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2月のシャンパン編リポート、シャンパンと映画仲間の小林史高氏の想い出を添えて [オープンカレッジ]

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2月20日のシャンパン編講座では、白ぶどう、黒ぶどう、ブレンドの3タイプと、前月に続いて、シャンパンの古酒を体験しました。

第1フライト
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#1:ルイナール ブラン・ド・ブランNV
生産者:ルイナール(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:シャルドネ100%
色調は淡いイエロー、石灰由来のミネラル感の素晴らしさ、ピュアな酸、グレープフルーツの内側の白皮似の軽いビターさ、極上のブラン・ド・ブラン
ルイナールの特徴は■熟成期間が長い、■ピノ・ムニエは使わない

#2:ドゥーツ ブリュット・クラシックNV
生産者:ドゥーツ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ 各3分の1
透明感のある淡いベージュ、いつ飲んでも安定したバランスの良さ、シャンパーニュの心臓といわれるアイ村が拠点。シャンパンメゾンの顔NVの質を落とさないように、“まずはNVありき”がポリシー、NVは全体の85%を占めています

#3:アンリ・ジロー コード・ノワールNV
生産者:アンリ・ジロー(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ
品種:ピノ・ノワール100% 
気泡繊細、黒ぶどう由来の色調&香り、インパクト大、洋梨や白桃、樽由来の風味、ヴァニラ、蜜のニュアンス、やさしい酸、旨味&凝縮感、定評あるブラン・ド・ノワール

2009年の3月3日、日本で初めて『アンリ・ジロー』のセミナーが開かれました。ソムリエ協会の機関誌編集長をしていた関係で、私は小林史高氏にリポートを依頼しました。彼がクロード・ジロー12代目当主の来日をとても楽しみにしていたからです。その記事は、私が編集長を交代した2009年5月刊のNo108 に掲載してあります。

あれから4年の歳月が過ぎました。奇しくも、来月の3日は、50歳という若さで急逝した小林史高氏のお別れ会です。昨秋、くも膜下出血を発症し、術後、順調に回復していたはずだったのですが、1月27日急変し、帰らぬ人となりました。ワイン界は本当に大事な逸材を失いました。

私はシャンパンで、特に『映画とワイン』の分野では、小林先生からはたくさんのサポートをいただきました。彼にはたくさんの教え子がいます。多くの生徒たちから慕われていた小林先生、その痛手は大きいです。小林氏がA・シンガーさんと実践していたワイン講座のシャンパン編をリンクさせていただきます。先日、シンガーさんは「ご遺族とお話して、youtubeは残すことにしました」とおっしゃっていました。
http://www.youtube.com/watch?v=icuSyOaIi3Y

ワインに人生をかけた小林史高先生のご冥福をこころからお祈りいたします

【お別れ会】3月3日(日)午後1時~6時@アクティー目黒内集会所(品川・上大崎2-24 アクティー目黒/目黒駅西口徒歩2分)。実弟大仁郎氏から「都合の良い時間に平服にてお越しくださ。午後1~3時は 混雑が予想されますのでその際はご了承ください。会費2000円につきまして釣銭のないよう配慮願いします。故人の意志により、御香典、御供花、御供物は固くご辞退申し上げます」との伝言です。

第2フライト
先月の講座ではカルト・ドールのNVと1976VT(PN90% PM3% CH7%)の2種を比較しました。その余韻を思い出していただきながら、今回は2000年代の秀逸なVT2002年、偉大な1995年、1993年の3アイテムを比較。ブレンド比率はほとんど同じなので、講座生の皆さんには余韻の広がりに集中していただきました。

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左から2002年、1995年、1993年

#5:ドラピエ カルト・ドール2002
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール85% ピノ・ムニエ5% シャルドネ10%
デゴルジュマン:2008年12月
気泡元気、グラス全体から伝わってくるミネラル感、カリンや黄リンゴのニュアンス、口中ドライ、温度の変化で香り&味わいに複雑味、ポテンシャルの高さを感じさせるヴィンテージ

#5:ドラピエ カルト・ドール1995
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
デゴルジュマン:2012年5月
規則正しい気泡の連なり、凝縮した香り、豊かな酸味、果実のコンフィ、キャラメル香、ロースト香、スパイス、口中に広がる長い余韻、長熟なヴィンテージ

#6:ドラピエ カルト・ドール1993
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
デゴルジュマン:2011年6月
深みのあるゴールド、気泡はワインに溶け込み、なめらか、中盤以降にライトな酸味、ミネラル感が広がり、そのあと、余韻がぼんやりとフェードアウト
ワインを口中に含んで、10秒間静かに瞑想。若さとポテンシャルを感じさせる2002年、ふくらみのある1995年の後で、93年を試すと、その差がよくわかります。ヴィンテージによる違いはとても興味深いものでした。

シャンパンを介して広がったワインの輪に感謝しながら・・・



2013年1月のシャンパン編 ~人気の定番はマグナムで、ぷらす76年ヴィンテージ探求も~ [オープンカレッジ]

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冬期講座第1回開始です!
今回はとってもフレッシュな仲間が5人もいらっしゃるので、入門編とシニア編の2本立てで楽しんでいただけるような工夫をしています。まず人気の定番シャンパンをマグナムで味わっていただくことからはじめました。いつもはレギュラーサイズで飲んでいるシャンパンも、う~ん、マグナムで飲むと、おだやかさを感じます。

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コルクの状態も完璧、ブショネチェックもOKです!

第1フライトはマグナムで
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#1:モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル ゴールドボトル
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区エペルネ
品種:ピノ・ノワール30~40%、ピノ・ムニエ30~40%、シャルドネ20~30%
香りには熟成のニュアンスがあり、バターやブリオッシュ、蜜を感じさせる白い花、口中での印象は素直でなめらか、余韻に軽いビター感、万人受けするシャンパン

#2:タルラン トラディショナル ブリュットNV
生産者:タルラン(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区ウイィ
品種:ピノ・ノワール58%、ピノ・ムニエ37%、シャルドネ5% 
黒ぶどうの比率が多い割に色調は淡くクリーン(ぶどうを最大限にやさしく扱うタルランの圧搾機のメリットが出ている印象)。香りは閉じ気味で徐々に心を開いてくるタイプ、果実の凝縮感やミネラル感 温度の変化で味わいに厚み(黒ぶどうに由来する)が出てくるところが最大の魅力

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気泡は活発かつ繊細、カーブ内での熟成を感じます

#3:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:ピノ・ノワール56%、ピノ・ムニエ10%、シャルドネ34%
4つのなかで一番酸味がクリアで、男性的なタイプ。木樽でストックしているリザーヴワインの絶妙さがブリュット・プルミエの強み。旨味、力強さ、余韻の長さが印象的

#4:テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:テタンジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:ピノ・ノワール+ピノ・ムニエ60%、シャルドネ40%
香りに熟成感あり、酸のソフトさ、バランスの良さ、ミネラル感、エレガントさは秀逸。「レギュラーサイズで飲むより、マグナムのほうが酸味の感じ方が優しい」とシニア組の面々。シャルドネの比率が一番多いのがテタンジェなのですが、大容量ボトルでのゆっくりとした熟成が顕著に出ていました。23名中11名で一番人気

第2フライト
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シャンパンはドラピエです。ともに750mlですが、ボトルの大きさに違いを感じるのは、CO2対策による軽量化が反映しているのかも知れません。講座生のなかに76年ヴィンテージの2名のレディたちがいらっしゃったので、記念に少量残ったシャンパンをボトルとともにプレゼント、喜んでいただきました!!

