伝統あるメゾンの血筋を受け継いでいるシャンパーニュメゾン『ヴィルジニー T. 』 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]
21世紀に誕生したメゾン
茅場町Le temps voleの占部オーナーシェフからマーカムインターナショナル(株)を紹介していただき、6月のシャンパーニュ講座の候補として『ヴィルジニー T. ブリュット』を事前テイスティング。2、3日かけて、香り&味わいをチェックしました。
初日には黒ぶどう主体(PN70%)のニュアンス、2日目はミネラル感が顕著で、白ぶどうシャルドネの要素の出方も面白い発見でした。それは・・・
飲み慣れたテタンジェの雰囲気をそこはかとなく感じさせるもので、思わず、醸造担当者のDNAが反映している?! と思った次第です。
パイパー・エドシック × テタンジェ クリックで拡大
参考画像:マーカムインターナショナル(株)
パイパー・エドシックは黒ぶどうのPN、テタンジェは白ぶどうのCHを要にしているメゾン。2008年にヴィルジニー T.を立ち上げたマダム・ヴィルジニー・テタンジェの家系をみると、父親はテタンジェの社長を長年務めたクロード・テタンジェ氏、母親はパイパー・エドシックのオーナー一族だったマダム・キャサリン・デ・スアレス・ダウランで、由緒あるメゾンの血筋を引いていることがわかりました。
マダム・ヴィルジニーは1986年にテタンジェに入社し、2006年父親の引退に伴い自らも退職。テタンジェ在職中は経営者のひとりとして従事し、カリフォルニアのドメーヌ・カーネロスの展開にも尽力しました。退社後はテロワールを重視したシャンパーニュ造りの道に進むことを決意。現在は息子にすべてを任せたいということで、シェフ・ド・カーブの職を委ねましたが、アッサンブラージュ等は親子で行っています。
参考画像:マーカムインターナショナル(株)
ヴィルジニー T. のネゴシアンとしての拠点はヴェルジィ村(自社畑1㌶)で、現在はシルリィ村でシャンパーニュを醸造しています。2024年にはセラーをヴェルゼネ村に移転予定なので、拠点も同村になります。ヴェルゼネ村とルーヴォワ村にも計2㌶の自社畑を所有し、契約農家は長年の付き合いのある5軒(約10㌶分)から供給を受けています。年間生産量は8万本以下。
シェフ・ド・カーヴに関しては、マーカムインターナショナル(株)の紙浦泰宏社長から「メゾン創業当初はヴィルジニー・テタンジェでしたが、今は、2015年からメゾンに参画した息子フェルディナンド・プガーチです」との返信を頂戴しました。
ヴィルジニー T. にフォーカス
ということで、6月はヴィルジニー T. の5アイテムを選びました。
リザーブワインはステンレスタンクで保存していて、通常は10~15%程度。
ヴィンテージ、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワールに関しては、
木樽でストックしているものも使っています。
#1~#4の使用品種は、
PN70%、CH20%、ムニエ10%とすべて同率、違いはドザージュ量のみ
#1:ヴィルジニー T. ブリュット
#2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
#3:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
#4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
#5:ヴィルジニー T. ロゼ
ラベルとプラークの配色にも気配りを感じます。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第1フライト
#1:ヴィルジニー T. ブリュット
生産者:ヴィルジニ・・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:7.5g/L
価格:10,000円(税別)
マダム・ヴィルジニーのDNAを象徴していると感じたアイテム!
グラン・クリュとプルミエ・クリュのPNを中心に15村からなるキュヴェを調合
ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟5年以上、100%MLF。
黒ぶどう主体の果実の厚み、酸味は軽快、中盤以降スレンダー。
2008年創業なので、リザーブワインが潤沢になれば、味わいにも変化が出ると予想
#2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:4g/L
価格:12,000円(税別)
#1より1年長い瓶熟、スタイルはピュアでフレッシュ、活き活きとしてクリーミー
気泡快活、果実風味、口中ドライながら、旨味があり、中盤からの広がり好印象
特別供出:モンテス・スパークリング エンジェル・ブリュット
生産国:チリ DOアコンカグア・ヴァレー
ぶどう品種:PN70%、CH30%
3ボトル
3アイテムともPN70%なので、色調には類似点も!
