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『ドゥーツ』のフィネスと複雑味にフォーカス&コート・ド・セザンヌのニューフェイス『L.B.N.』 [シャンパーニュ研修ツアー / シャンパン講座]

シャンパーニュ研修ツアーで訪問したドゥーツ

昨年11月、アイ村が本拠地のドゥーツを訪問してきました。
自社畑は45㌶、30の契約農家(アイ村から30km以内)と密接に繋がっていて、ぶどう畑の管理にも目を通しています。年間の生産量は200万本(1996年当時は100万本)、ステンレスタンクのみ使用、生産するアイテムは11ありますが、ドュミ・セックや最新アイテム『オマージュ・ア・ウィリアム・ドゥーツ』等は希少生産


中庭のエンジェル


ドゥーツ4代目の広報担当重役ジャン・マルク・ラリエール・ドゥーツ氏と輸出担当エリザベートさんの解説を聞きながら伝統ある居間でテイスティング


シャンパーニュ地方の伝統的な圧搾機


プレスした果汁のキュヴェ(一番搾り)とタイユ(2番搾り)の容器
ドゥーツではキュヴェしか使いませんが、タイユに関しては1と2に分けています。


画像のステンレスタンクは200基ほどあり、区画や品種ごとに細かく分けて仕込んでいます。


1959年から生産を開始したウィリアム・ドゥーツ、カーブ内でまどろんでいるのは1999年VT


カーブからの長い階段を登っていくと・・・


屋敷の優雅な居間に到達!


メゾンの看板『ブリュット クラシック』、『アムール・ド・ドゥーツ2009(シャルドネ100%)』、『ウィリアム・ドゥーツ2007(ピノ・ノワール55%、シャルドネ40%、ムニエ5%)』を堪能


6月のシャンパン講座でドゥーツにフォーカス

#1:ドゥーツ ブリュット クラシックNV
#2:同ブリュット ヴィンテージ2012
#3:同ブリュット ロゼ“SAKURA”
#4:エル・ビー・エム(L.B.N)テンダー ロゼNV
#5:ドゥーツ アムール・ド・ドゥーツ ロゼ2009



第1フライトではドゥーツNVとVTを比較

ドゥーツが重要視しているメゾンの顔『グリュット・クラシック』、90程のキュヴェを使用、ドザージュ量は8~9g/L。マルクさんいわく「ブレンドの比率より、ぶどうの出処が重要」と。

#1:ドゥーツ ブリュット クラシックNV
生産者:ドゥーツ(NM)
ぶどう品種:CH、PN、M 各3分の1(マルヌ地区の上質クリュのぶどう)
ベースワインは2015年、リザーブワイン(2013年と2014年)40~45%
ドザージュ:8~9g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:ヴィノラム
気泡は極めて元気、フレッシュでフルーティ、富士リンゴ(蜜をたっぷり含んだ)、洋梨、柑橘果実、白い花、パンやブリッシュ、軽いビター感、調和が取れたアイテム

#2:ドゥーツ ブリュット ヴィンテージ2012
生産者:ドゥーツ
ぶどう品種:PN約75%(アイ、ブージー、ヴェルズネイ)、CH約20%(アヴィズ)、M約5%(ピエリー)
ドザージュ:8~9g/L
価格:10,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
色調は#1より少し濃い目(ピノの比率)、繊細な気泡、香りに#1と共通する白い花(クチナシ)、リンゴのコンポート、蜂蜜、ビスケット、ナッツ、ミネラル、酸のメリハリがあり、熟成による様々な要素と広がりが魅力

講座生の好みは?
フレッシュでクリアな印象の#1が4名。熟成感があって、飲み重ねる度に様々な要素が広がる#2が15名。(欠席者3名)

第2フライトはロゼ探究

(左から)#3、#4、#5
講座生の好みは?
色調は6名、6名、7名という結果、僅差でした。味わいは0名、5名、14名でアムール・ド・ドゥーツ圧勝。 #4は泡の刺激がソフトな分、泡に弱い方たちにも楽しんでいただけるアイテムだと思いました。
 
#3:ドゥーツ ブリュット ロゼ“SAKURA”
生産者:ドゥーツ
ぶどう品種:PN100%(モンターニュ・ド・ランスのGC、PC)、アイ村の古樹の小区域とムルテのぶどうから造られた赤ワイン8%ブレンド
価格:10,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
定番のロゼと中味は同じ、桜をイメージさせたエディション。さくら色、木目の細かい気泡、チェリーやザクロ、ミネラル、シャープな酸が中盤から余韻に広がり、タンニンのニュアンスも。

#4:エル・ビー・エヌ(L.B.N) テンダー ロゼ
生産者:エル・ビー・エヌ(CM)
ぶどう品種:CH66%、PN16%、赤ワイン18%ブレンド 、リザーブワイン15~20%
ドザージュ:約9g/L
価格:8,300円(税別)
輸入元:グランクリュ・ワインカンパニー
サーモンオレンジ、イチゴやラズベリー等の赤系果実の甘味(マセラシオン・カルボニックに由来)、#1に比べると酸はマイルド、口中での泡の刺激もまろやか、全体に優しい印象

#5:ドゥーツ アムール・ド・ドゥーツ ロゼ2009
ぶどう品種:PN55%(アイ、ヴェルズネイ、ブージー)、CH45%(アヴィーズ、シュイィ、ヴァレ=マルムリー)。マレイユ=シュル=アイの古樹から造られた赤ワインをブレンド
価格:35,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
サーモンピンク、気泡は繊細、3アイテムのなかで香り控えめ、ミネラル豊か、野イチゴ、スグリ等の赤系果実、白胡椒、口中クリーミー、複雑味、ふくらみ、長い余韻


