ウクライナへの人道支援活動 ~日本ソムリエ協会J.S.A.主催ウクライナワインセミナー~ [ワイン]
ウクライナの国花はひまわり
一般社団法人日本ソムリエ協会(以後J.S.A.)は、ウクライナから日本に輸入されているワインを購入し、ワインを通して、同国の経済支援をする活動をしています。
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東京支部のウクライナワインセミナー@明治記念館
田崎真也J.S.A.会長
株式会社ヘルムズ(ウクライナワイン専門店ヴィノ・ピオネール)の輸入担当ヴァシナ・アンナさん
横浜市とウクライナのオデッサ市が姉妹都市であることから、5月17日に神奈川支部で、翌18日には東京支部でワインセミナーが開催され、両日で約600名が参加しました。
セミナーではヴァシナさんが歴史やワイン産地の気候風土、ぶどう品種等について解説。
合間に田崎会長が注釈を入れる形で進行し、ワインとマリアージュについてもコメント。
「ウクライナワインを購入・紹介し、それを試飲した会員がさらに周囲に広めて、ウクライナワインの拡販につなげたい。それが当協会らしく、また、継続的な支援になると思う」と田崎会長
ウクライナの沿革
ウクライナの代表的なお料理
画像協力:(一社)日本ソムリエ協会
ボルシチは同国の自慢料理、ウクライナ人にとってサワークリームは必須食材とのこと
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セミナーに登場した6アイテム
左から右の順で供出/ワインのコメントは田崎会長の解説を要約
#1:シャボー テルティ・クルック2018
#2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
#3:アッケルマン サぺラヴィ プレミアム2020
#4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
#5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
#6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017
左から右の順に#1~#6
シャボーはオデッサ州最大の村のひとつ。唯一、原産地呼称に認定されている地域
1,250㌶の畑で30種以上の欧州系品種と在来種を栽培
#1:シャボー テルティ・クルック2018
ぶどう品種:テルティ・クルック
生産者:シャボー
小売価格:3,080円
ウクライナの土着品種テルティ・クルック、“狐の尻尾”を意味するぶどう品種。シャボーは粘土質と砂質土壌で、唯一の原産地呼称を有すエリア。生産者はジャボーにあるシャボーという名のワイナリー。若々しいグリーンを含んだ淡いイエロー、香りにMLF由来のアーモンドパウダーやスモーク。その後から、柑橘系果実のGF、ライム、すだち。ほのかにスイカズラやジャスミン。ハーブや笹の葉のようなグリーンな香り。味わいに柔らかな果実味があり、酸味と調和が取れている。アフターに果実の内果皮似の苦味、塩味やミネラル感。和食なら『鮎の塩焼き』。蓼酢(たでず)は使わず、鮎が淡白な味わいなので、ワインの柔らかい酸と果実味が、自然の素材を引きたててくれるマリアージュ。
#2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
ぶどう品種:リースリング
生産者:ツルベツコイ
小売価格:4,400円
緯度で見ると46度くらいに位置しているワイン産地でブルゴーニュとほぼ同緯度。濃いイエロー、トパーズを含んだ色調。シュル・リー2ヶ月、大樽熟成18ヶ月。熟成による複雑味があり、黄色系果実のコンフィ、ハチミツ、花梨ジャム、食用菊、ジャーマンカモミールティー、リンデンティ―、アーモンドパウダー、ペトロール香。酸味と甘味のバランスが良く、ドイツやオーストリアのリースリングに比べると酸はまるいが、余韻にノン・マロ由来の酸の印象。ウクライナの伝統料理『ヴァレーニキ(ラビオリと水餃子に似た料理)』、サワークリームを添えて!
#3:アッケルマン サペラヴィ プレミアム2020
ぶどう品種:サペラヴィ
小売価格:2,200円
サペラヴィはジョージアの土着品種のひとつで、果皮が濃く果汁が赤いのが特徴。酸が強くポリフェノールも多く含有。発酵は26度を超えない状態で醸し、オークの木材(チップではない)を樽に入れてマセレーションしたと思われるワイン。濃紫の色調、香りにココアやチョコレート、ヴァニラ。ブラックベリーやブラックチェリー、カシスに加えて、口中ではラズベリーコンフィのような印象もあり、スワリングすると、シナモン、ナツメグ、丁子、わずかに樹皮や土のニュアンス。果実味と酸味のバランスが良く、タンニンは溶け込み柔らか。余韻にサペラヴィの特徴であるタンニンや酸の強さの片りんが感じられる。料理は赤身の肉やハラミを炭火で焼いて、燻製のようなフレーバーをつけて塩や胡椒で!
