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ルイ・ジャドが所有する『ドメーヌ J. A. フェレ』のオドレ・ブラチーニ醸造責任者が日本向けオンラインセミナーで初登場! [Zoom / ワイン]

 ドメーヌ・フェレとルイ・ジャドのプイイ・フュイッセ2018をテイスティング

2018年は冬から春にかけては涼しくて雨が多かったが、5月からは乾燥して暑い天気になった。8月からぶどうの熟度をチェックしたが、場所によって、差があり、収穫の時期の判断はかなり悩ましいものだった。結果的に、過去一番長い収穫期間になったが、待つことで、愛すべきワインになり、オドレさんは「デリケートでフレッシュ感もあり、長期熟成タイプのワインになった」とコメント


ドメーヌ J. A. フェレ プイイ・フュイッセ2018希望小売価格5,000円(税抜)
フュイッセのさまざまな区画の最良のぶどうをブレンド。平均樹齢は40年。土壌は花崗岩、泥灰土、石灰土。収穫は手摘みで早朝の涼しいうちに実施。古生代の花崗岩土壌から収穫したぶどうはステンレスタンク(50%)で醸造することで、果実味豊かで飲みやすいワインになり、泥灰土や石灰土壌のぶどうは使用樽(50%)でストラクチュアを表現。定期的にバトナージュを行い、約10カ月熟成、全量ブレンド後、ステンレスタンクで数カ月熟成。

ルイ・ジャド プイイ・フュイッセ2018希望小売価格4,600円(税抜)
フュイッセ村、ソリュトレ・プイイ村、ヴェルジソン村、シャントレ村の畑のぶどうを使用。土壌は白亜質と粘土の混合。収穫は手摘み、ステンレスタンク(60%)とオーク樽(40%)で数カ月熟成させ、全量ブレンド後、ステンレスタンクで澱とともに3カ月熟成。


 初登場のオドレ・ブラチーニ醸造責任者

ルイ・ジャドのピエール・アンリ・ガジェ社長の秘蔵っ子のオドレ・ブラチーニさん。
ワイン好きの父親の影響を受け、若い頃からワイン造りの道に進むことを決意。モンペリエ国立大学農学部で農業技師およびエノロジストの資格を取得。ボージョレにあるワイナリーでキャリアを積み、2008年にルイ・ジャド社がマコネ地区にある『ドメーヌ・フェレ』を買収した時に、醸造責任者に就任、現在に至る。今まで、来日するチャンスがなかったので、今回のオンラインセミナーがオドレさんの初登板になりました。


  地質について
 赤色は基盤を成す古生代(約3億年前)の花崗岩土壌
 青色は堆積した泥灰土や石灰質の土壌
 黄色は最近のもので、ぶどう栽培には適していない土壌

       参考資料 地質時代と地層名
       出典:ブドウ畑の自然環境/武田弘著


 マコネ地区
 ブルゴーニュ地方の栽培面積は28,000㌶
 コート・シャロネーズ地区とボージョレ地区の間に位置するマコネ地区は7,000㌶
 主要品種シャルドネはマコンの生産量の85%を占めている
 複雑な土壌と唯一のぶどう品種シャルドネが織りなす魅力


 プイイ・フュイッセ
 Les Crouxから撮影したヴェルジソン村の丘の写真
 プイイ・フュイッセの栽培面積は800㌶、北から南までは7km
 ブルゴーニュ地方のなかではシャブリに次いで2番目に大きなAOC
 フュイッセの村は18㌶で50区画あり、円形競技場型の形状で広がっている


4つのコミューン
ヴェルジソン 
中生代の地層で一番古い。西側には三畳紀の石灰質がある。面積193ha、標高250~430m、 完全な堆積土壌で、同村は北側に位置しており、標高も高い。
ソリュトレ・プイィ 
面積224ha、標高220~425m 、主たる土壌は、石灰岩、粘土、泥灰土、落石で、石灰岩が最もよく表れている村。収穫時期はフュイッセ村とほぼ同じ。
フュイッセ  
古代円形劇場のような形を成し、2つの斜面の畑はそれぞれ違ったワインを生み出す。面積274ha、標高210~390m 、土壌の複雑さで言えば最も変化にあふれた村。最も古い地層と最も若い地層の間には3億年以上の差がある。古生代(西向きの斜面)の土壌を見つけることができる唯一の村。フュイッセの反対側(東向き)は泥灰土、石灰岩 砂岩。フュイッセのプルミエ・クリュがある場所は、水捌けが良く「斜面の真ん中にある粘土質は将来的に偉大なテロワールになる」とオドレさん。
シャントレ
面積111ha、標高215~285m 、最初に収穫が始まる村。東向きの斜面の上には石灰岩を含む岩の多い区画があり、下の方に行けば行くほど粘土が多い。


