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シャンパン講座でエルヴェ・ジェスタンの泡の世界 ~ハイライトは海中で熟成させたAbyss体験~ [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

先月はシャンパーニュ地方のビオディナミの大家エルヴェ・ジェスタンさんのシャンパンにフォーカスしました。メゾンはシャトーダヴィズです。きっかけは輸入元アズマコーポレーションが企画したエルヴェ・ジェスタン来日ランチセミナーでした。そこでお目にかかることができました。

昨秋『ルクレール・ブリアン』の輸入元テラヴェールの招聘で来日していたジェスタンさんとすれ違いになってしまった私としては、今春、お会いできて本当に嬉しかったです!!

エルヴェ・ジェスタンの世界を『ルクレール・ブリアン』で!

左から供出順に#1~#5

そして・・・今回、シャンパン講座でエルヴェさん渾身の『ルクレール・ブリアン』を供出することができました。テラヴェールの久保さんの計らいで待望の海中熟成シャンパン『Abyss アビス』も揃えることができました、光栄です!



ルクレール・ブリアンは1872年にキュミエールに設立されました。1955年から4代目のベルトランさんが有機栽培を取り入れ、5代目で息子のパスカルさんはシュタイナーの理論をワイン造りに反映させ、1985年にビオディナミを導入しました。2010年、パスカルさんが急逝したことで、ワイナリーの存続が立ち行かなくなり、醸造家のエルヴェ・ジェスタンさん、元モエ・エ・シャンドンのディレクター、フレデリック・デメットさん&アメリカ人の出資者に権利が譲渡され、彼らがメゾンを運営することに。2012年からエルヴェさんをメインにしたルクレール・ブリアンがスタートしました。




第1フライト
#1:ルクレール・ブリアン ブリュット・レゼルヴNV
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN40%、M40%、CH20%
ドザージュ:4g/L
価格:8,000円(税別)
収穫は2014年、瓶詰めは2015年7月、デゴ ルジュマンは2018年12月。輝きのあるストローイエロー、グリーンアップル、レモン、アプリコット、白桃、ブラッドオレンジ、フレッシュアーモンド、甘草、アニスや丁子のニュアンスも。

#2:ルクレール・ブリアン ブリュット・ミレジム2010
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%
ドザージュ:4g/L
価格:9,200円(税別)
第1フライトの2アイテムは品種の構成もドザージュ量もすべて同じ。
収穫は2010年、瓶詰めは2011年7月、デゴルジュマンは2018年1月。#1より淡い色調、若干グリーンのトーンを含んだペイルイエロー、香りは閉じ気味でしたが温度変化で本領発揮。梨、カリン、アカシア、ヘーゼルナッツ、八角、石灰由来のミネラル感、味わいに奥行きがあり、長い余韻。

第2フライト

#3:ルクレール・ブリアン ブリュット・ロゼNV
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:CH95%、PN5%(樽で熟成)
ドザージュ:4.5g/L
価格:8,400円(税別)
収穫は2016年、瓶詰は2017年7月、デゴルジュマンは2019年1月。深みのあるサーモンピンク、ラズベリー、いちご、ピンクグレープフルーツ、青梅、ドライな印象、中盤以降酸のインパクト。

第3フライト
#4:ルクレール・ブリアン レ・バス・プリエール2014
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:2g/L
価格:24,000円(税別)
収穫は2014年、瓶詰めは2015 年7月、発酵も醸造もオーク樽、デゴルジュマンは2018年8月。ペイルイエロー、フレッシュ&リッチ、黄桃、ネクタリン、ブリオッシュ、はちみつ、カルダモン、ソフトスパイス、厚味と塩味と果実味のバランス◎、口中で細く長く広がり、最後にタンニンのニュアンス。


なぜ海中で??
春の来日時、エルヴェさんに「なぜ、海中熟成させたのか」と質問してみました。
彼は「ボトルを沈めたブルターニュの海は2つの海流が交差している為、渦を巻いています。これはビオディナミの調合を攪拌させるのと同じ条件になります。水深60mの場所はシャンパーニュの気圧(6気圧)とバランスが取れるので、シャンパンをストレスの無い状態で熟成させることができます」とおっしゃっていました。さらに、エルヴェさんの測定によると、アビスは通常の熟成シャンパンより、エネルギー量が30%増になっているとのことでした。


ビオディナミ農法についての話を初めて伺ったのは、伝道師として知られているニコラ・ジョリさんでした。現代社会では、電磁波等、エネルギーの伝達を阻害する媒体が多く、具体的には携帯電話やワインセラーの電気の害について言及していました。エルヴェさんも同様で、電磁波や磁場がワインに及ぼす影響で、本来のエネルギーが弱まってしまうと語っていました。
そのような経過があったので、今回供出した5アイテムは、今までとは違った意味でワクワク感があり、なかでも希少アイテムのレ・バス・プリエール1900本とアビス98本には興味惹かれました。

#5:ルクレール・ブリアン アビス2013

ぶどう品種:CH、PN、Mを各3分の1ずつ
ドザージュ:0g/L
価格:30,000円(税別)
2017年6月から2018年6月までの1年間海中熟成させたアイテム、温度変化が年間を通してゆっくり、前述したように水圧と気圧のバランスが良いことで、ワインのストレスはほとんどないと考えられています。 輝きのあるゴールド、最初の印象は#4より香りや味わいとも穏やか、ノン・ドゼながら甘みもあり、中盤からの存在感にびっくり。海と一体化したようなミネラル感、まだまだ若さがあり、飲み終わった後、不思議な感覚になりました!

