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五感で楽しむPure Chablis ~シャブリとアートが出会うとき~ [ワイン]

           
            シャブリワインアートアワード結果発表

シャブリワインアートアワードとは・・・
シャブリワインを管轄するブルゴーニュ委員会BIVBが日本で初開催したアート公募展
応募資格20歳以上45歳以下で、ワイン好きという条件を満たしているアーティストから、
48作品のエントリーがあり、10作品が最終選考に残りました。
ポール・エスピタリエBIVB/シャブリ会長、橋爪勇介氏、秋山かおり氏、大橋健一MWによる厳正な審査の結果、グランプリと準グランプリ2作品が選ばれました。

 受賞おめでとうございます!
 画像提供:SOPEXA(C) BIVB_yusuke onuma

グランプリは「息吹」谷本めいさん(中央)
準グランプリは「Esprit de Chablis」SAYAKA ASAIさん(左)
準グランプリは「Pureness」URBAN KNITさん(右)


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 第一部はシャブリセミナー


 講師の大橋健一MWはワインに関わって30年
 多くのワインがあるなかで 、シャブリワインを“ヒーロー中のヒーロー”と形容
 4銘柄の試飲を交え、最新話題からテロワールまでをMWならではの奥深さで解説


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 第2部はアワードにまつわる審査員対談
 左から
MCを担当していたのはWeb版「美術手帖」編集部の橋爪勇介、STUDIO BYCOLOR代表/デザイナー秋山かおり、大橋健一MW各氏
トークセッションのなかで、審査のポイントについて、秋山さんは■素材の魅力が出ていること。大橋MWは■北のイメージのシャブリは澄んだ空気や張り詰めた硬質感があり、キーワードのピュアが作品に表現されているかどうか、とコメント

     グランプリを獲得した「息吹」
      素材は石灰岩とイエローオニキス
 対談で秋山審査員が「思わず匂いを嗅ぎたくなった」とコメントしていましたが、
 昔は海だったことがわかる土壌の様子が伝わってくる作品でした。

 未踏の地に思いを馳せながら
 
秋山コメントにあった匂いについて、グランプリを受賞した谷本さんに伺ってみました。 
お返事は「石灰岩を彫っていると“石粉”が立ち上がってきます。石灰やミネラルの香りで、それを常に意識しながら作業をしていました。シャブリには行ったことがないので、製作過程でどうして良いかわからなくなったりもしましたが、結果的に、石粉の香りで、シャブリと一体化出来た気がしています」

谷本さんが作業中に感じていた“香り”が、秋山さんにストレートに伝わった印象です。
五感で楽しめるシャブリならではの、ストーリーかも!

未踏の地に思いを馳せながら、作品を完成させた谷本さんの話を聞いていて、
思わず、漫画家池田理代子さんの『ベルサイユのばら』を連想してしまいました。
フランスに行ったことがなかった池田さんは、資料を調べ尽くし、創造力を駆使して、
素晴らしい作品を生み出し、一世を風靡しました。
そんなことを思い出しながら、私のなかで、おふたりが重なりました。


  準グランプリ作品
 ASAIさんの作品の素材は紙と牡蠣の貝殻

 URBAN KNITさんの作品の素材はガラスと燧石

 シャブリに合わせて提供されたアミューズ・ブッシュ


昨年7月はシャブリと音楽の融合でした。今年はアートとの出会いを通して新たな魅力を発信したシャブリ。視覚・嗅覚・味覚だけでなく、触覚や聴覚=五感すべてで楽しめるワインの魅力に是非触れてください!
さて・・・2024年は、私たちをどのような世界に誘ってくれるのでしょうか。
今からとても楽しみです。


         [NEW]2023年版【数字で読み解くシャブリワイン】
      出典:vins de Bourgogne

      出典:vins de Bourgogne


 【イベント担当窓口】
  ブルゴーニュワイン委員会BIVB 日本事務所 /SOPEXA JAPON
 【関連サイト】https://www.chablis.jp

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コロナ禍あけの来日でエデュアルド・チャドウィック当主が披露した“ヴィラ・ドン・マキシミアーノ” [来日したワイン生産者&関係者]

