伊ヴェネト州『ブリガルダーラ』のチェザーリ社長が語る“至福のアマローネ” [来日したワイン生産者&関係者]
輸入元オーバーシーズの招聘で、ヴェネト州からブリガルダーラの創業者ステファーノ・チェザーリ氏が来日しました。2019年のVinitalyで出会い、同年10月から輸入を開始しましたが、その後、COVID-19の影響下に。取引を開始して4年が経過し、2023年にパンデミックが明けたので、チェザーリ社長が来日。今回、自らのワインについて語りました。
第一部はアマローネワインマスタークラス
供出順左から
第1フライト
#1:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーヴォロ2018
●畑:カーヴォロ / 標高130m ●品種:コルヴィーナ59%、コルヴィノーネ21%、
ロンディネッラ17%、その他3% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
価格:7000円(税別)
オレンジのトーンを含むガーネット、フローラル、タンニンも柔らかで飲みやすいワイン
#2:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ クラッシコ2018
●畑:ブリガルダーラ / 標高250m ●品種:コルヴィーナ47%、コルヴィノーネ39%、
ロンディネッラ6%、その他8% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で36ヶ月
価格:7000円(税別)
香りに干しぶどうのニュアンス、レッドチェリーやベリー、草っぽさ、中盤から広がる凝縮感
カーセ・ヴェチエのぶどう畑
画像:ブリガルダーラ
第2フライト
●畑:カーセ・ヴェチエ / 標高450m ●品種:コルヴィーナ39%、コルヴィノーネ30%、
ロンディネッラ31% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
価格:#3は11000円(税別)、#4~#6はオープン価格
#3:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2017
#4:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012
#5:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2010
#6:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005
#3と#4は温暖年
2017年はアロマ豊か、プラムや干しイチジク等の果実風味、口中滑らか。
2012年の第1香はシャイ、時間の経過でチェリージャム、甘草、安定したバランス。
#5と#6は冷涼年
明るいルビーで温暖年と比べると酸がエレガント。4種のなかのマイベストは2005年。
黒糖、ソーテルヌワイン似のセメダイン的なアロマ、しなやかな酸味、甘草、なめし皮、
熟したタンニン、心地よい余韻。
第3フライト
●畑:自社畑から最良のぶどうを選択 ●品種:コルヴィーナ55%、コルヴィノーネ25%、
ロンディネッラ20%、●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で60ヶ月、参考商品
#7:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2013
#8:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2007
左から右に供出
第3フライトは2種のリゼルヴァにフォーカス
当日のベストワンは#8(前列右)
層になって広がる旨味、今飲んでも美味、今後の熟成にもさらなる期待
宮嶋通訳が「2007年VTはPP97点。チェザーリ氏も気に入っています」と言及
Alcは17.5%ながら、全体のバランスが良く、味わっているだけで、こころ和むワイン
素晴らしいアマローネは “至福のワイン”と形容できます!
