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アルゼンチン最古のワイナリー『ボデガ・コロメ』のトロンテス、ソーヴィニョン・ブラン、マルベック [来日したワイン生産者&関係者]

 アルゼンチンのワインイメージを変えるプレミアム・ワイナリー

アルゼンチン北西部サルタ州にあるボデガ・コロメからクリストフ・エアーバー当主(左)が来日、日頃はスイス在住です。
久々の訪日だったので親交のあるアンダーズ東京のギヨーム・ポピーGMとともに親しい友人だけのランチ会を開催。私は輸入元ヴィレッジ・セラーズのコーエン社長&中村専務とご一緒にお邪魔させていただきました。とても光栄なことでした、ありがとうございます!


 エンパナーダ!


    貴重なSB
    なんと標高3100mに位置するアルトゥーラ・ラクシマで収穫したぶどう
    75%はステンレス・タンク、25%はフレンチオークの新樽で発酵
    最初から最後まで塩味が続き、深みのある旨味、酸味の印象
    当主に塩味について質問してみました。
    「痩せた土壌で海風の影響はないが、
    昔、海の底だった場所なので海中生物や貝殻の跡はある」と。
    納得できました!


 メイン料理に添えてあったレモンの厚焼
 SBとレモンの酸が素晴らしい相乗


 山羊のチーズ添えパンプキン、ビーツ、ハーブ


   ザ・タヴァンのジュリアン・ピゲ総料理長のメニュー解説


 贅沢な3種のマルベック利き比べ

 ボデガ・コロメは現存するアルゼンチン最古のワイナリー
 アルゼンチンと言うとメンドーサにフォーカスしがちですが、
 高地サルタ州のカルチャキ・ヴァレーの魅力を改めて認識、標高3100m、凄すぎ!

 アンデス山麓の豊かな自然が育む果実味を生かしたワインです。
 それを実現させているのは洗練された栽培&醸造技術


 純粋な果実の風味と高地ならではのストラクチャーが調和
 スマートでエレガントなワイン


    標高の高い畑(標高1700m~3100mの間に4ヶ所あり)で育ったぶどうは、
    紫外線から身を守るため果皮が厚い。濃厚な色合いと芳醇な果実味があり、
    昼夜の気温差が25℃と大きいため、しっかりした酸を備えます。


 メインの多種の肉料理、ラムもビーフもポークも美味
 途中退席せねばならず[もうやだ~(悲しい顔)]


    (C)アルゼンチン大使館

   次の取材があり、ランチは最後まで滞在できなくて、とても残念でした。
   動きやすいお席にしていただき、自然光がキャッチできる場所で撮影は完璧
   スタッフの皆さまにも助けていただきました、感謝です。


   久々に再会したコンラッド東京の森覚エグゼクティヴソムリエ(上記画像左列2人目)から、
   新たな仕事場で活躍なさる事を伺いました。
   ランチが終わったら、FBで公式発表するとおっしゃっておりました。
   さらなるご活躍、大いに期待しています。

   さてさて・・・サルタ州のコロメを訪問するチャンスがあるのかなぁ、ふふふ

  【ボデガ・コロメについての問い合わせ先】 
   ◆ヴィレッジ・セラーズ 
   ◆https://www.village-cellars.co.jp/

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伊カヴィロ社とサントリーが商品を軸としたサステナビリティ活動を展開! [来日したワイン生産者&関係者]

  3月28日発売! タヴェルネッロ オルガニコ テトラパック®
 飲用シーンに合わせて楽しめる250ml、500ml、1㍑の3タイプ
 有機栽培ぶどう100%、ユーロリーフ認証を受けたオーガニックワイン
 白ワインはトレッビアーノとシャルドネのブレンド
 赤ワインはサンジョヴェーゼ
 オープン価格 (参考カタログ価格: 370円、740円、1360円)
 新製品の詳細はコチラで!

     
   カヴィロ社は1983年からタヴェルネッロで紙容器を使用してきました。
   今年で40周年、歴史のある容器です!
   ワインの色が見えないのでそれをどう伝えるか
   当初は試行錯誤したようですが、
   ダルモンテ代表は「イタリアならではの“デザイン性”で、
   容器の中身がワインであることを示す工夫をしています」と語っていました。


 ひとりでも気楽に楽しめる250ml


 環境に配慮した容器の各種認証 クリックで拡大
 画像協力:サントリー
 FSC認証 / 紙容器は持続可能な森林資源
 BONSUCRO認証 / キャップ&紙容器は持続可能なサトウキビ由来の素材
 Carbon Trust認証 / キャップ&紙容器は植物素材使用によるCO2削減



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 サントリーとカヴィロ社による包括連携協定締結
 協定書を手にするカルロ ダルモンテカヴィロ社代表
 吉雄敬子サントリー株式会社取締役執行役員ワインカンパニー社長



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 サントリーとカヴィロ社の取り組み
 画像協力:サントリー
 サントリーは1995年からカヴィロ社との連携をスタート
 2018年にタヴェルネッロ オルガニコが日本市場にデビュー
 2022年の主な成果のなかで「タヴェルネッロ オルガニコ」は前比121%
 好調な動きを示しています。
 2023年はさらに「タヴェルネッロ オルガニコ」の提携先カヴィロ社
 との連携を強化していく方針であり、
 今月28日、環境配慮型の共同開発商品テトラパック®を日本で先行発売
 約12,000のぶどう栽培家、約30のワイナリーを連ねるイタリア最大のワイン生産協同組合

 [目]参考:サントリーワイン事業方針の詳細はコチラをご覧ください!


 両社のものづくり
 画像協力:サントリー
 相互に有するノウハウの融合でワイン市場の発展に貢献
 ちなみに昨年新装した登美の丘ワイナリーFROM FARM & 気候変動対策の一端は、
 ブログをご笑覧いただけましたら幸いです。

 ~すべては畑から / すべては畑に戻る~
 画像協力:サントリー
 共通のコンセプトを有する両社
 互いの強みを融合・活用してワイン市場の持続可能な発展に取り込むとのこと


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



IMG_8665.jpg
 来日セミナーにおける両代表

  画像協力:サントリー
 上記の沿革でおわかりのように、
 同社はワインにおけるサステナビリティ活動のパイオニア的存在です。
 ダルモンテ代表は、セミナーでも「再生可能エネルギーの100%自給自足」について
 言及していたので、私は以下の質問させていただきました。

Q1.ワイナリーでは電力の自給自足100%を達成しているとのことでしたが、7州27ワイナリーを総括した協同組合なので、通常の1つのワイナリーの場合とは異なるとは思いますが、ソーラーパネルのようなものを導入してワイナリー自体の電力を100%自給自足しているという理解でよろしいですか?
A.エネルギーはさまざまな形で作っています。地熱、電気、バイオメタンガス等。自社のエネルギー製造拠点でつくられるエネルギーを率先して使いつつ、余剰分をガスや電力線に戻しています。またファエンツァの工場の近くに蒸気を利用した熱製造施設を作っていて、その熱をさまざまな企業に提供しています。例をあげれば、F1チーム等にも

[NEW]追記(4月2日)ダルモンテ代表の回答に関してもう少し深掘りしたかったので気候変動の専門家に伺ってみました。そのお返事は・・・
~欧州では、火山国であるアイスランドとイタリアで地熱発電の開発が進められています。また欧州では廃熱のお湯も利用されています。ただ一般的ではありません。
メタンガスを液化したものがLNGですが、マイナス163℃で冷却しておく必要があるので、自動車用には適していません。自動車用は高圧で圧縮してタンクに保存して使われます。メタン、エタン、プロパンと炭素量が大きくなりますが、プロパンガスは常温で液化できますので、既にタクシーなどに利用されています~


