橘のグレープフルーツ、熟したカリン、熟成を経て生じるヘーゼルナッツやマッシュルーム、極上のシャルドネから感じる蜂蜜、ねっとりした黄桃のネクター、余韻も長く、後ろ髪惹かれました。
入手困難になってしまったので、飲むチャンスはなかなかないと思いますが、手に入ったら絶対に時間をかけて味わうべきシャンパンです。その時はハンドメイドのブルゴーニュグラスで!
講座生の満足そうな表情、アラン・ロベールに恋をして目が星になっている人もいました(笑)

特別参加の講座生から超スペシャルなロゼ・マグナム

#6:ルイナール ドン・ルイナール ロゼ1996  
生産者:ルイナール(NM/輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:CH85%、PN15%、赤ワイン(ブージー)20%添加
私の最後の授業に、ということで資産家のMakiko女史が提供してくださったのが、大好きなルイナールの、それもドン・ルイナール・ロゼ1996!! 
何と言って良いやら、本当にありがとうございました!
提供者のスーパー才女は私の好きなヴィンテージ、尊敬するメゾン等、何もかも読まれている感じです。

IMG_6789.JPG
Photo by Fumiko (2015年11月撮影)
シャンパーニュ最古のクレイエール(シャンパンのセラーとして使われているローマ時代のチョークの採掘跡)を所有しているのがルイナールとシャルル・エドシックです。
ルイナールには地下25m、35m、40mの深さのカーヴがあり、長熟のドン・ルイナールは一番深いところで眠っています。

グラスに耳を近付けると、規則正しいリズムで泡のささやきが聞こえてきます。瓶熟の長さを感じさせる気泡は極めて繊細。舌の上に広がるシャンパンはワインに溶け込んでクリーミー。泡の存在が聴覚と味覚で異なる絶妙さです! ゴールドを含んだピンク、赤胴色。赤系果実や種の大きな果実(アプリコットや黄桃)、ブラッドオレンジ、ミネラル、タンニン由来のビター感、甘草のニュアンスも。ドン・ルイナールの傑作


メンバーのあたたかな気遣いに触れて

カレッジとの付き合いは、2001年秋期からでした。ワインの資格取得講座としてスタートして、2002年4月からワイン・レッスンのコースになりました。第1期生のよっしーは私の大切なワイン仲間になり、今期もご夫妻で参加してくれました。また、1期生のメンバーのひとりが毎回のワインリストとワインの画像を撮影し、プレゼントしてくれた2冊のファイルは大事な記念になっています。皆さんの温かさを実感したカレッジでした。


男性陣からはきれいな花束が!
『映画とワイン』の授業もありました。その時に参加してくださった、えめぞーさんとugeさんも今期参加してくれました。えめぞーさんの結婚式にも参列させていただき、Y家が約30年間保管していたテタンジェのナビュコドノゾ-ル(20本分)を抜栓して、ご相伴させていただく機会を得ました。

IMG
女子陣からはおいしいケーキのプレゼント!
シャンパン大好きな女子たちは、私の大いなる癒しでした。
NHK文化センター青山でも、よろしくです!


コアなメンバーと2次会で!

世田谷活性化の一環だったカレッジ、15年が過ぎました。いろいろなことがありましたが、ワインを生業にしていて、本当に良かったと思っています。
長い間、大変お世話になりました!

4月から、NHK文化センター青山校で、〝オーダーメイドなシャンパン・レッスン〟をスタートさせます。おかげさまですでに満席状態ですが、10月の募集の折に、チェックいただけましたら幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。たくさんの感謝を込めて!

2月のカレッジはブラン・ド・ブランにフォーカス&スパークリング講座@NHK文化センター青山 [オープンカレッジ]


2月はブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)に特化、6アイテムを試飲しました。


今回注目したのは村による個性の違いの探求です。
GCのメニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィズ、クラマン、シュイィとPCのヴェルテュ(地図にはありません)に該当するシャンパンを選んでみました。
GCのメニル、アヴィズ、クラマンの3村の特徴については、ローラン・ペリエの最高醸造責任者である尊敬するミッシェル・フォコネさんからの教えを参考にしています。



第1フライト
#1フランク・ボンヴィル グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン2010
生産者:フランク・ボンヴィル(RM) 
ぶどう品種:シャルドネ100% ドザージュ:5g/L
村名:アヴィズ&オジェ
価格:6,300円+税(ディオニー)
フォコネ:アヴィズはミネラル感はあってもメニルほど強すぎず、花弁の白い花が連想できる。骨格があり、まろやか。余韻はメニルほど長くはない。アヴィズはチョーク層が浅く、日照量が多い。
青木:塩味、白い花や柑橘系果実と皮に由来するビター感、#3より酸味は繊細、バランスの良さ

#2R&Lルグラ キュヴェ・プレジデンス ブラン・ド・ブラン ヴィエイユ・ヴィーニュ2005
生産者:ルグラ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100% ドザージュ:5g/L
村名:シュイィ
価格:9,305円+税(BB&R)
シュイィの畑は風の影響を受けるのでフレッシュで溌剌とした酸、ミネラル感を備えたぶどうに。北側斜面のぶどうは陽光を受けてゆっくり熟す。シュイィの40年以上の古樹(ヴィエイユ・ヴィ―ニュ)からのぶどうを使用。2005年ヴィンテージは気泡は溶け込み、3アイテムのなかでミネラル&味わいともに一番穏やか、白い花、カリン、ブリオッシュ、燻香、蜂蜜、白コショウのニュアンスも

#3ロベール・モンキュイ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン Ex-Brut
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100% ドザージュ:2g/L
村名:メニル・シュル・オジェ
デゴルジュマン:2015年3月5日
価格:7,000円+税(豊通食料)
フォコネ:ミネラルと酸味が強く、長い余韻が特徴。時間が経過してもなかなか香りが立たず、シャンパンのブレンドに使っても年月が経たないと膨らんでこない。その存在感は圧倒的。ゆえにメニルをシャンパンに入れると良いヴィンテージものができそうという気になる。
青木:チョーク質由来のミネラル感、凛とした酸、アフターのビター感、余韻の広がり


左から順に#1~#6

第2フライト
#4デュヴァル=ルロワ クロ・デ・ブーヴリー2005
生産者:デュヴァル=ルロワ(NM)  
ぶどう品種:シャルドネ100% ドザージュ:4.5g/L
村名:ヴェルテュ
価格:15,600円+税(ヴィレッジ・セラーズ)
デュヴァル=ルロワの醸造責任者サンドリーヌさんはヴェルテュの特徴として「気候変動の影響で、果実味豊かなぶどうから、リッチで豊潤なぶどうになってきている」とのヒントをくださいました。力強さと奥行きのある果実味と酸味、木香のニュアンス

#5G.H.マム ブラン・ド・ブラン クラマン・グラン・クリュNV

生産者:G.H.マム(NM)  
ぶどう品種:シャルドネ100%  ドザージュ:6g/L
村名:クラマン
価格:12,700円+税(ペルノ・リカール・ジャパン)
マムのブラン・ド・ブランは、その昔、メゾンの友人や製造責任者だけに提供するために造られていました。手渡しで贈ったことを証明する証として、角を丁寧に折りたたんだカードを必ず添えていたそうです。それが現在のラベルの角の曲がりに由来しています。また、ガス圧を4.5気圧と低めにすることで、なめらかでクリーミーな味わいになっているのも、このシャンパンの特徴です。
青木:クラマン(白亜の国)の名の通り、白から連想できる花や石灰由来のミネラル、シャブリに通じる酸味と味わい、口中滑らか、クリーミー

#6ランスロ・ロワイエ ブリュット・ミレジメ ブラン・ド・ブラン2008
生産者:ランスロ・ロワイエ(RM)  
ぶどう品種:シャルドネ100% 
村名:クラマン(+オジェ)
瓶詰:2009年2月26日 /デゴルジュマン:2015年6月25日
価格:6,300円+税(株 八田)
フォコネ:陽光が夕方になってやっと正面から当たるのがクラマン。チョーク層はかなり深いところにあり、ある程度の年数を経過したぶどう樹でないとチョーク層には届かないので取り込んだミネラル分をぶどうの実に反映させることができない。クラマンにはメニルやアヴィズにはなかった柑橘系果実(レモンやグレープフルーツ)の香りがあり、口中いきいき、アグレシィヴな面もある。
青木:色調はゴールド、夏ミカンやグレープフルーツ、ミネラル豊か、黄桃、サワークリーム、蜂蜜、クラマンらしいクリーミーさと余韻に残る上質感。講座生の人気No.1シャンパン!

