チリと日本の友好、パトリシオ・トーレス駐日チリ大使とのマンズ小諸ワイナリー&メルシャン訪問 [ワイン]
好調な動きをみせているチリワイン! 日本ワインも世界に向けて元気に発信し続けています。台風8号一過の7月11日、国内外のワインコンクールで高評価を得ているマンズワインの小諸ワイナリ―とメルシャンの椀子(マリコ)ヴィンヤードに、パトリシオ・トーレス駐日チリ大使をお連れしました。長野県で生産されている国際品種のメルローやシャルドネの素晴らしさを大使に実感していただく機会を得られたことはワインジャーナリストとして大変光栄なことでした。
マンズ小諸ワイナリー
小諸ワイナリーには5月の曲水の宴でお邪魔したばかりですが、ワイナリー内にある約3000万坪の日本庭園『万酔園』は季節によって異なる表情を見せてくれます。わずか2ヵ月間でも木々や造詣に変化を感じました。
地下のワインセラー(非公開)に向かう途中の可愛い展示物
昨年改装されたカーブの入り口
地下セラーには黄金色に輝く年代物のワイン(シャルドネや竜眼)が静かに眠っています。
パトリシオ・トーレス大使は2010年7月15日から駐日チリ特命全権大使として活躍なさっています。今日が14日なので、ちょうど大使としての在職期間が4年になりますね。マンズワインのホスト役は茂木信三郎社長。キッコーマン時代、米国の現地法人やサンフランシスコ勤務の経験があるので英語はお手のもの。わかりやすい英語で大使に説明なさっていました。
ソラリスシリーズ5アイテムを試飲
〝ソラリスシリーズ〟は、同社が長年培ってきた栽培、醸造技術の総結集。日本で栽培したぶどうのみを原料にして、国際的に高い評価を受けるワイン造りを目標にしています。テイスティングは右から
#1:SOLARIS Shinshu Sauvignon Blanc2012
ぶどう由来の香りを大事にしているワインなので、発酵も醸造もステンレスのみ。初リリースは2010年VTで、3回目のVTになります。「ミネラル感があり、とても優しいワイン」と大使。私はこの2012年VTが好きです。
この間・・・松本顧問が初めてチリを訪問したことについて言及。1979年にチリの古参ワイナリー、カネパにバルクワインの買い付けに行った由。マンズワインの技術者がチリに派遣された時、カネパの新ワイナリー建設のことを知り、「チリは地震が多いので耐震性のある醸造所を作るように」と進言したそうです。その後、1985年に大地震が起こり、マンズワインの技術者のアドバイスが大いに役立ち、感謝されたとのこと。大使もカネパワイナリーのことは知っており、両国の友好を示す出来事になったようです。
#2:SOLARIS Shinshu Komoro Chardonnay Barrel Fermentation 2012
昨年の国産ワインコンクールで金賞を受賞したワイン。昨年小諸ワイナリーを訪問した世界最優秀ソムリエのパオロ・バッソさんも絶賛していたのが2011年VT(現在完売)。「どのような料理にあわせますか」との大使の質問に、茂木社長は「クリーム系のパスタ」と回答。大使は「チリでは公式な食事の時はフレンチスタイルですが、一般的にはチーズはアペリティフの時に楽しみます」と。樽熟成10ヵ月のシャルドネを試飲して大使はチーズとの相性を連想なさったようです。
#3:SOLARIS Shinshu Komoro Merlot 2009
27hl/haの収量規制をしているワイン。「フランス的なワインでアーシーなニュアンス」と大使。チリのメルローと比較すると果実味は控えめで、日本の風土を感じる清涼感のあるワインです。
#4:SOLARIS Shinshu Higashiyama Carbernet Sauvignon 2009
大使は「鉄板焼きや神戸ビーフに合いますね」とコメント。ブラックカラントやブラックチェリーのような黒系果実、スパイシー(黒胡椒)なニュアンスがあるので、ステーキはシンプルに調理し、スパイスの使い方次第で変化を楽しむのがお薦めだと思います。
#5:SOLARIS Shinanoriesling Cryo-Extraction2012
信濃リースリングはマンズワイン独自のぶどう品種で、シャルドネ× リースリングの交配種。クリオ・エクストラクションは貴腐ワインが生産できない年に甘口ワインを造りたいとボルドー大学が研究、開発したもので、完熟ぶどうを凍らせ、溶けてくるところを搾って造る製法、万人を幸せな気分にさせる味わいです!