チリワインの素晴らしさを世界中に知らしめた『ベルリン・テイスティング』
ドイツのベルリンで2004年に開催され、世界のワイン関係者を驚愕させました。その後、2011年までの間、18の都市で22回のブラインドテイスティングが展開されましたが、日本では2006年に、ワインジャーナリストの有坂芙美子女史の仕切りで執り行われました。
主催者は1870年に創業したチリの名門ヴィーニャ・エラスリスのエデュアルド・チャドウィック当主。ベルリン・テイスティングから10年目には仕掛け人のスティーヴン・スパリュアさんと一緒に東京でLook Back in Wonderと題するセミナーを開催しました。
来年は、世紀のベルリン・テイスティングから20周年になります!!


 入門レベルから高品質なワインまで
 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 アコンカグア・ヴァレーにあるワイナリー
 お出迎えは様々な国の言葉で!

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 2010年に新設したドン・マキシミアーノ アイコン・ワイナリー
 現代的で持続可能な醸造施設

 photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
 上のデザインと見比べながら、拡大して、ご覧ください!


               🍷 🍷 🍷 🍷 🍷



             5年瓶熟のスパークリングワイン
        エラスリス エクストラ・ブリュット/小売価格8,250円

太平洋から12kmの場所にある冷涼エリア アコンカグア・コスタのシャルドネ65%とピノ・ノワール35%をブレンド、ベースヴィンテージは2017年。「瓶熟の具合を細かくチェックしながらタイミングを見極め、ユニークさを備えたアイテムとしてリリースさせました」とチャドウィック当主。8月の来日は、コロナ禍あけ初のアジアツアーだったので、同席メンバーと喜びを分かち合いながら乾杯しました、Cheers🥂

余談ですが、家庭画報7月号の世界のスパークリングワイン特集で、エクストラ・ブリュットを候補に挙げたので、4月下旬の撮影時に初めて試飲しました。あれから3ヶ月経過して再度テイスティングした感想は、落ち着きが出ていてバランス良好。エラスリスのスパークリングワインはエクストラ・ブリュットとブラン・ド・ブランの2種類ありますが、ともに希少アイテム、チリのエスプマンテ(チリのスパークリングワイン)の最高峰です!



発酵はステンレスタンクとフレンチオークの古樽16%、瓶詰前にオークの古樽で7ヶ月熟成。MLFは30%実施。シュル・リーで5年間瓶熟。淡い麦わら色、気泡は繊細、香りは華やか、シャルドネ由来のスマートな酸味、ピノ由来の豊潤なボリューム感、気泡はワインに溶け込みスムース


 涼やかなソーヴィニョン・ブラン
 エラスリス アコンカグア・コスタ ソーヴィニヨン・ブラン2021/同4,180円

エクストラ・ブリュツトと同じく、アコンカグア・コスタの畑(ローム質の薄い層からなる粘土と変成岩の土壌)から収穫されたソーヴィニヨン・ブラン。早朝の手摘み収穫で、85%ステンレスタンク、10%樽、5%は卵型のコンクリートタンクで発酵。淡いストローカラー、青リンゴや柑橘系果実、ミントやハーブ、テロワールを反映したミネラル、溌溂としたワイン


      ボルドー品種と地中海品種のブレンドタイプ
      エラスリス ヴィラ・ドン・マキシミアーノ2018/同7,700円

アイコンワイン『ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ』のセカンド。初ヴィンテージは2016年、「(3番目となる)2018年はここ10年来で最もバランスの取れた年」とチャドウィック当主。ボルドー品種と地中海品種をブレンドした現代的なスタイルのワインで、CS28%、シラー23%、マルベック21%、CF16%、グルナッシュ7%、ムールヴェードル5%を使用、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率50%。ボルドーのクラシックな要素と地中海の独創性を併せ持つスタイルは、従来からのセカンドワインとは趣きを異にしており、エラスリスの今までの成果を形にしたアイテム。フラッグシップの弟分ワインをもっと身近に感じて、是非、トライしていただきたいと思っています!