現地で何度が村別のワインを試飲していますが、おぼろげながらイメージはつかめても、まだまだ試行錯誤中。ただ、意識して行うことで、少し、見えてきた気がします。
昭和女子大学のカレッジも、次回限りとなりました!
3月は講座生の皆さんからのリクエストをできるだけ反映させたいと思っておりますが、〆の意味もあるので、当日はストーリー性のある〝テーマ〟を貫きたいと思っています。
何卒よろしくお願いします。



NHK文化センター青山校の講座募集開始

[バー]4月からの〝オーダーメイドなシャンパン・レッスン〟の募集が24日からスタートしました。
詳細はコチラで。残席わずかになっています。
シャンパン&ワインラバーさんの迅速なリアクション、お待ちしています!

世界のスパークリングワインに合わせて素敵なお弁当も

改めまして・・・
4月から三軒茶屋の昭和女子大学カレッジから青山一丁目直結のNHK文化センターに移ります。1月にその前哨戦としてウォーミングアップ編〝ウチ飲みスパークリング・レッスン〟を行いましたので、併せてリポートしておきます。ここでのポイントは押さえおいて欲しいアイテム、話題のアイテムです。


頼りになる料理研究家の笹島ゆり先生の料理も柱のひとつでした!!
昨秋から意見交換させていただき、ゆりさんが練り上げてくださったのが画像のメニュー、講座生も大満足で、イカスミとマロンのパンはサプライズ!


開講前のお教室、お弁当やグラスの準備完了!

第1フライト

#1バルディビエソ エクストラ・ブリュットNV
生産国:チリ クリコ・ヴァレー  
生産者:バルディビエソ 
ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%
価格:1,600円+税(モトックス)
チリの伝統あるスパークリングメーカー、私のお薦めはブリュットではなく〝エクストラ・ブリュット〟

#2ロデレール・エステート カルテット ブリュットNV
生産国:アメリカ・カリフォルニア州  
生産者:ロデレール・エステート 
ぶどう品種:シャルドネ約60%、ピノ・ノワール約40%
価格:3,500円+税(エノテカ)
シャンパン・メゾンのルイ・ロデレールがカリフォルニアに進出して生産している安定感のある泡◎

#3クラウディ・ベイ ペロリュスNV
生産者:ニュージーランド・マールボロー地区  
生産者:クラウディ・ベイ
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:3,500円+税(MHD モエ ヘネシー ディアジオ)
SBで名を馳せたクラウディ・ベイ、スパークリングにはピノ・ノワールとシャルドネを使用

#4カ・デル・ボスコ フランチャコルタ プレステージNV
生産国:イタリア・ロンバルディア州  
生産者:カ・デル・ボスコ
ぶどう品種:シャルドネ75%、ピノ・ビアンコ10%、ピノ・ネロ15%
価格:4,800円+税(フードライナー)
イタリアの人気の泡もの、供出したアイテムの中で、唯一ピノ・ビアンコをブレンドしているタイプ

第2フライト

#5アラス グランド・ヴィンテージ2005
生産国:オーストラリア・タスマニア州  
生産者:ハウス・オブ・アラス
ぶどう品種:シャルドネ69.2%、ピノ・ノワール30.8%
価格:6,000円+税(アコレード・ワインズ・ジャパン)
豪州の冷涼エリア タスマニア産。バランスが良くエレガント。青木的に豪州No1の泡ものだと思っています。

#6フォリアージュ キュヴェ エクストラ ブリュットNV
生産国:フランス・シャンパーニュ地方  
生産者:フォリアージュ
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%
価格:8,900円+税(アズマコーポレーション)
昨年11月に日本上陸したばかりのビオディナミ農法によるシャンパン、豊かなミネラル感と口中でのふくらみ

#7キャメル・ヴァレー ピノ・ノワール ブリュット2009

資料提供:BB&R
生産国:イギリス・コーンウォール州  
生産者:キャメル・ヴァレー
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:6,380円税込(BB&R)
お薦めの英国産スパークリング、料理との相性も良く、魚介類の生臭みも解消できる優れもの。2008年のIWC、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードの金賞等、多くの受賞歴あり。


笹島ゆりさんのお料理は彩り&味わいともに好評でした。
きめ細かいサポート、本当にありがとうございました!!!

ゆりさんが集計なさった受講生からのアンケートによりますと■人気No.1は#7 ■お料理と合わせて楽しめたのは#1#7#5は危うくシャンパンと間違えるくらい素晴らしい、とのコメントがあったようです。講座後、#1をケース買いなさった方もいらしたとか。
ご参加くださった皆さまの笑顔が満足度の尺度になりますね(笑)
引き続き、よろしくお願いします。


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冬期講座初回はシャンパーニュの熟成具合をチェック! [オープンカレッジ]

講座生からのリクエストにお応えして

昭和女子大学のオープンカレッジは、その道の先駆者的存在でしたが、3月閉校なので今期講座(1~3月)が最後です。〝オーダーメイド〟と形容している講座なので、皆さんからのリクエストはできるだけ反映させています。
昨年12月は「マグナム」ということで、大容量ボトル4本(上記画像)の競演になりました。すべてのボトルの状態はとても良く、果実、花、スパイス、ブリオッシュ、ロースト・・・etc、さまざまなニュアンスがあり、フレッシュで活き活きした酸を持ち合わせているシャンパンに、講座生は満足していました。


コルクの長さがダントツに長かったのが、ローラン・ペリエのグラン・シ、エクル。故ベルナール・ド・ノナンクール会長とシェフ・ド・カーブのミシェル・フォコネさんの徹底したこだわりを感じました。


1月のリクエストは熟成具合
デゴルジュマン(滓抜き)を明記してあるメゾンにフォーカスしました。


供出したのは9アイテム、左から順に#1から#9


3メゾンのシャンパンは丁寧さを感じさせるキュヴェ


コルクのしまり具合も良好

第1フライトはブルーノ・パイヤール
設立:1981年、ぶどう畑:32㌶、年間生産本数:約480,000本、輸入元:ミレジム

ブルーノ・パイヤールの新ラベル()は7月中旬くらいから日本市場に流通しています。
輸入元ミレジムさん情報では、「昨年5月29日に現地から連絡があり、オフィシャルになりました」とのことでした。

1975年に仲買人として独立したパイヤールさんは28歳でメゾンを興します。一家はぶどう栽培と仲買をしていたので、シャンパーニュ地方のことは熟知しており、どこに行けば最高のぶどうが穫れるかもわかっていました。そのパイヤールさんがシャンパンメゾンのオーナーになって実行したのが、デゴルジュマン表記です。

メゾンの顔NVに使うぶどう品種とドザージュ量はいつも同じ。ゆえにデゴルジュマンの年月をみれば、瓶内変化、熟成の変化を理解することができます。素晴らしいことです!

#1:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年5月
価格:6,500円(税別)
GF、レモンバーム、白い花、アーモンド、軽いビター感(柑橘果実の内側の白い皮を口にした時の印象)、フレッシュで、心地よい酸味

#2:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年2月
価格:6,500円(税別)
抜栓した時のコルク良好、その時点で香りが広がり、飲む前からインパクトあり。夏ミカン、熟したマンゴー、黄桃、スパイス(白胡椒)、ミネラル、3つのなかで最も酸味のキレが良く、今後の熟成の可能性にも期待(#1#2 はベースワインのヴィンテージが違う可能性あり)

#3:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2012年7月
価格:6,500円(税別)
#1に感じたビターさはワインに完全に溶け込み、口中なめらか。ナッツ、ビスケット、ハチミツ、ミネラル、旨味、酸もソフト、複雑味あり


昨年12月に倉庫にあるボトルのデゴルジュマンの年月を調べて頂き、上記3種を選択
3本並べて気が付いたこと、それは1つ目が年月の表示の仕方、2つ目がブリュット(12g/L以下)からエクストラ・ブリュット(0~6g/L)への記載変更でした。ブルーノ・パイヤールのドザージュ量は6g/Lだったので、ブリュットでもエクストラ・ブリュットでも、どちらの表記でも良いのですが、一応、規定通りです。

過去データをチェックして、パイヤールのドザージュ量が変わっていたことがわかりました。2011年の講座時は8~9g/L、これはブリュットの範囲内。新ラベル時から6g/L、エクストラ・ブリュットになったのですね。http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-04-18

第1フライトの3アイテムともきれいな麦わら色で気泡も細やか。個人的には滓抜きから3年以上経過した#3が好み。さえぎるものなしのバランスの良さは講座生からの受けも良かったです。


第2フライトはニコラ・マイヤール
創業:1753年、ぶどう畑:16㌶、年間生産本数:150,000本、輸入元:豊通食料
マイヤールさんは2012年の来日時、カレッジで特別講座をしてくれました。自根の『レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ』は希少ワイン、見つけたら買いです!

#4:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:6,500円(税別)
第1フライトより濃いめの色調。繊細で持続性のある気泡、口中クリーミー、洋梨やかりん、凛とした酸

#5:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:8g/L、デゴルジュマン:2014年9月
価格:6,500円(税別)
色調はイエロー、香りは甘やか、ナッツやヴァニラ、栗やロースト、スパイス、上品な酸

リザーブワイン(樽でキープ)の使用率45%、MLFは行わないスタイル、4カ月違いのデゴルジュマンにもかかわらず、〝酸〟〝香り〟に熟成による変化が出ています。洗練されたシャンパン!


