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世界初! オレゴン&ワシントンスペシャリスト育成プログラム <レベルⅠ>を受講 [ワシントン/オレゴンワイン]

 Certified Specialist of Pacific Northwest Wines
(左から)トッド・スティーブンズ オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所代表、ブリー・ストックMW、マリー・チェンバース オレゴンワインボード オペレーション&ファイナンス副社長、ステーヴ・ワーナー ワシントンワイン協会CEO


年初早々、オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所から『日本初公開のスペシャリスト育成プログラム』と題する招待状が届きました。これはオレゴン・ワシントン両州のワインの普及に尽力しているワイン業界のスペシャリストを対象に独自に開発された認定プログラム『Certified Authority of Pacific Northwest Wines』で、世界初の試みとなった今回は、招聘された業界関係者39名(通訳、メディア、全国の小売&飲食業は 同店舗からの複数参加あり)は2月16日(日)・17日(月)の両日、緻密な日程表に沿った講義を受けました。ちなみに日本の後は韓国で行うそうです。

講師は2016年にマスター・オブ・ワインを取得したブリー・ストックMW。彼女はオレゴンワインボード、ワシントンワイン協会のコンサルタントとして、スペシャリスト教育プログラム開発の監修をしています。

第1日目
会場は東京アメリカンクラブ
8時30分に集合した後、参加メンバー全員が簡潔に自己紹介!
初日の午前中はPNW (Pacific Northwest Wines/カリフォルニア州以北の北西部太平洋地域でパシフィック・ノースウェストと呼称される地域) 全体の概要、歴史、気候、地質を聴講後、テイスティング


世界的に見てプレミアムワインの産地は緯度30-50度の間ですが、オレゴンとワシントンは北緯42-48度に位置しています。画像は第1フライト(PN)の試飲前にノース・ウィラメット・ヴァレーのラス土壌、堆積土壌、火山性土壌について解説中のストックMW

オレゴンのAVAダンディ・ヒルズ、赤みを帯びた保水性ある火山性土壌ジョリー・ローム
(2019年7月撮影)

 第1フライト
 オレゴンのピノ・ノワール
 ポンジー、ベルグストロム、ソーコル・ブロッサー



 第2フライト
 シラーにフォーカス
 レ・コール No.41、パワーズ、ケイ・ヴィントナーズ


PNWでは80種以上のぶどうを栽培していますが、その多くは赤ワインに適した品種です。栽培の作付面積順に見ると、CS20%PN17%、CH14%、リースリング11%、メルロー10%シラー8%、PG7%、その他13%


ふ~ランチで小休止


 第3フライト
 午後からはAVAとオレゴン全体の概要、そして・・・ワインの試飲


ジ・アイリー・ヴィンヤーズPG、ベルグストロムCH、ブルックスのリースリング
オレゴン最大のワイン産地はウィラメット・ヴァレーで作付面積が最も多い品種は黒ぶどうのPN。白ぶどう品種にフォーカスするとピノ・グリ、シャルドネ、リースリングの順になります。オレゴンの歴史を語る上で欠かせないジ・アイリー・ヴィンヤーズでは1965年にPNとPGを植樹しています。

 第4フライト
 オレゴン州第2の生産量を誇るA to Z
 ウィラメット・ヴァレーのキング・エステートとブルックス


オレゴン州のワインはアメリカのワイン生産量のわずか1%に過ぎませんが、アメリカ国内でビオディナミの認証を受けているぶどう畑の52%はオレゴン。キング・エステートも然り。2006年にペンシルバニア州の非営利団体が発足させたB-Corp(利益重視でない優良企業)の認証を受けている企業は世界中に2,655ありますが、ワイナリーはわずか19のみ。そのなかの8軒がオレゴンで、A to Zやソーコル・ブロッサー(第1フライトの最右)はその先駆者的存在。

オレゴン州のAVAは19
オレゴン州のAVAウィラメット・ヴァレーのなかには7つのNESTED AVA(ネステッドは1つの大きなAVAの中に、別のAVAが含まれていることを示す非正規の呼称。例としてダンディ・ヒルズ)があり、番号順に②ヤムヒル・カールトン・ディストリクト ③シュヘイラム ④リボン・リッジ ⑤ダンディヒルズ ⑥マックミンヴィル ⑦イオラ・アミティ・ヒルズ ⑧ヴァン・ドゥーザー・コリドー(2019年1月認証)となります。



 第5フライト
 上記のネステッドAVAを代表するピノ・ノワールを探求


(左から)
◍ボーフレール AVAリボン・リッジ
◍ジェイ・クリストファー AVAシュヘイラム・マウンテンズ
◍レゾナンス AVAヤムヒル・カールトン
◍ケリー・フォックス・ワインズ AVAダンディ・ヒルズ
◍ハイランド・エステイツ AVAマックミンヴィル
◍クリストム AVAイオラ・アミティ・ヒルズ

シャンパーニュのアンリオ家が所有する高価なボーフレール、旨み十分のジェイ・クリストファー、「フランスではなくオレゴンらしいピノを造る」と宣言しているルイ・ジャド所有のレゾナンス、故ディヴィッド・レット氏から薫陶を受けた女性ワインメーカーが造るケリー・フォックス、火山性堆積土壌から生まれるハイランド・エステイツ、そして昨年訪問したクリストムでは標高210mのアイリーンの畑から凄いパワーが! 素晴らしいピノ軍団のテイスティングでした。

 香り、味わいだけでなく、色調の違いも魅力

日曜の早朝からディナーまでの間ずっ~と雨、このような東京タワー初めて!


