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妥協はしないオリヴィエ・バーンスタインのワインスタイル [来日したワイン生産者&関係者]

ブルゴーニュの新星オリヴィエ・バーンスタインさんと再会!
昨年の1月23日、輸入元BB&Rのオフィスで初めてオリヴィエさんのワインをテイスティングしてドッキリ! その上質な味わいに魅了されてからちょうど1年になりますが、今回の来日でも昨年と同ヴィンテージ(VT)にトライできたことはとてもラッキーでした。

昨年のブログで初めてオリヴィエ・バーンスタインさんを紹介しました。異業種からワイン業界に参入した彼のワインは2007年VTから日本上陸していますが、10年未満で、ブルゴーニュ屈指の生産者と同様の評価を受けるようになっています。生産量は4000ケース。ボーヌにあるセラーは15世紀の遺物で、4年前に古い納屋を購入して3年の歳月をかけて改装しました。「妥協はしない。妥協するくらいならワイン造りはしない」と言い切る彼の意志の強さ、それが完璧な形でワインに反映されていると確信しました。

プレスランチに登場したマジ・シャンベルタン2014
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マスタークラスセミナーの前にカロフェゴ赤坂店でプレスランチがあり、4アイテム+スーツケースに入れて持参した自慢のマジ・シャンベルタン2014(バレルサンプル)が披露されました。


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(ボトルもグラスも右から左の順に)
#1:シャンボル・ミュズニー プルミエ・クリュ レ・ラヴロット2010
#2:ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュレ・シャンポー2010
#3:ジュヴレ・シャンベルタン グラン・クリュ2011
#4:クロ・ヴージョ グラン・クリュ2011
#5:マジ・シャンベルタン グラン・クリュ2014


ジュヴレ・シャンベルタンに憧れワイン造りの道に入ったオリヴィエ・バーンスタインさん

2012年に購入したマジ・シャンベルタン

マジ・シャンベルタンはマジ・オー(高)とマジ・バ(低)の2区画に分かれており、オリヴィエさん所有の畑は樹齢80年の古樹があるマジ・バに属しています。彼いわく「オーナーは同じなので、もう一方の畑もいずれ入手できれば」と

マジ・シャンベルタン グラン・クリュ2014(バレルサンプル

「2014年は美しくクラシックなVT。2013年より繊細、今まで生産してきたなかで一番。多くの人は温暖な年を好む傾向ですが、私は冷涼年が好き」とオリヴィエさん。2014年と対照的に昨年の2015年VTは温かな年だったようで、2015年については「まだMLFの最中なので、時期尚早」と回答。
ブルゴーニュから東京までの長時間フライト後のマジ・シャンベルタンは、閉じた印象ながら余韻は長く、ポテンシャルがありました。赤系果実のニュアンス、冷涼気候に由来する切れの良い酸、筋肉質でスパイシー。オリヴィエさんが推すVTの正式リリースがホント楽しみです! BB&Rでは1月6日からブルゴーニュ・アン・プリムール販売を開始しています。


プレスランチ会場で

〝特製の薪窯で焼き上げるこだわりのお肉〟をコンセプトにした店舗の看板 薪窯


ニュージーランド産牧草牛のステーキとのマリア―ジュ



マスタークラス@ BB&Rg
オリヴィエさんが2011年VTまで生産していた白ワイン3種と赤ワイン4種に特別供出はマジ・シャンベルタン グラン・クリュ2013!

クリーミーなムルソー、凛としたピュリニュー、ミネラル感のコルトン・シャルルマーニュ
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(左から順に)
#1:ムルソー プルミエ・クリュ レ・シャルム/生産量3樽
クリーミー、まるみと厚みがあり、包みこんでくれるスタイル
#2:ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ シャンガン/生産量3樽
ムルソーの畑より標高が高いので、冷涼エリア由来のミネラル感が顕著
#3:コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ/生産量2樽
若くてタイト、鋭角的なミネラル感、ポテンシャルあり
「レストランで出すならデキャンターで」とオリヴィエさん