#4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
ぶどう品種:メルロー
生産者:スタホフスキー
小売価格:4,290円
北緯48 度の産地、アルザスのストラスブールと同じくらいの緯度。深みのある色調。香りには赤系果実の野イチゴ、レッドチェリ―、ラズベリー、ほのかにカシスやブルーベリー。クローブやシナモン。オードヴィーフランボワーズ似の香りに加え、木樽香が優しく調和し、全体に複雑味を与えている。口中ではフレッシュな酸の印象、中盤以降、樽由来の苦味、タンニン、重厚感が広がる。料理は『ボルシチ』がおすすめ、ビーツの甘味とトマトの酸味を生かした納得できるマリアージュ。
#5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
ぶどう品種:ピノ・ノワール
生産者:ツルベツコイ
小売価格:8,470円
32度の発酵温度で18日間マセレーションを行い、12ヶ月樽熟成、その後6ヶ月の瓶熟を経て出荷。ピノ・ノワールにしては濃い色合い。紫色を残し、ほんのりとオレンジを帯びた色調。赤系果実の凝縮感があり、野イチゴ、野バラ、食用バラ、若干ローズヒップ。木樽由来のロースト香、枯葉系の香りもあり、例えるなら紅茶のアッサム。アルコール度数は14%あり、口中にふくよかな香りや果実味が広がる。酸がエレガントで、樽からの苦味が加わり、中盤以降、コクを感じる。18度くらいでエアレーションしてからサービスを! マリアージュは国民食の『サーロ(豚の脂身の塩漬け)』と合わせて。ライ麦パンなら片面だけ少し焼いて、サワーチェリーで作ったあまり甘くないピュレあるいはジャムを塗り、サーロと!
#6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017
フィロキセラ禍やゴルバチョフの反アルコールCPでほとんどの畑を消失した時代を経て、
今世紀にはウクライナ宮殿の外観を模したシャトー・チザイ建設。
こころが和む甘口ワイン、当日のマイベスト
ぶどう品種:トラミネール
生産者:チザイ
小売価格:3,960円
アルコール度数16度、残糖1㍑中170グラムのワイン。貴腐の要素は感じないので、木成りで11月くらいに遅摘み収穫したワイン(と推測)。テクニカルシートにはトラミナー・ロゼとの表記。トラミナーの別名はサヴァニャン・ブランで、ドイツではトラミナーと呼ばれている。トップ・ノーズにマスカットやトロピカル・フルーツの凝縮感。木樽を使った酸化熟成由来のコリアンダーシードやクミン等のスパイス香があるので、カレー粉を使った料理に合いそうなイメージ。口中ではパッションフルーツのコンフィやドライマスカット、果皮に感じる苦味が深みを与え、酸味と調和して心地良い。余韻はスパイスで締めくくる印象。合わせるならウクライナのデザート『焼きりんご』、日本なら『みたらし団子』
参考(青木): モンペリエ大学で教鞭をとっていたピエール・ガレは、「サヴァニヤンはドイツ、アルザス、ハンガリー、オーストリアでかつて広く栽培されていたトラミナーと同一種で、ゲヴュルツトラミナーはピンク色をしたサヴァニャンの突然変異種であるムスケ」と説いている。/出典『ワイン用葡萄ガイド』byジャンシス・ロビンソン
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✥ J.S.A.では、全国48支部の例会セミナー後にウクライナワイン試飲会を実施
すでに43支部の例会セミナーで試飲会を行っており、残り5支部に関しても近々開催予定
✥支援金額:8,032,200円/ワイン購入先:株式会社ヘルムズ
✥ 5月23日(月) Zoomによるウクライナワインセミナー
✥ J.S.A.のHPもご覧ください。
ウクライナの人々が一日も早く、平和な日常に戻れますように!!