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第2フライトは2009年ヴィンテージのドザージュ違い
#4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:0g/L
価格:23,000円(税別)
#4および#5の製法は同じ。ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF
ローストやブリオッシュのアロマ、ぶどう本来の熟度由来の厚み
口中クリーミー、熟成による複雑味が余韻とともに広がる印象
#5:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:12g/L
価格:18,000円(税別)
ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF、果実味&酸味のバランス良好
超10gのドザージュを感じさせない味わい。近年ドザージュ減量傾向ですが、
糖分の多いシャンパーニュには、長い瓶熟により、メイラード反応が出てきます。
クリーム・ブリュレやカラメルのニュアンス、#5にその要素を感じました。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第3フライトはロゼ
特別供出:バルディビエソ エクラ ブリュット・ロゼ
生産国:チリ
製法:シャルマ製法
ぶどう品種:サンソー90%、PG10%
ドザージュ:10g/L
日本未輸入/参考出品
#6:ヴィルジニー T. ロゼ
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN55%、CH35%、M10%
ドザージュ:7g/L
価格:13,000円(税別)
2012年にボトリング、ブージィ村のPNとCHを使用。発酵・熟成はステンレスタンク、
100%MLF。要はミネラル感、第3週&第4週とも女子たちから支持を得ていたアイテム
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
6月の講座ではチリ取材(5月20日~6月2日)で試飲してきたスパークリングワインの中から2アイテムを選び、講座生の皆さんにお土産の泡ものとして楽しんでいただきました。
ビーニャ・バルディビエソは南米で最初にスパークリングワインを手がけた家族経営のワイナリーで、チリ国内でのシェアも高く、カリテ・プリな泡(ワインも)の生産者として人気があります。チリの南部イタタ・ヴァレーのサンソーとピノ・グリを使ったエクラ・ロゼ。製法はシャルマ法(二次発酵はステンレスタンク)。最初にペトロール香(オイルに似た香り)を感じましたが、空気との触れあいでスイカやザクロ、優しい甘さと柑橘系果実似の酸味、親しみやすい印象のロゼ。
World's Best Vineyards 2022の第3位モンテスが誇る伝統製法によるエンジェル・ブリュット。アウレリオ・モンテス Jr.に「シャンパーニュ講座を担当しています」と話したら 「講座で飲み比べて」ということで持たせてくださったスパークリングワイン。
第4週ではシャンパーニュと利き違える講座生もいました。酒質が綺麗で、供出温度やグラスの形状によっては、さらにシャンパーニュと混乱させる実力ある泡もの🥂
🎆 World's Best Vineyards 2023の発表は2023年7月12日です!
https://www.worldsbestvineyards.com/
茅場町Le temps voleの占部オーナーシェフからマーカムインターナショナル(株)を紹介していただき、6月のシャンパーニュ講座の候補として『ヴィルジニー T. ブリュット』を事前テイスティング。2、3日かけて、香り&味わいをチェックしました。
初日には黒ぶどう主体(PN70%)のニュアンス、2日目はミネラル感が顕著で、白ぶどうシャルドネの要素の出方も面白い発見でした。それは・・・
飲み慣れたテタンジェの雰囲気をそこはかとなく感じさせるもので、思わず、醸造担当者のDNAが反映している?! と思った次第です。
パイパー・エドシック × テタンジェ クリックで拡大
参考画像:マーカムインターナショナル(株)
パイパー・エドシックは黒ぶどうのPN、テタンジェは白ぶどうのCHを要にしているメゾン。2008年にヴィルジニー T.を立ち上げたマダム・ヴィルジニー・テタンジェの家系をみると、父親はテタンジェの社長を長年務めたクロード・テタンジェ氏、母親はパイパー・エドシックのオーナー一族だったマダム・キャサリン・デ・スアレス・ダウランで、由緒あるメゾンの血筋を引いていることがわかりました。
マダム・ヴィルジニーは1986年にテタンジェに入社し、2006年父親の引退に伴い自らも退職。テタンジェ在職中は経営者のひとりとして従事し、カリフォルニアのドメーヌ・カーネロスの展開にも尽力しました。退社後はテロワールを重視したシャンパーニュ造りの道に進むことを決意。現在は息子にすべてを任せたいということで、シェフ・ド・カーブの職を委ねましたが、アッサンブラージュ等は親子で行っています。
参考画像:マーカムインターナショナル(株)
ヴィルジニー T. のネゴシアンとしての拠点はヴェルジィ村(自社畑1㌶)で、現在はシルリィ村でシャンパーニュを醸造しています。2024年にはセラーをヴェルゼネ村に移転予定なので、拠点も同村になります。ヴェルゼネ村とルーヴォワ村にも計2㌶の自社畑を所有し、契約農家は長年の付き合いのある5軒(約10㌶分)から供給を受けています。年間生産量は8万本以下。
シェフ・ド・カーヴに関しては、マーカムインターナショナル(株)の紙浦泰宏社長から「メゾン創業当初はヴィルジニー・テタンジェでしたが、今は、2015年からメゾンに参画した息子フェルディナンド・プガーチです」との返信を頂戴しました。
ヴィルジニー T. にフォーカス
ということで、6月はヴィルジニー T. の5アイテムを選びました。
リザーブワインはステンレスタンクで保存していて、通常は10~15%程度。
ヴィンテージ、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワールに関しては、
木樽でストックしているものも使っています。
#1~#4の使用品種は、
PN70%、CH20%、ムニエ10%とすべて同率、違いはドザージュ量のみ
#1:ヴィルジニー T. ブリュット
#2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
#3:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
#4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
#5:ヴィルジニー T. ロゼ
ラベルとプラークの配色にも気配りを感じます。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第1フライト
#1:ヴィルジニー T. ブリュット
生産者:ヴィルジニ・・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:7.5g/L
価格:10,000円(税別)
マダム・ヴィルジニーのDNAを象徴していると感じたアイテム!
