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日仏を拠点に活躍する照明デザイナー石井リーサ明理氏が第10回Champagne Joie de Vivre賞受賞!! [シャンパン]

日仏交流160周年にふさわしい人選


『Champagne Joie de Vivre(ジョワ・ド・ヴィーヴル/生きるよろこび)』賞はシャンパーニュ委員会(CIVC)が創設した賞で、日本では2008年から実施されています。溌剌とした創造活動をする方、作品を通して“生きるよろこび”を与えてくれる方を対象にしています。

今年はその10回目であり、加えて、日本とフランスが1858年に日仏修好通商条約を締結してちょうど160年の記念年にあたります。今回の受賞者は東京とパリを拠点に世界各地のプロジェクトに参加している若手照明デザイナー 石井リーサ明理(あかり)氏。照明デザイン・ライトアップの第一人者 石井幹子氏の愛娘さん。まさに、2018年の受賞者にぴったりの方でした!


(左から)
ヴァンサン・ペラン CIVCフランス本部事務局長、石井リーサ明理氏、ピエール・ムルルヴァ駐日フランス経済公使、川村玲子CIVC日本事務局代表

冒頭、ムルルヴァ駐日フランス経済公使は、「ここ20年間のシャンパンの伸びには目を見張るものがあり、今や日本は世界第3位の輸出国になっています。日本においてシャンパンは素晴らしい価値観を象徴するものであり、生きる楽しみと結びついているので、CIVCがこのような賞を創設したことに敬意を表します。この賞は作品がシャンパンと同じように、生きるよろこび、人々と分かち合うよろこびを象徴する仕事をしている方に与えられます。受賞者石井リーサ明理さんにお祝い申しあげます」と挨拶しました。

続いて、ペラン事務局長は、Joie de Vivre賞授賞式が日仏交流160周年の記念行事の一環で、フランス国内では様々な文化催事が『ジャポニスム2018 ~響きあう魂~』の標語のもとに行われていることについて触れ、さらに、「日・EUEPA締結や日本の地理的表示(GI)保護制度の動きは、シャンパンの輸出にさらに良い効果をもたらすであろう」と語りました。

授賞式では日・仏語で


ペラン事務局長は「石井リーサ明理氏は格調高い作品の数々を精巧なノウハウで、常に新たな創造を続け、インスピレーションにあふれる仕事を遂行しています」と述べ、本賞(シャンパーニュへの招待旅行)とマグナムサイズのシャンパンを授与しました。
石井氏の受賞を心から祝福いたします、おめでとうございます!!


バカラ パシフィック株式会社から副賞のシャンパーニュグラスが贈られました。


光を美しく反射させる"千の夜"という名のミルニュイ フルーティッシュモ レッド


石井氏のフランス語の挨拶に聞き入るピエール公使とペラン事務局長

“Light”の文字の前で


シャンパーニュ地方でメゾンの仕事もなさってきたという石井氏にとって、シャンパンはとても魅力的でインスピレーションをかき立たせてくれる存在のようです。「シャンパンは贅沢で弾ける飲み物という領域を超えた象徴であり、特にシャンパーニュ地方の景色、職人、メゾン、ぶどう畑で働く人たちの努力が結実した飲み物であることを実感しています。フランスでシャンパンと言えば喜び、ポジティヴな出来事、祝祭、そのような場面を表現するものなので、“Joie de Vivre=生きるよろこび賞”というのは、まさにその名にふさわしいものだと思っています」とあいさつのなかで語っていました。

"Joie de Vivre"は元気が出るおまじない
受賞が決まってから、パワーダウンしてしまうような日には、自分に喝を入れるおまじないとして“Joie de Vivre”というフレーズを口ずさんで心を落ち着かせていたという石井氏。思わず微笑みたくなるエピソードでした。

私の記憶を辿ってみると、最初から最後までフランス語で挨拶し、自己通訳で〆た方は石井氏が初めてだったと思います。授賞式ではお仕事の一端を動画でも披露なさっていました。短時間ですが、FBに取り込めましたので、是非ともその様子をご覧いただきたいと思います。





乾杯の音頭は日本メディア交流協会の磯村尚徳会長



フランス語の伝道に力を入れている磯村氏は、石井親子の仕事について、単に照明デザイナーという紋切り型のものではなく、光をもっと広がりのあるものとして捉えたメッセージ、コンセプトを伝えるものであると強調。9月13日&14日には“ジャポニスム2018”で、エッフェル塔のライトアップが行われますが、その最大のメッセージは、「自由、美、多様性と日仏友好のさらなる促進、両国の文化的絆の強化」と語り、受賞者石井氏の成功を願いつつ、杯を挙げました。

超70のシャンパンの競演


乾杯のシャンパンは爽やかで品の良いタイプ(3品種ブレンド、ブラン・ド・ブラン)
式典後のカクテルパーティでは、爽、濃、艶、寿、福、優、優に区分されたシャンパンがふるまわれました。

 3品種ブレンド&ブラン・ド・ブラン
_

 ブラン・ド・ノワール、黒ぶどう主体


 ロゼ


I

寿 熟成のシャンパン


 プレスティージュ






 甘口タイプ




フィンガーフードと合わせて












ペラン事務局長とは昨秋に開催されたシャンパーニュ騎士団のガラ・ディナー以来の再会になりました。
シャンパン仲間ファッション・デザイナーの八巻多鶴子さんと一緒にフランス大使公邸の庭園を見ながらブースを回遊。70を超えるシャンパン制覇はとてもとても無理でしたが、優雅なシャンパン時間を共有させていただきました。
数量&金額ともに世界第3位になった日本市場の更なる躍進、CIVC日本事務局の活動に期待しています。改めまして、今回のお招きにも感謝しております!


日仏友好160年記念ジャポニスム2018 ~響きあう魂~

エッフェル塔特別ライトアップ
場所:フランス・パリ、エッフェル塔
日時:2018年9月13日(木)、14日(金)の日没から25時まで
共催:独立行政法人国際交流基金
   ジャポニスム2018 エッフェル塔特別ライトアップ実行委員会
特別協力:パリ市、エッフェル塔運営会社
企画・プロデュース:石井幹子&石井リーサ明理
実施デザイン・制作:石井幹子&石井幹子デザイン事務所/石井リーサ明理&I.C.O.N.,Paris
詳細はhttp://www.motoko-ishii.co.jp/#pagenews01jp.html

石井幹子&リーサ明理親子が投影する作品の数々、金色に輝くエッフェル塔、見たいです!


Joie de Vivre賞の過去の受賞者を振り返って・・・


3年ぶりにフランス大使公邸で開催されたJoie de Vivre賞授賞式!
第9回(2017年)はイタリア在住の漫画家ヤマザキマリ氏、阿部寛ファンなので映画『テルマエ.・ロマエ』も大好きです。
第8回(2016年)はカンヌ国際映画祭の常連 河瀬直美監督。ちなみに今年は是枝裕和監督の『万引き家族』がパルムドール受賞ですね、今一番気になっている映画です。
第7回(2015年)は千住3兄弟。フランス大使公邸で行われました。日本画の博氏、作曲家の明氏&ヴァイオリニストの真理子氏の兄弟愛が光った式典でした。
そして・・・忘れられないのが第3回(2010年)の尾上菊之助氏、歌舞伎好きで、学園祭で『弁天娘女男白波』の弁天小僧を演じた身なので、本家とお目にかかれて光栄でした!
私にとってもJoie de Vivreは、たくさんの思い出が詰まったシャンパンイベントになっています。


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スペシャルコラボレーション!!   ジュール・ヴェルヌ&ベル エポック@ベージュ アラン・デュカス東京 [シャンパン]

GW期間中の特別開催
パリの香りをまとったスペシャルメニューとシャンパーニュ『ベル エポック』とのマリアージュ


パリの象徴エッフェル塔内にあるアラン・デュカスのジュール・ヴェルヌは地上125mからパリ市街のパノラマを楽しみながら美食が楽しめる贅沢な空間、予約が難しい人気のミシュラン一つ星レストランです。
4月29日から5月6日の期間、ベージュ アラン・デュカス東京で、ペリエ ジュエのシャンパンとそのジュール・ヴェルヌの特別メニューを味わうことができます。

来日したエリック・アズーグシェフ

来日した『ジュール・ヴェルヌ』の重田久信氏(左から4人目)、エリック・アズーグシェフ(左から5人目)、ペルノ・リカール・ジャパンのティム・ペック社長(右から2人目)を交えた記念ショット!

ひと足早くアール・ヌーヴォーの世界へ

ペルノ・リカール・ジャパン様からお声掛けいただき、28日にアズーグシェフの世界を堪能!


鴨のフォアグラ ルクルュス、ブリオッシュ パリジュエンヌ
愛がこもったおもてなし、テーブル上には可愛いハートも登場して!