チリでは昨今、海に近いエリア(アコンカグア・コスタ等)で素晴らしいソーヴィニヨン・ブランが生産されている話、シャルドネでは樽の産地や樽の熟成期間に関する質問、チリの秀逸なメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンを多く試飲なさっている大使の体験に基付いた長野県産ワインの印象を伺うことができました。
レストラン 『la Comoro』でいただいたメインのお肉に合わせてピッタリだったのが、予想通り、#3 の小諸メルロー、口中の脂分をきれいに拭い去ってくれるので、またお肉を食べたい気持ちにさせられます。#4 カベルネ・ソーヴィニヨンはディジョン産のマスタードや粒マスタードを少し添えることでより相性が良くなりました、ナイス!!
ひとくちでトーレス大使を最高の笑顔にさせたのが#5のクリオ・エクストラクション2012 !!!
国際コンクールで金賞をゲットしている優れもので、国内外での受賞歴を誇るアイテム。2011年ヴィンテージ(VT)は、2014年3月1日から3月5日にフランス・パリで開催された『ヴィナリ国際ワインコンクール2014』で金賞(Médaille d'or)を受賞。同ワインコンクール」は仏醸造技術者協会が主催する権威ある国際ワインコンクールで、例年世界の100以上のワイナリーから2000点以上のワインが出品されています。ちなみにクリオ・エクストラクションの2008年VTと2011年VTがヴィナリ国際コンクールで金賞を受賞しています。
日本の伝統美〝茶道〟でおもてなし
今回の2ワイナリー訪問内容の構成は私がアレンジしました。マンズ小諸ワイナリーを選択した理由はもちろん、ソラリスシリーズが素晴らしいワインということもありますが、もう1つの理由はマンズワインにしかできないこと、それは万酔園のお茶室の存在です。風流人の茂木社長にお願いしたことは、「大使に日本の伝統美〝茶道の世界〟でおもてなしをして欲しい」ということでした。細身ながら太っ腹の社長の返答は「喜んで!」。このおもてなしは大使には内緒で、〝Surprize time〟ということでことを進めました。大成功!!!
お茶室に続く道すがら、涼しげな水の流れ
私もお茶室に入るのは初めて、ワクワク!
主菓子は〝なでしこ〟
大使はお花の〝なでしこ〟、また日本女性への形容〝大和なでしこ〟や、女子サッカーのなでしこチームに関わる〝なでしこ表記〟もよくご存知で、2012年には仙台で、なでしこチームとも会ったそうです。話の輪が広がりました。
この日のお点前は立礼式
大使は京都で裏千家のお茶会に招待されたことがあるということで、お作法も心得ていました。
前日ぎりぎりまで台風8号の影響を気になさっていた茂木社長でしたが、当日は台風一過!
英語でのホスト役をすべてのシーンで完璧にこなしてくださった社長と、いつもながらの柔和な対応の松本顧問に、こころから御礼申し上げます。
わがままを聞き入れてくださいまして、まことにありがとうございました!!
小諸から車で移動すること30分弱で、椀子(マリコ)ヴィンヤードに到着、味村興成ブランドアンバサダーと藤野勝久シニア・ワインメーカーと合流しました。
メルシャン椀子(マリコ)ヴィンヤード
私のマリコヴィンヤード訪問は約2年振り。植樹は2003年からスタートしたので古いものは11年経過しています。
抜けるような青空、日中の温度は33度以上
日照度、降雨量ともにぶうどう栽培に適しているマリコヴィンヤード
台風の害もなく、健全に生育しているメルロー
ヴィンヤードで常勤の3酒呑童子をねぎらったトーレス大使
味村ブランド・アンバサダー(左)と藤野シニア・ワインメーカーも加わり記念ショット
鹿教湯(かけゆ)温泉エリアでテイスティング
マリコヴィンヤードには試飲できる十分なスペースがないため、鹿教湯にある齊藤ホテルに移動
メルシャンでテイスティングした9アイテム
追記:『国産ワインコンクール(JWC)2014』受賞ワイン(2014年8月4日発表)
http://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2014fol/14prize.html
画像提供:メルシャン
甲州は山梨県産のぶどうですが、メルシャンのフラッグシップワインなので特別テイスティング
#1:Mercian Katsunuma no AWA2013
甲州ぶどう100%、初リリースは2007年(2006年VT)で藤野シニア・ワインメーカーがリーダーになって手掛けたAWA。ウェルカムドリンクに最適、ドザージュ量10g/L。魚介類、お寿司に合わせて!