5月半ばに日本上陸したばかりのテンダー ロゼ


#2 はコート・ド・セザンヌに位置するル・ブルン・ド・ヌヴィル(L.B.N.)は渋谷康弘氏がワイン産地に赴き、現地で買い付けたファインワインセレクションのアイテム。
同メゾンは1963年創業のCM(生産協同組合)で、当初26名からスタートして、今では170名が加盟。ぶどう畑の面積150㌶、年間35万本生産しています。30年以上にわたってセザンヌの起伏のある石灰質の斜面にシャルドネがほぼ独占的に植えられ、現在は全体の88%を占めています。黒ぶどうのピノ・ノワールは11%、ムニエはわずか1%に過ぎません。そのシャルドネはL.B.N.の本質であるブラン・ド・ブランの基本的なスタイルを形成しています。講座ではロゼにフォーカスしたのでテンダー ロゼを選択しました。

当日のハイライト『アムール・ド・ドゥ-ツ ロゼ』

ビジュアルでも味わいでも魅力的、甲殻類や神戸ビーフ、仔羊を上質な塩で!

女子ごころを刺激するペンダント

ドゥ-ツのシャンパンはお洒落心満載。
シャンパンのフォイルを外すと、コルクの上に天使のペンダント。以前、ルイ・ロデレールを訪問した折、対応してくださったVIP対応の女性が、このペンダントをしていました。ドゥーツはルイ・ロデレールグループなので納得!

■ドゥーツについてのお問い合わせはヴィノラム ℡03-3562-1616
URL:https://www.vinorum.jp/
■L.B.N.についてのお問い合わせは
URL:https://www.cork-wf.com/

タグ:ドゥーツ
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夏至(6月22日)解禁! ブラピ×アンジー×ファミーユ・ペラン共同プロジェクトの『ミラヴァル・ロゼ』 [ワイン]

解禁! プロヴァンスのミラヴァル・ロゼ

ミラヴァル・ロゼ2018 税別希望小売価格3,400円(ギフトボックス入は3,600円)
ステュディオ・バイ・ミラヴァル2018 税別希望小売価格2,500円

2012年、ハリウッド・スターのブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは南仏プロヴァンス地方のワイナリーを購入。コート・デュ・ローヌ地方の名醸造家マーク・ペラン氏と共同プロジェクトをスタートさせ、ワインを生産しています。それがミラヴァルです。
毎年、夏の到来を祝い、一年で最も日が長い夏至に販売を開始しています。
昨日がその解禁日でした!!

『ミラヴァル・ロゼ2018』は、サンソー、グルナッシュ、シラー、ロールの4品種を使用。ぶどう(シラーの一部だけはセニエ)は直接圧搾。温度管理したステンレス・タンク(95%)と樽(5%)で醸造しています。
今年は新たなロゼ『ステュディオ・バイ・ミラヴァル2018』が仲間入りしました。
1970年にジャズ・ピアニストで作曲家でジャック・ルーシェがオーナーとなり、レコーディング・スタジオを建設し、ピンク・フロイドやスティング等のミュージシャンがレコーディングの為に訪れていた由緒ある場所なので、スタジオをネーミングにしています。
ステュディオ・バイ・ミラヴァルも4品種サンソー、グルナッシュ、ロール、ティブランですが、シラーではなく、もう少し優しい雰囲気のティブランを使っています。地中海の影響(海風)を受けた土壌から収穫されたぶどうならではのユニークさがあります。サンソーとティブランはステンレス・タンク、グルナッシュとロールは一部を卵型のコンクリートタンクを使用。昨日(解禁日)のtwitterのRTをご覧いただくと、容器の形がわかります。ミラヴァルの新施設も垣間見ることができます。ちなみに、卵の形は中のワインの流動を促し、澱(おり)を自然に撹拌させてくれる利点があります。

マリアージュ編
2種のミラヴァルを豚しゃぶ ひなたに持ち込ませていただき、マリアージュ体験をしてみました。とんかつの名店『とんかつひなた』がブランド豚を使った豚しゃぶの専門店として、2017年秋に六本木にオープンした同店とは、ワイン界でお世話になっている重鎮の紹介でお邪魔して以来のお付き合いです。



ともに淡いピンクです。ミラヴァルのほうが色調に深みがあり、香りも華やかでベリー系果実と爽やかな酸味、中盤から酸味とミネラルがさらに広がり、まるいタンニンの存在、バランスが良くエレガント、低い温度から供出して、グラス内の温度が15度くらいまで上がっても楽しめる印象。
ステュディオは柑橘系果実や白い花、溌剌とした酸味と、それに続く塩味が心地良く、フレッシュで爽快、飲みやすくチャーミング、夏のテラスで楽しみたいイメージ。
品格があり、重厚さも備えた前者と、カリテ・プリで好感度大の後者。2タイプとも2018年ヴィンテージの良さを実感させてくれます。


茗荷のように香りのあるものはステュディオで!
南仏独自のガリーグ(ハーブのような香り)に通じる要素あり!


