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[備忘録] ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』からスタートしたダイアモンド語録 [離れて繋がる #新型コロナウイルス]

 5月のバラ 元気が出ます!




   酒販ニュースの『是々非々』の記事に目が留まり、ネットで購入!
 
   ~15世紀から16世紀に栄えた中南米の民族国家を滅ぼしたのは、                      欧州人の銃ではなく病原菌だった


ピュリッツァー賞、コスモス国際賞を受賞したジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』、ダイアモンド氏はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授(ロサンゼルス在)


あの松岡正剛氏も、この本について『千夜千冊』の1361夜 (2010年5月6日) で取り上げていました。「二つの脳を持つジャレド・ダイアモンドの噂の名著である(中略) しかしこの本、日本では誰がちゃんと読んだのだろうか」との文面が冒頭にあり、ドキッ!
 


家畜の有無による結果
感染症の大半は、人間が食料生産を開始し、家畜と日常的に接するようになった約1万年前頃、動物のかかる病気が変化して人間に伝染したものなので、多種類の家畜を飼っていたユーラシア大陸 (アジア大陸・ヨーロッパ大陸)では、人間が密集して暮らす社会を、天然痘、麻疹(はしか)、ペスト等、致死率の高い病気がたびたび襲っていました。ゆえに、それらの病気に対する免疫や遺伝性の抵抗力は自然と備わっていました。一方、南北アメリカ大陸では、わずかな家畜しか飼育していなかったので、動物の病原菌から変化して人間に感染するような菌は少なかったようです。
(引用:下巻226~227頁)



病原菌が新世界に及ぼした影響
酒販ニュースのコラムにもあったように、ヨーロッパ人たちが持ち込んだ病原菌が原因で死亡したアメリカ先住民の数は、銃や剣によって落命するより、ずっと多かったことがわかっています。

1519年、アステカ帝国を征服するため、メキシコの海岸に到着したコルテスは、600人のスペイン兵を従えて戦いました。人口数百万人を誇る帝国との初戦では自軍の3分の2を失い、かろうじて逃げ延びます。最終的に、勇猛果敢な軍隊を抱えるアステカ帝国を征服しますが、彼らが勝利できたのは、軍事力だけではなく、1520年に、ひとりの奴隷がメキシコに持ち込んだ天然痘によって、アステカ帝国の人口のほぼ半分が消滅していたことも要因でした。ダイアモンド氏いわく「当初、2000万人だったメキシコの人口は、感染によって、1618年までに160万人まで激減した」と。

インカ帝国を征服したピサロの場合は、1531年に168人の兵士を連れてペルーの海岸に上陸しますが、ここでも、1526年頃、大陸経由で到達していた天然痘が帝国内に広がり、皇帝と後継者を含む多くのインカ人の命を奪っていたので、それが原因で王位継承の内紛が起こり、分裂状態になっていた帝国の弱点を突く形で征服に成功したとのこと。
(引用:上巻310~311頁)


直近の発言から
ダイアモンド氏の病原菌に関する記述に興味惹かれたので、今、世界中を混乱させているCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対してどのような発言をしているのか気になり、チェックしてみました。
3月にはワシントンポストにウイルス学者のネイサン・ウルフ氏と共同で、『How we can stop the next new virus』と題する寄稿を行い、中国での野生動物の取引を中止すべきと述べています。


人類全体の問題解決に協力を
4月には、テレビ東京のWBS『コロナに想う』のコーナーにビデオ出演して、『"史上初 "人類全体の問題解決に協力を』というタイトルで、次のように語っていました。

 ~新型コロナウイルスは“世界全体の問題”であり、人類全体に影響を与えた歴史上初の出来事です。これは世界的問題と認識すべきことで、各国単位では解決できません。世界がこの問題の解決に協力できれば、気候変動の問題も協力できるでしょう。我々は今まで気候変動や資源問題で協力してきませんでしたが、今後1年、問題解決のために協力できれば、今回の悲劇は長期的に見れば、幸福な結果をもたらすかも知れません。

 私から日本へのメッセージは、上手に対処している国(ベトナムや豪州)を見習うべきということです。ベトナムは2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で大打撃を受けたので、それを教訓にして、今回は感染者をすぐに入院させ、本人だけでなく家族も隔離するようにしました。このため、感染者や死者の数は比較的少ないのです。また、豪州では飛行機での入国を禁止し、さらに他州や都市間の移動を制限しています。ベトナムや豪州での成功体験を日本は是非参考にして欲しいと思っています~


この後ほどなくして、NHKラジオで、べトナムの近況を聞くチャンスがありました。
SARSでは63名が感染し、5名の死者を出したベトナムは、その悲劇を繰り返さないようにとの強い思いから、COVID-19に関しては、政府が「疫病の予防対策は厳しい戦いですが、必勝を期しています!」と市民に呼びかけ、行動制限を徹底。COVID とDEADを合せた造語「CoviDead」は、「今日はCoviDead 〇日目」という風に使われ、市民の気持ちを奮い立たせる活力になっていたようです。
5月30日現在、ベトナムでは感染数328名、死亡者は「0」
コロナ封じ込めに成功しています。日本ではベトナムのことはあまり大きく取り上げられていませんが、素晴らしい努力と成果には、心から敬意を表します!!

IMG_0291 白・ローズ.JPG

SARSはコウモリ、中東で発生したMARS( 中東呼吸器症候群)はラクダ、エイズは猿やチンパンジーを介してアフリカから世界に伝わったと言われています。もともとは人間とは離れた場所で生活していた野生動物たちが、森林破壊や環境の変化で住処を追われ、人間社会のすぐそばまで入ってきたことで、感染源になったと考えられている今の時代、COVID-19がパンデミック(世界的大流行)の最後のウイルスでないことは予測できます。とても怖いことです。

[NEW]追記(2020年6月8日)BBC NEWS JAPAN に、これが最後のパンデミックではない 人間が自然界に侵入すればするほどと題する記事がアップされたのでリンクしておきます。


緊急事態宣言の解除後、北九州や東京でのクラスター感染が報告されている日本。
目に見えない敵コロナウイルスだけに、引き続き、気を引き締めて、行動していきたいと思っています!!

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櫻井猛夫

もう、一年前の貴ブログですが、たまたま拝見しました。
コロナはまだ終息せず、気がかりですね。
引用なさっているジャレッドダイアモンドの本ですが、確かに愛読者はかなり入るようですが、
批判的意見も少なくありません。ダイアモンド氏の意見は、あたりにも粗雑であり、個々の歴史的事例に
対しての実証的根拠が薄弱だと指摘されています。
ダイアモンド氏は、『鉄病原菌銃』の続編で、日本人の起源や日本古代史についての論文を追加していますが、
内容は、相当でたらめなものであり、普通の日本人が読めば眉をひそめるものです。
はくは、このジャレッドダイアモンドは、相当胡散臭い人だと思いますね。
啓蒙思想に反する人です。

by 櫻井猛夫 (2021-07-08 15:57) 

fumiko

櫻井様、コメントありがとうございます。
私は上下巻を読んで、重複する表現が多いと感じましたが、ダイアモンド氏の記述には納得できる部分が多々ありました。
彼および彼の書籍だけでなく、他の作者に対して、読者が様々な意見を持つことは自由であり、櫻井様のコメントはダイアモンド氏に対する意見として尊重したいと思っています。日本人の起源云々の件に関しても反発の意見が載っているサイトは見ております。
by fumiko (2021-07-12 15:21) 

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