Q2.ボトルの軽減や輸送におけるCO2軽減については世界中のワイナリーが取り組んでいますが、カヴィロ社ではどのような対策を取っていますか?
A.具体的活動を2つ挙げると、1つ目は液体メタンガスの活用です。全てではありませんが、我々の製品の輸送を行う企業で活用されています。2つ目はブリックを容器として活用することです。容器を一つ一つ運ぶのではなくロール形状で配送されるため、包材輸送を大きく効率化できます。数字的にはトラック1台で運べるブリック(で包装されるワインの量)をボトル換算すると23台分になります。

 [NEW]追記(4月4日) ブリックについても詳細な情報が知りたくて問い合わせをしました。
 以下、画像と丁寧な解説を頂戴しましたので補足として載せておきます。
 出典:日本テトラパック株式会社
「ブリック」はいわゆる呼称であり、素材自体は紙容器なので「紙容器」と捉えれば良い。ダルモンテ代表からの返信を要旨すると「この素材は瓶のように、1本1本運搬するのではなく、画像のようにロール状で運ぶことができるので輸送効率が上がり、それゆえにCO2削減に繋がる」とのことでした。

私はまだ見たことがないのですが、気候変動に関連する事柄として注視していきたいです。
サントリーホールディングス株式会社広報部伊豆蔵さんにはお手数をおかけしました。
ありがとうございました!!

【製品についての問い合わせ先】
 サントリーお客様センター:0120-139-380
 受付時間9時30分~16時30分(土・日・祝日を除く)

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シャトー・フィジャックのオーナーが所有する秘宝シャトー・ド・ミルリー@ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京 [来日したワイン生産者&関係者]

 
 サンテミリオンの石灰質の台地に位置するシャトー・ド・ミルリー
 キーワードはフレッシュさ、エレガンス、しっかりとした余韻

シャトー・フィジャックは125年以上も前からマノンクール家が所有。18世紀に建設され、14㌶の庭園、40㌶のひと続きのぶどう畑から構成されています。
2022年9月に発表されたサンテミリオンの格付けで、念願だったプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに昇格しました。
ワイン王国webにパリ在住の松浦氏が サンテミリオンの格付けのリポートを載せているのでリンクさせていただきました。


 来日したマノンクール現当主と醸造責任者
 ブランディンヌ・ド・ブリエ・マノンクール当主
 フィジャックもミルリーも手掛けるフレデリック・ファイエ社長兼醸造責任者

 12月初旬、輸入元WINE TO STYLEの招聘で来日したおふたりは、
 秘宝のシャトー・ド・ミルリーに特化したマスタークラスセミナーを開催
 同シャトーはマノンクール家が所有するプティシャトーで、
 家族で楽しんだり、親しい友人にふるまうためのプライベートワインでしたが、
 ブランディンヌさんの父ティエリー氏の代になり、2017年からパリのルグランで販売
 その縁で、今回ルグラン初の海外旗艦店ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京
 でセミナーをしました。
 余談ですが・・・
 シャトー・フィジャックのスタイルを確立させたティエリー氏が初来日したのは1974年
 味わう文化(日本酒や日本茶)がフランスと通じるということで親日派だった由。

 
 ぶどう樹1本からワイン1本
 地図は拡大可

土壌は粘土石灰質&石灰質、作付面積は0.8㌶、栽培比率はメルロー95%&CF5%
平均樹齢は35年、植樹4,000本、生産量は4,000-4,500本、ぶどう樹1本からワイン1本!
収穫に関しては2018年 (2017年までは1回) から2回に分けて実施

格付け昇格について「とても喜ばしい結果です。サンテミリオンには大小の規模のシャトーがありますが、ヒエラルキーがあることは消費者にとってはわかりやすいはず」とマダム
審査に関しては「100点制で、50点はワインの品質(15ヴィンテージをテイスティング)。25点はテロワール(ぶどう畑、栽培や醸造)。25点はSNSでの発信、露出度、サンテミリオンへの貢献度、古酒の価値(世界市場、ワインのポテンシャル等)」と語りました。


 4ヴィンテージをテイスティング
 左から順に
 #1:シャトー・ド・ミルリー2014 参考小売価格11,000円
 #2:同2015 14,000円
 #3:同2017 12,500円
 #4:同2018 14,000円 
 ※全商品12月中旬以降出荷可能予定

 ラベルのデザインはティエリー氏がデザインしたもので、
 モデルは畑にあった“樫”。森の王様であり、ワインには欠かせない樫
 当初は黄色だったものを近年背景を白にしてより際立たせたとのこと


    第1フライトは2014年、2015年
    ともにメルロー90%、CF10%、新樽率80%
     2014年は雨が多く冷涼。収穫9月下旬から10月上旬
    フランボワーズ、カシス、グラファイト、スパイス、メンソール
    フレデリックさんは「白い花、CFらしさが出ているヴィンテージ」と


      2015年は温暖年で日照度豊か、収穫は9月下旬
      フルーティ&フレッシュ、よく熟したぶどうを感じさせる厚味
      ミネラル、酸味とタンニンと凝縮感のバランス、飲み飽きしない味わい
      「開放的な香り」とフレデリックさん


         マイベストは2015年
        20点評価で2015年と2018年には18.5点をつけました。
        2ヴィンテージとも温暖年だったのですが、
        2015年にはマダムがこだわる“フレッシュさとエレガンス”があり好印象
        おふたりの写真撮影時、
        「お好きなVTのボトルを持っていただけますか」とお願いしたところ、
        嬉しいことにおふたりとも2015年[わーい(嬉しい顔)]
        未開栓のボトルが1本ずつしかなかったので、マダムは2014年で!


        第2フライトは2017年、2018年
        メルロー90%、CF10%、新樽率は2017年80%、2018年90% 
         「若いうちから真価を発揮するワイン」とフレデリックさん
       2017年はクラシックなヴィンテージ、収穫の時期は例年と同じ
       香りは閉じ気味、黒系果実、ミネラル、中盤から酸味のニュアンス


    2018年は太陽の年、日照度豊か、深みのあるガーネット
    ブラックベリー、グラファイト、ミネラル、ビターチョコ、スパイス、タンニン
    リッチで層を成して広がる味わい


 12月1日にオープンした素晴らしい店舗
 WINE TO STYLEのグループ会社パリの老舗ワインショップルグラン初の海外旗艦店
 ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京は広尾駅4番出口徒歩0分


 1980年代のパリのルグラン、この雰囲気大好き!


 1階にあるワインバーではグラスワインやチーズ、コーヒーが楽しめます!



      シャンパーニュの陳列棚

      ピエール・ペテルスの輸入元WTSらしいシャンパーニュセレクト 
      ブラピのシャンパーニュはペテルスとのコラボレーション


 WTSの目玉アイテムのボランジェ


 贅沢なスペースに約500銘柄のワインが並んでいます!


