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下半期最終講座は秀逸なピノ・ムニエの造り手『ジョゼ・ミシェル』の7アイテムを探求 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 下半期はレコルタン・マニピュラン(RM)で〆

NHK文化センター青山校は15日まで休講措置を取っていましたが、それ以降は開講となったので、下半期最後となる25日のシャンパン講座は予定通り実施できました。事前に講座生の皆さんに体調のチェックをお願いし、教室では、座席の配置、換気、サービス面ではボトルの扱い等、今まで経験したことのない気配りを徹底。無事に終了することができてこころから安堵しています。

 供出アイテムを鳥瞰

 #1:ジョゼ・ミシェル ブリュット・トラディションNV
 #2:ジョゼ・ミシェル ブリュット・ピノ・ムニエNV
 #3:ジョゼ・ミシェル ブリュット・ロゼNV マグナム
 #4:ジョゼ・ミシェル ブリュット・グランド・ヴィンテージ2011
 #5:ジョゼ・ミシェル ブリュット・スペシャル・クラブ2012
 #6:ジョゼ・ミシェル ブリュット・スペシャル・クラブ2013 マグナム
 #7:ジョゼ・ミシェル ラ・キュヴェ・デユ・ペール・ウダール


           1847年創業のメゾン『ジョゼ・ミシェル』
       画像提供:ラシーヌ

1月に来日したシャンパンメゾン『ゴッセ』のシェフ・ド・カーヴのオディロンさんに、「今まで味わったなかで、最も印象的だったシャンパンは?」と質問してみました。その折、「ジョゼ・ミシェル・エ・フィスの1923年VT (ムニエ100%、ノン・マロ、デゴルジュマン1926年、試飲年1993年) との回答だったので、久々にRMのメゾンに注目してみました。日本では (株) ラシーヌが扱っています。

  画像提供:ラシーヌ

シャンパーニュ地方のムッスイ村に位置する『ジョゼ・ミシェル・エ・フィス』は初代ポール・ミシェル(1860~1936)が1912年にぶどうを収穫して最初の瓶詰を実施。2代目レイモン・ミシェ(1902~1971)は醸造方法を開発しシャンパーニュの生産量を増大させました。現当主ジョゼ・ミシェル(1955~現在)はシャンパーニュ造りにおいて3品種を適合させた品質に注力しました。次期当主の息子ブルーノは1980年からメゾンに参画し、初代から培ってきたノウハウを伝承し、ワイン醸造の責任者としてメゾンをサポートしています。

 画像提供:ラシーヌ

自社畑は21㌶で、栽培品種はピノ・ムニエ10㌶、シャルドネ8㌶、ピノ・ノワール3㌶。平均樹齢は30年で区画によっては超50年。土壌は粘土石灰質、栽培はビオロジック、HVE (環境価値基準) 取得。醸造は木樽およびステンレスタンクを用いた伝統的製法。年間生産本数9万本。



  第1フライトはNV比較

 #1:ブリュット・トラディションNV
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ70%、シャルドネ30%
 ドザージュ:9g/L
 価格:4,900円(税別)
 淡いイエロー、柑橘系果実のアロマ、ジンジャー、GFの内果皮似のビター感、塩味、クリーミー、樹齢1970年代

 #2:ブリュット・ピノ・ムニエNV
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
 ドザージュ:10g/L
 価格:5,200円(税別)
 黒ぶどうの果皮由来の色調、フレッシュ&フローラル&フルーティー(夏みかん)、第1フライトの一番人気

 #3:ブリュット・ロゼNV マグナム
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール50%/セニエ方式
 ドザージュ:9g/L
 価格:13,000円(税別)
 オレンジを含むロゼ色、アセロラ、ピンクペッパー、ロースト、スパイス、若干のタンニン、樹齢1982年
 料理のイメージとしては牛フィレを塩で調理、舌の上に広がる脂分を洗い流してくれるタンニンが魅力!

 


 第2フライトはヴィンテージ
 #4:ブリュット・グランド・ヴィンテージ2011
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40%
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,000円(税別)
 気泡繊細&活発、果実の豊潤さ、りんご、GF、ミネラル、中盤以降の酸味の広がり、酒質良好

スペシャル・クラブとは
シャンパーニュ地方の旧家出身のワイン醸造家12名が1971年に設立した『クラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュ』は自分たちが造る上級キュヴェを通じて、シャンパーニュの独創性を表現しています。特別なワイン=素晴らしいヴィンテージ造りを旨とし、定められた醸造憲章に従い、特別のボトルに瓶詰めしてリリースしていますが、エノロジスト等の専門家による官能検査に合格したシャンパーニュだけが『スペシャル・クラブ』として認められています。当初12名からスタートした同クラブには、ジョゼ・ミシェル、ポール・バラ、ピエール・ジモネ、ジャニソン・バラドン他、現在32名が加盟しています。


 #5:ブリュット・スペシャル・クラブ2012
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40% 
 ドザージュ:8g/L
 価格:8,800円(税別)
 イエロー、ストーンフルーツ、りんご、白い花、ミネラル、安定した酸の広がり、熟成感、樹齢1920年代

 #6:ブリュット・スペシャル・クラブ2013 マグナム
 良年だけ造られるスペシャル・クラブ、独自のオリジナルボトルでリリース!

