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2013年のシャンパン編講座はロゼで〆ました! [オープンカレッジ]

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今月の18日は講座生から「ロゼを!」とのリクエストがあったので、6種揃えた〆の講座に!
具体的な要望アイテムはビルカール・サルモンとガティノワ。第1フライトと第2フライトにわけて、品種構成、ドザージュ量等をみながら探求しました。

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第1フライト
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3アイテムともシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種を使用
#1:アヤラ ロゼ マジュール
生産者:アヤラ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ村
品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ10%、マルイユ・シュル・アイ村のPN9%
ドザージュ:7.5g/L 
価格:7,000円(税別)
第1フライトのなかで一番フレッシュな印象のロゼ、ラズベリーやストロベリーのニュアンス、きれいな酸味、若干のビター感、余韻はやさしくバランス良好、親しみやすいタイプ。ロゼ・マジュールにはノン・ドザージュのタイプもあり

#2:ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼ
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区マルイユ・シュル・アイ村
品種:シャルドネ55%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ10%
ドザージュ:~8g/L
価格:11,000円(同)
サーモンピンク~オレンジの色調、ベースワインは2008年産、フレッシュな柑橘系果実(GFやレモン)や赤系果実(ラズベリー)、ミネラル感、上品でバランスの良いロゼ・シャンパン

#3:フィリポナ レゼルヴ・ロゼ ブリュット
生産者:フィリポナ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区マルイユ・シュル・アイ村
品種:ピノ・ノワール50~60%、シャルドネ25~30%、ピノ・ムニエ15~20%
ドザージュ:9g/L
価格:8,000円(同)
玉葱の皮の色を含むサーモンピンク。香り華やか、ピンク・グレープフルーツのニュアンス(酸味とビター感)、口中に広がる厚み(リザーブワイン効果)が魅力。熟成感があり、6アイテムのなかで一番落ち着いた印象


第2フライト
シャルドネとピノノワールだけのタイプ、ドザージュは8~9g/L
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#4:デュヴァル・ルロワ フルール・ド・シャンパーニュ プルミエ・クリュ
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:9g/L
価格:6,600円(同)
セニエのロゼ・シャンパンを得意とするデュヴァル・ルロワ。色調は玉葱の皮色に近いサーモンピンク。気泡は繊細、ミネラル感、ストロベリーやラズベリー、中盤以降、シャルドネ由来の酸とピノ由来のソフトなタンニン、口中に広がる旨味。同メゾンがあるヴェルテュ村は、鳥瞰すると〝ハートの形〟に見える由、それゆえ、ボトルにも王冠にも〝ハート〟がポイントとして使われています。

#5:マイィ ブリュット・ロゼ
生産者:マイィ(CM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区マイィ村
品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ:8g/L
価格:7,500円(同)
生産協同組合(CM)で81名の栽培農家が加盟。シャンパンに使うぶどうはピノ・ノワールとシャルドネのみ。北側斜面でじっくり生育したマイィ村のぶどうの個性を反映=時間の経過とともに本領発揮してくるシャンパン。製法は#4同様セニエ。ミネラル感、最初に感じる若干のビターさが空気と触れ合うことで徐々に滑らかに。口中側面に上品な酸味の余韻、女性的な印象のシャンパン

#6:ガティノワ グラン・クリュ・ロゼ
生産者:ガティノワ(RM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ村
品種:ピノ・ノワール95%、シャルドネ5%  アイ村のPN7%ブレンド
ドザージュ:8g/L
価格:8,000円(同)
樹齢60年の古樹を含むアイ村の赤ワイン(コトー・シャンプノワ/ピノ・ノワール種)をブレンドしたロゼ・シャンパン。きれいに連なる気泡は勢い良く元気で、香りのインパクト大。さらに赤ワイン由来のタンニンも。気泡が消え去ったら赤ワインの印象! アペリティフより食中酒としておすすめ

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3種のベリー(ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー)を、アカシアの蜂蜜や生クリームが入ったロールケーキと合わせて
 
少し早目のクリスマスの気分で、3種のベリーを6種のロゼと合わせてみましたが、(ロゼ・シャンパンには赤系果実の要素があるものの)、各ベリー単独では、心ときめくまでには至りませんでした。日本のあまおうのように果肉が柔らかくて甘いストロベリーのほうが合いますね。用意できれば仲介役に上質の生クリームを添えて!

今年3月カレッジでテイスティングした可愛いロゼシャンパンたちも
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#1:モエ・エ・シャンドン アンペリアル・ロゼNV 
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
品種:ピノ・ノワール40~50%、ピノ・ムニエ20~30%、シャルドネ10~20%
ドザージュ:9g/L
#2:マム ロゼNV
生産者:マム(NM)
品種:ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ18%、シャルドネ22% 
ドザージュ:6g/L
#3:アンリオ ロゼ・ブリュットNV
生産者:アンリオ(NM)
品種:ピノ・ノワール 約3分の2、シャルドネ 約3分の1
ドザージュ:10g/L以下
#4:ゴッセ グラン・ロゼNV
生産者:ゴッセ(NM)
品種:ピノ・ノワール35%、シャルドネ58% 7%赤ワイン(アンボネ、ブジー産のPN)
ドザージュ:5g/L
#5:ドラモット ブルュット・ロゼNV
生産者:ドラモット(NM)
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20 %
ドザージュ: 非公表
#6:ローランペリエ キュヴェ・ロゼ ブリュットNV
生産者:ローランペリエ(NM)
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:非公表


クリスマスも間近です!
お仲間との集いやお正月に楽しむロゼ・シャンパン選びのお役に立てば幸いです!


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11月のシャンパン編講座はピエール・ジェルベにフォーカス [オープンカレッジ]

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左から
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#2:オーセンティス プティ・メリエ2005(デュヴァル・ルロワ)
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008 (イタリア/アンドレア・アリチ)
#4:ロダス・ブリュット・ナチュール(ピエール・ジェルベ)  
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#6:ブリュット・デザイン・パリ2006(デュヴァル・ルロワ)

11月のシャンパン編講座では、シャンパ―ニュ地方の規定7品種のなかのピノ・ブランとプティ・メリエに注目。第1フライトでは、同地方の若手の精鋭ピエール・ジェルベのピノ・ブランと若手ソムリエの育成に注力するデュヴァル・ルロワのプティ・メリエの比較をしてみました。

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左2グラスはブラン・ド・ブラン(白ぶどう100%)、中央の2グラスはブラン・ド・ノワール(黒ぶどう100%)。微妙な色調の違いがお伝えできれば嬉しいのですが

シャンパンの生地が命のピエール・ジェルベ
シャンパーニュ南部の産地コート・デ・バール地区セル・シュール・ウルス村で4代続く家族経営のメゾン。ピノ・ノワールの多い産地ながら、同メゾンでは伝統的に白ぶどうの比率が高く、ピノ・ブランを4.5ha植樹。粘土石灰質の土壌の斜面に自社畑18.5haを所有、平均樹齢は30年超、100年樹齢の古樹もあります。

同メゾンは親子で仕切っていますが、メインは23歳のオーレリアン・ジェルベ。オーレリアンは「シャンパンになる前の段階のワイン造りをしっかりと学びたかった」という理由で、ボーヌにある醸造学校へ。同時期、一流ドメーヌの跡継ぎグロ・フレール・エ・スール、アルヌー・ラショー、ジャン・グリヴォーが仲間だった由。ピエール・ジェルベの将来を担うオーレリアンの手腕に期待!