#5:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
ドザージュ:9g/L
溌剌&チャーミング、柑橘系果実のニュアンス、酸味上品、味わいにグレープフルーツの内側の白皮を連想させる軽いビター感

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若々しいNVのシャンパンと30年以上の時を経たヴィンテージ・シャンパン(右)

#6:ドラピエ カルト・ドール1976
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
ドザージュ:5g/L
若干酸化のニュアンス、シェリーのアモンティリャードやオロロソ似の甘くて奥深い香り、キャラメル香、ロースト香、ココア、口中ではドライレーズン、黒砂糖、中盤以降酸味の広がり、心地良く続く余韻

76年は春から収穫期にかけては気温も高く、記録的に早い開花だったので、収穫もとても早かった由、乾燥した気候のおかげできわめて素晴らしいヴィンテージと言われています。この76年も古酒の良さを遺憾なく発揮していました。こだわりのドラピエ、ミシェルさんらしさを感じました。

次回は2月20日です。講座生の皆さまとの再会を楽しみにしております!!!



年内最後のシャンパン編はロゼ三昧! ~ニコラ・フィアット3種からアンリオ・ミレジメ1989 by アンヌ-レーヌ・サクリストまで~ [オープンカレッジ]

今年最後のシャンパン編は7アイテムのロゼに注目してみました。

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正面から見たラベル、鏡に映すと本来の姿に・・・

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コルクは短め。ワインの熟成具合は長熟に強いアンリオらしさが出ていてとても良好!

このシャンパンですが。。。太っ腹の講座生Makiko女史からの差し入れで、参加者一同大感激。それも11月8日に限定発売されたばかりの『アンリオ ロゼ・ミレジメ1989 by アンヌ-ローレ・サクリスト』なんですから、ホント、感謝。これは秀逸なロゼ3アイテム同時発売だったようで、その情報はyomiuri onlineでも紹介されています。

ニコラ・フィアットをメインに、2004年VTにも注目
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左から供出順に
第1フライト:ニコラ・フィアットNV、ジョセフ・ペリエ02 、ポル・ロジェ04 、ニコラ・フィアット04
第2フライト:ニコラ・フィアット パルム・ドール04、アンリオ1989
第3フライト:デュヴァル・ルロワNV

青木私感:リンゴの画像を撮りそこなったのですが、ロゼのなかの微妙なタンニンの差を感じていただくために、リンゴを一切れずつ用意しました。シャンパンだと気泡と独自の酸味があることで、スティルワインのロゼの場合より、タンニンは緩和される傾向にあると感じました。ということは、泡効果で、マイナス面が強く出ない分、食との相性もスティルワインの時より合わせやすく、シャンパンがオールマイティーといわれる理由もわかります。

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第1フライトは
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#1:ニコラ・フィアット ブリュット・ロゼNV
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ30%、シャルドネ10%
ドザージュ:10g/L
価格:6200円(税抜)
リンゴをかじりながら。。。では一番素直な相性。抵抗感なし。7アイテム中、最もライト、若干オレンジ色を含むサーモンピンク、クリーミーな味わい、万人に受け入れられるタイプ

#2:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロゼ・ヴィンテージ2002
生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エシャロン・アン・シャンパーニュ
品種:ピノ・ノワール75%、ピノ・ムニエ5%、シャルドネ20% 
キュミエールの赤ワイン12%
ドザージュ:8.5g/L 
価格:10000円(税抜)
ノーベル賞のディナーでジョセフ・ペリエのブラン・ド・ブランNVがサービスされていたので、同メゾンの名前を覚えている方も多いかと思います。実は#2もMakiko女史の提供。オレンジがかったロゼ、気泡溌剌、ミネラル感、ベリー系果実やプルーンのニュアンス、7アイテムのなかで一番タンニンを感じたのが#2でしたが、リンゴをかじった時にはシャンパンの酸味が調和してソフトな印象に。意外性あり

モンドールと合わせて人気が高かったのがジョセフ・ペリエでした。講座生から、「最初は#6で温度があがると#2。モンドールのエピセア(もみの木)の香りが外皮にあるのでそれが香っている間は#6との熟成感とあいまって◎。芯の白い部分は#2」との回答が。単独で飲んだ時と食と合わせた時の変化が明確に出ていたシャンパンでした。

#3:ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2004
生産者:ポル・ロジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、シャンパーニュ産ピノ・ノワール15%添加
ドザージュ:9g/L
価格:12000円(税抜)
色調は一番濃いめ、深みのあるサーモンピンク、ポル・ロジェスタイルの特長ピュアなミネラル感、ブラッド・オレンジ、レッドベリー、ラズベリーのニュアンス、余韻も長くバランスの良いロゼ。ラズベリーケーキと相性良し

講座生からも「ワインに感じるラズベリー感がぴったり」、「#3に一番ベリー系を感じ、ケーキの甘酸っぱい果実と調和していました」との意見あり

#4:ニコラ・フィアット キュヴェ225 ロゼ2004
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%
ドザージュ:7.5g/L
価格:10500円(税抜)
バリック樽(225L)で熟成させたワインを使用。フライト中、気泡は一番活発、赤系果実、スパイス、ビター感、口中に広がる旨味、パワーあり。

第2フライトでパルム・ドールのロゼとアンリオ
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#5:ニコラ・フィアット パルム・ドール ロゼ2004
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール100%(ブージィ、リセイ)
ドザージュ:7.5g/L
価格:25000円(税抜)
目を瞑って飲めば赤ワインと思うほどのインパクト。セニエによる抽出、赤に近いロゼ、ミネラル感、香草、スパイシーさ、口中なめらか、アフターライト、食中酒で楽しみたいロゼ、肉系もお薦め

#6:アンリオ・ロゼ ミレジメ1989 by アンヌ-レーヌ・サクリスト
生産者:アンリオ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ランス
容量:1500ml
品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2006年
価格: オープン価格(参考価格32000円・税抜)
第1印象は上品な酸味、時間の経過で複雑さ、リンゴをかじるとワインのなかの酸との相性きわめて良好、包容力あり。和食に合わせたいタイプ。マグナムでの熟成ならまだまだ寝かせておきたいヴィンテージ
Makiko女史、貴重なシャンパンを、ましてやマグナムのシャンパン、ありがとうございました!

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ロゼシャンパンに合わせてラズベリーのケーキを調達
モンドールはセレブなY君からの差し入れ、美味!