一般社団法人日本ソムリエ協会(以後J.S.A.)は、ウクライナから日本に輸入されているワインを購入し、ワインを通して、同国の経済支援をする活動をしています。
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東京支部のウクライナワインセミナー@明治記念館
田崎真也J.S.A.会長
株式会社ヘルムズ(ウクライナワイン専門店ヴィノ・ピオネール)の輸入担当ヴァシナ・アンナさん
横浜市とウクライナのオデッサ市が姉妹都市であることから、5月17日に神奈川支部で、翌18日には東京支部でワインセミナーが開催され、両日で約600名が参加しました。
セミナーではヴァシナさんが歴史やワイン産地の気候風土、ぶどう品種等について解説。
合間に田崎会長が注釈を入れる形で進行し、ワインとマリアージュについてもコメント。
「ウクライナワインを購入・紹介し、それを試飲した会員がさらに周囲に広めて、ウクライナワインの拡販につなげたい。それが当協会らしく、また、継続的な支援になると思う」と田崎会長
ウクライナの沿革
ウクライナの代表的なお料理
画像協力:(一社)日本ソムリエ協会
ボルシチは同国の自慢料理、ウクライナ人にとってサワークリームは必須食材とのこと
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セミナーに登場した6アイテム
左から右の順で供出/ワインのコメントは田崎会長の解説を要約
#1:シャボー テルティ・クルック2018
#2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
#3:アッケルマン サぺラヴィ プレミアム2020
#4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
#5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
#6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017
左から右の順に#1~#6
シャボーはオデッサ州最大の村のひとつ。唯一、原産地呼称に認定されている地域
1,250㌶の畑で30種以上の欧州系品種と在来種を栽培
#1:シャボー テルティ・クルック2018
ぶどう品種:テルティ・クルック
生産者:シャボー
小売価格:3,080円
ウクライナの土着品種テルティ・クルック、“狐の尻尾”を意味するぶどう品種。シャボーは粘土質と砂質土壌で、唯一の原産地呼称を有すエリア。生産者はジャボーにあるシャボーという名のワイナリー。若々しいグリーンを含んだ淡いイエロー、香りにMLF由来のアーモンドパウダーやスモーク。その後から、柑橘系果実のGF、ライム、すだち。ほのかにスイカズラやジャスミン。ハーブや笹の葉のようなグリーンな香り。味わいに柔らかな果実味があり、酸味と調和が取れている。アフターに果実の内果皮似の苦味、塩味やミネラル感。和食なら『鮎の塩焼き』。蓼酢(たでず)は使わず、鮎が淡白な味わいなので、ワインの柔らかい酸と果実味が、自然の素材を引きたててくれるマリアージュ。
#2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
ぶどう品種:リースリング
生産者:ツルベツコイ
小売価格:4,400円
緯度で見ると46度くらいに位置しているワイン産地でブルゴーニュとほぼ同緯度。濃いイエロー、トパーズを含んだ色調。シュル・リー2ヶ月、大樽熟成18ヶ月。熟成による複雑味があり、黄色系果実のコンフィ、ハチミツ、花梨ジャム、食用菊、ジャーマンカモミールティー、リンデンティ―、アーモンドパウダー、ペトロール香。酸味と甘味のバランスが良く、ドイツやオーストリアのリースリングに比べると酸はまるいが、余韻にノン・マロ由来の酸の印象。ウクライナの伝統料理『ヴァレーニキ(ラビオリと水餃子に似た料理)』、サワークリームを添えて!
#3:アッケルマン サペラヴィ プレミアム2020
ぶどう品種:サペラヴィ
小売価格:2,200円
サペラヴィはジョージアの土着品種のひとつで、果皮が濃く果汁が赤いのが特徴。酸が強くポリフェノールも多く含有。発酵は26度を超えない状態で醸し、オークの木材(チップではない)を樽に入れてマセレーションしたと思われるワイン。濃紫の色調、香りにココアやチョコレート、ヴァニラ。ブラックベリーやブラックチェリー、カシスに加えて、口中ではラズベリーコンフィのような印象もあり、スワリングすると、シナモン、ナツメグ、丁子、わずかに樹皮や土のニュアンス。果実味と酸味のバランスが良く、タンニンは溶け込み柔らか。余韻にサペラヴィの特徴であるタンニンや酸の強さの片りんが感じられる。料理は赤身の肉やハラミを炭火で焼いて、燻製のようなフレーバーをつけて塩や胡椒で!
