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ルイ・ジャドが所有する『ドメーヌ J. A. フェレ』のオドレ・ブラチーニ醸造責任者が日本向けオンラインセミナーで初登場! [Zoom / ワイン]

 ドメーヌ・フェレとルイ・ジャドのプイイ・フュイッセ2018をテイスティング

2018年は冬から春にかけては涼しくて雨が多かったが、5月からは乾燥して暑い天気になった。8月からぶどうの熟度をチェックしたが、場所によって、差があり、収穫の時期の判断はかなり悩ましいものだった。結果的に、過去一番長い収穫期間になったが、待つことで、愛すべきワインになり、オドレさんは「デリケートでフレッシュ感もあり、長期熟成タイプのワインになった」とコメント


ドメーヌ J. A. フェレ プイイ・フュイッセ2018希望小売価格5,000円(税抜)
フュイッセのさまざまな区画の最良のぶどうをブレンド。平均樹齢は40年。土壌は花崗岩、泥灰土、石灰土。収穫は手摘みで早朝の涼しいうちに実施。古生代の花崗岩土壌から収穫したぶどうはステンレスタンク(50%)で醸造することで、果実味豊かで飲みやすいワインになり、泥灰土や石灰土壌のぶどうは使用樽(50%)でストラクチュアを表現。定期的にバトナージュを行い、約10カ月熟成、全量ブレンド後、ステンレスタンクで数カ月熟成。

ルイ・ジャド プイイ・フュイッセ2018希望小売価格4,600円(税抜)
フュイッセ村、ソリュトレ・プイイ村、ヴェルジソン村、シャントレ村の畑のぶどうを使用。土壌は白亜質と粘土の混合。収穫は手摘み、ステンレスタンク(60%)とオーク樽(40%)で数カ月熟成させ、全量ブレンド後、ステンレスタンクで澱とともに3カ月熟成。


 初登場のオドレ・ブラチーニ醸造責任者

ルイ・ジャドのピエール・アンリ・ガジェ社長の秘蔵っ子のオドレ・ブラチーニさん。
ワイン好きの父親の影響を受け、若い頃からワイン造りの道に進むことを決意。モンペリエ国立大学農学部で農業技師およびエノロジストの資格を取得。ボージョレにあるワイナリーでキャリアを積み、2008年にルイ・ジャド社がマコネ地区にある『ドメーヌ・フェレ』を買収した時に、醸造責任者に就任、現在に至る。今まで、来日するチャンスがなかったので、今回のオンラインセミナーがオドレさんの初登板になりました。


  地質について
 赤色は基盤を成す古生代(約3億年前)の花崗岩土壌
 青色は堆積した泥灰土や石灰質の土壌
 黄色は最近のもので、ぶどう栽培には適していない土壌

       参考資料 地質時代と地層名
       出典:ブドウ畑の自然環境/武田弘著


 マコネ地区
 ブルゴーニュ地方の栽培面積は28,000㌶
 コート・シャロネーズ地区とボージョレ地区の間に位置するマコネ地区は7,000㌶
 主要品種シャルドネはマコンの生産量の85%を占めている
 複雑な土壌と唯一のぶどう品種シャルドネが織りなす魅力


 プイイ・フュイッセ
 Les Crouxから撮影したヴェルジソン村の丘の写真
 プイイ・フュイッセの栽培面積は800㌶、北から南までは7km
 ブルゴーニュ地方のなかではシャブリに次いで2番目に大きなAOC
 フュイッセの村は18㌶で50区画あり、円形競技場型の形状で広がっている


4つのコミューン
ヴェルジソン 
中生代の地層で一番古い。西側には三畳紀の石灰質がある。面積193ha、標高250~430m、 完全な堆積土壌で、同村は北側に位置しており、標高も高い。
ソリュトレ・プイィ 
面積224ha、標高220~425m 、主たる土壌は、石灰岩、粘土、泥灰土、落石で、石灰岩が最もよく表れている村。収穫時期はフュイッセ村とほぼ同じ。
フュイッセ  
古代円形劇場のような形を成し、2つの斜面の畑はそれぞれ違ったワインを生み出す。面積274ha、標高210~390m 、土壌の複雑さで言えば最も変化にあふれた村。最も古い地層と最も若い地層の間には3億年以上の差がある。古生代(西向きの斜面)の土壌を見つけることができる唯一の村。フュイッセの反対側(東向き)は泥灰土、石灰岩 砂岩。フュイッセのプルミエ・クリュがある場所は、水捌けが良く「斜面の真ん中にある粘土質は将来的に偉大なテロワールになる」とオドレさん。
シャントレ
面積111ha、標高215~285m 、最初に収穫が始まる村。東向きの斜面の上には石灰岩を含む岩の多い区画があり、下の方に行けば行くほど粘土が多い。


 ジャンヌ・フェレの功績
 マダムが活躍していた伝統を受け継ぎ、オドレさんが醸造責任者に就任

ドメーヌの責任者はジャンヌ・フェレの夫ジャン・アルフレッドでしたが、彼は本業(歯科医師)で忙しく、妻ジャンヌが実質的にワイナリーを取り仕切っていました。手紙に「ワインの仕事に身を投じている」としたためています。