第3フライトはアグラパール
設立:1894年、ぶどう畑:12㌶、年間生産本数:約90,000本、輸入元:豊通食料
秀逸なブラン・ド・ブラン、また土着品種に取り組む注目の生産者

#6:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2015年6月(瓶詰2012年5月、2010年+2011年)
価格:9,500円(税別)
色調はイエロー、フレッシュで甘さを予感させる香り、かりん、ハチミツ、ミネラル、バランスのとれたスタイル

#7:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV 
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2014年12月(瓶詰2011年5月、2009年+2010年)
価格:9,500円(税別)
細やかな気泡、シャルドネ由来の凝縮したハチミツ、焙煎コーヒー、旨味、ミネラル、和食に合わせて。世界のメディアから注目されているアグラパール、その味わいに魅了された講座生が多かったのは嬉しいことでした。


第4フライトはマイヤールのロゼ 
ピノもシャルドネもブージー産、1㌶の畑を所有。「以前はセニエ法で生産していましたが、味わいが鈍くなりがちで、エレガンスと安定感に欠けるので」という理由から、ブレンド法に変更しています。


#8:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:7g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク、赤系果実(スグリ、ラズベリー)、ソフトな酸、ミネラル、若干のビター感、余韻に甘やかさ

#9:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2014年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク+イエロー、香り閉じ気味、クリーミー、ロースト、果実のコンポート、#8で感じたビターさもワインに溶け込んでなめらか

今回のテイステイングで、デゴルジュマンして日が浅いボトルと年数を置いたボトルでは各要素の馴染み方に差があることがしっかりわかりました。

講座生の皆さん、2月&3月のレッスンも楽しみながらいたしましょう。
リクエストがありましたら、早めにご一報ください。
引き続き、よろしく、です。

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カウントダウンの気分になってきたカレッジのシャンパン講座 [オープンカレッジ]

昭和女子大学オープンカレッジ(三軒茶屋)の講座も12月16日の回を終えると残り3回。冬期講座(2016年1月~3月)を残すのみとなりました。
お陰様で、今月4日に受付を開始した冬期分は早々に満席となり、定員超で実施することにしました。講座スタート当初に参加してくださった古参メンバーとも再会できそうです、懐かしいです!
アップが遅れていた10月、11月分のデータを載せておきます。

10月はクレマン・ド・ブルゴーニュも入れて

シャンパンは4メゾン、NVと上級アイテムを比較

第1フライト
#1:ドミニク・ローラン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュットNV
生産者:ドミニク・ローラン(輸入元:山信商事)
ぶどう品種:アリゴテ、CH 、PN
ドザージュ:約4g/L
2010年に日本上陸したスパークリング。白桃や洋梨、ミネラル、穏やかな酸、フードフレンドリー


11月のボジョレ・ヌーヴォーの解禁日にオエノングループの試飲会場で魚介類と合わせて体験。ドミニク・ローランの樽使の上手さ、これは値頃感あり(3000円・税別)

#2:ポル・ロジェ ブリュット レゼルヴ
生産者:(NM/輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:CH、PN、PM各3分の1
ドザージュ:8~9g/L
リザーヴワインの比率25%で、ベースのヴィンテージから〝3つ前の年までさかのぼったワイン〟をリザーヴワインに使用。香りは華やか、リンゴやグレープフルーツ、ミネラル、細く長く続く余韻。アペリティフ、和食や甲殻類に合わせて楽しめる万能タイプ!

第2フライト
#3:デュヴァル=ルロワ デザイン・パリNV
生産者:(NM/輸入元:ヴィレッジ・セラーズ)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10%
ドザージュ:8g/L
お洒落なデザインボトル、親しみやすく、クリーミーな味わい。ムースや茶碗蒸しにお薦め!

#4:エドシック・モノポール シルヴァー・トップ ブリュト
生産者:(NM/輸入元:ヴランケン ポメリー・ジャパン)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10% 
ドザージュ:12g/L 
エドシックの本家、白い花や白桃、若干のビター感、シャンパンメゾンのなかでは多めのドザージュ量なので、低めの温度でサービスしたほうが全体にまとまる印象

#5:フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュット
生産者:(NM/輸入元:富士インダストリーズ)
ぶどう品種:PN65%、CH30%、PM5%
デゴルジュマン:2015年1月
ドザージュ:8g/L
ミネラル、ハチミツやロースト、軽いビター感、中盤以降も舌の上に残る綺麗な酸、長い余韻

第3フライト
#6:エドシック・モノポール・ゴールドトップ2007
生産者:(NM/輸入元:ヴランケン ポメリー・ジャパン)
ぶどう品種:CH35%、PN35%、PM30%
ドザージュ:12g/ L
フレッシュさと熟成感の共存、ブリオッシュ、焙煎香、温度が上がった時のバランスが少し気になりました。

#7:フィリポナ グラン・ブラン ブリュット2006
生産者:(NM/輸入元:富士インダストリーズ)
ぶどう品種:CH100%  
デゴルジュマン:2014年10月
ドザージュ:4.25g/L 
深みのある黄色、気泡はワインに溶け込みクリーミー。アカシア、ヘーゼルナッツ、ドザージュ量少なめ。ぶどう本来の旨みや生地の良さを感じる味わい、熟成による変化&バランス良好

#8:デュヴァル=ルロワ ファム・ド・シャンパーニュGC2000
生産者:(NM/輸入元:ヴィレッジ・セラーズ)
ぶどう品種:PN5%、CH95%
ドザージュ:4.5g/L
デュヴァル・ルロワのトップ・キュヴェ。初リリースは1990年、続いて95年、96年、2000年(2012年から販売)。オーク樽で熟成したワイン(25%)をブレンド。樽由来の重厚感、エレガントでしなやかな


11月講座ではスペシャルなロゼ・シャンパン登場
第1フライト

#1:ビルカール・サルモン ブリュット ロゼ
生産者:ビルカール・サルモン(NM/輸入元:JAL)
ぶどう品種:CH50%、PN40%、PM10%
参考価格:12,000円(税別)
ブレンドによるロゼ、綺麗なサーモンピンク、溌剌とした酸、ミネラル感、バランスの良さは絶品

#2:ド・スーザ ブリュット ロゼ
生産者:ド・スーザ(RM/輸入元:中島董商店)
ぶどう品種:CH92%、PN8%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2012年4月20日
参考価格:8,800円(税別)
セニエによるロゼ、アセロラ色、樽香、ミネラル感、メリハリのある酸、タンニンの要素、存在感あるロゼ、#1は女性的、#2は男性的。
世界最優秀ソムリエのアンドレアス・ラーソンさんはこのロゼについて、「シャルドネの繊細さとピノ由来の赤い果実のアロマが表現されたシャンパン。脂分の多いマグロや大トロ、サーモンやウナギ等」と表現

第2フライト

講座生にも人気のキャップシュール

#3:ルイ・ロデレール ブリュット ヴィンテージ2008
生産者:ルイ・ロデレール(NM/輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
参考価格:10,000円(税別)
本来はロゼの予定だったアイテム(12月にロゼを供出予定
2008年の〝しっかりとした酸〟が骨格をなしているシャンパン、口中なめらか、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、余韻の長さ、冷蔵庫温度より少し高めにして!

#4:ペリエ ジュエ ベル エポック エディション オータム2005
生産者:ペリエ・ジュエ(NM/輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン)
ぶどう品種:CH43%、PN50%、PM5%
参考価格:50,000円(税別)
日本先行発売のロゼ! ベル エポックの新アイテムエディション オータム2005
ブレンドによるロゼ、オレンジを含む色調、秋の果物(柿、ザクロ、マロン)、ソフトな酸、#2に共通するタンニンも。複雑さと余韻の広がりが魅力

12月は4本のマグナムで

来週16日は、講座生からのリクエストを反映させ、供出するのはマグナム4本。大容量だけの特化は今までになかったことです。「ローラン・ぺリエのグラン・シエクルを」というリクエストも叶えました。2015年の素敵な〆にしたいと思っています。
講座生の皆さま、よろしくお願いします!

[本]新刊紹介
シャンパン仲間の扇谷まどかさんから、素敵な新書が届いたので紹介させていただきます。
12月8日刊の『2000円のワインでもソムリエと会話がはずむ本』です。
共著: 扇谷まどか / 手尾広遠
定価:1400円+税
発売元:(株)秀和システム
お薦めしたいポイントは3つ
■1月第1週から12月第5週までの〝今週のワイン〟は頼りになる助っ人
■ワインにまつわるウンチク、ストーリーは、ワインと友達になる一番の近道
■掲載ワインはプロの試飲あっての結果なので、何より安心
2000円のシャンパンはありませんが、本書には1000円台、2000円台のリーブナブルなアイテム満載。〝ワインを身近に〟、そのツールとしてお役立ていただければ幸いです!