 地下に降りる途中にもワインの展示


 セラーには高級ワインが微睡んでいます!
 同じフロアにマスタークラスセミナーを行ったサロンもあります。


【店舗情報】
店舗名:ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京
所在地:東京都港区南麻布5丁目1-27
営業時間:水木金は12時~21時、土日祝日は11時~20時
定休日:月火 ※祝日の場合は営業
アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅4番出口徒歩0分

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ブルゴーニュの名門ドメーヌ・ド・モンティーユの当主がサンタ・リタ・ヒルズで造るワイン『ラシーヌ』 [来日したワイン生産者&関係者]

ブルゴーニュ地方ヴォルネイ村を拠点にする名門ワインナリー『ドメーヌ・ド・モンティーユ』のエティエンヌ・ド・モンティーユ当主の来日を機に、輸入元wine to styleが、カリフォルニア州サンタ・リタ・ヒルズでド・モンティーユさんが取り組むラシーヌのワイン7種のテイスティングディナーを開催しました。

カリフォルニアの冷涼産地サンタ・リタ・ヒルズでブルゴーニュと同じぶどう品種シャルドネとピノ・ノワールに特化したワイン造りを目指したド・モンティーユさんとシェフ・ド・カーヴのシーヴさん。

         ラシーヌについて
         エティエンヌ・ド・モンティーユさん(左上)
         シェフ・ド・カーヴ、ブライアン・シーヴさん(左下)
         シャンパーニュ『ピエール・ペテルス』のロドルフ・ペテルス当主(右上)
         タイラー・ワイナリーのオーナー醸造家ジャスティン・ウィレットさん

ご参考までに、wine to style のサイトにあるラシーヌの記事をリンクしておきます。
前述のふたりがジャスティン・ウィレットさんの表現力に感銘を受け、コラボの話を持ち掛け、そこにシャンパーニュのペテルス当主が仲間入りしました。現在は、ウィレットさんに代わり、サンタ・リタ・ヒルズのスペシャリストのライアン&べッツィー・ハナフォード夫妻が栽培パートナーとして参加しています。

ド・モンティーユさんが語ったラシーヌに関するナマ情報、ワイン解説&コメント等は ワイン王国webで紹介させていただきました。



 拡大可
 ワイナリーは
 入手したラシーヌの畑は
 2020年と2021年にぶどう樹を植えました。
 2023年か2024年には収穫したぶどうからワインを造る予定

サンタリタヒルズ ラシーヌの畑.jpg
 テイスティングディナーに供出されたワインのヴィンヤードは上記地図の
 ペテルス当主と造るスパークリングワインは2022年秋に国内リリース予定🥂


        ブルゴーニュワインファンを魅了するラシーヌのワイン
          #1:2018サンタ・リタ・ヒルズ キュヴェCH
        アルカリ土壌由来の白い花、塩味、還元的な香りが特徴

     #2:2018ウェンズラウ・ファミリー・ヴィンヤードCHサンタ・リタ・ヒルズ
IMG_0383.jpg
       ぶどうの植樹も手掛けた長期リースしている将来性ある畑


       #3:2018ベントロック・ヴィンヤード CH サンタ・リタ・ヒルズ
IMG_0393.jpg
        明太子白菜キムチにも太刀打ちしたベントロック!


       #4:2018サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤードCH
      1971年に植樹したぶどう樹で、サンタ・リタ・ヒルズの中では最古


        3種のピノ・ノワール
        エティエンヌさんは本家同様、全房発酵を多めにしています。

求めているワインのスタイルによって変わりますが、#5は50%、#6は3分の2 (「トライアルをしていますが100%でも問題ないと思える畑」とド・モンテーユさん)、#7は3分の2の割合。「全房発酵ではステム(梗)がフィルター代わりになるので、色調は淡めになりますよね」と質問したところ、「全房はステムが果皮の色素を吸収するので最終的に色はライトになります。もともとPNから造るワインは色調が淡めなので、色より、“輝き”が大事だと思っています。全房の場合、熟成による色の変化はほとんどありませんが、除梗したワインは最初は色が濃い目で熟成によって淡くなっていきます」とおっしゃっていました。とても興味深い内容でした。


 台座に写り込んだルビーの輝き、美しい!


 鳥瞰で色調観察
 #5:2018サンタ・リタ・ヒルズ キュヴェ PN
 #6:2018ラ・リンコナーダ・ヴィンヤード PN サンタ・リタ・ヒルズ
 #7:2018サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード PN サンタ・リタ・ヒルズ


  さらなるご活躍にCheers!!
 photo by Tadayuki Yanagi
 エティエンヌさん、wine to styleの武村Yoshiさん(左)と遠藤玲子さん(右)と一緒に乾杯🍷



 ドメーヌ・ド・モンティーユのワイン・プロジェクト@ 北海道・函館
 画像:NHK北海道webより
 10月からド・モンティーユ&北海道のワイナリー建築がスタート、完成は来夏予定
 東奔西走するド・モンティーユさんの手腕、大いに期待しています!
 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220824/7000049961.html

 
   最後に・・・
  2004年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品していた『モンドヴィーノ』
  この映画に、ド・モンティーユファミリーも登場していました、懐かしいです。
  ちなみに、この紹介文を書いたのは・・・
  日本で最もド・モンティーユに精通しているYanagiさん

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1889年設立のナパ『マヤカマス』から醸造家が初来日、WSで高評価を受けた2015年VTを披露 [来日したワイン生産者&関係者]

 ピューマの遠吠えの意味をもつマヤカマス・ヴィンヤーズ
ワイナリー名はマヤカマス山脈に由来。敷地は190㌶、うち18㌶にぶどう植を植樹、畑は標高550m〜750mの山岳地帯に位置しています。生産量は5,000~6,000ケースで、内訳はCH2,000、ME500~1,000、CS2,000~3,000。ロゴのMの中に描かれているのは2 匹のピューマ(マウンテンライオン)、アメリカン・インディアンのワッポ族の言葉でマヤカマスは「ピューマの遠吠え」を意味します。

マヤカマスの沿革 敬称略
ナパで最も古いワイナリーのひとつとして知られているマヤカマス・ヴィンヤーズは、サンフランシスコでピクルスの販売をしていたドイツ人のジョン・ヘンリー・フィッシャーが、1889年に別荘兼ワイナリーとして立ち上げたものです。場所は現在のマウント・ヴィーダーAVA (当時の呼称はレッド・ウッズ)。趣味で植えたぶどう樹(ジンファンデル等)からワインを造り、販売。荷馬車で2日間かけてサンフランシスコまで運搬していたという記録も残っています。1906年のサンフランシスコ大地震とそれに伴う火災が原因で自己破産に追い込まれたフィッシャーは止む無く施設を手放すことに。1910年、オークションにかけられたワイナリーは、わずか5000ドルで落札されます。余談ですが、購入した人物はカトリック系だったので禁酒法時代 (1920~1933年)にも合法的にワイン造りをしていたとのことです。

禁酒法解禁後、廃墟に近い状態になっていたワイナリーを英国人のジャック・テイラーが購入。重力移動式のワイナリーとして再建し、敷地にシャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンを植樹。1965にワインメーカーとしてボブ・セッションズを雇用。彼は1971年まで働きました。1968年から所有者がテイラーからボブ・トラヴァース(1972年から2012年までワイン造りを担当)に変わります。機械工学を専攻した彼は、ワイン好きが高じて、ワイナリーを入手する以前には、ハイツ・セラーズでワイン醸造を学んでいました。

1976年に開催されたパリ・テイスティングで7位に入ったマヤカマス・カベルネ・ソーヴィニョン1971はボブ・セッションズが造ったワインです。この出来事以降、マヤカマスは評価を高め、さらに、2006年に行われたパリ・テイスティング30周年記念のテイスティングでは3位に輝き、長期熟成に耐えうるワインとしてマヤカマス・ヴィンヤーズは世界的に知れ渡るようになります。

2013年、トラヴァースが74歳の時に、現オーナーのショッテンスタイン財閥の傘下となり、スクリーミング・イーグルの元ワイン・メーカーのアンディ・エリクソンがワイン醸造を監修。ワイン造りは2月に来日した若きポープ、ブレイデン・アルブレクトが担当しています。
長期にわたり放ったらかしにされていた畑の大改革はカリフォルニアでオーガニック&バイオダイナミック農法のパイオニアとして知られているフィル・コトゥーリに委ねられ、マヤカマスは健全な土壌を取り戻すことに成功しました。



 細く長い林道の奥にあるマヤカマス・ヴィンヤーズ
 禁酒法時代にはスピークイージー(もぐり酒場)の場としても知られていた!?
 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の映画を思い出して・・・ 


 1976年の『パリスの審判』でのランキング

 2006年は第3位に!