 ジャンヌ・フェレの功績
 マダムが活躍していた伝統を受け継ぎ、オドレさんが醸造責任者に就任

ドメーヌの責任者はジャンヌ・フェレの夫ジャン・アルフレッドでしたが、彼は本業(歯科医師)で忙しく、妻ジャンヌが実質的にワイナリーを取り仕切っていました。手紙に「ワインの仕事に身を投じている」としたためています。

1974年にジャン・アルフレッドが他界し、周囲の人々は、初めてマダム・フェレがワイン業に関わっていたことを知ります。人生のすべてをプイイ・フュイッセに捧げてきたジャンヌ・フェレ。40年前に彼女が明確化していたプルミエ・クラスが、2020年に正式に認められたことになり、マダムの先見の明に、改めて敬意を表したいと思います。

1993年マダムが世を去り、ドメーヌはコレット・フェレに託されましたが、病弱の為、2006年に逝去。独り身だったので引継ぎが出来ず、2008年にルイ・ジャドが買収。両家には交流があり、1970年代にはルイ・ジャドで活躍した名醸造家ジャック・ラルディエールさんがマダム・フェレのドメーヌで研修していたという繋がりもありました。ドメーヌ・フェレへのリスペクトとして、今でも緑色のボトルが使われています。2008年にオドレ・ブラチーニさんがワイン・メーカーに任命され、2012年には新醸造所も完成しました。
 
生命力があれば良いぶどうができるという考え方から、ぶどう畑では土壌にエネルギーを持たせることに注力しています。作業をする人たちの健康面にも留意。畑では除草剤を廃止。ぶどう樹の選択もマサル・セレクションに戻しています。土壌や樹齢によって手入れは異なりますが、若い樹の畑には馬を活用。ぶどう樹の剪定はとても重要なので、ギュイヨ・プサールを導入中。


 マダム・フェレが行った3箇条
 
 (1) 1930年代半ばからぶどうの区画ごとに醸造 
 (2) 1942年から自社畑のぶどうを自分のメゾンでボトリング
 (3) 1970年代後半から独自の格付けを設定 
 キュヴェ・テート・ド・クリュはプルミエ・クリュ、キュヴェ・オール・クラッセはグラン・クリュとの認識


22のクリマがプルミエ・クリュに選ばれたことについて
オドレさんは「実際の使用状況(知名度、収量、販売量)や、技術的な面(土壌、地質、斜面、畑の向き、標高)等、さまざまな観点から総合的に見て判断されました。昔から素晴らしい、偉大な土地と認められていたところが、公式にプルミエ・クリュという形で認められたという理解です。プイイ・フュイッセに少しだけ光が当たったという気がしています。AOC プイイ・フュイッセについて良く知らなかったという人もいると思うので、いろいろなクリマやいろいろな味わいのワインがあること発見していただければ嬉しいです。また長期保存ができるワインがあることにも注目していただければ、プイイ・フュイッセに光が当たるように思います」とコメントしました。


 プルミエ・クリュに認められた22のクリマ 拡大可
 2020年11月に15年以上の努力が実ってPCに認められた
 PCはで囲ってあります。その多くは東向き、土壌は泥灰土質、石灰土質、粘土質

 
 Vergissonのコミューン
 Les Crays、 La Marechaude、Sur la Roche、En France
 Solutre-Pouillyのコミューン
 La Frerie、Le Clos de Solutre、Au Vignerais、En Servy、Aux Bouthieres、
 Aux Chailloux、Pouilly、Vers Cras(Solutre-PouillyとFuisseと重複)
 Fuisseのコミューン
 Le Clos、Les Brules、Les Menetrieres、Les Reisses、Les Vignes Blanches、
 Les Perrieres、Vers Cras(Solutre-PouillyとFuisseと重複)
 Chaintreのコミューン
 Le Clos de Monsieur Noly、Les Chevrieres、Aux Quarts、Le Clos Reyssier
 https://www.pouilly-fuisse.net/en/