  チリを代表するカルメネール
 エラスリス カイ2012/同27,500円 (右)カイ2019/同14,300円
 
チャドウィック当主が “テディベア”と形容するカイ!
その心は「鋭さを持ち合わせているカベルネと違って、人を優しく包み込むタッチのワインなので、いつでも抱いていたいと思わせるイメージ」と当主[わーい(嬉しい顔)]
太平洋から60kmに位置するアコンカグア・ヴァレーのマックスVヴィンヤードの最良の区画のぶどうから造られるカイは、チリを代表するぶどう品種カルメネール主体、数多くの受賞歴を有すワインです。

2012年も2019年もカルメネール95%、シラー5%のブレンド。フランス産オーク樽で22ヶ月熟成。ただ、新樽の使用率は前者が47%、後者は70%。2019年は温暖な気候で、ぶどうのポテンシャルを考え、樽の比率も多めになった由。冷涼年の2012年ヴィンテージはフィネスがあり、タン二ンはシルキー。2019年ヴィンテージは黒系果実、黒オリーブや黒胡椒、焙煎香やダークチョコ、パワフルさを備えた滑らかな味わい

      photo by Fumiko / 2023年5月31日撮影
      エラスリスの畑のカルメネーレ、赤い葉が特徴です!


 創始者ドン マキシミアーノ エラスリスへのオマージュワイン
 (右)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2018/同12,100円 
 (左)エラスリス ドン マキシミアーノ ファウンダーズ レゼルブ2008/同15,400円
 2018年ヴィンテージから瓶型をチェンジ。若干高さが増しスリム&ストロングなボトル

アコンカグア・ヴァレーのテロワールを表現した高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしたワインで、偉大なる 創始者の名を冠しています。
2018年は完璧なぶどう生育期に恵まれました。ワインは深みのある紫色、赤系&黒系果実、心地よい酸味、きめ細かで滑らかなタンニン、エレガントで奥行きのある味わい。ぶどう品種CS70%、マルベック15%、カルメネール7%、プティ・ヴェルド5%、CF3%、フランス産オーク樽で22ヶ月熟成、新樽率75%

2008年はエルニーニョの影響下にあり、雨が多く、日照も少なかったヴィンテージ。最も古い区画マックスⅠ、Ⅱ、Ⅴのぶどうを使用、10年違いであることを意識しながら味わうと丁寧に造られたことが伝わってきます。チリワインの熟成具合を見事に表現したワイン、フィネスと複雑味。ぶどう品種CS84%、カルメネール8%、PV5%、CF3%、フランス産オーク樽で20ヶ月熟成、新樽率100%


     プエンテ・アルト最高のカベルネ
      ヴィニエド・チャドウィック2020/同77,000円



温暖で乾燥した気候だった2020年ヴィンテージはCS100%で、フランス産オークで22ヶ月熟成、新樽率75%、フードルを25%使用。黒系&赤系果実、ダークチョコ、バルサミコ、甘草、木目細かいながら存在感あるタンニン

ぶどう畑は、ポロ競技の名選手として活躍し、同時にワイン造りにも情熱を傾けていた父親ドン・アルフォンソさんの夢を実現したもので、自邸にあったポロ競技場をぶどう畑に転換することをチャドウィック当主に委ねたところから、このワイン誕生の物語は始まります。
1992年にヴィニエド・チャドウィックのぶどう畑が完成しますが、父君は翌年他界。このぶどう畑から造られたワインを味わうことはありませんでしたが、その思いはワインの中に生き続けています。

 栄光のヴィンテージ
 photo by Fumiko/2016年9月
 マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルトの畑から誕生したヴィニエド・チャドウィック🍷
 1999年がファーストヴィンテージ。
 ボルドーの1級格付けワインとスーパー・タスカンを抑えて、
 ベルリン・テイスティングで1位に選ばれたのは、2番目の2000年ヴィンテージです。
 現在のラベルとは少し異なり、現行ラベルでは、ヴィンテージが記載してある箇所に、
 偉大な父親アルフォンソさんのポロ競技の勇士がイラストで描かれています。
 亡き父へのオマージュ!