一代でワイナリーを興した実力派ステファーノ・チェザーリ氏
セミナーの前半で沿革について解説
ブリガルダーラの歴史は古く、紀元1100年には農園として存立していました。1200-1400年の間は修道院が所有、1600年代になるとフォンタナ家、1800年代にはイタリア系オースラリア人のジュゼッペ・フラッカローリが入手。現在の外観が整い、小さな庭園を造り、糸杉も植樹。1928年チェザーリ当主の祖父レンツォがブリガルダーラ(分割されず同じ名称で続いてきた)を取得したことで農場に転換。父ランベルトが継承し、1970年代には畑にぶどう樹を植えますが、最大の推進力はチェザーリ氏で、1979年に自社ブランドワインの醸造を開始しました。
ちなみに、農場を継承した父親の本業は農耕機器(ブルドーザー等)を輸入する仕事で、日本の小松製作所の機械も扱っていた由。チェザーレ氏も、1976年に大学を出て父親と同じ仕事に就きますが10年位で転職。ヴァルポリチェッラでのワイン造りに着手、今に至っています。
画像:ブリガルダーラ
所有面積10㌶のうち6㌶の畑からスタートし、現在では120㌶で47㌶まで拡張。生産量は年間30万本。
自社畑は3つで、ブリガルダーラは重い粘土質でベースは凝灰岩。カーセ・ヴェチエは標高が高く、有機物が多いシルトの砂質土壌。カーヴォロ2㌶は東向きで、石ころが多く水はけが良い。雨が多い年は良好ですが、干ばつの年はなかなか厳しいとのこと。栽培している品種は黒ぶどうのコルヴィーナ(チェリーのトーンがあるエレガントな品種)、コルヴィノーネ(ハーブ的、若干粗野な品種)、ロンディネーラ(病害虫に強い品種)、モリナーラ、古来品種オセレータ。白ぶどうのガルガーネガ。
イタリアにおける生産量/2009年と2021年
チェザーリ当主が示した(1)ヴァルポリチェッラ (2)リパッソ (3)アマローネの数量
2009年 (1)2300万本 (2)1300万本 (3)870万本
2021年 (1)2000万本 (2)3500万本 (3)1800万本
ヴァルポルチェッラは減少傾向、リパッソとアマローネは倍以上の伸び。「アマローネは80%が輸出市場であり、リパッソはアマローネの味わいがあり、より安価なので、海外での人気が高い。アメリカとカナダは14%、スイス12%、英国10%、スウェーデンとドイツは8%、日本とロシアはわずか1%」と語りました。
さらに「2010年までは225㍑のバリックのみでしたが、それ以降から、500㍑のトノーも併用し、最初の2年は小樽、あとの2年はスラヴォニアンオークの大樽を使っています。アルコール度数の高いワインなので、発酵に耐えるジンファンデル酵母も使用しています」との追加コメントもありました。
🍷 🍷 🍷 🍷 🍷
第二部は料理と合わせて@パレスホテル東京グランドキッチン
ソアーヴェ2022
オマール海老と茸のテリーヌ/茸のマリネとオマール海老のクリーム、キャヴィア
品種はガルガネーガ100%、グレープフルーツやカモミール、白桃、溌溂とした酸味
ほのかに広がるビター感、フレッシュ&フルーティー
オレンジを煮詰めてソアーヴェを加え、酸を引き出し双方を相乗させたマリアージュ。
“酸”がポイント。テリーヌのクリーミーなテクスチャーと好印象
ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ カーセ・ヴェチエ2021
ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ ・リパッソ2020(右)
的鯛のカダイフ/牛蒡のヴルーテ&フリット
的鯛のサクサク感および魚の皮と身の間に血合いがあるので、
赤と合わせることで香ばしさが際立つ相性。バルサミコを使ったソースがポイント
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012、同2017(右)
赤ワインのリゾット、トリュフ
この料理だけは伝統的なイタリアンへのオマージュとして考案
リゾットのなかのパンチェッタやレーズンがブリッジ食材になり、
アマローネのドライレーズンや甘いスパイス風味とナイスマリアージュ
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005
国産牛フィレ肉のグリル、南瓜のピューレ&フリット、赤ワインソース、トリュフ
セミナーに登場した2005年ヴィンテージ、マデイラを使ったソースがポイント
牛肉を炭焼きした“香ばしさと甘さ”が、アマローネの要素と重なり美味
ディナー風景
右側の中程にステファーノ・チェザーリ当主、宮嶋勲通訳
JETCUPのふたりの優勝者
サービス担当の瀧田昌孝ソムリエ(右)
セミナーとディナーに参加していた本多康志氏(資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長)
おふたりはJETCUPの歴代の優勝者、イタリアワインに精通しています!
山田琢馬ソムリエ(左)は先輩を目標に精進中
マリアージュで心がけたポイント
瀧田ソムリエに気を遣った点について伺ってみました。
一代でワイナリーを築いた当主なので、イタリアン重視より、インターナショナル路線
国際感覚を備えたビジネスマンに焦点を当てたフレンチスタイルを考えたとのこと。
すべての料理にワインを使っています。
マリアージュの記述は、瀧田ソムリエの説明も加えてあります。
ブリガルダーラのアマローネは残糖が少なくて、食事に合わせやすいワインです。
年末年始の集いに活用できると確信しています、お楽しみくださいませ!