#2:Chateau Mercian Koshu Kiiroka Cuvee Ueno2013
甲州ぶどう100%、通常のきいろ香はグリーンボトルですが、キュヴェ・ウエノは茶色のスペシャルボトル。「青リンゴのようなニュアンス」と大使。シトラス系の果実味、ソフトな酸、余韻残る軽いビター感、温度が上がるとワイン全体に重厚感
#3:Chateau Mercian Mariko Vineyard Sauvignon Blanc2013
「香りと酸とミネラル感が素晴らしい」と大使、全員同意!
樽を一部だけ使用(5ヵ月)したマイルドな酸とバランスの良さが印象的なソーヴィニョン・ブラン(SB)。私はマンズワインのSBとマリコのSBが双璧だと思っています!
追記:JWC2014で金賞および部門最高賞をW受賞! 同コンクールでは2010年から史上初4年連続金賞。発売は9月2日(火)なので、これは要ゲットです!
マンズワインは2013年VTの信州ソーヴィニヨン・ブラン(発売は2014年12月)が銀賞受賞!
#4:Chateau Mercian Hokushin Chardonnay2012
樽熟成6か月で新樽率30%。飲み飽きしないワイン。「モンテスのシャルドネに似ている」と大使。蜂蜜のニュアンス、長く残る余韻
#5:Chateau Mercian Yamanashi Baliey A2011
藤野シニア・ワインメーカーは大使にマスカット・ベリーAを「オリエンタル ピノ・ノワール」と解説。「すき焼き、焼き鳥、照り焼き、豚骨ラーメンが合います」と料理とのマリアージュについても言及。藤野さんのコメントに納得なさっていた大使でした。
#6:Chateau Mercian Mariko Vineyard Syrah2011
総生産量は1000本。樹齢は古いもので9年、若樹で3~4年くらいのものも使用。若さを感じさせるバイオレットの色調、木樽風味、ミルキーっぽさ、スパイス、口中なめらか、今後はぶどう樹の古さに期待
#7:Chateau Mercian Mariko Vineyard Merlot 2009
昨年のヴィタリ国際ワインコンクールで金賞を受賞したワイン。果実味があり、酸味がソフトで、バランスの良いワイン。大使も味わいに満足なさっていました。
#8:Chateau Mercian Kikyogahara Merlot2009 Signature
メルシャンは『シグナチャー』と『きいろ香』の2アイテムだけはコンクールに一切出さない方針。『シグナチャー』の味わいに感嘆した大使からは「どうして」との質問も出ました。ポール・ポンタリエさんからアドバイスを受けているメルシャンのワイン、世界を驚かせるに十分なワイン
#9:Chateau Mercian Jyonohira Vineyard2009
昨年の国産ワインコンクールで金賞受賞。リュブリアーナ国際ワインコンクール( スロベニア・リュブリアーナ) ゴールドメダル&日本ワイン最高賞 (赤) 受賞。メルシャンが追及する〝フィネスとエレガンス〟を表現した日本を代表するカベルネ・ソーヴィニヨン。長い余韻も魅力。大使も「エクセレント!」と評価
マリアージュを楽しみながら
齊藤ホテルでは「トーレス大使がわざわざ長野県までお運びくださった」ということで、ワインと料理とのマリアージュにはかなり気合を入れてくださった由、細かな気配りを感じました。
ばい貝含め煮、出汁巻き玉子、ウニのせ、細巻き
驚いたのが#7メルローとウニの相性、まさに日本ワインの清涼感!
