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ピュアさ、エレガンス、ミネラル感のシャブリ [ワイン]

シャブリセミナー@八芳園
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今回のブログはシャブリ話題です!
シャブリはシャルドネ品種から造られるワインで、土壌は1億4千年前に形成された石灰質。当時は水温が高く、浅い海がシャブリを覆っていたようで、エグラジラ・ヴィルギュラという小さな牡蠣の化石を含んでいます。キーホルダーはシャブリのキメリジャンなので、化石が見えると思います。

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セミナーに供出されたワインは左から順に
第1フライト
#1:プティ・シャブリ2010(T&L Vocoret)#2:シャブリ2010 ラ・スレーヌ (La Chablisienne)#3:シャブリPCヴァイヨン2010(DRB)
第2フライト
#4:シャブリPCモン・ド・ミリュ2010(SamuelBillsud)、 #5:シャブリGCヴォーデジール2009(Segulnot)、#6:シャブリGCレ・クロ2009(Joseph Drouhin)
生産量のシェアはプティ・シャブリ16%、シャブリ67%、シャブリPC15%、シャブリGC2%

2月下旬、シャブリ委員会のジャン=フランソワ・ボルデ会長が初来日し、佐藤陽一ソムリエと組んで、和食との相性にフォーカスしたセミナーを行いました。これについては、〝原点への復帰シャブリ・ルネッサンス〟というタイトルでワインのこころに書きました。

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さて、ワインのこころに書いた第1フライトに続き、第2フライトでは、“鶏肉香草焼き、五穀米リゾット、トマトソース、青野菜”が用意され、これらを3種のシャブリと合わせました。

#4にはグレープフルーツのようなニュアンスがあり、クリスタルや石灰を感じさせる酸が特徴、#5はなめらかで黄色い果実や花、蜂蜜のような香りもあり粘性も高い、 #6は全体的にバランスが良く、ミネラル感と柑橘系の酸が余韻に長く残るワインで、これら3つのワインすべてに合っていたのが獅子唐!


ワインと料理の相性を診る場合、「合う、合わないではなく、自分なりの合わせ方の工夫が大事」と佐藤ソムリエ。合わなければ、ソムリエ的にはグラスの形状を変えてみる、ワインの供出温度を変えてみる、口中に入れる食材の量を少なくする提案をする、ワインを少なめに飲む提案をするなど。今や家庭でも美味しい料理を食べることができる時代なので、レストランならではの、ソムリエならではの工夫の大事さを語っていました。

また、佐藤ソムリエから、ボルデシャブリ委員会会長に、「シャブリにはGCがいくつあるかという質問が出たら?」という投げかけがありました。これについては「GCは1つ、クリマが7つ」が正解とのことです。ブルゴーニュでは、クリマを、正確に限定された区画で、固有の地質と気候条件に恵まれ、人間の作業によって識別され、価値を与えられているもの、と定義しています。


プレスランチ@八雲茶寮
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セミナー翌日は目黒の閑静な住宅街にある八雲茶寮でシャブリ探究
この日は通訳として石田博ソムリエが参加していました

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マーケティング・広報責任者のフランソワーズ・ルールさんが、セラン川を挟んでの右岸、左岸について解説

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プルミエ・クリュには40のクリマがあり、主要なクリマは17
右岸のPCにはフルショーム、モン・ドミリュ、モンテ・ド・トネール、ヴォークーパンetc
左岸のPCにはヴァイヨン、モンマン、コート・ド・レッシュ、ボールワetc
グランクリュは右岸に位置しています

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前菜:百合根饅頭の蟹餡かけ(百合根と山芋のすり身の揚げ物)

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刺身:本鮪の昆布締め レタスのおひたし、塩昆布添え

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揚げ物:白魚のかき揚げ

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椀:貝の沢煮椀

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焼き物:寒鰤の幽庵焼き(醤油、みりん、酒の付け焼き)

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主菜:鶏の治部煮

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ご飯:鯛の釜飯、蜆の味噌汁、香の物

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甘味:和菓子、お薄
ブルゴーニュに敬意を表した、エスカルゴの形を模したお菓子です