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シャンパーニュ地方の規定品種ピノ・プラン、プティ・メリエ、アルバンヌ  画像協力:タルラン

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第1フライト
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:5~6g/L 
価格:9000円(豊通食料)
10月に行われた豊通食料さんの試飲会で、気になったのがこのシャンパン。ブラン・ド・ブランでも#1はピノ・ブラン100%、従来のブラン・ド・ブランとは似て非なる印象なれど、なぜか惹かれる味わい。果実の豊潤さ、ハーブ、アカシアの蜂蜜のニュアンス(マイルド)、全体的にシャルドネよりも繊細なイメージ、切れの良さとふくよかさを備えたワイン

#2:オーセンティス プティ・メリエ2005
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:プティ・メリエ100% 
価格:12000円(ヴィレッジ・セラーズ)
988本の少量生産。このプティ・メリエは若手ソムリエの育成に力を入れているルロワ女史が研修用に使うことが多く、市場での流通は少ないシャンパン。緑のニュアンスを含んだ#1のピノ・ブランと比べると、色調は濃く、金色を帯びたイエローカラーで、香り華やか。フェンネル、黄桃、かりん、熟成感がありながら酸味はフレッシュ、余韻に軽いビター感。ブラン・ド・ノワールを飲んだ時のような骨格を感じさせるワイン。デュヴァル・ルロワのプティ・メリエは今回を含めて2度目なので、ぶどうの個性を探るにはもう少し回数が必要

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第2フライト
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008
生産者:アンドレ・アリチ
産地:イタリア・フランチャコルタ地区グッサーゴ村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:8600円(テラヴェール)
11月にフランチャコルタ協会日本事務局が開設され、イタリア大使館でお披露目のセミナー&試飲会が行われました。その折、テラヴェールさんから説明を受け、即、採用したくなったのが、この泡ものでした。ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100%のブラン・ド・ノワールで、ドザージュはゼロ。
アンドレア・アリチの栽培地は標高400m、元々は赤のスティルワインの産地でしたが、フランチャコルタ生産へ。グッサーゴの土壌は石灰質で、年間通じて冷涼なエリア。ミネラル感が豊かで、塩気のニュアンスを感じます。デゴルジュマンに対する考え方は、「デゴ後1年間は瓶熟させる」を徹底しています。これはブルーノ・パイヤールの考え方と同じで、シャンパンにとってデゴルジュマンは外科手術と同じで、「回復までには時間が必要」ということで、1年間瓶熟期間として休ませているようです。気泡も元気、ぶどうの本来の旨味、ミネラル感が特筆していて、講座生の支持も高かったフランチャコルタでした。

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アンドレア・アリチは地図で言うと、右側の石灰質土壌のエリアになります。

#4:ロダス・ブリュット・ナチュール
※ヴィンテージの表記はないのですが、ベースは2010年単一年産
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:6500円(豊通食料)
オーレリアンが手掛けた新キュヴェ、樹齢50年のピノ・ノワールから造られたプラン・ド・ノワール。ドザージュはゼロ。醸造時のSO2無添加、土壌は粘土石灰質。上品な酸味、ミネラル感豊かで、口中ドライな印象、中盤以降広がるまろやかさ&豊潤さが魅力

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第3フライト
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ25%、ピノ・ブラン25%
ドザージュ:7~8g/L
価格:5000円(豊通食料)
シャンパンの代表品種ピノ・ノワールとシャルドネに、ピエール・ジェルベがこだわるピノ・ブランを使ったシャンパン。ピノ・ブランをブレンドすることで、若々しく、チャーミングな印象に。柑橘類を連想させる繊細な酸、青りんごやグレープフルーツ、スパイシー(白コショウ)、余韻に残るビター感、食前酒に!

#6:ブリュット・デザイン・パリ2006
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:7000円 (ヴィレッジ・セラーズ)
アメリカの人気画家リロイ・ニーマンが「art de vivre」というパリの街を表現したボトルで、従来からのNV(ピノ・ノワール70%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ10%)とは別バージョンのヴィンテージシャンパン。直近のヴィンテージは2006年で、ぶどう品種は約10の区画のピノとシャルドネのみを使用。ライチ、黄桃、ナッツ、ビスケット、若干ソルティなニュアンス、口中での気泡なめらかで上品、バランスが取れたシャンパン、クリスマスにお薦めしたい1本、NVと使い分けを楽しんで!

12月の講座はロゼに特化してみますので、講座生の皆さま、お楽しみに!

[るんるん]来年のシャンパン編冬期講座の募集が始まりました。
2014年も引き続き、シャンパンの魅力を探究してまいりますので、よろしくお願いします!

9月のシャンパン編講座、まずは第1部の南米帰朝報告スパークリングワインから [オープンカレッジ]

ピラミッドを模した形はキャップシュールにもIMG_8871   .jpg
アルゼンチン・メンドーサにある『カテナ・サパータ』のワイナリーは、アメリカ大陸の文明の中で最も優れていたといわれているマヤのピラミッドを模したデザイン、左右対称のシンメトリーなので安定感があります。

カテナ・サパータについては産経EXで、マルベックの素晴らしさを紹介しました。
>>>http://sankei.jp.msn.com/life/news/131003/trd13100313000005-n1.htm



毎年、秋は素敵な取材がたくさんあって、ブログでの報告がなかなか追いつかない状況です。
今はチリ・アルゼンチンの取材を軸に、大事なワイン情報も挿入しながら進めていますので、お付き合い、よろしくお願いします。

さて、今回はカテナ・サパータの『Saint Felicien サン・フェリシアン』報告を、急ぎアップします。
長期出張から戻られた同ワイナリーのワインメーカー、パブロさんから、昨日、お礼メールが届いたのですが、追伸に・・・!!!
PS: how was the sparkling lesson?? How about Saint Felicien sparkling you and your class have tasted?   Pablo Sánchez

あらら ◎_◎;
「サン・フェリシアンは、カレッジの講座で講座生と試します」とお知らせしておいたので、その結果を待っていたのかなパブロさんは・・・これはきちんと報告せねば!  
ということで、まずは9月25日シャンパン講座の第1部だけアップしておきます。

9月は、第1部と第2部に分け、前者は帰朝報告も兼ねて、アルゼンチンから持ち帰ったスパークリングとチリのスパークリング4アイテムを比較。後者はシャンパーニュのグラン・クリュのエリア(アイ村、クラマン村、ヴェルジー村etc)にフォーカスして7アイテムを比較しました。

第1部はチリとアルゼンチン
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右にあるキャップシュールがカテナ・サパータ、ピラミッドです

