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5メゾンのシャンパーニュをテイスティング  ~メゾンの個性、酒質をチェック~  [NHK文化センター青山 シャンパン講座]



 第2フライトからリポート
 容器・熟成へのこだわり
 9月にフォーカスしたRMのタルラン
 酒質の綺麗さはさらに向上し、アイテム数の多くはほぼノン・ドゼ
 10月はタルランの“今”をお伝えしたかったのでアルジリテをセレクト

 ぶどう品種はシャルドネ100%/単一畑ノートル・ダム、ドザージュ無
 2015年7月24日瓶詰、デゴルジュマンは手作業で2020年2月10日に実施
 生産本数は281本、価格は38,500円
 フレッシュ&穏やかな酸味、グラス内の温度変化で豊潤さ、旨味、長い余韻

 歴史あるジョージアに敬意を表してラベルにもジョージア語を使用

 アンフォラはジョージアで8000年間使われてきた醸造容器
 ゆえに「シャンパーニュに使ってみたかった」とブノワ当主
 2011年から粘土で素焼きさせた容器でワインを自然発酵させています。


    2014年から伊クレイヴァー社製のセラミック容器導入
   「自然界に存在する鉄やアルミニウムのような金属イオンが移動しない。
    最大の特徴は高温で焼き固めた材質なので、ほとんど酸化することがない」とブノワ


   容器の選択には独自の世界を貫くアンリ・ジロー
  ぶどう品種はピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
  2016年からステンレスタンクを全廃 
  リザーヴワインは50%、1990年からのソレラを使用
  瓶内熟成24~36ヵ月、ドザ-ジュ7g/L、価格は8,250円
  黒系果実、南国果実、スパイス、樽の要素が溶け込みスムーズに馴染んでくる旨味

 ラベルに描かれているアルゴンヌのオーク
 貧しい土壌で育つオークは木目が詰まり硬くて丈夫な木質で区画ごとに異なる。
 アンリ・ジローでは、それを読み取って木樽を構成
 樽内部の焼き具合も細かく指示しています。
 卵型タンクはテラコッタ製


  第1フライトはメゾンの顔のNV
  3アイテムを利き比べ

 色調が一番濃い目で黒ぶどうの比率が高い印象(左) 
 シャルドネの要素を最も感じるアイテム(中央)
 瓶内熟成の印象、温度変化で凝縮感(右)


 デュヴァル・ルロワ ブリュット レゼルヴ
 生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
 ぶどう品種:PN60%、ムニエ30%、CH10% / リザーヴワイン40%
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,651円
 輸入元:セパージュ
 インパクトあるアロマ、フラワリー、柑橘系果実、ストーンフルーツ、安定感ある味わい
 茶碗蒸しに合わせて楽しめるクリーミーな食感! 
 第3週の講座生から一番支持を得ていたアイテム


 ワイ・バイ・ヨシキ × シャンパーニュ ポメリー ブリュット 2022年9月1日発売
 生産者:Y by Yoshiki × CHAMPAGNE POMMERY
 ぶどう品種:CH、PN、ムニエ
 ドザージュ:10g/L 
 価格:18,150円
 販売元:ヴァンクロス
 8月30日のプレス会見の場ではシャンパーニュのテイスティングはなかったので、
 10月の講座で受講生と体験!
 ぶどうのブレンド比率は非公開。アロマ&全体の印象からシャルドネが若干多い⁈
 気泡は細やか、白い花、柑橘果実の内果皮似のビター感、第4週講座生の一番人気 

 ドゥーツ ブリュット クラシック
 生産者:ドゥーツ(NM)
 ぶどう品種:CH35%、PN35%、ムニエ30% / リザーヴワイン50%
 ドザージュ:8~9g/L
 価格:9,900円
 輸入元:ヴィノラム
 ブレンド比率よりぶどうの出処&メゾンの顔と言えるNVを重視
 洋梨、蜂蜜、へーゼルナッツ、バター、凝縮感、余韻は長く酸味を伴い綺麗に着地


 フルラインナップ
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 左から順に供出

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 比較試飲後、思わずクスッとしてしまいました[わーい(嬉しい顔)]


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 醸造責任者の交代
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 2019年のシャンパーニュツアー時、アヤラで再会したキャロリーヌ・ラトリーヴさん
 今秋ドゥーツから届いた収穫情報でラトリーヴさんの移籍を知りました!
 ミシェル・ダヴニュ氏とのご縁もあり、後任者としてヘッドハンティングされた感じ
 ちなみに、ファブリス・ロセCEOも退任なさる由、ドゥーツへの貢献 お疲れ様でした!