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供出ワインは左から
#1:シャブリ・レ・スレーヌ2010 (La Chablisienne)
セミナーにも出ていましたが、約300の栽培農家が加盟しているシャブリ最大の協同組合で生産、アペリティフに。守備範囲の広いワインです。
#2:シャブリPC モン・ド・ミリュ2010(Lamblin et Fils)
右岸。モン・ド・ミリュは“山の間”の意味で、シャンパーニュとブルゴーニュの境に位置しています。2つのPCを試飲して、好きなほうを選ぶと、不思議と右岸のクリマのものを選んでいます。百合根や昆布〆には無難にあわせることができました
#3:シャブリPC レ・モンメン2010(Pinson freres)
左岸。1haの区画で樹齢50年、時間の経過で香りのインパクト大、なめらかな粘性
#4:シャブリGC ヴォーデジール2009(Seguinot-Bordet)
セミナーにも出ていたボルデ会長が造るワイン。寒鰤の脂分とカボスの酸とのバランスがとても良く、ワイン自体にレモングラスやハーブのニュアンスがあるので和風柑橘系との相性良
鴨の治部煮のロースト香と2009年ヴィンテージのふくよかさが、ナイスマリアージュ
#5:シャブリGC ヴァルミュール2009(Christian Moreau)
1haの区画、樹齢41年、有機農法、ステンレスと木樽各50%で、木樽は10%が新樽か一空樽、90%が2~3回使用樽。蜂蜜のニュアンス、治部煮との相性〇

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(左から)ルール女史、ボルデ会長、SOPEXAアジア代表のジャン・シャルル・クルーアンさん
前日のセミナーで出ていた質問「シャブリにグランクリュはいくつあるか」に関して、プレスランチの席でも確認してみました。クルーアンさんからも「I.N.A.O.の公式な見解としてそのように表記されています」とのことでした。



今年の1月12日に開催された第27回『シャブリワイン・コンクール』では、プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリPC右岸、シャブリPC左岸、シャブリGCの各部門に分けて審査が行われ、出品された347点のワイン(参加ドメーヌまたはメーカー数91)の中の22点が受賞しました。

ウイリアム・フェーブルはプティ・シャブリ部門(プティ・シャブリ2011)と、シャブリPC右岸部門(モン・ド・ミリュ2011)で銀賞を受賞しました。2年前に来日していたディディエ・セギエ醸造責任者のセミナーで、GCレ・クロの垂直試飲があり、ヴィンテージ違いの記述もありますので、お役にたてば・・・

ウイリアム・フェーブルのシャブリ探究
輸入元(株)ファインズの招聘で来日していたウイリアム・フェーブルの醸造責任者ディディエ・セギエ氏と輸出責任者西山雅己氏のお話

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試飲したワインは全6アイテム。『シャブリ2008』、『シャブリ・プリミエ・クリュPCヴォロラン2008』と、(左から)『グラン・クリュGCレ・クロ』の2005年、2006年、2007年、2008年の4ヴィンテージ

レ・クロで際立っていたのは2005年でした。果実味がまだまだ豊か、生き生きしたミネラル感、バランスも良くふくよかで余韻も長め。グレートヴィンテージと言われるだけの風格がありました。2006年はポテンシャルあるヴィンテージだけに、もう少し熟成させたい気分。熟した果実の旨味と綺麗な酸味が特徴。2007年は酸味主体の印象で、長期熟成が期待できるヴィンテージです。2008年は2009年12月に瓶詰したばかりだったのでまだ落ち着いていなかったのですが、香りは華やかでメリハリのある酸が魅力でした。

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同社が所有するぶどう畑

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PCの中で一番のお気に入りは『モンテ・ド・トネール』です。ウイリアム・フェーブルの畑は最高の日照条件下にあり、ぶどう樹の樹齢は45年。ワインは切れが良くてミネラル豊か、エレガントでありながらパワーも兼ね備えている点が際立つワインです。ウィリアム・フェーブルでは2007年ヴィンテージからグラン・クリュとマグナムボトルを除く全てのコルクをDIAMディアムにしています。

シャブリの2008年ヴィンテージについて
クラシックなヴィンテージ。凝縮した酸味とミネラルが特徴。9月は好天に恵まれ、強い北風が吹いたので(強風はぶどう付着した水分を飛ばす働きをする)状態の良いぶどうが穫れた。ワインは果実味豊かで、ヨードや貝殻を思わせるしっかりしたミネラル感あり。プルミエ・クリュとグラン・クリュのワインは構成力を備えた長期熟成タイプ
タグ:シャブリ
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コメント 2

gillman

和食とシャブリ、とてもあいそうですね。
by gillman (2013-03-17 14:56) 

fumiko

はい、gillmanさん、良く合います。
シャブリのミネラル感と、塩分との相性が良いのですが、塩分も海のものと山のものでは感じ方が違ってくるので、奥が深いです。
by fumiko (2013-03-20 22:28) 

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