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コルギン・セラーズのワインスタイル&新刊『ボトルの中には夢がある』出版記念レセプション [カリフォルニア]

ロバート・パーカー絶賛のぶどう畑から誕生するワイン
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コルギン・セラーズのポール・ロバーツ社長とティクソン・ヒル カベルネ・ソーヴィニヨン2010
(株)中川ワインはロバーツ社長来日に伴い、シェ・イノ京橋店でトレード向けランチセミナーを開催しました。1972年テキサス生まれのロバーツさんはフレンチ・ランドリーのワイン責任者、ボンド・エステートの支配人を経て、2013年コルギンの社長職に就いています。

ワイナリーの沿革とワインスタイル
コルギン・セラーズ(当初の名はコルギン・シュレーダー・セラーズ)の創業は1992年。オ-ナーのアン・コルギン女史(テキサス出身)は古美術が専門だったことから英国のサザビーズで勤務し、その後、米国(LA)に戻り、クリスティーズのオークショニアとして活躍。同時にワインにも関わり、その間に、芸術家や富裕層との人脈を構築していきます。LA在住時からナパ訪問を重ね、1980年後半にワイン造りへの気持ちを固め、理想の土地探し(斜面)を開始。1992年にセント・へレナの東斜面のぶどう畑から、『ハーブラム(1992~99まで生産)』と名付けたワインを175ケース生産、これがコルギンの初ワインです。

ナパ・ヴァレーはコート・ドールとほぼ同じ広さで、その中には52の異なる土壌があります。コルギン女史はフランスのグラン・クリュに匹敵するワイン造りを目指し、1997年にスプリング・マウンテンの裾野にある『ティクソン・ヒル』の0.4㌶の区画から自分が理想とするワインを誕生させます。この地にぶどうが植樹されたのは1881年で、1900年代初めの文献に、ナパ・ヴァレーの秀逸な畑として〝ト・カロン〟と〝ティクソン・ヒル〟の名が記載されています。ティクソン・ヒル・ヴィンヤードのぶどう樹の多くはカベルネ・ソーヴィニヨンで、残りはカベルネ・フランとプティ・ヴェルド。
コルギン・セラーズが植樹している品種はカベルネ・ソーヴィニヨンCS、メルロME、カベルネ・フランCF、プティ・ヴェルドPVとシラーSYの5つ。生産しているワインはCS主体、ボルドーブレンド、シラー主体の3タイプです。

供出ワインは5アイテム
#1:ティクソン・ヒル CSナパ・ヴァレー2010
ロバーツ:コルギンの中で最もエレガントなワインがティクソン・ヒルで、黒系果実やバイオレット、少し埃っぽいミネラル感ときめ細かいタンニンを感じます。一番北にある畑ですが、涼しい風が吹き込んでくるので、ワインに清涼感やエレガントさが出てきます。2010年はクラシックなVTです。温暖な気候でしたが、収穫時には冷涼な日もあったので、ワインはフレッシュで綺麗な酸を備え、まろやかに仕上がっています。飲んだ印象を形で表現するなら、波状(wave)です。キャップシュールの色のような赤系果実のニュアンスがあります。1992年からワイン造りを開始しているコルギンのワインがフレッシュでアロマ豊か、酸とミネラルのバランスが良いのはステンレスタンクで発酵を行っているからだと言えます。

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ティクソン・ヒルCS 2010&リ・ド・ヴォーのサラダ

#2:カリアド ナパ・ヴァレー レッド・ワイン2011
ロバーツ:1985年に植樹されたセント・ヘレナの西側マドロナ・ランチ・ヴィンヤード(40度の斜面、小石が多い)のぶどうで、CS50%、ME30%、CF20%のブレンドです。比率は年によって若干異なります。2011年は冷涼な年だったので、ハーブや香草のニュアンスがあり、#1と同じく飲んだ印象を形にたとえるなら、円形で舌の中央に落ち着く感じです。カシスやブルーベリー、ブラックベリ―、タバコ、シダそしてミネラルもあります。コルギンでは果実、ミネラル、酸味の3要素が〝正三角形〟でバランスが取れていることを大事にしています。

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資料提供:中川ワイン

ロバーツ:プリチャード・ヒルにある自社畑〝ナンバー・ナイン・エステート〟の8㌶中7㌶にCSが植えてあり、他にはME、CF、PV、SYを植樹。畑はオークヴィルの東側の斜面、標高350~420mの場所にあります。ナンバー・ナインは区画名に由来、丘の上からはサンフランシスコ湾と、反対側にはレイク・ヘネシー(水の供給源として重要な場所)が見渡せます。
#3:ナンバー・ナイン・エステート ナパ・ヴァレー レッド・ワイン2011
#4:同2009
#5:同2006

