ブラピのフルール・ド・ミラヴァル・ロゼをメインにして秀逸なロゼ探求! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]
五感を刺激する4種のロゼ
1月の講座は、緊急事態宣言の発令を受け、時間を変更(18時30分~20時)して実施。
新しい年にふさわしいロゼ色のシャンパンで、気分をリフレッシュ!
20日【増設】&27日【現行】両クラスの皆さんにパワーアップしていただきました
左から順に
#1:ルイ・ロデレール ロゼ2013
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール63%、シャルドネ37%
ドザージュ:9g/L
価格:10,000円(税別)
#2:ポル・ロジェ ロゼ2012
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワインPN15%ブレンド
ドザージュ:8g/L
価格:13,000円(税別)
#3:ピエール・ペテルス キュヴェ“ロゼ フォール アルバンヌ”ロゼNV
生産者:ピエール・ペテルス(RM)
ぶどう品種:シャルドネ60%、ムニエ40%
ドザージュ:7~8g/L
価格:9,000円(税別)
#4:フルール・ド・ミラヴァル・ロゼNV
生産者:ロドルフ・ペテルス(NM)
ぶどう品種:シャルドネ75%、※ピノ・ノワール25%(ヴェルテュ)※PNは購入ぶどう
リザーブワイン:2007年~ソレラシステムで保存
ドザージュ:4.5g/L
価格:60,000円(税別)
各メゾンの関連性
◆フルール・ド・ミラヴァル・ロゼはシャンパーニュ地方ピエール・ペテルスの当主
ロドルフ・ペテルスとコート・デュ・ローヌ地方のマーク・ペランが手がけるシャンパン
◆発酵に関してピエール・ペテルスはポル・ロジェ同様、ステンレスタンクを使用
◆ピエール・ペテルス、ルイ・ロデレールのぶどう栽培はマサル・セレクションであり、
醸造面ではオークの木樽を使用
アルファベット順に各アイテムのポイントを列記
ブラインドで同時に供出
左から右の順に供出
#1:ルイ・ロデレール ロゼ2013
細やかな気泡がおわかりいただけると思います!
4アイテムのなかで最も泡沫が活発、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー
ロゼは色を保つ為に極力SO2の使用を抑えているので、ジェティングはしています。
(クリスタルのロゼも同じ)
醸造責任者レカイヨン氏は収穫年やぶどうの状態によってMLFの有無を決めていますが、
ヴィンテージものにはしない方針なので、このロゼはノン・マロだと思います。
凛としたスタイル、際立つミネラル感、酸味の綺麗さ、中盤以降の豊潤さ、タンニンの要素も感じられ、木樽(20%程度)効果によるスモーキーさ、面になって広がる余韻も魅力、お薦めのロゼ(ルイ・ロデレールのロゼはヴィンテージのみ)
#2:ポル・ロジェ ロゼ2012
シャンパン女子が好むロゼカラー、赤胴色のロゼ・シャンパン。果実感にあふれ、香り華やか。味わいにもラズベリーやレッドカラントのような赤系果実のニュアンスがあり、ピンクのスパイスも。2012年のヴィンテージ(冷涼年)らしいスマートさがあり、酸味フレッシュ。果実味と酸味のバランスがとても良く、素直においしいロゼ・シャンパン
ピノ・ノワールを15%添加しているポル・ロジェ(左から2番目)は色調も鮮やか!
#3:ピエール・ペテルス キュヴェ“ロゼ フォール アルバンヌ” ロゼNV
ピエール・ペテルスはRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まで自社で行う生産者)であり、ムニエの畑は所有していません。なぜ造れるか・・・ムニエの生産者とペテルスのシャルドネを物々交換しているからだそうです。ロゼワインがあまり好きではなかったペテルス氏なのですが、このムニエと出会ったことで考えが変わったとのこと。愛娘アルバンヌちゃん誕生と重なるような出来事だったので、ロゼのネーミングはアルバンヌ!
フラワリーな要素を備えたムニエと硬質で切れ感のあるル・メニルのシャルドネのコンビネーション。ムニエの色素抽出はセニエ。「畑にはマサル・セレクションで増やしたシャルドネが50種類以上存在しているので、複雑味のあるシャンパンを生み出すことができる」とペテルス当主の言葉通り、口中にシャンパンを含み、しばらく転がしていると様々な旨味が広がり、果実のおいしさが実感できるチャーミングなロゼ。
#4:フルール・ド・ミラヴァル・ロゼNV
白の矢印部分 NM672-001の表記
ベースワインは2016年、発酵にはステンレスタンクを使用、デゴルジュマンは2020年6月、総生産量は20,000本、日本入荷量は360本の希少アイテム!