昆布だしの旨さを生かしたハモの吸物はミラヴァル


鮎の塩焼きは、そのままで食してミラヴァル、たて酢を使うと酸味の同化でステュディオ


3種のタレは左から塩だれ、タイ風醤油だれ(ナンプラーベース、 みじん切りしたコリアンダーをお好みで)、胡麻だれ。
相性的に、タイ風醤油だれは旨味や醤油に合わせやすいミラヴァル、塩だれはステュディオ。


漢方三元豚のバラ肉、ロース肉と軟白葱の世界を満喫。
ブランド豚の部位によって食感や甘さが違うので、好みのタレで豚しゃぶの奥深さが楽しめます。


何で合わせたら良いか迷った時は、ロゼにフレンドリーな餃子がお薦め!
にんにくは少な目、ラー油とお酢(黒酢でも)は多めにすると、ステュディオの軽快な酸とマッチ。


Muse de Miraval

容量はマグナムサイズのみ、限定生産2,000本
今年初登場した最上級キュヴェ“ミューズ”


WS誌によって、世界で最も優れたロゼに選ばれたミューズ・ド・ミラヴァル2018
カンヌ映画祭で初公開されたミューズ・ド・ミラヴァル2018は、オークションの競売で、2,600€の値がつけられたことで世界で最も高価なロゼになっています。 ペラン氏も、ミューズ・ド・ミラヴァルについて、「単なるミラヴァルではなく、それを超越してミラヴァルの中心に存在するもの」と述べています。この類い稀なロゼ、日本上陸することを期待しつつ・・・

■ミラヴァル・ロゼ&ステュディオ・バイ・ミラヴァルについてのお問い合わせは
ジェロボーム(株)担当:山下、田結(たゆい)/TEL:03-5786-3280
URL:http://www.jeroboam.co.jp

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ワインで巡る世界ツアーでシャンパンと拮抗したスパークリングワインは・・・ [NHK文化センター青山教室]

今年最初の単発講座無事終了

ワインで巡る世界ツアーの第4弾は“世界の泡もの”にフォーカスしました。
ブラインドテイスティングで供出したのは、左から、スペインのカバ、米国のスパークリング、シャンパン、英国のスパークリング、イタリアのフランチャコルタです!


お片付け後の撮影だったので全員集合にはなりませんでしたが、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

世界で最も消費されているイタリアのプロセッコ


一番元気な泡ものプロセッコ
ソロイタリアの林茂代表によると、DOCGで8,500万本、DOCで4億8,000万本(2017年データ)なので、出荷本数は6億本近いとのこと。シャンパーニュの2倍の数量になります。ちなみにプロセッコの輸出相手国ナンバーワンはドイツです。

講座のウェルカムスパークリングとしてお出ししたのはDOCプロセッコ、マッツェイ ヴィッラ マルチェッロ プロセッコ ミレジマート2017、品種はグレーラ85%、ピノ・ビアンコ15%、価格は1,970円(税別)、ファインズさん扱いの商品です。

製法はアルコール(一次)発酵したワインを、密閉したタンクのなかに入れ、糖分と酵母を添加して、2回目の発酵を行うシャルマ法です。マスカットのようなアロマティック品種を原料にして、その果実香や果実味を生かしたい場合に効果的。比較的生産コストが抑えられ大量生産も可能です。


シャンパーニュと英国に共通する白亜質

出典:ブドウ畑の自然環境 武田弘著

昨今、英国のスパークリングワインに注目が集まっています。
私も何度か英国の泡ものにフォーカスしていますが、まず、鉱物学の分野の第一人者武田弘先生から伺ったお話をお伝えしておきます。先生は「シャンパーニュの白亜質の地層は緑色に塗られていますが、これはドーバー海峡を挟んで続いています。イギリス側の海岸は白亜質の壁で有名ですが、これはシャンパーニュの白亜紀の地層と同じで、白亜紀の時代に古パリ海周辺で堆積したものです」とおっしゃっていました。
気候変動、地球温暖化の好影響下にある英国ではシャンパーニュ地方と同じ地層のエリアから、ワインコンクールで輝かしい成績を収める素晴らしいスパークリングワインが誕生しています。
ご参考までに、白亜紀より、一時代古い地層がジュラ紀です。つまり、「白亜質」を、「石灰質」という意味にとれば、両方の地層はともに石灰質なので同じということになります。ただし、 「白亜質」を「白亜紀という時代に堆積した地層」という意味で強調すると、違った時代のものということになります。

世界と日本のシャンパーニュデータ
シャンパンは、フランス北部シャンパーニュ地方の伝統製法(英語:champagne method, 仏語:méthode champenoise)によるスパークリングワインで、世界で最も良く知られています。シャンパーニュの特定地域、特定ぶどう品種等、厳しい規制に基付いて造られたもの以外はシャンパーニュとは呼べません。また、シャンパーニュと同じ伝統製法で造っても、シャンパーニュ以外の産地では、英語:traditional method, 仏語:méthod traditionnelleと呼称します。

2018年の総出荷数量は3億187万本(前比1.8%減)、金額は過去最高だった前年を0.3%上回る48億8707万ユーロ。フランス国内の消費は数量、金額ともに減少気味。国内と輸出の比率も逆転しています。 数量ベースでは、第1位が英国で2,676万本(前比3.6%減)、第2位はアメリカで2,371万本(前比2.7%増)。逆に金額ベースだと、第1位はアメリカで5億7,707万ユーロ(前比1.5%減)、第2位は英国 4億617万ユーロ(前比2.2%減)。
日本は今回も数量&金額ともに第3位で、1,358万本(前比5.5%増)と3億1,882万ユーロ(前比3.9%増)、確実な歩みを続けています。