#4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
ぶどう品種:メルロー
生産者:スタホフスキー
小売価格:4,290円
北緯48 度の産地、アルザスのストラスブールと同じくらいの緯度。深みのある色調。香りには赤系果実の野イチゴ、レッドチェリ―、ラズベリー、ほのかにカシスやブルーベリー。クローブやシナモン。オードヴィーフランボワーズ似の香りに加え、木樽香が優しく調和し、全体に複雑味を与えている。口中ではフレッシュな酸の印象、中盤以降、樽由来の苦味、タンニン、重厚感が広がる。料理は『ボルシチ』がおすすめ、ビーツの甘味とトマトの酸味を生かした納得できるマリアージュ。
#5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
ぶどう品種:ピノ・ノワール
生産者:ツルベツコイ
小売価格:8,470円
32度の発酵温度で18日間マセレーションを行い、12ヶ月樽熟成、その後6ヶ月の瓶熟を経て出荷。ピノ・ノワールにしては濃い色合い。紫色を残し、ほんのりとオレンジを帯びた色調。赤系果実の凝縮感があり、野イチゴ、野バラ、食用バラ、若干ローズヒップ。木樽由来のロースト香、枯葉系の香りもあり、例えるなら紅茶のアッサム。アルコール度数は14%あり、口中にふくよかな香りや果実味が広がる。酸がエレガントで、樽からの苦味が加わり、中盤以降、コクを感じる。18度くらいでエアレーションしてからサービスを! マリアージュは国民食の『サーロ(豚の脂身の塩漬け)』と合わせて。ライ麦パンなら片面だけ少し焼いて、サワーチェリーで作ったあまり甘くないピュレあるいはジャムを塗り、サーロと!
#6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017
フィロキセラ禍やゴルバチョフの反アルコールCPでほとんどの畑を消失した時代を経て、
今世紀にはウクライナ宮殿の外観を模したシャトー・チザイ建設。
こころが和む甘口ワイン、当日のマイベスト
ぶどう品種:トラミネール
生産者:チザイ
小売価格:3,960円
アルコール度数16度、残糖1㍑中170グラムのワイン。貴腐の要素は感じないので、木成りで11月くらいに遅摘み収穫したワイン(と推測)。テクニカルシートにはトラミナー・ロゼとの表記。トラミナーの別名はサヴァニャン・ブランで、ドイツではトラミナーと呼ばれている。トップ・ノーズにマスカットやトロピカル・フルーツの凝縮感。木樽を使った酸化熟成由来のコリアンダーシードやクミン等のスパイス香があるので、カレー粉を使った料理に合いそうなイメージ。口中ではパッションフルーツのコンフィやドライマスカット、果皮に感じる苦味が深みを与え、酸味と調和して心地良い。余韻はスパイスで締めくくる印象。合わせるならウクライナのデザート『焼きりんご』、日本なら『みたらし団子』
参考(青木): モンペリエ大学で教鞭をとっていたピエール・ガレは、「サヴァニヤンはドイツ、アルザス、ハンガリー、オーストリアでかつて広く栽培されていたトラミナーと同一種で、ゲヴュルツトラミナーはピンク色をしたサヴァニャンの突然変異種であるムスケ」と説いている。/出典『ワイン用葡萄ガイド』byジャンシス・ロビンソン
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✥ J.S.A.では、全国48支部の例会セミナー後にウクライナワイン試飲会を実施
すでに43支部の例会セミナーで試飲会を行っており、残り5支部に関しても近々開催予定
✥支援金額:8,032,200円/ワイン購入先:株式会社ヘルムズ
✥ 5月23日(月) Zoomによるウクライナワインセミナー
✥ J.S.A.のHPもご覧ください。
ウクライナの人々が一日も早く、平和な日常に戻れますように!!
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