   2024年に向けて始動開始
  
    5月のチリ訪問では、チャドウィック当主が海外に出ていたので、
    お目にかかれませんでした。それだけに今回の再会はとても嬉しいものでした。
 
    ディナーの翌々日、韓国に向かわれましたが、
    ベルリン・テイスティング20周年イベントに向けて既に始動開始しています!
    どのような展開になるのか、今から、ワクワクしています。
    ワインラバーの皆さまにはもっともっと
    チリのプレミアムワインの素晴らしさを感じていただきたいと思っています!

    【製品についてのお問い合わせ先】
     株式会社JALUX ワイン部 電話03-6367ー8756 / https://www.jalux.com

 
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NZフォリウムの岡田岳樹栽培・醸造責任者が来日! ヴィンテージ・ファーストのワイン造りを語る [来日したワイン生産者&関係者]

 なでしこジャパンはW杯ベスト4進出ならずでしたが、本当にお疲れ様でした。
 会場はニュージーランド北島北部のAuckland / オークランドにある、
 イーデン・パークでした。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 今回はサッカー[サッカー]繋がりでNZにフォーカス
 現地で活躍中の日本人醸造家が手がける美味なワインを紹介させていただきます!


最新データ
7月にニュージーランドワイングロワーズ主催のセミナーがあり、直近のデータを得ることができたので、はじめに、いくつか情報を載せておきます。

 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 ワイン生産量は世界全体のわずか1%、緯度は南緯35-45度
 ぶどう栽培地の96%はサステイナブル認証を受けています。

     主要生産品種はソーヴィニヨン・ブラン、主要生産地域はマールボロ
     出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 気候と土醸
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ

 サブリージョンのスタイル
 出典:ニュージーランドワイングロワーズ
 

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4年ぶりに来日したフォリウム・ヴィンヤーズの岡田岳樹さん
コロナが落ち着いてきた2023年の今、1ヶ月の長旅を続けてきた岡田さん
訪日前、NY、ダブリン、ロンドン、シンガポール、香港、ソウルを巡回してきましたが、訪問先での首尾も上々だったようで、世界のマーケットでも人気のSBになっています!

2010年ニュージーランド南島の北東部Marlborough / マールボロのブランコット・ヴァレーに創業したFolium/フォリウムは輸入元WINE TO STYLEのグループ会社であり、岡田さんはワイナリー設立当初から栽培と醸造のすべてを取り仕切り、フォリウムならではのワインスタイルを貫いています。中心となるぶどうはソーヴィニヨン・ブランで、ピノ・ノワールとシャルドネも栽培しています。プレスセミナーでは、自然と対峙したワイン造りや最新ヴィンテージについて言及し、バックヴィンテージやニューフェイスのワインも披露しました。


 NZに移住して今年でちょうど20年目

岡田さんのワインはヴィンテージ・ファーストです。「フォリウムは多くの土壌が粘土質なので保水性は良好。毎年降雨(650ミリ)が一定量あるので、これがヴィンテージを特徴付ける大きな要因になっていると考えています。非灌漑 (2011年から実施) にすることで、ヴィンテージ毎の特徴が出ているのではないかと思っています。SDGsでも、灌漑しないことで、180万㍑/haの節水になっています」と岡田さん

ニュージーランドのサブリージョンはワイラウサザン・ヴァレーアワテレですが、フォリウムはサザン・ヴァレーに属しています。岡田さんは、このエリアについて、 ■ワイラウに比べ、涼しくて乾燥している ■氷河期に削られた粘土質土壌がメイン ■マールボロの生産量の25%を占める、と述べていました。