 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40% 
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,200円(税別)
 メゾンのフラッグシップをマグナムで! イエローベージュ、第2フライトの中では一番香り控え目
 穏やかな酸化のニュアンス、アカシア、白カビチーズ、パンデピス、木樽の軽いビター感、広がりのある味わい

  第3フライト
  #7:ラ・キュヴェ・デユ・ペール・ウダール ブリュット・アッサンブラージュ
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 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ40%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ20%
 ブレンドVT:1971、1975、1982、1984、2011の5ヴィンテージ
 ドザージュ:4g/L デゴルジュマン:2014年3月12日
 価格:12,200円(税別)
 黄金色、クルミ、杏や黄桃のコンフィ、蜂蜜、ロースト、焙煎香、スパイス、温度変化で複雑味、クリーミー

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  製品についてのお問い合わせは(株)ラシーヌ/Tel 03-6261-5125

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5月に予定していた『春のシャンパーニュとパリ』ツアーは延期いたします! [シャンパン]

       ツアー延期のお知らせ

コロナウイルス禍は世界中に広がっており、欧州ではイタリア、スペイン、そしてフランスでも多くの感染者が出ています。
今月半ばから、親しいフランス在住のワイン関係者と連絡を取り合い、情報を伺っていました。その結果、今週月曜日、ツアーの延期が望ましいと判断しました。
ブログへのアクセス数も多く、ツアー自体成立していたので、お申し込みくださっていた皆さまには、コロナウイルスが終息し、安心して渡仏できる段階になりましたら、再度、ご案内させていただきたいと思っております。
ご理解の上、何卒宜しくお願いいたします。

訪問メゾン

シャンパーニュ業界最古といえる1825年ヴィンテージがストックされているヴィノテーク。英国向けの辛口ワイン造りでも歴史あるペリエ・ジュエ


カーヴで瓶熟中の『ベル エポック』、エミール・ガレが描いたアネモネの絵柄で有名!


エミール・ガレの優雅なランプ
JTBグランドツアーご参加の皆様には、アール・ヌーヴォーの宝庫『迎賓館』でアペリティフとランチが予定されています。ペリエ ジュエからの特別なおもてなし!


1812年創業のローラン・ペリエ
「お水は飲まないで=シャンパンを飲んで!」というメッセージと可愛い銅像


ローラン・ペリエの最高級アイテム『グラン シエクル』のオールドヴィンテージ
カーヴには1959年にグラン シエクルが発売されて以降のすべてのヴィンテージが保管されています。

ちなみに『グラン シエクル』の名付け親はシャルル・ド・ゴール元大統領です。ローラン・ペリエの前当主ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏は第2次世界大戦時、ド・ゴール将軍の 演説に触発され、レジスタンスとして戦っていた軍曹でした。
ドゥ・ノナンクール氏は、ヒトラーが略奪したワインを隠していた 山荘“鷲の巣”に踏み込む先陣役の命を受け遂行した功労者です。大戦中の逸話は飛鳥新社刊『ワインと戦争(Wine & War)ヒトラーからワインを守った人々』に詳しく出ています。何度読み返しても感動するシーンです。

さらにバージョンアップした内容で
ペリエ・ジュエ&ローラン・ペリエ(LP)には連絡済みです。
LPのインターナショナル・キーアカウントマネージャーのギヨームさんに「コロナウイルスが終息したら誰よりも早く訪問させてください」とメールしたところ、一番乗りの快諾をいただきました!

「とても興味があるのですが、5月の日程が合わなくて・・・」とおっしゃっていたシャンパンラバーさんが結構いらっしゃったので、新ツアーではさらにバージョンアップさせた内容にしたいと思っています。
JTBグランドツアー様としっかり詰めてまいります。
引き続き、宜しくお願いいたしますm(_ _ )m
◆JTBグランドツアー(担当:龍谷様) 電話: 03-5766-3300

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戸塚昭先生の引率でスペシャルタイム ~新潟県長岡市の蔵元『久須美酒造』訪問記~ [新潟『久須美酒造』訪問記]

前のブログでは久須美酒造の日本酒とフレンチのマリアージュ編をお届けしました。今回は蔵内見学編です。同社では現在、施設の見学を受け入れていませんが、20年以上にわたり、技術顧門をしている農学博士 戸塚昭先生の引率により貴重な時間を共有させていただくことがきました。

      1833年(天保4年)創業の久須美酒造株式会社

新潟県長岡市にある久須美酒造を代表する『亀の翁(かめのお)』は、6代目の久須美記廸(のりみち)会長が、幻と言われていた酒米“亀の尾”を復活させ、その酒米で造りあげた銘酒です。1983年に商品化されました。1988年に、それをモチーフにしたコミック『夏子の酒』が週刊モーニングで連載され、1994年にはテレビドラマ化されたことで、『亀の翁』は爆発的なヒットに。テレビドラマは私も観ていました!

 3度の災害を乗り越えて

良いことばかりではなく、2004年7月には水害で裏山が崩れ、創業当時からの2棟の蔵が全壊。4本のタンクのなかにあった貯蔵中のお酒も全滅。大雨の半年前に『亀の翁』用に新設した冷蔵庫も土砂に埋もれてしまいました。16,000本余り入っていたそうです。同年10月の中越地震では土蔵の壁が崩れ、7月の水害後修理していた場所も再度被害を受ける羽目に。そして2007年7月には中越沖地震があり、過去2回ほどの被害ではなかったにせよ、3度の自然災害を受け、風評被害もあって大変な時期を経験してきた久須美酒造です。「2004年の7.13水害で発生した土砂は11トンダンプカーで3000台分あり、2年半かけての大工事となりました」と久須美社長は語っていました。

裏山の崩壊に関しては、新潟県から安全対策が施され、同時に修復個所は県の所有になりました。そこで、6代目が県に対して、大切な水源林と環境の保全を目的とし、今後は官と民が協力して災害跡地を安全に維持管理を行うモデルケースとすることを提案。結果、今は双方で管理しています。
さらに、災害の記憶を後世に伝えるべく、この場所には社員たちの手によってソメイヨシノ25本、梅の木10本も植樹され、大切に育てられています。クレープのように見えるところは、植物の種で抑えた花壇です。この敷地には酒仕込みに使う水源があるので、鉄などの金属は使えません。この貴重な水源は、新潟県の名水のひとつで、久須美酒造の酒造りにはなくてはならない存在です。

排水に関しては工場内のすべての水を一か所にまとめ、そこに微生物を住まわせて水を浄化。さらにコンマ3ミクロンの膜を通して川に流す徹底ぶり。近年、蛍が生息していることがわかりました。蛍はなにより水が綺麗で、静かな場所でないと生きていけないので、久須美酒造の環境面にも注目していただけると嬉しいです。

 池にはサンショウウオも

環境への配慮に力を入れている蔵元にとって嬉しい出来事がありました。池の清掃をしていた時に発見したサンショウウオ、天然記念物ですね!