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 輸入元三国ワインから届いた公式リリース 10月26日付
 新セラーマスターとして11月1日からアヤラを率いるのはジュリアン・グー氏
 ジャック・セロス、テタンジェ、アンリ・ジローで研鑽を積み、
 2018年からアヤラに参画し、活動していました。
 アヤラの新しい醸造家の手腕、期待しています🥂 



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ブルゴーニュの名門ドメーヌ・ド・モンティーユの当主がサンタ・リタ・ヒルズで造るワイン『ラシーヌ』 [来日したワイン生産者&関係者]

ブルゴーニュ地方ヴォルネイ村を拠点にする名門ワインナリー『ドメーヌ・ド・モンティーユ』のエティエンヌ・ド・モンティーユ当主の来日を機に、輸入元wine to styleが、カリフォルニア州サンタ・リタ・ヒルズでド・モンティーユさんが取り組むラシーヌのワイン7種のテイスティングディナーを開催しました。

カリフォルニアの冷涼産地サンタ・リタ・ヒルズでブルゴーニュと同じぶどう品種シャルドネとピノ・ノワールに特化したワイン造りを目指したド・モンティーユさんとシェフ・ド・カーヴのシーヴさん。

         ラシーヌについて
         エティエンヌ・ド・モンティーユさん(左上)
         シェフ・ド・カーヴ、ブライアン・シーヴさん(左下)
         シャンパーニュ『ピエール・ペテルス』のロドルフ・ペテルス当主(右上)
         タイラー・ワイナリーのオーナー醸造家ジャスティン・ウィレットさん

ご参考までに、wine to style のサイトにあるラシーヌの記事をリンクしておきます。
前述のふたりがジャスティン・ウィレットさんの表現力に感銘を受け、コラボの話を持ち掛け、そこにシャンパーニュのペテルス当主が仲間入りしました。現在は、ウィレットさんに代わり、サンタ・リタ・ヒルズのスペシャリストのライアン&べッツィー・ハナフォード夫妻が栽培パートナーとして参加しています。

ド・モンティーユさんが語ったラシーヌに関するナマ情報、ワイン解説&コメント等は ワイン王国webで紹介させていただきました。



 拡大可
 ワイナリーは
 入手したラシーヌの畑は
 2020年と2021年にぶどう樹を植えました。
 2023年か2024年には収穫したぶどうからワインを造る予定

サンタリタヒルズ ラシーヌの畑.jpg
 テイスティングディナーに供出されたワインのヴィンヤードは上記地図の
 ペテルス当主と造るスパークリングワインは2022年秋に国内リリース予定🥂


        ブルゴーニュワインファンを魅了するラシーヌのワイン
          #1:2018サンタ・リタ・ヒルズ キュヴェCH
        アルカリ土壌由来の白い花、塩味、還元的な香りが特徴

     #2:2018ウェンズラウ・ファミリー・ヴィンヤードCHサンタ・リタ・ヒルズ
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       ぶどうの植樹も手掛けた長期リースしている将来性ある畑


       #3:2018ベントロック・ヴィンヤード CH サンタ・リタ・ヒルズ
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        明太子白菜キムチにも太刀打ちしたベントロック!


       #4:2018サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤードCH
      1971年に植樹したぶどう樹で、サンタ・リタ・ヒルズの中では最古


        3種のピノ・ノワール
        エティエンヌさんは本家同様、全房発酵を多めにしています。

求めているワインのスタイルによって変わりますが、#5は50%、#6は3分の2 (「トライアルをしていますが100%でも問題ないと思える畑」とド・モンテーユさん)、#7は3分の2の割合。「全房発酵ではステム(梗)がフィルター代わりになるので、色調は淡めになりますよね」と質問したところ、「全房はステムが果皮の色素を吸収するので最終的に色はライトになります。もともとPNから造るワインは色調が淡めなので、色より、“輝き”が大事だと思っています。全房の場合、熟成による色の変化はほとんどありませんが、除梗したワインは最初は色が濃い目で熟成によって淡くなっていきます」とおっしゃっていました。とても興味深い内容でした。


 台座に写り込んだルビーの輝き、美しい!