第一弾 粋な男にすすめたいシャルル・エドシック、その人生は〝シャンパン・チャーリー〟で! [オープンカレッジ]

十数年ぶりの日本上陸 シャルル・エドシック
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カレッジの夏期最後は9月1日に日本デビューしたシャルル・エドシックにフォーカスしました。
9日にはシェフ・ド・カーブのシリル・ブランさんが来日、プレスランチでお目にかかれそうですし、11月にはメゾンを訪問予定なので、ワクワクしています。

3つのエドシック
シャンパン界には、エドシック・モノポール、パイパー・エドシック&シャルル・エドシックの3つのエドシックがあります。本家は1785年創業のモノポー・エドシック、1785年創業のパイパー・エドシックは分家、シャルル・エドシックは1851年にシャルル=カミーユ・エドシックと妻の弟エルネス・アンリオ(1976年に故ジョセフ・アンリオがシャルル・エドシックを買収しましたが、彼はエルネス・アンリオの子孫)が興しました。
2011年からパイパー・エドシックとシャルル・エドシックはフランスのラグジュアリーグランドの集合体EPIグループの傘下になっています。

パイパー・エドシックの醸造責任者であるレジス・カミュさんが2002年にシェフ・ド・カーヴに任命され、その後、2012年にティエリー・ロゼさんが後任者に。残念なことに昨年10月、彼が逝去したため、現在シリル・ブランさんがシェフ・ド・カーヴとして活躍中です。

9月30日のシャンパン講座は〝シャンパン・チャーリー〟の映像を横目で観ながら進めてみました。ちなみに、Charles は英語でチャールズ。アメリカではチャーリーの愛称で親しまれ、イギリスではシャンパン・チャーリーのタイトルのミュージカルが大人気になりました。

第1フライトではパイパーとシャルルの比較
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#1:シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴNV
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH、PN、PM 各3分の1
ドザージュ:11g/L 
価格:7,500円(税別)
シャルル・エドシックは60の区画、リザーヴワインは平均10年以上、それを40%使用、36か月以上の熟成、ドザージュ後は半年から1年休ませてから出荷が基本。時間を大事にしているメゾンです。何度か飲んで、ナッツやコンポートのニュアンスが特徴だと思いました。ミネラル、ハニー、中盤以降の酸の余韻、若干のビター感(温度の変化でビター感も溶け込んで変化)、程よいバランスの重厚感が魅力。ここまで書くと、「樽使用?」とお思いでしょうが、樽は使用していません。

#2:パイパー・エドシック エッセンシャル・ブリュットNV
生産者:パイパー・エドシック(NM/輸入元:レミー・コアントロー・ジャパン)
ぶどう品種:PN55~60%、PM20 ~25%、CH10~15 %
ドザージュ:7g/L
価格:6,000円(税別)
色調は#1より淡く、味わいはフレッシュで果実味豊か、特に柑橘系果実の要素を感じます。口中での広がりも余韻も#1と比べるとライトです。

講座生の好みは14対4(1名欠席)という結果になりました。いつも適切なコメントをしているシャンパン女史は「シャルル・エドシックは秋に飲みたいシャンパン」と表現。昨日の気候がチャーリーに味方したようです。

第2フライト&第3フライト
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#3:シャルル・エドシック ブリュット・ヴィンテージ2005
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH50%、PN50%
ドザージュ:9g/L  
価格:12,000円(税別)
果実味、ミネラル、木の実のニュアンス、クリーミー、余韻に広がる酸味と旨味
気品があり、美味です!

#4:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール1995
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH100% 
ドザージュ:9g/L 
価格:24,000円(税別)

#5:シャルル・エドシック ロゼ・ヴィンテージ2006
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH、PM、赤ワイン10%添加
ドザージュ:9g/L 
価格:13,000円(税別)
色調は綺麗なサーモンピンク、邪魔するものがなにもない素直で上品な味わい。講座の前日のメルシャン&日本リカーの合同試飲会でロゼNVを試飲しましたが、生地の綺麗さ&ぶどうの選択はヴィンテージのほうが数段上の印象。3500円違い(ロゼNVは9,500円)なら、私はヴィンテージ2006を薦めます!

[リボン]追記(2015年10月9日付):醸造責任者のシリル・ブランさんによると、2006年ヴィンテージは今年に春にリースしたばかり。これから2~3年後に、次のヴィンテージとして2005年をリリースするとのこと。

20年の時を経た1995年ヴィンテージ
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古酒の醍醐味、ココアやほっこりした栗(講座生の意見)、旨味、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、いまだフレッシュさ(酸味)も備えているこだわりの1本。冷やし過ぎないで供出したいです。

時間を大事にしているアンリオのトップキュヴェ『アンシャンテルール』でも2000年、ブルーノ・パイヤールの『NPU』でも1999年。市場を見まわして1995年ヴィンテージが最新というのはシャルル・エドシックぐらいではないでしょうか。


ダンディーな男のためのシャンパーニュ
テレビ映画『シャンパン・チャーリー』から抜粋
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粋な紳士だったと言われているシャルル=カミーユ・エドシック
主役は彼がメゾンを興した年齢と同じ29歳の時のヒュー・グラントです。全編、華やかな衣装で、「チャーリーって、こんなにおしゃれだったんだ」と思うことしきり。シャンパーニュのぶどう畑や調合風景、カーブ内の温度があがり、二次発酵の気圧に耐えきれずにボトルが破損等、映画からシャンパーニュ地方の雰囲気を味わうことができます。


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映画の冒頭シーンです。1836年ロシア・サンクトペテルブルグの宮殿でニコライ一世に自らのシャンパンを献上したシャルル・アンリ・エドシック(シャルルの父)。ニコライ一世は部下にサーベルを所望し、チャーリーにボトルを高く掲げさせて、シャンパンサブラージュをします。ナポレオンの流儀を見たことがある皇帝はその作法を〝ロシアン・メソッド〟と呼んでいました。


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皇帝のサーベルはチャーリーの持つボトルの首元に見事タッチ
※映画にはいくつか時代考証が気になる箇所があります。これもその1つで、チャーリーの生まれは1822年なので映画が明記している1836年なら14歳。でも映画では6歳!

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アメリカでシャンパンのセールスに大成功しているチャーリー
紳士&淑女の前でシャンパンのお披露目をする彼はバトラー将軍のサーベルで〝ロシアン・メソッド〟。字幕なしですが、youtubeで〝Champagne Charles〟で検索すれば鑑賞できます。

さて、輸入元 日本リカーのシャルル・エドシックへの賛辞がコピーから伝わってきます。
ダンディーな男のためのシャンパーニュ、これは味わえば誰もが納得、私もそう思います!

問合わせ先:日本リカー株式会社/ 03-5643-9770


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シャンパン編講座で実力発揮の英国産スパークリングワイン! [オープンカレッジ]

先週行ったシャンパン編講座
今まで何度か英国産スパークリングを取り上げていますが、品質向上、改めて実感しました!

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夏期講座の初回は全部で10アイテム、4フライトにわけてブラインドテイスティング
(すべて瓶内二次発酵)
右端のコルクは・・・ポルトガルのお土産ワイン、特別供出!

第1フライト 
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#1:ベリーズ・ユナイテッド・キングダム キュヴェGC マイィ2005 
生産者:マイィ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%  シャルドネ25%
輸入元:BB&R
シャンパンメゾン『マイィ』のBB&R向けラベル、雰囲気があってイイですね

#2:ラングロワ=シャトー クレマン・ド・ロワール レゼルヴ2007
生産者:ラングロワ=シャトー (フランス・ロワール)
ぶどう品種:シュナン・ブラン60%、シャルドネ20%、カベルネ・フラン20%
ドザージュ11g/L
輸入元:アルカン
ラングロワ=シャトーはシャンパンのボランジェ傘下です。ピュアでチャーミングな泡もの。
主要品種はロワールのシュナン・ブラン、グラスから色の違いを感じ取ることができます。
〝夏の夕暮れ、テラスで〟がピッタリ!

#3:ボッシェンダル グラン・クヴェ ブリュット2009
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資料提供:三国ワイン

生産者:ボッシェンダル(南アフリカ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール51%、シャルドネ49%
ドザージュ8g/L
輸入元:三国ワイン
参考商品(日本未輸入)
先日、三国ワイン主催で南アワインセミナーがありました。ワインメーカーはスパークリングと白ワイン担当のリゼル・ガーベルさん。シャンパーニュ地方で3年間醸造を学び、1995年から本国でワイン造りに関わっています。泡のスペシャリストであるリゼルさんが造ったグラン・クヴェ ブリュット2009は、アモリム・トロフィー(同じヴィンテージにおける南ア最高のスパークリングワイン)を受賞しています。テイスティング時、熟成のバランスがとても良かったので、同社にお願いして2本調達していただきました。

全てのフライトにシャンパンを入れています。難しいフライトだったと思います。この回(計19名)の結果は15、2、2。1929年に創業したマイィ(協同組合)の酒質は、とてもきれい。ミネラルも際立っています!
個人的には#3がもう少し伸びると思ったのですが、温度が上がってからの糖分のなじみ方にシャンパンとの違いが出た感じです。
9月中旬から南ア取材なので、現地の泡もの探究、しっかりしてきます!