凛としたスタイル、ペリエ ジュエ ベ ル エポック ブラン・ド・ブラン2004


パイ生地のヴォルオーヴォン × ベルエポック1999、双方のバター風味がナイスハーモニー


ペリエ ジュエ ベル エポック ブラン1999には黒糖のニュアンスも!


ベル エポック ブラン2007vs1999の贅沢な飲み比べ
「ル・ショコラ・アラン・デュカス」のクルスティアン




ジュール・ヴェルヌ&ベル エポック概要

日時:4月29日(日)〜5月6日(日) 
会場:ベージュ アラン・デュカス東京
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング10階
価格:ランチ23,000円(特別メニュー・ペアリングの飲物/3杯・税込)/ディナー42,000円(特別メニュー・ペアリングの飲物/5杯・税込) ※サービス料別途
予約:03-5159-5500 ※月・火の定休日を除く
特別コースのご案内はコチラで。
エレガントなマリアージュをお楽しみくださいませ!

■輸入元:ペルノ・リカー・ジャパン株式会社
Tel:03-5802-2671/Fax: 03-5802-2677

[リボン]ベージュ アラン・デュカス東京は改装の為、2018年5月7日(月)~9月中旬までクローズ。
今年の秋には新たな空間で、より洗練されたお料理とサービスをご提供くださるとのこと、楽しみです!http://www.beige-tokyo.com/ja/

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シャンパーニュ委員会(CIVC)プレス会見 ~世界&日本への出荷&カテゴリー別の動向~ [シャンパン]

2015年にユネスコ登録
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2年振りに来日したシャンパーニュ委員会(CIVC)のヴァンサン・ペラン事務局長

2015年7月、シャンパーニュ地方はユネスコ世界遺産に登録されました。
ペラン事務局長は採決に際して世界遺産委員会の各国代表がシャンパーニュを支持した言葉(ペラン氏の背後の画像にある単語類)を紹介。Evidence証拠、Authenticity確実性、Cultural value文化的価値、Celebrationお祝い、History歴史、Universality普遍性 etc
シャンパーニュ地方は、ボルドー地方サン・テミリオン地区、ブルゴーニュ地方に続いての登録であり、伝統を現代に生かし、歴史のなかで同地方が果たしてきた役割が高く評価されました。


2017年の作柄状況
天候:春の遅霜で23%の芽がダメージを受け、5月半ばから7月末までは記録的な暑さ、乾燥が続いた。8月末に雹(ひょう)を伴う激しい風雨
収穫:地域によっては8月26日から開始。大半は9月4日から始まり15日に終了(2016年は9月10日収穫開始)。収穫期間中は雨が多く、腐敗果を最小限に防ぐ必要から素早い作業が強いられた。10日間延べで12万人が手摘作業。1950年以降、2003年、2007年、2011年に次ぐ早い記録
収量:平年比20%減。全域で規定数量10300kg/haに達しなかったため、2017年は過去の取り置き分を使用(CIVCが管理)
ぶどうの出来:アルコール度数は10%超、酸度も十分、バランスの取れた有望なマストが得られた。シャルドネに関してはコート・デ・ブランは品質良好、コート・デ・バールも良好だが遅霜の影響で収量減の区画あり。ピノ・ノワールとムニエは収穫直前の雨の影響で病害虫の被害。ヴィンテージの評価は年明けのヴァンクレール待ち


世界への出荷状況<2016年度>
出荷内訳は3億603万本
NMからの出荷量72%(2億1939万本)、RM&CMからの出荷28%(8664万本)



■11主要市場をみると、数量は英国、米国、ドイツ、日本、ベルギー、オーストラリア、イタリア、スイス、中国、スウェーデンで、日本は1090万本(▲7.2%)。金額では第1位と第2位が逆転していて米国、英国、そして日本もドイツを抜いて第3位で2億5300万ユーロ(+3%)
■出荷額が増えた要因は、米国と日本の堅調、欧州圏内のドイツ、オランダ(+6.3%)、スペイン、イタリア、北欧(+3.5%)。他エリアではカナダ(+9.4%)、メキシコ(+12%)、南アフリカ(+15.1%)、NZ(+25.4%)、韓国(+14.2%)等、新しい有望市場の台頭とCIVCは分析


■カテゴリー別の出荷はNV79.5%、ロゼ10.4%、プレスティージュ4.6%、ドゥミ・セック3.1%、他2.4%。ロゼの出荷は前年比8.6%、プレスティージュは同4.6%増で、よりレアで高級なアイテムを求める傾向
■ブリュットナチュール、エクストラブリュットはそれぞれ12.7%、16.4%の伸び

日本への出荷状況

■出荷生産者は計504で、形態別の内訳はNMが167で33%、RMが316で63%、CMが21で4%となり、NMは数量で88.9%、金額で90.8%を占め、圧倒的な数字を示しています。


■上記は対日輸出量のカテゴリー別構成比ですが、注目点はロゼで数量12%、金額12.6%。同様にキュヴェ・プレスティージュは数量10.9%、金額28.6%。ドゥミ・セックは数量7.2%、金額5.8%で、他の市場(表1参照)より高い比率。これらが金額で第3位に位置する日本の要因


CIVCの最新データがシャンパンラバーさんのお役にたてば幸いです!!

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第9回「Champagne Joie de Vivre(生きるよろこび)」賞はテルマエ・ロマエの人気漫画家ヤマザキマリ氏 [シャンパン]

Joie de Vivre賞とは

シャンパーニュ委員会(CIVC)が日本に於いて2008年に創設した賞。国を越えて、生きるよろこびをわかちあう“シャンパーニュの精神”のシンボルとなりうる人、才能や個性にあふれ、独自の世界観を有し、国際的共感を得て活躍している人が対象。第1回華道家池坊由紀氏から、昨年の第8回映画監督の河瀬直美氏まで各界から多彩な方々が選ばれています。

第9回の受賞者はイタリア在住の漫画家ヤマザキマリ氏





2010年古代ローマを舞台にした漫画『テルマエ・ロマエ』で第3回漫画大賞、第14回手塚治虫文化賞受賞。2013年にはフランス、アングレーム国際マンガ祭にノミネートされ、2015年には芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年にはイタリア共和国星勲章(コメンダトーレ章)受章。

授賞式にはシャンパンメゾンの関係者も参加して

(左から)デュヴァル=ルロワ、ボワゼル、ブルーノ・パイヤール、ドゥーツ、テタンジェ、ドゥラモット&サロン、ペリエ・ジュエのメゾンメンバー
今年はシャンパーニュ騎士団の叙任式&ガラディナーが前日に行われたこともあり、式典には来日中のメゾンもお仲間に。例年より賑やかな授与式になりました。

受賞理由について


CIVCのヴァンサン・ペラン事務局長は選出理由について、シャンパンとの共通項を強調。
「ヤマザキさんが描く繊細なライン、どのようなストーリーを書いてもヤマザキさんだとわかるスタイル、ヴァリエーションに富んだ物語が尽きることなく続いていくところはシャンパーニュのスタイルと似ています。そしてヤマザキさんもシャンパーニュも、ヨーロッパと日本の架け橋になっています。 我々は過去の遺産を大事にしながら、シャンパーニュを造り出しており、シャンパーニュは過去と現在を結びつける飲みものです」と述べ、古代ローマ人の足跡である遺跡についても触れていました。
最後に「テルマエ・ロマエでは各巻に、建築や現代と過去をつなぐ水が何度も出てきますが、(設計技師である主人公)ルシウスがシャンパーニュを飲むシーンやシャンパーニュのお風呂に入るシーンはなかったので書いていただければ」とのメッセージも!



ヤマザキマリ氏は音楽家の家庭に生まれ、14歳の時、フランスとドイツに1ヶ月間の単身外遊、3年後にイタリアに留学、フィレンツェ国立美術学院で絵画を専攻。10年間に及ぶイタリア滞在の後、漫画を独学で習得し、漫画家としてデビュー。2008年1月から『コミックビーム』にテルマエ・ロマエを連載して大ヒット。現在、『新潮45』で プリニウス連載中

阿部寛ファンの私なので、映画『テルマエ・ロマエ』は大好きです。
内なる情熱を秘めたエレガントな作者ヤマザキマリ氏にお目にかかれて光栄でした!


ヤマザキ氏は受賞に際して「イタリアに住んでいるので、ナショナリズムが強い欧州でフランスワインを飲む機会は少ないのですが、特別の時にはシャンパンを飲みますし、シャンパンは発泡酒のなかでは最高峰だと思っています。イタリアとの縁が深いように思われていますが、最初の訪問国はフランスでした。ルーブル美術館を見ることで迷っていた自分の道を開くことができました。フランスは漫画への評価が高く、私の漫画を最初に翻訳出版してくれたのもフランス。多くのフランス人が読んでくれています」とコメント。
背後にある画像説明では、日本テレビで4月に放映された アナザースカイに触れ、ヤマザキ氏ゆかりの場所、原点はパリとのことで、「14歳の旅がこのような形で帰結するのだなぁと思い、自分にとっては感慨深い番組でした」と語っていました。




ブルーノ・パイヤール社長がCIVCのシンボルボトルを贈呈
同技術部が造っている『Champagne Martin Hugnot』


CIVCからの目録贈呈


副賞のバカラルビー!