フレッシュな酸味を備えた柑橘系果実や種の大きなストーンフルーツ(アプリコットやネクタリン)、白胡椒のニュアンス。塩味があり、中盤以降軽いビター感。ソレラで保存していたリザーブワイン由来の厚味がじんわりと広がり、ペテルスならではのシャルドネの旨さを感じます。高級感のあるギフトボックスや特殊な色付ボトルを愛でる時間を含めて(笑) ゆったりとした気分で時間をかけて楽しみたいロゼ・シャンパン!
昨年12月、輸入元ジェロボーム本社でフルール・ド・ミラヴァルをテイスティングするチャンスがありました。ロゼ・シャンパン誕生の経過、ピエール・ペテルスとの関わり、2種のグラスを使って利き酒したフルール・ド・ミラヴァルについてはブログで紹介させていただきました。ご一読いただけると嬉しいです!
希少なロゼを講座用に2本確保してくださったジェロボーム様に、深く感謝しております。
私&シャンパン講座生にとって、貴重な時間になりました。
ありがとうございました!!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シャンパーニュ騎士団からの最新情報
2021年7月、騎士団の新団長に就任なさったのは二コラ・フィアットのクリストフ・ジュアレスCEO。2018年から団長職を務めていたのはブルーノ・パイヤール氏なのですが、昨年はコロナ禍で、日本で秋に開催する予定だった騎士団イベントは中止。お目にかかることができませんでした。
お疲れ様でした!
シャンパーニュ騎士団から届いた新団長就任のYouTubeをリンクしておきます!
(2021年7月12日追記)
歴代の団長を振り返ってみると・・・
私がシュヴァリエの称号をいただいた2009年はピエール・エマニュエル・テタンジェ氏、2012年のオフィシエ時はミシェル・ドラピエ氏。2014年ドゥーツ(ファブリス・ロセ氏)、2016年ビルカール・サルモン(アントワン・ビルカール・サルモン氏)、2018年ブルーノ・パイヤール(ブルーノ・パイヤール氏)、そして新団長のクリストフ・ジュアレス氏と続きます。
シャンパーニュ業界では優秀な女性の台頭が目立っているので、次期団長には、そろそろ女性当主の登場があっても良い頃かと、思っています。シャンパーニュ騎士団から届いた動画を見ると、大好きなローラン・ペリエのアレクサンドラさんが役員に就任なさっている感じなので、今後が楽しみです!
1月26日にブルーノ・パイヤール氏からサイン入り公式概算のシャンパーニュ出荷量が届きました。今までは、シャンパーニュ委員会(CIVC)が発信していたので、これは前代未聞。コロナ禍中ゆえの行動だったのではないかと思っています。パイヤール氏は、「2020年は多くの消費チャンスが失われ、出荷量は2億4,500万本、18%弱の減少になった。唯一の喜ばしい出来事は2020年が素晴らしい収穫年だった」と書いていました。ぶどう樹はコロナに負けず、たくましさを示してくれたようです!
以下の表は昨年10月にシャンパン講座の為に作成したパワポの一部です。
お祝いのお酒の代名詞シャンパンはコロナ禍で打撃を受け、2020年の出荷量は30%減と
の予測が出ていたのですが、最終的に、パイヤール氏から届いた上記の一覧(最下段右端)
にあるように、17.7%の減で収まりました。
CIVCから届いた2020年のシャンパーニュ出荷状況(1月28日付)
メゾン代表バリエール&ヴィニュロン代表トゥヴァール両会長による表明は以下の通り
2020年は不明瞭な情勢下で主要な売り場の閉鎖やイベントの中止など、
柔軟かつ迅速な対応に迫られシャンパーニュにとっても試練の年となった。
上半期に30%弱にまで落ち込んだ出荷量は年末には持ち返し、最終的には18%減。
売上高は約40億€となり、この1年で約10億€の損失が見込まれている。
新型コロナウィルスの危機に直面する以前より及び腰となりつつあったフランス市場は、
出荷量20%減と続落。輸出国トップ3の米国は20%減、イギリス20%減、日本28%減、
ベルギー5%減、ドイツ15%減、スイス9%減、オーストラリアは14%増と大幅に伸長。
収量は8,000kg/haおよびリザーブワインは400kg/haとする。
シャンパーニュは、独自の「シャンパーニュの持続可能なブドウ栽培」認証を採用し、
2025年までに除草剤をゼロ、2030 年までに100%環境認証という目標を設定。
価値向上及び環境保全対策を20年以上にわたり推進しています。
担当:シャンパーニュ委員会日本事務局 笹本由香理コミニュケーションマネージャー
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