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左から
#1:ミゲル・トーレス サンタ・ディグナ エステラード・ロゼ/1848円
生産者:ミゲル・トーレス(チリ)
品種:パイス100%(マウレヴァレー)/ドザージュ:8g:/L
瓶内2次発酵、今年1月に行われたチリ最大のワイン品評会『アニュアル・ワイン・オブ・チリ・アワード』のスパークリング部門で優勝している評価の高い泡もの。優勝は昨年に続いて2度目

#2:コノスル ブリュット/1575円
生産者:コノスル(チリ)
品種:シャルドネ93%、ピノ・ノワール7%(ビオビオ・ヴァレー)/ドザージュ9g/L
シャルマ法、白い花やフレッシュな果実の香り、気軽に楽しめる可愛いタイプ

#3:バルディビエソ エクストラ・ブリュット/1680円
生産者:バルディビエソ(チリ)
品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール30%(クリコ・ヴァレー)/ドザージュ:6g/L
瓶内2次発酵、4本のなかで一番シャンパンに近いタイプ、ミネラル感と口中での切れ味が魅力

#4:カテナ・ザパタ サン・フェリシアン(未入荷)
生産者:カテナ・ザパータ(アルゼンチン) 
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
カテナ・サパータが国内向けに販売している泡もの、月と色っぽい女性のラベルが目を引きます

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アルゼンチンではホテルのそばのワインショップSol & Vinoに立ち寄りました。店主デイビッドさんに、「スパークリングワインに興味があるので撮影しても良いですか」と許可をもらって撮った1枚がこれで、Saint-Felicienも並んでいました。

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#1:当日の一番人気。上品なサーモンピンク、素直な味わい、果実の風味と酸味のバランスが良く、料理の守備範囲も広い。まぐろ丼(ワサビ添)はおすすめの一皿

#2:唯一のシャルマ法だったので、他と比べ、気泡の印象が若干弱め、フレッシュで軽快、アペリティフで楽しめる万人向きの飲みやすいタイプ。

#3:チリを代表するスパークリングワイン、味わいにもその自信を感じます。気泡細やか、きれいな酸、、講座生のなかには根強いバルディビエソファンもいました!

#4:ゴールドの色調、ブリオッシュ、オリエンタルスパイス、果実のコンポート、口中での酸味のインパクトは大きく、舌の上の感触はドライ、余韻に軽いビター感、温度が上がるとボリューム感増、4つのなかで一番個性的、エスニック料理との組み合わせがイメージできました

日本で購入できるアラモス エクストラ・ブリュット
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カテナのワイナリーで試飲した画像左の『アラモス』は国内および輸出向けのアイテム
日本ではファインズさんが輸入しています。製法は瓶内2次発酵、使用品種はシャルドネとピノ・ノワール各50%。ミネラル感、酸味のメリハリがあるので、生の白身魚にレモンや和風柑橘を添えて、あるいはタコシャブにもみじおろしとポン酢添えで。1000円台(1974円)で買えるのが何と言っても嬉しいです。

アルゼンチンで試飲したスパークリングのなかでは、カイケン・スパークリング・ブリュットとノートン・ロゼが印象的だったので、これらは後日、ワイナリー訪問報告で!
タグ:Catena Zapata
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7月のシャンパン編講座、いずれも素晴らしく・・・ [オープンカレッジ]

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左から順に#1~#6
今週の水曜日は8月のシャンパン編講座なので、その前に先月の講座のリポートをアップしておきます。この回では3メゾンのNV とトップキュヴェの利き比べをしました。

第1フライト 
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#1ポル・ロジェ ブリュットNV
生産者:ポル・ロジェ(輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ各3分の1ずつ
価格:6,500円
#2シャンドン・ブリュット・サマーボトルNV
生産者:ドメーヌ・シャンドン(輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%
価格:2,300円
#3ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール(輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール56%、ピノ・ムニエ10%
価格:6,300円

中央の#2はモエ・エ・シャンドン社が豪州にたちあげたドメーヌ・シャンドンの夏限定のオシャレなサマーボトル!果実味豊かで、フレッシュ、シャルドネの比率6割を反映した色白スパークリング、3脚並べると色調の違いがよくわかります。余韻は軽め、野外パーティーでのウェルカムドリンクにぴったりです。
#1のミネラル感、綺麗な酸味。青りんご、グレープフルーツ、アプリコットのような種の大きな果実のニュアンス。第1フライトの一番人気でした。#3は、いつも通りのバランス良い味わい。余韻に広がる旨み、かすかに感じる樽由来の木香の風味、イイ感じです。

第2フライト
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第2フライトは風格あるトップキュヴェの利き比べ

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#4クリスタル ブリュット2005
生産者:ルイ・ロデレール(輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:シャルドネ45%、ピノ・ノワール55%
価格:25,200円
#5ドン ペリニヨン2003
生産者:モエ・エ・シャンドン(輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール(比率非公開)
価格:21,000円
#6サー・ウィンストン・チャーチル ブリュット1999
生産者:ポル・ロジェ(輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:品種非公開
価格:23,100円

ヴィンテージの若い順に供出しました。中央#5がキュヴェ・ドン・ペリニヨンですが、色調のニュアンスが#2と似ていました。比率は非公開ですが、品種はシャルドネとピノ・ノワールなので、シャルドネの比率のほうが多いのかも。ヘーゼルナッツやクルミ、ロースト香やコーヒーの焙煎香、口中の印象は滑らか。#4 はクリスタル、フレッシュ感と熟成感を併せ持ち、白い花、柑橘系果実、樽の風味、 酸味のバランスも良く、旨味あり。#6のサー・ウィンストン・チャーチルは最新ヴィンテージの2000年がすでにリリースされていますが、熟成感もチェックしたかったので、1999年ヴィンテージを選びました。カリンや黄桃等の黄色系果実、ドライフルーツ、ハチミツ、アフターの軽いビター感。好みの調査で一番人気になったウィンストン・チャーチル、熟成したシャンパンの美味しさはひと味違いました。今、飲み頃です。

8月の講座では講座生の皆さんからリクエストを伺い、タイトル通りのオーダーメイドな回にしています。全部で9アイテムですが、さてさて、どのような結果になるでしょうか・・・私も楽しみです!

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待った甲斐がありました! シャンパンメゾン『アグラパール・エ・フィス』 [オープンカレッジ]

アグラパール・エ・フィスのアイテムが揃いました!
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ワイン評論家やワイン専門誌から高評価を受けているアグラパールの当主パスカルさん
画像協力:豊通食料

1894年創業、現当主の4代目パスカルさんの曽祖父が興したメゾン。シャルドネの中心産地コート・デ・ブランのアヴィズ村を拠点とし、オジェ、クラマン、オイリーなどに60区画の畑を所有。自社畑は約10ヘクタール、年間の総生産量は9万本。『Guide des meilleurs vins de France 2013』で3つ星に昇格。卓越した醸造家パスカルさんのシャンパンは世界から引く手あまたです。

そのようなわけで、全アイテムを一度に揃えるのはなかなか難しく、輸入元・豊通食料(株)の担当小永井氏に「入荷したら連絡をください」とお願いしていました。それが叶えられたのが先月の講座です!

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待った甲斐があった『アグラパール』

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準備段階で・・・フォイルを外すと、あらら~彩も鮮やかなキャップシュールが! 
 