『The World Most Admired CHAMPAGNE BRANDS 2019』のランキング
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毎年、Drinks International のランキングを興味深く見ているのですが、本年度のトップはポル・ロジェ! 昨年シャンパーニュ研修で訪問したペリエ・ジュエも8つ上って12位、今秋訪問予定のジュセフ・ペリエも初登場しているので嬉しいです。
今回、単発講座用のシャンパンとして、ポル・ロジェのピュア(ノン・ドゼ)を選びました、理由は2つあります。まず、対抗馬として考えていたスペインとイタリアの泡ものがノン・ドゼであること。その昔、ポル・ロジェのパトリス・ノワイエル前社長がピュア発売に際して語っていた 「弊社の看板NVのブリュットに糖分を添加しないで造ったシャンパンの味わいに納得できず、その後、再度試行錯誤を繰り返し、NVより、さらに良い畑のぶどうを厳選して使うことで、ピュアな味わいのシャンパンを完成させることができた」というお言葉が強烈でした。それゆえ、ノン・ドゼなら、ピュアと決めていました。アイテム決定後、ジェロボームさんから今年のランキングを伺い、選択にさらに自信を深めました。

シャンパンに拮抗するハンブルドン?!
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2015年から英国産スパークリングワインについて講座やブログでも取り上げています。
英国に本部があるBB&Rさんが輸入しているリッジヴュー、ガズボーン・エステイト、キャメル・ヴァリー等を体験し、大いに満足。今回は今まで供出していない造り手にフォーカスしたいと思い、銘柄選択をしていた時、ジャンシス・ロビンソンMWやMSたち12名による『シャンパーニュvsイングリッシュスパークリング』のブラインドテイスティングで、1位になったハンブルドンを見て決断。私自体、テイスティングではワクワクでした!


スペインDOカバの変化

カバの生産量は2億5,251万本、輸出量は1億6,222本。


カバは熟成期間で4つに分類されます。

最上級のカバ・デ・パラへ・カリフィカードにはホログラム

長熟を旨とし、ビオデイナミ農法を導入して極上の泡もの造りをしているグラモナのシール

コルピナット表記

今年1月、カバ・デ・パラへ・カリフィカードに属していたグラモナがDOカバを脱退し、長熟タイプのカバ造りをしている仲間と正式にコルピナットをスタートさせました。グラモナのラベルがコルピナット表記となって日本上陸するのは来年以降だと思いますが、カバの新たな動きについては、ワインのこころで紹介しています。


カルフォルニアのスパークリングはアイアンホース
昨年6月、ナパ取材があり、帰国後に、単発講座としてナパワインの魅力をお伝えしました。今回はナパから離れ、ソノマのスパークリングワインを選択、連続5 代のアメリカ大統領の公式ワインとして提供されたアイアンホースです。
最初は冷戦を終結させた歴史的なレーガン-ゴルバチョフ首脳会談、ブッシュ政権、クリントン政権、ジョージW.ブッシュ政権では英ブレア首相との商談ディナー、新婚のチャールズ皇太子とカミラ夫人を迎えた際のレセプションでは乾杯用ワインとして、今回取り上げた『ウェディング・キュヴェ』が供されました。オバマ政権では世界各国の大使を招いた外交レセプションでふるまわれています。

2018年12月までの1年間の推定出荷量を見ると、伝統製法による造り手として、コーベル、ドメーヌ・シャンドン(モエ・エ・シャンドン)、マム・ナパ(G.H.マム)、ロデレール(ルイ・ロデレール)、シュラムスバーグ(ナパの伝統ある造り手)、グロリア・フェラー(スペインのフレシネグループ)、ドメーヌ・カーネロス(テタンジェ)、そしてソノマのアイアンホースが名を連ねています。


























1870年からの長い歴史を有すフランチャコルタ

昨年11月下旬、イタリア・ロンバルディア州のバローネ・ピッツィーニ(BP) から、日本文化や食に造詣が深いシルヴァーノ・ブレシャニーニ取締副社長(フランチャコルタ協会副会長&技術顧問)が来日し、5種のフランチャコルタを銀座いわ815の岩央泰氏のお鮨に合わせて探究しました。

バニャドーレ2009と白子とのマリア―ジュでは、樽使いの旨さと白子の焦がし具合が相乗し、口中でトロリと溶け合う食感が最高でした!
16世紀にフランチャコルタでスパークリングワインが誕生し、1967年にDOCとして認証され、1995年にはDOCGに昇格。1870年創業のBPは有機栽培でフランチャコルタを造った最初のワイナリーであり、環境への配慮も考え、ソーラーパネル、自然冷却システム、植物による浄水システム等、様々な取り組みをしています。
ブレシャニーニ取締副社長はシャンパンを超えるフランチャコルタであることを自負していました。彼の前で「シャンパン」という言葉は禁句(笑)なのですが、マリア―ジュの絶妙さがとても印象に残ったので、今回、選択肢に入れました。



シャンパンに拮抗する世界のスパークリング

(左2本目から6本目まで)
#1:グラモナ“トレス・ルストロス”グラン・レセルバ ブリュット ナチュール2011
生産者:グラモナ(スペイン)
品 種:チャレロ75%、マカベオ25%
ドザージュ:3g/L以下
価 格:9,000円(税別)/ 生産本数:33,800本
輸入元:金井事務所
コルク栓を使い、澱と共に84ヶ月以上熟成させたカバ。色調は淡いベージュ、ペトロール香、オイル、黄桃やカリン、ブリオッシュや乾燥イチジク、ナッツやクルミ、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、シームレス。かなりしっかりしたペトロール香があり、シャンパーニュのぶどう品種とは明らかに異なる個性。支持した講座生2名。