第3フライトはデザート用の新顔ロゼ!
5月末に来日していたデュヴァル・ルロワ女史はシャンパンに合う料理の数々を1冊の本にまとめていますし、優秀なパティシエを選ぶコンクールも実施しています。そんな女史が「デザートに合うシャンパンを出しますよ」と言っていたのがコレ、見た目もかわいいです

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#7:デュヴァル・ルロワ・レディ・ロゼ・セックNV
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴェルテュ
容量:375ml
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:25g/L  (参考:セックは17~35g/L)
価格:5000円(税抜)
デュヴァル・ルロワらしい“きれいな生地”を感じさせる1本、野生イチゴの風味、余韻は軽めでドザージュ25gといっても酸味があるので全体のバランス良



(続) 『ワインの窓』でグラス・シャンパンを!


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11月カレッジシャンパン編講座 ~2002年ヴィンテージを比較して~ [オープンカレッジ]

昭和女子大学オープンカレッジの講座のタイトルは“オーダーメイド”なシャンパン講座です。
これは講座生からリクエストがあれば、そして講座内容に見合うものであれば、「お応えしますよ~」という意味を込め、このように形容しています。今回は、「某NMの2002が素晴らしいので・・・」という声が出たので、それを反映。全6本の供出、リクエスト以外の5本は青木セレクトで、比較試飲を愉しみました。

2002年の気候をみると
春は暖かく乾燥して霜のない陽気、夏は乾燥した好天、時々降雨、9月は全体的に乾燥気味、途中激しい降雨あり。その後の強風により、ぶどうの房は乾燥、健全に成長。バランスが良く、1990年以来の高水準

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用意したのは上記のシャンパンです。

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6アイテム同時供出、微妙な色調の違いを感じてください。

テイスティング中のヒントとして、講座生には以下の内容の「プリント」を配布
ピノ・ノワールの比率の少ない順に並べた一覧で、参考としてドザージュ量も記載しておきました。
■品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール26%、ピノ・ムニエ23%、 ドザージュ:5.5g/L 
■品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%、ドザージュ:9~10g/L
■品種:ピノ・ノワール53%、シャルドネ47%、ドザージュ:9~10g/L
■品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%、ドザージュ:8g/L
■品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%、ドザージュ:5g/L
■品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%、ドザージュ:6.5g/L
この表はピノ・ノワールの比率の順なので、#5 #2#1#3#6#4ということになります。

2002年のヴィンテージシャンパンを比較して
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冒頭の画像にある順序でブラインドテイスティングしました。コルクの状態もご参考に!
#1:ランソン ゴールド・ラベル ブリュット・ヴィンテージ
生産者:ランソン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ランス
品種:ピノ・ノワール53%、シャルドネ47%
ドザージュ:9~10g/L、MLFをしていないメゾン
柑橘系の香り、シダの要素も。ピノ・ノワール由来の力強さ、旨味もあり、余韻に酸の印象

#2:ボーモン・デ・クレイエール 
フルール・ド・プレスティージュ ブリュット・ミレジメ
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM / 生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10% 
ドザージュ:9~10g/L
香り軽やか、青リンゴ、ミネラル感、6つのなかでは一番ソフトでライトな印象

#3:ポル・ロジェ ブリュット・ヴィンテージ
生産者:ポル・ロジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:8g/L
香り甘やか、ミネラル感、余韻に軽いビター感、飲みこんだ後、丸くて角がない印象、バランス良

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#4:アヤラ ブリュット・ミレジム
生産者:アヤラ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方アイ
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:6.5g/L
ミネラル感、蜜を含んだリンゴ、6つのなかで一番酸味の印象あり、口中にピノ由来のふくらみ

#5:モエ・エ・シャンドン グラン・ヴィンテージ
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール26%、ピノ・ムニエ23%
ドザージュ:5.5g/L、デゴルジュマンは2009年11月(表記はしていません)
6つのなかで気泡が一番元気で色調は一番淡め、コルクの状態は開き気味ながら若干の熟成香あり(デゴルジュマンから3年経過)、ロースト香(#5の香りを好む講座生多)、長い余韻

#6:フィリポナ レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット
生産者:フィリポナ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方マレイユ・シュール・アイ
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:5g/L
気泡元気で連なり綺麗、色調濃く、アロマ豊か、ナッツやヴァニラ、ドライフルーツ、舌の上に広がる旨味

講座の参加者は23名、挙手の結果、一番人気だったのは10名に支持された#6のフィリポナでした。講座前のチェックで、コルクのしまり具合が2本とも均一で、抜栓した段階から熟成香を感じさせていたのはフィリポナとランソン。フィリポナはデゴルジュマン(澱抜き)の日付をラベルの裏に明記しています。今回のボトルは2009年3月。すでに3年以上経過しています。その影響で最初から、さまざまなアロマを表現してくるフィリポナに「なるほど」と感じました。

講座生からリクエストされた銘柄は、今回1番人気にならなかったので、これはリベンジの機会を考えることにしましょうか。どのシャンパンも魅力的なので、1つだけに挙手というのは酷な話かもしれません。なにとぞご容赦!

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同じシャンパンながら、なぜかキャップシュールの色は赤&緑でした。輸入元の富士インダスリーズの松田氏に伺ったところ、「フィリポナでは約10種類くらい使っていて赤、緑のほか、金色、白色もあるようです。Clos des Goisses は常に黒で”Clos des Goisses”と記されています。どのアイテムにどの色を使うか決まっていないらしいのですが、一番多く使っているのは緑のようです」と。色は開けての“お楽しみ”かもしれません。

早いもので、来月はもう12月!
今年最後の講座ではロゼシャンパンで華やかに〆たいと思っています!!
ちなみに冬期講座(1月~)の申し込みは会員が11月28日(水)、一般受付が12月4日(火)になります。

20世紀に誕生したシャンパンメゾン『ティエノー』の特筆できるクリーミーな味わい [オープンカレッジ]

シャンパン編も秋期に入りました。17日はシャンパン界のニューフェイス『ティエノー』にフォーカス
高島屋さんが初導入したシャンパンで、小売面では同社のみの販売になります。

20世紀に誕生したメゾン
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テイスティングしたのは5アイテム。トップキュヴェのラ・ヴィーニュ・オー・ガマンは予算上、断念しましたが、秀逸なヴィンテージ比較(2004、2002、1996)ができました。

メゾン・ティエノーの本拠地はランス市内にあり、自宅兼カーブを備えています。また、車(高速利用)で20分位行った場所テシーに最新設備の醸造所を構えており、ここに事務所があります。オーナーのアラン・ティエノーさんの祖父はシャンパンのボトル製造に従事していた方で、父親はシャンパンハウスのマネージャ―だった由。アラン当主は銀行家のかたわら、事業を拡大。シャンパンハウスを1985年に立ち上げました。
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抜栓の折、感心したのはコルクのすぼまり方です、しっかりとした熟成を感じさせてくれました