第1フライト
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左から#1、#2、#3の順で、キャツプの色は黒、赤、緑

第1フライト 
#1:セット・クリュ・ブリュット
生産者:アグラパール(RM/輸入元:豊通食料)
ぶどう品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%
ドザージュ:7g/L / 瓶詰2011年5月/ デゴルジュマン2012年12月
メゾンの看板シャンパンNVのレ・セット(7つの)・クリュ。アヴィズ、オジェ、クラマン、オイリー、ベルジェル・レ・ヴェルチ、アヴネイ・ヴァル・ドール、マルドゥイユの7クリュで、以前はシャルドネ100%でしたが、現在はピノを10%ブレンドしたタイプになっています。基本となる25%の樽使いが絶妙で、2年分のキュヴェ、3年間の瓶熟成で旨味が表現されています。在庫あり。

すべてのラベルの裏貼りに、瓶詰年月とデゴルジュマン年月が記載してありました。シャンパンメゾンでこれらを併記しているところは他にはないと思います。

#2:コンプランテ・エキストラ・ブリュット グラン・クリュ
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエ
ドザージュ:5g/L/ 瓶詰2008年5月/ デゴルジュマン2013年1月
シャンパンの主要3品種に、シャンパーニュ地方で認められているピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエを使用。オーストリア・ウイーンで行われているゲミシューター・サッツ”と同じ混植混醸ワイン(複数の品種を同じ畑に植え、同時に収穫し、熟成させたワイン)がコンプランテ。アヴィズ村の単一区画ラ・フォッセという20アールの畑産で、2003年に植えた若樹主体。「テロワールは品種を超える」と考えるパスカルさんの思いを表現したアイテム。年内分の入荷60本

第2フライト
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ラベルの絵柄の“差し色”と同色に統一しているキャップシュール(王冠部分)

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#3:ブラン・ド・ブラン テロワール エキストラ・ブリュット グラン・クリュ
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L / 瓶詰2009年5月/ デゴルジュマン2012年8月
デゴルジュマン:2011年8月1日
アヴィズ、オジェ、クラマン、オイリーの4グランクリュのぶどうを使用。25%樽醸造、4年間の瓶熟、口中に優しく染みわたるミネラル感、酸は極めて穏やかで上品。

#4:ブラン・ド・ブラン ミネラル エキストラ・ブリュット グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村(ステンレスタンク醸造)とクラマン村(樽醸造)のブレンド。ネクタリンや黄桃のような種の大きな果実のニュアンスがあり、際立つミネラル感は最高! Bodyがありながら繊細で奥ゆかしさあり。一番好きなアイテム!

#5:ブラン・ド・ブラン アヴィゾワーズ エキストラ・ブリュット グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村の樹齢50年の古樹2区画のぶどう。100%樽発酵・熟成。瓶熟の間は王冠ではなくコルクを使用。アヴィズの粘土質土壌を評して、「骨太で力強い」と表現されますが、その特徴が出ているのが#5だと感じました。ミネラル豊かで、ハチミツや南国果実のニュアンス、複雑味があり、余韻も長め。ガッツリ系で肉料理と合わせて!

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キャップは#4、#5、#6で、青、グレー、シルバーの順

第3フライト
#6:ブラン・ド・ブラン ヴェニュス ブリュット・ナチュール グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:0g/ L/ 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村にある単一畑ラ・フォッセ産、樹齢54年、糖分添加ゼロ以外は、#5と製法、瓶熟の間のコルク使用は同じ。ナッツや胡桃、舌の上に広がるねっとりしたハチミツのニュアンス、ロースト香、余韻に樽に由来するビター感、長い余韻。ぶどうそのものの旨味と甘さが感じられる逸品

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画像協力:豊通食料

ヴェニュスは画像左側に見える今は亡き白馬の名に由来しています。

ドザージュが少ないのに、口中でじわ~っと広がるナチュラルな甘さは魅力でした。ミネラル感、穏やかな酸味(基本的にMLFは行っています)、エレガントさは秀逸。

アヴィズには同じRMの、ジャック・セロスやド・スーザがありますが、三者三様の感あり。3メゾンとも樽を使いますし、自然のリズムに合わせた農法で、共通点も多いのですが、アグラパールはひと味違うメゾンで、非常に興味惹かれました。

豊通食料様でも、全アイテムをこのように並べて試飲することはなかなかないとのこと。価値ある講座ができましたことに感謝しております。ありがとうございました。
入荷状況は、#3のテロワールと#4のミネラルは9月予定、その他のキュヴェは年内分は終わりとのことでしたが、詳細についてのお問い合わせは豊通食料(株)迄/03-4306-8539

5月のシャンパン講座はアヴィズが拠点のミッシェル・ゴネ! [オープンカレッジ]

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画像協力:日智トレーディング
5月の講座は秀逸なブラン・ド・ブランの造り手ミッシェル・ゴネにフォーカス!

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画像協力:日智トレーディング
メゾンの本拠地はコート・デ・ブランのアヴィズ村、これはメゾン北側の景観です。

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画像協力:日智トレーディング
傾斜角度(5~25%)のぶどう畑で収穫作業。ミッシェル・ゴネはシャルドネ80%、ピノ・ノワール20%を栽培していますが、ピノ・ムニエは栽培していません。

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ロゼはフルーリーのロゼ・ド・セニエ(左から2本目)を仲間に入れて比較してみました。

(左から)
#1ブリュット・ロゼNV
#2フルーリー ロゼ・ド・セニエNV
#3ブラン・ド・ブラン グランクリュ
#4ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム2002
#5キュベ・プレスティージ ブラン・ド・ブラン グランクリュ1998
#6ミッシェル・ゴネ フュ・ド・シェーヌNV

第1フライトは2種のロゼ比較
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#1:ミッシェル・ゴネ ブリュット・ロゼNV
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:10g/L
価格:7500円(税込)
セニエのあと、同エリアで収穫した赤ワイン(PN)をブレンドしたロゼ。色調は玉葱の皮の色、気泡は細やかで元気。オレンジやネクタリン、ドライフルーツ、舌の上に広がるねっとり感、#2よりやわらかな印象のタンニン、まるくソフトな余韻。講座生からの評判が良かった1本◎

#2:フルーリー ロゼ・ド・セニエNV
生産者:フルーリー(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区クルトゥロン村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:7.35g/L 
価格:8000円(税込)

冒頭のシャンパーニュの地図で見ると右下の位置がコート・デ・バール(Côte des Bar)です。
ピノ・ノワールのぶどう樹の平均樹齢は25年、セニエ法で造られています。気泡の刺激は#1より強め。深みのあるオレンジの色調と同色のオレンジやアプリコット、ピンクグレープフルーツのニュアンス。軽いタンニン、フルーリーらしいしっかりしたミネラル感。ただ、今回のフルーリーは今までと比べて、少し落ち着きがなかったように感じました。講座開始5日前に通関したようなので、たぶんその影響が出ていたのだと思います。

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講座前日に大好きなサース夫人から大好きなアプリコットジャムが届きました。
私はニコライホーフのアンズジャムは世界一だと思っています! これをひとり占めしては罰があたる(笑)と思い、講座生の皆さんにも楽しんでいただくことにしました。ジャムはロゼの色調と完全に同化。ロゼシャンパンには確実にアンズのニュアンスがあります。素敵な相性! 講座生の皆さんの幸せなそうなお顔・・・サース夫人には心から感謝です!