#2:アイアンホース ウェディング・キュヴェ2013
生産者:アイアンホース・ヴィンヤーズ(米国)
品 種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
価 格:6,500円(税別)/ 生産本数:5,900ケース(12本入)
輸入元:(株)リエゾン
5つの中で一番濃い色調(黒ぶどう75%)、香りにラズベリー、オレンジピール、ブラッドオレンジ、酸味は5つのなかで一番ソフト、余韻に甘味、素直ながら様々な要素を感じさせるアイテム。支持した講座生4名。

参加者を惑わせた#3と#4
#3:ポル・ロジェ ピュア エクストラ ブリュットNV
生産者:ポル・ロジェ(フランス)
品 種:ピノ・ノワール33%、シャルドネ33%、ムニエ33%
ドザージュ:0g/L
価格:9,000円(税別)
輸入元:ジェロボーム(株)
最初から香りは華やか、白系果実、柑橘系果実、フレッシュバター、イースト、ミネラル、酒質が綺麗で超フレッシュ、溌剌かつエレガント。支持した講座生8名。

IMG_3999 上から.jpg

#4:ハンブルドン クラシック キュヴェNV
生産者:ハンブルドン(英国)

ハンブルドンのシャルドネのぶどう畑、石灰土壌 画像協力:BB&R日本支社

品 種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール29%、ムニエ31%
ベースワインは2014年(95%)、2010年のリザーブワイン5%(タンク94%、樽6%)
ドザージュ:7g/ L
価 格:5,840円(税別)
輸入元:BERRY BRO&RUDD
ポル・ロジェと比べると香りは控め、酸は多め、ミネラルは同質。白い花、青リンゴ、すもも、アンズ、パン、ハーブ、フレッシュバター、軽いビター感、バランス良好。支持した講座生6名。

私的感想:ノン・ドゼのポル・ロジェの後に、7g/Lのハンブルドンを味わうと、糖分の違いを明確に感じます。ところが、何度か交互に利き比べていくうちに、最初に感じた糖分の差はそれほど感じなくなり、それより、柑橘果実のニュアンス、ミネラル感、フレッシュバターの風味、酒質がとても似ていることに気が付きました。双方ともに燐としたシャンパンスタイルです。
このことを輸入元のBB&Rさんに伝えました。担当の中嶋さんはつい先日、ハンブルドンを訪問なさっていたようで、当主のイアンさんから、ハンブルドンは元々ポル・ロジェの手助けがあってワイン造りをしていたこと。コンサルタントのエルヴェ・ジェスタンさんを紹介してくれたのもポル・ロジェだったとの連絡を受けました。何と何と、びっくり情報でした。ハンブルドンが目指すところは、英国王室御用達のポル・ロジェスタイルなのかも知れません。今まで、英国産スパークリングにはシャンパンより、強い酸を感じることが多かったのですが、ハンブルドンはより洗練された酸で、見事に調和していました。

ポル・ロジェの『ピュア』に、いつも以上にフレッシュさを感じたので、輸入元のジェロボームさんに入荷の時期を確認しました。担当の山下さんから「4月です」とのお返事をいただきました。
なるほど!  エペルネを離れてまだ日が浅かった分、超フレッシュなニュアンスだったようです。
4月と5月はシャンパン講座でエルヴェ・ジェスタンさんの『シャトーダヴィズ』とルクレール・ブリアンを取り上げたばかりです。ジェスタンさんから、海中シャンパン『Abyss』を講座生と味わうにあたり、素晴らしいメッセージを頂戴したのも記憶に新しいところです。ハンブルドン、ジェスタンさんに不思議で嬉しいご縁を感じています!

#5:バローネ・ピッツィーニ“バニャドーレ”ノン・ドサート・リゼルヴァ2012
生産者:バローネ・ピッツィーニ(イタリア)
格 付:DOCG フランチャコルタ
品 種:シャルドネ60%、ピノ・ネロ40%
ドザージュ:0g/L
価 格:7,000円(税別)
輸入元:アルカン
バニャドーレの名前は共同経営者のひとりが住んでいた場所に由。唯一の単一畑で、面積は3㌶(シャルドネ2㌶、ピノ・ネロ1㌶)、樹齢20年以上のぶどう樹から、作柄の良い年だけ生産。温度管理したステンレスと樽で発酵、ティラージュ前の熟成もステンレスと樽(6ヶ月)、瓶熟60~70ヶ月。ミネラル、酸の溌剌さ、旨味、バランス良好。昨年白子と合せたのは2009年ヴィンテージでした。瓶内の熟成具合がとても良く、焦がしたニュアンスが好印象だったので、それと比べると、2012年はフレッシュさが前面に出ていて、MLFをしないワインスタイルなので、より酸が強調されていた気がします。支持した講座生3名。


<番外編>
5月末、オーストリア取材がすべて終わった後、延泊してニコライホフへ。大好きなクリスティーネ当主夫人と再会できて最高でした。今回の特別講座のために、日本未入荷のゼクト『リースリング2014』とアプリコップジャムを持ち帰りました。



2017年4月、英国のチャールズ皇太子とカミラ夫人がオーストリアを訪問なさった折、ホーフブルク宮殿でのレセプションにサース家を代表してクリスティーネさんが出席。その時のアペリティフが、『リースリング ゼクト2014 』、このゼクトです!