2月に来日した醸造家ブレイデン・アルブレクトさんと輸出部長キャシー・コーンさん
アルブレクトさんの家族はラザフォードに畑を所有していたので、幼少期から土に馴染み、自社畑で獲れた野菜等を食べていたそうです。ソノマに転居し、高校生の時はワイン造りにはまり、カリフォルニア大学バークレー校に進学して農業を専攻。インターンシップでフィル・コトゥリーの元で学び、彼の哲学にほれ込みます。その恩師から紹介されたのがマヤカマスで、ワインメーカーとして現在に至っています。

 ブレイデン・アルブレクトとのテイスティング・タイム

バランスの取れたマヤカマス・ヴィンヤーズ シャルドネ ナパ・ヴァレー2014、2017
「2017年は山火事がありましたが、シャルドネはカベルネと醸造施設が異なるので生産することができました」とアルブレクトさん


樹齢40年のぶどう樹、無灌漑、発酵は小樽(新樽率5~10%)とパンチョンとステンレスタンクを使用。ノン・マロ、シュル・リーで12ヵ月(約15年位の使用樽)樽熟、その後6ヵ月ステンレスタンクで熟成させ瓶詰め。2017年は温暖な気候だったので、ワインの味わいを締める意味で6ヵ月ステンレスを使用



(左から) マヤカマス・ヴィンヤーズ CS マウント・ヴィーダー ナパ・ヴァレー 2012、2013、2015
2012年はボブ・トラヴァースが所有していたので栽培にも収穫にも関わっていないヴィンテージ。2013年から現オーナーのショッテンスタイン家が管理。栽培から収穫、醸造に至るまで全ての工程を自分たちで行った。納得できるヴィンテージで質も量も潤沢。温暖な2015年は結実不良があったものの酒質は良く、長期熟成タイプ。この年は2019年ワインスぺクテーター誌のTOP100で堂々の第2位!

 和牛ヒレ肉のカツサンド 
(左から)同2003、2005、2010
温暖だった2003年は果実味とタンニンの調和が取れたヴィンテージ。2005年は2015年と比べると穏やかな年だったが若干青っぽさがあり現段階では酸が際立つ。冷涼で雨が多かった2010年は、数年続いた干ばつ後の年になるので樹勢が強く、通常より、若干水分を感じるヴィンテージ

カベルネに関しては、糖度が上がりきらない状態(=酸が残っている状態)で、収穫を早めに行うことを心がけている由。ぶどうは房ごとに選果を行い、100%除梗、コンクリートタンクとステンレスタンクと蓋なしのフュードルの3つの容器を使い発酵させる。スキンコンタクトは14~21日、プレス、樽熟成(マヤカマスでは3年間)。ここでは1960年代から続けている醸造方法で、最初の2年は大きめのカスク(ものによっては1929年代や1940年代の樽、年季の入った大樽)で熟成。3年目は225㍑のフレンチオークが主体。新樽率は5~10%、年によっては新樽使用率ゼロのことも。4年目に瓶熟成を1年間行ってから出荷。VTによっては更なる熟成を加えることもあるそうです。

アルコール度数が13.5%~14%程度で収まっている理由について、アルブレクトさんは「標高が550m以上なので、畑は霧の上にあり、ぶどうは陽を浴びても涼しい環境にいるので、糖度が上がらなくてもぶどうはきちんと熟すことができます。ゆえに果実味とフェノール分を備えつつ、アルコール度数を低くおさえることができるのです。日照時間は長くても、標高が高く、涼しいので、ぶどうは加熟になりません」と語りました。

 10年違いのヴィンテージを発売

同2005、2015
数年前から、最新VTと10年前にさかのぼったVT(今回を例にすると2015年と2005年)を同時発売し、若いワインと熟成したワインの双方を楽しんでもらおうという試みをしています。2020年の12月には2016年と2006年、来年は2011年と2007年をリリース予定です。

2017年は山火事があり、ぶどうへの害はなかったものの、火事がひどくてテイスティングルームも燃えてしまったとのこと。停電と断水のため、醸造中のワインのメンテができなかったことから2017年は発売しません。ただし、ワイナリー用として250ケースはキープしています。そのような経過から、未発売だった2011年を2017年の代わりに発売することに決めたそうです。

      焙じ茶最中アイスとカベルネ

取材を終えて
初来日のおふたりは大のスキー好き。仕事が終わり次第、「ニセコに行く予定」と語っていました。スキーのイロハを教えてくれたアルブレクトさんのお父様と合流するとのことでした。北海道では1月末にCOVID-19の感染者が出ていたので少し気がかりでしたが、なんとかすり抜けたようです。
初めての日本訪問の印象が少しでも良いことを願っています!

◍製品についてのお問い合わせはWine in Style
Tel:03-5413‐8831

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スマイルが輸入を開始して早25年、自転車ロゴで人気の『Cono Sur』 [来日したワイン生産者&関係者]

祝 スマイル × コノスル交流25年

『コノスル』のマティアス・リアス醸造責任者(右から4人目)と『スマイル』の菅宜雄取締役常務執行役員(右から3人目)を中心にした両社の皆さま

コノスルの創業は1993年、南米のチリ、コルチャグア・ヴァレーを拠点にしています。親会社はコンチャ・イ・トロですが、スタート当初から、“ぶどうの能力”、“果実の力”を最大限に引き出すことを念頭に、“no family trees, no dusty bottles, just quality wine (家系図や埃をかぶった瓶はない、あるのは高品質のワインだけ)” をスローガンにして、その実力を発揮してきました。日本でその魅力を伝道してきたのは輸入元スマイルです。昨年(2019年)で両社の付き合いは25年になりました。おめでとうございます!


ラベルの自転車は、コノスルのぶどう造りの基本!
“自然のサイクルを尊重”というコンセプト&ぶどう畑で働く農夫たちのシンボル。

登場したワイン
昨秋、25周年記念で来日した醸造責任者マティアス・リオス氏はプレスランチセミナーを開催し、同社自慢のアイテムを披露しました。南米最大のピノ・ノワール生産者としての実力を示すべく、ブラインドテイスティングタイムもありました。


(左から)
#1:センティネラ2015
カサブランカ・ヴァレーにあるエル・センティネラ農園のシャルドネ100%、瓶内二次発酵のスパークリングワイン。一次発酵はステンレスと一部は小樽。畑は太平洋から9kmの場所にある冷涼なエリア、日較差は約20度。ドザージュ6g/L
#2:20バレル・リミテッド・エディション SB 2018
厳選した最良の20樽 (バレル)のみを瓶詰めした限定生産ワイン。切れの良さ、清涼感ある味わい。
#3:オシオ2016
カサブランカ・ヴァレーの『エル・トリアングロ』のぶどうが85%、サンアントニオ・ヴァレーのぶどうが15%、ブラウンのトーンを含む熟成したニュアンス、複雑味や旨味、広がりのある余韻。伝統国のピノではないと直感できるが、深みのある味わい。第一香の印象と味わった後に感じる印象に若干の違和感(酵母!?)。リアス氏いわく「天然酵母と培養酵母を半々ずつ使用しているが、後者に関してはカサブランカ・ヴァレーで培養した酵母を使っている」
#4:シャルム・シャンベルタン2016 (ジャンテ・パンショ)
ブルゴーニュもチリも2016年は冷涼年。ジャンテ・パンショの創業は1954年、現当主ヴァンサン・ジャンテ氏は2代目で、2006年からご子息もドメーヌに参画。色調は赤紫、第一香は閉じ気味、果実味と酸味のバランスが良く、中盤以降、喉の奥にAlc由来の温かさ。
#5:コセチャ・ノーブレ2013
世界最南端の栽培地ビオビオ・ヴァレーのリースリングを使用。ワイン名は“高貴な収穫”、残糖70g/Lなれど、甘味と酸味のバランス良好、余韻も長い。




チリは春から夏にかけて乾燥した地中海性気候で、日較差(昼夜の寒暖差/20度)が大きく、日照量も豊富。コノスルのぶどう畑は、北部はリマリ・ヴァレー、南部はビオビオ・ヴァレーまでの約880kmに広がっています。現在300㌶以上の畑を所有し、多様な品種を有機農法で栽培しています。

ピノ・ノワール対決

ピノ・ノワール2種をブラインドで!


