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3月の最終講座は2020年に創業260年を迎えたランソンにフォーカス! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 3月の講座のフルメンバー
 左から供出順

 左から供出順

今回のポイントはノン・マロ
ノン・マロとはマロラクティック発酵をしないことです。マロラクティック発酵=MLF (Malo-lactic fermentation)は、主発酵後、ワイン中に含まれるリンゴ酸 (Malic acid)が、乳酸菌の働きによって乳酸 (Lactic acid) に変化する現象で、
★赤ワインや酸度の高い白ワインの酸度を下げる
★複雑味が増し、豊潤な香味を形成
★雑菌汚染の防止
の効果があります。

赤ワインはMLFを起こさせるのが一般的ですが、白ワインは求めている酒質によって異なります。行う場合はリンゴ酸の減り具合を分析しながら進めていきます。

MLFをしないメゾンの双璧 ゴッセとランソン
★リンゴ酸はぶどう本来の自然な酸であり、熟成させることで長い余韻と深みが出る。
★ぶどうに含まれるリンゴ酸は3~5g/L、MLFをすることで1g/L以下に減少。
上記の考え方から、2メゾンはノン・マロを貫いています。ちなみにゴッセでは一次発酵後、ワインを10度以下に冷却することでMLF発酵を抑えています。


第一フライト
今のランソンは、ノン・マロ=酸が強くて疲れる、というイメージから脱却した印象で、馴染みやすさが加わりました。講座で両メゾンの比較をするのは2016年秋以来になりますが、ランソンは2013年にエルヴェ・ダンタン氏が新しいシェフ・ド・カーヴに就任してから、頑固なイメージが払しょくされたように感じます。

第一フライトではメゾンの顔 NVを比較しました。
★ランソンのブラックラベルは15~20%の比率でMLFを施しています。
★ゴッセのエクストラ・ブリュットは熟成期間が36ヶ月と短いのでMLFを実施しているので、今回比較用に選んだのはグランド・レゼルヴ・ブリュットNV。


    #1:ランソン ブラックラベル・ブリュットNV
    生産者:ランソン(NM)
    ぶどう品種:PN 50%、CH 35%、M 15% / リザーヴワイン 35%
    ドザージュ:8g/L
    デゴルジュマン:2019年10月7日
    価格:6,000円(税別 / 輸入元:アサヒビール
    フレッシュ&フルーティ、白い花、レモンやGF等の柑橘系果実
    青リンゴ、中盤から酸の広がり、ドライな切れ味、果実の甘やかさ

    #2:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV
    生産者:ゴッセ(NM)
    ぶどう品種:PN 45%、CH 45%、M 10%
    ドザージュ:7g/L
    価格:8,400円(税別 / 輸入元:テラヴェール
    #1より香りの立ち方は大人しい、柑橘系果実、白桃、すもも、はちみつ
    ミネラル、溌剌感のある酸味が余韻にも長く広がる。


 第二フライトはランソンの3ヴィンテージ

 #3:ランソン ゴールドラベル・ヴィンテージ・ブリュット2009
 生産者:ランソン(NM)  
 ぶどう品種:PN 53%、CH 47%
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2017年2月21日
 価格:9,060円(税別)
 フレッシュ&力強さ、黄リンゴ、アプリコット、砂糖漬けの果実、ローストしたコーヒー
 ミネラル 旨味、エレガントな酸味、バランス良好

 ランス市内にあるクロ・ランソン

周囲を壁で囲まれた1haの小さな畑。クロ・ランソンはランソンが生産している単一ぶどう畑のシャルドネ100%のシャンパンで樹齢は20~50年。アルゴンヌの森から切り出したオークの樽で熟成


 

 #4:クロ・ランソン2007/ 生産量約8,000本
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:CH 100%
 ドザージュ:3g/L未満
 デゴルジュマン:2016年7月
 価格:30,000円(税別)
 白桃、アプリコット、フレッシュバター、ブリオッシュ、クルミ
 凛とした酸、口中クリーミー、中盤から余韻に樽のニュアンス

クロ・ランソンは『ワイン王国』のシャンパーニュ特集でテイスティングした時、興味引かれたアイテムだったので、講座で供出することに。長熟タイプのシャンパーニュで、今後の熟成の変化には大いに期待できる、お薦めの1本🍾


 クロ・ランソンの裏ラベル
 ランソンはすべてのボトルの裏ラベルにデゴルジュマンの年月を記載しています。

 
 #5:ランソン ノーブル・キュヴェ・ヴィンテージ・ブリュット2002
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:CH 70%、PN 30%
 ドザージュ:6g/L
 デゴルジュマン:2017年7月
 価格:16,000円(税別)
 焼きりんご、洋梨、スパイス、ミネラル、軽いビター感、複雑味、酸味と甘味のバランス


 変化するランソン
 シェフ・ド・カーヴのエルヴェ・ダンタンさんが語っていた“3つのF
 FreshnessFruitnessFinesse
 ランソンが求めているワインのスタイルです。


 昨年ランソンは創業260周年を迎えました。
 コロナ渦中でイベントを縮小せざるを得ない状況でしたが、2019年1月に社長に就任した
 フランソワ・ヴァン・アール氏の陣頭指揮のもと、新たな船出をしました。
 ワイン誌のインタビューに対して、アール社長は「アイテム数を15から10に絞り込む」
 と語っていました。


             ☆☆☆☆☆☆☆☆

 2020年のシャンパーニュ出荷量
 総出荷量は 2億4,400 万本(前年比-17.9%) 、42億700万ユーロ(-16.7%)
 フランス国内の消費は1億1,320万本(-19.9%) 、16億4,100万ユーロ(-17.9%)

 source:CIVC
 画像の左は数量 / 右は金額。
 輸出相手国で、
 数量ベースでは第1位がイギリス2,130 万本(-21.1%)
 第2位はアメリカ で2,080 万本(-19%)
 逆に、金額ベースでは第1位がアメリカ5億190万ユーロ (-24.5%)
 第2位はイギリス 3億3,820万ユーロ (-21.5%)
 日本は数量・金額ともに第3位で1,080万本(-24.4%) と 2億7,080万ユーロ(-23.6%)
 第4位のドイツはNVの需要が多いので、日本と比べて数量は僅差でも金額では大きな差


 source:CIVC
 コロナ渦中でお祝いのお酒シャンパニュは苦戦しました。
 2019年は1,430万本まで伸びていた日本も2020年は1,080万本にとどまりました。

 source:IWSR
 英国の調査会社IWSRは2019年の水準に戻るのは2024年と予測

 ロゼやプレスティージュが人気の日本市場
 source:CIVC
 日本市場ではノン・ドゼも高人気


               ☆☆☆☆☆☆☆☆

 春期シャンパーニュ講座開始
 4月からスタートする春講座にご参加くださる皆さま
 今期も三密を避け、第3週第4週の2クラスで行いますので、お付き合いの程、
 何卒宜しくお願いいたします🥂🥂🥂


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