第2フライト&第3フライトは
気泡がワインに溶け込み、口中で受ける印象はとてもソフトなシャンパンです!

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グラスは左から#3#4#5#6の順。#5 に関しては他のグラスの半量

#3:ミッシェル・ゴネ ブラン・ド・ブラン グランクリュ
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100% 
ドザージュ:6g/L 
価格:7100円(税込)

#4:同ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム2002
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:9100円(税込)

#5:同キュベ・プレスティージ ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム1998
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3g/L
価格:11450円(税込)
カリンや黄桃のイメージ、若干酸化したニュアンスがあり、シェリーを連想。口中ドライ、粘性もあり、余韻も長め。すでにリリースされている2002年ヴィンテージはノン・ドザージュ(0g/L)
ちなみに、ブショネのグラスはほこり臭さ、雑味とエグミ、果実味がない状態

#6:フュ・ド・シェーヌNV
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L
価格:15600円(税込)
口金部分は麻糸を束ねた昔風のスタイル。ヘーゼルナッツや胡桃、ハチミツ、重厚感。中盤以降にビターな印象、シェリー的な要素あり

当初、第2フライトで3アイテムを比較して、第3フライトでトップキュヴェをじっくり観察する予定でしたが、#5のうちの1本がブショネで・・・1998ヴィンテージだっただけに凄く残念(泣)

講座生のなかにブショネ初体験者が半数ほどおりました。そこで2つのグラスを使い、健全なグラスとブショネのグラスを同時にテイスティング、違いを感じてもらうことにしました。悪名高きTCAの害を受けると、高貴なワインもこのようになるというサンプルを前にしたレッスンになりました。
また、講座生の皆さまには、栓にからむこのブログで復習願います! 
>>> http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-09-20

ペインテイングボトルについて

画像協力:日智トレーディング

今講座では日智トレーディング扱いの9アイテム中5アイテムを学習しました。
同メゾンのハイレンジに“ペインテイングボトル”がありますので、最後にご紹介しておきますね。
これは現オーナーのソフィー女史自らが1本ずつ手書きしているアイテムで、注文を受けてから作業を開始しているものです。画像からその様子がおわかりいただけますよね。
日智トレーディングの猪原敬子取締役も「注文したシャンパンが届いて、その箱を開ける瞬間、どのような絵柄かなと思うとワクワクします!」とおっしゃっていました。

記念日用に使うスペシャルなシャンパンをお探しのシャンパンラバーさんにはおすすめです!
製品についてのお問い合わせは日智トレーディングの岩崎夕鶴子さんまで/072-681-8624

<PartⅡ> あっぱれ日本ワイン! 世界のカベルネvs日本のカベルネ  [オープンカレッジ]

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バラがきれいな季節、まさに5月の薔薇ですね!
5日にアップしたあっぱれ日本ワインのPartⅡをお届けします。

PartⅠアップ後、嬉しいメールをたくさんいただきました。ご参加くださった皆さまにはタイムスリップしていただけたようです。「目の前にあの時のワインはないものの、楽しかった時間を思い出しています」との内容が多かったのは講師冥利に尽きます。
では、当日のイスラエル、日本、チリのワイナリー巡りから!


イスラエル・ゴラン高原のゴラン・ハイツ・ワイナリー
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(C)Photo by Tadayuki YANAGI
レバノンとの国境近くにある醸造所の遺跡

昨年、ゴラン・ハイツ・ワイナリー、ブランドネーム『Yardenヤルデン』のヴィクター・ショーンフェルド醸造家が来日したあと、データ収集をしていたのですが、その折、ワイン・ジャーナリストの柳忠之さんからいただいたのがこの画像です。柳さんがイスラエル取材をなさった時のものです。

ここ数日来、イスラエルのシリア空爆のニュースが流れています。ヴィクター・ショーンフェルドさんは「紛争が続いているのはエルサレムやテルアビブのほうなので基本的には平和なエリア」とおっしゃっていました。

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(C)Photo by Tadayuki YANAGI
ゴラン・ハイツ・ワイナリーの壮観な樽熟庫

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(C)画像協力:ミレジム
ゴラン・ハイツ・ワイナリーの整然としたセラー

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(C)画像協力:ミレジム
ゴラン・ハイツ・ワイナリーは1983年創設の比較的新しいワイナリー
栽培面積600ha、イスラエル全土では3番目の規模で年間500~600万本のワインを生産、プレミアムワインが中心。国内向け75 ~80%、輸出向けが20~25%。ゴラン高原は主に100~200万年前の火山性土壌で、水はけに優れています。
ぶどう畑の標高は400~1200m、ガリヤ湾に近いエリアからヘルモン山の麓まで広がる農場でぶどうを栽培、品種は20種以上でメインはカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)とシャルドネ。年間を通して、畑内にある情報収集基地で気象観測やぶどうの出来具合を徹底管理しています。

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シングルヴィンヤードのエル・ロム畑から生産される『エル・ロム2009』
生産量は36樽のみ(日本入荷本数60本)
エル・ロムの栽培面積は80ha、うち20haにCSを栽培。標高1000~1100mの畑に15区画(平均0.5ha)が点在し、各区画の最高のぶどうを使用。バレルトライアルにも長けているので、各区画のぶどうに合った樽を選択して使用している由

「白ぶどうを栽培するのと同じくらいの高度なので、CSの栽培地としては冷涼です。そのため、ぶどうの房にしっかりと陽が当たるようにキャノピーマネジメントに気を配っています。青っぽさが出ないように」とヴィクターさん

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ヴィクターさんの来日時@ホテル西洋銀座『レペトワ』にて(2013年1月16日撮影)
エル・ロム2009に合わせたのは牛フィレ肉のポワレ 温野菜とのコンチェルト 牛蒡の香るマディラ酒のソース。ワインの持つ濃厚なプラム、煙草や甘草のニュアンスとマディラ酒のソースは絶妙!!

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ゴラン・ハイツ・ワイナリーは2008年にワイン・スペクテーターの年間トップ100に選出され、2011年にはボルドーのシタデル・デュ・ヴァンで最優秀特別賞を受賞。そして2012年、『ワイン・エンスージアスト』誌のワイン・スター・アワードで新世界のべストワイナリーに選ばれました。
イスラエルのワイナリー初の快挙です!
「潜在能力は計り知れません」と喜びを語っていたヴィクターさん
来日した10日後にNYで受賞式があったようです。おめでとうございました!!