乾杯の音頭は古代ローマ史の本村凌二東大名誉教授

「年齢とローマ史に関してはマリさんより勝っているのでは」との軽口からスタートした本村教授
「きりりとしたシャンパンの泡はマリさんのきりっとした発想に繋がり、“泡”はギリシャ語でアフロ。アフロディテ(泡があふれ出て!)は愛と豊穣のビーナスなので、可愛くて思いやりがあるマリさんと重なります。一方で、アフロディテは戦いの神でもあります。いつも新しいジャンルを切り開いていくマリさんは、愛と豊穣だけでなく、戦いの意味でも、まさにJoie de Vivre(生きるよろこび)の賞を受けるにふさわしい」との含蓄ある祝辞を添えて、乾杯に繋ぎました。


ヤマザキマリ氏を囲んでペランCIVC事務局長と川村玲子CIVC日本事務局代表


授与式後のカクテルパーティーには60アイテム以上のシャンパーニュが

乾杯のシャンパーニュ


爽はフレッシュ、軽快、ミネラルのシャンパーニュ



バランスのノンヴィンテージ




濃はボディのあるシャンパーニュ


ブラン・ド・ノワール、黒ぶどう主体




艶 華やかなロゼ


メゾン毎に異なる色の違いも魅力




プルミエール・キュヴェはピノ・ノワール主体で若干シャルドネをブレンド





寿 熟成のシャンパーニュ8銘柄



福 プレスティージュのシャンパーニュ


ウイリアム・ドゥーツ2006とシャルル7世 ブラン・ド・ノワールはマグナムの醍醐味



来日中のメゾン提供のコーナーで

ブルーノ・パイヤールのN.P.U.2003、限定4,200本の希少シャンパン!


ドゥーツのファブリス・ロセ氏と『キュヴェ・アムール・ド・ドゥーツ2006』マグナム



ANDAZ TOKYO TORANOMON HILLS 51Fからの眺めも最高でした!


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Fusion of the world heritage champagne and Edo culture@restaurant Asakusa 『Ichinao』 / 世界遺産シャンパンと江戸文化の融合@浅草『一直』 [シャンパン]

Beyond space and time・・・
I organized an event to enjoy the marriage of Champagne Maison Laurent-Perrier (LP) founded in 1812 and Edo cuisine Ichinao founded in 1878.
Asakusa is a place where the culture of Edo period still remains.

時空を超えて・・・
1812年創業のシャンパンメゾン『ローラン・ペリエ』と1878年創業の江戸料理『一直』のマリアージュを楽しむイベントを行いました。
浅草は江戸文化がいまだに残っている場所です。


Goju-no-tou in Senso-ji
浅草寺の五重塔



"Ichinao" founded in 1878
1878年創業の『一直』



In the 1960s, the Master used to work at the Japan Embassy in Austria and he was in charge of Japanese cuisine.
As an interesting anecdote of himself when he was there, he did shake hands with President Kennedy, because he had an opportunity to see President Kennedy and Prime Minister Khrushchev, both visited Vienna for the Vienna meeting (1961). Unfortunately, afetr two years later, Kennedy passed away in Dallas.

親方(江原仁さん)は1960年代、オーストリアの日本大使館で、日本料理を担当していました。
逸話として、ウィーン会談(1961年)のためにオーストリアを訪問していたケネディ大統領とフルシチョフ首相を身近で見る機会があり、ケネディ大統領と握手できたそうです。残念なことに、ケネディ大統領はその2年後ダラスで亡くなりました。


Young master knows a lot about wine.  
若旦那(江原正剛さん)はワインに精通しています。


Haruo Kenmotsu master sommelier teaches how to open champagne to young female master.
剣持春夫マスターソムリエは若女将にシャンパンの開け方を伝授



Edo dishes menu using seasonal ingredients with Laurent-Perrier's cute booklet
旬の食材を盛り込んだ江戸料理のメニューとローラン・ペリエの可愛い冊子



The perfect Blance La Cuvée
完璧なバランス『ラ・キュべ』


Cheers!!
Kenmotsu master sommelier who is authority of wine industry and Philippe Sauzedde of Laurent-Perrier Ambassador.
ワイン界の大御所剣持マスタソムリエとフィリップ・ソーゼット ローランペリエ大使と乾杯!


Nice Marriage with LP & Edo dishes
ローラン・ペリエ&江戸料理のナイスマリアージュ


Champagne: La Cuvée、Ultra Brut、Cuvée Rosé、Grand Siècle (All Magnums, except Ultra Brut)
Glass: Riedel Vinum flute glass
Sponsorship by Laurent-Perrier & Suntory, Riedel Japan

ラ・キュベ、ウルトラ・ブリュット、ロゼ・ブリュット、グラン・シエクル(ウルトラ・ブリュット以外はマグナム
リーデルのヴィノム・フルートグラス
協賛:Laurent-Perrier & Suntory、リーデル・ジャパン


Gentle and mild texture
座付 聖護院かぶら風呂吹き 八丁胡麻味噌掛け ふり柚子


A masterpiece of Edo cuisine
前菜 竹紙蛸羽根酢掛け たたきオクラ



Acid and Umami
前菜 紅葉鯛 南蛮漬け 木の芽
器は“耳愛(じあい)”と呼ばれる高価な作品



Beauty of the back of lid
お椀を開けた時の蓋の絵柄、和食ならではの美



Philippe san introduced the ultimate Cuvée Rosé
フィリップさんがロゼ・ブリュットを紹介


Maru means Soft-shelled turtle (suppon スッポン).
御椀 丸吸 祝いもち 九条葱 つゆ生姜
“丸”はスッポンの隠語、コラーゲンたっぷり!


Sliced raw fish
御つくり 平目 まぐろ 青利いか 五味菜 土佐醤油



画像協力:根本友子
Grilled Saikyo&chestnut
焼き物 まなかつお 西京焼 渋皮栗 谷中生姜


Explanation about Grand Siècle with Philippe san.
I coordinated in image "Calla lily" of the maison.
フィリップさんと一緒にグラン・シエクルについて解説
私はメゾンのイメージ"カラーの花"でコーディネートしました。



画像協力:根本友子
Abundance and complexity
煮物 百合根まんじゅう射込みうずら 銀あんかけ 蓮芋


A piece of fall
栗御飯 十三湖蜆赤出汁



画像協力:根本友子
Compote of fig
水菓子 無花果コンポート



perfect marriage
ロゼと無花果は渾然一体


Performance of Houkan / 悠玄亭玉八師匠の幇間(ほうかん)芸

The special guest of the event was Yugentei Tamahachi, the master of Houkan.
"Houkan" , the old Japanese, which means to warm up the drinking party and this is the reason he is called so, as he is a male geisha who learned Japanese traditional arts and helps to bring additional excitement at the banquet scene. Speaking of geisha, it's more likely a role of female now, but a male geisha was mainstream until the late of the Edo period.
Tamahachi master is one of the few Houkan in Japan.

特別ゲストは幇間(ほうかん)の悠玄亭玉八師匠でした。日本の伝統芸を習得した酒の席を幇助する男芸者です。今は芸者といえば女性を指しますが、江戸時代後期までは男芸者のほうが主流でした。玉八師匠は日本で数少ない幇間のひとりです。


One-man-show using Bran / ふすま芸(ふすまを使ったひとり芝居)


Dancing empty-handed
手踊りのかっぽれも披露


Vocal cord copying of Kabuki actors and Politicians, great!
玉八師匠の声色(歌舞伎役者や政治家)、お見事でした!



With Naoko Otake san who went with the management of this event!
会の運営を一緒に行った大竹奈穂子さんと


Champagne Smile / シャンパンスマイル!

With Champagne Smile!
遠路はるばるご参加くださった方もおりましたので全員集合ではないですが、シャンパンスマイルで閉会!



画像協力:大竹奈穂子
With event members
イベントに関わったメンバーと


It was a splendid condition!
素晴らしいコンディション!




Though Tamahachi master has participated in the movie "Zatoichi" by director Takeshi Kitano (Beat Takeshi), there is a strong connection with Laurent-Perrier and Takeshi san.

悠玄亭玉八師匠は北野武監督の映画『座頭市』に出演していますが、たけしさんはローラン・ペリエと深い繋がりがあります。


Takeshi san was awarded the Officier d'Honneur from the recommendation of Laurent-Perrier & Suntory in May 2014.
2014年5月、たけしさんはローラン・ペリエ&サントリーの推薦でオフィシエ・ドヌールを授与されました。



In June 2015, Takeshi san was appointed Chambellan d'Honneur in Reims.
Elegant Alexandra Pereyre de Nonancourt of head of the Laurent-Perrier!
2015年6月には、ランスで、シャンベラン・ドヌールを叙任されました。お隣は気品あるローラン・ペリエのアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主

江戸切子も披露 

Traditional beautiful "Edo kiriko", present to participant!
ご参加くださった皆さまには、江戸切子の名門堀口切子の“よろけ縞”をプレゼント!