 鳥瞰で色調観察
 #5:2018サンタ・リタ・ヒルズ キュヴェ PN
 #6:2018ラ・リンコナーダ・ヴィンヤード PN サンタ・リタ・ヒルズ
 #7:2018サンフォード&ベネディクト・ヴィンヤード PN サンタ・リタ・ヒルズ


  さらなるご活躍にCheers!!
 photo by Tadayuki Yanagi
 エティエンヌさん、wine to styleの武村Yoshiさん(左)と遠藤玲子さん(右)と一緒に乾杯🍷



 ドメーヌ・ド・モンティーユのワイン・プロジェクト@ 北海道・函館
 画像:NHK北海道webより
 10月からド・モンティーユ&北海道のワイナリー建築がスタート、完成は来夏予定
 東奔西走するド・モンティーユさんの手腕、大いに期待しています!
 https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220824/7000049961.html

 
   最後に・・・
  2004年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品していた『モンドヴィーノ』
  この映画に、ド・モンティーユファミリーも登場していました、懐かしいです。
  ちなみに、この紹介文を書いたのは・・・
  日本で最もド・モンティーユに精通しているYanagiさん

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シャンパーニュ地方の新星レコルタン・マニピュラン『コエッソン』&『デュラロ』 [シャンパン]

 秋のおいしい食材がたくさん目につきますね。
 シャンパーニュと合わせて楽しむには良い季節です。
 今回は、シャンパーニュ地方の新星をご紹介したいと思います。

  2021年シャンパーニュの業態別データ
 (C)出典:シャンパーニュ委員会/CIVC

 ネゴシアン・マニピュラン (NM) は198
 レコルタン・マニピュラン(RM)は385で構成比の約64%を占めています。
 生産協同組合(CM) は22


     シャンパーニュ地方の地図
     (C)出典:シャンパーニュ委員会/CIVC

  コート・デ・バールCôte des Barの Champagne Coessens
 縦の直線で4分割しているラルジリエの単一畑
 それぞれのラインで地質が異なっているのが特徴


 コート・デ・バールはトロワ Troyesの東側(右方向)にあります。
 シャンパーニュ地方南部に位置し、土壌は隣接するシャブリと同じキンメリジャン(貝化石)
 RM愛好家から日本上陸を嘱望されていたシャンパーニュメゾン
 コエッソン家は5代にわるぶどう農家でしたが、
 現ジェローム当主が自身のシャンパーニュを造るために2006年に設立しました。
 所有するラルジリエ Largillierの区画を2011年に調査したところ、
 表土・下層土ともに、キンメリジャン土壌であることが実証されました。
 シャンパーニュにストラクチャーとボリューム感をもたらす泥灰土の層と、
 余韻に趣きを与える石灰の層が交互に重なり合う土壌になっています。
 栽培しているぶどう品種はピノ・ノワールです。


 テイスティングした7アイテム クリックで拡大可
 左から右の順で5本が発泡性、最後の2本がコトー・シャンプノワ

 発泡性の5種で一番印象に残ったのは2番目のブリュット ナチュール ヴァンダンジュ2016
 生産本数4,000本、2016年9月収穫
 Mineral区画のPN100%、樹齢37~42年、リザーヴワイン無、ドザージュ無
 区画名に由来するミネラルの印象、ピュアで素直、造りの丁寧さを感じました。

 5番目のミレジメ2015は参考商品、生産本数3,000本、2015年9月生産収穫
 Substance区画のPN100%、樹齢37~42年、リザーヴワイン無、ドザージュ約5g/L
 気泡は繊細、香りにクリームやヨーグルト似のニュアンス、フレッシュ感をもたらす酸味