ウニ、スズキ、カンパチ、サザエ、甘エビ
勝沼のあわやソーヴィニヨン・ブランと合わせて
ハマグリのパイ包み
パイを割ると、はまぐりの出し汁。スープの旨味とパイのバター風味がシャルドネとピッタリ!
ホタテのグリルとカニと海老のクリーム春巻き包み揚げ
ホタテや蟹はAWAや白ワインで。包み揚げのコリコリ感はメルローの香ばしさとマッチ!
オレンジのパルフェ、すいかのジュレ添え
感激の3アイテム、すべて2009年ヴィンテージで
昨年の9月、シャトー・メルシャンのアドバイザーであるシャトー・マルゴーのポール・ポンタリエさんが来日し、メルシャンの桔梗ケ原メルローとの15年を語りました。昨年のポンタリエさんのセミナーでは2007年に感激しましたが、今回、2009年のポテンシャルに改めて注目!
追記:#8のシグナチャーは厳しい栽培管理と、ブレンド段階でのキュヴェ・セレクション(樽中ワインの選定)から生まれるワインでコンクールには出していませんが、桔梗ヶ原メルローは1985年産の初ヴィンテージ以来、国内・外のコンクールで多くの受賞歴を誇っています。JWC2014でも『桔梗ヶ原メルロー2009』は金賞および部門最高賞をW受賞しました!
テイスティングから合流してくださった和田修常務とパトリシオ・トーレス大使と青木の3ショット!
温泉につかれなかったのは残念でしたが(笑)、わがままな要求を聞き入れてくださったメルシャンの和田常務、藤野&味村の名コンビに感謝、感謝です。
お忙しい折、本当にありがとうございました!
今月末には安倍晋三首相のチリ訪問も
7月25日から8月4日までの日程で、安倍首相がトリニダード・トバゴ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、そしてチリのラテンアメリカ5ヵ国を外遊するとのニュースが流れていました。現職の首相大臣がトリニダード・トバゴとコロンビアを訪問するのは初めてだそうですが、W杯の開催国ブラジルをはじめとするメキシコ、コロンビア、チリは試合でも奮闘していた国々です。5ヵ国のなかでも、チリは特筆したワイン生産国なので、より親近感が増します!
パトリシオ・トーレス大使もチリで安倍首相に合流なさるようです。今回のマンズワインとメルシャンの両ワイナリー訪問が、チリと日本の友好関係に少しでもお役にたてば本望です!
マンズ小諸ワイナリー
小諸ワイナリーには5月の曲水の宴でお邪魔したばかりですが、ワイナリー内にある約3000万坪の日本庭園『万酔園』は季節によって異なる表情を見せてくれます。わずか2ヵ月間でも木々や造詣に変化を感じました。
地下のワインセラー(非公開)に向かう途中の可愛い展示物
昨年改装されたカーブの入り口
地下セラーには黄金色に輝く年代物のワイン(シャルドネや竜眼)が静かに眠っています。
パトリシオ・トーレス大使は2010年7月15日から駐日チリ特命全権大使として活躍なさっています。今日が14日なので、ちょうど大使としての在職期間が4年になりますね。マンズワインのホスト役は茂木信三郎社長。キッコーマン時代、米国の現地法人やサンフランシスコ勤務の経験があるので英語はお手のもの。わかりやすい英語で大使に説明なさっていました。
ソラリスシリーズ5アイテムを試飲
〝ソラリスシリーズ〟は、同社が長年培ってきた栽培、醸造技術の総結集。日本で栽培したぶどうのみを原料にして、国際的に高い評価を受けるワイン造りを目標にしています。テイスティングは右から
#1:SOLARIS Shinshu Sauvignon Blanc2012
ぶどう由来の香りを大事にしているワインなので、発酵も醸造もステンレスのみ。初リリースは2010年VTで、3回目のVTになります。「ミネラル感があり、とても優しいワイン」と大使。私はこの2012年VTが好きです。
この間・・・松本顧問が初めてチリを訪問したことについて言及。1979年にチリの古参ワイナリー、カネパにバルクワインの買い付けに行った由。マンズワインの技術者がチリに派遣された時、カネパの新ワイナリー建設のことを知り、「チリは地震が多いので耐震性のある醸造所を作るように」と進言したそうです。その後、1985年に大地震が起こり、マンズワインの技術者のアドバイスが大いに役立ち、感謝されたとのこと。大使もカネパワイナリーのことは知っており、両国の友好を示す出来事になったようです。