歴史と伝統を感じさせる佇まい。
1995年には故高円宮憲仁殿下、1997年には紀宮清子殿下もお立ち寄りなさいました。

 ブログで蔵内をご披露します!
 久須美 賢和社長(中央)の案内で蔵内見学!


 「一粒選りの米粒」の意味を持つ精米の“精”
久須美酒造の精米歩合 拡大してご覧ください

どんな良質な米でも、米粒の外側には酒造りに邪魔な米糠の成分があるので、これらを除いてお米を丁寧に磨きあげます。酒米は柔らかく砕けやすいので時間をかけてゆっくり行います。精米歩合40%だと50~60時間かかるそうです。

「全量自家精米で行っています」と語っていた久須美社長。その理由について伺うと「委託で精米するとコスト面では安価で済みますが、他のお蔵さんと精米の時期が重なってしまので、精米を急ぐ結果、米が割れたり、異なった品種の酒米や、精米歩合の違う酒米が納品される可能性もゼロではありません。また、米の質はその年の気候に大きく左右され、とりわけ2019年は夏の猛暑で米が硬くて割れやすかったので、自家精米の強みを活かし、ゆっくりと時間をかけて丁寧に磨くことで米の損傷を防ぎました。安全性と品質を優先にした原料処理は、良酒造りの第一歩であり極めて重要です」と解説してくれました。


戸塚先生のアドバイスを生かして完成させた高級外車一台分相当の洗米機。ミクロの空気泡を発生させて洗米することで、高精白の米を壊さずに、米糠や米粉を徹底して取り除くことができる優れもの。酒質の綺麗な酒造りには欠かせない代物です、凄いです!
ちなみに米粉の除去は糖尿病患者の食事にも効果があるようです。

     真冬に大吟醸用の米を手で洗っていた話

久須美社長は泡洗浄以前の話として、「大吟醸造りでは、米を15㎏ずつザルに入れて、真冬に6~8度の水で手作業によって洗っていました。洗米した後、一回引き出し、上から水をかけて、ザルのなかの米の上下をひっくり返す作業があるのですが、その時に米粒が割れてしまうことがありました。今ではその心配もなくなり、酒質にも大きな違いが出ています」と述懐。


 精米した米を水洗いして、吸水させる洗米と浸漬の作業に取り組む若い蔵人たち


 
1985年に新潟県の36ヶ所の名水のひとつに指定された久須美酒造の湧き水。ピュアで口あたりの柔らかい軟水は素晴らしく美味でした!

「山田錦等と比べると亀の尾は小粒」と戸塚先生


 
先生から「稲が登熟する時期に日較差(昼夜の温度差)があると心白(しんぱく/米の中心が白くて不透明)が多くなるが、2019年のように暑すぎると腹白(はらじろ/米の側面が白色不透明)になりやすい」との説明がありました。


 日本酒造りの要塞 “麹室”

当日は見学できなかったのですが、洗米後、和釜と甑(こしき/大きな木の桶)を使って、外硬内軟の蒸米を造ります。戸塚先生は「蒸米を室温33℃、湿度63%の蒸し暑い麹室に運び入れ放冷します。蒸米の表面が適度に乾燥した時点で、麹の胞子を散布します。1時間程経過すると、肉眼で見たところではわかりませんが、麹菌の胞子は発芽し、菌糸は蒸米の内部に食い込んでいきます」と解説。麹菌の胞子の“神秘的”とも言える働きに感嘆!


蒸米の山田錦。米粒の外側は硬めでさばけがよく、内側は麹菌が食い込みやすいように柔らかい“外硬内軟”の状態。ゴアテックスで木製の容器を覆い、温度と湿度を保ちます。

  湿度の低い部屋へ移動

菌糸が米の中心部に向かって入り込んできたら、今度は室温38℃、湿度23%以下の乾燥した部屋に移動させ、ゆるやかに内部の水分を飛ばしていきます。ポイントは温度を上げて水分を飛ばすことです! 普通、水分を飛ばせば温度は下がりますが、久須美酒造の米麹造りでは、温度を下げないようにして水分を飛ばしています。すべてを順序立て、丁寧に50~60時間かけてその工程が行われます。機械でやれば簡単に済む作業と思いがちですが、麹の状貌、香り、味等を人間の感性で把握して作業することが重要だということです。日本酒造りの要となる“麹の質”、酒の味を決める“麹”が違ってきます、日本の伝統、職人技です!
戸塚先生は弾力計、温・湿度計、香りセンサや味センサといった分析機器を使って麹造りの工程管理の“見える化”を試行なさったそうですが、今のところは瞬時に判断し作業を行うためには、人間の感性がベストということでした。

       百聞は一見に如かず、戸塚先生が見せてくださった米麹の姿



これが突破精麹 (つきはぜこうじ)、難しい名前です!!!
(55%山田錦・仕舞仕事)
麹の菌糸が米粒の中央部に食い込んでいるのがわかります。久須美酒造ならではのふくよかで艶やかな風味の立役者です。突破精麹にすると味のりが悪いという蔵が多いようですが、久須美酒造の出麹を奥歯で噛んで味わってみると・・・2~3秒経ってから甘さふ~んわり、好感度大!
戸塚先生いわく「米の味とか酒の味って言うけど、本当は麹の味に他ならない」と。
実は、フレンチとのマリアージュの時に、このお言葉を強く実感した私です。


発酵中の醪(もろみ)の状態を見せてくださった蔵人の前田泰伸氏
酒造りを目指したきっかけはテレビで観た『夏子の酒』とか!