チリのミゲル・トーレス・チリ
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画像協力:三国ワイン
1979年にスペインからチリに進出したトーレス社はワイン醸造で初めてステンレスタンクを導入。以後、トーレス社長の先見の明と革新的な取り組みはチリのみならず、世界のワイン界をリードし続けています。

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画像協力:三国ワイン
チリはフィロキセラ(ぶどう害虫)禍を免れた国
フランスから運ばれてきたプレ・フィロキセラのぶどう樹が存在しているワイン王国です

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画像協力:三国ワイン
クリコ・ヴァレーのモリナ サン・フランシスコ ノテル・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン
平均樹齢100年の樹々たちの貫禄!

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左から
男優をイメージして、それぞれのワインを表現すると・・・エル・ロム2009はナイスルッキングな男子、福山雅治かな。ソラリス信州東山CS2009は梨園の御曹司タイプ、猿之助路線ではなく、勘九郎や菊之助で。そして、マンソ・デ・ヴェラスコ2009はパワーを備えた男子、『ラストサムライ』で勝元を演じた渡辺謙、てな感じです。

ちなみにマンソ・デ・ヴェラスコという名はチリの統治者に由来しているそうで、彼は戦いの場でも勇敢な人物だった由。気は優しくて力持ち、ワインはまさにそのイメージでした。

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1941年バルセロナ生まれのミゲル・トーレス社長。20年前に地元で日本語を3年間学び、その後も学習は続けていらしたようです。2月の来日記念プレスディナー@サン・パウでは、9割以上を日本語で対応! 輸出相手国の言語をマスターする必要性を感じているので、英語、仏語、ドイツ語、中国語、ロシア語にも力を入れています。

スペインを本拠地とするトーレス社は、チリにはミゲル・トーレス・チリ、カリフォルニアにはマリマー・トーレスを立ち上げ、デイリーワインからプレミアムワインまで生産しています。
トーレス社長は様々な表彰を受けています。英デキャンター誌の「マン・オブ・ザ・イヤー2005」にも選ばれました。近年、特に力を入れているのが環境への取り組みで、この分野でも先駆者的役割を果たしています。これについてはワインのこころでも紹介していますが、来日セミナーで語っていた内容はとても濃いものでした。後日、永久保存版になるリポートをアップします。お楽しみに!

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スペインで生産しているマスラ・プラナもカベルネ・ソーヴィニヨン100%、魅力あるワインです! 
実は『あっぱれ日本ワイン』の候補ワインの1つに考えていたのですが、現行ヴィンテージが2008年だったので断念。2009年がリリースされるのはもう少し先になります。



ここから、マンズワインとソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨンです!

(続) マンズワイン訪問からCS対決の顛末記まで


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第2弾 あっぱれ! 日本ワイン! ~日本ワインの実力を体感しよう~  PartⅠ [オープンカレッジ]

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昨年に引き続き、新宿御苑にある
日本ワインバー『JIP』でカレッジの課外講座を行いました。
今回は甲州とカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)にフォーカスしてみました。

第1部は甲州から
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画像協力:JIP

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第1部『甲州』を担当してくださったのはスーパー才女のコーディネーター岡 真木(おかまき)さん
岡講師は山梨県の牧丘(まきおか)のご出身。まきおかのおかまきさん、なんというゴロの良さ!!

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JIPさんは甲州の比較試飲5アイテム、最後にお出しする甘口の甲州ぷらす赤ワイン5アイテムの計11グラスがすべてテーブルに並ぶようにセッテイングしてくださいました。嬉しいご配慮!

岡講師による甲州ぶどうの解説
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(左から)メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、甲州
甲州は、グレーがかったピンク色の厚い皮の大きめの果粒の品種です。

日本のぶどう生産の第1位は巨峰、2位がデラウエア、以下ピオーネ、キャンベル・アーリー、ナイアガラ、マスカット・ベーリーA、スチューベンと続き、第8位に甲州が登場。全体のわずか2%程度です。

甲州ぶどう(以後甲州)は1300年以上の歴史があるとされる日本固有のぶどうで、かつてはその多くが生食用として広く栽培されてきました。2004年、カリフォルニア大学デイヴィス校のDNA鑑定で、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンと同様のワイン用ぶどう(ヴィティス・ヴィニフェラ)であることがわかりました。また、2010年には世界ぶどう・ワイン国際機構(O.I.V.)に正式登録されています。

「アルコール度数が低く、香りは控えめ、味わいは平板で渋味もあり、時として甘味が強すぎる」など、ネガティヴに言われた時期もあった甲州ですが、“高品質なワインを造りたい” という造り手の熱い気持ちと努力・英知が実を結び、いまでは素晴らしいワインを生み出しています。栽培方法や収穫時期の研究や改善、収量制限やキャノピー・マネジメントなどの技術革新、国内外の専門家による醸造技術の向上、3MHの発見、食との相性研究、行政のサポートなど、数多くの努力が重ねられてきました。

その結果、甲州ワインは、繊細さ、透明感、柑橘系の爽やかな香りを備えた個性あるワインへと成長していきました。繊細な風味によって和食を中心にした食事に合わせやすく、また、シュル・リー製法や樽の使い方の工夫などによって産み出された辛口の甲州ワインも高い評価を得ています。ぶどう本来の甘さを残した心地よい味わいのワインから辛口ワインに至るまで、多様な個性を楽しむことができるようになりました。

それぞれに個性ある5アイテムの甲州をブラインドで
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甲州の解説後は、左から5番目までをブラインドで比較試飲。ひとくちに甲州ワインといっても様々なスタイルがあることがわかります。 text by Maki OKA (#1~#5 、#11)

#1:アマリージョ 甲州・辛口 2011/ダイヤモンド酒造
近在の農家が集まって自分たちの飲み用ワインを醸造したのが始まりのワイナリー。Amarillo(アマリージョ)は「黄色」という意味。完熟の甲州ぶどうを低温で発酵後、約5ヶ月間のシュールリー製法を用いたワインで、すっきりとした辛口が楽しめます。三代目の雨宮さんはとても熱い方!

#2:ルバイヤート甲州シュールリー2012/丸藤葡萄酒工業
甲州シュル・リーと言えばルバイヤート! と言われるくらい知られているワイン。創業以来、独自のポリシーを持って、栽培とワイン造りに取り組んでいる大村社長。地元勝沼だけで栽培されたぶどうのみを使用し、生産量は追わず品質を常に目指しています。甲州らしいドライさ、柑橘系の香りと爽やかな酸味、ほのかに感じる苦味が調和して爽快です。

#3:グリド甲州2011/ 中央葡萄酒
シュル・リー製法を使い、ステンレスタンクで発酵・貯蔵されたワイン。2011年からよりドライな味わいに変えたとのことで、キレの良い酸味を備えたすっきりした口当たりの心地よいワインです。三澤社長の指揮の下、ワイナリー一丸となって世界の甲州へと歩みを進めています。勝沼町産甲州種を主体に使い、どんな料理にも合う、親しみやすい味わい。ほどよいコクも楽しめます。グリとは、甲州ぶどうの果皮の色を表わすピンクがかったグレーの仏語Grisからの命名です。