エルヴェさんからのメッセージ

講座開催週の月曜日、エルヴェさんからメッセージが届きました。

24歳の時に初めて技術的なワイン造りを始めたものの、3〜4年後には行き詰まりを感じ、それを打開するには自然と密接に繋がった作業をすることだと確信。でも、このアプローチに関する情報や書籍は何もなかったので、すべてを自分で考案せざるを得ない状況で、何年もかかったそうです。
海中熟成のシャンパーニュ、アビス造りはこのような経緯が背景にあります。

ボトルを沈めた場所はフランスのブルターニュ地方。エルヴェさんの生まれ故郷です。生きているワインとこの環境間の“共鳴”はとても強く、シャンパーニュ地方のチョークは何百万年も前の海底の堆積物から形成されており、ぶどうの根はこのチョーク質を求めて地中深く根を広げていきます。アビスはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種を均等に使ったノン・ドゼ。テイスティングの最中は考えることをやめ、ワインのエネルギーを感じ取る為に、感情のおもむくままに味わうことが大事だと記されていました。

Don't think, Feel!!


エルヴェさんが言及していたエネルギーを感じ取る為に、ワインを口に含んでからしばらくの間、目を閉じて、アビスからの語りかけを待つことにしました。

助走はきわめて物静か、しばらくして、アビスのなかの要素(果実やスパイスのみならず、熟成による香りと味わいの変化) がじわじわと舌の上に広がり、横に広がる重厚感があり、余韻がきわめて長い!
アビスを味わうには、ブルース・リーの名言 Don't think, Feel が最も適切な言葉だと思いました。本当に面白い体験でした。
96本しかないアイテムですが、チャンスがあれば、再挑戦してみたいです。エルヴェさんの素晴らしいお気遣いにも感謝です。ありがとうございました!
■輸入元:テラヴェール
URL:https://terravert.co.jp/winery/france/champagne/leclerc-briant/ 

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ピエール・グラフイユ ジェネラル・ディレクターが語った『シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ』のテロワール [来日したワイン生産者&関係者]

『シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ』の誇り

ぶどう畑の入口にある石のアーチ

~ここのワインのラベルには“Grand Vin de Léoville du Marquis de Las‐Cases ”と、本来本元を誇っていて(ボルドーとしては珍しく、シャトーという言葉が入っていない)、ここが18世紀にサン・ジュリアンばかりかメドック中で、最高の勢力を誇った貴族の領地だったことを私たちに教えてくれる。ラス・カーズの素晴らしい畑はジロンド河をのぞむ砂利層の土地にあってラトゥールと境を接している。(中略)。近年の名声は1976年から96年までミシェル・ドロンが管理していた頃に築かれたもの。彼は1996年にドロン家の3代目である息子のジャン=ユベールにあとを託した。ラス・カーズは今や格付1級ワインの好敵手になるほどのワインを生産している~
出典:デイヴィッド・ペッパーコーン著『ボルドー・ワイン』



シャトー・.レオヴィル・ラス・カーズを所有するドロン家のジェネラル・ディレクター ピエール・グラフイユ氏

ペッパーコーン氏の紹介文にあるように、レオヴィル・ラス・カーズとラトゥールは隣接しており、畑は地続き。土壌はともに似通っているので、グラフイユ氏いわく「双子と言えるほど」。
ラス・カーズ(サン・ジュリアン村)のほうが、ラトゥール(ポイヤック村)より若干粘土が多い。また、ラトゥールの畑は砂利が多く、粘土がほとんどない区画もあるとのこと。2シャトーとも川に近く、50種類の異なる土壌の層があり、この多様な土壌がワインに複雑味を与えています。

しかしながら、1855年の格付では、ラトゥールが第1級、レオヴィル・ラス・カーズは第2級となり、当時の所有者レオヴィル家にとって、この結果は受け入れられないものだったので、以来、ボトルに2級という文字は記載していません。現在の所有者ドロン家も、「我々のワインは1級に値する」との意志を受け継いでいます。

レオヴィル家は長い間メドックに畑を所有していましたが、1789年のフランス革命によって畑が分割され、1826年~1840年にかけて、レオヴィル・ラス・カーズ、レオヴィル・バルトン、レオヴィル・ポワフェレの3つに分かれ、その後、1855年に格付けが行なわれました。



ドロン家はメドック地区サン・ジュリアン村に位置するシャトー・レオヴィル・ラス・カーズとクロ・デュ・マルキ、サン・テステフ村のシャトー・ポタンサック、ポムロール地区にあるシャトー・ネナンを所有しています。

