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カリフォルニア『パッツ&ホール』のドナルド・パッツが語るシャルドネとピノ・ノワール [来日したワイン生産者&関係者]

パッツ&ホールのワインスタイル
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10月の半ば、シャルドネとピノ・ノワールのスペシャリスト、パッツ&ホールのオーナー、ドナルド・パッツさんが来日し、中央区銀座の『Kuma3』で、食とのペアリングを楽しみながら、ワイナリーと5種のワインについて語りました。居住するナパでは、韓国人の愛妻が作る韓国料理を毎日食べていというパッツさん。和食もお好き、古酒もお好きで70年代のボルドーワインを収集なさっているそうです。

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パッツ&ホールは、1988年に共通のヴィジョンを持つ4人、ドナルド・パッツ(買付、輸出担当)、ジェイムス・ホール(醸造担当)、アン・モーゼズ&ヘザー・パッツによって設立されました。スタート当初はシャルドネだけを生産していましたが、 1995年からピノ・ノワールにも着手。
1990年代前半にもピノ・ノワールは生産されていたのですが、味わい的には今ひとつだった由。でも、90年代半ばから、クローンの開発や土壌の研究が進み、より良いピノ・ノワールが造られるようになったので、ピノ・ノワールにもフォーカス。現在、シャルドネは10の異なる畑(単一畑を含む)、ピノ・ノワールは12の異なる畑(単一畑を含む)からワインを生産しています。

ワイン造りの特徴は■シャルドネとピノ・ノワールだけを生産、■ぶどう畑は所有せず、購入。ただし、契約している35のぶどう栽培農家には自分たちが求める方針で栽培を徹底しています。

樽へのこだわり
デリケートなシャルドネとピノ・ノワールだけにフレンチオークの木樽は重要。36ヶ月シーズニング(自然乾燥)させてから、主たるトヌリエ(樽業者)のフランソワ・フレールやスギャン・モローに製樽を依頼しています。


ウェルカムドリンクは門外不出のスパーリングワイン

ワイナリークラブのメンバーだけのアイテム、輸入元のワイン・イン・スタイルでも扱いなしです。
生産したのは「遊びごころ」とパッツさん。シャルドネとピノ・ノワールのスペシャリストであり、シャンパンと同じ2品種であることが理由です。切れ味の良い、このブリュット2012はシャルドネ63%、ピノ・ノワール37%、生産量300c/sのみ

当日は2種のシャルドネと3種のピノ
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#1:2014 ダットン・ランチ シャルドネ ロシアン・リヴァー・ヴァレー
希望小売価格7,700円・税別
ダットン・ランチは1969年にウォーレン・ダットンが西ソノマ・カウンティに開拓した最も古い畑のひとつ。灌漑をしないドライ・ファームで栽培されたぶどうは小粒でアロマ豊か。パッツ&ホールでは秀逸な5つの区画を選んでいますが、なかでも1969年に植樹された古樹から収穫されたぶどうも使用。「デリケートなパフューム」とパッツさん。樽香(新樽40%使用)、アロマ豊か、酸味があり、ナイス・バランス

#2:2012 ハイド・ヴィンヤード シャルドネ・カーネロス ナパ・ヴァレー
希望小売価格10,000円・税別
パッツさんの思い入れがこもった単一ヴィンヤードのシャルドネ。午後実施されていたカリフォルニアグランドテイスティングでも味わったのですが、プレス・ディナーではリーデル協賛でヴィノムシリーズのブルゴーニュグラスの印象がとても良く、パッツさんも絶賛。樽のニュアンスをうまく引き立てていました。 #1は香りが強く出ていましたが、#2は心地良い柑橘系果実、ミネラル感、エレガントな印象

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パッツ&ホールのピノ・ノワールは基本的に全体の15%は全房発酵、MLF100%実施、無濾過、無清澄
#3:2013 ジェンキンス・ランチ ピノ・ノワール ソノマ・コースト
希望小売価格10,500円・税別
ジェンキンス・ランチはジェンキンス一族の牧場で、ゆるやかな傾斜の約7㌶の畑の標高は150㍍、土壌は砂利混じりのローム、沿岸部特有の冷涼な気候。豊潤な香り、前面に出過ぎない果実味、ハーブ、スパイス、きめ細かいタンニン

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#4:2012 チェノウェス・ランチ ピノ・ノワール ロシアン・リヴァー・ヴァレー
希望小売価格10,500円・税別
パッツさんは「私が一票を入れなくてもピゾーニには皆さんが票を入れるでしょう。ゆえにそれを除くと、生産しているピノ・ノワールのなかで気にいっているのは骨格があり、タンニンの成分があることで長熟のポテンシャルを感じるチェノウェスです」とコメント。

1838年にソノマのグリーン・ヴァレーに移住してきたチェノウェス一族によって開拓された畑。元々はリンゴ果樹園でしたが、パッツさんが2000年代前半にぶどう畑への植え替えを進言。2004年にパッツ&ホールから待望のワインがリリースされました。畑はグリーン・ヴァレー内のロシアン・リヴァー・ヴァレーAVAで最も冷涼といわれる最西端に位置しています。フレッシュ&フルーティー、ハーブや果実、品のある酸、旨味が魅力

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#5:2012 ピゾーニ・ヴィンヤード ピノ・ノワール サンタ・ルシア・ハイランズ
希望小売価格15,500円・税別
生産量が少ない人気アイテム。ピゾーニ・ファミリーはモントレー・カウンティのサリナス・ヴァレーで何世代にもわたって野菜農家を営んできた一家。息子のジェフは著名な醸造家として活躍中。ピゾーニ・ヴィンヤードはサンタ・ルチア・ハイランズAVAの南の丘に位置し、砂質の台地の下はヴァレー・フロアーの肥沃な平らな土地が広がっています。グラスの下の文字が読めない濃いパープル、凝縮した果実味、リッチでパワーのあるワイン、優しく長く続く余韻
「ピゾーニの畑はユニークで、そこの畑のピノを他の畑に植樹してもピゾーニで収穫するぶどうと同じようにならない」とパッツさん

ペアリングの基本は会話のなかに
料理とワインのペアリングについて、パッツさんは「そんなに深く考えたことないよ(笑)」と。続けて「毎回様々な香りや味わいが一緒になって、これは合うねとか、これは違うね、という会話自体が楽しいものであって、そこにワインの楽しみが介在すると思っています。人生の面白さもそうですが、1つのものを求めてワインを造るわけでもなく、おいしいワインを造って、結果的にそのワインが食事に合えば良いし、合わなければ別のワインを飲もうというカジュアルな考え方で良いのでは」と。
今回は少人数のプレスディナーだったこともあり、ワイン談義だけでなく、パッツさんの結婚観にまで及び和やかな雰囲気になりました。パッツさんのほんわかしたキャクターはとても素敵です。ワイン・イン・スタイルの武村さま、遠藤さま、お疲れ様でした!


製品のお問い合わせはワイン・イン・スタイル ℡03-5212-2271まで
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