         醪はタンクのなかでゆっくり発酵

 2016年にパーカー・ポイントで98点!

多くの受賞歴を有す蔵元です。2016年には『亀の翁 三年熟成』がパーカー・ポイントで最高点98ポイントを受けました。ロバート・パーカー・ワイン・アドヴォケート社が独自の評価基準を日本酒に採用して全国800銘柄から選択したものです。余談ですが、久須美酒造では2018年から全国ならびに関東信越局で開催されている鑑評会への出品はしていません。その理由は「料理を美味しくするのが日本酒」、「日本酒は熟成させて美味しいものでなければならない」を旨とする蔵元であり、カプロン酸エチル高生産性酵母による日本酒を造っていないからです。
香りが高いのが特徴。長熟すると香味のバランスや味わいに変化が出やすい酵母

個性あるラベルも魅力

生産量は1000石、一升瓶に換算すると10万本です。
清泉のネーミングは新潟県出身の哲学者、東洋大学の創始者である井上円了博士で、2代目作之助氏と交流があったことに由来しています。三本のブルーの直線と黒字のコントラストが斬新なラベルのデザインはアート・ディレクターの浅葉克己氏、日本画家の千住博氏の代表作“ウォーターフォール”が施された七代目からは伝統美を感じます。


夏子物語は前回でご紹介した通り、8代目として期待されている久須美諒典君の作品です。画像は久須美三兄弟の書道パフォーマンス!



久須美酒造に引率してくださった農学博士の戸塚先生は、酒類の評価をする時、「この部分を改善すれば酒質が良くなる」といった感じで、まず直すべき点をおっしゃいます。とても厳しい意見が多いのですが、的確な指摘になっています。それだけに、ご自身がアドバイザーとして名を連ねている蔵元の酒造りに関しては、先生の経験と知恵が注ぎ込まれていると感じました。

先生の常套句は「料理を美味しくするのが日本酒」、「日本酒は熟成させて美味しいものでなければならない」なのですが、それらを形にしたものが、久須美酒造の日本酒だと思います。その要は “突破精麹(つきはぜこうじ)”であり、この麹を生み出すには、何より丁寧な造りが大事です。ワイナリーで見かけるステンレス製の容器やパイプ達とは無縁の、対極にある醸造所。江戸時代の伝統が今に生かされている蔵元であることが良くわかりました。本当に貴重な体験でした、ありがとうございました!
私はワインに於けるパーカーポイントはあまり好きではありませんが、ワイン・アドヴォケート社が『亀の翁 三年熟成』に高評価を与えたことは驚きであり、少しだけ、パーカーを見直す機会になりました。

 [NEW]3月中旬にリリースされた銘酒『亀の翁』
 画像協力: Hidetoshi koda
久須美社長が「3月中旬に『亀の翁』をリリースします」とおっしゃっていたので、心待ちにしていました。ワイン仲間で日本酒ファンのKodaさんから嬉しい画像が届きましたので、お知らせします。銘酒『亀の翁』ファンの方はチェックなさってくださいませ。

 桜の開花を待ちながら・・・

日本政策投資銀行の『新潟清酒の再興戦略』が興味深いものだったのでがリンクしておきます。ケーススタディに『久須美酒造 (35頁) 』についての記述がありました。蔵元の考え方を理解する上でもご一読を!
https://www.dbj.jp/ja/topics/region/area/files/0000029943_file2.pdf 
出所:日本政策投資銀行


 最後に・・・感謝を込めて

往路は上越新幹線『MAXとき』に乗りました。
わずか1時間半ほどで長岡駅着。2階席も、夏子の酒トリオ (松井、谷澤、青木の3人で~す) にとっては初体験だったのでここでもハッピータイム!

繁忙期にこのような貴重な体験をさせてくださった久須美酒造の久須美社長および蔵元の皆さま。今回のご縁をくださった戸塚先生に、改めて感謝いたします。
ありがとうございました!!
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新潟『久須美酒造』の日本酒 とフレンチのマリアージュ@和島トゥー・ル・モンド [新潟『久須美酒造』訪問記]

 日本酒とフレンチの本格的マリアージュ体験
photo by Noriko san
 (左から)戸塚先生、松井さん、青木、谷澤さん、久須美社長

2月末、農学博士で、国税庁醸造試験所第三研究室長や東京農業大学客員教授を歴任なさった戸塚昭先生の引率で、新潟の蔵元久須美酒造様を訪問してきました。戸塚先生は清酒醸造のアドバイザーとして久須美賢和 (よしたか)社長とすでに21年来のお付き合い。私にとっては初めての酒蔵体験だったので、今回はワイン仲間で朋友の松井千尋さんと谷澤憲子さんにお声がけして伺いました。おふたりともワインスクールの講師をしています。

 総閲覧数600万PVを記念して

世界中がコロナウイルスのせいでカサカサですね。でも、私は拙ブログに立ち寄ってくださった皆さまのおかげで閲覧数も600万を超え、気分的に癒されています。

  ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]

久須美酒造様では、酒蔵見学と、その後に、フレンチとのマリアージュ体験をさせていただきましたので、この記念の回ではマリアージュ編からスタートしたいと思います。“おいしいブログ”になっていますので、宜しくお願いします!