クロ・デュ・マルキとプティ・リオン
レオヴィル・ラス・カーズの畑は格付以前から所有されていた歴史ある区画であり、その囲い壁(Enclos)から500m西に位置するのがクロ・デュ・マルキ。2つの畑はテロワールも異なるので、それぞれセカンドワインを生産しています。レオヴィル・ラス・カーズはプティ・リオン、クロ・デュ・マルキはプティ・マルキです。レオヴィル・ラス・カーズは30%をセカンドに、クロ・デュ・マルキは25%をセカンドに回しますが、ヴィンテージ的に難しい年にはファーストワインの質を維持するために50%程度にすることもあるとのこと。
植樹面積で一番多いのがカベルネ・ソーヴィニョンで65%、メルロは19%、カベルネ・フランは16%。フランの比率の多いのがシャトーの特徴であり、樹齢は60~70年、なかには80年の古樹もあります。かつてはプティ・ヴェルドも植えていましたが、今はありません。その理由について「カベルネと比べてタンニンのエレガントさに欠ける」とグラフイユ氏。

クロ・デュ・マルキの区画は、昔は森林でした。ぶどう樹を植樹したのは1895年~1900年で、ファーストヴィンテージをリリースしたのは1902年。クロ・デュ・マルキの土壌はラス・カーズのそれと比べると、やや粘土が少なくなります。砂も多いのですが、ラス・カーズとは異なる砂質です。

プティ・リオンはレオヴィル・ラスカーズのセカンド・ワインで、ファーストヴィンテージは2007年。ゆえに2006年までプティ・リオンは存在していませんでした。
クロ・デュ・マルキをレオヴィル・ラス・カーズのセカンド・ワインと明記してある文献が散見できますが、シャトーでは、レオヴィル・ラス・カーズとクロ・デュ・マルキを明確に分けて考えていました。
ラス・カーズにセカンドワインがなかった時分は、ラス・カーズにならなかったぶどうをクロ・デュ・マルキに使っていました。しかし、2007年以降は完全にそれを止め、クロ・デュ・マルキには回さず、それらはプティ・リオンに使用しています。
レオヴィル・ラス・カーズとクロ・デュ・マルキは現在、同じ醸造所内で生産していますが、2つのワインの差別化をはかるため、新しい醸造施設を建設中で、今年から工事に着手、4年間で完成予定です。新ワイナリーでのファーストヴィンテージは2022年の予定。
[目]レオヴィル・ラス・カーズのテロワール


2方向からレオヴィル・ラス・カーズにフォーカス


今春来日したグラフイユ氏が披露したテイスティングは非常にユニークな内容でした。
「このような試みはシャトー内で行ったことはありますが、外に出て開催したのは3回目。今回のアジアツアーで訪問した香港、台北、東京です」と語っていました。

【テーマⅠ】は『クロ・デュ・マルキ』とレオヴィル・ラス・カーズのセカンドワイン『プティ・リオン』の2ヴィンテージ(2012年と2009年)を探究。
【テーマⅡ】は、リリースから30年を経たレオヴィル・ラス・カーズ1989と、同ヴィンテージを構成しているカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ&プティ・ヴェルドの4セパージュにフォーカスしてワインのスタイルを探究。

【テーマⅠ】
サン・ジュリアンのテロワールを探る

(右から左の順で) #1~#4

2012年と2009年の気候比較

2012年は冷涼で多雨、特に春は雨が多かった。7月中旬から好天、収穫時若干の降雨、10月4日~18日収穫、ぶどうの熟度を待っていたので晩熟の年と言える。川に近いので、メドック全体から見ればぶどうは早く熟度があがるが、2012年は遅目。非常に素晴らしい年ではないが良年だった。
2009年は2012年と対照的、平均気温も高い。醸造家にとって完璧とも言える年。春先に若干の降雨。開花までは順調。べレゾンは短期間で進み、ボルドーにとって素晴らしい年。
2つの区画は300m程度しか離れていませんが、レオヴィル・ラス・カーズは川にそばなので、熟成具合は5日~1週間ほど違うとのこと。気候変動の影響で近年カベルネは良く熟す。

プティ・リオン2012 vs クロ・デュ・マルキ2012
#1:Petit Lion 2012
CS48%、CF8%、ME44%の比率。カベルネはラス・カーズの畑の若樹、メルロは樹齢50~60年、最も古いのは80年。醸造温度はワインにフレッシュさを出すため、クロ・デュ・マルキより少し低め。熟成期間は12ヶ月(フレンチオーク100%、新樽率30%)、フランボワーズやミュール等の赤系果実、口中フレッシュ、タンニンまろやか。今の段階で開いていて華やか、セカンドワインなので、早い段階での飲みやすさが求められますが、#1はこの先も楽しめる度量。
#2:Clos du Marquis 2012
熟成期間15~16ヶ月(フレンチオーク100%、新樽率50%)、マセレーションはプティ・リオンより長め。フレッシュで、タンニンは#1より強く感じ、まだ若い印象。果実のニュアンスのほか、モカやショコラ、ミネラル、今後25年~30年熟成可能。

プティ・リオン2009vsクロ・デュ・マルキ2009
#3:Petit Lion 2009
CS29%、ME71%の比率、樹齢の古いメルロが多いヴィンテージ。熟した黒系果実、タバコ、シガー、モカ、穏やかなフレッシュ感があり、今飲んで美味しいワイン。
#4:Clos du Marquis 2009 
CS70%、ME20%、CF8% 、PV2%の比率、2009年当時PVは畑にあったが、2011年に接木してCS(ラス・カーズでマサルセレクションで増やした苗木)に植え替え、黒系果実、甘草、タンニンはしなやか、今後20年の熟成が可能


【テーマⅡ】
レオヴィル・ラスカーズ1989年の品種にフォーカス

#5:Château Leoville Las Cases1989
30年の熟成を経たワイン。1980年代で82年、86年に並ぶ良いヴィンテージ。1989年は2009年と類似した年。暑くて乾燥した“太陽の年”とのこと。カシス、ミュール、フュメ香、タバコ、ユーカリ、ミント等、各品種由来のニュアンス。フレッシュ感、横に広がる味わい、複雑味があり、余韻も長い。ブレンドの妙、4品種をブレンドすることでワンランク上の味わいに!