第2フライト 
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#4:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ブリュット2004
生産者:ドゥラモット(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:シャルドネ100%
輸入元:ラック・コーポレーション
2004年は今、飲んで美味しい泡、とてもエレガントです!

#5:ガズボーン・エステート ブラン・ド・ブラン2010

資料提供:BB&R

生産者:ガズボーン・エステート(英国・ケント州)
ぶどう品種:シャルドネ100%
輸入元:BB&R
価格:7800円(税込)
ケント州は地図下方、右側の大きなぶどうの位置にあります。ガズボーンは2010年にデビューヴィンテージの2006年をリリースしてすぐに高評価を得た英国のなかでも最もエキサイティングな生産者。サイモン・フィールドMWは「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じ、澱の上で熟成させたことが良いニュアンスを与えている」とコメントしています。3対15(1名早退で計18名)で英国産優位のフライトになりました。講座生からは「クッキー、複雑味、旨味」等のコメント

第3 フライト 
#6:ドラピエ ブリュット・ナチュール ピノ・ノワール
生産者:ドラピエ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
輸入元:テラヴェール
安定した実力派ドラピエ、果実のニュアンス、ドライローズ、心地よい酸味、生地の良さ、味わいに厚みあり

#7:キャメル・ヴァリー ピノ・ノワール ブリュット
生産者:キャメル・ヴァリー(英国・コーンウォール州)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
輸入元:BB&R
価格:6380円(税込)
コーンウォール州は前掲の地図下方、左側の大きなぶどうの位置です。
1989年、元パイロットのボブ・リンドと妻アニーが8000本のぶどう樹を植樹したところからスタート。現在は2代目のサム・リンドがワイン醸造を担当、2008年のIWC、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードの金賞等、多くの受賞歴がその実力を証明!

このフライトは僅差、8対10!
シャンパンでは滅多にブレないラバーさんが、このフライトは完全に外していました。
キャメル・ヴァリー、恐るべし


第4 フライト 
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#8:ディエボルト・ヴァロワ ブリュット ロゼNV
生産者:ディエボロ・ヴァロワ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール63% シャルドネ27%、ムニエ10%
ドザージュ:7g/ L
輸入元:豊通食料
一番新しいキュヴェ。ロゼ専用のベースワインにブジー産の赤ワインをブレンドしたロゼ。初リリースの2011年に米専門誌『ワイン&スピリッツ』で94点、Best Buyの高評価。キレの良い酸、ミネラル

#9:キンタ・ドス・ロケス ロゼ2010

資料提供:ワインズ・オブ・ポルトガル

生産者:キンタ・ドス・ロケス(ポルトガル・ダン)
ぶどう品種:アルフロシェイロ・プレト65%、トウリガ・ナショナル35%
輸入元:木下インターナショナル
取材で出かけたポルトガルではスパークリング探究もできました。これはダンで高品質なワインを生産しているキンタ・ドス・ロケスの泡もの。色調はきわめて赤に近いロゼ、赤系果実たっぷり!

#10:ヴィクトリア・ロゼ リッジヴュー2009
生産者:リッジヴュー(英国・サセックス州)
ぶどう品種:ムニエ63% ピノ・ノワール37%
輸入元:BB&R
価格:4860円(税込)
英国のスパークリングの素晴らしさを知らしめたサセックス州!
リッジヴューは1994年創業、1996年以降、その実力は数々の国内外のメダルやトロフィーが証明しています。ピノ100%、セニエ法で醸造。オニオンスキン、柑橘系果実、ブリオッシュ

最後のフライトも英国産リッジヴューが15票を獲得して圧勝、価格的にも納得できます!


最後は赤ワインで〆IMG
ポルトガルのお気入りの赤ワインを講座生と共に楽しみました。
EUからの資金援助もあり、醸造所を新設して自社ラベルでのワイン造りをする生産者が増えています。『オルタ・オゾリオ・ワインズ』は2012年に市場デビュー。このワインは樹齢の古いポルトガルの固有品種(トウリガ・フランカ、トウリガ・ナショナル等)を使っています。今年のSakura Award でダブルゴールドを受賞


[黒ハート]information
シャンパーニュ騎士団OCC情報からの情報
ここ1カ月、OCCからメールが頻繁に送られてきました。海外での叙任式リポートです。
7月中は、アメリカのサンフランシスコ、ロスアンゼルスへ。その後、アジアに移動してマカオ、香港。6月に欧州で行った式典は、1日の英国・旧王立海軍大学、6月6日のオーストリア・ウィーン大学、6月12日は北野武氏のランス・トー宮殿。ユネスコの世界遺産登録も載っています。騎士団の人徳者フィリップ・コートさんの訃報もありました。本日届いた上半期の行事ですべてがわかります。そして・・・下半期の予定をみると、11月27日は日本での叙任式、書いてありますね



2016年4月からNHK文化センター青山校でシャンパン講座を継続
昭和女子大学カレッジのサイトでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、カレッジの先駆者的存在だった同校は来年3月で閉校になります。私は2001年4月から講師をさせていただいておりますが、世田谷区の活性化の思いもあるので、寂しいです。
お蔭さまで講座生から人気の高い講座だったことから、カレッジ事務局の尽力で、4月からNHK文化センター青山校でシャンパン講座を継続することが正式に決まりました。

今は夏期! 
今後の募集は秋期と冬期の2回だけになりますので、閉校前に是非カレッジにいらしてください。
世田谷の活性化の為にも!

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特別講座『ウチ飲みワイン・レッスン』では11種のワインに7種の料理を合わせて [オープンカレッジ]

ウチ飲みワイン・レッスンで日本ワイン健闘
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4月8日、カレッジの特別講座で青木冨美子のウチ飲みワイン・レッスンを行いました。
第2弾となる今回は料理研究家笹島ゆりさんに協力してもらえることになったので、何回かの意見交換を重ね、メニューを完成させました。参加者の皆さんには料理とワインの相性診断を楽しんでいただけたと思っています。

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笹島ゆりさん作成オリジナル弁当
(左から時計回りに)
黒酢の酢豚、ソラマメとペコリーノのポルペッティーニ、絹サヤのパルミジャーノ・レッジャーノ和え (黒酢/レモン)、桜エビごはん(グリーンアスパラ添え)、焼き餃子、ポテト・サラダ、和風タラトゥイユ

皆さんからのアンケート結果を含めた当日の概要を16日付の産経EXワインのこころでウチ飲み講座で大好評 ロゼ&餃子と題して紹介しました。

ワインの選択は各社の試飲会、生産者来日等で実際にテイスティングをして印象に残ったものを選んでいます。値ごろ感があっておいしいもの、注目すべきもの、ストーリー性のあるものが中心です。印はゆりさんセレクトワインです。

第1フライト 白ワインブラインド
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左から
#1:レ ロッシュ ノワール ミュスカデ・ セーヴル・エ・メーヌ シュール・リー2013/仏ロワール/ミュスカデ100%/輸入元:三国ワイン/販売価格1512円
三国ワインの試飲会で私の足を止めた1本。素直で飲みやすく、何より酵母由来の旨味があり、レモンや塩を使った料理(和食も)に合わせたいと思いました。同社の担当者から「2014年のロワールワインコンクールで金賞をゲットしています」と伺い、まさに今回のテーマに合うワインだと思い決めました。

#2:シャトー・メルシャン山梨勝沼甲州2013/日本・山梨県/甲州100%/輸入元:メルシャン/オープン価格(希望価格1580円+税)
4グラス中、一番淡く、透明に近い色調。瓶詰め直前まで貯蔵タンク中で滓(リー)と接触させ育成させているので、口中に含んでいるとじんわりと旨味が広がってきます。余韻に残る軽いビター感が「食事と合わせたい」という気持ちにさせてくれます。絹サヤとパルミジャーノ和えと絶妙の相性、和風ラタトゥイユや桜エビのご飯にも寄り添っておりました。焼鳥、お薦めします!

香港インターナショナルワイン&スピリッツコンペティションで金賞を獲得した優れもの。http://www.kirin.co.jp/company/news/2013/1121_02.html   
生駒元さんの写真は青木撮影です!