 ドメーヌ・フェレのプルミエ・クリュのラベル
 2020年ヴィンテージからPCに昇格

  出典:ワールドアトラス

 ドメーヌ J. A フェレの所在地はで表示
 Les Perrieres、Les Menetrieres、Tournant de Pouillyは地図に四角で囲った場所
 Clos de Jeanneに関しては、「ル・クロは プルミエ・クリュ畑のル・クロではなく、
 ペリエール(Le Planの区画)に属し、昇格したル・クロとの差別化の為、
 ジャンヌ・フェレの名にちなみ、クロ・ ド・ジャンヌという名に変更」とオドレさん。

 春の霜害については「畑の被害はありましたが、ブルゴーニュの北のエリアに比べると、
 マコネやプイイ・フュイッセは影響も少なく、プルミエ・クリュの畑は問題ありません」
 とのお返事でした。ぶどう達は無事だったようです、良かったです!


   番外編マリアージュのお薦め
   安定感のある相性スモークサーモン、バターで! 

     和歌山県産南高梅で梅肉ソースを作り、豚肉とレンコンを漬け込む
 梅とプイイ・フュイッセ双方の上質な酸味が相乗し、食欲をそそる一品になります!
 ジメジメした梅雨時にぴったりの梅干し、日本人に受ける相性だと思っています。


【商品についての問い合わせ先】
 日本リカー株式会社 電話03- 5643-9770
 https://www.nlwine.com/

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ウェビナーでアクセル・ハインツ最高醸造責任者と『オルネッライア2018』の世界へ! [オルネッライア/ Ornellaia]

  4アイテムの最新ヴィンテージをリリース
 伊トスカーナの海岸沿いのボルゲリに位置するスーパータスカン『オルネッライア』
 2021年4月から、2018年&2019年ヴィンテージを順次発売しています。

 今回のウェビナーのために届いた4アイテム
 アクセル・ハインツ氏自筆のお手紙も添えられていて[わーい(嬉しい顔)]

  ボルゲリの卓越性
 画像提供:オルネッライア

 初ヴィンテージは1985 年、赤・白ワインともに、30 年余の短期間で、
 イタリア国内だけでなく、世界中から熱い賞賛を受けるまでになりました。
 地中海特有の樹木や砂地と、水平線が陽光を受けて輝く風光明媚な土地に、
 115㌶を越えるぶどう畑が広がっています。


              新しいヴィンテージの紹介


  オルネッライア最高醸造責任者アクセル・ハインツ氏のナビで
 ハインツ氏とは昨年11月のオンラインテイスティング@アマン東京以来になります。
 冷涼年と温暖年についての解説と垂直試飲(2006年、2010年、2011年、2017年)でした。


 左からテイスティングに

 #1:ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア2019 IGT トスカーナ・ビアンコ
 ぶどう品種:ソーヴィニヨン・ブラン78%、ヴェルメンティーノ16%、ヴェルディッキオ6%
 #2:レ・ヴォルテ・デル・オルネッライア2019 トスカ―ンIGT ロッソ
 ぶどう品種:非公開
 #3:レ・セッレ・ヌオーヴェ・デル・オルネッライア 2018 DOCボルゲリ ロッソ
 ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン33%、メルロー32%、カベルネ・フラン18%、プティ・ヴェルド17%
 #4:オルネッライア2018 DOC ボルゲリ・ロッソ・スペリオーレ
 ぶどう品種:メルロー51%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%、カベルネ・フラン7%、プティ・ヴェルド2%


 
#1:ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライアはソーヴィニヨン・ブラン主体、畑のマイクロ・クライメットの影響を受けたエレガントな白ワイン。ソーヴィニヨン・ブランの収穫は8月19日開始で9月上旬に完了。晩熟型のヴェルメンティーノとヴェルデッキオが完熟したのは9月中旬。

ハインツ:トロピカルフルーツや下草の香り、滑らかな舌触り、活き活きとした酸、豊潤で、決して重すぎない。ジューシーな酸がバランスを保ち、すべてにおいて調和の取れた味わい。2019年の春はやや涼しかったが、ぶどうの生育期は温暖でぶどうは完熟、きれいな酸が印象的な年、白ワインはバランスの取れたスタイルになった。