【製品についての問い合わせ先】
株式会社オーバーシーズ 電話03-5779-7545
第一部はアマローネワインマスタークラス
供出順左から
第1フライト
#1:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーヴォロ2018
●畑:カーヴォロ / 標高130m ●品種:コルヴィーナ59%、コルヴィノーネ21%、
ロンディネッラ17%、その他3% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
価格:7000円(税別)
オレンジのトーンを含むガーネット、フローラル、タンニンも柔らかで飲みやすいワイン
#2:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ クラッシコ2018
●畑:ブリガルダーラ / 標高250m ●品種:コルヴィーナ47%、コルヴィノーネ39%、
ロンディネッラ6%、その他8% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で36ヶ月
価格:7000円(税別)
香りに干しぶどうのニュアンス、レッドチェリーやベリー、草っぽさ、中盤から広がる凝縮感
カーセ・ヴェチエのぶどう畑
画像:ブリガルダーラ
第2フライト
●畑:カーセ・ヴェチエ / 標高450m ●品種:コルヴィーナ39%、コルヴィノーネ30%、
ロンディネッラ31% ●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で48ヶ月
価格:#3は11000円(税別)、#4~#6はオープン価格
#3:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2017
#4:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012
#5:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2010
#6:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005
#3と#4は温暖年
2017年はアロマ豊か、プラムや干しイチジク等の果実風味、口中滑らか。
2012年の第1香はシャイ、時間の経過でチェリージャム、甘草、安定したバランス。
#5と#6は冷涼年
明るいルビーで温暖年と比べると酸がエレガント。4種のなかのマイベストは2005年。
黒糖、ソーテルヌワイン似のセメダイン的なアロマ、しなやかな酸味、甘草、なめし皮、
熟したタンニン、心地よい余韻。
第3フライト
●畑:自社畑から最良のぶどうを選択 ●品種:コルヴィーナ55%、コルヴィノーネ25%、
ロンディネッラ20%、●熟成:225㍑のオーク樽と25ヘクト㍑のオーク樽で60ヶ月、参考商品
#7:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2013
#8:アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リゼルヴァ2007
左から右に供出
第3フライトは2種のリゼルヴァにフォーカス
当日のベストワンは#8(前列右)
層になって広がる旨味、今飲んでも美味、今後の熟成にもさらなる期待
宮嶋通訳が「2007年VTはPP97点。チェザーリ氏も気に入っています」と言及
Alcは17.5%ながら、全体のバランスが良く、味わっているだけで、こころ和むワイン
素晴らしいアマローネは “至福のワイン”と形容できます!
一代でワイナリーを興した実力派ステファーノ・チェザーリ氏
セミナーの前半で沿革について解説
ブリガルダーラの歴史は古く、紀元1100年には農園として存立していました。1200-1400年の間は修道院が所有、1600年代になるとフォンタナ家、1800年代にはイタリア系オースラリア人のジュゼッペ・フラッカローリが入手。現在の外観が整い、小さな庭園を造り、糸杉も植樹。1928年チェザーリ当主の祖父レンツォがブリガルダーラ(分割されず同じ名称で続いてきた)を取得したことで農場に転換。父ランベルトが継承し、1970年代には畑にぶどう樹を植えますが、最大の推進力はチェザーリ氏で、1979年に自社ブランドワインの醸造を開始しました。
ちなみに、農場を継承した父親の本業は農耕機器(ブルドーザー等)を輸入する仕事で、日本の小松製作所の機械も扱っていた由。チェザーレ氏も、1976年に大学を出て父親と同じ仕事に就きますが10年位で転職。ヴァルポリチェッラでのワイン造りに着手、今に至っています。
画像:ブリガルダーラ