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講座生AZUMAさんから北海道の人気のパン屋さん、忍路(おしょろ)エグヴィヴのパン(左)の差し入れが!パン生地に酸味があるので、#3のスタニスラスや#4のガランスと楽しめました。

第1フライトはロゼとブリュットでメゾンの個性を探る
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#1:ティエノー クラシック ロゼ
ぶどう品種:シャルドネ35%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ20%
赤ワイン(アイ村産)7%使用
ドザージュ量:10g/L
熟成期間:2~3年
年間生産量:50,000本
価格:8,500円(税別)
綺麗なサーモンピンク、気泡はワインに溶け込み、さえぎるものなしの滑らかな舌触り、キレの良い酸の印象、後半に感じる軽いビターさ、ライトで素直な余韻

#2:ティエノー クラシック ブリュットミレジメ2004
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%
ドザージュ量:8.5g/L
熟成期間:6年
年間生産量:14,000本
価格:10,000円(税別)
淡いイエロー、気泡は繊細で、#1同様、口中滑らか。柑橘系果実の香り、白い花、グレープフルーツの内側の白皮に感じるエグミ感、フレッシュでありながら熟成したニュアンスもあり、口中でのふくらみは心地良く、余韻も長い

第2フライトではヴィンテージを比較
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#3:ティエノー キュヴェ・スタニスラス ミレジメ2004 
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ量:9g/L
熟成期間:6年
年間生産量:7,000本
価格:20,000円(税別)
アラン当主がご子息スタニスラスさんのために造ったシャルドネ100%のシャンパン。蜂蜜やヘーゼルナッツのニュアンス、口中に広がるエレガントな酸、ぶどうの凝縮感が伝わってくる味わい。2004年VTの力強さもあり、一番印象に残ったシャンパン

#4:ティエノー キュヴェ ・ガランス ミレジメ2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ量:10g/L
熟成期間:8年
年間生産量:4,000本
価格:20,000円(税別)
アラン当主が愛娘ガランスさんのために造ったピノ・ノワール100%のシャンパン。黒ぶどう由来の厚み、アフターのビター感。ブラン・ド・ノワールのふくらみのなかに、2002年VTに由来する優しいニュアンスがあり、バランス良し。第2フライトのなかで一番人気だったのがコレ

#5:ティエノー グラン・キュヴェ アラン・ティエノー ミレジメ1996
ぶどう品種:シャルドネ60 %、ピノ・ノワール40 %
ドザージュ量:9g/L
熟成期間:10年
年間生産量:25,000本
価格:20,000円(税別)
当主の名前を冠したCHとPNのブレンドタイプ。若さと熟成感が一体化した複雑味のある味わい、温度変化を楽しみたいシャンパン、1996VTの底力を感じさせてくれる1本!


5アイテムの共通項は、長い熟成を感じさせる繊細な気泡、口中での滑らかさ。どれもクリーミーな味わいです。これはお見事!そして、きれいな酸味。冷蔵庫温度7度くらいから試して、温度変化による香り&味わいを楽しんでいただきたいシャンパンたちです。
高島屋さん自慢のシャンパン『ティエノー』は、同社のオンラインストアで購入できます。
>>>http://www.takashimaya.co.jp/shopping/food/0400003300/
タグ:ティエノー

夏期講座〆のシャンパン編はMLFをしない2メゾン [オープンカレッジ]

9月末に開催した夏期講座の最終回(3回目)はマロラクティック(MLF)発酵をしていない2メゾンを探究してみました。ボワゼル・シャノワーヌ・シャンパーニュグループに属しているランソンベスラ・ド・ベルフォンで、輸入元は前者がアサヒビール、後者がリード・オフ・ジャパンです。
ワイン中に含まれるリンゴ酸が乳酸菌の働きで乳酸に変化する現象、これにより酒質がまろやかになる

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ブリュット、ブラン・ド・ブラン、ロゼの3スタイルの競演!

第1フライトのランソンは250周年記念ボトルで
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#1:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ブリュット
生産者:ベスラ・ド・ベラフォン
ぶどう品種:シャルドネ35% ピノ・ノワール20% ピノ・ムニエ45%
価格:6563円

#2:ランソン エクストラ・エイジ ブリュット
生産者:ランソン
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:9~10g/L
クリュ:ヴェルズネイ、ブージィ、シュイイ、アヴィーズ、オジェ、ヴェルチュ
価格: オープン価格

#1輝きのあるベージュ、香りには柑橘系果実や青リンゴ、中盤以降、焼き栗に似たニュアンスも。メリハリの効いた酸味とアフターに感じるエグミ感が特徴。#2は若々しいイエローの色と対照的に香りには皮革やふかし芋のようなニュアンスあり、キリリとした酸味でありながら、口中では強すぎず、全体とのバランス良し。ランソンの創業250年を記念してリリースされたボトルで、現行は1999年、2002年、2003年の3ヴィンテージをブレンド(2011年以降の製造分については使用VTが変わる可能性あり)。ローラン・ペリエのグランシエクルと同スタイル。6本中、一番印象に残ったアイテム

第2フライトはシャルドネの比較
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#3:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ブロン・ド・ブロン
生産者:ベスラ・ド・ベルフォン
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:12075円

#4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン1999
生産者:ランソン
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:9~10g/L
グランクリュ:アヴィーズ、クラマン、シュイイ、オジェ
熟成:最低5年
価格:オープン価格

#3ベルフォンはブロン・ド・ブロン呼称。第1フライトとは逆に淡いイエロー、ブリオッシュやロースト香、蜂蜜のニュアンス。MLFをしていないのに酸味やさしく、ドザージュ量(非公開)。バランスが良く、アフターに感じる軽いエグミ感は#1 と共通。#4は白い花の香りと黄色系果実のイメージ、完熟ぶどうの旨さを感じさせる味わい、おだやかな雰囲気かつ個性ある酸味

第3フライトはロゼで
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#5:ランソン ノーブル・キュヴェ ロゼ・ブリュット
生産者:ランソン
ぶどう品種:シャルドネ62% ピノ・ノワール38%
ドザージュ:9~10g/ L
グランクリュ:アヴィーズ、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、クラマン、シュイイ、ヴェルズネイ、ブージー
価格:オープン価格

#6:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ロゼ・ブリュット
生産者:ベスラ・ド・ベルフォン
ぶどう品種:シャルドネ30% ピノ・ノワール30% ピノ・ムニエ40%
価格:9135円

#5サーモンピンク色、ベリー系果実、ドライフラワーを連想させる香り、イキイキした酸味、清涼感と凝縮感のバランス、ランソンが目指すフレッシュ&力強さのサンプル! #6深みのあるオレンジを含むローズ色、イチゴやオレンジピール、砂糖漬けのお菓子、時間の経過でスパイスな要素も加わり、アロマが広がっていく印象