#3:シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2013/日本・長野県/ソーヴィニヨン・ブラン100%/輸入元:メルシャン/オープン価格(希望価格3000円+税)
日本が誇る長野県のマリコ・ヴィンヤード、そこで造られるソーヴィニヨン・ブラン(SB)はピュアできれい。私は過去何度かイベントで使わせていただいています。桜エビご飯に添えた「アスパラ」とSBの相性は◎、供出温度は冷蔵庫温度7~8度よりもうすこし高めで!
受賞歴は>>>http://www.chateaumercian.com/brand/award.html

#4:クズマーノ アンジンベ(I.G.T.)2013/伊シチリア/インソリア70%、CH30%/輸入元:フードライナー/販売価格2100円+税
白ワインの中で、唯一、樽使いのワイン。イタリアの固有品種インソリアが主体、白い花や白桃、ナッツのニュアンス、ほどよい口当たり

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第2フライト ロゼ
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#5:シャトー・デ・ヴァンティニエール コート・ド・プロヴァンス ロゼ2013/仏コート・デ・プロヴァンス/サンソー50%、グルナッシュ40%、シラー10%/輸入元:アズマコーポレーション/販売価格2480円+税
ポテンシャルがあり、マイベスト5に入るロゼ。3月のワインのこころで紀州の香山椒との相性を書きましたが、包容力があります。「ロゼは食事に合わない」とおっしゃる方に是非お試しいただきたい1本です。
「プロヴァンス・ロゼ2013」と紀州の香山椒
http://www.sankei.com/life/news/150319/lif1503190014-n1.html

#6:メディテラネ トリエンヌ ロゼ (ヴァン・ド・ペイ)2012/仏プロヴァンス/サンソー主体/輸入元:ラックコーポレーション/販売価格2160円
ワイン通垂涎の『ロマネ・コンティ』、そのオーナーのヴィレーヌさんとブルゴーニュのドメーヌ・デュジャックとのジョイントベンチャーで誕生した南仏のロゼ。古樹のサンソーから収穫したぶどうを主体にしたワインは安定した品質でロゼが得意でない方にも親しんでいただけるはずです。

#7:ロゼ・ド・ジスクール2013/仏ボルドー/CS、メルロ/輸入元:ファインズ/販売価格2160円
ジスクールは1330年代にさかのぼることができる歴史あるメドックのシャトーです。ロゼブームを作ったのは赤ワインの産地ボルドー。もともとは自家用に生産していたロゼ(少生産)を販売するようになったことがきっかけです。ボルドーの著名な生産者が造ることでも話題になりました。フレッシュな果実味と果皮や種由来のしっかりした味わいが魅力です。
 
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第3フライト 赤ワイン
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上から見ることで色の違いが判別しやすいです。右から2番目のピノ・ノワールが一番淡い色調

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赤ワインはボルドー品種とブルゴーニュ品種

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#8:レ・ロゾー サン・テミリオン セレクテッド・バイ・クリスチャン・ムエックス2012/仏サンテミリオン/メルロ、カベルネ・フラン/輸入元:エノテカ/販売価格2800円+税
3月に来日していたムエックスさんの取材で心に残った1本。右岸の名醸ワイン『ペトリュス』を育て上げた人物が普段自宅で飲んでいるのがこのレ・ロゾー。メルロの果実味、中盤から広がる酸味、樽由来のココア、ビターさ、Alcが13.5%という点も気に入りました。

#9:CHピュイグロー2011/仏コート・ド・ボルドー/メルロ60% カベルネ・フラン25%、CS10%、マルベック 5%/輸入元:モトックス/販売価格2600円+税
『ル・パン』のティエポン家が造るワイン、黒系果実の凝縮感とブレンドによる複雑味

#10:ノリア ピノ・ノワールサンジョコモ・ヴィンヤード2012/米国ソノマ・コースト/PN100%/輸入元:中川ワイン販売/販売価格5600円+税
カリフォルニアワインの試飲会、中川ワイン販売のブースで日本人醸造家中村倫久さんにご挨拶させていただきました。サンフランシスコのホテル日航に赴任し、現地でカリフォルニアワインに魅了された彼は醸造家を目指して退職。UCデービス校で学びながらナパのワイナリーで働き、卒業後は著名な醸造家のもとで多くを体験

中村さんの原点ともいえるワインはエシェゾー。「16年目、父の容体が悪化し、病院に駆けつけました。幸いなことに一命は取り留めたので、家族一同ホッとしました。その後、レストランで父の病状回復を祝い、ワインで祝杯をあげました。そのお店で飲んだエシェゾーがこころに深く残りました。ドメーヌやヴィンテージは覚えていませんが、そのエシェゾーの味わいがワインの原点です」とのお話を伺いました。
『ノリア(スペイン語で水車の意味)』、造りのコンセプトは日本食に合うワイン。アルコール度数は14.2%ですが、口中ではそれが気にならず、心に優しく浸透してくる味わい

#11:スタッグス リープ ワインセラーズハンズ・オブ・タイム2012/米国ナパ・ヴァレー/CS57% 、メルロ43%/輸入元:ファインズ/販売価格5800円+税
3月にファインズ主催の試飲会でスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(SLWC)の醸造責任者マーカス・ノタロさんとお目にかかりました。私は同ワイナリーのトップキュヴェ『CASK23』が大好きなので、初めて『ハンズ・オブ・タイム』を味わい、SLWCスタイルを感じて嬉しくなりました。

SLWCは1976年のパリ対決で、赤ワインの第1位に輝いたワイナリー。世界を驚愕させたワイン界の出来事を参加者の皆さんに再確認でお伝えしたかったので、このワインを選びました。
SLWCの敷地内に2003年、歴代の栽培家、醸造家(ポール・ホブスやマイケル・シラッチ等)が集合、彼らによって作成されたのがハンズ・オブ・タイムで、ライムストーンの飾り板には彼らの手形が並んでいます。

その名を冠するワインは2008年に初めてリリースされ、2012年ヴィンテージ(VT)が5番目になります。今回初めて日本で紹介されました。プラムやダークチェリー、きめ細かいタンニンと口中に温かく広がる余韻、造りの丁寧さを感じます。

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この講座は募集開始1日で満席になりました。参加者の皆さんには熱心に聞いていただき、感謝しています。加えて、笹島ゆりさんのサポートがなければ成功しえなかった講座なので、改めてゆりさんに「ありがとう!」と言いたいです。
年内、もう1度アンコールで、ボルドー&ブルゴーニュ以外の品種も加え、開催したいと思っています。お心にお留めおきいただけると嬉しいです。
たくさんの感謝を込めて!!


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醸造家ジャン・フィリップ・ムーランさんが手掛ける2メゾンを探究 [オープンカレッジ]

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冬期講座の最終回(3月18日)はジャン・フィリップ・ムーランさんのシャンパンに注目してみました。メインのメゾンはコート・デ・ブランに拠点を置くポール・グール(輸入元・オーバーシーズ)で、このメゾンはCM(生産共同組合)、組合員が栽培したぶどうでシャンパンを造り、組合のブランドとして出荷しています。
1876年ヴェルテュの村長だったポール・グールは同村を取り囲むぶどう畑に誇りを持ち、地元のワイン醸造家と親しく関わっていました。時を経て、1984年、ヴェルテュの精神を反映する彼に敬意を込め、ワイン醸造業者が自分たちのシャンパンにポール・グールと命名、メゾンが誕生します。自社畑は120㌶、シャルドネ85%、ピノ・ノワール15%の割合で、ぶどう畑の多くはヴェルテュにあります。2年前からサステイナブル農法も導入。ちなみにCMの最大手はニコラ・フィアット、ボーモン・ド・クレイエール、マイィなどが知られています。

ロゼはポール・グールとバロン・ド・ロートシルトを比較
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フルラインナップ、ロゼは2種でメゾン比較

第一フライトは基本的スタイル
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#1:ポール・グール ブリュット・レゼルヴ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH50%、PN50%/ドザージュ:8~9g/L 
価格:6,000円(税別)
ベージュ系の色調、グレープフルーツ、カリン、滑らかでクリーミー、素直で優しい印象
#2:ポール・グール ブラン・ド・ブラン 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH100% /ドザージュ:8~9g/L
価格:8,000円(税別)
レモンイエロー、白い花や柑橘系果実(ライム、レモン、グレープフルーツ)、切れがあり、中盤から酸の印象

第二フライトは第一フライトの上級クラス
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#3:ポール・グール ミレジム2005 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH100%/ドザージュ:7g/L
価格:10,000円(税別)
レモンイエロー、#2との共通項を感じる味わい、リンゴのコンフィ、ブリオッシュ、酸が強すぎず弱すぎのバランス〇、ミネラル、骨格があり、かつ滑らか
#4:ポール・グール キュヴェ・レディ2004 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH85%、PN15% /ドザージュ:7g/L 
価格:18,000円(税別)
熟成期間8年以上、黄金色、果物のコンフィ、ミネラル、ヘーゼルナッツ、気泡はワインに溶け込みクリーミー


キュヴェ・レディのコルク
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抜栓していてキュヴェ・レディで手が止まりました。ナチュラルコルクの中の圧搾コルク
トップ・キュヴェなのになぜ? DIAMの商標はなかったのですが、その可能性が高そう。ということで、醸造責任者ムーランさんに質問しています。お返事が届き次第、書き込みます。


第三フライトはロゼで
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#5:バロン・ド・ロスチャイルド ロゼNV
生産者:バロン・ド・ロスチャイルド(NM/輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:CH85%、PN12%、PM3% /ドザージュ:6 g/L
ベースワイン2009、熟成期間4年、赤ワインはヴェルズネイとヴェルテュ(古樹)
価格:10,000円(税別)


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昨年11月1日&2日に行われたVINEXPO NIPPONで来日していたジャン・フィリップ・ムーランさん。バロン・ド・ロスチャイルドのシェフ・ド・カーブ/ワインメーカーとして活躍しています。記念画像撮影時、ロゼを持ってくださったのは「日本の女性はロゼ・シャンパンがお好きなようなので」という理由から。
#5は赤ワインをブレンドして造るロゼ・シャンパン、赤ワインの添加量は15%、ベースワインは2009年VT、品種はシャルドネ85%、ピノ・ノワール12%、ピノ・ムニエ3%。シャルドネの比率高めで、生き生きした酸味を生かすため、熟成期間は4年。ドザージュは6g/L、ピノ・ノワールはヴェルズネイとヴェルテュ(古樹)。サーモンピンク色で.スグリやラズベリーのような赤い果実のニュアンス、ひとことで表現するならエレガント!