その後、『イム・ヴァインゲビルゲ グリューナー・フェルトリーナー スマラクト2009』、食後酒は『アプリコットのシュナップス(アンズの蒸留酒)』がふるまわれました。

リースリング ゼクトの初ヴィンテージは2012年、ドザージュは5g/Lでした。2013年は生産していません。2014年が現行ヴィンテージで、ノン・ドゼに変わっています。ニコライホフのいくつかの畑のリースリングをブレンドしており、ヴァッハウの原生岩を感じる凛としたスタイルのスパークリングです。

ニコライホフのアンズ畑

ワインと同じくらいのお気に入りがアンズです!
この画像は以前クリスティーネさんが送ってくださったものなのですが、ここから収穫されたのが・・・

IMG_3990.jpg
このアンズジャム、私は世界一美味しいと思っています!
ご参加くださった皆さんの感想は、慢心の笑顔から読み取れました(笑)
双方の相性にもご納得いただけたようです。

さて、来週は6月のシャンパーニュ講座です。
準備完了、今月もご期待くださいませ[ぴかぴか(新しい)]
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ドゥ・ヴノージュのジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長来日で『Princes Brut Tour Eiffel』を本邦初披露!! [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

ヴィレッジ・セラーズ(VC)が昨年12月から輸入を開始したシャンパン『ドゥ・ヴノ―ジュ』からジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長が来日し、エッフェル塔建設130年記念ボトルの『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』を含む8アイテムをプレスランチで披露しました。
会場はマンダリンオリエンタル東京の『シグネチャー』、お料理は5月末に3代目総料理長としてお披露目・就任なさったルーク・アームストロング氏、ワインのサービスは加茂文彦シェフソムリエで、とても心地良いものでした。

今年1月のシャンパン講座でドゥ・ヴノージュにフォーカスしました。メゾンやアイテム等の全体像をつかんでいただくために、ブログをご一読いただけましたら幸いです。

とっても気になるエッフェル塔ボトル

2005年に社長職に就いたジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長
手にしているのは日本で初めて披露された『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』

ドゥ・ヴノージュは1837年にスイス人のアンリ・マルク・ドゥ・ヴノージュが65歳で興したメゾンですが、妻が資産家の娘(ミラノ市長を務めたBelinzaghi Family/ベリンザギー家出身)だったこともあり、資金的な苦労はなかったようです。19世紀末のドゥ・ヴノージュは100万本以上を生産し、モエ・エ・シャンドン、モノポル・エドシックと並ぶトップ3に名を連ねていました。

ドゥ・ヴノージュ自体、自社畑は所有していませんが、80㌶分のぶどうは供給可能で、150年以上の取引をしている契約農家もあります。現在の年間生産量は100万本以下、質を重視するメゾンです。1998年にボワゼル・シャノワーヌ、シャンパーニュ・グループ(BCCグループ)の傘下となり、2006年からランソンが参入したので、今はLANSON-BCCに。同グループはシャンパーニュ業界第2位のボリュームを誇っています。
ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長は「グループ内ではボトルのまとめ買いや流通で融通が効きますし、ロゼに使うPNはレ・リセに40㌶の畑を持つアレクサンドル・ボネから譲り受けています」と説明していました。
また、昨今、シャンパーニュ地方では女性のシェフ・ド・カーヴが増えていますが、ドゥ・ヴノージュでも1998年からイザベル・テリエ女史が活躍しています。前任のエリック・ルベル氏(現在クリュッグの最高醸造責任者)と3年間共に働き、指導を受けたそうです。


適切な供出温度で状態完璧、当日のサービスを担当してくださった加茂シェフソムリエ
(左から)コルドンブルー・ブリュットNV、同ロゼNV、プランス・ブラン・ド・ブランNV、同ブラン・ド・ノワールNV、同トゥール・エッフェルNV、ルイ15世2008、ルイ15世1996、プランス・ロゼNV


NVプランス・ロゼが〆のアイテム!
PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%)で平均樹齢45年、レ・リセの赤ワイン(PN)を6%ブレンド、ベースワインは2013年、ドザージュ6g/L、デゴルジュマンは2019年1月。爽快で赤い果実とミネラルが特徴


3代目総料理長は豪州出身

アームストロング氏は北海道の雲丹やブルターニュ産のオマール、鹿児島産の黒豚等を使い、ドゥ・ヴノージュとの至福の世界を展開



雲丹のミネラル感と甘さ、その後に、ねっとりとした食感が広がり、極上の味わい!
コルドンブルーのミネラル、ロゼのタンニンが雲丹の様々な要素を引き出す印象


コルドンブルーの裏ラベルにはデゴルジュマンの年月(2018年2月)、ドザ―ジュ量(6.1g/L)の記載があり、QRコードでボトル情報が確認できます!