#2:SOLARIS Shinshu Komoro Chardonnay Barrel Fermentation 2012
昨年の国産ワインコンクールで金賞を受賞したワイン。昨年小諸ワイナリーを訪問した世界最優秀ソムリエのパオロ・バッソさんも絶賛していたのが2011年VT(現在完売)。「どのような料理にあわせますか」との大使の質問に、茂木社長は「クリーム系のパスタ」と回答。大使は「チリでは公式な食事の時はフレンチスタイルですが、一般的にはチーズはアペリティフの時に楽しみます」と。樽熟成10ヵ月のシャルドネを試飲して大使はチーズとの相性を連想なさったようです。
#3:SOLARIS Shinshu Komoro Merlot 2009
27hl/haの収量規制をしているワイン。「フランス的なワインでアーシーなニュアンス」と大使。チリのメルローと比較すると果実味は控えめで、日本の風土を感じる清涼感のあるワインです。
#4:SOLARIS Shinshu Higashiyama Carbernet Sauvignon 2009
大使は「鉄板焼きや神戸ビーフに合いますね」とコメント。ブラックカラントやブラックチェリーのような黒系果実、スパイシー(黒胡椒)なニュアンスがあるので、ステーキはシンプルに調理し、スパイスの使い方次第で変化を楽しむのがお薦めだと思います。
#5:SOLARIS Shinanoriesling Cryo-Extraction2012
信濃リースリングはマンズワイン独自のぶどう品種で、シャルドネ× リースリングの交配種。クリオ・エクストラクションは貴腐ワインが生産できない年に甘口ワインを造りたいとボルドー大学が研究、開発したもので、完熟ぶどうを凍らせ、溶けてくるところを搾って造る製法、万人を幸せな気分にさせる味わいです!
チリでは昨今、海に近いエリア(アコンカグア・コスタ等)で素晴らしいソーヴィニヨン・ブランが生産されている話、シャルドネでは樽の産地や樽の熟成期間に関する質問、チリの秀逸なメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンを多く試飲なさっている大使の体験に基付いた長野県産ワインの印象を伺うことができました。
レストラン 『la Comoro』でいただいたメインのお肉に合わせてピッタリだったのが、予想通り、#3 の小諸メルロー、口中の脂分をきれいに拭い去ってくれるので、またお肉を食べたい気持ちにさせられます。#4 カベルネ・ソーヴィニヨンはディジョン産のマスタードや粒マスタードを少し添えることでより相性が良くなりました、ナイス!!
ひとくちでトーレス大使を最高の笑顔にさせたのが#5のクリオ・エクストラクション2012 !!!
国際コンクールで金賞をゲットしている優れもので、国内外での受賞歴を誇るアイテム。2011年ヴィンテージ(VT)は、2014年3月1日から3月5日にフランス・パリで開催された『ヴィナリ国際ワインコンクール2014』で金賞(Médaille d'or)を受賞。同ワインコンクール」は仏醸造技術者協会が主催する権威ある国際ワインコンクールで、例年世界の100以上のワイナリーから2000点以上のワインが出品されています。ちなみにクリオ・エクストラクションの2008年VTと2011年VTがヴィナリ国際コンクールで金賞を受賞しています。
日本の伝統美〝茶道〟でおもてなし
今回の2ワイナリー訪問内容の構成は私がアレンジしました。マンズ小諸ワイナリーを選択した理由はもちろん、ソラリスシリーズが素晴らしいワインということもありますが、もう1つの理由はマンズワインにしかできないこと、それは万酔園のお茶室の存在です。風流人の茂木社長にお願いしたことは、「大使に日本の伝統美〝茶道の世界〟でおもてなしをして欲しい」ということでした。細身ながら太っ腹の社長の返答は「喜んで!」。このおもてなしは大使には内緒で、〝Surprize time〟ということでことを進めました。大成功!!!
お茶室に続く道すがら、涼しげな水の流れ
私もお茶室に入るのは初めて、ワクワク!