大きさの異なる丸がリズミカル、視覚的にも楽しめたアミューズブーシュ


ともにヴィンテージは2016年


烏賊と里芋のタルタル 柚子のジュレと白魚


真鱈の白子とあんこうのポシェ デュグレレ風
20 バレル・リミテッド・エディションSB


牡蠣のフラン 春菊と牛バヴェットのエギュイエット 赤ワインソース


オシオ(休暇の意味)はブルゴーニュの『ジャック・プリュール』のマルタン・プリュール氏の協力を得て造られた限定生産品、伝統国とニューワールドの個性を併せ持つワイン。


自家製ヨーグルト 無花果のコンポート
コセチャ・ノーブレ2013

ロブマイヤーのシャンデリア!


奇しくも、2週続きで『ロステリーレカン』にお邪魔することになったのですが、初回と違って今回は会場全体が見わたせる位置だったことで、ゆっくりとお部屋を観察することができました。天井を見上げて、まぁ、大好きなロブマイヤー発見!
NYのメトロポリタン歌劇場のシャンデリアと同じデザインでした。4代目H・ハラルド・ラードがじゃがいもと自転車のスポークで模型を作った伝説のシャンデリア、素敵です!

財務省発表の酒類輸入通関実績 (2019年1~11月累計)における輸入上位10ヵ国を見ると、1位はフランス(前比10.5%増)でした。ボジョレ・ヌーヴォーの輸入が数字に反映しています。日欧EPAの影響で、スーパーマーケットのチリワインの棚取りが減ってしまい、まだ以前の状態には戻っていないようですが、日智EPAは締結期間が終了し撤廃されたので、2020年は、リーズナブルなアイテムだけでなく、チリのプレミアムワインに注目していただきたいと思っています。

◆コノスル製品へのお問合わせは(株)スマイル
TEL: 03- 6731-2400
http://www.smilecorp.co.jp/goods/wine.html

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カリフォルニアを代表するスパークリング『シュラムスバーグ』のヒュー・ディヴィーズ当主来日セミナー  [来日したワイン生産者&関係者]

米国産スパークリングワインのパイオニア『シュラムスバーグ』


ワイン・イン・スタイルの招聘で来日したヒュー・デイヴィーズ当主
日本はNo.1の市場ということで気合十分、今回で4回目の訪日になります!
プレス向けのテイスティングセミナーではシュラムスバーグのフラッグシップワイン『ジェイ・シュラム』のリリース前の2018年のベースワイン数種とそれらをブレンドした完成形、『ジェイ・シュラム』のヴィンテージ違いやベストセラーアイテム『ブラン・ド・ブラン』等を披露し、ワイン造りの哲学、キーとなる区画やスタイルの多様性についても言及しました。

ワイナリーの沿革
2002年に訪問した時に、最も印象深かったのはカーヴでした。
カリフォルニア最古と言われ、1800年代に人の手によって掘られた歴史的な建造物です。現在は最大で300万本ものスパークリングが寝ています。ちなみに、シャンパーニュ地方で、ローマ人たちが遺した石切り場をカーヴとして使っているメゾンにはシャルル・エドシックやルイナール等がありますが、人(協同組合の生産者たち)が手で掘って完成させたカーヴで一番良く知られているのはマイィ・グラン・クリュです。時代的には1929年のことなので、シュラムスバーグの古さが良くわかります。

ワイナリーは1862年にドイツ移民のジェイコブ&アニー・シュラム夫妻によって設立され、建物の周囲には、リースリング、シャスラ、ジンファンデル等が植えられていました。年間10万本程度の生産量で、ロンドンやNYにも輸出。禁酒法下、経営困難で廃業状態になり、何人かの手に渡った後、1965年に2代目当主ヒューさんの両親であるジャック&ジェイミー・デイヴィーズ夫妻が購入。アメリカ初の瓶内二次発酵(シャンパーニュ方式)のスパークリングワイン造りに挑戦し、アメリカ産スパークリングワインのパイオニアとして成功を収めて今に至っています。約150年間にわたる歴史については年表を参考にしてください。

       ワイナリー&ぶどう畑の位置
       

シュラムスバーグはダイヤモンド・マウンテンにあります。
デイヴィーズ夫妻は、ワイナリー周囲の自社畑に植樹してあったリースリングやシャスラを、シャルドネCHとピノ・ノワールPNに植え替え、シャンパーニュと同じ品種、同じ製法に注力していましたが、近年、サイドビジネスとして、ボルドー品種やピノ・ノワールを使った赤ワインを生産。1994年にCHとPNをカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えて2001年にはCSのファースト・ヴィンテージをリリース。セント・ヘレナにはデイヴィーズ・ヴィンヤーズも完成しています。
シュラムスバーグのスパークリングワインに使うぶどうは、3つの自社畑、3つの自社管理畑、契約農家の計200㌶からなる120区画のもので、それらを300ロットのキュヴェにして使用しています。沿岸地域、カーネロス、ソノマ・コースト、アンダーソン・ヴァレーまでの南北210kmに及ぶ幅広いエリアから調達しています。

壮観! 2時間のセミナーに登場したワインたち

左から第1フライトの6本、第2フライトの6本、第3フライトの3本
木箱のなかにあるのはヒューさん愛用のサーベル

完成品になる前の2018年のベースワインを試飲

A:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
ダットン・ウィンクラー・ヴィン ヤード(グリーン・ヴァレー)
砂質土壌、柑橘果実、南国フルーツ、夏ミカンの内果皮似のビター感、上品でスマート
B:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
ホーク・ヒル・ヴィンヤード(グリーン・ヴァレー)
Aより南(ソノマ・コースト)に位置し、収穫は1週間程度遅い、活き活きした酸、硬質で塩味の印象
C:シャルドネ
ステンレスタンクベースワイン
スカイウォーカー・ヴィンヤード(マリン)
ヒューさんは「レモンの皮を擦ったような引き締まった感じ。10年後のリリースを考えた時に必要となる要素」と語っていました。
D:シャルドネ
樽(パンチョン)ベースワイン
キーファー・ヴィンヤード(グリーン・ヴァレー)
Aに近い自社畑、樽を使ったふくよかでまるみのあるスタイル
通常は全体の25%をフレンチオークの旧樽で発酵させ、一部MLFも行うとのこと。
E:ピノ・ノワール
ステンレスタンクタンクべースワイン
レディング・ランチ・ヴィンヤード(マリン)
標高243㍍のCに近い畑、完熟しはじめたイチゴのニュアンス、芯のある酸味、長い余韻
F:ジェイ・シュラムのベースブレンド
CH 82%、PN18%。ステンレスタンク発酵65%、樽発酵35%。残糖 0.05g/100ml、pH 3.02、総酸度0.97g/100ml、Alc11.6%
「ジェイ・シュラムを構成するベースワインのうち、A~Eは全体の50%、残りの50%はそれ以外の畑。ただし、Aのダットン・ウィンクラー・ヴィンヤードのシャルドネは比率的に多い」とヒューさん。