   全房・除梗のコトー・シャンプノワ
  
  (左)コトー・シャンプノワ・ラルジリエ・ヴァンダンジュ・アンティエール2017 
  生産本数1,113本、瓶詰2020年7月
  全房で25日間マセラシオン、MLF後228Lの新樽で33ヵ月熟成、非清澄&非フィルター
  アンティエール(無除梗の意味)はブルゴーニュのイヴ・コンフュロンの助言を元に生産
  (右)コトー・シャンプノワ・ラルジリエ・ヴァンダンジュ・エグラぺ2017
  生産本数571本、瓶詰2020年7月
  除梗後15日間のマセラシオン。228L の新樽で33ヵ月熟成、非清澄&非フィルター
  エグラペ(除梗の意味)は、ジェローム当主独自のスタイル

  前者は梗がフィルター代わりになるので、色調は若干淡目
  味わいの深みと茎に由来するタンニンの軽い収斂味あり
  後者は果実感と旨味、中盤以降口中に広がる厚味が印象的


 異色の経歴を有すヴァレ・ド・ラ・マルヌVallée de la Marneの Delalot
 シャンパーニュの主要都市エペルネEpernayの上方
 ヴァレ・ド・ラ・マルヌはマルヌ川に沿って広がる地域です。
 アイより東側は石灰質土壌が豊富でPN中心、西側は砂質や泥炭岩質が多いのでムニエ主体

 デュラロのジェローム・ルフェーヴル当主は9代続くぶどう栽培家の生まれ
 メゾンは2010年に興しました!
 ソルボンヌ大学哲学科出身の異色の生産者である彼が最も興味惹かれている品種はムニエ
 彼の農作業の基本は大学で学んだ哲学、年間の総生産量は約3,500本
 ワイン造りは、福岡正信の農法とビオディナミの理論を応用しています。


 レ・イリュミナシオンNV
 NVながら2017年に収穫されたムニエ100%だけで生産
 キュヴェ名はアルチュール・ランボーの詩集に由来

 レーテッドエックス
 ムニエ100%でドザージュ無。仲間が造ったリザーヴワインを使用。
 キュヴェ名はマイルスの「Rated X」に由来しており、
 初めて自社畑以外(仲間)のワインを使って、仕上げたシャンパーニュ
 初のプロジェクト作品になります。
 熟した果実とかすかなビター感、色調と香りの印象から肉料理に合わせたい気分!



六本木の『ザ・ジョージアンクラブ』や、白金高輪の『オレキス』で活躍し、多くのワインファンから絶大な信用を得ている春藤祐志氏が、新拠点の麻布台で『オレキス』を再オープンしました!

       先月、開店1周年を迎えました、おめでとうございます[わーい(嬉しい顔)]
そして、このオレキスでサービスされているのが、先に紹介した2メゾンのアイテムです。

同店のシャンパーニュリストには、シャンパーニュラバー垂涎のアイテムの他、
日本では知られていないメゾンの扱いも多くあります。
春藤オーナーソムリエのお話とスペシャルメニューを前にして、
“Champagne World”に浸るのも一興 “百聞は一飲に如かず”です!

[ぴかぴか(新しい)]オレキスは会員制なのですが、尊敬する春藤オーナーから「ブログを読んで、シャンパーニュに興味を持って、ご来店くださるシャンパーニュラバーさんなら、喜んでお迎えします」との嬉しいメッセージをいただきました。
シャンパーニュに造詣が深いオーナーが語る世界を是非楽しんでください 🥂 

レストラン オレキスOrexis
東京都港区麻布台1-11-3
info@orexis.co.jp

製品の問い合わせ先
正規輸入元 アフロスAFLOS
yooyaku.aflos@gmail.com

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ドメーヌ・コーセイのプライベート・ローズセレクション第2弾『Cherry Bonica & Beverly2020』 [ドメーヌ・コーセイ]

           日本ならではの“清涼感”をまとったメルロ

メルロに特化したワイナリー、長野県塩尻市片丘に位置するドメーヌ・コーセイ
9月20日、味村興成エノロジストが手掛けるプライベート・ローズセレクションの
第2弾『チェリー・ボニカ&ビバリー2020』の600本が先行発売されました。
総販売本数1,100本の希少アイテムのワインです。


昨年11月に発売された第1弾『チェリー・ボニカ2019』(画像左)はフランス製ボトル、
『チェリー・ボニカ&ビバリー2020』は日本製、瓶やネックに若干の違いがあります。