Hondou / 本堂のたたずまい


Large lantern / 本堂の大提灯(ちょうちん)


Nio Guardians and Houzumon / 宝蔵門と仁王像




message with appreciation
Dear Alexandra san, Jean-Christian san & Guillaume san of Laurent-Perrier, dear President Yamazaki, Niimura san & Sakamoto san of Suntory, dear the master and members of Ichinao.
I was very happy to have had the opportunity to taste many kinds of great champagne and wonderful Edo cusines. I'm grateful for the excellent support from all of you.
I'm sure that so long as LP & Ichinao continue striving for the ultimate taste, so long both maisons will continue to attract many people.

Philippe san and Kenmotsu master sommelier, I really appreciate your smart hospitality!
Otake san and all participants, thank you very much!!
On this occasion, I hope that wine lovres of around the world will discover the charm of Asakusa and the beauty of Japan.



I'm looking forward to seeing you at the Gala dinner tomorrow!
With many thanks[黒ハート]

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11月13日待望の『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2006』発売開始! [シャンパン]

ポル・ロジェの最高傑作『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』

来週13日(月)に発売開始2006年ヴィンテージ


1週間の日程で来日なさったポル・ロジェのユベール・ド・ビィ5代目当主
熊本、大阪、名古屋と巡回後、東京に戻られ・・・単独シャンパンランチ会見、光栄でした。ジェロボーム(株)の山下陽子さんにもお世話になりました。

ファミリーのこぼれ話
ユベールさんには3人のお子さん(ご子息ふたりと愛娘)がいらっしゃいます。
娘のヴィクトリアさんは来年4月から半年間、大分県別府の大学でマーケティング・マネージメントのお勉強をなさるとのこと。現在日本語も学んでいるようです。次男のマクシミリアン(23歳)さんはトゥルーズの大学で栽培を学んでおり、来年にはボルドーとトゥルーズで醸造学にも取り組む由。ファミリー経営ポル・ロジェの当主として、跡継ぎ強制はあまりしたくないようですが、ご子息が栽培や醸造を学んでいることには満足なさっているご様子(内心は期待大かも)でした。

私は数回ユベールさんとお目にかかっていますが、いつも感じていたこと。それはブルボン王朝の王様の衣装が良く似合いそうだなぁ、と。今回、それをお伝えすると、なんと、「長男アレクシー(25歳)は役者で、テレビドラマ『ベルサイユ(英国BBCとフランスCanal+の共同制作)』に出演しているよ。そう言われると面白い」との思わぬリアクション。ご長男はアメリカンイングリッシュなので、ドラマのなかで会話をするシーンはないようですが、このドラマは、ネットフリックスで観れそうです。


ブラン・ド・ブラン2009とブリュット・ヴィンテージ2008も同時発売
シャンパンランチに登場した4アイテム(左から)
#1:ブラン・ド・ブラン2009
暖かい年だったので、まるみがあり、馴染みやすく、酸素とうまく触れ合ってきた印象
シャルドネ100%、ドザージュ7g/L、希望小売価格13,000円
#2:ブリュット・ヴィンテージ2008
秀逸なヴィンテージ、ピノのテクスチュア、シャルドネのフレッシュ感、果実と酸のバランス良好
ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%、ドザージュ7g/L、希望小売価格12,000円
#3:ロゼ・ヴィンテージ2008 (発売中)
柑橘系果実、赤系果実、ピンクペッパーや白コショウ、気品のある酸味、温度変化を楽しみたいロゼ
ピノ・ノワール、シャルドネ、赤ワイン15%添加、ドザージュ8g/L、希望小売価格13,000円
#4:キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2006
ナッツや焙煎香、ドライフルーツ、アールグレー、アフターに軽いビター感、20~30年熟成させたいシャンパン
古樹のピノ・ノワール、シャルドネ(ブレンド比率は非公開)、ドザージュ7~8g/L、希望小売価格30,000円

今年の3月、ローラン・ダルクール社長とのインタビュー&テイスティングで、ポル・ロジェについて詳しいお話を伺いましたので、ご参考までに添付しておきます。ちなみに発売日は6月から11月13日に変わりました。http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23


四川料理との相性を診ながらテイスティング

牛肉と山芋のオイスターソース炒め
「牛肉だけなら、柔らかくてソースもからんでいるのでチャーチル。野菜が入ると風味や苦みも加わるので、ロゼ」とユベールさん
私的感想:オイスターソースが潤滑油になり、ロゼとはさえぎるものなしの好相性。2008年のブリュット・ヴィンテージはポテンシャルがあり、料理と合せることで、酸味を介した新たな相性の良さ発見。チャーチルは存在感を主張しながら、料理を受け入れてくれる印象、大人の風格


キノコと干し海老の塩味炒め煮
私的感想:ブリュット・ヴィンテージの酸味、チャーチルの滑らかさが料理の旨味と良く合い、ロゼのかすかなタンニンがキノコとも好印象


食通のユベールさんは瞬時に相性を見極める力をお持ち、さすがでした!
料理も得意でご家庭でも夕食を作ることが多いとか。狩もなさるので、ジビエはロティや煮込みにして。但し、その時は赤ワインで合わせているようです。


海老のチリソース煮
「ひとつだけ完璧に合います。ロゼに勝るものなし」とユベールさん
私的感想:料理とシャンパンの色で合わせるマリアージュ。香辛料とロゼの酸味&タンニンが口中の脂分を洗い流してくれるのでグラスもハイピッチに



季節のランチスープ
私的感想:出汁の旨味、野菜の味わいがピノの比率の多いブリュット・ヴィンテージやチャーチルとの相性良好。ユベールさんも同意見


四川料理を代表する麻婆豆腐
「チャーチル! 2006年はピノが良かったので、その豊潤さが出ている」とユベールさん
私的感想:色で合わせるマリアージュの第2弾、麻婆豆腐のほうが海老のチリソースより、さらに相性が良い印象。チャーチルの複雑味が麻婆豆腐の種々の香辛料に太刀打ちして見事


私的感想:ムースの滑らかさとナッツの味わいが、ウィンストン・チャーチルのクリーミーさとへーゼルナッツやココアのニュアンスと相乗!



今年6月のボルドーVINEXPOで初披露されたシャンパン
バター、ブリオッシュ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタッチオ、ドライフルーツ、カカオ等、香りと味わいの宝庫、エレガントな酸味、長い余韻とグレープフルーツの内果皮似のビター感

ポル・ロジェのこだわりをご紹介



ウィンストン・チャーチルのキャップシュール(王冠)には、英国のチャーチル元首相の肖像画が描かれています。2002年ヴィンテージからは、表にヴィンテージ、裏にPol Roger の刻印。これはフェイクボトル対策のひとつだそうですが、私が今まで開けてきたシャンパンのなかで、トップ・キュヴェのキャップシュールの裏に、メゾン名やシャンパン名を入れているのは、ウィンストン・チャーチルとベル エポックだけだと思います。


Time is Quality
ユベールさんは『Rich(Demi Sec)』と『Pure(Extra Brut)』の2アイテムの開発者。前者はドザージュ量34g/Lの甘口タイプ、後者はノン・ドゼ、糖分添加ゼロのタイプです。
ドザージュ添加後1年寝かせるリッチ
リッチはデザートやフォアグラと楽しむことを目的に2000年にデビューしたアイテム。それ以前にも甘口タイプ(昔は44g/L)はありましたが、ベースのキュヴェをより吟味し、ドザージュ量も減らしたタイプに変更。
リッチのベースワインはNVのブリュット・レゼルヴ。ポル・ロジェではデゴルジュマンしたシャンパンは3か月寝かせてからリリースしていますが、リッチは4年間の熟成後、ドザージュ(34g/L)をして1年間(ボトル内の糖分を落ちつかせる意味で)寝かせています。ゆえに市場に出るまで5年の歳月を要しています。
顧客からの要望で誕生したピュア
地球温暖化の影響で、昔よりノン・ドゼは造りやすい背景にあるようです。
ユベールさんがメゾンで働き始めた1988年のブリュット・レゼルヴのドザージュ量は11~12g/L(今は9~10g/L)でした。そのようななか、フランス人の顧客から、「ドザージュの少ないタイプ、あるいはノン・ドゼのタイプが欲しい」とのリクエストがあり、製品化したのがピュアです。メゾンとして考えたのは、ブリュット・レゼルヴのキュヴェをベースにするか、全く新しいキュヴェを造るかということでしたが、ブリュット・レゼルヴはドザージュが合って成り立っているアイテムなので、新キュヴェを造ることに決定。ピュア誕生までに10年以上を要しました。
市場の反応として、ユベールさんは「ピュアの人気が高い国はフランスとイタリア。一方、中国ではリッチと料理との相性が良くても、ブリュット(辛口)の方が質が良くて一番だと思っているので、甘口タイプのリッチは選ばない」と語っていました。中国はシャンパンの知識に関してはまだ発展途上です。