EのPNは凝縮感があり、リッチな印象


第2フライト


G:ジェイ・シュラム ナチュラル2018
CH82%、PN18%、樽発酵率35%。F(第1フライトのAからEのベースワインをブレンド/Aclは11.6%)の瓶内二次発酵終了後のワイン。糖分25g(シャンパーニュ地方では24g)とイーストを加え、瓶内2次発酵させることでアルコールが1%アップするので、このワインのAlcは12.5%。フレッシュで飴のような甘やかな印象、Fより華やか。
H:ジェイ・シュラム ナチュラル2014(熟成中)
CH86%、PN14%、樽発酵率29%
Gより香り閉じ気味、温度変化で焼きりんごや熱した果実、良好な酸化熟成のニュアンス
I: ジェイ・シュラム ナチュラル2009(熟成中)
CH86%、PN14%、樽発酵率27%
Jのドザージュをしていないタイプ。粘性があり、ヘーゼルナッツ、スパイス、クリーミー
J:ジェイ・シュラム 2009(完成品)
CH86%。PN14%、樽発酵率27%、ドザージュ10g/L
香りは開いていて華やか、洋梨、カスタード、アーモンド、鮮明な酸味とスムーズな食感
K:ジェイ・シュラム 2004(完成品)
CH85%、PN15%、樽発酵率34%、ドザージュ11g/L
暑かった年、デゴルジュマンは2012年、焼きりんご、ココア、ロースト香、長い余韻
L:ジェイ・シュラム Late Disgorged1999(完成品)
CH74%、PN26%、樽発酵率38%<、ドザージュ11g/L
冷涼年、収穫遅め、デゴルジュマンは2015年、果実のコンポート、クリームブリュレ、クルミ、層になって広がる旨味

心ときめいた1999年


ヒューさんが最近試みているのが、Late disgorged (デゴルジュマンの時期を通常より遅らせ、澱との接触期間を長く保たせるスタイル)で、顧客のなかにも、このスタイルを好む人たちが増えているとのこと。では、通常のデゴルジュマン(ジェイ・シュラムは基本的に8年間瓶熟させ、その後デゴルジュマンを実施)とどう違うか? 「低温調理だと、香りや味わいに深みが出るのと同じで、スパークリングワインもじっくりと時間をかけることで、ヴァニラがキャラメルや糖蜜に、ヘーゼルナッツがクルミに変化していきます。それと同じです」とコメントしていました。古酒の醍醐味、旨み成分をしっかり感じました!

第3フライト

M:ブラン・ド・ブラン2016
シュラムスバーグが一番最初に生産したアイテム。35,000ケース/年、CH100%、瓶内熟成2年、樽発酵率25%、フレッシュ、クリーン、クリスピー、「柑橘の要素と合わせて楽しんで」とヒューさん。
N:ブラン・ド・ノワール2015
PN 81%、CH19%、 瓶内熟成2年、樽発酵率34%。シャルドネを入れるのはシャープさを出すためとおいしさを与えるため、ピノの果実味を邪魔しない程度に使用。
O:ブリュット・ロゼ2015
PN 59% (うち5%は3〜4日スキンコンタクト)、CH 41%、瓶内熟成2年、樽発酵率35%、「スキンコンタクトの目的は色素の抽出と味わいにコクが出から」とヒューさん。ベリー系果実やチェリー。ロゼの出荷量は20年前は5%、10年前は20%、現在30 %で若い女性からの人気が高いとのこと。

歴代アメリカ大統領御愛用スパークリングワイン


年表にもあったように1972年はシュラムスバーグにとって運命の年でした。ニクソン大統領が訪中の折、周恩来首相との会見の最終日に、“平和への乾杯”として、シュラムスバーグのブラン・ド・ブランを供出したからです。それまでほとんど無名に近かったスパークリングワインが世界から脚光を浴び、それ以降、ホワイトハウスで歴代の大統領から重用されています。


1975年、昭和天皇が訪米なさった時にサービスされたのは『ブラン・ド・ブラン1971』でした。

サーベラ―ジュを披露


ワイナリーではサーベラ―ジュを推奨しているので、ヒューさんが腕前を披露してくれました。さすがに手馴れていて所作もお見事! サーベルでボトルのネック部分をカットする時は一瞬の出来事なので、撮影のタイミングが合わなかった人もいて・・・そこで、ワイン・イン・スタイルの武村さんと一緒にスローモーションでプレイバック



ヒューさんのお茶目さが面白すぎて一同大爆笑!
シュラムスバーグの醸造家として語っている時とは全く違うキャラだったので本当は凄い人かも(笑)
魅力あるナパのスパークリングワインストーリーと貴重なベースワイン体験、とても勉強になりました。ありがとうございました!

◆商品のお問い合わせはワイン・イン・スタイル
TEL: 03-5413-8831
URL: http://www.wineinstyle.co.jp/
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2020年1月14日発売開始! 『インシグニア2016』のプレ・リリース特別セミナー報告 [来日したワイン生産者&関係者]

ひと足早くインシグニア2016をお披露目

ジェロボームの招聘で4年ぶりに来日したジョセフ・フェルプスのロバート・バクスター輸出部長が、2020年1月に日本でリリースされる『インシグニア2016』の特別セミナーを開催しました!
WAで99点評価を受けた2016年ヴィンテージは、発売直後(過去において100点は4回ありましたが、いずれもリリースしてすぐではないので)のインシグニアとしては今までで最高のポイント


ジョセフ・フェルプス・ヴィンヤードの沿革
コロラド在住の建築業者ジョセフ(ジョー)・フェルプスは1970年代初頭、ワイナリー建設を依頼され、出向いたカリフォルニアに魅了され、1973年に同州セントヘレナ近郊スプリングヴァレーの牧草地を購入し、ワイン業界に参入します。畑も施設もなく、すべてゼロからの出発でした。初代ワインメーカーはドイツ人のウォルター・シュグだったことから、スタート当初はカベルネ・ソーヴィニヨンCSのほかに、PN(シュペートブルグンダー)やヨハニスベルグ・リースリングを栽培。ファーストヴィンテージは1973年で、この時は購入したぶどうを使い、ハイツセラーズの醸造施設を借りて行いました。

1978年に、カリフォルニア初のボルドーブレンド『インシグニア1974』がデビュー。当時は、ぶどう品種や畑名を記載したワインが主流でしたが、ジョーはCS94%とメルロME6%をブレンドしたワインにブランド名を付けて発売。アメリカ市場で評価となり、ワインは大ヒット。ワイナリーを代表するアイコンワインとして、今に至っています。
「ナパのCSとは違うキュヴェを造りたい」と思っていた創業者は、その年のベストなキュヴェをブレンドして最高のワインを造り出すことを考えました。それがインシグニアです。1990年代から2000年代にかけて、ロバート・パーカーから高い評価を受け、2002年ヴィンテージは2005年のWS年間トップ100の第1位にランクされています。

ジョセフ・フェルプスは現在ジョーの孫にあたる3世代目が継承しているファミリー経営のワイナリーです。ワインメーカーはそれぞれナパとソノマにいて、ナパは1999年の収穫時からワイナリーと関わっているAshley Hepworth女史、2008年からワインメーカーとして活躍しています。ソノマはJustin Ennisで、彼は2007年にフリーストーンのセラーマスターとしてワイン造りに加わり、2011年にアシスタントワインメーカー、2014年にワインメーカーに就任しました。


テイスティングを交えながら

(供出順に左から)
#1:Sauvignon Blanc Napa Valley 2017  希望小売価格7,200円(税別)
#2:Freestone Vineyard Chardonnay 2016  希望小売価格8,500円(税別)
#3:Freestone Vineyard Pinot Noir 2016  希望小売価格9,400円(税別)
#4:Cabernet Sauvignon Napa Valley 2016  希望小売価格15,000円(税別)
#5:Insignia 2016  希望小売価格オープン(税別)