MLFをしていないシャンパンに合わせやすいのがピクルス。この日はハーブに漬けこんだピクルスで相性を試してみました。ここでのポイントはハーブ由来のビター感。ロゼに含まれるタンニン分が力を発揮していました。半数以上の講座生が「合う!」と判定を下したのが#5のランソン ノーブル・キュヴェ ロゼ・ブリュット! このレンジは同メゾンのトップキュヴェですが、メインのお肉系に合わせても問題なく楽しめるタイプだと思いました。20年以上前のランソンと現在のランソン、酒質が大きく変化した気がしています。

サントリー登美の丘ワイナリーから戻って
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当日は午前中から山梨のサントリー登美の丘ワイナリーでの取材でした。主な日程終了後、プレスメンバーより1台早い電車で帰路へ。現地で購入してきた可愛い信玄桃のお菓子! 講座生に喜んでいただけた感じ(笑)、雰囲気ある梱包、なかなかイイですよね

さてさて、お陰様で秋期講座も早々に満席になりました。こころから御礼申し上げます。
いまは10月から12月までの3回分のシャンパンを楽しみながらセレクトしているところです。
参加予定の皆さま、どうぞ楽しみにお待ちください♪

新ラベルにも注目! 8月のシャンパン編はローラン・ペリエのマグナムサイズで! [オープンカレッジ]

8月最終週のシャンパン編講座では・・・
暑さを吹き飛ばすためにもシャンパンのサイズは大きくなくっちゃ!
ということで、マグナムに特化してみました。

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フォーカスしたメゾンはローラン・ペリエ(LP)、グループでみると業界4位です。
2009年の訪問リポートをご一読いただくと、LPの全体像が見えると思います。http://www.asahi.com/food/column/champagne/TKY200905190257.html
マグナムが並ぶと壮観、ボリューム感があっていいですよね

第1フライトは容量違いのロゼで
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別室で2種のグラスを準備して供出、並べてみると明らかに色調に違いが出ています。左から、
#1:ローラン・ペリエ ロゼ
生産者:ローラン・ペリエ(NM)  容量:750ml
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
#2:ローラン・ペリエ ロゼ
生産者:ローラン・ペリエ(NM)  容量:1500ml マグナム(現地からの取り寄せ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%

ぶどうはアンボネー、ブージー、ルーボワ、トゥール・シュル・マルヌなど10のクリュのものを使用。ロゼの色はマセラシオン(ぶどうの果皮を果汁に接触させる)のコントロールで抽出
#1は濃いめのサーモンピンクでバランス良し。今飲んで本当に美味しいと感じるシャンパン。
#2はオレンジ色を帯びたロゼ色、この色調がLPロゼの瓶詰め当初の色だと思います。フレッシュ、かつ、凝縮した果実の旨味。2つの色調の違いは熟成具合の差、大容量ボトル内での熟成が穏やかに進んでいることを示しています。当日の参加者は私を含め24名、香り&味わいの好みは6名vs18名(マグナム)という結果でした。レギュラーサイズはチャーミングで、マグナムサイズだと、そこに複雑さが加わってきます。

[リボン]8月30日の産経EX【ワインのこころ】は大容量ボトルについて触れました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120830/trd12083015410008-n1.htm

第2フライトは久々のグラン・シエクル
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ローラン・ペリエ ミレジメの最新ヴィンテージは2002年(画像中央/現地からの取り寄せ)
2002年からラベルがチェンジしています。
今年は同社創業200周年目なので、まさに新しいスタートです。

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ワインの供出順は左から順に#3ミレジメ2002、#4ミレジメ1999、#5グラン・シエクル

#3:ミレジメ2002
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%
シャルドネはアヴィズ、クラマン、オジェ、メニル・シュル・オジェ、シュイイ/ピノ・ノワールはブージー、マイィ、アンボネー、ヴェルジー、アイ、ヴェルズネーのクリュのぶどうを使用
2003年の1月、2002年のキュヴェを試飲した醸造責任者のフォコネさんは「シャルドネにはフレッシュさ、強固さ、魅力的なレモンの香り(LPの特長の1つ)があり、ピノ・ノワールには熟した果実のアロマを伴った力強さがある」ことを確信して、ミレジメを造ることを決定。ポテンシャルがあり、余韻も長いミレジメ。右隣の1999年より色調も濃く、レモンやグレープフルーツ等のかんきつ類、白い花や蜂蜜のニュアンスがあり、綺麗な酸味とボディのふくらみが秀逸。長期熟成が期待できるシャンパンだと思います。

#4:ミレジメ1999
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ52%、ピノ・ノワール48%
シャルドネはメニル、クラマン、オジェ、シュイイ/ピノ・ノワールはヴェルジー、ヴェルズネー、アンボネー、トゥール・シュル・マルヌのクリュのぶどうを使用
2002年と若干ブレンド比率が異なります。第3アロマに由来する様々な香りが特徴、LPの要素の1つ白い花の香り、大きな種の果実類(白桃や杏)のニュアンス、ミネラル感、余韻の旨味、バランスの良いヴィンテージ

#5:グラン・シエクル(使用3ミレジメは非公表
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%
シャルドネはアヴィズ、クラマン、シュイイ、メニル・シュル・オジェ/ピノ・ノワールはアンボネー、ヴェルズネー、マィイのぶどうを使用
抜栓した時にコルクはしっかりしまっていたので、その瞬間からボトル内部の熟成具合が伝わってきました。ロースト香、モカ、大きな種でもこちらはカリン的、酸味&旨味、マグナムならではの贅沢な逸品でした!

[かわいい]今日(4日)からカレッジ秋期講座の一般受付開始です、満席御礼ヽ(^-^ )
フォーカスしたい素晴らしい候補メゾンのチェックも快調に進めています。シャンパンラバーさんの満足度200%超の内容になるように頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします! 
http://openc1.swu.ac.jp

[かわいい]新刊紹介 『愚者の説法 賢者のぼやき
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文芸ジャーナリストの重金敦之先生が送ってくださった新刊(定価1800円+税)
版元 左右社のHPで連載していたネッセイ(ネット上のエッセイを意味する先生の造語)と、
「週刊朝日」に寄稿した書評などを加えた1冊で、平成の御意見番の軽快な辛辣さが魅力
食の分野でも造詣が深い先生なので、食にまつわる話題も豊富
左右社のHPの右上段に連載中の『オンとオフの真ん真ん中』あり
重金敦之氏の切れ味良い文体をぜひともチェックなさってください!