ドロン家では、40年前から品種ごとのボトルをキープして、熟成の変化や将来どの品種にフォーカスしていけば良いかをリサーチしています。メドックの名門シャトーの先見の明ある取組み!

#6:Merlot 1989
25%使用、1980年代はカベルネの熟度が十分でなかった分、今よりメルロの比率が高かった由。熟成が一番進んでいるのがメルロ。第3アロマに由来するタバコ、シガ-、下草、醤油のニュアンス。


#7:Cabernet Franc 1989
12%使用、香りより、味わいにフランの個性が出ている印象。ユーカリ、ミント、甘草、芯のある味わい。

#8:Petit Verdot 1989
3%使用、スミレ、熟した果実、タンニンの存在感、ストラクチュアあり、「使用が多いと全体のバランスが崩れてしまうので、ブレンドする量は重要。医者のような品種=微量使うことで、ワインの欠点を治してくれる」とグラフイユ氏。


#9:Cabernet Sauvignon 1989
50%使用、ラス・カーズが誇る王者の風格の品種。30年の熟成でさらなる底力、魅力を発揮。フュメ香、シガ-、洗練されたタンニン、凝縮感があり、エレガントなニュアンス。4品種の中のマイベスト!


銀座レカンのメニューに合わせて

春らしいパステルカラーのアミューズ・ブーシュ


レカンのハウスシャンパンは・・・瓶底がルブタンの靴底と同じ赤色のアイテム(笑)
シャンパンラバーさんならおわかりですね



フランス産白アスパラとイベリコ生ハム
唐墨とミモレットのラペ 柚子の香り


熟成したボルドーワインとの相性、お薦めです!
乳飲み仔羊のロティ パセリとピスタチオのアビベール
春蕪 人参 アスパラガスのトリコロール ガルニ
エミュルショネした仔羊のジュのソース


デザート取り合わせ、ハッピー!


1989年ヴィンテージの特別セット

限定100セット(日本への入荷量は未定)で9月に発売予定!
ケースの中にはラス・カーズ1989年ヴィンテージとモノ・セパージュ4種+グラス
メスシリンダーも入っているので、世界で一つだけのオリジナルブレンドが作れます!


ラス・カーズでは25~30年の割合でリコルクをしています。


新旧のコルクを手に


テーマⅡのワインはすべてデキャンタージュしてサービス


壮観、ドロン家が誇るワイン!


最後に最新ヴィンテージ2018年情報
例外的な素晴らしいヴィンテージ。乾燥していたが、暑すぎなかった。カビの発生もなく、雨もなく、各区画で細かいチェックをしながら収穫できた。9月19日にメルロから収穫を開始、10月15日にカベルネを収穫。メルロは過熟を避けて早めに収穫し、カベルネはタンニンの熟度を待って収穫した。現時点でアロマティックな素晴らしい出来。期待が高まるヴィンテージ!

レオヴィル・ラス・カーズならではの早めのブレンド
ラス・カーズでは収穫した年の12月、MLFが終った段階でブレンドをしています。試飲をして、優劣を決め、そこでブレンドを完了してしまうとのことなので、プリムールで供出するワインは確定したブレンド。ピエール・グラフイユ氏は「早い段階でブレンドしたほうがより結びつきが強く、融合しやすい」とコメントしていました。

URL:シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ

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シャブリ『ドメーヌ・ラロッシュ』のティエリー・ベリコー社長と6アイテムのGCをテイスティング [来日したワイン生産者&関係者]

ティエリー・ベリコー社長へのインタビュー

輸入元ジェロボームの招聘で昨年2月以来の訪日になったティエリー・ベリコー社長

光栄にもグラン・クリュ6アイテム5ヴィンテージを試飲しながら単独インタビューさせて頂きました。
前日に到着なさったばかりでしたが、朝10時30分からのグラン・クリュだけのテイスティングも順調に進み、インタビュー翌日からの日本縦断セミナー&メーカーズディナー(京都、大阪、福岡&札幌)に向けて弾みがついたご様子でした。

最新のヴィンテージ情報では、2018年は非常に喜ばしい出来で数量&品質ともに理想的、霜にも雹(ひょう)にも悩まされることもなく、問題がなかった由。夏は暑くてかなり乾燥したので若いぶどう樹は苦労しましたが、ドメーヌ・ラロッシュ(以後ラロッシュ)のレ・ブランショに関しては平均樹齢45年、収穫は8月27日から開始したとのことでした。ただ、インタビュー中、「昨日の夜、霜の害が予想されるということで、ろうそくを灯したり、散水したようです」とベリコー氏。
思わず、昨年同様の理想的な気象状況になるように願ってしまいました!

レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンスは日本が最大の市場
2017年の11月に来日したシャブリ委員会モロー副会長のプレス会見で、「シャブリは日本市場で再活性化しています。数量・金額ともに第3の市場であり、なかでもプルミエ・クリュPCやグラン・クリュGCの伸びが良いです」との報告がありました。

シャブリのぶどう畑は総面積にして5,000㌶に及びますが、最上級に格付されているGCはわずか100㌶のみ、例えて言うと、ボルドーのシャトー・マルゴーの広さしかありません。

ジェロボームがラロッシュの輸入に関わって3年、ベリコーさんがラロッシュの社長に就任して10年経過しました。日本での販売も快調で、高価格のアイコンキュヴェ、GC『レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンス』に至っては日本が最大の市場になっているとのことでした。ベリコー社長は今後の目標として「PCとGCの良さをさらに知っていただけるように頑張っていきたい」と述べていました。

ラロッシュが誇るグラン・クリュ


シャブリは町を中心に放射状に広がっている産地で、現在2,500名ほどが居住しています。
ラロッシュは自社畑を90㌶所有しており、GCとしては、レ・ブーグロ(ジェロボームでの扱いなし)、レ・ブランショレ・クロレ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンスを生産しています。



小道を境に隣接しているレ・ブランショ(地図の右端)とレ・クロ(その左隣)ですが、ワインの個性は異なります。レ・ブランショは全体で約12㌶あり、そのうちの4㌶を所有しているのがラロッシュです。ネーミングは土壌の白さ(blancheur)に由来。南東向きの畑なので、ぶどうは午前中からしっかりと日差しを受けます。レクロは真南向きなので太陽のニュアンスを感じさせるアペラシオンです。GCの中で最も栽培面積が広く、土壌は白い粘土と砂利質、若干の泥灰質を含んでいます。

6アイテムのグラン・クリュをテイスティング

(左から)
#1:シャブリGC レ・ブランショ2016 希望小売価格11,000円(税抜)
#2:シャブリGCレ・クロ2016 同13,500円(税抜)
#3:シャブリGC レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンス2015 同18,000円(税抜)
#4:シャブリGC レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンス2011 参考商品
#5:シャブリGCレ・クロ2010 参考商品
#6:シャブリGC レ・ブランショ2009 参考商品


第1フライトは2016年のレ・ブランショとレ・クロを比較
2016年は難しい年。収量は50%ダウン。冬暖かかったことで、ぶどうの生育が早まった。春は寒くて雨も多く、霜害も発生。芽が出ていたのでダメージを受け、さらに雹害もあり、厳しい天候が続いた。8月は暑く乾燥した気候になり、9月も好天に恵まれたので持ち直すことができた。収穫は9月26日~10月4日、サイクル的には2014年ヴィンテージに類似

試飲の1時間ほど前に抜栓、カラフェに移してサービス。レ・ブランショ2016は緻密さを備えたフェミニンなスタイル。柑橘果実の内果皮似のビターさ、ミネラル感が特徴。ベリコーさんは「まだ若いがグラン・ヴァンになりうるワイン、エネルギーがあり、フィネス豊かで繊細」と。また、料理談義ではカニ(甲殻類)とアボカドの一品を提案してくださいました。私はふきのとう等、春野菜の天ぷら(塩で)を。
レ・クロ2016は香り華やか、酸のインパクト、白胡椒、白ワインながらタンニンのニュアンスも。ベリコーさんは「レ・ブランショはミネラル、レ・クロは黄色い果実」と表現。料理談義では白身の肉(鶏肉)をホワイトソースで調理し、モリーユ茸を添えた一品を提案。ラロッシュではレストランを2軒経営しており、いずれもシェフは日本人。ゆえにマリアージュの探究に余念がないようです。

第2フライトはアイコンキュヴェのヴィンテージ違い
ラロッシュの社員は全部で80名。うち35名が栽培担当者で、ひとりが1区画を担当し、年間通して、畑の状態をこまめにチェック。その成果がレ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンスに表れています。毎年3,000本しか生産しないスペシャルなアイテムの背景には (1)35名の栽培家による綿密な作業、(2)GCという格付け(フランスにおいてはアルザス、ブルゴ―ニュ&ボルドーのみ)、(3)レ・ブランショ最大のオーナーであり、最も良いブランショを所有しているという重要な3要素があります。

トライアングルの秘密


レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンスのコンセプトはテロワールをいかに引き出すかということです。“完璧”を表現するのはとても難しいのですが、それを可能にする方法としてラロッシュが行なっているのが独自のブレンド(調合)。9世紀の修道院(ロベディエンス)で行っているトライアングルによるテイスティングが、それです!

2012年を例にすると
32本のサンプルをブラインドで試飲。メンバーは醸造担当者、シェフ・ド・カーブ、栽培チームのトップ、ベリコー社長、ドメーヌ・ラロッシュのスタッフ、外部(ワインのプロ)からの参加者を人れた8名程度。
テーブル上にそれぞれ、香り、酸味、ストラクチュア(熟成によって生じる個性)の架空の三角形(上部画像の三角)を作り、午前中2回(8時~10時)のテイスティングで各ボトルの特徴が表れている箇所にボトルを置いていきます。その作業で中心部(トライアングルの中心)に集まったワインを再度試飲し、レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンスを造るためにブレンドするボトルを決定します。2012年に関しては、7つのサンプル80%、2つのサンプル20%をブレンドしました。


2015年(左)と2011年(右)