      ラベルに込められた伝統と革新

久須美酒造様の名前を知らなくても、“夏子の酒の”と言えば、「あの蔵元!」とおっしゃる方が多いのではないかと思います。
幻の名米『亀の尾』復活自家栽培の酒造りがモチーフになった漫画『夏子の酒』(講談社のモーニングに連載。ドラマ化されテレビでは和久井映見が夏子役を演じていました)がヒットし、その縁から誕生したのが『夏子物語』です。
久須美社長は「30年の長きにわたり、皆さまから親しまれてきましたが、年号が変わり、新しい時代が始まることを機にラベルを一新することにしました」と。そして、令和になる直前にラベルをチェンジ。ここには久須美酒造様の伝統と革新が込められています。

  伝統を継承する久須美家の3本の矢
  画像協力:久須美酒造 画像拡大可
  (右から)長男 諒典(りょうすけ)君、三男孝優(たかひろ)君、次男諄征(ともゆき)

同蔵元は1833年創業なので今年で187年! 
200周年を目指し、伝統は女紋の揚羽蝶と男紋の三引両の家紋で表現しています。そして、革新は7代目久須美社長の長男諒典 (りょうすけ) 君の手による“夏子物語”の書! 
社長には3人の息子さんがいらっしゃいますが、いずれも書の道に長けています。まさに久須美家の3本の矢!! なかでも諒典君は新潟県知事賞等の多くの賞を受けています。現在16歳 (書は15歳当時の作品) なので、“伝統と革新”を旨とする蔵元の後継者としても将来が本当に楽しみです。


 和島トゥー・ル・モンド

新潟県和島地域の旧島田小学校が、8年前に地産地消で誰もが楽しめるフレンチレストラン『Bague』に生まれ変わりました。結婚式等でも活用されていますし、パン工房も併設しています。
久須美家も卒業生として名を連ねており、社長の祖父の米寿(88歳)のお祝いもBagueで行ったそうです。母体が社会福祉法人なので雇用面では障害のある方に配慮ある対応をしており、様々な部署で各人が個性に合わせた働き方をしています。


 寺泊のホワイトアスパラのポタージュ

出雲崎産のイカを中に盛り込み、緑色は寺泊産ネギの青い部分を使って仕上げたクスクス&地元で収穫した色とりどりの野菜。出雲崎で取れた海水を長岡で精製したオリジナル塩を使うこだわりもナイス!
最初に登場した『七代目 純米吟醸生貯蔵酒 』は、ふくよかで、口中にす~っと馴染み、中盤は程良く広がり、切れの良い旨さで着地。“ふくらみと切れ”、この真逆感を形にしているのは戸塚流の麹扱い!

 目からウロコの“パンと燗酒”のマリアージュ
自家製パン (プレーン、胡麻)と『清泉 雪』
お燗(45度)で供出されたのですが実際に味わった時の温度は42度位。プレーンのパンを少しだけ口に入れ、その後、清泉雪を口中に含むと~ほんのりと甘さが広がり、ふわ~っとまるい食感で双方が溶け込み、雪解け感覚!?  
たかがパン、されどパン、上燗にパンを合せるなんて面白すぎ、絶妙でした!


「お燗の温度は通常40~48度です。低温発酵で造ったものなら40~42度で。精米歩合が60%程磨いたものなら45度(平均的な温度)、それはアミノ酸や酸が多くなるからです。48度になると少し高い。とびきり燗のように高い温度にしてそれから温度を下げるとアルコールと水の分子が結合するので味が柔らかくなるが、それだとお酒が可哀そう」との戸塚先生の解説がありました。

出雲崎産の黒鯛のポワレにアサツキを入れたブールブランソース、隠し味は日本酒、つけ合わせはタラの芽としいたけ。日本海で獲れる魚は弾力があり、その力強さに対抗できるのは、Bagueの斎藤篤支配人が “The Nihonshu”と形容していた『夏子物語』

越後牛のランプ肉にはブラックペッパー、2品目にも出てきたオリジナル塩を使用。「肉は噛み込むとミルクの味を感じます」と斎藤支配人。大吟醸のふくよかさ、エレガントかつ力強さがランプ肉の旨味と相乗。「麹がしっかりしているから」と戸塚先生。その一言が納得できた瞬間でした。

寺泊産のキンカンとショコラ、酸味と甘味のハーモニー! 
デザートを日本酒に合わせるのはなかなか大変ですが、口中にゆるやかに広がり、最後は花火のようにす~っと消えていく(ネーミング通り) 時に、 口中のショコラや柑橘の軽いビター感を洗い流してくれる印象。

90mlの容量でもそれを感じさせないグラスのフォルム。重心が低く、飲む時に顎があがらない戸塚先生考案の冷酒杯。器に関しても有意義な体験ができました。

(右から)清泉「七代目」純米吟醸生貯蔵酒、清泉「雪」、純米吟醸「夏子物語」、清泉「七代目」出品大吟醸、清泉「夢花火・恋花火」

戸塚先生は「料理をおいしくするのが日本酒」で、「料理を食した時に舌の上を洗い流し、リフレッシュ(次にまた食べたくなる)させてくれるのがワイン」とおっしゃっていましたが、フランス料理に寄り添い、調理毎・素材毎に様々な表情を見せてくれる久須美酒造様の日本酒はとても興味深いものでした。

音大卒の斎藤篤支配人はピアノ演奏で我々を癒してくれました。古き趣きあるピアノ!
当日の気配り名人 斎藤支配人にも感謝を込めて、ありがとうございました。

      懐かしさに満ちた空間
      画像突き当り奥がレストラン『Bague』

  体育館の天井には教会建築で使う天蓋が!

 アーティストの作品展、展示会も行われています。

新潟県長岡のお土産は久須美社長お薦めの逸品菊鮭寿し、新潟訪問翌日のシャンパン講座で披露させていただきました。全員笑顔で大満足、ご馳走様でした!