ニコラ・マイヤール来日特別講座@オープンカレッジ [オープンカレッジ]

いかに良いワインを造るか、いかにテロワールを表現するか
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7月中旬、メゾン・ニコラ・マイヤールの当主ニコラ・マイヤールさんが来日しました。輸入元の豊通食料さんのご協力で日程を調整していただき、オープンカレッジで特別講座を行うことができました。ニコラ・マイヤールのシャンパンは2月の講座で取り上げたので、本当に贅沢な仕上げになりました。2月のリポートはコチラです。

ニコラ・マイヤールの概要
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モンターニュ・ド・ランスに3つの畑(グランクリュのブジー、プルミエクリュのヴィレール・アルラン、プルミエクリュのエキュイユ)を所有。「ブジーは粘土質、粘土石灰質なので力強いワインになり、ヴィレール・アルランは熟成させるのにちょうど良いワインになります。また、砂質土壌のエキュイユはメゾンの本拠地であり、フルーティーさが表現できます」とマイヤールさん 
栽培面積は16ヘクタール(比率は30%CH、55%PN、15%PM)、完全な有機栽培ではありませんが、自然に関与する形で行っています。ニコラ・マイヤールさんがメゾンに参入した2003年に醸造所の設備を重力利用のグラヴィティシステムに。小樽の導入(3年前からルロワの古樽使用)、区画毎・品種毎の仕込み。醸造面ではMLF一部実施。40%はオーク樽で熟成。リザーヴワインとして保存しているのは生産量の70%

テイスティングワインは全部で7アイテム (左から順に)IMG_3607 .jpg
第1フライト
No1: ブリュット プラティーヌ プルミエ クリュ
ぶどう品種: PN80%、CH20%、ドザージュ:8g/L、デゴルジュマン:2011年11月
No2:エキストラ ブリュット プラティーヌ プルミエ クリュ
ぶどう品種:PN80%、CH20%、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2012年1月

マイヤールNo1No2のブレンド比率は同じです。樽で保管しているリザーブワインを45%使用することで、複雑味が出てきます。No1は瓶熟2年半、気泡は軽め、上品かつエレガントで洋梨やオレンジ、甘草やヴァニラのニュアンスがあります。中盤以降ボリューム感が広がり、最後はライトに終わるのでアペリティフにおすすめしたいシャンパンです。No2は瓶熟期間は5年。基本的にはNo1と同じ香りがあり、ミネラル感も感じます。アペリティフやシーフードで楽しめます。 

自根について
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エキュイユの砂質土壌の畑にある自根のピノ・ノワールから『レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ』を造っています。フィロキセラは砂地では生息できないので、1973年に彼の父親が植樹したものです。ぶどう樹の出生について、「エキュイユにあったことはわかっていますが、詳細は不明です」とマイヤールさん。当初、自根のピノ・ノワールから収穫したワインはNVにブレンドしていたそうですが、マイヤールさんがメゾンを引き継いだ2003年に初めてヴィンテージものをリリース、それがNo5のラインです。

マイヤールさんいわく「地中から2メートルまでは砂質でも、その下に粘土があればフィロキセラにやられる可能性があるので、リスクはあります」と。講座生から「地中探索で調べられないのですか」との質問には、「経費が膨大になるので、なかなかできません」と答えていました。

ピノ・ノワールの樹齢は30年、マサル・セレクションを行っています。また今回ニコラ・マイヤールが行っている新たなやり方も伺いました。それは接木したぶどう樹の上に土をかけて埋め、根が出てから切り離し、苗を増やす方法で、これはフィロキセラ以前、畑でぶどう樹の枝を土に埋め、根が出てから切り離す取り木(プロヴィナージュ)の変形です。

一番最後にマイヤールさんの画像があります。彼の右上部に、41Bという台木があり、その字の上に小山のように盛り上がった絵があるのがおわかりいただけますよね。それが増やし方の解説です。

マサル(massal集団の)・セレクションは畑から優秀な株を複数選び、穂木をとって苗をつくり、もとの畑に戻す方法。マサル・セレクションを行うにはクローン苗を使っていない畑を選ばなければならない。

自根のシャンパンを利く
接木と自根については、拙オフィシャルサイト『プロの流儀』の【栽培】の項をクリックしていただけば、安蔵光弘醸造家のわかりやすい解説が載っています。
>>>http://www.non-solo-vino.net/style.html

第2フライト
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左から3、4、5の順、3と4は白ぶどうのみ、シャルドネ100%で、5は黒ぶどうのみ、ピノ・ノワール100%、色の違いがわかりますね

No3:2004 レ・シャイヨ・ジリ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:CH100%、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2011年4月
No4 :(タルラン)2000 ラ・ヴィーニュ・ダンタン
ぶどう品種:CH100%(自根)、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2010年3月
No5:2005 レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN100%(自根)、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2011年4月

マイヤールNo3~No5とも木樽熟成、MLF無、ドザージュ2g/Lという点が共通しています。これらは食事に合わせて楽しみたいワインです。
No.3にはパンを焼いたような香ばしさとミネラル感があり、力強さと酸が備わったシャンパンです。料理も同じように力強さがあるものが合います。
No4他メゾン/タルラン)のミツのような香りに驚きました。古典的なシャルドネでNo3 よりも柔らかく、落ち着いた味わいです。まろやかでありながらボリューム感もあり、余韻はソフトに広がっていきます。上記2つのシャルドネはコート・デ・ブランの典型的なシャルドネとは異なります。シャンパンから感じるエスプリが似ています。
No5 からはオレンジやアーモンド、スパイスの香りを感じます。口中では繊細でシルクのような食感、優しい味わいです。料理は繊細なソースの魚料理が合うと思います。

私的感想:今講座の柱になるフライトで、とても興味深いものでした。No3は近代的なスタイル、今の時代に合ったシャルドネで、メリハリのある酸が特徴的でした。No4は酸味もやさしく、シャンパン全体がまろやか、酸も楕円形に近いニュアンスで口中に広がる印象でした。No5も穏やか、全体を優しく包み込む印象。No4No5の優しい円熟味が自根由来と感じている私ですが、まだまだ探究が必要だと感じています。

 
第3フライト
No6:2005 ブリュット・ミレジメ・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN50%、CH50%、デゴルジュマン:2012年1月
No7:1995 プレステ―ジ・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN50%、CH50%、デゴルジュマン:2010年12月

マイヤールNo6は個人的にも好きなシャンパンです。柑橘系果実やバターのニュアンスがあり、柔らかくてエレガントです。第1フライトと第2フライトを総括したようなスタイルだと思います。
No7は父親の代のシャンパンで、モカやタバコ、熟成した香りと味わいがあります。1995年はとても良いヴィンテージでした。あと10年位経過しても全然問題なく楽しめますし、酸は今よりもワインに溶け込んでいるはずです。

私的感想No7 は古酒の醍醐味ともいえるコーヒーやモカのニュアンスがあり、第3アロマに由来する様々な熟成香が時間の経過とともに楽しめました。No6は供出されたマイヤールさんの6アイテム中、一番気に入りました。フレッシュ感が好印象でバランスが良く、マイヤールスタイルが表現されています。

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2003年に父親のミシェルさんからメゾンを引き継いだ1977年生まれのニコラ・マイヤールさん
昨年暮れにお子さんも誕生し、お仕事も家庭も順風満帆のご様子でした。
今回2度目の来日で、明日(特別講座の翌日)は山梨のワイナリー訪問とのことでした。
お忙しいなか、お時間を割いていただき、ありがとうございました。
豊通食料の小永井さんにも御礼申し上げます!