【ヴィンテージ】2020
【使用品種】メルロ100%
【生産地】自家農園(長野県塩尻市片丘地区 Cherry Bonica、Beverly 圃場)
【使用樽】フレンチオーク80%、アメリカンオーク20%、新樽率40%
【樽育成期間】15カ月
【瓶詰】2022年3月
【色】赤
【アルコール】12.5%
【容量】750ml
【価格】6,000円(税別)

若さを感じるパープルを含むルビーの色調、ファーストアタックはアルコールのニュアンスと控えめな酸味。スワリングでブルーベリーや丁子、シダや黒鉛、ビターチョコや甘味のあるスパイス。若々しい果実味、均整のとれた酸味、木目の細かなタンニンがあり、中盤から塩味が口中に広がり、ドメーヌ・コーセイのメルロらしい“清涼感”が後半まで続いてフィニッシュ。

グラス1杯のワインを残しておいたので、それを、翌日再度テイスティングしてみました。繊細かつ“存在感のあるタンニン”が顕著になっていて、味わいに更なるふくらみが出ていて好印象。味村エノロジストが「2020年にはほんの少しだけプレスワインをブレンドしています」と語っていたのですが、厚味の要素は、微量なるプレスワイン効果!

 ドメーヌ・コーセイの圃場
 ドメーヌ・コーセイのぶどう畑は10㌶、植栽面積は5㌶
 土壌は礫(レキ)が多いのが特徴です。


      チェリー・ボニカ畑
      凝縮感のある果実が収穫できます。


 ビバリー畑
 暗渠排水が設えてあり、水分ストレスにより、
 ぶどう樹の太さに違いが出るビバリー畑。
 味村エノロジストは「期待が持てる畑」とコメントしていました。



【マリアージュリポート】       
赤酢と合わせてオールマイティー by つきぢ神楽寿司
築地の人気寿司店『神楽寿司』の自慢は赤シャリです。
5年間熟成させた同店オリジナルの『赤酢』の穏やかな酸味が、マリアージュの仲介役をしているように感じました。

 最初に度肝を抜かれたのは、赤シャリのいくら。
 食材の魚卵と、発酵仲間の赤酢とワイン。
 双方の酸味が渾然一体感を生み出し、
 生臭さとは一切無縁の組み合わせになっていました!


      メンバー全員を笑顔にしてくれたのは、秋刀魚の握り
      ドメーヌ・コーセイのワインファンには
      是非ともチャレンジしていただきたい組み合わせです。




上記のかんぴょう巻きと炙りは、神楽寿司の三浦友久専務に「最高のマリアージュになると思うので」ということで、私が自信を持ってお願いした品目です。
ふだんはあまり、選ばないかんぴょう巻きですが、赤シャリを使い、醤油で丁寧に味付けされたかんぴょうなら、和の要素がメルロと良く合うと確信していました、
炙りのなかでは、特に、のどぐろ(中央)が、魚の脂分とワインの旨味が相乗して最高でした。ミスターメルロ、さすがの手腕だと思います!


                🍷 🍷 🍷


鴨胸との絶妙なハーモニー by テロワール・カワバタ
長年、お世話になっている『テロワール・カワバタ』の川端清生オーナーシェフ。
開店が9月だったので、毎年記念月にはお邪魔しています。
今年で8周年を迎えました!

2003年ボキューズ・ドール・コンクール日本代表に選出されている川端シェフは、今では料理コンクールを審査する立場になっています。フレンチレストランなので、扱うのはもっぱらフランスワインです。そんなシェフに、今回、ブラインドで、ワインを体験していただきました。「ニューワールドにしては繊細で美味しすぎるので、日本もよぎりましたが、フランスのペサック・レオニャン、メルロ主体2014と推測」とおっしゃっていました。


       シャラン産鴨胸のロースト マルシャン ド ヴァン

『シャラン産鴨胸のロースト マルシャン ド ヴァン』は、チェリー・ボニカ&ビバリー2020のためのメニューかと思えるひとさらでした。
口中にソースのこってり感が広がり、ワインと合わせることで、酸味が舌の上の濃厚さを洗い流してくれるので、次にまた食したい気分になります。若干のプレスワイン効果とソースの絶妙さが相乗したマリアージュでした、美味!