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マールボロのSBの特徴とは
マールボロのSBは、清涼感あるピーマン、スグリ、完熟したパッションフルーツの要素を備えた爽やかなワインと評されていますが、近年の研究で、チオール類(3MHと3MHA)の量が非常に多いことがわかってきました。この結果を得て、NZの生産者たちはチオール類を最大化することを目標に、チオール類の多いワイン造りをしています。


チオールはグレープフルーツやパッションフルーツ様の香り成分で、岡田さんはチオールについて「Mercaptants / メルカプタンとも呼ばれる有機物で、香りが強いため、少量でもワインに香りに影響を与えます。チオールは果実には存在せず、果汁中に含まれる前駆体から酵母の働きによって生成されます」とコメント

 出典:フォリウム・ヴィンヤーズ

その前駆体を最大化するには、■土壌中のチッソ素量 ■ 紫外線 ■ぶどうの葉 / これら3要素は少ないより多いほうが良く、また、古樹より若木のほうが多いとのこと。さらには、手収穫より機械収穫で行うほうがチオール量が倍以上とのお話でした。

そのような研究結果を踏まえつつ、ヴィンテージ・ファーストで、チオール・ファーストではない岡田醸造責任者は、手収穫&非灌漑 (灌漑を行うほうがぶどうの葉の数は多い)というワイン造りを貫いています。

 

 ヴィンテージを反映させたワイン
 #1: Sauvignon Blanc Reserve Marlborogh2021 / 参考小売価格4,800円
 #2: 同2013 / 5,800円
 #3: Chardonnay Marlborough2021 / 5,500円
 #4: Pinot Noir Rose Marlborough2022 / 4,200円
 #5: Pinot Noir Reserve Marlborough2021 / 5,800円
 #6: 同2014 / 7,600円
 #7: Sauvignon Blanc Late Harvest Marlborough2022 / 6,800円

 左から右に#1~#7


 #1#2はフォリウムのフラッグシップ、#3のシャルドネは初登場
2021年ヴィンテージは淡イエロー、粘性があり、溌溂とした酸味と塩味が魅力、料理と合わせて楽しめる柑橘果実の内果皮似の軽いビター感。2013年は若干濃いめの黄色、10年の熟成を経ても若々しく、トロピカルフルーツや完熟果実、白胡椒のニュアンス、口中での厚み、凝縮感。
7年程前、岡田さんのSBを購入し、3年間セラーで寝かせ、その後、和食とマリアージュさせる機会があり試しましたが、穏やかな熟成と綺麗な酒質が印象的でした。
一般的なマールボロのSBと違い、チオールを前面に出し過ぎていないフォリウムをお試しいただけると嬉しいです!

満を持してリリースした#3シャルドネ。発酵はステンレスタンクで天然酵母使用。熟成は古樽で18ヶ月。冷涼エリアを感じさせる柑橘系果実、昆布出汁似のアロマ、時間の経過で味わいまろやか。岡田醸造責任者の人柄が反映しているワイン(笑)

 鰺のマリネ 胡瓜とジンのジュレ、豆苗のサラダ スダチ醤油ドレッシング
 ブリッジ食材になっていたスダチ醤油ドレッシング(酸味と乳酸のまるみ)
 シャルドネの柑橘ニュアンスやハーブの清涼感が料理と相乗
 
 最新ヴィンテージ2022年
 2020年が初ヴィンテージ、コロナ渦中に誕生したロゼ
「セニエ製法だと年毎の差が出ないので、ダイレクトプレスで造っています」と岡田さん
 色調はコーラルカラー、赤系果実やスイカのアロマ、フードフレンドリーな酸味、
 中盤からシルキーなタンニン、凝縮感

 2014年ヴィンテージ(右)と最新ヴィンテージ2021年を比較試飲 
 画像から色調の違いがおわかりいただけると思います。 
 NZのピノの熟成能力を証明してくれた1本、フランス的な雰囲気を纏った2014年
 雨が少なかった2021年は深みのある色調で骨格、ボリューム感、ポテンシャルあり
 サーロインのグリルは滑らかながら存在感あるタンニンの2021年ヴィンテージと好相性
 口中の脂分を優しく流してくれる印象
 タンニンが溶け込みスムースな味わいの2014年はブルゴーニュの熟成したチーズと!