インタビューを終えて
ポル・ロジェを愛飲している国は、イギリス、本国フランス、スウェーデン、オーストラリア、アメリカで、日本は現在6番目か7番目に位置しています
ユベール・ド・ビィ当主はシャンパンラバーに、「日本の皆さんはシャンパンに精通しているので、これからもブランドで選ぶのではなく、ボトルの中味、品質にこだわってシャンパン選びをして欲しいと思います。シャンパンはコミニュケーションのお酒なので、ひとりで飲むのではなく、誰かと一緒に楽しんで欲しいです。男女問わず、シャンパンの魅力をわかちあっていただきたいと思います」とのメッセージをくださいました。

13日発売開始の3アイテム、発売中のロゼともに食事に合わせて楽しめるシャンパンです。
その魅力がお伝えできれば幸いです。


■製品についてのお問い合わせはジェロボーム(株)℡03-5786-3280
http://www.jeroboam.co.jp/

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メゾン設立から200年目にあたる2011VTの『Belle Epoque』初披露@ベージュ アラン・デュカス東京 [シャンパン]

ベル エポック2011との一夜限りの特別な時間

1811年のメゾン設立からちょうど200年目にあたる2011年は記念すべきヴィンテージ


ペリエ ジュエのエルヴェ・デシャン最高醸造責任者(
輸入元ペルノ・リカール・ジャパンのティム・ぺック社長

10月下旬、ニューヨーク→パリ→東京という長いフライトを経て、素敵なセラーマスターが来日しました! シャンパンメゾン『ペリエ ジュエ』のエルヴェ・デシャン最高醸造責任者です。
目的は『ベル エポック』の新ヴィンテージ(VT)2011の初披露。米国からスタートし、その後が日本、場所はシャネル銀座ビルディング内にある『ベージュ アラン・デュカス東京』でした。

ティム社長は、記念ディナーに出席した全メンバーに感謝の言葉を述べ、さらにスペシャルゲストのおひとりとして臨席なさっていたシャネル日本法人のリシャール・コラス社長に敬意を表しました。コラス社長はフランスのラグジュアリーブランドの連合体であるコルベール委員会のジャパン・チェアマンであり、シャネルもペルノ・リカールも同委員会のメンバーになっています。


ディナーの前に、テラスでウェルカムシャンパン


2011年ヴィンテージは


『ペリエ ジュエ』の7代目セラー・マスター、最高醸造責任者で、1983年に入社して以来、34年間にわたり多くのキュヴェに関わってきたエルヴェさん。記念ディナーではベル エポックの最新VT2011の他、2004年、1996年、1982年、同ブラン・ド・ブラン2004を披露してくださいました。

2011年ヴィンテージついては「早熟なヴィンテージで、春の訪れが早く、通常は6月中旬頃の開花ですが、5月末には終了。6月と7月は気温が下がり、雨が多かったものの、8月は空気が乾いて、日差しにも恵まれ、ぶどうの熟度が増しました。シャルドネは秀逸。ベル エポックには50%のシャルドネを使うので、コート・デ・ブランのシャルドネのエレガントさとデリケートさが重要な要素であり、加えて、ピノ・ノワールとのバランスが大事。それにより長い熟成期間を経て素晴らしいアロマが生まれます」と語りました。



ぶどう品種はシャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%
フレッシュで軽快。アカシアや菩提樹を思わせる白い花、桃や洋梨のような白い果実、砕いたばかりのアーモンド、フィニッシュにはシュル・リーによるお菓子のニュアンス。きめ細かい泡の食感、白い果実や柑橘果実の繊細な味わい、アルコール由来のコク、最後にシャルドネの特徴であるミネラル感

ベージュの空間がベル エポックの世界に変身

“時の案内人”として登場した俳優の奥田瑛二さんは、背後の巨大スクリーンに写し出されるペリエ ジュエのセラーやメゾンの映像と一体化しながら、ベル エポックの魅力を伝道

ベル・エポック2011、2004、1996、1982

2004年はシャルドネの秀逸年、ミネラル豊かで香りも芳醇で、味わいが層になって広がる印象。
1996年は20世紀における秀逸年、十分な酸の存在感、バランスの取れた味わい。
1982年は古酒に感じる焙煎香やヘーゼルナッツ、砂糖漬けの果実、中盤からの酸味。

ベージュのお料理とのマリアージュ

「皆さんに喜んでいただければ幸いです」と小島景シェフ



アミューズ・プーシュは冷たい栗のクリーム、その下にスペルト小麦(小松菜や栗で和えた)のサラダ、クルジュ(オレンジ色のズッキーニ)のピュレ、山形県産の玄米
フレッシュな酸が口中をリフレッシュさせ、玄米の香ばしい香りと味わいがシャンパンのイースト風味と相乗


季節の温野菜、クルミと野生茸、秋トリュフ
小島シェフが毎日鎌倉から仕入れてくる野菜類、フランス空輸のきのこ、トランペット茸のソース
フレッシュ&フェミニンな2004、気泡は細やか、蜜を含んだリンゴ、アカシア、中盤から酸、将来性あり。野菜との相性は〇、秋トリュフと合せると全く別の香りが出てきて少し違和感


オマールブルー、クルジュとソスペル産オリーヴ
添えられていたオマール海老のソースでソテーした栗&すりおろしてオーブンで焼いた栗(白色)
オマールの濃厚なソースには2004年のベル エポック〇、ソースでソテーした栗とは絶妙

ベル・エポック1982年ヴィンテージ


エルヴェさんに料理との相性を伺ってみたところ・・・
1982年はエレガントなシャルドネの存在感、トースト香、スモーキーテー、タバコのニュアンスがあり、セロリや無花果と合わせても重すぎない印象、アミノ酸に由来するキャラメルのようなアロマが、エゾ鹿と合わせた時の甘味や旨味とパーフェクト
1996年はスペシャルヴィンテージ、果実やタルトタタン、ピールやレモン、しっかりした酸味、余韻にビター感があり、ロブスターとの相性は繊細でエレガント、栗とのコンビネーションもナイス


エゾ鹿のココット、佐渡島のイチジクと根セロリ
白ワインでマリネして出てきた野菜のジュースを加えて調理
熟成した1996や1982と合わせて


プティ・フール


柑橘類のデセール
2004のブラン・ド・ブランはエレガントで繊細、シャルドネの綺麗な酸味と合わせて


メゾンからのお土産はシャンパーニュの大地を表現している“石灰の小片”
指輪ケースもお洒落!


エルヴェさんはセラーについて「全長10km、3層に分かれていて、一番深い場所は地表から30m。冬に浸水するのは地下水面に接しているから。温度は12度、湿度は98度」と。

私は2011年の12月、ちょうど200周年の年に訪問しました。セラーの様子はPC(携帯は不可)なら見ることができますので、ペリエ ジュエの素晴らしさを垣間見ていただけると嬉しいです。
http://www.non-solo-vino.net/on-the-spot/perrier-jouet.html


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光栄なるお役目VSVのワイン会 アイテムにはフランソワ・ビリオンやジャック・セロスが! [シャンパン]


フィリポナのシャルル・フィリポナ社長、ジャック・ラセーニュのエマニュエル・ラセーニュ当主、テタンジェのクロヴィス・テタンジェ輸出部長の来日で、シャンパン話題が豊富な一週間でした。


そして、週の中日(なかび)には虎の門ヴァン・シュール・ヴァン様でワイン会!
昨年3月の“ぶどう品種ピノ・ノワールに魅せられて!!”に続き、今回は大好きなシャンパンにフォーカスした内容だったので、本当に講師冥利、ありがとうございました!