 
#3:レ・セッレ・ヌオーヴェ・デル・オルネッライアはフラッグシップのオルネッライア同様の想いを注ぎ、手間暇かけて仕上げたセカンド・ラベル。黒ぶどうの収穫は8月31日メルロ―からスタート。カベルネ・ソーヴィニヨンは10月8日に穫り入れ、すべて順調に終了。
ハインツ:100%ワイナリーのぶどうを使用。オルネッライアとは違うスタイルのキュヴェを選択。層の広がり、複雑さ、力強さがあるワインで、若いうちでも、熟成させても楽しめる。複雑さを味わうなら5~10年は寝かせて! 4種(CS、ME、CF、PV)のぶどうをブレンドしているが、傾向としてはメルロが中心となることが多い。MLFはステンレスタンクを使い、その後、樽に移動。樽熟15ヶ月。2018年は温暖な年だったが、春に雨が多く降った。ワインはバランスの取れたエレガントなスタイルになった。

青木私感:今飲んで美味しいワイン、今後の熟成の変化にも期待。ぶどうの熟度や丁寧な造りが感じられる魅力的なワイン、超お薦め!



#2:レ・ヴォルテ・デル・オルネッライアは肩肘張らずにワインを楽しみたいワイン愛好家向きのカリテプリワイン。収穫は9月5日から少しずつ開始し、晩熟型のぶどうも含め、10月4日にすべて終了。
ハインツ:“純粋さ”に重点を置いたワイン。まっすぐでフルーティーな味わいを第一のポイントにしているので、このワインにはかっちりしたストラクチュアは求めていない。リリースしてすぐ飲めるタイプなので他の赤ワインと比べて熟成期間(10~12ヶ月)は短い。好天が続き、ぶどうもゆっくり熟したので、味わい的にはリッチでパワフル。レ・ヴォルテの純粋な果実味はうまく表現できたと思っている。


#4:オルネッライアは調和と複雑味を備えたフラッグシップ。収穫開始は8月31日メルローを穫り入れ、カベルネ・ソーヴィニヨンのような晩熟型のぶどうは10月8日に穫り入れて、収穫は無事終了。
ハインツ:2018年はぶどうが熟すには十分温暖な気候だったが、それほど極端に温かではなかった。ぶどうはしっかり熟したが、より繊細で表現力豊かなヴィンテージになった。オルネッライアは最高の区画のぶどうや一番古い畑のぶどうを使用している。ワインが本領を発揮するにはもう少し時間がかかると思うが、味わいのなかに黒系果実のニュアンス、柔らかな果実味、上品な舌触り、シルキーなテクスチュア、2018年らしいアロマ豊かな輝きのある果実感が備わっている。2006年からワンワードで各ヴィンテージを表現しているが、2018年は“ラ・グラツィア(気品・優美)”、調和の取れた美しさがある。


 オルネッライアCEOのジョヴァンニ・ゲッデス・ダ・フィリカーヤ氏
 
 画像右にあるのが『ヴェンデミア・ダルティスタ』の大容量ボトルです。
 オルネッライアが誇るプロジェクトのひとつが『ヴェンデミア・ダルティスタ』
 2006 年ヴィンテージからリリースしている芸術とワインの融合です。
 ジョヴァンニ・ゲッデス・ダ・フィリカーヤCEOはプロジェクトについて言及しました。


ハインツ氏は年ごとのワインを“ワンワード”で表現しており、その言葉をモチーフにして、国際的に有名なアーティストがオルネッライアの敷地内に作品を作り、さらには、アートラベルをデザインして、限定ボトルを特別に製作しています。これらは毎年、サザビーズの慈善オークションで販売されていますが、3 年前から、収益金は、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館が立ち上げた『マインズ・アイ・プロジェクト』に全額を寄贈しています。ハインツ氏が2018 年ヴィンテージを表したワンワードは“ラ・グラツィア(気品・優美)”、ベルギー人のアーティスト、ヤン・ファーブル氏が作品を手掛け、2021年9 月には、オンラインでサザビーズがオークションを開催する予定です。


 ヤン・ファーブル氏は『ファーブル昆虫記』で有名なファーブルの曾孫で、
 作品は“赤い黄金”の別名を持つナポリ湾の希少な珊瑚が使われています!


 オルネッライア2018は優雅で品格に満ちたワイン

 ファーブルは、111本の特別製の限定大型ボトルのほか、10作の特別ラベルをデザイン
 第1作のラベルは750mlのボトルを6本詰めたケース入り
 10作品すべてが揃った2018年ボトルは、限定版の特別ケースとして登場します!