2015年は早熟な年、暑かったが太陽だけでななく、骨格を成す酸も表現できた年。2011年は冬はとても寒くて、春と夏はとても暑かった。ぶどうの生育は完璧に進み、衛生状態も良く アロマは豊かで複雑。柑橘でもオレンジの皮のニュアンス、シャンパーニュと同じように石灰の風味、バランスが取れていて余韻も長い

レ・ブランショ・ラ・レゼルヴ・ド・ロベディエンス2015は口中の存在感が見事、蜂蜜の風味、果実味と酸味とのバランス良好。料理談義では「白トリュフのニュアンスを感じます」とベリコーさん。同2011年は熟成が進み、香りもより大人びた印象。ベリコーさんは「オマール海老」、私は和食で、「柚子を使った一皿」を提案しました。

第3フライトはブランショとレクロのヴィンテージ違い
2010年は忍耐力が必要だった年。ぶどうの生育は遅かった。9月の好天で救われた。最終的に良年になったが、造り手として途中まで苦労したヴィンテージ。片や、2009年は2010年とは対照的な偉大なる年。すべての気象条件が理想的に進んだ。収穫は9月初旬に始めたが、ぶどうは美しくラグジュアリーなヴィンテージ

第1フライトで体験した2種のGCの熟成具合を満喫。「クリーミーな牡蠣なら第1フライトの若いタイプですが、ブルターニュの牡蠣のようにミネラル感や複雑味のあるもの、または調理した牡蠣には2010年のレ・クロが良く合います」とベリコーさん。このフレーズで、若いレ・クロと熟成したレ・クロの味わいの違いが伝わるはず、牡蠣好きにはたまらない組み合わせだと思います。
レ・ブランショ2009は秀逸。包容力があり、第3アロマの段階ですが、まだまだフレッシュで果実味もあり、口中での存在感も長く、GC6アイテムの最後を締めくくるにふさわしい落着きのある味わいでした。私は熟成した白カビチーズをお薦めしたいです。

「6つのワインはそれぞれ第1アロマ、第2アロマ、第3アロマの段階にあり、多様性に富んでおり、飲み手にエモーションを与えてくれます」とベリコーさん。また、「直近のヴィンテージは良く飲んでいますが、すでにセラーを離しれてしまったヴィンテージを味わうことは我々にとっても貴重なことなので、6アイテムの熟成具合を知ることができて嬉しいです。ドメーヌ・ラロッシュが行なってきたことが間違いないと確信しました」と語っていました。
同じヴィンテージでありながらGCによる味わいの違い、はたまた同じGCでありながら、ヴィンテージ違いで表情が変わる面白さ。これこそテロワールの反映であり、ラロッシュが追及しているワインスタイルだと実感しました。タイトなスケジュールのなか、贅沢な時間を共有させていただき、ありがとうございました!

ラロッシュ後日談

鴨の冷製@京都・本家たん熊本店 画像提供:ジェロボーム

ベリコー社長とのテイスティングでは、マリアージュについてもたくさんの意見交換をさせていただきました。冒頭に記述したように、今回の来日では東京以外の4都市を訪問し、メーカーズランチやディナーで、様々な食体験をなさったようです。
和食材に関してですが、私が提案したふきのとうは、合せたのがフルショーム2014で、このワインはまるみのあるタイプなので、苦みがワインより少し勝ってしまったとのことでした。もう少しシャープなクリュだったら違っていたと思います。ちなみにグリーンアスパラの天ぷらとフルショームがナイスマリア―ジュだった由。また、京都では昼夜ともに木の芽をふんだんに使ったお料理が出たようで、シャブリとの相性も抜群、ヴィラージュクラスでも文句なしの相性に。柚子の皮を乗せたお椀もその苦みがまさにシャブリのためと言えるような相性とのことでした。柚子恐るべし!
後日談も含め、ジェロボームの山下陽子PR &マーケティング・ディレクターには大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます、ありがとうございました。

■関連記事:伝統と革新のメゾン、シャブリ『ドメーヌ・ラロッシュ』ベリコー社長来日セミナー
https://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2018-04-23
■製品についてのお問い合わせはジェロボーム(株) ℡03-5786-3280
URL:http://www.jeroboam.co.jp/

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【ご案内】ワインジャーナリスト青木冨美子と行く “シャンパーニュ研修ツアー 第2弾” [NHK文化センター青山教室]

今年もシャンパーニュ地方に!


大型連休も終わり、街はいつもの賑わいに戻りましたね。
私はの~んびりする時間があったので、パワーの充電ができました!



気分も新たになったところで、11月4日から行なう<シャンパーニュ研修ツアー>のご案内をさせていただきます。
昨秋に遂行して好評だったツアーの第2弾です!



アンリオのジル・ド・ラルズィエール社長やマイィ・グラン・クリュのジャン・フランソワ・プレオ社長、ジョセフ・ペリエのオットー・プシュビラ取締役をはじめとするメゾンの重鎮にわがままを聞いていただき、輸入元様にもご尽力いただきました。今回はCIVC日本事務局の川村玲子代表や笹本由香理様にもお世話になりました。
昨年同様、中味の濃い研修ツアーを組み立てることができて、こころから喜んでおります!

ご参加くださる皆さまには、“最高のひととき”をプレゼントさせていただきますので、よろしくお願いします。
乞う、ご期待くださいませ!
詳細は日放ツーリストの公式ページで!