Fleur de Lys NV
シャンパンは大畑澄子店長厳選の5アイテム+特別供出BdeN\(^o^)/
口開けは日本初上陸の『リュイリエ』、同店独占販売のシャンパン。拠点はコート・デ・バール地区フォンテット村、創業は1876年、栽培面積22㌶、栽培品種はピノ・ノワールとシャルドネで、減農薬の環境保全型農業に取り組み、特に5㌶のぶどう畑(ブリュット・ナチュール用のPNとキューヴ1876用のCH)ではノルウェー産の海藻(かいそう)を殺虫剤として活用、極力薬の使用を減らしています。



Fleur de Lys/フルール・ド・リス(NV)はCH60%&PN40%、樹齢は40~60年、年間生産量5000本、2008年からソレラ・システムで保存しているリザーヴワインを使用。イエロー・ゴールド、気泡繊細、口中クリーミー、洋梨、ハーブ、ミネラル、バター、ブリオッシュ、ロースト、中盤から酸の広がり


村上シェフによる魚介の菜園風前菜
白カブやタマネギのピクルスとフルール・ド・リスとの酸のバランス、燻製穴子とロースト風味のハーモニー

Francois Billon Cuvee de Reserve Brut NV

Francois Billon Cuvee de Reserve Brut/フランソワ・ビリオン・キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット(NV)
コート・デ・ブラン地区メニル・シュール・オジェ村が本拠地、現当主ジャン=ポール・ビリオンの父フランソワ・ビリオンが1959年に設立したメゾンで、名声を高めた立役者はロベール・ビリオン。創始者の実弟で、30年以上にわたり、サロンの醸造長でした。

サロンと同じく、単一品種(CH)、単一クリマ(メニル・シュール・オジェ)、単一ヴィンテージの哲学を信奉しつつ、樽を使うのが特徴。レゼルヴ・ブリュットはホウロウのタンクで一次発酵後、7ヶ月樽で熟成、メニル産のシャルドネ(2ヴィンテージ)に40%のリザーヴワインを加えて瓶内二次発酵、瓶熟期間は最低3年、ノン・マロ。淡いイエロー、気泡活発、舌触り滑らか、ノン・マロながら酸味ソフト、レモンやGF、ミネラル、ブリオッシュ、ナッツ、グラス内の温度変化でより豊潤に、複雑味あり。しっかりした味わいの料理に合せて。

シャンパーニュ地方のビオディナミの先駆者Fleury P&F

ビオディナミ農法に使う道具  photo by Fumiko (2010年9月)

拠点はコート・デ・バール地区クルトゥロン村、1895年創業、初代エミール・フルーリーの時代に、フィロキセラで壊滅した畑に初めて接ぎ木したピノ・ノワールを植樹。3代目当主ジャン・ピエール・フルーリーが1970年から有機栽培を導入し、1989年にはビオディナミの“デメテール”の認証を取得。

Notes Blanches Brut Nature NV

Notes Blanches Brut Nature NV/ノート・ブランシェ・ブリュット・ナチュレNV
シャンパンの規定品種ピノ・ブラン100%、ドザージュ1.2g/L、ピノ・ブランは祖父の代から栽培。先のシャルドネと比べるとスリムな印象、白い花、ライム、ピュアでドライ、口中を洗い流してくれるフレッシュさ、ピクルスの酸と相性の良い酸味

Grand Vin des Princes Blanc1993

Grand Vin des Princes Blanc1993/グラン・ヴァン・デ・プランス・ブラン1993 
ド・ヴィノージュはスイスのヴィノージュ家が1837年に立ち上げたメゾン、拠点はエペルネ、現在LANSON、BBCグループの傘下。プランス・ブランはオランジュ家皇太子のために造られた特別キュヴェで、コート・デ・ブラン地区メニル・シュール・オジェ村とアヴィーズ村のシャルドネを使用。色調は黄金色、香りは若干酸化したニュアンス、アプリコット、カリン、アカシア、ミネラル、スパイス、酸の余韻。ブルゴ-ニュ型グラスとフルート型グラスで利き比べた時、前者だとまるみ&味わいのゆるさ、後者だと酸のまとまりが良く、複雑味も

店長の配慮でFleuly P&F Blanc de Noirs Brut NVも登場

フルーリーのぶどう畑のピノ・ノワール


メゾンの顔、ぶどう樹の平均樹齢は15~20年、ドザージュは8.65g/L、熟した果実由来の旨みと豊潤さ

当日のハイライトJacques Selosse Brut Rose NV
コート・デ・ブラン地区アヴィーズ村が拠点のRM (レコルタン・マニピュラン)、ジャック・セロスは現当主アンセルム・セロスの父が1949年に創業、自社畑をコート・デ・ブランの4村(アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ)、モンターニュ・ド・ランス地区アンボネイ村、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ村、マルイユ・シュル・アイ村に所有。


デゴルジュマンはすべて手作業  photo by Fumiko (2009年3月撮影)


手元にボトルが  photo by Fumiko (2009年3月撮影)

ピュピートルのロゼ  photo by Fumiko (2009年3月撮影)
動瓶(ルミアージュ)も手作業


鴨のロースト グリーンマスタードソースと合わせて

シャルドネ93%、ピノ・ノワール7%、ドザージュは6g/L、日付はボトルの裏ラベルに記載、ノン・マロ。アンボネイのエグリ・ウーリエから調達した赤ワイン(PN)を添加。凝縮感のある赤系果実、ピンクペッパー、ハーブ、若干のタンニン、バランスの良い酸。ソースのなかのマスタードやハーブの要素がロゼの複雑味と相乗して◎


(左から順に)供出ワイン

感謝を込めて

ワイン会後、残っていたメンバーと大畑店長を囲んで記念ショット

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
大畑店長はじめ、サポートくださった末永さま、平松さま、清水さま、西村さま、ありがとうございました! 引き続き、宜しくお願いいたします。

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シャンパン × 和食 『ローラン・ペリエ』テイスティング昼餐会@ 銀座 小十 [シャンパン]

『ブリュットL・P』がブラッシュアップして『ラ キュベ』としてデビュー



ミシュラン三ツ星和食店 銀座『小十』の奥田透店主、ローラン・ペリエのギヨーム・パイヤールさん

シャンパン・メゾンローラン・ペリエから日本担当・インターナショナルキーアカウントマネージャーであるギヨーム・パイヤールさんが来日しました。
主要アイテムの1つ『ブリュットL・P』が、15年の構想を経てブラッシュアップし、『ラ キュベ』としてリニューアル発売するに至った経緯を説明。
プレス昼餐会の会場、銀座小十では〝フレッシュネス、フィネス、エレガンス〟の3つをモットーにしている同メゾンのフラッグシップシャンパンも加えて、奥田店主の料理との相性を探求しました。
ちなみに『ラ キュベ』の詳細はワインのこころFB版で紹介させていただきました。

和のおもてなし


『ブリュットL・P』をよく使っていたという奥田店主
ローラン・ペリエのシャンパンについて「レモンやグレープフルーツ、ライム、酢橘、白い花、塩味、青野菜、海のミネラルがイメージできます」と。どんな料理と相性が良いのかを考えた時、「最初に思い浮かぶのは繊細な白身魚。この時期ならカレイ、おこぜ、スズキ、冬なら平目、フグにも合います。あとはキス、いか、鱧(はも)、アワビ、毛蟹、日本独特の線の細い食材に良く合います。焼いた魚だと太刀魚や甘鯛、野菜ならアスパラガスや隠元、胡瓜、大葉、茗荷、新玉葱、空豆、枝豆等、日本の食材と幅広く合うシャンパンです。『ラ キュベ』を試飲してみましたが、守備範囲がさらに広がり、豊潤さも持ち合わせているので、懐石料理すべてをこのスタンダードなNVで通せるようになったのでなないかと思います」とコメント、饒舌でした!


ワインと日本料理の関係で大事にしていること
「料理自体は何も変えないことです」と。
続けて「つなぎ役(山椒や薬味等)を使えば合うのが当然で、そうではなく、自分の料理というものがしっかりあって、もしくは、日本料理というものがしっかりあって それに合わせるのが、食中酒であるシャンパンやワインだと思っています。シャンパンのなかに香りの成分や味わいの成分が多ければ多いほど相性が良いと言えます。ゆえに今回はいつもお出している料理であって、ローラン・ペリエの昼餐会用に何かを変えたということは一切していません。料理は幅広い食材を使い、味わいも線の細いものから豊潤なものまで様々なので、それがローラン・ペリエの4アイテムとどのようなマリアージュをするか。それを楽しんでいただければ今日の会は成功だと思っています」と語っていました。

当日の御献立
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摺り流しはバカラのグラス


塩水雲丹 ホワイトアスパラ 摺り流し、これは『ラ キュベ』と渾然一体!
手の込んだ一品です。ホワイトアスパラを茹で、出汁で煮て、それをフードプロセッサーでピューレ状(野菜のざらざら感はあえて残す)にして、汁の濃度は鰹節の出汁で調整。アスパラバスの根と先端部分は角切にして使い、上部に北海道産の塩水雲丹(べっこう餡で味付け)を



毛蟹 蓮芋 オクラ トマトゼリー
雰囲気のある銀彩の器。奥田店主いわく「銀は使い込むとしっとり侘びてきます」
店主が形容する〝線の細い食材〟毛蟹とは素直に馴染み相性が良かった『ラ キュベ』

きれいな立ち姿の稚鮎

織部の器と同化している稚鮎唐揚げ、たで木の芽の緑酢が映えています!