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3つの男爵家のジョイントベンチャーによって誕生した『バロン・ド・ロスチャイルド』
2003年、3家の構想からスタートし、2年かけて、ぶどうや施設の確保を行い、2007年に公式プロジェクトを発表、2009年に3アイテムのシャンパンがリリースされました。事務所はランス、醸造所はヴェルチュ(コート・デ・ブラン地区)にあります。シャンパンのスタイルは、シャルドネ高比率、ぶどうの大半はグラン・クリュ、一番搾りのみ、リザーヴワイン40%使用、ドザージュは5~7g/L、 デゴルジュマン後は6か月間休息、最低4年間の熟成後出荷を大事にしています。
 
#6:ポール・グール ブリュット・ロゼ 1erクリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH85%、PN15% /ドザージュ:8~9g/ L
価格:7,000円(税別)
同じ醸造家ながら、ポール・グールではピノ・ムニエは使わず、シャルドネとピノ・ノワールだけ。ヴェルテュの赤ワイン(PN)を15%ブレンドしています。熟成期間は36~42か月、サーモン色+オニオンスキン、キャンディやイチゴジャム、中盤以降広がるシャープな酸、ボリューム感、タンニン由来のビター感、ひとことで表現するとソバージュ

当日の参加は19名(1名欠)で、ロゼの好みは#5が11名、#6は8名でした。#6は食前酒より、メイン料理(肉系)のほうが良さそうです。
マイベストは#3の2006年ヴィンテージ、上品なシャルドネの質感があり、ハチミツやミネラル、エスニックなニュアンスも良かったです。
ポール・グールについてのお問い合わせはオーバーシーズまで ℡03-5779-7545
バロン・ド・ロスチャイルドはエノテカのサイトで!

[黒ハート]カレッジの春期(4月~6月)シャンパン編講座で残2名募集中です。詳細は以下のURLで!
追記(3月27日):ありがとうございました、満席になりました! より気合を入れて頑張ります!!


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シャンパン講座では容量違いのロゼ・シャンパンを交えながら [オープンカレッジ]

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今日は春節(旧正月)に合わせて水仙

昨日は盛りだくさんのイベントがあり、慌ただしい1日でしたが、私の〆は冬期シャンパン講座!
今回は容量違いと春を感じるロゼの比較をしました。
講座生の皆さんには重いボトルの醍醐味を味わっていただきました。

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左から供出順に
#1:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV(750ml)
生産者:ドラピエ(NM)/輸入元:テラヴェール
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ピノ・ムニエ3%
ドザージュ:9g/L
#2:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV (1500ml)
#1はフレッシュ、青リンゴや柑橘系果実、1本芯のある酸が特徴、口中まろやか、バランス良。#2は最初から香り華やか、ブリッシュやコンフィ、アカシア。泡の刺激は少なく、香りに熟成したニュアンスを感じさせながら味わいはフレッシュ。
ドラピエは値頃感があり、ブレないシャンパンだと思います。


#3:ドラピエ ブリュット・ナチュール・ロゼNV
生産者:ドラピエ(NM)/輸入元:テラヴェール
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
製法:セニエ
ドザージュ:0g/L
生地の綺麗さ(搾汁の丁寧さ)が印象的、ミネラル、ノン・ドゼでもドライ感はなく、#1に通じる芯のある酸
#4:ピオロ キュヴェ・ロゼNV
生産者:、ピオロ・ペール・エ・フィス(RM)/アズマコーポレーション
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
製法:セニエ
ドザージュ:6g/L
ロゼで価格が4,880円は魅力、赤い果実たっぷり、ルンルン弾んでいる女子のイメージ!
#5:エグリ・ウーリエ グランクリュ・ロゼ ブリュットNV(750ml)
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/ヴァンパッション
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%
製法:ブレンド(赤ワイン5%)
ドザージュ:4~5g/L
#6:エグリ・ウーリエ グランクリュ・ロゼ ブリュットNV(1500ml)


#7:エグリ・ウーリエ タラフィア・ド・シャンパーニュ (700ml)
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/サンリバティー
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
昨夜のように寒い日に飲むと癒されます

第1フライトは容量違い
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第1フライトではドラピエのカルト・ドールを容量違いで比較試飲

第2フライトではロゼ&マグナムボトルも入れて
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#3#4はコート・デ・バールの生産者、ともにピノ・ノワール100%

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微妙な色の違いは上から見るとわかりやすいです。
深みのあるロゼにオレンジ色を帯びた#3 、深みのあるロゼに赤色を含んだ#4
エグリ・ウーリエは玉葱の皮の色で、#6マグナムボトルのほうが若干色調淡め

エグリ・ウーリエを訪問した時、フランソワさんが語っていたシャンパン造りへのこだわり。新樽を使う理由や長い熟成期間等についてまとめてあります。
>>>http://www.asahi.com/food/column/champagne/TKY200906190298.html

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エグリ・ウーリエの裏ラベルにはデゴルジュマンの日付が記載されています。#5は2013年10月、#6は2012年7月、澱との接触時間の長さも確認できます。レギュラーサイズは市場での回転が早いので、マグナムと比べて味わいフレッシュ。両ボトルを比較することで〝樽のニュアンスの違い〟もわかります。大容量のほうが全体的に落ちついていて、温度変化で、香りにも味わいにも複雑味が出てくるところも素晴らしいです。

ドラピエ訪問時、デゴルジュマンを手でなさっていたミシェル社長の画像がありますので、ご参考までに。>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-09-16

第3フライトは酒精強化のラタフィア・ド・シャンパーニュ
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最後にお出ししたのは、エグリ・ウーリエのラタフィア・ド・シャンパーニュ
ぶどう果汁(PN100%)にアルコール(ブランデー)を添加した酒精強化ワインで、ブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方で造られています。2011年産がベースで2年間樽熟成させ、2014年に瓶詰。淡いオレンジ色、軽すぎず重すぎずの甘さと舌触り、酸味程よく、心地良い余韻。チーズ風味の焼菓子に合わせて、つかの間の小休止。ラタフィア・ド・シャンパーニュは食前酒として飲まれていますが、講座ではすべてのシャンパンを利き酒してから味わいました。


グラスの泡について
講座後、グラスの泡について質問がありましたので、以前書いた記事を抜粋しておきます。

ワインライター&翻訳家として活躍中の立花峰夫さんが上梓した『シャンパン 泡の科学』(白水社)に「シャンパンの泡の生成は、グラス内に付着している不純物、大雑把に言って紙や布からはがれ落ちた繊維がきっかけであり、こうした繊維は空気中を漂っているものがグラス中に入ってくることもあれば、洗浄後の拭きあげの際に付着することもある」という記述がありました。で・・・グラスの内壁に何も付着していない完璧にきれいなグラスならどうかというと、シャンパンの泡はたたないそうです。

本を書いたのはジェラール・リジェ=べレールさん。シャンパーニュ地方のランス大学で物理学を専攻している助教授で、泡に魅了された泡の研究者です。シャンパンの大手メゾン『モエ・エ・シャンドン』社の研究部門のコンサルタントもなさっていた方のようです。

リーデル・ジャパン(株)のチーフワイングラスエデュケーターの庄司大輔さんにシャンパングラスの泡立ちについて伺ってみました。 「グラス内側の表面に、ほこりやふきんの糸くずなどが残ってしまうと、その場所からも泡が立ってしまうので、全体として散漫な泡立ちになりやすいようです。ワイングラスメーカー各社のシャンパンフルートでは、その原理を逆手に取り、ボウルの底に傷をつけ、その傷からまとまった泡立ちを促進させる方法を取っています。弊社の場合、ヴィノム、ヴィノム・エクストリーム、オヴァチュア・シリーズなどがそうです。また、ボウルの底を鋭角にすぼめることで泡立ちを促進する方法、これは弊社のグレープ、ヴィティス・シリーズがそうなのですが、この2つの方法による泡立ちのコントロールが主流です」と

さらに、「 手作りグラスのソムリエシリーズの場合、フルートグラスには“傷”がないため、お客さまから、泡が立たないと言われることがあります。その際は、(1) ハンドメイドのため、あえて傷をつけていないこと、(2)上質なシャンパン用グラスのため、泡立ち以上に、ぶどう本来の味わいやシャンパーニュ特有の香り、味わいに集中していただくようにお話しています」と説明してくださいました。出典:asahi.com by Fumiko AOKI 2008年2月19日付

たかが泡、されど泡、です!