 “麹”の重要性を説いていた戸塚先生との蔵元視察編は次回!
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“ミモザの日” 3年目を迎えたJoseph Perrier × Jalux のミモザキャンペーン [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

 春の花ミモザをテーマにしたシャンパーニュ プロモーション
ビジネスでは初来日のシェフ・ド・カーヴ ナタリー・ラプレイジュさんと1981年以降定期的に来日している親日家オットー・プシュビラ取締役

ナタリーさんはシャンパーニュ専門誌Bulles et Millésimesで2019年に女性初のセラーマスターオブザイヤーを受賞しました。おめでとうございます!
3月9日がお誕生日ということで、ランチ会場のラ・メゾン・キオイ(赤坂プリンス クラシックハウス内)が可愛いケーキ[バースデー]をプレゼント! ナタリーさんがワイン造りやメゾンについて語ったことは、ワイン王国様のWEBで紹介させていただきました!


ジョセフ・ペリエと輸入元Jaluxのコラボレーション、ミモザキャンペーンも3回目を迎えました。2018年にオットー取締役が行った来日記念ランチにメゾンの沿革等についてまとめているので添付しておきます。

毎年3月8日は国連が定めた国際女性デー、イタリアでは女性にミモザの花を贈る日ということで「ミモザの日」と呼ばれているそうです。

ジョセフ・ペリエの顔『キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV』のラベルもイエロー、Jalux考案のミモザグラスも活躍しています。

アミューズはフォアグラのクリスピーサンド × キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV、 双方のビスケット的な風味が相乗してイイ感じ!


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前菜は(左から)真鯛のカルパッチョ 熊太郎トマト、帆立と東京ブッラータチーズ 土佐酢のジュレ、ローストビーフ トリュフヴィネグレット


スペシャリテのオニオングラタンスープ
キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ド・ブランNVは単独で味わうとファーストインパクトにきりりとした酸味が広がるのですが、オニオングラタンの溶けるチーズと玉ねぎの甘味と合わせるとシャンパンの酸味が緩和され、予想以上のナイスマリアージュに!


鰆のポワレ レモンバターソースと春野菜 × キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ヴィンテージ2008。レモンで風味付けしたコクのあるバターソースでしたが、21世紀秀逸なヴィンテージ2008との勝負では分が悪い気がしました。むしろ、黒ぶどうの比率が高いキュヴェ・ロワイヤル・ブリュットのほうが合わせやすかったです、さすがメゾンの顔!


キュヴェ・ジョセフィーヌも2008ヴィンテージ!

メインの国産牛フィレ肉のソテー 下仁田葱、XO醤を使ったコクのあるソース。キュヴェ・ジョセフィーヌの複雑味がしっかり受け止めていました!


デザートは奈良県生まれのイチゴ“古都華”のパヴロバ


メレンゲとバニラアイスクリームがロゼ・シャンパンのブリッジ食材になり、春めく相性

プレスランチに登場したアイテム
(左から順に)
#1:キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV
#2:キュヴェ・ロワイヤル・ブラン・ド・ブランNV
#3:キュヴェ・ロワイヤル2008
#4:キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
#5:キュヴェ・ジョセフィーヌ2008



 2025年に200周年を迎えるジョセフ・ペリエ
 画像はすべて2019年11月の訪問時撮影
シャロン・アン・シャンパーニュに位置するジョセフ・ペリエ

6代目のベンジャミン・フルモンCEO@自社畑のあるキュミエールで

5年後に200周年を迎えるため、メゾンの改修が行われています、2020年夏に新しいセラー完成予定!


       ジョセフ・ペリエ自慢のセラーはガロ・ロマン時代の遺産

[ダイヤ]製品についてのお問い合わせはJalux ワイン部 Tel:03-6367-8756
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2月のシャンパン講座、ハイライトはゴッセ究極の『セレブリス セレブリッシム1995』 [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

  ゴッセの魅力全開!!

今年最初の取材メゾンはゴッセでした。
1月に来日した醸造責任者のオディロン・ド・ヴァリーヌさんと輸出担当マネージャーのカリナさんが語ってくださった内容はオディロン・ド・ヴァリーヌ醸造責任者が語ったシャンパーニュ『ゴッセ』の魅力にまとめてあります。


        出典:テラヴェール(拡大可)


 シャンパン講座では5アイテムを供出

新型コロナウイルスのワクチンや検査キット等の安心情報が無い状況下なので、2月の講座は半数くらい欠席かしら・・・と危惧していたのですが、シャンパンラバーの皆さま(仕事の都合で1名欠席)と笑顔で再会できました。ありがとうございます!
2月26日に行った回ではオディロンさんから伺った超フレッシュな情報と今まで知られていなかったゴッセのこだわりについて講座生の皆さんにお伝えしました。

ゴッセのシャンパンのなかで、MLFをしているアイテムが1つだけあります。それは『エクストラ・ブリュット(最低36ヵ月の瓶内熟成)』で、理由は“リンゴ酸を生かすためには長熟させることが肝要”なので熟成36ヵ月では、それが表現できないという考えだからです。リザーヴワインに関しては14年前は16%、近年は8~12%なので、他のメゾンと比べて圧倒的に少ないのが特徴。あくまでスパイス的、穴埋め的に使用しています。ドザージュ量は温暖化の影響で近年減少傾向になっています。

  第1フライト



#1:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV マグナム
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、シャルドネ45%、ムニエ10%
ドザージュ:7g/L
価格:18,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、アンボネー、ル・メニル・シュル・オジェ。色調はレモンイエロー、白桃、スモモ、柑橘系果実のアロマ、ロースト風味、ふくらみのある余韻と綺麗な酸味

#2:ゴッセ グラン・ブラン.・ド・ブラン・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:11,000円(税別)
主要生産村GCはアヴィズ、シュイイ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、トゥール・シュル・マルヌ。「コート・デ・ブランのシャルドネの繊細さとモンターニュ・ド・ランスの骨格をブレンドすることでゴッセ独自のブラン・ド・ブランに仕上げています」とオディロンさん。白い花、アプリコット、スモモ、かりん、柑橘系果実のアロマ、グレープフルーツの内果皮(軽いビターさ)、ミネラル、#1より口中すっきり、エレガント