      IMG_6700.jpg 
      オルネッライア2018の紹介&昨年の寄贈額について触れたtwitter
      QRコードに、まぁ、可愛い恐竜!


             マリアージュを交えながら
  錚々たるワインに敬意を表し、銀座『三笠会館』の滝沢シェフのメニューで相性探求
   帆立貝とアーティチョークのマリネ オレンジソースの香り
   ワインと帆立の塩味、オレンジの酸とワインの上質な酸が程良く交差しナイス!

 視覚、嗅覚、味覚で魅了された組み合わせ


 オレッキエッテ(耳の形のパスタ)と小海老のブロッコリーソース プーリア風
 プーリア州ではブロッコリーのソースを使うのが定番とのこと
 小海老とモチモチしたパスタの食感、ワインのハーブ系要素とブロッコリーが相乗


 食べ飽きしない美味なひとさら


           2020年7月撮影
     プレイバック・・・2018年ヴィンテージは築地神楽寿司の赤酢の握り



       国産豚バラ肉のホワイトバルサミコ煮込み 
   アグラッサート(シチリアの郷土料理)とワインの果実味&活き活きした酸◎


 2020年5月撮影
 プレイバック・・・2017年VTは屈原ちまきと合わせました!


     トリッパと白インゲン豆、スペルト小麦のサフラン風味のブゼッカ
     トマトと相性の良いトリッパはワインとも良いコンビネーション

 真鯛フィレとアサリのアクアパッツァ
 旬の真鯛とアサリの旨味がたっぷり効いたひとさら
 『レ・セッレ・ヌーヴェ・デル・オルネッライア2018』とはバランスの取れた相性



 トスカーナ料理『カチュッコ』と絶妙なマリアージュ
 画像:三笠会館
 滝沢シェフの修行先リヴォルノの名物料理カチュッコ、予想通りのマリアージュ!
 我が家が一流レストランになり、素晴らしい世界を堪能できて幸せでした。

 オルネッライア2018のウェビナーに備えて、カチュッコを注文していたのですが、
 連休のはざま、酒類業界とワイン業界に精通するおふたりが遊びに来てくださったので、
 達人たちの意見も拝聴すべく、テイスティングとマリアージュ探求をしてみました。
 素晴らしすぎて、全員しばし無言(笑)


「煮込んだ魚介のたっぷりしたコク、とても心地良い酸味(乳酸も含めて)、ワインと料理との力のバランスが取れた楽しいマリアージュでした。オルネッライアのタンニンがフレッシュながら丸く、丁寧な選果も感じられ、これからさらにこなれていくのが楽しみです。シンプルなお肉料理はもとより、大地を感じるような根菜等を生かしたお料理も試してみたいです。とにかくオルネッライアには包容力があります」との感想をいただきました。

深く同意です!!!
コロナが落着き、イタリアからアクセル・ハインツ氏が来日なさった暁には、絶対に滝沢シェフのカチュッコとオルネッライア2018の体験をしていただきたいと思っています!

       魚介類を赤ワインで煮込むのが特徴のカチュッコ
       オマールや帆立のコクが凝縮したソースは圧巻


              ★☆★☆★☆ ★☆★☆★

         フェミニンな魅力にあふれたオルネッライア2018
    今年5月迄に試飲したワインのなかのべスト・ワン、素晴らしいです!
    オルネッライア2018/希望小売価格(税別) 34,000 円


 レ・セッレ・ヌオーヴェ・デル・オルネッライア2018 /同10,000 円
 ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア2019/同10,000 円
 レ・ヴォルテ・デル・オルネッライア2019/同4,400 円

【オルネッライアへのお問い合わせ】
Elena Oprea, Ornellaia Communication Manager
TEL: +39 348 465 7945 Email: elena.oprea@ornellaia.it
URL: http://www.ornellaia.com/it/
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シャンパーニュ業界の新たな動き 正式にお披露目した女性だけのグループ“La Transmission Femmes en Champagne ” [シャンパン]

  La Transmission Femmes en Champagne
 コロナ渦中、少しトーンダウン気味のシャンパーニュ業界ですが、日本に向けて、
 新たな活動を知らせるイベントが行われました。
 オンラインでのLa Transmission Femmes en Champagneです。
 シャンパーニュメゾンの9人の女性たちが2016年に立ち上げた非営利のグループは、
 ワイン業界の女性の活躍を応援し、シャンパーニュの新しいヴィジョンを伝達することを
 目標にしています。