 国産牛サーロインのグリル チミチュリソース
 とうもろこし ズッキーニ トマト 甘長唐辛子

 “バスク”チーズケーキ オレンジ アーモンドチュイル × #7
1996年に植樹したSB、貴腐ぶどう100%のレイト・ハーベスト、以前リリースした2018VTと同じく、2022年VTも2月に200ミリ以上の降雨があったことでボトリティス発生。ぶどうの生育では難しい年だったが、ワインは癒やしの空気感を纏ったエレガントな甘口.。舌の上を洗い流してくれるフレッシュで綺麗な酸味、熟した果実のコンポート、ロースト感。オレンジの酸やアーモンドチュイルの蜂蜜や焦しがし風味がワインとバランス良くマリアージュ

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE(株) 電話03-5413ー8831 / https://www.winetostyle.co.jp

                               
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 山梨大学×NHK文化センターでの体験
 チオールについて深掘りしたくて・・・
 山梨大学・鈴木教授が担当なさった『香りで楽しむ日本ワイン』を受講してきました[わーい(嬉しい顔)]
 
 出典:(C)山梨大学
 岡田さんから前駆体が増える要素を伺っていましたが、
 山梨大学とメルシャンの研究によると、3MH前駆体合成は夜明け前に盛んになるとのこと
 ナイトハーベストは科学的有意性あり
 期せずして、岡田醸造責任者と鈴木教授からチオールについて伺うことができました。
 有意義な学習時間でした、ありがとうございました!

 
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リリースされた創業200周年記念『キュヴェ エメラ2008』を試飲しながらアンリオ賛歌 [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

 7月3日発売!! アンリオのプレステージ『キュヴェ エメラ2008』
 




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 初来日したシェフ・ド・カーヴ
 アリス・テティエンヌさんと吉川由紀子社長/2023年3月撮影

輸入元ファインズの招聘でアンリオのアリス・テティエンヌさんが来日。料飲店とプレスを対象にしたセミナーを開催しました。
テティエンヌさんはシャンパーニュ生まれ。ローラン・ペリエでマーケティングを習得。醸造家の国家資格を取得し、2014年ニコラ・フィアットで醸造を担当、2015年クリュッグに入社し、テイスティングと栽培の両チームを兼務。2020年2月からアンリオの醸造責任者に就任し、栽培と醸造を担当、今に至っています。

今回の来日では、世界に先駆け、本邦初『キュヴェ エメラ2008』を披露してくださいました。メゾン創業から200周年記念&今世紀最高のヴィンテージ2008年!!!


 アンリオの歴史を振り返りながら
 出典:ファインズ

1808年、マダム・アポリーヌ・アンリオがメゾンを創業。
元々ぶどう栽培家の家系であり、この当時は3つのGC ヴェルジ、ヴェルズネー、マイイを所有、ぶどうはピノ・ノワール。
1880年、5代目の婚姻で、コート・デ・ブランのアヴーズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェの3つのグランクリュが加わり、白ぶどうのシャルドネを使用するようになります。

1957年から7代目のジョゼフ・アンリオ社長が指揮を執り、メゾンの拡大を図りました。1995年にはブルゴーニュのブシャール・エ・フィス、1998年にはシャブリのウィリアム・フェーブルを取得。2015年からは8代目のジル・ド・ラルズィエール=アンリオ社長が采配を振るい、最新のアイテム『キュヴェ エメラ』のデビューにも関わりました。2020年に女性シェフ・ド・カーヴとしてテティエンヌさんが就任。2世紀にわたり家族経営を貫いてきたのですが・・・