#3:ゴッセ グラン・ロゼ・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%、ブレンド用赤ワイン8%
ドザージュ:8g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアンボネー、ブージー、ヴェルズネー、アヴィズ、シュイイで、ブレンド用の赤ワインはブージー、アンボネー。色調はオレンジ色を含んだサーモンピンク、木苺のようなフレッシュさ、バラ、コンフィや熟したイチゴ、スパイス、若干のタンニン、全体を引き締める爽やかな酸味

 第2フライト



#4:ゴッセ グラン・ミレジム・ブリュット2006
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール56%、シャルドネ44%
ドザージュ:6g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ルーボワ、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。「2006年は良質のピノ・ノワールに恵まれたので、熟度の高いピノ由来の豊かな果実味と長期の瓶熟による凝縮感を楽しんで欲しい」とオディロン氏。イエローゴールド、気泡はワインに溶け込み口中クリーミー、蜜を含んだりんご、洋梨、スモモ、プラム、焙煎香、アールグレー、余韻に持続性のある酸味

#5:ゴッセ セレブリス“セレブリッシム1995
生産者:ゴッセ(NM)/生産量1,000本
ぶどう品種:ピノ・ノワール54%、シャルドネ46%
ドザージュ:8.5g/L
価格:70,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ヴェルズネー、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。10年間シュル・リー、その後澱抜きをしてさらに10年以上熟成させた特別なアイテム。かりん、アカシア、ハーブやスパイス、バルサミコ、クルミ、層になって広がる長い余韻。フレッシュかつ時間の経過で複雑味と旨み。ゴッセが求めるスタイルを表現した逸品。

  新潟の食用菊を使った押しずしとのマリアージュ

講座の前日、酒類界の重鎮 戸塚昭先生の引率で親しいワイン仲間と新潟の久須美酒造を訪問してきました。久須美社長自らご案内くださった日本酒造りとその後のフレンチとのマリアージュランチは本当に素晴らしい体験でした。これらのリポートは改めてブログにアップいたします!

新潟はおいしい食材にあふれています。
帰路、久須美社長に「新潟ならではのお土産を探しています。明日のシャンパン講座で楽しめるものはないですか?」と相談してみました。そこで、揃えたくださったのが、ホテルニューオータニ長岡 胡蝶の菊鮭寿し、お米も銀鮭も食用菊もすべてが新潟県産の特産品です、素敵!

講座ではおいしい時間になりました。
多くの講座生を納得させたマリアージュは菊鮭寿しとロゼ! 鮭のピンクとはもちろん色でも良く合いますが、お寿司のハーブ系要素、程良い塩味、すし酢等がリンゴ酸を生かしたシャンパンとバランスが良く、何より、赤ワインに由来するタンニンが口中を綺麗に洗い流してくれました。さすがロゼのスペシャリストを自負するゴッセ。久須美社長のお気遣いにも改めて感謝いたします!!
菊鮭寿し誕生の由来は、2011年11月に日経新聞に掲載されていた食用菊の押し寿し開発ニューオータニ長岡をご覧くださいませ。人気の限定製品なので売り切れてしまうこともありますが、シャンパンと楽しめる新潟県のお土産としてお薦めできます。

 一期一会のアイテム『セレブリッシム1995』

ゴッセがメゾン初のアイテムとしてリリースさせたセレブリッシムについて、ワインのこころで紹介していますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。セレブリッシムの次なる登場がいつになるのか、どのヴィンテージになるのか、今の段階では未定なので、この1995年を見つけたら買いですよ!!

[ダイヤ]製品についてのお問合わせはテラヴェール(株) TEL 03- 3588-2415
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【ご案内】2020年最初の単発講座はオレゴン&ワシントンワインにフォーカス! [ワシントン/オレゴンワイン]

      オレゴン・ワシントンワインの魅力を伝道
      オレゴン州ウィラメット・ヴァレーの『ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン』/ 2019年7月撮影

NHK文化センター青山校の定番シャンパン講座とは異なるイレギュラーな単発講座が『ワインで巡る世界ツアー』です。2018年にスタートし、第1弾はポルトガル領のマデイラ、第2弾はカリフォルニア州のナパ・ヴァレー、第3弾はシャンパンに拮抗する世界のスパークリングワイン、そして今年初となる第4弾はオレゴン・ワシントンに特化します。

昨年7月に両州を視察、今年2月に世界初開催された育成プログラム『Certified Specialist of Pacific Northwest Wines』で、第1回Wine Specialistとして認証されたので、“鉄は熱いうちに打て”ということわざにならって、両州の最新情報を盛り込んで、オレゴン・ワシントンワインの魅力を伝道させていただきます。


ワシントン州AVAレッド・マウンテンから見た日没、見事な景観 / 2019年7月撮影

講座の前半でオレゴン、ワシントン州の概要、歴史、テロワール等について解説させていただきます。後半は白ワイン3アイテム、赤ワイン4アイテムを利き比べます。テイスティングでは、グラスのスペシャリストであるリーデル・ジャパンのブランド・アンバサダー庄司大輔氏とコラボをします。
供出する6品種(リースリング、PG、CH、PN、CS、Sy) に合うグラスを揃え、ワインラバーの皆さまには、“ワインだけじゃない世界”をご堪能いただきます。当日使用する<リーデル・ヴェリタス>ピノ・ノワール/シャルドネの2脚はお持ち帰りいただきますので、講座後はご家庭でご愛用くださいませ。
余談ですが、ヴェリタスシリーズは私のお気に入りです!