[わーい(嬉しい顔)]追記(2019年5月20日)
お陰様でキャンセル待ちになりました。ご参加くださる皆さまには最高の時間をプレゼントしたいと思っております。ありがとうございました!!

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モンダヴィ家4世代の想いがこもった赤ワイン“コンティニュアム(継続)” [来日したワイン生産者&関係者]

モンダヴィ家にとって100 年目の記念年

2年ぶりに来日したコンティニュアム当主&醸造家のティム・モンダヴィ氏。
桜が綺麗な季節に再来日できたことを喜びながら、「日本は私にとって特別な国であり、私たち家族にとっても、今年は祖父チェザーレ・モンダヴィがイタリアから移住し、ワイン業界に参入して100年目の特別な年になります」と語りました。

モンダヴィ・ファミリーの沿革
[新月]1919年、イタリア移民の祖父チェザーレ・モンダヴィと妻ローサがカリフォルニアのロダイでワイン産業に参入。当時は禁酒法下でしたが、自家用ワイン造りは許可されていたので、そのためのぶどうの売買をしていました。

[新月]1933年に禁酒法が撤廃され、モンダヴィ家はセントラル・ヴァレーで商用のワイン生産を開始します。チェザーレはワイン造りには温暖過ぎる地を離れることを決意。1943年にチャールズ・クルッグ・ワイナリーを購入し、ナパ・ヴァレーの中心でファインワイン造りのチャンスを得ます。

[新月]1966年、父ロバート・モンダヴィがワイナリーを設立し、ワールドクラスのワイン造りに取り組みます。ティムさんはまだ学生でしたが当初からワイナリーに参画し、卒業後に正式入社。ワインメーカーとして研鑽を積み、フランスの名門Chムートン・ロートシルトとのジョイント・ベンチャー『オーパス・ワン』やチリの『セーニャ』等、世界のトップワイン造りに貢献してきました。

[新月]2005年、ティムさんがワイナリー『コンティニュアム』を設立。
ロバート・モンダヴィ・ワイナリーが上場企業になった後、紆余曲折があり、2004 年にコンステレーション・ブランズによって買収される事態に。そこで父と自分の家族と一緒に新たなワイナリーを興します。それがヴァカ山脈側プリッチャード・ヒルに位置するコンティニュアムで、ネーミングにはモンダヴィ家の“継続”の意味が込められています。

[新月]2012年にエステート、2013年に最新設備を整えた施設が完成しました。ワイナリーの設計に際して、UC デイビス校のロジャー・ボルトン教授のアドバイスを受け、施設の屋上には雨水用の容器を設置し、水の確保と再利用に努めています。さらに畑には2つの貯水湖、6個の井戸もあります。環境への配慮として、ぶどうはオーガニック栽培、社会への還元として、社員は地元の人たちを採用しています。

モンダヴィファミリー家系図(図はクリックで拡大します)
資料提供:WINE IN STYLE
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マウンテン・サイド(山岳部)のワイン造りにこだわる理由
コンティニュアムはナパ・ヴァレー東側にあるヘネシー湖の上のプリッチャード・ヒルにあり、標高は約410~490m。山奥にある自社畑セージ・マウンテン・ヴィンヤードでは、カベルネ・ソーヴィニヨンCS、カベルネ・フランCF、プティ・ヴェルドPV、メルロMEを植樹、有機栽培を行っています。

ティム:1700年代、カリフォルニアに初めてぶどうが持ち込まれ、布教とともに全土に広がっていきます。ナパにおける最初のワイン造りは1800年代で、ドイツ移民が丘陵地でぶどう栽培を行いました。彼らはお金と労力をかけて山岳部のワイン造りに励み、欧州の審査会で受賞するようなワインを産出していました。1919年頃の登録ワイナリー数は121で、植樹面積は18,000エーカーと言われています。禁酒法の時代には、宗教や薬、自家用ワインの3目的以外での生産は禁じられていたので、禁酒法が廃止された後はワイン産業もすたれていました。復興に際しては、山岳部だとコストがかかり過ぎ、さらには収量も少ない為、ヴァレー・フロア(平坦地)での畑の開発が進み、栽培・醸造が盛んになっていきます。
現在のナパにおけるワイン造りの傾向を見ると、収量は少なくても上質のワインを造りたい、お金をかけても良いワインを造りたいとの動きが顕著なので、時代が私たちに追いついてくれたと感じています。

コンティニュアムの垂直試飲

(左から)2006年、2009年、2014年、2016年

2006年はトカロン畑のぶどう100%

2006コンティニュアム プロプライエタリー・レッド オークヴィル ナパ・ヴァレー参考商品
ぶどう品種:CS59%、CF25%、PV16%

2006年はカベルネにとって素晴らしい収穫年。春は穏やかで十分な日照量、発芽と開花には理想的な気候で、乾燥した冷涼な生育期が11月まで続き、完璧な熟度のぶどうが収穫できました。モンダヴィが所有するオークヴィル・トカロン畑のぶどう100%、新樽100%、CSの樹齢35年(平均樹齢20年)、CFとPVは樹齢9年、Alc度数15.1%。熟成の変化を感じる赤茶色、粘性あり、グラス壁面に赤い色調、ブラックベリー、ドライフラワー、甘草、喉の奥にアルコール由来の温かさ、甘さ、口中なめらか、バランス良好、熟成具合も良く今飲んで美味しいワイン