2日目は州境にあるAVAからスタート
最初の授業はオレゴンとワシントンの州境にあるエリアから学習しました。


ワシントン州のAVAは現在14。オレゴンとワシントンで重なるAVAは3つあり、その1つがコロンビア・ゴージ。素晴らしい景観で目の前には雄大なコロンビア川。他の2つはコロンビア・ヴァレーとワラ・ワラ・ヴァレー
(2019年7月撮影)



 第1フライト
 2日目のテイスティングはシャトー・サン・ミッシェルのエロイカからスタート
 ドイツのドクター・ローゼンとのコラボから誕生した秀逸なリースリング!


ワシントン州では70種類以上のぶどうを栽培していますが、主要品種はCS29%、 CH16%リースリング15%、ME14%、シラー9%、その他17%
シャトー・サン・ミッシェル エロイカ/リースリング
ウッドワード・キャニオン/シャルドネ
デリール・セラーズ シャルール・ブラン/SB+セミヨン

 第2フライト
 カベルネとメルローの世界へ


◍クィルシーダ・クリークCS AVAコロンビア・ヴァレー
◍キャンバスバックCS AVAレッド・マウンテン
◍ペッパーブリッジCS AVAワラ・ワラ・ヴァレー
◍シャトー・サン・ミッシェル カヌー・リッジ メルロー AVAホース・ヘブン・ヒルズ
◍ヘッジス・ファミリー ル・メルロー AVAコロンビア・ヴァレー

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コロンビアヴァレーのなかの最大のAVAはヤキマ・ヴァレー。赤はボルドー品種がメインですが、近年ローヌ品種が人気。ヤキマ・ヴァレーには、ラトルスネーク、レッド・マウンテン、スパイプ・マウンテンの3つのネステッドAVAがあります。

 ワシントン州のロス土壌

ワシントン州の特徴的なラス(一般的な呼称はロス)土壌はとても細かいので、一掴みの砂を振りまくと風に乗って舞った瞬間がキャッチできました。
(2019年7月撮影/ホース・ヘブン・ヒルズ)

 第3フライト
 ボルドースタイルの赤ワイン
 レコールNo.41のファーガソン、デリール・セラーズ、コロンビア・クレスト


◍AVAワラ・ワラ・ヴァレーにあるファーガソンは玄武岩から生み出されるミネラル感や鉄分が顕著
◍2016年VTが25回目の記念年になったデリール・セラーズ、AVAレッド・マウンテンのCS100%
◍AVAはコロンビア・ヴァレー、ワシントン・ワインの父と呼ばれるウォルター・クロール博士の名を冠したオマージュワイン

IMG_1087.jpg
 最後の試飲はワシントン州のボルドータイプの赤ワイン

 生産者はシャトー・サン・ミッシェルの傘下コロンビア・クレスト、パワフル!


 画像提供:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会
レベルⅠのカリキュラムはすべて終了・・・総括で30問の選択試験
休憩をはさんで結果発表、ドキッ[ふらふら]
全員無事クリア[わーい(嬉しい顔)]


レベルⅠの卒業生には認定証とバッジの授与がありました。
次なるステップはCertified Authority of Pacific Northwest Winesになります。レベルⅠの合格者のみが受講できる2日間のマスターレベルコースで、今の予定では9月頃に開催とのこと。多様な品種を交えたワインテイスティング、オレゴン・ワシントン州のヴィンテージ、微気候、土壌、クローン等についてもさらに掘り下げて学習するようです。レベルⅡに合格すると、PNWのオーソリティーとして認定されるということなので頑張らねば!

 フルメンバーで記念ショット
トッド・ステーブンズ日本事務所代表、ワシントンワイン協会のステーヴ・ワーナーCEO、通訳の村田みづ穂さんも交えて記念ショット。
中身の濃い2日間でした。皆さま、大変お疲れ様でした!

前日の雨降りとは打って変わって綺麗な青空、東京タワーもイイ感じです!

 4月にNHK文化センター青山校でオレゴン・ワシントンにフォーカス

昨年はナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)主催の第1回ナパ公認アンバサダー試験を受けるチャンスをいただき、お陰様でクリアできました。NHK文化センター青山校で特別講座『ワインで巡る世界ツアー』ナパワイン編を開催し、ご参加くださった皆さまにナパワインの魅力をお伝えすることができました。
今年は4月中旬に“オレゴン・ワシントンワイン”にフォーカスした特別講座を開催し、両州の素晴らしさをご紹介したいと思っています。Non Solo Vino(ワインだけじゃなく)風に、今回はリーデル・グラスを使ってその奥深さをご披露したいと思っています。現在、内容について調整しておりますので、詳細が決まり次第、SNSで発信させていただきます。ご期待くださいませ。

[イベント]ワシントン・オレゴン 2020ワイン エクスペリエンス プロモーションのご案内
オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会では毎年3~4月にワイン愛好家に多種多様なオレゴン州とワシントン州のワインを楽しんでいただくために表記のプロモーションを実施しています。昨年は292店舗が参加しました。開催要項についてはワインのこころにプロモーション要綱を記載してあります。参加申込の締め切りは2月28日(金)です!
申請を済ませていない小売店&飲食店の皆さまは、急ぎ、奮ってご応募くださいませ!
窓口:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所
担当:トッド・ステーブンズ代表
Tel: 03-5904-8950/ Fax: 03-6332-9575
Mail: info@washingtonwine.jp
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