2022年、シャトー・ラトゥールやクロ・ド・タールを所有する高級ブランド『ケリング』 (ワイン部門はアルテミス・ドメーヌ)のオーナー、フランソワ・ピノー氏がアンリオの株を取得。2023年、生産協同組合 TEVC (テロワール・エ・ヴィニュロン・ド・シャンパーニュ)に移管されたことで、アンリオはTEVCの傘下になりました。ちなみに、ニコラ・フィアットもTEVCの傘下です。

アンリオグループで長年経営に携わってきたリシャール・モロー氏や醸造責任者のテティエンヌさん、現場のスタッフは続投なさるようなので安心していますが、アンリオラブの私としては胸中複雑。今後、ブシャール・ペール・エ・フィスはアルテミス・ドメーヌ、ウィリアム・フェーブルはドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド・ラフィットの管轄になるようです。

 
18世紀に建てられたコート・デ・ブランの迎賓館、優雅なレゾルノワで8代目ド・ラルズィエール社長から受けたおもてなしは最高でした/2019年11月撮影
この7月、上記に関して、全体の流れが見えてきたので、日本上陸したばかりのキュヴェ エメラ2008をメインに講座生の皆さんとアンリオに思いを馳せながら試飲しました。


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 シャンパーニュ講座の5アイテム


 第1部はテロワールを生かしたアイテム
 #1:アンリオ ブラン ド ブランNV
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
コート・デ・ブランのシャルドネのみを使用。ポール・アンリオとマリー・マルゲの婚姻がもたらしたシャルドネへのオマージュとも言えるアイテム。ベースヴィンテージは2016年。シトラスフルーツ、白桃やアプリコットのアロマ、チョーク質土壌由来のミネラル、フレッシュバターやブリオッシュ、心地よく広がる酸味、ピュアな印象


 #2:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 出典:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天に恵まれ、
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 鯛、クレソン、セロリ(葉および茎)、カラフルミニトマトを使った目鯛サラダ
 味付けは柚子味噌とオリーブオイル、最後に白胡麻をふりかけて完成
 ミレジメ2012は和柑橘の柚子や白胡麻との相性抜群!

 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ:6g/L
 価格:14,000円(税別)
1年前に試飲した時のコメントには、ブリオッシュ、コーヒー、白胡椒、ヨード、ミネラル、口中に広がるスマートな酸味、中盤からの凝縮感、エレガントで重厚、イースト由来の旨味との記載あり。今回は繊細に連なる気泡、香りには柑橘(レモンやGF)果実、ローストや焙煎香、イースト由来の旨味があり、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感を伴う余韻


 #3:アンリオ キュヴェ エメラ2008
 出典:ファインズ
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:5g/L未満
 価格:35,000円/37,500円箱入(税別)

アンリオにとって「8」のつくヴィンテージは特別です。
以前、8代目のジルさんに伺ったことがあります。「アンリオの創業年は1808年で、初めてシャンパンを造った年になります。それ以降も、8が付く年は良い思い出につながっています。1988年VTもとても良い収穫年でしたし、セラーにある一番古いVTは1928年。アンリオにとって8には縁があります」と語っていました。

キュヴェ エメラにはマダム・アポネーリーヌの時代から続くアンリオの遺産、6つのGC=ストラクチュアのヴェルジ、エレガンスのヴェルズネー、アロマのマイイ、緊張感のアヴィーズ、豊潤さのシュイイ、輝きのメニル・シュル・オジェ のぶどうを使っています。ピノとシャルドネの比率は半々(年によって若干の違いあり)、10年間で3~4回の割合でリリースされる由。輝きのある色調、白桃や熟れた果実、ミネラル、アカシア、焙煎香やクリームブリュレ、口中クリーミー。フレッシュさと力強さの対極感、グラス内の温度変化で複雑味が増し、長く続く余韻はエレガント。
大手メゾンの多くは2008年ヴィンテージをリリース済です。「時間は友だち」と公言するアンリオ、長熟を旨とするスタイルは本当に素晴らしいです🥂🥂🥂