6月のシャンパン編はアンリオにフォーカス! [オープンカレッジ]

春期講座の最終回(6月)はアンシャンテルール1998をリリースしたアンリオにフォーカスしてみました。今年からメゾン&ドメーヌアンリオ アンバサダー制度がスタートし、6月中旬から初代大使の大越基裕ソムリエはフランス入りしていた由。現地で見聞した情報はファインズさんがfacebookで随時発信していくそうです。

シャンパン編でアンリオにフォーカスするのは2009年1月以来になりますが、前回は古酒の醍醐味を実感することができました。過去ブログに創業200周年を祝う夕べも挿入してありますで、アンリオの凄さの一端がおわかりいただけると思います。

レギュラーサイズとマグナムサイズの比較試飲で
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画像左から順に第1フライト~第3フライトに分けてアイテムを供出

アンリオの個性&特徴
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自社畑:27ha、栽培品種:ピノ・ノワールとシャルドネ
ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランスの北側、北向きの斜面の畑で栽培。シャルドネはアンリオにとっての要シュイイを中心に、石灰質土壌の、特に涼しい区画で栽培。主な4つの畑の特長は、
マイィ(北向き)グレープフルーツなどの柑橘系果実を思わせるニュアンス、フレッシュでフルーティーな味わい、長期熟成のポテンシャルを表現できる畑
ヴェルズネイ(東向き)西からの厳しい風から守られた土地で、リッチで複雑、長い余韻。アンリオのシャンパンの骨格を形成するのに欠かせない要素を備えた畑
シュイィ(北向き)酸とミネラル感、長期熟成に耐える驚くべき余韻をもたらす真骨頂の畑、アンリオの歴史上重要な畑
アヴィーズ(東向き)エスニックなニュアンス、酸味豊かなレモンの香り、フィネスと骨格と力強さが表現できる畑

第1フライト
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#1:アンリオ ブリュット スーヴェラン
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:6100円(税抜)
過去にいくつかのメゾンの“容量違い”を試してきましたが、レギュラーサイズは流通面での回転が早いので、フレッシュな状態のものが多いようです。#1も同様で、グレープフルーツ等の柑橘系果実、キレの良いミネラル感、メゾンの顔らしいバランスの良さ

#2:同 
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ  
価格:13000円(税抜)
講座生23名中19名が「好み」と答えていた1本。熟成による香りの変化が顕著。色調は若々しいものの全体の印象はなめらかでグレープフルーツやハチミツ、ロースト香、口中全体に広がる旨味

講座終了後、ファインズさんに#2のデゴルジュマン時期について質問してみました。「2008年3月に輸入されたもので、デコルジュマンは2007年中頃だと思われます」との回答。#1のラベルと比較してみればわかりますが、これは旧ラベル。マグナムに関しては旧ラベルでの対応になっているようです。マグナムサイズで熟成させたシャンパンの瓶内での変化、落ち着きを知るのには良いサンプルだったと思います。

第2フライト
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#3:アンリオ  ブラン・ド・ブラン
主にコート・デ・ブランのシャルドネ(メニル・シュル・オジェ、アヴィズ、シュイイ、ヴェルチュ、モンテギュ、トレパイユ、エペルネ、ヴィトリー地区)を使用
品種:シャルドネ100%
価格:7500円(税抜)
『レカン』のお料理(ホワイトアスパラガスとズワイ蟹、キャビア添え)とこのブラン・ド・ブランを合わせた時に、大越アンバサダーは双方に共通する“酸の同調”について語っていましたが、口中で早い段階から広がってくる酸味がアンリオの個性ですね。レモンを使うと良く合います。

#4:同
品種:シャルドネ100%
価格:15400円(税別)
芳醇な香り、ぶどうの生地の良さと酸味のメリハリ感、なめらかでボディがあり、心地良く続く余韻が魅力

第3フライト
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#5:アンリオ キュべ・アンシャンテルール1998
モンターニュ・ド・ランス(マイイ、ヴェルジ、ヴェルズネイ)、コート・デ・ブラン(メニル・シュル・オジェ、アヴィズ、シュイイ)のぶどうを使用
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%
価格:23000円(税抜)
完熟した果実の香り、柑橘系コンフィの風味、ナッツやハチミツ、モカのニュアンス、余韻に感じる軽いビター感

#6:アンリオ キュべ・アンシャンテルール1995
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%
価格:23000円(税別)
素晴らしいの一言! 長期熟成を経たアンリオの姿、ここにあり! 2009年にテイスティングした時にもナッツの風味やロースト香を感じましたが、3年を経て、より複雑味、旨味が増していました。

番外編南フランスのジェルブレと合わせて
講座生の皆さんに、つかの間、マリア―ジュの協力をしていただきました。
アペリティフの日@東京会場のブースで、大塚製薬(株)扱いの栄養食品ブランド、南仏の『ジェルブレ』と出会ったことから、シャンパン講座で試してみることに。この日はシャンパーニュ地方のチーズ『ラングル』と、ジェルブレにつけて楽しめる(であろうと)マスカルポーネも揃えてのチャレンジです。

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フランス語のジャーム(胚芽)とブレ(小麦)からなるジェルブレ

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左から順に(1)全粒粉 (2)レーズン (3)ハチミツ&セサミ (4)イチジク&ブラン (5)レーズン&ヘーゼルナッツの5種類を準備

ジェルブレ単独の味わいに対しては(1)香ばしさ (2)レーズンの旨味 (3)サクサク感 (4)イチジクの甘味 (5)しっとり感 という評価があり、■朝食で食べたい ■牛乳やカフェオレと一緒に ■小麦の風味が良い等の意見が出ていました。

シャンパンとの相性では、個人的には(5)のレーズン&ヘーゼルナッツにマスカルポーネをつけて#6のアンシャンテルール1995と合わせたものが好みでした。なんとも贅沢な組み合わせです。講座生の皆さんからも(5)レーズン&ヘーゼルナッツと#2#6 の組み合わせが良いとの回答が多く、(1)の全粒粉と#2、(2)レーズンと#4、(3)ハチミツ&セサミと#2#4、(4)イチジク&ブランと#6あたりに好意的な評価が出ていました。マグナムサイズや熟成を経たシャンパンの包容力を感じた実験になりました。

ジェルブレを朝食でいただくならカフェオーレで、夕方のアペリティフの時間なら、チーズを添えて(マスカルポーネはイイですよ)スティルワインやスパークリングワインで楽しめます。(2)のレーズンはロゼワインで試したいと思いました。いろいろな組み合わせが連想できますし、オレンジ色のパッケージも元気カラーで、健康食品のジェルブレに良く似合っていると思います。
大塚製薬(株)ニュートラシューティカルズ事業部のNishikawaさん、貴重なサンプル、ありがとうございました!

7月のシャンパン講座では定番の回に加えて、franc de pied(自根)のピノ・ノワールから素晴らしいシャンパンを造っているニコラ・マイヤールさんをお迎えしてのシャンパン編特別講座がありますし、7月12日には某有名メゾン主催で素敵なアイテム発表もあるので、中味の濃いシャンパンライフを満喫できそうです。リポートを楽しみにしていてください!