ナパにある7つの畑
ナパには以下6つのほかにカーネロスにも畑があります。すべて自社畑で150㌶

画像協力:ジョセフ・フェルプス

(1)Home Ranch Vineyard
AVA:セントヘレナ。ジョセフ・フェルプスが1973年に植樹した畑。ワイナリー周辺に位置し、カベルネ・ソーヴィニヨンCS、マルベックMa、プティ・ヴェルドPV、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、ショイレーべ 
(2)Banca Dorada Vineyard
AVA:ラザフォード。1983年に取得した畑でナパのなかでは温暖、CSのみ栽培、しっかりとしたタンニン、ミネラル感
(3)Las Rocas Vineyard
AVA:スタッグス・リープ・ディストリクト、1983年に取得、ラザフォードより温暖、日照を受ける東向きの畑、CSのみ栽培 
(4)Barboza Vineyard
AVA:スタッグス・リープ・ディストリクト、1974年からバルボザ家が運営していたところをジョセフ・フェルプスが1997年に長期リース契約した畑で、CS、PVを栽培。春に霜害があるので風車を設置して防備
(5)Yountville Vineyard
AVA:オーク・ノール・デイストリクト。ナパの西側にあり、ジョセフ・フェルプスの最初のぶどう供給源になっていた畑で1979年に購入。1973年当時の主たるぶどうはヨハニスベルグ・リースリングでしたが、今はCSのみ栽培
(6)Suscol Vineyard
AVA:ナパ・ヴァレー。ナパの南側に位置し、一番新しく面積も広い畑。かなり涼しいエリア。アルコール度数は低く、酸の高いぶどうなので、ナパのCSやインシグニアにブレンド。CS、CF、Maを栽培

ソノマの畑は海に近い冷涼エリア
20年前にソノマコーストに2箇所の土地を購入、全部で40㌶。2007年にワイナリー完成(それ以前はすべてナパに運搬して醸造)。土壌は砂岩が風化して堆積したゴールドリッジ


画像協力:ジョセフ・フェルプス

(1)Pastorale Vineyard
フリーストーンのエリアにあり、PNとCHの2品種を栽培
(2)Quarter Moon Vineyard
フリーストーンのエリアにあり、PNだけを栽培

白ワイン2種からテイスティング


#1:ソーヴィニヨン・ブラン ナパ・ヴァレー2017
ホーム・ランチ・ヴィンヤードのSB100%、500L のフレンチオーク使用(新樽1/3)、7ヶ月熟成、天然酵母。フレッシュ、酸は強すぎず上品、余韻に軽いビター感、まるみを感じさせるスタイル
#2:フリーストーン・ ヴィンヤード シャルドネ 2016
フリーストーンのパストラルのシャルドネ100%の希少ワイン。500L と228L のフレンチオークを使用(新樽1/3)、ヴィンテージにもよりますが12~13ヶ月熟成、燻した樽のニュアンス、シトラス、アカシア、SB同様、酸の印象が強すぎずバランス良。


(C)Joseph Phelps
フリーストーン・ヴィンヤードの周囲には湿気を好むレッドウッドが多い。

赤ワインはピノ・ノワールからスタート

赤ワインはすべて2016年でした。「量、質ともに素晴らしいヴィンテージ」とバクスターさん

#3:フリーストーン・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016
フリーストーン(クォーター・ムーン51%、パストラル49%)のPN100%、天然酵母、ステンレスタンクで発酵後、フレンチオークの新樽34%と1~2年の使用樽66%で13ヶ月熟成。バクスターさんは「全房を20%することで引き締まったスタイルになります」とコメント。フレッシュ、ラズベリー、バルサミコ、クローブ、ナツメグ、ミネラル、フェミニンでバランスのとれたスタイル
#4:カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2016
ぶどう品種:CS86%、ME7%、PV3%、Ma2%、CF2%。バクスターさんが「グラスのなかにナパがある」と形容していた異なる畑のぶどうをブレンドしたワイン。ステンレスタンクで発酵させた後、新樽48%(フレンチオーク62%、アメリカンオーク38%)と1~2年の使用樽52%(フレンチ、アメリカン)を使用、18ヶ月の熟成。ヴァニラ、ココア、グラファイト、アルコール由来の甘さ、舌の上を軽くなぞるタンニン。アメリカンオークを併用することで、若くても飲みやすいスタイルに。インシグニアのセカンド的存在
#5:インシグニア2016
ぶどう品種:CS84%、PV10%、Ma3%、CF3%。ステンレスタンクで発酵させた後、フレンチオークの新樽100%で24ヶ月熟成、5社の樽メーカーを使用。紫色を帯びたガーネット、黒系果実(ブルーベリー、ブラックチェリー等)、樽香、杉、グラファイト、甘草、肉厚なニュアンス、余韻に果実のふくらみ



量より質を重視するジョセフ・フェルプスが、ナパ・ヴァレーの最高のキュヴェをブレンドして造るインシグニア。高評価を受けた2016年VTの日本での発売は1月14日(火)。ナパワインファン、インシグニアファンの皆さまは年開け要チェックです!
製品のお問い合わせはジェロボームまで。TEL 03-5786-3280

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ナパヴァレーで活躍する日本人醸造家林泰久氏の『PAULOWNIA』を和食に合わせて! [来日したワイン生産者&関係者]

家紋の五三の桐をラベルにしたワイン

(左から)
セカンドラベルの
#1:ボン・オドール・カベルネ・ソーヴィニヨン2017
#2:同2016
フラッグシップの
#3:パウロニア・カベルネ・ソーヴィニヨン2017
#4:同2016
#5:同2015

ワイン道はイングルヌックで


岡山県倉敷市出身の林泰久氏は旅行会社で働いていた時に、社員全員で応募したグリーンカード(アメリカ永住権)が当選し、ロサンゼルスに転勤。さらにサンフランシスコに異動したことで、ナパワインの魅力にハマります。ワインに魅了された彼は2000年にイングルヌックに入社。半年間はワイナリーでホスピタリティーの仕事に従事し、その後、ワイン造りの現場に加わるチャンスを得ます。ワイナリーでは、2人の師、ルビコンの醸造家で果実味を生かした造りをするスコット・マクラウド氏と、シャトーマルゴーの醸造家でエレガントさを大事にするフィリップ・バスコール氏からの指導を受けながら、研鑚を積みました。

2014年に独立して、セントヘレナのぶどうでHayashi Winesのワイン造りを開始。ぶどう品種はカベルネ・ソーヴィニヨン100%、契約している畑から購入しています。2017年に初ヴィンテージ2015年の『パウロニア』と『ボン・オドール』を出荷。2018年には2016年ヴィンテージ、2019年には3番目のヴィンテージとなる2017年をリリースしました。年間の総生産量はわずか150ケースの希少ワインです。
ワイン販売に関しては、サイエストインターナショナル(株)が運営している完全会員制ワインクラブThe Stellaが行なっており、会員だけでなく、一般販売もしているので、同社HPから購入することができます。ステラの商品はすべてカリフォルニアでワイン・ディレクターをしている秋月康孝氏が発掘したものです。品質が良くて美味しくて少量生産のワインを日本に紹介している秋月氏と林氏との出会いは2007年でした。秋月氏とエレノア・コッポラさん(コッポラ監督の奥様)との交流があったことで、イングルヌックで対面。それがきっかけとなって、2014年に独立した林氏のワインをサイエストインターナショナル(株)で扱うことになりました。

グラス・マウンテンの土壌

セカンドラベル『ボン・オドール カベルネ・ソーヴィニヨン2017』
ぶどうはグラス・マウンテンの単一畑から生産されていますが、土壌の深層部にはガラス(グラス)のように光沢ある黒曜石(こくようせき)があります!

前菜

カリフラワームース 才巻海老 雲子フライ 抹茶塩 鯖寿司炙り 鰻サンド あん肝 タルタル
鯖寿司をボン・オドールに合せても魚の生臭さは一切なし、鰻サンドに隠し味的に使われていた辛子の存在感がカベルネのスパイシーな要素のつなぎ役になり好印象

御造り

鰤/鬼おろし 茗荷 あさつき 山葵 海苔
カベルネのヨード感が海苔の佃煮と良く合ってびっくり!