1974年にジャン・アルフレッドが他界し、周囲の人々は、初めてマダム・フェレがワイン業に関わっていたことを知ります。人生のすべてをプイイ・フュイッセに捧げてきたジャンヌ・フェレ。40年前に彼女が明確化していたプルミエ・クラスが、2020年に正式に認められたことになり、マダムの先見の明に、改めて敬意を表したいと思います。

1993年マダムが世を去り、ドメーヌはコレット・フェレに託されましたが、病弱の為、2006年に逝去。独り身だったので引継ぎが出来ず、2008年にルイ・ジャドが買収。両家には交流があり、1970年代にはルイ・ジャドで活躍した名醸造家ジャック・ラルディエールさんがマダム・フェレのドメーヌで研修していたという繋がりもありました。ドメーヌ・フェレへのリスペクトとして、今でも緑色のボトルが使われています。2008年にオドレ・ブラチーニさんがワイン・メーカーに任命され、2012年には新醸造所も完成しました。
 
生命力があれば良いぶどうができるという考え方から、ぶどう畑では土壌にエネルギーを持たせることに注力しています。作業をする人たちの健康面にも留意。畑では除草剤を廃止。ぶどう樹の選択もマサル・セレクションに戻しています。土壌や樹齢によって手入れは異なりますが、若い樹の畑には馬を活用。ぶどう樹の剪定はとても重要なので、ギュイヨ・プサールを導入中。


 マダム・フェレが行った3箇条
 
 (1) 1930年代半ばからぶどうの区画ごとに醸造 
 (2) 1942年から自社畑のぶどうを自分のメゾンでボトリング
 (3) 1970年代後半から独自の格付けを設定 
 キュヴェ・テート・ド・クリュはプルミエ・クリュ、キュヴェ・オール・クラッセはグラン・クリュとの認識


22のクリマがプルミエ・クリュに選ばれたことについて
オドレさんは「実際の使用状況(知名度、収量、販売量)や、技術的な面(土壌、地質、斜面、畑の向き、標高)等、さまざまな観点から総合的に見て判断されました。昔から素晴らしい、偉大な土地と認められていたところが、公式にプルミエ・クリュという形で認められたという理解です。プイイ・フュイッセに少しだけ光が当たったという気がしています。AOC プイイ・フュイッセについて良く知らなかったという人もいると思うので、いろいろなクリマやいろいろな味わいのワインがあること発見していただければ嬉しいです。また長期保存ができるワインがあることにも注目していただければ、プイイ・フュイッセに光が当たるように思います」とコメントしました。


 プルミエ・クリュに認められた22のクリマ 拡大可
 2020年11月に15年以上の努力が実ってPCに認められた
 PCはで囲ってあります。その多くは東向き、土壌は泥灰土質、石灰土質、粘土質

 
 Vergissonのコミューン
 Les Crays、 La Marechaude、Sur la Roche、En France
 Solutre-Pouillyのコミューン
 La Frerie、Le Clos de Solutre、Au Vignerais、En Servy、Aux Bouthieres、
 Aux Chailloux、Pouilly、Vers Cras(Solutre-PouillyとFuisseと重複)
 Fuisseのコミューン
 Le Clos、Les Brules、Les Menetrieres、Les Reisses、Les Vignes Blanches、
 Les Perrieres、Vers Cras(Solutre-PouillyとFuisseと重複)
 Chaintreのコミューン
 Le Clos de Monsieur Noly、Les Chevrieres、Aux Quarts、Le Clos Reyssier
 https://www.pouilly-fuisse.net/en/


 ドメーヌ・フェレのプルミエ・クリュのラベル
 2020年ヴィンテージからPCに昇格

  出典:ワールドアトラス

 ドメーヌ J. A フェレの所在地はで表示
 Les Perrieres、Les Menetrieres、Tournant de Pouillyは地図に四角で囲った場所
 Clos de Jeanneに関しては、「ル・クロは プルミエ・クリュ畑のル・クロではなく、
 ペリエール(Le Planの区画)に属し、昇格したル・クロとの差別化の為、
 ジャンヌ・フェレの名にちなみ、クロ・ ド・ジャンヌという名に変更」とオドレさん。

 春の霜害については「畑の被害はありましたが、ブルゴーニュの北のエリアに比べると、
 マコネやプイイ・フュイッセは影響も少なく、プルミエ・クリュの畑は問題ありません」
 とのお返事でした。ぶどう達は無事だったようです、良かったです!


   番外編マリアージュのお薦め
   安定感のある相性スモークサーモン、バターで! 

     和歌山県産南高梅で梅肉ソースを作り、豚肉とレンコンを漬け込む
 梅とプイイ・フュイッセ双方の上質な酸味が相乗し、食欲をそそる一品になります!
 ジメジメした梅雨時にぴったりの梅干し、日本人に受ける相性だと思っています。


【商品についての問い合わせ先】
 日本リカー株式会社 電話03- 5643-9770
 https://www.nlwine.com/

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