「仕事柄、フランスワインしか飲んでいなかったので、日本ワインがこんなに美味しくなっていたのでびっくりです」とコメントしてくださった川端シェフ
是非、ドメーヌ・コーセイのワイナリー視察もしていただきたいと思います。

『チェリー・ボニカ&ビバリー2020』の先行発売に際し、私は、ワイン単体で味わうだけでなく、今回は相性抜群と思えるマリアージュをイメージして、食体験してみました。フレンチのみならず、和食との相性も素晴らしく、守備範囲の広いワインだと実感しました。

9月に先行発売した600本は、2日間で完売してしまいました。
ワインラバーの皆様には、11月の正式発売を楽しみにお待ちいただければと思っています。
どうぞ宜しくお願いいたします!



                🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇


              
 10月3日から収穫作業開始しました!

 ワイン王国で『Mr.メルロのワイン道』の連載がスタートしています。
 味さんのワインにかけた想い、足跡の旅をご一緒に!!

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春期講座最終回は日々前進の醸造家『タルラン』のブノワ・タルランに注目 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 シャンパン講座報告前に、最新情報&講座の要点を 画像はすべて拡大可
 クリストフ・ジュアレス団長から2022年収穫情報が届きました。
 太陽の年と形容できる素晴らしいヴィンテージになりそうです。


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 主要消費国のカテゴリー別比較  2021年度/金額ベース/出典 CIVC
 日本は世界第3位の市場です。
 プレステージを好んでいることがわかります。
 他国と比べ、甘口タイプのシャンパーニュ(全体の11%)の比率が高いです。
 大手メゾンのマーケティングが成功している⁇
 クリコのリッチやポメリーのブルースカイ等がナイトマーケットで大量消費されている!
 シャンパーニュを氷で割って飲む 🤔


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 ここから講座内容をご紹介
 春期講座の〆はタルランのシャンパンに注目しました。
 造っているアイテムのほとんどがノン・ドゼに変わっていたのは、新たな驚き!
 すべてノン・マロ、酒質の綺麗さが、さらにアップしている印象でした。

 いつも迅速にリポートをアップしてくださるブログ仲間のHakoさん
 私がブログを作成している途中に授業風景の写真を送ってくださったので、即、活用。
 授業で使ったパワポの資料が写っているので、それで解説しますね。

上段左 メゾンの歴史は1687年にまでさかのぼることができます。ピエール・マッソンからビオディナミの指導を受け同農法を導入。ドザージュを極力控え、長い熟成を大事にするシャンパーニュメゾン
下段左 タルランが取り組んでいるのが古代品種。2003年から3品種だけを使ったシャンパーニュ生産に取り組み、2014年に完成したアイテムがBAM。15年振りに来日したブノワが新作を披露してくれたことは懐かしい思い出

上段右 タルランには自根のシャルドネがあり、『ラ・ヴィーニュ・ダンタン』というアイテムを生産しています。広報担当をしているブノワの妹メラニーが、昨年オンラインセミナーでタルランが取り組む温暖化対策について語りました。
下段右 新しい容器も使用しています。ブノワ曰く「アンフォラはジョージアで8000年間使われてきた容器なので、シャンパーニュに使ってみたかった」ということで、2011年から粘土で素焼きのアンフォラでワインを自然発酵させています。2014年からは伊クレイヴァー社のセラミックタンク(蚕の繭のような形状)を使用していますが、その理由について「自然界に存在する金属イオン(鉄やアルミニウム)が移動せず、高温で焼き固めた素材なので、ほとんど酸化しない」と語っていました。



              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 左から右の順に供出

 すべて天然コルク、状態は完璧!


 第一フライトは古代品種にフォーカス

 #1:タルラン シャンパーニュ ゼロ ブリュット ナチュレNV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:CH、PN、ムニエ各32%
 残りの4%はプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・ブラン
 ドザージュ:0g/L ベースワインは2013年
 価格:8,250円

 #2:タルラン バムBAM NV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ブラン25%、アルバンヌ25%、プティ・メリエ50%
 ドザージュ:0g/L 主体となるヴィンテージは2009年、一部2007年をブレンド
 価格:オープン価格/参考上代:24,750円

第3週と第4週で、ボトル内の熟成具合が微妙に異なり、非常に興味深い試飲になりました。#1はタルランの“顔”です。青リンゴ、レモンやマンダリンオレンジ、ハチミツやナッツ。凛とした酸味、温度変化で味わいにふくらみや華やかさ、旨味と心地よい余韻、好感度大!