鮎を氷水に入れて仮死状態にすることで、苦玉(にがだま/魚類の胆嚢)を甘い状態のままキープさせることができるとか。それを180度で唐揚げに。鮎の頭上にある緑の帽子はたでと木の芽をすり鉢ですりおろし、そこにおろした胡瓜(水分は取る)を混ぜて、酢だけで調理した緑酢(青くて酸っぱい味)で味わいます。「緑酢は苦玉と相乗し合うので、「鮎は頭から緑の帽子めがけて食して」と奥田店主
唐揚げの香ばしさ、鮎独特のほのかな苦みが口中に広がり、それを『ラ キュベ』が受け止めてくれた印象。季節感を生かした逸品!

螺鈿が施された漆器


油目吉野打ちよもぎ豆腐 順才
よもぎ豆腐の柔らかい食感、出汁の旨味は、『ラ キュベ』が見事にキャッチ!


お造りはおこぜと鰹たたき

薄造りを調理中の奥田店主のワン・ショット


おこぜ薄造りは塩&酢橘 × ウルトラ・ブリュット
 
ロゼとの相性最高

千葉・勝浦産 鰹のたたき
果実味、タンニン、ほどよい酸味、守備範囲の広いロゼと好相性


鰹たたき、新玉葱 ちり酢
「シャープで繊細でエレガントなこのロゼは食事に良く合う」と奥田店主

焼物
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伊佐木の胡麻塩焼き × グラン シエクル
肉厚な伊佐木はボリューム感たっぷり
これは豊潤で複雑味のあるグラン シエクルと合せて


左から)グラン シエクル、ロゼ、ノンドゼのウルトラ・ブリュット、ラ キュベ


和牛熟成あぶり焼き 新牛蒡
贅沢の極み! 
噛み込むことで様々な要素+牛蒡の甘さがグラン シエクルの要素と絡み合って

贅沢な黒鮑の鍋

房州 黒鮑 若芽しゃぶしゃぶ 肝醤油 × グラン シエクル
最初に若芽をお鍋に入れ、その後、鮑を1枚ずつ、しゃぶしゃぶで。鮑の肝のソースは濃厚。五感でヨード、磯の香りを満喫。これに対抗できるのはグラン シエクル!

天然鰻にはロゼを


天然鰻のうな丼 香の物 味噌汁
ロゼの若干のタンニンが、鰻の脂分をきれいに流し、タレと焦げ具合の味わいがワインの旨味と相乗してナイスマリア―ジュ!

デザートは天使音マスクメロン


父親は温室メロンのアールスフェボリット(緑肉系)、母親はヒーロー・オブ・ロッキンジの交配種で、ヒーロー・オブ・ロッキンジは英国王室にゆかりのある白肉系品種とのこと。現在、世界で唯一、静岡県浜松市の1生産農家が作っているそうです。店主が惚れこんでいる希少メロン、とろけるような甘さは後引くおいしさでした。

余談ですが、ローラン・ペリエも英国王室とゆかりがあり、ロイヤルワラント(英国王室御用達)を受けています。メロンと合わせて楽しめたのはグラン シエクル。果肉がめちゃくちゃ柔らかくて豊潤なメロンを優しく包み込んでくれたトップ・キュヴェ、王者の風格がありました!



「今まで面で捉えていた料理を、点で捉えることがひとつのポイントなのではないかとは思い、今は料理の品数を少し増やし、その分ミニマムにして、素材感を重視しています。産地はもちろんですが、和食店はそこに季節感、歴史観、文化観を入れないといけませんし、良い食材を仕入れて出せば料理が成立するとは思っていません。掛け軸や、庭がなくても、日本料理店だからやらなければならないことがあるのではないかと思っています」と現在の心情を語ってくださいました。長い料理人人生になかで、時に試行錯誤しつつ、前進している三ツ星料理人の思いを感じました。対面で、多くの話を聞かせてくださった奥田透店主、ありがとうございました!

本当に仕事冥利な素敵な時間でした。
ましてや大好きなシャンパン・メゾン、シュバリエ&オフィシェの称号でお世話になっているローラン・ペリエと三ツ星の奥田店主の料理とのマリア―ジュだったのですから、リポートにも力が入ります。画像もいつも以上かも(笑)
ローラン・ペリエのギヨ-ム・パイヤールさん、サントリーワインインターナショナルの 山崎雄嗣社長はじめ、江部さん、阪本さん、稲葉さん、中村さん、ありがとうございました。
これからもローラン・ペリエの伝道師として、頑張ります!


■ローランペリエについてのお問い合わせは
サントリーワインインターナショナル(株)お客様センター(ワイン) ℡0120-139-380

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フィリップ・ミル氏へのインタビュー&本日オープン 『六本木テラス フィリップ・ミル』@東京ミッドタウン [シャンパン]

本日、待望のオープン!
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東京ミッドタウン ガレリア内ガーデンテラス4階に六本木テラス フィリップ・ミルオープン!

フィリップ・ミル氏に訊く

3月17日で43歳になった星付きシェフ フィリップ・ミル氏
プレス内覧会前に日本初出店のミル氏に個別インタビューをさせていただきました!


お客さまの喜びが星につながる
Q1:(株)ひらまつとの業務提携による最大のメリットは何ですか
フィリップ・ミル:10年前に平松社長と知り合いました。Hiramatsuグループおよび彼自身を知ることで、共通の価値観があることがわかりました。シェフという職業へのリスペクト、将来への伝承という点で、これが大きなメリットだと思っています。平松氏はシェフや食材をとても尊重しているので、それが新店舗にも反映されていると感じています。

Q2:シャンパーニュ地方の名門レ・クレイエールの星返り咲きはフリィップ・ミル氏による快挙であり、3ツ星奪還への期待も高まっています。プレッシャーもあると思いますが、今後のシェフ人生の見取り図(将来図)をどのように描いていますか
フィリップ・ミル:星はお客さまの喜びと比例していると思うので、良い仕事をしてお客さまを満足させることができれば、三ツ星も取れるのでないかと思っています。これがひとつの目標です。私にはプレッシャーというより、自分の仕事を遂行していくことがすべて実になると感じています。
もう1つの将来図としては、六本木テラス フィリップ・ミルを日本のフランスレストランとして定着させ、多くの皆さまに愛されるお店にしていきたいということです。先程、お客さまを満足させると言いましたが、料理があり、ソムリエがいて、サービスがあり、チーム一丸となって進めていくことが何より大事です。加えて、日本の食材を通して、お客さまにお店をより身近に感じていただきたいと思っています。
築地には何度も行っています。フランスでは市場は文化の一部になっているので、日本の市場がどのような位置付けなのかを見たいと思いました。シェフとしては常に料理についての情熱があるので、どこに行っても素材やお客さまの反応を観察しています。

過去を使って今を創る
Q3:先月、レ・クレイエールの歴代シェフ、ジュラール・ボワイエ氏とティエリー・ヴォワザン氏と一緒にスペシャルディナーをなさいましたが、3人3様の個性を〝ひとこと〟で表現するとしたら
フィリップ・ミル:3つのジェネレーションであり、ひとことで表現するのは難しいのですが、レ・クレイエールを例にするなら、ボワイエ氏は〝歴史〟であり、ヴォワザン氏は〝与える喜び〟です。私については、あなたの判断にお任せします。
青木:若さと革新だと思います。
フィリップ・ミル:歴史がなければ前に進めないので、続いているものということであれば、〝再生〟かも知れません。

Q4:自身の名を冠した六本木テラスフィリップ・ミルのスペシャリテは何ですか
フィリップ・ミル:スぺシャリテの前に言いたいこととして・・・最終的な目的は〝お客さまの満足度〟なので、そこに辿り着く為には、まずベースのフランス料理に、日本の食材を使い、そこに私たちのチーム力やソムリエのサービス、シャンパンとのマリアージュすべてを調和させることで、ゴールに到達できるのではないかと考えています。料理に関しては、様々な味覚のバランス、口中で感じる甘味や酸味、渋味等が爆発するようなものを提供したいと思っています。素材もいろいろな食感を楽しんでいただくという意味で、滑らかなもの、硬いもの、その中間にあるもの、最後にカリッとしたもの、そのような遊び心を入れてサービスしていきたいと思っています。

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ディテールこそが真のラグジュアリー
Q5:これから桜の季節になりますし、日本には四季折々の風情があります。それらを今後、メニューのなかに取り入れていく予定はありますか
フィリップ・ミル:季節は重視していきたいです。私自身田舎で育ったので、畑で収穫されるものは季節に左右されているということを幼い頃から知っていました。一番おいしいものは、季節に合ったもの、旬のものであることを物心ついた頃から感じていたので、それを継続する形で、それを反映させたいです。

青木:撮影用の料理に桜を取り入れたアイテムがあるとお聞きしたのですが
フィリップ・ミル:デザートがまさにそれで、桜は日本を象調するものです。それをリスペクトする意味でビジュアルを重視し、器もピンクにしてみました。石田佳奈子シェフパティシェと一緒に考えましたが、口中に入れた時に、お客様がイメージする桜が再現できればと思っています。
20年前から日本の文化に惹かれ、様々な都市を訪ね、様々なものを食べ、よりオープンな気持ちで経験を積んできました。料理をする時に生産者、食材へのリスペクト、それを厨房で生かすことが、日本の文化に通じると思っています。
私はディテールにこだわっています。それこそが真のラグジュアリーではないかと考えています。ラグジュアリーというのは高級品という意味だけでなく、じゃがいもひとつ取っても、人参ひとつ取っても、生産者の思いや旬のものを食べることにつながっています。