#4:キャネー甲州 祝村川窪2011/金井醸造
低温発酵を進め、長い醸し期間を経て仕込まれたワイン。青りんごを思わせるような清々しい香りとほどよい酸味のキレのある味わい。天然酵母で約6か月間の発酵後、密閉ステンレスタンクで熟成させ、ろ過は最小限にとどめています。金井氏は、フランス・ロワールのクーレ・ド・セランにならってビオディナミ農法(化学合成材を使用せず、天体の動きも顧慮した農法)の考え方を取り入れ、ぶどうの身になって考える栽培法から生まれる生命力あふれるワインを造り続けています。

#5:アルガブランカ・イセハラ2011/勝沼醸造
アルガブランドは、“世界に通ずる日本のワイン造り”というコンセプトのもとで生まれたワインです。「イセハラ」とは、笛吹市の地名「伊勢原」からとった名前で、この単一畑から収穫された甲州種のみを原料に醸造しています。香りが華やかで、爽やかな酸味と微妙な甘さが調和した心地よいふくらみを感じるワインです。独自の醸造法の開発や固定観念にとらわれない取り組みなど、有賀社長の挑戦は続きます。

記載する順序が少し違うのですが、最後の第3部で甲州遅摘みを供出しましたので、岡講師コメントも載せておきます。
#11:甲州遅摘み2011/イケダワイナリー
甲州を遅摘みして、熟したぶどうを使って造った優しい甘さと爽やかな酸味のワイン。発酵は樽の中で。熟成はステンレスタンクで行い、微妙な複雑さとフレッシュで華やかな香りと味わいが楽しめます。「自分のワインを造りたい」と、長年の夢を叶えた池田氏。1995年設立という勝沼でも最も新しいワイナリーの1つで、丁寧なワイン造りが光っています。

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画像協力:JIP
遠藤シェフと意見交換を重ね、2度の試食会をして完成した一皿
(左から)■筍と菜の花のお浸し ■鯛(塩麹)のカルパッチョ(スダチ添え) ■肉じゃがコロッケ ■豚のオーブン焼きと塩ゆで豚の薄切り/調味料は醤油・わさび・マスタード

豚の2品は興味深かったです。これは2回にわたる試食会のやり取りのなかで、岡講師の「同じ素材でも調理の仕方を変えたものが出せないか」との提案を受けたものです。各料理に合わせる調味料次第で味わいにも幅が出てくるので、それを生かすために考えた一品。外側がカリカリでなかはジューシーな豚肉と豚の脂分が甲州のキレの良さと良く合い、とても美味。会場には甲州ワイン未体験者が2名ほどいらっしゃいましたが、初体験の甲州と食とのマリアージュに納得していただけたようです。

岡講師からは「甲州のかすかな渋味が表れている#2#3には筍や菜の花。塩麹&鯛のカルパッチョにはキレの良い#2#4。コクのある味わいの肉じゃがコロッケ、豚肉には#4#5が合わせやすかった」との感想をいただきました。

岡講師からワインラバーさんへの提案
■ワインを学習する時はラベルを見ているだけではなく、地図を手元において!  
■ワインを飲んで分析(白い花、グレープフルーツetc)したら、最後に必ず表現をまとめる。たとえば酸味があって引き締まったワインというように。 
「これらはワインを学習する上でとても大切なポイントです」と岡講師。加えて 「ワインは誰と飲むか、誰と楽しむかもとても大事」とおっしゃっていました。確かに、たとえ安価でも気の置けない仲間や好きな相手と飲むと、ワインの印象、美味しさの印象も違ってきます。「こころから楽しんで飲む」が基本ですね!
ということで、岡真木講師のウイットあふれる内容のレッスンも滞りなく終了しました。
ありがとうございました!


では第2部に入ります!

(続・continue) 第2部では世界のCSと日本のCSを比較試飲!


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4月の講座はシャンパンとヴァン・ムスーの利きわけと『ユレ・フレール』にフォーカス [オープンカレッジ]

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第1フライトは#1~#4、第2フライトは#5~#8

オープンカレッジの春期講座“青木冨美子のオーダーメイドなシャンパン講座”開始です!
“オーダーメイド”という形容がついているのは、講座生からのリクエストには可能な限り応えていくようにしているからです。今月は、「たまにはシャンパン以外の泡ものを入れてみませんか」との要望があったので、即、実践することにしました。

第1フライト クレマン・ド・ロワールとクレマン・ド・ブルゴーニュを入れて
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第1フライトは左から順に
#1:フルーリー ブリュット(ブラン・ド・ノワール) 
生産者:フルーリー P&F
産地:シャンパーニュ地方
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8.65g/ L
小売価格:5200円(虎の門ヴァン・シュル・ヴァン)
シャンパーニュ地方で一番最初にビオディナミを導入したフルーリーが造るブラン・ド・ノワール。気泡は極めて細やか、ピュアなミネラル感、黒ぶどう由来の重厚で複雑なアロマ、中盤以降口中に広がる旨味、パリで開催された国内有機栽培ワイン大会2009でゴールドメダル受賞

#2クレマン・ド・ロワール ブリュット・ロゼ
生産者:ラングロワ・シャトー
産地:ロワール地方
品種:カベルネ・フラン100%
ドザージュ:15g/L
小売価格:2500円(ラックコーポレーション)
シャンパンメゾンのボランジェ社の傘下のラングロワ・シャトー、ロワール産のスパークリングワイン、カベルネ・フラン100%のロゼ。フレッシュ&フルーティー、赤い果実のニュアンス、後味に軽いビター感、中華や赤系果実のデザートに合わせて

#3:クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット・ロゼ
生産者:アミオ・ギイ・エ・フィス
産地:ブルゴーニュ地方
品種:ピノ・ノワール100% 
ドザージュ:11.24g/L
小売価格:3000円(ラックコーポレーション)
ブルゴーニュ産のスパークリングワイン。自社畑の若樹から造られるクレマン・ロゼで、同社では瓶詰→瓶内二次発酵以降は、クレマンの専門業者に委託。気泡繊細、ミネラル、酸味、甘味のバランス良好、「シャンパンは高いので」という方にお勧めしたい1本

#4ブリュット ロゼ・ド・セニエ
生産者:クリストフ・ミニョン
産地:シャンパーニュ地方
品種:ピノ・ムニエ100% 
ドザージュ:6g/L
小売価格:7500円(木下インターナショナル)
赤に近い深みのある色調、気泡はワインに溶け込み、口中での印象はソフト、南国の赤い花やベリー系果実のニュアンス、余韻に若干の渋み(タンニン)、気泡やタンニンの残り方が従来のロゼ・ド・セニエとは異なり、赤のスパークリングワイン的イメージ

参考:気泡とタンニンの関係
シャンパンのように瓶内2次発酵を行うものは、酵母の澱と長期間接触しているため、たんぱく質がワインに豊富に溶け出します。たんぱく質は界面活性作用(石鹸はこの作用を持つため、泡立ちます)を持つため、泡のもちが良くなります。一方、赤ワインはタンニンなどのポリフェノールを多く含むため、ワイン中のたんぱく質がタンニン分に結合し、そのため、ワイン中に界面活性作用を持つ“たんぱく質”が少なくなるので、泡もちは白ワインほど長くありません。