2012年も各1樽は生産したそうです。白ワインに関しては畑の所有者から果汁を購入してワイン造りをしています。製法はすべて同じ(#1と#2は新樽50%、#3は100%)なので、テロワールを表現。「2012以降は気候も悪く、雹害もあったので、十分な量が入手できなくなるのは予想できたので生産を中止した」とオリヴィエさん。3樽は造りたいとの思いがあるので、それが叶うようになれば、再生産もありうると思います。ここまで上質の白ワインなのですから、オリヴィエ・ファンなら、「白ワイン再び」を願わざるを得ません。


契約畑でも自らが管理

赤ワインに関しては、2008年からレンタルしている畑に出向いて栽培に関わっています。オーナーには「すべて任せて」と宣言。契約については「1㌶あたり最大45ヘクトリットル分の賃貸料を払っています。天候が悪く、その収量に満たない場合、あるいは自分で収量を落とす必要に迫られた場合は当然自分がリスクを負うことになります。書類上で契約を交わすのではなく、畑で握手による契約。オーナーとの良好な関係を保っています」とオリヴィエさん。

#4:ジュヴレ・シャンベルタン2010(村名ワイン)
唯一の村名ワイン、カルジョとレ・ゼポワンチュールの2区画のぶどうをブレンド。赤系果実が特徴、なめらかで親しみやすい味わい。良年2010年の片鱗を感じます。

2009年の特徴は力強さ、黒系果実、タンニン
#5~#7は2009年ヴィンテージの比較。力強さ、黒系果実、タンニンの3つが共通項。ブルゴーニュワインとしては珍しいですが、これが2009年の特徴とのこと

#5:シャンボル・ミュズニー、レ・ラヴロット2009
シャンボル(0.92㌶)は若樹(18~20年)から造られるワイン。親しみやすく、飲み頃に達するのは他のワインより早い。中盤以降の酸がきれいに出ていて、塩やレモンを使った和食との相性がイメージできました。

#6:ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュレ・シャンポー2009
樹齢55年、2012年に購入した自社畑。黒系果実(ブラックベリー、ブラックチェリー)、上質な酸味、凝縮したタンニン。開くのに時間がかかる厳粛なタイプ

#7:ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ レ・カズティエ2009
樹齢80年、急斜面で表土がより少ないのでミネラル豊か、果実の凝縮感、力強さ、長い余韻。熟成に時間がかかるタイプ

#8:マジ・シャンベルタン グラン・クリュ2013
「8か月前に瓶詰め、お肉に添えてテーブルに載せたい」とオリヴィエさん。
まだ若くて少し堅めですがバランス良、口中に赤系果実がたっぷり、噛み砕いて飲みたい印象、酸もミネラルも十分、10年以上経過して本領を発揮するワイン

〝マジ・シャンべルタン〟はプリンス
ワイン造りの特徴について昨年伺った内容との変更点、加筆事柄は
■グラン・クリュは新樽100%、プルミエ・クリュは新樽50%使用
■樽はジュピーユとフォンテーヌブローの木材を使用。収穫したワインの状態を見てから、焼き具合を決めて注文。焼き具合は低い温度で時間をかけて。
■ビオディナミには興味がない、現在はビオロジックを実践


ブルゴーニュ人気は健在です。2007年にドメーヌを設立して8年以上経過したオリヴィエさんは過去を振り返って、「土地もぶどうも当時の3倍になっています。2005年のグレートヴィンテージ以降のブルゴーニュは天候に恵まれず、人気にも陰りが見えていました。そのような時期だったからこそブルゴーニュに参入できました。タイミング的にとても良かったと言えます。ブルゴーニュワインの需要は高まっており、年々収量も抑えられている状況なので、今だったら、ドメーヌを立ち上げるのは無理だった」と語っていました。

プレスランチに同席していたBB&Rのセールス・ディレクター、サイモン・アレクサンダー・ステープルズさんがマジ・シャンベルタンをプリンス、シャンベルタンをキング、そしてシャンベルタン・クロ・ド・ベーズをクイーンと表現した時、オリヴィエさんはすかさず、「時としてキングよりプリンスのほうが良い、何より素晴らしい将来があるから」と返答していました。これは自慢のマジ・シャンベルタンを形容した言葉そのものであり、オリヴィエさんの強い自信の現れです。
完璧主義者オリヴィエ・バーンスタインさんの今後に、ますます期待しています!

問い合わせ先:BB&R日本支社 ℡03-3518-6730/ http://www.bbr.co.jp
 
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