2009年はトカロンと山岳部のぶどうをブレンド

2009 コンティニュアム プロプライエタリー・レッド ナパ・ヴァレー 参考商品
ぶどう品種:CS77%、CF12%、PV7%、ME4%

例年よりも冷涼な気候が続きましたが、霜害も少なく、生育期はストレスもなく進行。6月が温暖だったので、ぶどうは順調に成長し、収穫は9月中旬から10月上旬まで行われました。プリッチャード・ヒルの自社畑のぶどう82%、残り18%はダイアモンド・マウンテン、マウント・ヴィーダー、セント・ヘレナのぶどうを使用。樹齢15年、Alc度数14.7%、4つの中で香りは一番控えめ、06より若干濃い目の色調、ブラックチェリー、ダークチョコ、ココア、中盤以降酸のニュアンス、グラス内の温度変化で香りの広がり


2014年から自社畑のぶどう100%
ティム:果実のピュアさとタンニンの質の良さは、プリッチャード・ヒルだからこその特徴。アルコール度数が高くてもワインがフレッシュなのは、霧によってぶどうが過熟にならず、酸がキープできるからであり、ぶどう自体にポテンシャルがあるので新樽の使用率を下げることが可能。鉄分を含んだ土壌由来のミネラル感も生きています。平均樹齢は20年。


2014 コンティニュアム・エステート プロプライエタリー・レッド ナパ・ヴァレー
希望小売価格37,000円(税別)
http://www.wineinstyle.co.jp/wines/product_detail.cfm?pdtID=4994
ぶどう品種:CS65%、CF15%、PV15%、ME5%

栽培、醸造、瓶詰めをすべてエステート内で行ったヴィンテージ。フレンチオークの新樽率68%、21ヶ月の樽熟成後瓶詰め、Alc度数14.8%。濃い赤紫色、スミレ、カシス、グラファイト、甘草、余韻まで続く酸の印象

カベルネの比率が少ない2016年ヴィンテージ

2016コンティニュアム・エステート セージ・マウンテン・ヴィンヤード プロプライエタリー・レッド ナパ・ヴァレー
希望小売価格37,000円(税別)
http://www.wineinstyle.co.jp/wines/product_detail.cfm?pdtID=7190
ぶどう品種:CS46%、CF31%、PV 5%、ME5%

4つの中でCSの比率が一番少ないヴィンテージ(前年の2015年も同様)、「地球温暖化の影響で、早めに開花し、その後、気温が下がったことで花ぶるいを起こし、結果としてCSの収量が少なくなった」とティムさん。40年以上にわたってワイン醸造をしてきたティムさんが最も好きなのが2016年。「フェミニンな要素を備えたCFやPVの比率も高くなっており、今後のコンティニュアムが求める姿がこのヴィンテージ」とコメント。容器としてアンフォラを初めて使用。テラコッタ製とコンクリート製でトライアルし、エレガントでやさしいタンニンのスタイルが表現できたコンクリート製のアンフォラを採用、今後も使う予定とのこと。Alc度数15.1%。深みのある色調(グラスの下の字が読めない)、香り華やか、味わいまろやか、タンニン細やか、ミネラル、旨味、ポテンシャル、表現力あり

セカンドワインも誕生
Novicium ノビシアムというネーミング、語源はラテン語の“New”です。
「コンティニュアムになれない“若い修行僧”」とティムさん。
ワイナリーのセラードア、メーリングリストのみの販売とのこと、興味惹かれます!

ランチにはRAENのシャルドネ登場


RAENは“Research in Agriculture and Enology Naturally”の頭文字を一つの単語にしたもので、創業者はティムさんのご子息、長男ダンテ・モンダヴィと次男カルロ・モンダヴィです。彼らはピノ・ノワールの名醸造家父の足跡を踏襲すべく、ピノ・ノワールにフォーカス。極少量のシャルドネも生産しています。果実味豊か、ピュアな酸味の広がりと、塩味(海に近い産地)が料理と合せた時に好印象




アンダーズ東京『ザ タヴァン グリル&ラウンジ』のお肉美味、2006年はとてもフードフレンドリー

プライベートでコンティニュアムしていること


同席していた方から「長年続けていることは?」との質問が出ました。
ティムさんは「飲んだり食べたりすることが多いので、健康には一番気を遣っています。それゆえ、出張する時はプールのあるホテルに泊まるようにしています。昨日は30mのプールを40往復、今朝は時間がなかったので、それでも8往復してきました」と。ワイナリー当主としての自覚のほどを感じました。

プレスランチで「ぶどうは苦労しながら実をつけ、それによって優しさも出てきます」と語っていたティムさん。華麗なる活躍とカリフォルニアワインの金字塔でもあったロバート・モンダヴィ・ワイナリーを人手に渡さねばならなくなった経験をしてきた方を前にして、その言葉はぶどうだけでなく、人間にも当てはまると思わず聞き入ってしまった私です。
4世代の情熱がこもった唯一の赤ワイン『コンティニュアム』、
ワールドクラスの風格を備えた赤ワインだと思います!!

■商品についてのお問い合わせはWINE IN STYLE ℡03-5413-8831
URL: http://www.wineinstyle.co.jp/

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