グラン・クリュとプルミエ・クリュのPNを中心に15村からなるキュヴェを調合
ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟5年以上、100%MLF。
黒ぶどう主体の果実の厚み、酸味は軽快、中盤以降スレンダー。
2008年創業なので、リザーブワインが潤沢になれば、味わいにも変化が出ると予想
#2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:4g/L
価格:12,000円(税別)
#1より1年長い瓶熟、スタイルはピュアでフレッシュ、活き活きとしてクリーミー
気泡快活、果実風味、口中ドライながら、旨味があり、中盤からの広がり好印象
特別供出:モンテス・スパークリング エンジェル・ブリュット
生産国:チリ DOアコンカグア・ヴァレー
ぶどう品種:PN70%、CH30%
3ボトル
3アイテムともPN70%なので、色調には類似点も!
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第2フライトは2009年ヴィンテージのドザージュ違い
#4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:0g/L
価格:23,000円(税別)
#4および#5の製法は同じ。ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF
ローストやブリオッシュのアロマ、ぶどう本来の熟度由来の厚み
口中クリーミー、熟成による複雑味が余韻とともに広がる印象
#5:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
ドザージュ:12g/L
価格:18,000円(税別)
ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF、果実味&酸味のバランス良好
超10gのドザージュを感じさせない味わい。近年ドザージュ減量傾向ですが、
糖分の多いシャンパーニュには、長い瓶熟により、メイラード反応が出てきます。
クリーム・ブリュレやカラメルのニュアンス、#5にその要素を感じました。
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
第3フライトはロゼ
特別供出:バルディビエソ エクラ ブリュット・ロゼ
生産国:チリ
製法:シャルマ製法
ぶどう品種:サンソー90%、PG10%
ドザージュ:10g/L
日本未輸入/参考出品
#6:ヴィルジニー T. ロゼ
生産者:ヴィルジニー・T(NM)
ぶどう品種:PN55%、CH35%、M10%
ドザージュ:7g/L
価格:13,000円(税別)
2012年にボトリング、ブージィ村のPNとCHを使用。発酵・熟成はステンレスタンク、
100%MLF。要はミネラル感、第3週&第4週とも女子たちから支持を得ていたアイテム
o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。
6月の講座ではチリ取材(5月20日~6月2日)で試飲してきたスパークリングワインの中から2アイテムを選び、講座生の皆さんにお土産の泡ものとして楽しんでいただきました。
ビーニャ・バルディビエソは南米で最初にスパークリングワインを手がけた家族経営のワイナリーで、チリ国内でのシェアも高く、カリテ・プリな泡(ワインも)の生産者として人気があります。チリの南部イタタ・ヴァレーのサンソーとピノ・グリを使ったエクラ・ロゼ。製法はシャルマ法(二次発酵はステンレスタンク)。最初にペトロール香(オイルに似た香り)を感じましたが、空気との触れあいでスイカやザクロ、優しい甘さと柑橘系果実似の酸味、親しみやすい印象のロゼ。
World's Best Vineyards 2022の第3位モンテスが誇る伝統製法によるエンジェル・ブリュット。アウレリオ・モンテス Jr.に「シャンパーニュ講座を担当しています」と話したら 「講座で飲み比べて」ということで持たせてくださったスパークリングワイン。
第4週ではシャンパーニュと利き違える講座生もいました。酒質が綺麗で、供出温度やグラスの形状によっては、さらにシャンパーニュと混乱させる実力ある泡もの🥂
🎆 World's Best Vineyards 2023の発表は2023年7月12日です!
https://www.worldsbestvineyards.com/
コメント 0