 9人の女性たち
 後列左から右の順に
 ブルーノ・パイヤールのアリス・パイヤールさん
 クリュッグのマギー・エンリケスさんシ
 フィリップ・ゴネのシャンタル・ゴネさん
 テタンジェのヴィタリー・テタンジェさん

 前列左から右の順に
 ボワゼルのエヴリン・ボワゼルさん、
 ドラピエのシャルリーヌ・ドラピエさん
 タルランのメラニー・タルランさん、
 A.R ルノーブルのアンヌ・マラサーニュさん
 クロード・カザルのデルフィーヌ・カザルさん


          アペラシオンの南から北の順にメゾンを紹介
       地図の南から北の順に/拡大可
       ドラピエ
       フィリップ・ゴネ
       クロード・カザル
       タルラン
       A.R ルノーブル
       ボワゼル
       ブルーノ・パイヤール
       クリュッグ
       テタンジェ


 供出されたシャンパーニュ
 画像左から右の順に/参加者に送付されたシャンパンはランダム
 ボワゼル ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2007
 A.R ルノーブル ブリュット・ナチュール・ゼロNV
 フィリップ・ゴネ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュットNV
 クロード・カザル カルト・オールNV
 ブルーノ・パイヤール ロゼ・プルミエ・キュヴェNV
 テタンジェ プレスティージュ・ロゼ
 ドラピエ ロゼ・ナチュールNV
 タルラン ラ・エリエン・ロゼ・ブリュット・ナチュレNV
 クリュッグ グランド・キュヴェ 168 エディション


 ウェビナーで発足の経緯から次世代への伝達までを盛り込んで
 冒頭の挨拶はマダム・ボワゼル(上段右から2人目)
 MCはマダムとは旧知の仲のウィラハン・マミさん(中段右から3人目)
 “送信”を意味するネーミング
 自分たちの経験を次に伝えたいとの思いが込められています。


27年前に父親の跡を継ぎ、シャンパーニュ業界に入ったアンヌ・マラサーニュさんは、仕事を続けていく中で、いつか女性だけのグループを作りたいと思っていた。5年前に同じ思いを抱くマギー・エンリケスさんと意気投合。機は熟していたし、ビジョンもはっきりしていたので『La Transmission Femmes en Champagne』を結成。同地方のさまざまなエリアから集まっている9名は互いに切磋琢磨し、サポートし合っている。世代や背景が異なる女性たちが集まり、経験を共有し、集合体として活動している。

テイスティングでは各自が他のメゾンのシャンパンを試飲&コメント

エヴリン・ボワゼルさんは「自分たちが大切にしている価値を伝達すること。価値があるからこそ前進できる。その価値とはシャンパーニュ造りへの情熱、畑やテロワールの管理、携わる人々への配慮やその心に寄り添うこと」、また「メゾンの歴史や家族の歴史を絆として次に繋いでいくこと。足場を固めていればさらに進める」、さらに「シャンパーニュの将来にコミットすること。環境問題や気候変動への解決策を見出していくこと。自分たちは誇りを持って仕事をしてきたし、これからもしていくので、それが次世代へに刺激になれば嬉しい」と言及。

気候変動に関しては、シャルリーヌ・ドラピエさんやメラニー・タルランさんが自らのメゾンの具体例を語った。


      素敵な女性たちとシャンパンに敬意を表してミモザを添えて!


 
 上部から見た泡沫の活発さが画像からもおわかりいただけますね
 圧倒的な存在感、層になって広がる様々な要素を満喫できました!
 ちょうど1年前に、マグナムを体験した時のことを思い出しながらテイスティング
 750mlは複雑味をまといながらもフレッシュ感あり
 1,500mlは第一香からインパクトある熟成香、大容量は別物の印象!