揚物

鰆 二色揚げ 
胡麻 ゆかり
銀杏 クリームチーズ粕漬け
 
煮物

焼茄子万寿 生雲丹 渡り蟹のあんかけ
料理の味わい深さがパウロニアの複雑味と相乗

2016年と2017年の違いは

ボン・オドールCS2016、同2017
ラベルを見ると、2016年はセントヘレナ、2017年はナパヴァレー(セントヘレナ+オークノール)。これについて林氏は「通常はセントヘレナ産のぶどうのみで生産していますが、2017年は暑い年だったことと熱波と山火事の影響で、量的に十分なぶどうが得られなかった為、2017年だけはオークノールのぶどうも使いました」とコメント。

果実味と上質なタンニンのあるワインはパウロニア

パウロニアCS2016、同2017
「ひとつのタンクでワインを造りますが、生産過程で、フラッグシップかセカンドに分類します。前者は果実味と上質なタンニンを備えているもの、後者は飲みやすいことが決め手です。瓶熟期間も前者は1~1年半ほど長くなります」と林氏。パウロニアは4樽、ボン・オドールは2樽の生産だそうです。

特別供出の初ヴィンテージ2015

ファーストヴィンテージの2015年、とても良い熟成具合

メイン

京都七谷鴨 すき焼き 九条葱 大黒占地
京鴨の優しさ、和の素材に寄り添うCS2016はフードフレンドリー

お食事

小豆島産手摘みオリーブ釜炊き御飯 生ハム
絶妙な塩加減の生ハムと旬のオリーブ
熟成期間が長いパウロニア2015との組み合わせ◎


全員が注目した旬房カレーうどん
ワインのスパイシーな要素と様々なスパイスを使ったカレーとのユニークなマリアージュ
参加メンバー全員が微笑んだ組み合わせ

デザート

黒糖プリン いちご
黒糖のポリフェノール、これはカベルネのポリフェノールと合致。日本のいちごはまるみと甘さがあるので酸味があっても熟成を経たカベルネなら守備範囲は広いと思いました。


ヘビー・トーストからミディアム・ライト・トーストまで樽の焼き具合のサンプル


グランドハイアット東京のロビーにあった可愛いツリー!

◍製品についてのお問い合わせ先はサイエストインターナショナル株式会社(担当:長瀬敦子)
電話03-5797-7658

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俳優カイル・マクラクラン氏が情熱を傾けるワイン『pursued by bear 』 [来日したワイン生産者&関係者]

カイル・マクラクラン氏来日


テレビ『ツイン・ピークス』、『グッド・ワイフ』や映画『ブルー・ベルベット』でよく知られているマクラクランさん。今回は自らが造るワインのPRで来日しました!

ワシントン州コロンビア・ヴァレーにあるヤキマ出身の彼は、2005年から郷里でワイン造りをしています。同州『ダンハム・セラーズ』のエリック・ダンハムさんが造る秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンの味に惚れこみ、ダンハムさんにワインメーカーを依頼。マクラクランさんが求めていたワインスタイルを実現することができました。現在のワインメーカーはダンハムさんの元でアシスタント・ワインメーカーを務めていたダニエル・ワンプラーさんが担当しています。

マクラクランさんに質問してみました。
Q:何故ワイン界に参入したのですか? 事業なら他にもやれることがあったのでは?
マクラクラン:ワインを選んだ理由は3つ。まず第1にワインが好きだから。毎日ワインを飲んでいるよ。第2に父が住んでいるヤキマに帰ろうと決めたから。第3に私の趣味として。

お父上は不動産ブローカーで造園も自分で手掛けてしまうほどの器用人、食べることや飲むことが大好きだそうです。マクラクランさんがワイン造りに関わってから、家族と過ごす時間が増えたと喜んでいました。ご子息は今、11歳ですが、ワインに興味を持っているようです。

パースード バイ ベアは醸造所も自社畑も所有していませんが、醸造に関してはワラ・ワラにある『ABEJAアベハ』の施設を借りて行っています。畑は、初代ワインメーカーだったダンハムさんから的確な情報を得ており、秀逸な栽培家のぶどう畑と契約し、自ら出向いてぶどうの具合を見ています。独特のラベルは、ロンドン在住のアーティスト、キャロライン・チャーチ女史のスクラッチ・ボードによる熊の絵が使われています。

ワイン名はシェークスピア繋がり

Once Upon a Time・・・
シェークスピアの作品が多く上演されていた劇場といえばグローブ座
円筒状の木造建築で屋根がない劇場、このイラストがそうですね。

pursued by bear 熊に追われて退場


「シェークスピアの『冬物語』の第三幕、第三場のト書にある“pursued by bear パースード バイ ベア”から命名しました」とマクラクランさん。
舞台上に突然 熊が出てきて、役者さんを追いたててしまうト書きはとても鮮烈な驚きだった由。ワシントンのワイン界に、突然、俳優が出てきてワイン造りを始めるということを、パースード バイ ベアにリンクさせたかったようです。

試飲会ではマムラクランさん自ら解説

マクラクランさんが大好きなカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、それから一番新しいロゼが登場



ブラッング ベア ロゼ2018
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:ムールヴェドル50%、グルナッシュ30%、サンソー20%
生産量:424 ケース
希望小売価格:4,900円(税別)
ステンレスタンクと木樽を併用。南仏のロゼをイメージして造られたフレッシュ&フルーティなワイン。淡いさくら色、ピュアな酸味、ドライな味わい。魚介類と香味野菜をたっぷり使ったブイヤベースが似合いそう!


カベルネは2ヴィンテージ。2014年はカベルネ100%、2015年は若干メルロをブレンド。果実味、全体のバランスから言って2015年がマイベスト!

カベルネ・ソーヴィニヨン2014
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:CS100%
生産量:95ケース
希望小売価格:10,800円(税別)
発酵も熟成も木樽(ブルゴーニュのタランソー)、ブラック・チェリー、バイオレット、大人びた風格、青みのニュアンス、鉛筆の芯、2015年VTと比べるとスリムな印象

カベルネ・ソーヴィニヨン2015
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:CS81%、ME19%
生産量:479ケース
希望小売価格:10,800円(税別)
発酵も熟成も木樽(ブルゴーニュのタランソー)、果実感にあふれ、綺麗な酸味とこなれたタンニンのバランス好印象、豊潤、長熟タイプ


シラーも2ヴィンテージ、2013年は参考出品。シラー好きの私は、2013年ヴィンテージに惹かれました、複雑味&奥行きあり!

べビー ベア シラー2014(画像は)同2013
AVA:コロンビア・ヴァレー
品種:シラー100%
生産量:384ケース
希望小売価格:7,800円(税別)
(2014年は)ステンレスタンクで発酵、600㍑の木樽で32ヶ月熟成。ブラックベリーやブルーベリー、甘草、黒胡椒、きめ細かいタンニン、穏やかで豊潤な味わい。
(2013年は)マクラクランさんが特別に持ち込んだヴィンテージ。熟成による香りの変化、赤系果実、中盤から余韻に続く酸味、エレガントな印象。
シラーが蝋栓なのは、瓶型とのバランスを考え、「一番似合うから」ということで使用しています!




拙著『映画でワイン・レッスン』のコンセプトを説明してから、マクラクランさんに本をプレゼント!
日本語のみですが、本誌にある映画のジャケットとワイン画像を見れば、イメージはご理解いただけるはず。著名な俳優さんに“映画とワインの世界”をお伝えできて、本当に光栄な時間でした。
輸入元オルカインターナショナル(株)の今川栄造取締役にこころから感謝です。ありがとうございました!!

■製品についてお問い合わせは
オルカインターナショナル(株) ℡03-3803-1635
http://www.orca-international.com/

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