Q6: 昨今、ノン・ドザージュのシャンパンを造る生産者が増えています。(自分の取材経験から言うと)、デザート好きのフランス人は適度なドザージュ量のシャンパンに馴染んでいるように思います。むしろ、ノン・ドザージュは味蕾(みらい)が敏感な日本人に合っていると感じています。ノン・ドゼとドザージュありのシャンパンを、それぞれ料理に合わせる場合、客側はどのような点に配慮すれば最高のマリアージュが楽しめるとお考えですか
フィリップ・ミル:確かにノン・ドゼは最近の傾向であり、シャンパンそのものを生かすという意味で存在感があると思います。ただ、すべての料理に合うわけではないですし、かなり強さもあります。日本料理で言えば魚介類には合うと思います。マリア―ジュに関してはソムリエの仕事として、お客さまをガイドすべきだと考えます。造り手からこのレストランに届いたシャンパンのストーリーを、今度はソムリエがお客さまに、どの選択が良いのかをきちんと伝えるのが、真のソムリエではないかと思っています。

Q7:(答えにくい質問だと思いますが)好みのメゾン、好みのシャンパンのタイプ(ブリュット、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール等)を挙ることはできますか
フィリップ・ミル:もちろん良いシャンパンはたくさんありますが、それは毎日変わるものであり、環境にも左右されます。その時々に合ったシャンパン、料理に合ったシャンパン、素材に合ったシャンパン、本当に様々です。私はシャンパーニュ地方のアンバサダーとして、調和があってこそ素晴らしいものができると考えています。

インタビューを終えて
すべてに即答してくださったミル氏が、少しだけ考えて答えていたのが、偉大な先輩シェフへの〝ひとこと〟でした。1時間余りのなかで、ミル氏の口から何度となく出てきた〝respect(尊敬)〟と〝histoire(歴史)〟の単語は、まさにふたりのシェフに重なります。インタビューのまとめをしていて、これら2つの単語がミル氏の人生の〝核〟になっていることがよくわかりました。

繊細さが際立つ美しい料理
インタビュー後、撮影料理として4品が披露されました。視覚、味覚、嗅覚を大いに刺激してくれた逸品!ミル氏の細部へのこだわりをお伝えしたくて、2つの角度から撮影してみました。

Œuf mollet rouge écarlate, gnocchis au caviar
赤ワインでポッシェしたポーチドエッグ ジャガイモのニョッキとキャビアを添えて
(器は有田焼)
Fumiko AOKI

Fumiko AOKI
ミル氏は卵好きとのこと。主役は56℃に温めた半熟卵です。煮詰めた赤ワインにレッドビーツとベーコンを加えたソースを卵にまとわせ、デュクセルにしたシャンピニオンを敷き詰め、その上にソースをまとった卵を乗せてポテトのニョッキとクルトンをアクセントにした一皿。キャビアのほど良い塩味と半熟卵のまったりとしたオイリーなテクスチャーのバランスが絶妙。シャンピニオンが醸し出す森の香りはミル氏の故郷への想いが込められているそうです。
青木ナイフを入れると半熟卵が流れ出てくるトロトロ感、赤ワインのソースの凝縮感と卵の舌触り、食感が独特の世界に誘ってくれました。味わいのハーモニー、手の込んだ逸品


Palette de radis et betteraves multicolores au poivre
パレットに描いた様々な彩り野菜のマリネ 大根のジュレ
Fumiko AOKI

Fumiko AOKI
ピクルスにしたラディッシュと、2時間かけて岩塩で丸ごと蒸し上げたレッドビーツをセルクルで丸く抜き、ラディッシュのタルトに並べて上から透き通った大根のジュレを。素材自体の味わいを大切にしているので、水はほとんど使わず、調理した野菜から出る水分を生かし野菜の旨味が詰まったベジタリアン向けの一皿。まわりに散りばめられた柑橘フルーツやミックスハーブも綺麗!
青木:ラディシュが千枚漬け似で懐かしい味わい。柑橘フルーツたちが口中で広がり、お花畑を散策しているような気分に。この一皿はその時期その時期に合わせた素材を生かして通年登場するようです。


Filet de pigeon farci laqué de coteaux champenois
フィリップ・ミルシェフのスペシャリテ 
シャンパーニュ地方の赤ワインソースを纏った仔鳩のファルシー
Fumiko AOKI

Fumiko Aoki
ピジョン(仔鳩)の胸肉のなかに鶏のムース、フォアグラ、シャンピニオンを詰めて火を通し、旨味を閉じ込めます。ピジョンのフォンと煮詰めた赤ワインで調理し、仕上げにシャンパンを加えて、濃厚かつ甘味と酸味のハーモニーを生かしたスペシャリテ。ピジョンならではの滋味豊かな味わいと根セロリや柑橘の爽やかな香りが楽しめます。
青木:これはきちんと着席して食したいミル氏のスぺシャリテ。素材の旨さが詰まった逸品なので、シャンパン選びも楽しくなりそうな予感


Feuilles à fleur de Sakura
六本木テラスに舞い散る“ 桜 ”
fumiko aoki

fumiko aoki
日本を象徴する桜。春を謳歌する季節にふさわしいデザートで、抹茶、ホワイトショコラ、苺のチュールガボット(薄焼きクッキー)で桜の花と葉を表現。桜のフレーバーの滑らかなフロマージュブランとサクサク感のあるガボットの食感の違いが楽しめます。六本木テラスのために考案された特別なデザート
青木:一目で恋に落ちた一皿、インタビューでミル氏が語っていたように、口中で素材感の違いが層になって迫ってきました(笑) ほんのりと桜の風味づけをしたフレッシュな苺のコンポートの美味しさが鼻腔から抜けて。五感を刺激してくれたデザート!

解放感のある広いテラス
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内装には随所にシャンパンの優雅な動きを連想させる工夫が

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個室に通じる廊下には気泡を思わせる岡本啓氏の作品


夜景も楽しみな個室

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テラスに向うと

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テラスは贅沢な空間

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プレス内覧会で
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シャンパンの気泡をイメージさせたガラスの壁面

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ミル氏、ひらまつの陣内孝也社長、同社長谷川幸太郎取締役揃っての乾杯!

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アミューズ用の小さな洗濯バサミ、可愛いすぎ

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軽くあぶったスモークサーモンとポワ葱のバヴァロア

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彩り豊かなプティフール、PMイニシャル入りもあり!


ガストロノミーワインとしてのシャンパン
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インタビュー後、ミルさんからいただいた限定ミル人形、これはUSBメモリー!

インタビューの最後、日本のシャンパンラバーに向けてのメッセージを伺いました。
フィリップ・ミル:シャンパンの文化を変革したいです。シャンパンと言うとアペリティフやデザートとして捉えられることが多いので、私はシャンパンを〝ガストロノミーワイン〟として位置付けたいと考えています。シャンパンはどのような素材にでも合わせて楽しむことができます。
青木:(質問に関連して)シャンパンに興味がありながら、泡が苦手な愛好家に泡を受け入れてもらうための方策は
フィリップ・ミル:シャンパンは泡があっての飲み物です。泡があることで自分を表現していますし、泡によって香りが楽しめます。苦手な方には、すこし置いておくことで(グラスのなかで変化)で、ガストロノミーワインとしてのシャンパンの様々な顔が見えてくるかも知れません。



フィリップ・ミル氏の拠点、名門『シャトー・レ・クレイエール』は時を超えた贅沢な空間なので、シャンパーニュ地方の魅力を十分に堪能できます。


その庭続きにある姉妹店『ル・ジャルダン』は肩ひじ張らないカジュアルなレストランです。

ミル氏は新店舗を、レ・クレイエールとル・ジャルダンの中間的な位置付けにできたらと考えているようです。フランス料理の伝統とシャンパンのマリアージュがコンセプトのレストランで、価格帯は食通の皆さんの手が届く設定にしているとのことでした。
ミル氏は20日まで滞在していると思います。オープン早々予約をなさったラバーさんは直接会話するチャンスもあるのではないかと思います。どうぞ素敵な時間をお過ごしください。

店舗情報
六本木テラス フィリップ・ミル
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス 4F
ランチ3,500円・5,500円/11:00~15:30(14:00 L.O.)/サービス料10%別
ディナー8,000円・12,000円・16,000円/17:30~23:00(21:00 L.O.)/サービス料10%別
定休日:なし
席数:ダイニング80名/個室4部屋(2名~12名)
※価格等は変更になる場合があり
予約:℡03-5413-3282

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