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CNN 、過越し祭、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ、カサブランカ [離れて繋がる #新型コロナウイルス]

  新型コロナウイルスに罹患したCNNアンカーのクリスさんの言葉

コロナウイルスに感染したCNNの人気アンカー、クリス・クオモさんは現在 自宅療養を続けています。地下の部屋で生活することで家族と距離を置いています。ご自身が目には見えない敵の攻撃を受けている真っ最中の大変な時期にも関わらず、自宅からコロナウイルスに感染している症状についても発信。この “生の声” はとても貴重です。

先週は実兄であるアンドリュー・クオモNY州知事にインタビューしていましたが、その折、「十分に気をつけていたのですが、取材で多くの人と会っていたので、感染経路はわからない」と語っていました。
夜になると必ず高熱が出て、幻覚に陥ったり、お医者様から数回問いかけがあっても昏睡状態で理解できなかったり、といった症状があったとのこと。今は呼吸の訓練をしているそうですが、5秒間息をとめるのはかなり大変だとおっしゃっていました。
第一線で活躍するジャーナリストとしての使命感と感染した一個人として命の不安を抱えている複雑な思いが伝わってきました。クリスさんの完治、そしてクオモ知事が仕切るNY州の感染の広がりに少しでも明るい兆しが見えることを願ってやみません。


[NEW]今朝(NY時間13日22時頃)、CNNに登場していたクリスさんを拝見し、以前より目に力があり、改善しているように見えました。「13日が感染してちょうど2週間目です。深呼吸をすると胸が圧迫される苦しさがあったのですが、今はその痛みが少し和らいでいます。でも、いまだ微熱がおさまらず、発汗もあります」とクリスさん。
「今の正直な気持ちとして、仕事に戻りたくても準備ができていないし、計画も立てられない。大統領は地下室から出て仕事をすれば良いと言うだろうが、それをしたら人への感染を広げてしまいます。検査体制が不十分なままなのに経済活動を再開するという大統領の発言を聞いて苛立ちを覚えました」と国のトップに対する強い憤りも発信していました。

追記(4月17日)
クリスさんが一番心配していたご家族への感染、奥様のクリスティーナさんが陽性反応だったとおっしゃっていました。症状は彼とは違い、味覚がなくなっているとのこと。細心の注意を払っていたにも関わらず、容赦なく感染者を増やし続けている新型コロナウイルスの脅威を感じます。今は17歳の愛娘さんが家のことを取り仕切っているようですが、クリスティーナさんの症状が悪くならないことを願っています。


過越しの祭に触れて
クリスさんは「クオモ家はユダヤ系なので、過越し祭はとても大事。大家族でお祝いしますが、今は宗教とは関係のない現実があります。過越しの祭では、警告を受けたユダヤ人が、ドアに血を塗ることで、災害を切り抜けました。今回のパンデミックはまるでその疫病のようです。このウイルスはドアに印があっても気に留めることはなさそうです。でも我々はこのウイルスを克服しなければなりません。今はお互いの安全を守るために自己隔離をする距離を置く。この行動は相手を思いやることであり、それでウイルスをやりすごすことができます。今の我々にとっての過越しは自分自身でできるのです」と熱く語りました。


  映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
 (C)warner bros.pictures

ここで、ひさびさに映画話題・・・過越しの祭と聞いて、私が瞬時に思い出すのはセルジオ・レオーネ監督のこの映画です!
酒場『ファット・モー』の店主と主人公ヌードルス(ロバート・デ・二ーロ)の幼馴染モー親子が、過越しの祭のために、シナゴーグ (ユダヤ教の集会所) に向かうシーン。男性のユダヤ教徒たちがまとうタッリート (ショール) がとても印象的でした。

ストーリー:NYのユダヤ人街で育ったヌードルスとブロンクスから引越してきたマックス(ジェームズ・ウッズ)を軸に、ドミニク、パッツィー、コックアイがチンピラとしてつるんでいた1920年代。悪事を重ねていくうちに街を牛耳るギャングの首領に目をつけられ敵対し、ドミニクを殺されたがきっかけでヌードルスは首領を殺害、刑務所へ。その間、マックスたちはいっぱしのギャングになり、葬儀社や禁酒法下のもぐり酒場で大儲け。刑期を終えて出所したヌードルスを迎え、つかの間の栄光を手にする1930年代。禁酒法撤廃のはざま、マックスが企てた銀行襲撃をやめさせようとヌードルスは警察に密告。結果、マックス、パッツィー、コックアイの3人が殺され・・・時が移り1960年代に。ひとり生き残ったヌードルスの元に不可解な手紙が届き、思いもかけない人物と再会することに。

  
 (C)warner bros.pictures
モーの妹デボラ(ジェニファー・コネリー)はヌードルスが想いを寄せる女性。バレーのレッスンを終え、帰宅する途中、行き交う友と「過ぎ越しおめでとう」の挨拶

インターミッションを入れた約230分の長編映画。初めて観た時は何よりラストシーンが強烈でした。『ゴッドファーザー』と同じように、残酷な場面とは対極の甘美なテーマ曲、ここではアマポーラ。ジェニファー・コネリーの可愛さと良くマッチしていました。成人したデボラは永遠の謎、なんでこの女優なのかなぁ 目の色も違うし、ね。


 マックスのお気に入りはコルドン・ルージュ
 (C)warner bros.pictures
禁酒法下のもぐり酒場、オーナーはモー、実権を握っているのはマックス
ちなみにアメリカの禁酒法は1920年1月から1933年12月まで続きました。
映画のなかで「価値ある10年だった」というセリフがあるので、このシーンは1923年の設定!?

 (C)warner bros.pictures
さようなら禁酒法ということで、映画では、乾杯ではなく「献杯」

禁酒法撤廃後のアメリカで実業家から人気を得ていたのがマムの『コルドン・ルージュ』
映画『カサブランカ』で主人公のリック (ハンフリー・ボガート)が飲むシャンパンとしても知られており、NY出身のリックも実業家という設定でした。

マム社は第1次世界大戦後、競売にかけられ、それを手に入れたのがデュボネ社。同社の娘婿でマムの社長職に就いたのがルネ・ラルーです。1939年から34年間にわたり、手腕を発揮しました。1945年当時、100万本だった販売量を1972年には600万本まで躍進させました。彼へのオマージュとして造られたのがプレステージ・キュヴェの『ルネ・ラルー』であり、ラルーが全面的に資金援助した芸術家がレオナール・フジタでした。

  ランスにあるマムのメゾン

 (C)warner bros.pictures

往年の名作『カサブランカ』
第2次世界大戦の最中、パリがナチスの侵略で陥落するという日に、主人公リック がイルザ (イングリッド・バーグマン)に「君の瞳に乾杯」と語りかけ、乾杯するシーン。
なぜ、リックがマムを選んだのかは、拙著『映画でワイン・レッスン』で説明していますので、読んでいただけると嬉しいです。

コロナウイルス感染拡大で、テレワークが増え、自宅でのゆとり時間はいつもより多くなっているご時世なので、たまには映画を観て、リフレッシュするのもお薦めです。
私の一押しはリックの男気あふれる『カサブランカ』、何度観ても見飽きません!

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