     ル・メニル・シュール・オジェとオジェの2つのGCから成るアイテム

 長い間ボランジェやルイ・ロデレールにぶどうを供給してきたクロード・カザル

 オリーヴオイルと血合い抜きの鰹削り節とお醤油を使ったオニオンスライスとの相性◎



 ウェビナー後 品種改良中のタルランに質問タイム
 お忙しい最中、メラニーさんが時間を作ってくれました、感謝!
 マダム・ボワゼルはオブザーバーとして参加してくださいました。


 希少価値のヴィーニュ・ダンタン
 自根のシャルドネ100%から成るシャンパン

 タルランが栽培している古代品種
 (中央)プティ・メリエ (右)アルバンヌ

CIVC(シャンパーニュ委員会)では、気候変動による対策として、2010年からINRA(フランス国立農業研究所)が主導するぶどう育種事業に参画し、新しい交配品種の創生プロジェクトを進めています。

タルランでも独自の開発をしています。これは、自根のシャルドネに古代品種プティ・メリエとアルバンヌを交配させるというものです。 自根のシャルドネについて、醸造責任者のブノワ・タルランさんから伺ったことがあるので、それについて少しだけ触れたおきます。

シャルドネについて
タルランでは砂地で育てている自根のシャルドネと、自根でない(台木に接木した)シャルドネを栽培しています。
「両者は同じ砂質土壌で育ちながら、香りは異なっています」とブノワさん。
共通点は、レモンのような強い酸味は生み出さない。
相違点は、接木したシャルドネは軽やかな香り。自根のそれは力強く、より複雑で濃厚。
ブノワさん曰く「樹齢も関係していますが根の働きの違いも関係していると思っています」

メラニーさんが教えてくれた最新情報
古代品種はデリケートな風味を備えていても、熟する時期が他の品種(主要3品種)より1週間位遅いとのこと。生産量が少なく、収量も一定しないというデメリットがありました。
メラニーさんの曾祖父、祖父の時代には、収量が多いシャルドネが、古代品種に取って代わり、多用されていたようです。但し、これは人的選択、生産高に基づくものであって、シャンパンの味わいや風味のためではありませんでした。現在タルランでは、プティ・メリエが4区画で全体の約3%、アルバンヌは1区画でわずか1%足らずです。

メラニーさんは古代品種のプティ・メリエをオートクチュール品種と呼んでいて、このぶどうの幅広さに注目しています。シャンパーニュ地方で10世紀にわたり、生き抜いてきた古代品種が、今、耐性を持つシャルドネの力を借りて、新たな品種創生のために活用されているのです。
メラニーさんは「プティ・メリエとアルバンヌはシャンパンになってからも潜在性があり、熟成能力やフレッシュさが保てます」と語っていました。
新しい品種からシャンパンが誕生するには、まだまだ時間がかかりそうです。
「孫やひ孫の代、次世代への課題」とメラニーさんは語っていましたが、気候変動対策の一環としての創生プロジェクトには注目しています!


           ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

              番外編はグラスに関する一考察
  ウェビナーでは冒頭に「白ワイングラスを用意して」とのメッセージがありました。
  シャンパンメゾンを訪問しても、9割強が白ワイングラスを推奨しています。
  今回、クリュッグにはリーデルのスーパーレジェーロを使いました。
  超薄グラスの口当たりは素晴らしく、弾ける気泡の連なりは見事!


 シャンパンを試飲する時はリーデルのヴェリタスを使うことが多いです。

クロード・カザルをヴェリタスグラスで味わった時、中盤以降にプレスに由来するほろ苦さを感じました。そこで3月に発売されたばかりのドン・ペリニヨン(DP)グラスで利き比べてみました。
DPグラスで味わうと、酸味やビターな味わいが“緊張感”や“集中感”とともに一丸 (リーデルのサイトに書いてある“シャンパ ンのどの側面も主張し過ぎずバランスよく表現できる”感じ/ヴェリタスの時に感じた苦さが消え全体の味わいに同化した印象) となって舌に乗ってくる感じで、2つのグラスの印象は大きく異なりました。

リーデル・ジャパンの庄司ブランドアンバサダーは、「DPグラスは舌の後半に集中ポイントがあるタイプ」とおっしゃっていましたが、このグラスの開発に関わったジェフロワさんは、シャンパンのストラクチュア(酸やミネラル)等は、舌の中盤から後半で感じた方が、より一層存在感が増すので、そのほうがDPらしいと思っているのかも。
DPグラスはまだ2回しか使っていないので、今後も観察してみます!