所有面積10㌶のうち6㌶の畑からスタートし、現在では120㌶で47㌶まで拡張。生産量は年間30万本。
自社畑は3つで、ブリガルダーラは重い粘土質でベースは凝灰岩。カーセ・ヴェチエは標高が高く、有機物が多いシルトの砂質土壌。カーヴォロ2㌶は東向きで、石ころが多く水はけが良い。雨が多い年は良好ですが、干ばつの年はなかなか厳しいとのこと。栽培している品種は黒ぶどうのコルヴィーナ(チェリーのトーンがあるエレガントな品種)、コルヴィノーネ(ハーブ的、若干粗野な品種)、ロンディネーラ(病害虫に強い品種)、モリナーラ、古来品種オセレータ。白ぶどうのガルガーネガ。
イタリアにおける生産量/2009年と2021年
チェザーリ当主が示した(1)ヴァルポリチェッラ (2)リパッソ (3)アマローネの数量
2009年 (1)2300万本 (2)1300万本 (3)870万本
2021年 (1)2000万本 (2)3500万本 (3)1800万本
ヴァルポルチェッラは減少傾向、リパッソとアマローネは倍以上の伸び。「アマローネは80%が輸出市場であり、リパッソはアマローネの味わいがあり、より安価なので、海外での人気が高い。アメリカとカナダは14%、スイス12%、英国10%、スウェーデンとドイツは8%、日本とロシアはわずか1%」と語りました。
さらに「2010年までは225㍑のバリックのみでしたが、それ以降から、500㍑のトノーも併用し、最初の2年は小樽、あとの2年はスラヴォニアンオークの大樽を使っています。アルコール度数の高いワインなので、発酵に耐えるジンファンデル酵母も使用しています」との追加コメントもありました。
🍷 🍷 🍷 🍷 🍷
第二部は料理と合わせて@パレスホテル東京グランドキッチン
ソアーヴェ2022
オマール海老と茸のテリーヌ/茸のマリネとオマール海老のクリーム、キャヴィア
品種はガルガネーガ100%、グレープフルーツやカモミール、白桃、溌溂とした酸味
ほのかに広がるビター感、フレッシュ&フルーティー
オレンジを煮詰めてソアーヴェを加え、酸を引き出し双方を相乗させたマリアージュ。
“酸”がポイント。テリーヌのクリーミーなテクスチャーと好印象
ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ カーセ・ヴェチエ2021
ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレ ・リパッソ2020(右)
的鯛のカダイフ/牛蒡のヴルーテ&フリット
的鯛のサクサク感および魚の皮と身の間に血合いがあるので、
赤と合わせることで香ばしさが際立つ相性。バルサミコを使ったソースがポイント
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2012、同2017(右)
赤ワインのリゾット、トリュフ
この料理だけは伝統的なイタリアンへのオマージュとして考案
リゾットのなかのパンチェッタやレーズンがブリッジ食材になり、
アマローネのドライレーズンや甘いスパイス風味とナイスマリアージュ
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーセ・ヴェチエ2005
国産牛フィレ肉のグリル、南瓜のピューレ&フリット、赤ワインソース、トリュフ
セミナーに登場した2005年ヴィンテージ、マデイラを使ったソースがポイント
牛肉を炭焼きした“香ばしさと甘さ”が、アマローネの要素と重なり美味
ディナー風景
右側の中程にステファーノ・チェザーリ当主、宮嶋勲通訳
JETCUPのふたりの優勝者
サービス担当の瀧田昌孝ソムリエ(右)
セミナーとディナーに参加していた本多康志氏(資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長)
おふたりはJETCUPの歴代の優勝者、イタリアワインに精通しています!
山田琢馬ソムリエ(左)は先輩を目標に精進中
マリアージュで心がけたポイント
瀧田ソムリエに気を遣った点について伺ってみました。
一代でワイナリーを築いた当主なので、イタリアン重視より、インターナショナル路線
国際感覚を備えたビジネスマンに焦点を当てたフレンチスタイルを考えたとのこと。
すべての料理にワインを使っています。
マリアージュの記述は、瀧田ソムリエの説明も加えてあります。
ブリガルダーラのアマローネは残糖が少なくて、食事に合わせやすいワインです。
年末年始の集いに活用できると確信しています、お楽しみくださいませ!
【製品についての問い合わせ先】
株式会社オーバーシーズ 電話03-5779-7545
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