 アンリオのDNA、永遠のリザーヴ
 
1990年からスタートさせたソレラシステムによるリザーヴワイン。467ヘクトリットルのタンクの番号が38だったことから『キューブ38』と命名されました。タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVのブリュット・スーヴェラン、ブラン・ド・ブラン、ロゼ用のリザーヴワインとして、残りの約3%はマグナムサイズで約1000本限定の『キューヴ38』に使っています。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


 第2フライトはロゼ
 赤ワインを添加してロゼを造っているアンリオが最も大事にしているのがアロマ
 アッサンブラージュの時は黒いグラスを使い、最終的な決断をしています。
 理由は、赤ワインを加えるので ■視覚から受ける影響を避ける ■アロマや味わいを優先

 #4:ブリュット ロゼ
 ぶどう品種:CH30%、PN60%、M10%(赤ワインとして8~10%)
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
1980年代に誕生したアイテム。ピノ・ノワールとムニエは果実感とアロマを重視したモンターニュ・ド・ランス産、シャルドネはミネラル感を重視したコート・デ・ブラン産。ベースヴィンテージは2017年。色調はサーモンピンク。香りはラズベリーやチェリー、ピンクグレープフルーツやオレンジ、ホワイトペッパーやピンクペッパー似のスパイシーな風味、軽快な酸味とフレッシュな余韻


 #5:アンリオ ブリュット ロゼ ミレジメ2012
 ぶどう品種:CH45%、PN55%、赤ワイン10%以下
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,500円(税別)
ラベルの色調と重なり合う2種のロゼ。コーラルカラー(珊瑚色)、視覚から伝わってくるボディ感。森のベリーや野イチゴ、ブラッドオレンジやエキゾチックフルーツの香り。ミネラル、塩味、フェノールのニュアンスもあり、舌の上の脂分を洗い流してくれる印象なので肉料理とのマリアージュもお薦め。

 IWC2023で金賞を受賞したロゼNV



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 テティエンヌさんへの質問
 セミナー後、プレスメンバーからの質問タイムをいただき・・・
■ジョゼフ・アンリオ社長時代から、アンリオはムニエを使わず、ピノとシャルドネだけでしたが、現在では、栽培面積でみると、ムニエは15%程度あり、使用頻度も増えているように感じます。これに関しては、畑の購入に伴い、もともとムニエが植えられていたことが要因の1つとのことで、それらのムニエは植え替えを進めているので、今後は減少していく由。ただ、年によって収量が少なかったり、温暖化の影響もあるので、質の良いムニエはキープしていく方針のようです。
■ステンレス使いのロラン・ペリエや樽使いのクリュッグでシャンパーニュと関わってきたテティエンヌさん。アンリオではステンレス中心ですが、彼女の代になってから、新しい取り組みとして、樽を使ったワインをリザーヴワインとしてストックしているとのこと。温暖化の影響下でのトライアルとして、進化を見ている由



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      シャンパーニュ委員会からの声明書

2023年の1㌶当たりの収量の上限は、世界経済の状況やインフレの影響を考慮し、前年より600kg少ない11,400kgに設定。ぶどう畑の状態は良好。霜や雹による被害はほとんど無く、病害も抑えられているので、収穫は9月10日までに開始出来る見込み。2023年の出荷量は3億1,400万本(2022年は3億2,550万本)と予測



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 余談ながら・・・
 四季のうつろいを大事にしている人形町今半さん。
 二十四節気の大暑の期間にお邪魔しました。
 定番のシャンパーニュはアンリオ ブリュット スーヴェランNV

 うちわを模した器もあり、視覚でも清涼感を満喫

      桜満開の時期には春のあしらい
      凜としたスタイルのブリュット スーヴェランに良く似合います!

  アンリオについてのお問い合わせ
  株式会社ファインズ商品部 (担当:木場谷/こばや) 電話03-6732‐8600

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