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蝦夷鹿肉のグラン・ヴヌール風

ロバーツ:2011年は最新VT、バックヴィンテージ(熟成したワインを飲んでもらう意図で)も全体の様子をみて出荷しています。先の2本と同じく、このワインを形で表現すると、裾野にも広がりながら、高くあがっていくイメージです。土壌は赤土(含鉄分)でワイルドセージや黒系果実のニュアンスがあります。2009は温か過ぎず寒すぎずの標準的なVT。2006はリリース当初はタンニンが固かったのですが、熟成を経た今、果実が落ち着き、テロワールの個性が表現されています。以前、京都嵐山『吉兆』の料理と2006年を合わせたのですが、全てに良く合っていました。

私的感想:熟成を経たカリフォルニアワインの良さを表現している2006年、タンニンはワインに溶け込み、口中スムース。ロバーツさんが言ったように和食と合わせても十分に楽しめるVTです。

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チーズ盛合せ(サン・ネクテール、ブリー・ド・モー、オッソ・イラティ)

シラー情報
ロバーツ:今回はテイステングしていませんが、ナンバー・ナイン・エステートではシラーも生産しています。急斜面で東向き、火山系土壌(ロッキーと粘土の4区画)なので植樹することに決めました。カリフォルニアのクローンは豪州バロッサのものが多いのですが、コルギンでは仏エルミタージュ(ジャン=ルイ・シャーヴ)とコート・ロティのものを採用しており、アロマティックでハーブのニュアンスがあるのが特徴です。
 
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マイベストは冷涼年を反映したエレガントな『カリアド2011』
湾岸ストの影響で日本上陸が少し遅れている由、入荷は来月(4月)になります

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実山椒を初めて体験するポールさんの真剣な表情

日本食に造詣が深いポールさんから、コルギンを飲んで連想できる日本の食材について質問が出た際、〝山椒(Japanese Pepper)〟が話題に。シェ・イノにあった〝実山椒(ジャコ入り)〟を早速に体験していただきました。最初に出た言葉は〝スパイシー〟、日本訪問の回数は多いようですが、山椒は初めてだったので、次回はウナギのかば焼き体験も含めた〝山椒〟探究をお薦めしました。特にシラーに合わせて!

コルギンについてのお問い合わせは(株)中川ワインまで ℡03-3631-7979


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参加メンバーの記念画像、2列目右から2人目が(株)中川ワインの中川誠一郎社長です。これ以降はシェ・イノで開催された中川社長の出版記念パーティーの様子をお伝えします。

2月27日発売『ボトルの中には夢がある ~カリフォルニアワインの真実~』
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版元:(株)木楽舎、定価:本体1500円+税、初版:2015年2月15日
本の帯にはシェ・イノの井上旭オーナーシェフと『京都吉兆』嵐山本店の徳岡邦夫総料理長の推薦の言葉。パーティーにも出席なさっていた弘兼憲史(漫画家)さんがイラストを書いています。

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記念のケーキはシェ・イノのパティシエールさんの力作!

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当日サービスされたのはサイン入りの中川家秘蔵のワインたち
大容量ボトル(6L)だったので伊東賢児ソムリエはデキャンター作業で大奮闘!
下記のワインリストは伊東賢児ソムリエ作成、クリックで拡大

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ワイン業界の他には政治家、タレント、異業種、食関係、ジャーナリストなど様々
中川ファミリーの人脈の広さはさすがでした!

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ラベルからも味わいからも歴史を感じさせたオーパス・ワン1989

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出版祝いのために知人からプレゼントされたハーラン!

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信頼感で結ばれているおふたり
ワインを仕切っていた伊東ソムリエのホスピタリティーが伝わってきました!

最後に・・・レセプションで、中川社長は「グーグルで中川誠一郎を検索すると、トップページには同性同名の競輪選手が出てきます。私の名前は4ページ目にやっと出てくる程度なので、グーグルの1ページに登場することを目的に本を書きました(笑)」とユニークなあいさつをしていました。
本書は第一章で、ハーラン・エステートやスケアクロウ・ワイン等、世界が注目するカリフォルニア・ワインと造り手を紹介。続く第二章ではポール・ロバーツさん他4名へのインタビューを掲載。登場するワイナリーは同社扱いのものだけですが、カリフォルニアワインファン垂涎のワイナリーが登場しています。40年前には40しかなかったワイナリーが現在では850あるとのこと。中川社長が発信する「行くたびに新しいストーリーが生まれるナパ」の現在と将来を本書からしっかり受信してください。

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