 テタンジェはフルートグラス派
 
La Transmission Femmes en Champagneのウェビナー時、テタンジェのヴィタリーさんは「和食とシャンパンはともに繊細さがあり、相性的にもお薦め」とコメントしていましが、グラスの形状には触れていませんでした。

父親のピエール・エマニュエル・テタンジェさんは、常々「「シャンパンはフルートグラスで飲むべきだと思っています。それはカンヌ映画祭のレッドカーぺットとタキシードがシンボルであるのと同じく、シャンパンとフルートグラスはペアであり、シンボルだからです」と語っています。ご子息のクロヴィスさんにも質問したことがありますが、親子同意見、フルートグラス派でした!

  2020年11月にお披露目されたコント・ド・シャンパーニュ2008の時は
  バカラのフルートグラスを使用

 何度も書いていますが、たかがグラス、されどグラス! 
 ためして納得、第3世代のシャンパン・グラスもご参考までに!
 シャンパンを飲む時は、ひとつのグラスに限定しないで、形状違いを楽しむのも一興
 TPOや気分に合わせて選ぶのは楽しいですし、新たな発見もありますよ🥂🥂🥂

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ゴールデンウィーク初日はひさびさのおもてなし! [素敵な仲間]

 シャンパーニュを手土産に朋あり遠方より来る
  De Saint-Gallの畑違いの4種のシャンパーニュ

ワイン仲間のYamamotoさんが2年振りに仕事で来日したものの、その直後に緊急事態宣言が発令され、レストランではアルコールが提供できない状態になってしまったので、いつものメンバーで行う予定だった歓迎会は決行できず[ふらふら]

そこで、今回はNon Solo Vinoなワインバーを臨時開店して、遠方からの朋友のおもてなしをすることに。コロナ禍に備えて厳戒態勢を敷いていた我が家への来客は14ヶ月振り!


         ウェルカムシャンパーニュはボランジェのマグナム
       大容量ボトルでの熟成は最高、安定した味わいも魅力
       ウェルカムの一品は歓迎の意味を込めて手作りのお赤飯

 テロワール・カワバタのサーモンはOkaさんからの差し入れ


      頂戴したシャンパン
      抜栓したのはオジェとル・メニル・シュル・オジェの畑のBdeB
      Okaさんからいただいた北海道産の旬のグリーンアスパラガス
      シャンパンの軽いビター感がアスパラの軽い苦みと相乗
      味付けはお塩とオリーブオイルであっさりと

 春菊とイチゴとクルミのサラダ
 エスカール・アビタの味岡オーナーから伝授していただいた万能選手の一皿
 春菊とイチゴは相性がナイス!

 白ワインはシャトー・メルシャン『岩崎甲州2016』
 日本が誇る甲州ぶどうから造れらた品格ある岩崎甲州
 ピンクペッパーをアクセントにした生ハムと大根のサラダ

      訳ありワイン
      Yamamotoさん所有のラトゥール1983
      長さ5.5㎝のコルクは状態良好。
      38年の歳月を感じさせない若さも残っていてビックリ
      さすが息の長いワイン!


 三笠会館滝沢シェフのカチュッコ
  画像:三笠会館

『オルネッライア2018』に合わせて用意したのは三笠会館の滝沢シェフの“カチュッコ”
 イタリアのスーパータスカンにはイタリアンの名門レストランの味で格を合せて!
 濃厚なソースと豊潤なワインのバランスは絶妙でした。
 舌の肥えたおふたりにもご満足いただけて安堵[わーい(嬉しい顔)]


       先日オルネッライアとオンラインミーティングをしました。
       そのリポートと併せて、この相性についても、近々 報告します!


 密を避け、距離を保って、換気に気を配り(笑)

 米国ソノマ在住のYamamotoさんはすでに2回のワクチン接種を済ませています。
 Yamamotoさんはサントリー時代、ワイン事業部の企画部長として活躍。
 ソノマにあるシャトー・セント・ジーンでは副社長を務めた国際派のジェントルマン!
 Okaさんはサントリーの元会長だった故佐治敬三氏からの信頼度絶大だったスーパー才女
 私が大尊敬している素晴らしい女性です!
 3人の共通項をあげるとすれば・・・サントリー


 
 連休は終わりましたが、緊急事態宣言は延長になりそうな気配 
 飲食業界への締め付けはまだまだ続きそうです[ちっ(怒った顔)]

 コロナ渦中、食通のおふたりに、多少なりともおもてなしができてホッとしています。
 Yamamotoさんの次回の来日までには日本国内が落着いていることを願っています。
 お疲れ様でした!!

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