第2フライト メゾン『ユレ・フレール』の当主は新進気鋭の34歳
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モンターニュ・ド・ランスの東に位置するリュード村、この地で3代続くメゾン。当主は34歳のフランソワ・ユレで、2008年からメゾンを継承。祖父逝去後の相続で、名義が父親と2人の兄弟に分けられたため、畑のぶどうは書類上、他から購入するという形になってしまうので、家族経営ながら、ネゴシアン・マニピュラン(NM)。現在、一部にビオディナミを導入。リザーヴ・ワインはソレラシステム、大樽で保存、1982年から続く30ヴィンテージが含まれています。注目していきたいメゾン

#5:ユレ・フルール ブラン・ド・ブラン・リナタンデュ2005
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
小売価格:7600円(テラヴェール)
ブラン・ド・ブランはMLFを行わず、酸の特長を生かしたスタイル、柑橘系果実、余韻にはGFの内側の白皮似のビター感

#6:ユレ・フルール ブリュット・レゼルヴ ランピタシオンNV
品種:ピノ・ムニエ50% ピノ・ノワール35%、シャルドネ15%、リザーヴ・ワイン約30%使用
ドザージュ:9g/L
小売価格:6000円(テラヴェール)
メゾンの顔NV、ミネラル感、上品な酸、時間の経過で加わる香りの複雑さ、口中に広がる厚み。「リザーヴ・ワインはベースワインに欠けている要素を補い、シャンパンをバランス良く仕上げることができる」とフランソワ・ユレ当社

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現行4アイテム、好評ならロゼも日本上陸する予定とのこと

#7:ユル・フルール ブリュット・セレクション・ランスタンタネ2005
品種:ピノ・ノワール35% ピノ・ムニエ30% シャルドネ35%
ドザージュ:9g/L
小売価格:7600円(テラヴェール)
表土は粘土を多く含み、その下には白亜質土壌、土壌由来の硬質なミネラル感、焼きたてのパン、ブリオッシュ、凝縮感のある味わい

#8:ユレ・フルール キュヴェ・テール・ナタル1999
品種:ピノ・ノワール30% ピノ・ムニエ30% シャルドネ40%
ドザージュ:5g/L
小売価格:14000円(テラヴェール)
10年間の瓶内熟成のトップキュヴェ、細やかな気泡、口当たり滑らか、ナッツ、ヴァニラ、砂糖漬け果実、余韻の甘味と旨味、バランスの良いシャンパン

[リボン]2012年のシャンパーニュ出荷総計(出典:C.I.V.C.日本事務所)情報
シャンパーニュの輸入量は900万本を超え、2007年の最高記録に迫っています。スランス本国、米国、英国などが前比割れしているなか、日本と豪州だけがプラスで、日本は4位に浮上。その理由の1つが、ロイヤル・ウェディング効果。供出されたポル・ロジェとローラン・ペリエの日本への輸入量も増えているようです。
第1位:英国、第2位:米国、第3位:ドイツ、第4位:日本、第5位:ベルギー、第6位:イタリア、第7位:豪州、第8位:スイス、第9位:スペイン、第10位:スウェーデン
ちなみに中国は12位、香港は14位、ロシアは16位、ブラジルは20位、インドは30位でした。




シャンパン編講座はロゼ三昧、お花見のヒントに! [オープンカレッジ]

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東京の桜は22日が見頃とか、今年は早いですね!

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今の時期はシャンパン編講座の教材選びでもついついロゼに傾倒気味・・・

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明るい玉葱の皮色やオレンジ、サーモンピンクと様々な色調の違いがあって楽しいです!

定番ロゼを6アイテム
#1:モエ・エ・シャンドン アンペリアル・ロゼNV 
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
品種:ピノ・ノワール40~50%、ピノ・ムニエ20~30%、シャルドネ10~20%
ドザージュ:9g/L
知名度No1のシャンパンメゾン。メタリックカラーのラベルと同色の色調、鮮やかです!
赤い果実(野イチゴ、ラズベリー、チェリー)、ドライフラワー、若干のペッパー風味
心地よい酸味と余韻に残る軽いビター感

#2:マム ロゼNV
生産者:マム(NM)
品種:ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ18%、シャルドネ22% 
ドザージュ:6g/L
サーモンピンク+明るいオレンジ、ブレンドする赤ワインの比率は12~14%、ピンクグレープ、赤い果実(イチゴ、チェリー、すぐり)、ヴァニラ、ミネラル感、素直に美味

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左から2番目のマムのキャップシュールにはレオナール・フジタが描いた「藤田の薔薇」が!

#3:アンリオ ロゼ・ブリュットNV
生産者:アンリオ(NM)
品種:ピノ・ノワール 約3分の2、シャルドネ 約3分の1
ドザージュ:10g/L以下
サーモンピンク+若干イエロー、6つのなかで一番熟成した香り、ピンクグレープフルーツ、マンダリンオレンジ、カシスの芽、ミネラル感、アンリオの個性“キレのある酸”、酸味がしっかりしている分、リザーブワイン(25%程度)を使うことでバランスの良さをキープ

#4:ゴッセ グラン・ロゼNV
生産者:ゴッセ(NM)
品種:ピノ・ノワール35%、シャルドネ58% 7%赤ワイン(アンボネ、ブジー産のピノ・ノワール)
ドザージュ:5g/L
気泡溌剌、色調サーモンピンク、フラワリー、重厚な印象の酸、ふくらみのある味わい、余韻に続く綺麗な酸

#5:ドラモット ブルュット・ロゼNV
生産者:ドラモット(NM)
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20 %
ドザージュ: 公表せず
ドラモットのロゼは講座初供出、サーモンピンク+若干のオレンジ、赤い花、赤い果実(イチゴ、ラズベリー、カシス)、ミネラル感、口中に広がる旨味、アフターのビター感

#6:ローランペリエ キュヴェ・ロゼ ブリュットNV
生産者:ローランペリエ(NM)
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:公表せず
ロゼ色はマセラシン(ぶどうの果皮を果汁に接触させる)のコントロールで抽出、オレンジ色を帯びたロゼ、明るい玉葱の皮の色、温度の変化により、複雑味が増し、芳醇かつ豊潤。デザートに赤い果実と合わせて楽しみたい1本、当日の一番人気!

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用意したのは定番、シャンパーニュ地方のチーズ『シャウルス』
チーズの“内側”と外側の“皮の部分”との相性をチェック
前者はミネラル感と酸のバランスが良い#2#5と溶け合い、チーズの内側・外側ともに上手に寄り添っていたのは#1


[リボン]JIP@新宿御苑で見つけた可愛い『ロゼさくら にごりスパークリング』
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フジッコ・ワイナリーさんが造っているロゼ・スパークリングです。ハーフサイズ(375ml)で小売価格1200円のやや甘口タイプ、程よい甘さなので、男女問わずに楽しめます♪
シャンパンと同じ製法で、二次発酵時に八重桜を入れて打栓。開けていない状態のボトル(右)は透明感のあるきれいなロゼ色、王冠を開けると白濁、にごります。これは瓶内の澱が気圧の変化で舞い上がるから。このスパークリングは五感で楽しめます。
素敵なお花見をenjoy!

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