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ボワゼル180周年祝賀ディナー&シャンパン編冬期講座に供出したス・ボワ1990 [オープンカレッジ]

1834年創業のシャンパンハウスボワゼルは昨年180周年を迎えました。

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ス・ボワ1990、ボワゼルのシャンパン哲学のひとつが長い熟成期間

典型的な家族経営で、当主は5代目のマダム・エヴリーヌ・ロック=ボワゼル。記念ディナーは輸入元ピーロート・ジャパン主催で銀座エスキスで行われました。レセプションで3アイテム、ディナーで5アイテムのシャンパンが登場、なかでもキュヴェ・ス・ボワ1990は圧倒的な存在感を示していました!

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B1のフロアにはセラーの写真やシャンパンが並べられ、マダム自らがウェルカムシャンパンのロゼをサービス。ブラン・ドゥ・ブランとブラン・ドゥ・ノワールも堪能できました。ちなみにボワゼルのセラーには創業当時のシャンパンが11本残っているとのこと、飲みたいです!

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親からメゾンを引き継いだ時、結婚したばかりで考古学専攻の学生だったというエヴリーヌさん。醸造やマーケティング等を学んでいくなかで、自分を突き動かしていたのはシャンパンへの強い情熱だったと語っていました。ご主人は地質学者の息子でぶどうの買い付けと醸造の監督を担当しています。

ボワゼルは、数年前に自社畑(7㌶)を購入しましたが、ぶどうに関しては長年の付き合いのある栽培農家に委ねています。使用するぶどうはプルミエクリュとグランクリュのみで徹底しています。

我が国との関わりは15年ほど前からで、マダムは日本文化や庭園、お茶に興味を惹かれているようです。お茶は玉露がお好きとか。180周年記念の喜びを述べた後、「エレガンス、フィネス、デリケートさに注目していますが、これらはすべてシャンパンに備わっています」とあいさつ

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エスキスのいつもながらの細かい気遣い

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ディナーではピーロート・ジャパン手配のアイシュを使用。ドイツのグラスメーカーです。

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本来のメニューは牡蠣と馬刺しのコンポジション、牡蠣が苦手な私はいくらバージョンで、ミレジメ2002(CH35%、PN55%、PM10%、ドザージュ8g/L)との相性をチェック
ミレジメはその年の個性とボワゼルのスタイルを表現した1本、スマートな酸味、種の大きな果実(桃や杏)、ブりオッシュ、ヘーゼルナッツのニュアンス、魚卵系と合わせても生臭さを感じさせない点が魅力

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鱈白子のブリュロン、ポワブルベール風味はジュワイヨ・ドゥ・フランス2000(CH40%、PN60%、ドザージュ7g/L)と合わせて
白子のとろける感触とシャンパンのクリーミーさがナイスバランス!

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伊勢海老のポッシェ、黒カルダモンのナージュは同社が誇るトップキュヴェ、ス・ボワ2000(CH40%、PN50%、PM10%、ドザージュ5g/L)と
醸造に古いシャンパーニュとブルゴーニュの205L樽を使うのがス・ボワの特徴。複雑味があり、時間経過で楽しさがより広がる1本

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ヴォースーラメールのロースト、白トリュフとセージのアンサンブルとス・ボワ1990(CH48%、PN52%、ドザージュ8g/L)
「樽を使うとシャルドネがよりクリアになり、その場合、グランクリュのシャルドネが最適です」とマダム。フレッシュでありながらリッチ、相反する魅力を備えているのがス・ボワ、コーヒーや焙煎香、アカシアの要素も。

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180周年を祝うにふさわしい贅沢ス・ボワ2000(右)と同1990(左)の比較試飲

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モワルーマルメロとババ、ヴェルジョワーズのアイスクリーム、オレンジのサバイヨンとジョワイヨ・ドゥ・フランス ロゼ2004(CH34%、PN64%、10%は赤ワインを添加、ドザージュ4.5g/L)
ドザージュ控えめなジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼの繊細な酸がオレンジのサバイヨンの酸とうまく絡み合い、デザート全体に甘さを見事にコントロールしていました。
料理とのマリアージュに関しては、エスキスのベカ シェフや若林ソムリエたちが事前にシャンパンを味見して、それに合う料理について意見交換をなさった由。その成果をしっかり感じました。素晴らしいです。

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リオネル・ベカ シェフ・エグゼクティブは「ス・ボワに驚きを感じました。エレガントでエキサイティング。このように複雑で深みのあるブリュットは今までになかったです」とコメント

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ディナーが終わった後のマダム・エグリーヌ、お疲れ様でした!

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(右からj順に)
ブリュット・ミレジメ2002、ジョワイヨ・ドゥ・フランス2000、キュヴェ・ス・ボワ2000、キュヴェ・ス・ボワ1990&ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2004


今年最初のシャンパン編講座はボワゼル
毎年、年初にはスペシャルなシャンパンを用意するようにしています。今回は講座生のためにス・ボワ1990を含む5アイテムを用意しました! 

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(左から順に)
ブラン・ドゥ・ブラン、ブラン・ドゥ・ノワール、ブリュット・ミレジメ1996、ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996、キュヴェ・ス・ボワ1990

第1フライトは白ぶどうvs黒ぶどう
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#1:ブラン・ドゥ・ブランNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:10,800円(税込)/日本橋三越で購入可
コート・デ・ブランのグランクリュ3村、シュイィ(フラワリーさ)、メニル・シュル・オジェ(ミネラル)、クラマン(力強さとエレガンス)とプルミエクリュのヴェルテュ(果実味)を備えたシャルドネ100%のシャンパン、瓶熟4年、輝きのある黄金色、柑橘系果実、しっかりした酸の印象(ぶどうのポテンシャル)、軽いビター感、アペリティフに最適。#2のブラン・ドゥ・ノワールより色調が濃いのは熟成期間の違い(1年長い)

#2ボワゼル ブラン・ドゥ・ノワールNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8g/L
価格:9,720円(税込)/ディーン&デルーカ品川店で購入可
瓶熟3年、香り控えめ、気泡溌剌、口中で黒ぶどう由来の重厚さ、バランスが良く、余韻に酸の広がりと膨らみ、好感度◎

第2フライトはヴィンテージ比較
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#3:ブラン・ドゥ・ブラン・ミレジメ1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:11,470円(税込)/同社webで購入可
96VTのコレクターにお薦めしたいアイテム、酸化熟成のニュアンス、焙煎香が大いに魅力、アカシアやグリルしたアーモンド、エレガントな酸味、クリーミーな食感、口中に広がる旨味

#4:ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール60%
ドザージュ:7g/L
価格:16,900円(税込)/同社webで購入可
酸化熟成のニュアンス、綺麗なゴールデンイエロー、ミネラル、黄色系で種の大きな果実(黄桃、杏、カリン)、第2フライトのなかで一番重厚感あり、中盤から酸味の広がり(96の酸の高さ)、黒糖、コーヒー

#5:キュヴェ・ス・ボワ1990
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ48%、ピノ・ノワール52%
ドザージュ:8g/L
価格:39,960円(税込)
シャルドネはシュイィ、メニル・シュル・オジェ、ヴェルテュ。ピノ・ノワールはアイ、マイィ、マレイユ・シュル・アイのぶどうを使用。酸化熟成のニュアンス、気泡はワインに溶け込み、口中滑らか。香りは閉じ気味、時間の経過で複雑味が増し、余韻に広がる旨味。カラメル、マロングラッセ、ヘーゼルナッツ。フレッシュでありながら熟成感を備えた1本。例えると泡のない熟成した白ワイン!

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5アイテムの色調の違いがよくわかります。

今年初の講座で、20世紀の秀逸なヴィンテージ(VT)1996年の2アイテムと1990年VTを揃えることができて幸せでした。予算が許せばス・ボワの2000年VTも比べたかったです。シャンパンの古酒との出逢いは最高! 講座生も大満足でした。ピーロート・ジャパンのウィラハン麻未さんのご手配に改めて感謝します!
先ごろ同社のサイトが綺麗にリニューアルしました。
シャンパンだけでなく、ワイン全般を是非チェックなさってみてください。>>>http://www.pieroth.jp/


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