追記(2020年3月30日)
コロナウイルスの感染拡大を考慮し、4月の単発講座は「延期」にさせていただきます。
新たな開講日が決定次第、ご参加予定の皆様にご連絡させていただきます。
追記(2020年6月17日)
会場をNHK文化センター青山校からリーデル・ジャパン青山店に移して開催します。三密を避け、7月22日と7月25日の2回に分けて行います。当日供出するワインは各回7アイテム×各2本になります。教材費(ワイン代)が若干変わりますので、宜しくお願いいたします。
https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2020-06-17



【単発講座】
日時:4月15日(水) 19時~21時
定員:20名  満席ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]
(キャンセル待ち登録可)

会員/受講料:9,966円  教材費:3,500円(税込)
一般/受講料:10,417円  教材費:3,500円(税込)
受講料にはお持ち帰り用グラス2脚を含みます。

[イベント]詳細はNHK文化センター青山校のワインで巡る世界ツアー ~ワインラバーを魅了するオレゴン・ワシントンワイン~ をご覧くださいませ! よろしくお願いいたします。

協力:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会
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プレ告知 帝国ホテル130周年記念 ドゥ・ヴノ―ジュ × レ・セゾン スペシャルディナー [シャンパン]

  『帝国ホテル』創業130周年、『レ・セゾン』リニューアルオープンから15周年

シャンパーニュメゾン ドゥ・ヴノ―ジュ のジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長と輸入元ヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長&中村芳子専務にお声がけいただき、帝国ホテル内のフランス料理レ・セゾンにお邪魔してきました。ティエリー・ヴォワザンシェフとは久々の再会です!

 伊藤靖彦帝国ホテル東京レストラン部ソムリエ・支配人、ジル社長、中村専務、ティエリーシェフ、コーエン社長

ティエリーさんはフランスを代表する三つ星シェフのひとり、ジェラール・ボワイエ氏のもとで腕を磨きました。 シャンパーニュ地方のレストラン『レ・レクイエール』のオーナーだったボワイエ氏に師事し、その後シェフに就任。2005年に帝国ホテル東京のフランス料理『レ・セゾン』のリニューアルオープンに際してシェフとして招聘されました。シャンパーニュの知識が深く、素材を厳選し、 伝統を踏まえながらも新たな感性と日本の味覚を取り入れた美しい料理は高い評価を得ています。
2020年はティエリーさんがレ・セゾンで働き始めてちょうど15年目、帝国ホテルは創業130周年なので、ダブルで嬉しい記念年になっています。おめでとうございます!

2014年5月22日.jpg
   2014年5月22日@帝国ホテル

シャンパーニュ騎士団のガラディナーで、ローラン・ペリエからオフィシエ・ドヌールを受章した北野武さん。料理の総括はティエリーシェフが担当していました。私とティエリーさんはローラン・ペリエからオフィシエの称号を拝受している仲間なので、光栄にもこの日は武さんと同テーブルでした。

   帝国ホテル120周年の時にオープンカレッジだけの課外特別講座を開催して

伊藤支配人と話をしていて、以前ティエリーシェフと行ったコラボの話題になりました。明確な年を覚えていなかったので、ググってみたら、まあ、帝国ホテル120周年の時、まさに10年前! それも昭和女子大のオープンカレッジだけの課外特別講座でした。ちなみに記事数は10年経過して約2倍の1,000、閲覧数はまもなく600万PVになります。

帝国ホテル130周年でも、ティエリーさんとスペシャルディナーが開催できることは凄い偶然、ありがたいことです。加えて、ジルさんも来日して、素晴らしいシャンパンを供出してくださることになったので、鬼に金棒です。ラッキーな展開に、ヴィレッジ・セラーズ様も大いに喜んでくださいました。

帰宅後、過去の資料チェック、懐かしいメニューも出てきました。ティエリーシェフから、Yeahhh long time ago とのリアクション(笑)

 エぺルネが拠点のドゥ・ヴノージュ
 今年のシャンパーニュ研修ツアー(11月1日~)でもドゥ・ヴノ―ジュを訪問します!

     昨年130周年を迎えたエッフェル塔

1889年にパリ万博のために建設されたエッフェル塔は、昨年130周年を迎えました。
ドゥ・ヴノ―ジュがエッフェル塔ラベルを出したのは当時公式パートナーだったからです。パリ市からライセンスを取得し、130周年の記念ボトルをリリースすることができました。
ジルさんは「ライセンス契約は3年延びました」とおっしゃっていたので、引き続き、『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』は市場に登場します。昨年は早々完売になってしまい、入手できなかったラバーさんも多くいらっしゃいましたので、リリースを楽しみにお待ちください。

 帝国ホテル130周年記念 ドゥ・ヴノ―ジュ × レ・セゾン スペシャルディナー

新日程 10月24日(土) 18時~
ドゥ・ヴノージュのジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長はティエリーさんと25年来の仲。「私は彼のファンです」とおっしゃっていました。来日して本邦初公開の希少『コトー・シャンプノワ(白はピノ・ブラン&シャルドネ2000本/ロゼはピノ・ノワール1000本)』も披露してくださる予定です。ドゥ・ヴノージュのシャンパンに合せて、ティエリーシェフがどのような逸品を供出してくださるのか、今からワクワク、とても楽しみです!!! 私はナビゲーターをさせていただきます!

スペシャルディナーの正式案内は、ヴィレッジ・セラーズ様のサイトで公開予定です。只今、詳細を詰めていますので、ご期待くださいませ。何卒宜しくお願いいたします。

       [ぴかぴか(新しい)][NEW]正式なご案内(2020年9月18日追記)/クリックで拡大

       お陰様で満席になりました、ありがとうございました!
       ◇本件に関するお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株)森澤様
       電話:0120-106-876
       email: wine@village-cellars.co.jp
       URL: http://www.village-cellars.co.jp/


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