主菓子は〝なでしこ〟
大使はお花の〝なでしこ〟、また日本女性への形容〝大和なでしこ〟や、女子サッカーのなでしこチームに関わる〝なでしこ表記〟もよくご存知で、2012年には仙台で、なでしこチームとも会ったそうです。話の輪が広がりました。
この日のお点前は立礼式
大使は京都で裏千家のお茶会に招待されたことがあるということで、お作法も心得ていました。
前日ぎりぎりまで台風8号の影響を気になさっていた茂木社長でしたが、当日は台風一過!
英語でのホスト役をすべてのシーンで完璧にこなしてくださった社長と、いつもながらの柔和な対応の松本顧問に、こころから御礼申し上げます。
わがままを聞き入れてくださいまして、まことにありがとうございました!!
小諸から車で移動すること30分弱で、椀子(マリコ)ヴィンヤードに到着、味村興成ブランドアンバサダーと藤野勝久シニア・ワインメーカーと合流しました。
メルシャン椀子(マリコ)ヴィンヤード
私のマリコヴィンヤード訪問は約2年振り。植樹は2003年からスタートしたので古いものは11年経過しています。
抜けるような青空、日中の温度は33度以上
日照度、降雨量ともにぶうどう栽培に適しているマリコヴィンヤード
台風の害もなく、健全に生育しているメルロー
ヴィンヤードで常勤の3酒呑童子をねぎらったトーレス大使
味村ブランド・アンバサダー(左)と藤野シニア・ワインメーカーも加わり記念ショット
鹿教湯(かけゆ)温泉エリアでテイスティング
マリコヴィンヤードには試飲できる十分なスペースがないため、鹿教湯にある齊藤ホテルに移動
メルシャンでテイスティングした9アイテム
追記:『国産ワインコンクール(JWC)2014』受賞ワイン(2014年8月4日発表)
http://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2014fol/14prize.html
画像提供:メルシャン
甲州は山梨県産のぶどうですが、メルシャンのフラッグシップワインなので特別テイスティング
#1:Mercian Katsunuma no AWA2013
甲州ぶどう100%、初リリースは2007年(2006年VT)で藤野シニア・ワインメーカーがリーダーになって手掛けたAWA。ウェルカムドリンクに最適、ドザージュ量10g/L。魚介類、お寿司に合わせて!
#2:Chateau Mercian Koshu Kiiroka Cuvee Ueno2013
甲州ぶどう100%、通常のきいろ香はグリーンボトルですが、キュヴェ・ウエノは茶色のスペシャルボトル。「青リンゴのようなニュアンス」と大使。シトラス系の果実味、ソフトな酸、余韻残る軽いビター感、温度が上がるとワイン全体に重厚感
#3:Chateau Mercian Mariko Vineyard Sauvignon Blanc2013
「香りと酸とミネラル感が素晴らしい」と大使、全員同意!
樽を一部だけ使用(5ヵ月)したマイルドな酸とバランスの良さが印象的なソーヴィニョン・ブラン(SB)。私はマンズワインのSBとマリコのSBが双璧だと思っています!
追記:JWC2014で金賞および部門最高賞をW受賞! 同コンクールでは2010年から史上初4年連続金賞。発売は9月2日(火)なので、これは要ゲットです!
マンズワインは2013年VTの信州ソーヴィニヨン・ブラン(発売は2014年12月)が銀賞受賞!