現在市場に出ているNVのベースワインは2013年、リザーヴワインは2年迄さかのぼるので、通常なら2012年と2011年を20%使用します。但し、このNVのリザーヴワインは2012年のみ20%、2011年は出来が良くなかったので使っていません。グラス内の温度上昇で味わいにまるみ、芯のある酸の存在を感じました。

<新情報>
ベースワインが2014年に変わる段階で、品種のブレンド比率はCH、PN、PM各3分の1に変更予定。今までより、シャルドネを多く使うことで、エレガントさをより強調する狙いとのこと。
2018年にコトー・シャンプノワ(非発泡性ワイン)の白2,000本とロゼ1,000本を生産。2002年にも生産しています。「販売するのが難しい商材でしたが、近年ブルゴーニュワインが高騰していることもあり、以前よりは売りやすくなりました」とジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長


インゲン豆のサラダ ヘーゼルナッツ 山形産桃とソテーしたフォアグラ
ヘーゼルナッツの香ばしさとフォアグラの柔らかい食感が絶妙


コルドンルージュ・ロゼNVのベースワインは2014年、品種はピノ・ノワール60%、ムニエ20%、シャルドネ20%で、レ・リセのピノ・ノワールを8%(通常6~8%)ブレンド、ドザージュ7.8g/L
<新情報>
ドザージュ量に関して現在の7.8g/Lを、次のデゴルジュマンで6.9g/Lに変える予定


プランス・ブラン・ド・ブランNVのベースワインは2012年、リザーヴワインは2010年を20%使用。ドザージュ6g/L、デゴルジュマンは2018年。メニル・シュル・オジェ80%とトレパイユ20%のシャルドネを使っていて、前者のキレと力強さ、後者のまろやかさがバランスの良い味わいに。気泡の繊細さが5年間の熟成を物語っています!


ブルターニュ産オマール海老のバターロースト アスパラガス イエローワインソース(海老の味噌とヴァン・ジョーヌを使ったソース)



パリのシンボル“エッフェル塔”が描かれた『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』
1889年に開催されたパリ万国博覧会のために建設されたのがエッフェル塔であり、その時の公式パートナーがドゥ・ヴノージュでした。そのご縁から、ちょうど130年目にあたる本年、パリ市からライセンスを取得して、リリースさせたのがこのシャンパンです!
ベースワインは2013年、シャルドネ、ビノ・ノワール、ムニエを各3分の1ずつ使用、ドザージュ6g/L、生産本数は限定15,000本、そのうち500本のみ日本で12月末発売予定、楽しみです!


金目鯛フィレのロースト あおりイカとソテーしたポワロ葱
魚の鱗をパリパリにした食感が魅力!

プランス・ブラン・ド・ノワールNVのベースワインは2013年、ヴェルズネイ80%とレ・リセ20%のピノ・ノワールを使用。ドザージュは6g/L、デゴルジュマンは2019年1月。ヴェルズネイのフレッシュでエレガントなタッチとレ・リセの軽快かつ繊細な要素がうまく融合したアイテム。

ドゥ・ヴノージュがデザインし、意匠権を有す瓶型


カラフェ型のボトルは1858年にオランダ王室オラニエ公(王太子)へのオマージュとして造られたもので、当時はロレーヌ地方の『サン・ルイ』が製作していました。1961年にドゥ・ヴノ―ジュが意匠権を得て、シャンパンボトルとして使用を開始しました。ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長から「研究の結果、通常の瓶型と比べて、酸化が緩やかであることが判明しています。ルミアージュも機械で行っていますが、特殊な瓶なので、500本入れるところを200本程度にしています」との解説あり!


黒豚ロースのグリル 京人参 春野菜 シャルキュトリソース



20世紀と21世紀の秀逸なヴィンテージの利き比べ、共にドザージュ6g/L、デゴルジュマン2018年1月です。
溌剌とした口当たりで酸味豊かな2008、ぶどう品種はピノ・ノワール50%(ヴェルズネイ41.5%、ブージー8.5%)、シャルドネ50%(アヴィズ20%、クラマン15%、メニル・シュル・オジェ15%)、2008年ヴィンテージはメゾン初のノン・マロ(非MLF)、今後造るものはすべてノン・マロになる由。まだまだ若いですが、複雑味に富み、長期熟成が楽しみなシャンパン

熟練の味わいの1996、ぶどう品種はピノ・ノワール50%(ヴェルズネイ、アンボネイ、マイィ、ブージー)とシャルドネ50%(アヴィズ、クラマン、オジェ、シュイィ)、ゴールドの色調で、古酒に由来する焙煎香やココア、気泡はワインに溶け込みシームレス、全体的に優しい印象、スリムなスタイル。「かなりの量をストックし、毎年3,000本ずつデゴルジュマンをしています。今年も行いました。今、ようやく、バランスが取れ始めてきました」とジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長


沖縄産黒砂糖とホワイトチョコレートのタルトには甘酸っぱいベリーのソースを使っていたので、プランス・ロゼの赤系果実のニュアンスと相乗し、チョコのポリフェノールとロゼの若干のタンニンが良いバランス!


7~8年前からシャンパンの扱いを開始したヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長&中村芳子専務、新規メゾン『ドゥ・ヴノージュ』の動きも快調なので、ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長も満身の笑顔!