新登場の『ゾエミ・ド・スーザ』と本家『ド・スーザ』を比較しながら [オープンカレッジ]

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5月のシャンパン編では、エペルネの南部コート・デ・ブランのアヴィーズを本拠地にしているレコルタン・マニピュラン(RM)の『ド・スーザ(当主エリック・ド・スーザ)』と、エリック当主が妻のミシェルさんとともにはじめた『ゾエミ・ド・スーザ』を比較試飲してみました。

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“ゾエミ”というのは、エリックさんのお母様(祖母ではなく)の名前で、「女性らしさを感じる美しいシャンパーニュを造り出したい」というコンセプトから誕生しました。醸造責任者はエリックさんですが、副醸造責任者はご夫妻の愛娘シャルロット・ド・スーザさん。OIVマスター修士課程を修めた才女が手掛ける、“女性らしさ”を前面に打ち出したシャンパンです。

第1フライトと第2フライトでは
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第1フライト 
(1)(左から2本目)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット メルヴェイユ ~美しさ~
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%
発酵:ステンレス /熟成:ステンレス /ヴァン・ド・レゼルヴ:30%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2011年6月10日
価格:6000円

(2)(最左)ド・スーザ ブリュット・トラディションNV
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10% 
栽培:4分の3以上が樹齢40年超の古樹。ヴァン・ド・レゼルヴ:20%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2010年1月19日
価格:6800円

香り、味わいに関してはデゴルジュマンの期間の違いが明確に出ていた比較になりました。(1)ライム、GF、青リンゴ等のニュアンス、口中に広がる柑橘系果実内皮のエグミ感、直線的な酸、(2)ナッツやブリオッシュ、旨味、丸みを帯びたやさしい酸。~美しさ~には若さがあるので、初夏の昼下がりや海辺で喉を潤すイメージ!

第2フライト
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右側(上)の画像、左から順に
(3)ゾエミ・ド・スーザ ロゼ・ブリュット ディスタンゲ ~気品~
ぶどう品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%
発酵:CHステンレス、PN樽 /熟成:CHステンレス、 PN樽 /ヴァン・ド・レゼルヴ:30%
製法:アッサンブラージュ
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2012年1月8日
価格:7000円

(4)ド・スーザ ブリュット・ロゼNV
ぶどう品種:シャルドネ92%、ピノ・ノワール8%
ヴァン・ド・レゼルヴ:10%
製法:セニエ法
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2010年3月10日
価格:8000円

(3)はアッサンブラージュで(4)はセニエで造ったロゼ。~気品~の出荷がデゴルジュマン後、半年経過していないのが少し気になりました。澱抜き後、4カ月程度だと瓶内が落ち着かないからです。(3)は(1)同様の若々しいロゼシャンパンで、香りは赤いバラやドライフラワー、キャンディボックス、アセロラ、味わいにはミネラル感と、中盤以降、柑橘系果実内皮のようなエグミ感あり。願わくばデゴルジュマンから半年以上経過した~気品~を試飲したいと思いました。一方の(4)は、第2アロマに由来する複雑な要素が広がり、タンニンも感じるキレの良い味わい。大人の雰囲気があります。

講座生のisoisoさんが「リンゴをかじりながら、試飲すると、タンニンの違いがわかりますね」と発言していましたが、以前ベリンジャーのペアリングで体験したリンゴをかじる方法を応用すると、2種のロゼのタンニンの違いが良くわかるはずです。タンニン自体は(4)のほうが多いです。~気品~は肉料理でも赤い果実のソースを使った一皿に!

拮抗する香り、味わい
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第3フライト
画像は左から(供出順)
(5)ド・スーザ レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7g/ L 
デゴルジュマン:2010年3月22日
価格:8000円

(6)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット プレシューズ グラン・クリュ
ブラン・ド・ブラン ~才女~
ぶどう品種:シャルドネ100%
栽培:ビオディナミ
発酵:ステンレス /熟成:ステンレス 熟成期間24ヶ月 /ヴァン・ド・レゼルヴ:40%(3ヴィンテージ)
ドザージュ:7g/L 
デゴルジュマン:2010年4月14日
価格:7000円

第3フライトはデゴルジュマンの差がなかったので、ナイスな比較対象になりました。ともにグラン・クリュであり、糖分添加量も同じ。本家(5)にはナッツやエスニックスパイスの香りがあり、軽いエグミとそれを包み込む旨味もあって、バランスの良さを感じます。(6)~才女~は講座生からの受けが良く、「フレッシュなのに、それなりに経験を積んだ女性みたい」とのコメントもありました。それに関しては、ゾエミ・ド・スーザから「プレシューズ~才女~には、ヴァン・ド・レゼルヴが多いことに加え、それらをバリックで熟成させたグラン・クリュのシャルドネを使っているので、より重厚感が出ています」との回答でした。

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~才女~には素材の新鮮さ、旨さを生かした刺身が良く合います。

第4フライト
右側(上)の画像、左から順に
(7)ド・スーザ キュヴェ・デ・ コダリー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3.5g/L
デゴルジュマン:2010年1月22日
価格:13000円
「尾」、「余韻の長さを示す単位」のこと

(8)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット デジラブル グラン・クリュ
ブラン・ド・ブラン ~魅惑~
ぶどう品種:シャルドネ100%
栽培:ビオディナミ 50年以上の古樹のみ使用
発酵:樽 /熟成:樽(15%新樽) 熟成期間36ヶ月 /ヴァン・ド・レゼルヴ:50%(ソレラシステムでキープした12ヴィンテージ、最古のワインは1995年)
ドザージュ:5~6g/L
デゴルジュマン:表記なし 
価格:10000円

(7)は本家のフラッグシップです。香り、味わいともに複雑味があり、(2)に感じたような大人の雰囲気があります。旨味も十分感じます。私の納得のシャンパンは(8)のゾエミ・ド・スーザ~魅惑~ (7)とはニュアンスの異なるレモンピールやGFの柑橘系要素があり、泡もワインに溶け込み、口中とてもクリーミー、こちらもヴァン・ド・レゼルヴ効果なのでしょう、厚みが十分にあり、バランス良し。余韻の軽い抜け方が好きでした。

ゾエミ・ド・スーザのヴァン・ド・レゼルヴについて
輸入元の三国ワイン様経由で、ヴァン・ド・レゼルヴを保存している容器について質問してみました。回答では大樽、小樽、一部はステンレスタンクを使用。PNは大樽(フードル)で。グラン・クリュのCHは小樽(バリック)で。グラン・クリュ とプルミエ・クリュの2種はステンレスでキープしているとのこと

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天ぷらにレモンや塩、お抹茶+塩を添えていただくのもおすすめ!

ゾエミ・ド・スーザに関するお問合せは三国ワイン(株) 電話03-5542-3941
営業企画部 広報担当:田結(たゆい)さんまで

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