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冬期講座初回はシャンパーニュの熟成具合をチェック! [オープンカレッジ]

講座生からのリクエストにお応えして

昭和女子大学のオープンカレッジは、その道の先駆者的存在でしたが、3月閉校なので今期講座(1~3月)が最後です。〝オーダーメイド〟と形容している講座なので、皆さんからのリクエストはできるだけ反映させています。
昨年12月は「マグナム」ということで、大容量ボトル4本(上記画像)の競演になりました。すべてのボトルの状態はとても良く、果実、花、スパイス、ブリオッシュ、ロースト・・・etc、さまざまなニュアンスがあり、フレッシュで活き活きした酸を持ち合わせているシャンパンに、講座生は満足していました。


コルクの長さがダントツに長かったのが、ローラン・ペリエのグラン・シ、エクル。故ベルナール・ド・ノナンクール会長とシェフ・ド・カーブのミシェル・フォコネさんの徹底したこだわりを感じました。


1月のリクエストは熟成具合
デゴルジュマン(滓抜き)を明記してあるメゾンにフォーカスしました。


供出したのは9アイテム、左から順に#1から#9


3メゾンのシャンパンは丁寧さを感じさせるキュヴェ


コルクのしまり具合も良好

第1フライトはブルーノ・パイヤール
設立:1981年、ぶどう畑:32㌶、年間生産本数:約480,000本、輸入元:ミレジム

ブルーノ・パイヤールの新ラベル()は7月中旬くらいから日本市場に流通しています。
輸入元ミレジムさん情報では、「昨年5月29日に現地から連絡があり、オフィシャルになりました」とのことでした。

1975年に仲買人として独立したパイヤールさんは28歳でメゾンを興します。一家はぶどう栽培と仲買をしていたので、シャンパーニュ地方のことは熟知しており、どこに行けば最高のぶどうが穫れるかもわかっていました。そのパイヤールさんがシャンパンメゾンのオーナーになって実行したのが、デゴルジュマン表記です。

メゾンの顔NVに使うぶどう品種とドザージュ量はいつも同じ。ゆえにデゴルジュマンの年月をみれば、瓶内変化、熟成の変化を理解することができます。素晴らしいことです!

#1:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年5月
価格:6,500円(税別)
GF、レモンバーム、白い花、アーモンド、軽いビター感(柑橘果実の内側の白い皮を口にした時の印象)、フレッシュで、心地よい酸味

#2:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年2月
価格:6,500円(税別)
抜栓した時のコルク良好、その時点で香りが広がり、飲む前からインパクトあり。夏ミカン、熟したマンゴー、黄桃、スパイス(白胡椒)、ミネラル、3つのなかで最も酸味のキレが良く、今後の熟成の可能性にも期待(#1#2 はベースワインのヴィンテージが違う可能性あり)

#3:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2012年7月
価格:6,500円(税別)
#1に感じたビターさはワインに完全に溶け込み、口中なめらか。ナッツ、ビスケット、ハチミツ、ミネラル、旨味、酸もソフト、複雑味あり


昨年12月に倉庫にあるボトルのデゴルジュマンの年月を調べて頂き、上記3種を選択
3本並べて気が付いたこと、それは1つ目が年月の表示の仕方、2つ目がブリュット(12g/L以下)からエクストラ・ブリュット(0~6g/L)への記載変更でした。ブルーノ・パイヤールのドザージュ量は6g/Lだったので、ブリュットでもエクストラ・ブリュットでも、どちらの表記でも良いのですが、一応、規定通りです。

過去データをチェックして、パイヤールのドザージュ量が変わっていたことがわかりました。2011年の講座時は8~9g/L、これはブリュットの範囲内。新ラベル時から6g/L、エクストラ・ブリュットになったのですね。http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-04-18

第1フライトの3アイテムともきれいな麦わら色で気泡も細やか。個人的には滓抜きから3年以上経過した#3が好み。さえぎるものなしのバランスの良さは講座生からの受けも良かったです。


第2フライトはニコラ・マイヤール
創業:1753年、ぶどう畑:16㌶、年間生産本数:150,000本、輸入元:豊通食料
マイヤールさんは2012年の来日時、カレッジで特別講座をしてくれました。自根の『レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ』は希少ワイン、見つけたら買いです!

#4:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:6,500円(税別)
第1フライトより濃いめの色調。繊細で持続性のある気泡、口中クリーミー、洋梨やかりん、凛とした酸

#5:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:8g/L、デゴルジュマン:2014年9月
価格:6,500円(税別)
色調はイエロー、香りは甘やか、ナッツやヴァニラ、栗やロースト、スパイス、上品な酸

リザーブワイン(樽でキープ)の使用率45%、MLFは行わないスタイル、4カ月違いのデゴルジュマンにもかかわらず、〝酸〟〝香り〟に熟成による変化が出ています。洗練されたシャンパン!


第3フライトはアグラパール
設立:1894年、ぶどう畑:12㌶、年間生産本数:約90,000本、輸入元:豊通食料
秀逸なブラン・ド・ブラン、また土着品種に取り組む注目の生産者

#6:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2015年6月(瓶詰2012年5月、2010年+2011年)
価格:9,500円(税別)
色調はイエロー、フレッシュで甘さを予感させる香り、かりん、ハチミツ、ミネラル、バランスのとれたスタイル

#7:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV 
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2014年12月(瓶詰2011年5月、2009年+2010年)
価格:9,500円(税別)
細やかな気泡、シャルドネ由来の凝縮したハチミツ、焙煎コーヒー、旨味、ミネラル、和食に合わせて。世界のメディアから注目されているアグラパール、その味わいに魅了された講座生が多かったのは嬉しいことでした。


第4フライトはマイヤールのロゼ 
ピノもシャルドネもブージー産、1㌶の畑を所有。「以前はセニエ法で生産していましたが、味わいが鈍くなりがちで、エレガンスと安定感に欠けるので」という理由から、ブレンド法に変更しています。


#8:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:7g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク、赤系果実(スグリ、ラズベリー)、ソフトな酸、ミネラル、若干のビター感、余韻に甘やかさ

#9:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2014年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク+イエロー、香り閉じ気味、クリーミー、ロースト、果実のコンポート、#8で感じたビターさもワインに溶け込んでなめらか

今回のテイステイングで、デゴルジュマンして日が浅いボトルと年数を置いたボトルでは各要素の馴染み方に差があることがしっかりわかりました。

講座生の皆さん、2月&3月のレッスンも楽しみながらいたしましょう。
リクエストがありましたら、早めにご一報ください。
引き続き、よろしく、です。

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