製品についてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株)
TEL:0120-106-876 / FAX 0120-288-788
E-Mail:wine@village-cellars.co.jp
FB:https://www.facebook.com/villagecellars

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オーストリアの泡もの事情 [Wine Summit2019]


画像提供:AWMB

5月26日~29日まで、オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)のお招きでオーストリアに行ってきました。今回はスロベニアやハンガリーとの国境に位置する産地を中心に回ってきました。取材報告は改めていたします。
ここでは<番外編>として、現地で体験したスパークリングの印象をさらっと書いておきます。

酒質がきれいなクラッハー


マイベストだったアイテムは最終日に訪問したブルゲンラント州『クラッハー』のロゼ泡
甘露な甘口ワインは世界的に高い評価を得ているワイナリーですが、スパークリングワイン造りでも歴史があります。試飲したブリュット・ロゼNVはホント酒質が綺麗、シャルドネ30%、ヴァイスブルグンダー30%、ツヴァイゲルト40%のブレンド。オーストリアワイン専門の輸入元AWAが扱っています。シャンパンと比較すれば当然違いは感じますが、オーストリアのゼクトとしての完成度は高いです。

ヴィンクラー=ヘルマーデンのロゼ

ゲオルグ・ヴィンクラー=ヘルマーデン当主の父が購入した由緒あるシャトーをホテル(16部屋)やレストランにしたワイナリー。山の頂上にあるので眺めも素晴らしい!



その当主自慢のロゼ泡はピノ・ノワールから造られています。
ランチに供出されたフライドチキンと合せると若干のタンニン分が口中の脂分を洗い流してくれる印象なのでとてもフードフレンドリー

単一品種のスパークリングワイン


『シュタインニンガー』はオーストリアの泡ものでは先駆者的存在です。前述のクラッハーともども2003年に初めて訪問したワイナリーで、このアイテムは初日に開催されたホイリゲパーティに登場した12種類のスパークリングワインのなかの1つでした。安定した味わい、ぶどう品種はリースリング100%、シュタインニンガーもAWAが輸入しています。

私が回ったコースでは多くのゼクトを体験する機会がなかったのですが、クラッハー、ヴィンクラー=ヘルマーデン、シュタインニンガーともそれぞれの個性を感じさせるアイテムだと思います。

ウィーンの目抜き通りにシャンパンバー


自由時間が取れた30日の午前中はケルントナー通りを散策しました。ナショナルデ-だったこともあり、移動遊園地には多くの子供たちが!
シャンパンバーではモエ・エ・シャンドンやヴ―ヴ・クリコのグラス売りがあり、こちらはスマートな大人たちで賑わっていました。



今年は日本・オーストリア友好150周年の記念年なので、上野の,東京都美術館ではクリムト展(~7月10日迄)を開催していますね。通りにあったおみやげ店で、クリムトの絵をラベルにした小容量のスパークリングワイン発見。でも、でも、“Shampagne”という表示はシャンパーニュ委員会(CIVC)に見つかったら大変!

オーストリアでスパークリングは『ゼクト』と呼ばれています。
AWMBのサイトで詳しく紹介していますので、お時間があればご覧くださいませ。
ゼクト情報
https://www.austrianwine.jp/oesterreichischer-sekt-jpn/


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フランクフルト空港での乗り継ぎハプニング!! [Wine Summit2019]

フランクフルト空港で・・・あらら


2年毎に開催されているWine Summitの取材で今年も大好きなオーストリアに!
オーストリア航空が2018年成田、2019年2月に羽田直行便を再航したので、今回は羽田からのフライトを願っていたのですが・・・3ヶ月前に届いた招聘元AWMB(Austrian Wine Marketing Board)からの提案は、ドバイ経由のエミレーツ(938.03€)、フランクフルト経由のルフトハンザ(1353.92€)、直行のオーストリア(2386.27€)の3案。でも直行便は超予算とのことで実現ならず[ふらふら]
結果、消去法でルフトハンザに。評判も良く、足元に余裕のある座席も確保できたので、ひとまず安心していました。

フランクフルト空港での乗り継ぎ時間(65分は気がかりでしたが、AWMBが信頼する旅行社から「大丈夫」とのお墨付きがあったのでそれを信じて。

当日、14時5分に羽田を発ち、18時45分にフランクフルト着。即、19時50分発の6338便に乗り継ぎです。
入国審査のゲートには、あらら~予想外の人、人、人、長蛇の列。「時間がない!」と直訴しても、荷物検査で「乗り継ぎ時間が迫っている!」と主張しても、係官の態度は変わらず、信じられない成り行きに唖然。
すべての検査が終り、「A24のゲートまで何分かかるか?」と質問すると、「ここから10分!」と!
え~っ、完全に間に合わない! 
ゲートに到着した時はまさにフライト時間、海外取材で初めての出来事、アンビリーバブル!
女性係官から、「ルフトハンザのインフォメーションセンターに行って、次の便を手配してもらいなさい」とのアドヴァイスを受け、再び、なが~いロビーを逆戻り。


インフォメーションセンターにも順番待ちの人が多く・・・皆さん、乗り遅れ!?
20分待って私の番に。いくつかの質問を受けた後、別便に乗れることになり、心底安堵[わーい(嬉しい顔)]

スーツケースの確認。加えて、AWMBが手配してくださっていたタクシードライバーにも「到着時間が遅れる旨」の連絡がついて、トリプル安堵。ウィーン空港では遅い到着だったにも関わらず、ドライバーさんが待っていてくれました、ホント感謝、感謝!

往路の予期せぬ顛末は、結果オーライでしたが、トレードマークにしていたスーツケースベルトがなくなっていたのは、何とも腑に落ちぬ事態。しっかり締めていたのに、なんで取れるの、という感じです。
まぁ、厄落としと思えば、ね



今回の体験で、フランクフルト空港の印象は、全然良くないですが、ルフトハンザの機内エンターテイメントで、お気に入り映画『ボスベイビー』を観て、バカ笑して、気持ちの転換をしてきました!
教訓:フランクフルト空港での乗り継ぎは、余裕を持ってが一番、90分は必要です!

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