#4:Chateau Mercian Hokushin Chardonnay2012
樽熟成6か月で新樽率30%。飲み飽きしないワイン。「モンテスのシャルドネに似ている」と大使。蜂蜜のニュアンス、長く残る余韻
#5:Chateau Mercian Yamanashi Baliey A2011
藤野シニア・ワインメーカーは大使にマスカット・ベリーAを「オリエンタル ピノ・ノワール」と解説。「すき焼き、焼き鳥、照り焼き、豚骨ラーメンが合います」と料理とのマリアージュについても言及。藤野さんのコメントに納得なさっていた大使でした。
#6:Chateau Mercian Mariko Vineyard Syrah2011
総生産量は1000本。樹齢は古いもので9年、若樹で3~4年くらいのものも使用。若さを感じさせるバイオレットの色調、木樽風味、ミルキーっぽさ、スパイス、口中なめらか、今後はぶどう樹の古さに期待
#7:Chateau Mercian Mariko Vineyard Merlot 2009
昨年のヴィタリ国際ワインコンクールで金賞を受賞したワイン。果実味があり、酸味がソフトで、バランスの良いワイン。大使も味わいに満足なさっていました。
#8:Chateau Mercian Kikyogahara Merlot2009 Signature
メルシャンは『シグナチャー』と『きいろ香』の2アイテムだけはコンクールに一切出さない方針。『シグナチャー』の味わいに感嘆した大使からは「どうして」との質問も出ました。ポール・ポンタリエさんからアドバイスを受けているメルシャンのワイン、世界を驚かせるに十分なワイン
#9:Chateau Mercian Jyonohira Vineyard2009
昨年の国産ワインコンクールで金賞受賞。リュブリアーナ国際ワインコンクール( スロベニア・リュブリアーナ) ゴールドメダル&日本ワイン最高賞 (赤) 受賞。メルシャンが追及する〝フィネスとエレガンス〟を表現した日本を代表するカベルネ・ソーヴィニヨン。長い余韻も魅力。大使も「エクセレント!」と評価
マリアージュを楽しみながら
齊藤ホテルでは「トーレス大使がわざわざ長野県までお運びくださった」ということで、ワインと料理とのマリアージュにはかなり気合を入れてくださった由、細かな気配りを感じました。
ばい貝含め煮、出汁巻き玉子、ウニのせ、細巻き
驚いたのが#7メルローとウニの相性、まさに日本ワインの清涼感!
ウニ、スズキ、カンパチ、サザエ、甘エビ
勝沼のあわやソーヴィニヨン・ブランと合わせて
ハマグリのパイ包み
パイを割ると、はまぐりの出し汁。スープの旨味とパイのバター風味がシャルドネとピッタリ!
ホタテのグリルとカニと海老のクリーム春巻き包み揚げ
ホタテや蟹はAWAや白ワインで。包み揚げのコリコリ感はメルローの香ばしさとマッチ!
オレンジのパルフェ、すいかのジュレ添え
感激の3アイテム、すべて2009年ヴィンテージで
昨年の9月、シャトー・メルシャンのアドバイザーであるシャトー・マルゴーのポール・ポンタリエさんが来日し、メルシャンの桔梗ケ原メルローとの15年を語りました。昨年のポンタリエさんのセミナーでは2007年に感激しましたが、今回、2009年のポテンシャルに改めて注目!
追記:#8のシグナチャーは厳しい栽培管理と、ブレンド段階でのキュヴェ・セレクション(樽中ワインの選定)から生まれるワインでコンクールには出していませんが、桔梗ヶ原メルローは1985年産の初ヴィンテージ以来、国内・外のコンクールで多くの受賞歴を誇っています。JWC2014でも『桔梗ヶ原メルロー2009』は金賞および部門最高賞をW受賞しました!
テイスティングから合流してくださった和田修常務とパトリシオ・トーレス大使と青木の3ショット!
温泉につかれなかったのは残念でしたが(笑)、わがままな要求を聞き入れてくださったメルシャンの和田常務、藤野&味村の名コンビに感謝、感謝です。
お忙しい折、本当にありがとうございました!
今月末には安倍晋三首相のチリ訪問も
7月25日から8月4日までの日程で、安倍首相がトリニダード・トバゴ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、そしてチリのラテンアメリカ5ヵ国を外遊するとのニュースが流れていました。現職の首相大臣がトリニダード・トバゴとコロンビアを訪問するのは初めてだそうですが、W杯の開催国ブラジルをはじめとするメキシコ、コロンビア、チリは試合でも奮闘していた国々です。5ヵ国のなかでも、チリは特筆したワイン生産国なので、より親近感が増します!
パトリシオ・トーレス大使もチリで安倍首相に合流なさるようです。今回のマンズワインとメルシャンの両ワイナリー訪問が、チリと日本の友好関係に少しでもお役にたてば本望です!
ブドウの房、美しいですねぇ。まるで宝石みたい。
by gillman (2014-07-15 22:40)
果皮が薄紫の甲州ですね。
gillmanさんはカメラが得意なので、より興味が増すのでは♪
by fumiko (2014-07-15 23:23)