#2のBAMは、第3週の時には、余韻が、ほんの少し短く感じたので、シャンパーニュの主要3品種の#1と利き比べると、若干の違いを受けましたが、第4週では、瓶内熟成が本当に素晴らしく、「これがブノワの求めているBAM!」と感じました。開発当時から「口中でバンと弾けるような感じなのでバム」と語っていたブノワ。2014年に初めてテイスティングした時には、確かに“弾け感”がありました。でも、今回は落ち着いたニュアンスで、破裂感はおさまっていました。彼ならではの古代品種のシャンパーニュ






 第二フライトはミレジメ


#3:タルラン ミレジメ ラ ルテシエン ブリュット ナチュレ2005
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH80%、PN20%、
ドザージュ:0g/L
価格:14,300円
気泡は細やか、柑橘系果実、ストーンフルーツ、フレッシュバター、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、豊潤で深みがあり(第3週より第4週の時のほうが熟成感あり)、バランスの取れたシャンパーニュ

#4:タルラン ヴィニ―ニュ ドール ブリュット ナチュレ2004
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ムニエ100%
ドザージュ:0g/L
価格:20,900円
マルヌ独特の粘土石灰質土壌(スパルナシアン)から造られるムニエ100%。一瞬で飲み手を魅了する熟成感、アロマは南国果実、ミネラル、黒糖、スパイスなど様々。力強く、複雑味があり、余韻も長く、バランス良好。第3週で圧倒的な支持を得ていたアイテム


#5:タルラン ミレジメ レタンスロント ブリュット ナチュレ2002
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH57%、PN29%、ムニエ14%
ドザージュ:0g/L
価格:28,600円
気泡はワインに溶け込み、クリーミー。レタンスロント=花火と命名されたシャンパーニュも20年の歳月を経て、まるみを帯びた印象に。ロースト風味、ビター感、石灰由来のミネラルと酸味の広がり、コクがあり、穏やかに長く続く余韻








            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 「醸造作業の75%は圧搾にかかっている」と語るブノワ
 コカールは2007年から使っています。
 直近の圧搾画像(右)を送ってもらったところ、
 Tシャツに書いてある文字が気になったので質問してみました。


 お返事は・・・#シャンパーニュに氷を入れるな!
 
 Tシャツは2017年に作ったそうです。
 現在のメンバーは16メゾンで、アグラパールやシャルトーニュ等、
 優秀な若手の生産者が参加しています。
 シャンパーニュは土壌+ワイン何よりテロワールが大事と考えるメンバー

 大手メゾンのマーケティングとヴィニュロンの行動
 かい離、隔たりがありますね!!

製品についてのお問い合わせは株式会社八田/電話03‐3762‐3121

タグ:BAM タルラン
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Happy Bicentennial! シャルル・エドシック『シャンパン・チャーリー』復活! [シャンパン]

 シャルル・エドシック記念イベント by 正規輸入代理店日本リカー
 2022年はメゾンの創始者シャルル=カミーユ・エドシックの生誕200周年
 海を渡って、アメリカを目指したシャルルの行動に敬意を表し、
 会場として選ばれたのは横浜の大さん橋国際客船ターミナルSUB ZERO

 オンライン開始と同時刻に飛鳥Ⅱの出航もあり[わーい(嬉しい顔)]
 生誕祝いにはドンピシャのタイミング


 熟成を重ねたリザーヴワインを約80%使っているシャンパン・チャーリー


      アメリカではチャーリーの愛称で親しまれていたシャルル



[NEW]ワイン王国のwebで37年ぶりに復活した伝説的キュヴェ シャルル・エドシック『シャンパン・チャーリー』について紹介しています。
 ご笑覧いただけましたら幸いです。
 シャンパン・チャーリーは10月3日に数量限定でリリースされる予定です。

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