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9シャトーを味わう晩餐会からユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー・トレード・テイスティング2012まで [ワイン]

三国ワイン主催の大イヴェント『ボルドーの格付け9シャトーを味わう晩餐会』が開かれました。これは11月下旬の恒例行事ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(UGCB)のトレード・テイスティングのために来日なさっている格付銘柄シャトー協議会のフィリップ・カステジャ会長をリーダーとするボルドーのシャトー関係者が連なる素敵な会です。3回目の今回はカステジャ親子と親交がある三國清三シェフの本陣オテル・ドゥ・ミクニ東京で行われました。

ボルドーワイン生産者の心意気
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個性あふれる面々です!
(前列左から)重鎮の山本博先生、ジャン・トリオーさん、コリーヌ・コンロワさん、
(後列左から)グザヴィエ・プランティーさん、グウェンネル・シェナさん、マティュー・キュヴリエさん、エムリーヌ・ボリーさん、エリック・ペランさん、フィリップ・カステジャさん、髙栁昌之社長

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右から順に供出されたワインと関係者
#1:Chカルボニュー・ブラン2008 、#2:Chカルボニュー・ルージュ2008
(オーナー&グラーヴ格付ワイン委員会会長エリック・ペランさん)
#3:Chラ・ラギューン2007 (アジア輸出部長グウェンネル・シェナさん)
#4:Chランシュ・ムーサ1995 (支配人&取締役フィリップ・カステジャさん)
#5:クロ・フルテ1998 (オーナー マティュー・キュヴリエさん)
#6:Chサン・ピエール1996 (共同経営者&所有者ジャン・トリオーさん)
#7:Chブラーヌ・カントナック2000 (マーケティング&広報担当コリーヌ・コンロワさん、)
#8:Chグラン・ピュイ・ラコステ1998 (共同所有者エムリーヌ・ボリーさん)
#9:ドメーヌ・ド・レグリーズ1989/格付けなし(共同経営者&所有者フィリップ・カステジャさん)
#10:Chギロー1998(共同経営者&所有者グザヴィエ・プランティーさん)

各シャトーについて
#1& #2:グラーヴのぺサック・レオニャン村、1956年から現オーナーが所有。グラーヴでの格付制定は1955年。ペランさんは格付委員会の現会長。ワインは35の異なる区画のものを使用、クラシックな味わいを表現するスタイル。供出された2008年VTの白はソーヴィニヨン・ブラン65%、セミヨン35%。赤はカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロ30%、カベルネ・フラン10%。白ワインはコンスタンティーノーブルのスルタン王宮に持ち込まれ、コーランの戒律から逃れるため、「カルボーニュの鉱泉水」と呼ばれていた話は有名

#3:オー・メドック、リュドン村。16世紀初頭は農業の分野で有名だったが、16世紀末にこの土地がぶどう栽培に適していることが判明、その時点からぶどう栽培、ワイン造りをスタート。作付面積80ha、土壌は第四紀の砂礫質の下層土に砂礫質・砂質土壌、ガレと呼ばれる大きな丸い石が特徴。ぶどう樹やテロワールを最大限に表現したワイン造りが目標。供出された2007年VTのアーシーさがイタリア産トリュフと相性良し

#4:ポイヤック村、18世紀、ポイヤックのランシュ伯爵の領地がランシュ・バージュと分割され、ランシュ・ムーサが誕生。作付面積60ha、砂礫土壌、粘土質に育つメルロに味わいが出る。供出された95年VTはカベルネ・ソーヴィニヨン73%、メルロ27%、バランスの取れた味わい

#5:サンテミリオン1erグランクリュ。2001年にマティユーさんの父親がシャトーを購入。作付面積20ha、内訳はメルロ85%、残りがカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン。供出された98年VTはメルロの特長が良く出た、まろやかでシルクのような舌触り、まさに魅力全開!

#6:サン・ジュリアン村。作付面積18ha、メドックの格付けシャトーのなかで面積最小。生産量も少ない。1981年に母方の祖父がシャトーを購入、土壌は砂礫層で下層は粘土、96年VTはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ20%、カベルネ・フラン5%、まだ若さを感じさせるワイン

#7:マルゴー村。ファミリー経営。作付面積75ha、土壌は第四紀起源の深い砂礫層、2000年VTはデリケートで複雑味があり、開くまで時間がかかる、感覚に訴えてくるワイン。コリーヌさんいわく「今回の来日で明治神宮を訪問した際、ボルドー樽ではなく、ブルゴーニュの樽ばかりが飾ってあったのはなぜですか」と。広報担当らしくボルドーワインのPRに全力投球でした!

#8:ポイヤック村、1978年に祖父が購入、ファミリー経営。ピュイの語源は“丘”を意味するラテン語、作付面積55ha、1855年の格付け当時と同じ状態でぶどう畑が存在、ポイヤックの高台(15メートル)に立地するシャトー。98年VTは「収穫が難しい年でしたが、ラコストらしさが表現できており、これからさらに花開く」とボリーさん

#9:ポムロール( 格付なし)、作付面積7ha、3代目のオーナーがカステジャ家。初代は政府(フランス革命時)、1830年~1972年までグランダール家、そしてカステジャ家の手に。かつては修道会が所有し、ハンセン氏病の患者を手当てする施設になっていた。暑くて乾いた気候、収穫は早かった97年VT。70%メルロ、30%カベルネ・フラン。メルロが味わいを引き立てているワイン

#10:ソーテルヌ、作付面積100ha、1855年に格付けされたソーテルヌのシャトーなかで唯一有機栽培を行っているのがシャトー・ギロー。フレッシュでピュアな味わいを表現。
「魚と赤ワインの組み合わせには思い入れあります。ワインと食の相性を体験してきた長い人生のなかで、今日は最高のひと時でした」とプランティーさん。98年VTはソーテルヌでは珍しく、造りやすかった年だったそうで、売りやすい年でもあった由。まさに飲み頃で複雑味もあり、焼いたマンダリンのイメージ。デザートの栗のクレームブリュレとぴったり!

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東洋佐々木ガラスのワイングラスに注がれたアイテム、壮観です!

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隣席だった葉山考太郎さんが細工したメニュー、葉巻用にいつも「のり」を携帯しているとか。
すごいです!

三國ワールドを堪能
ワインは事前に試飲したうえで料理との相性を考えたという三國シェフのマリアージュの基本は、お皿のなかに日本とフランスを表現することだそうです。

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愛知県産銀杏のピュレ、鹿児島産姫車海老と噴火湾産帆立貝のうま味ジュレ和え、人参とカブと胡瓜のブリュノワーズ添え
旬を過ぎて枯れた風情の銀杏を使ったピュレ、車海老と帆立を昆布とかつおの旨味ジュレで和えたところがミソ

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日本一築地石宮さん仕入、本鮪の“づけ風”マリネ、フランス産キャビア添え、ワサビ風味
日本の本鮪をヅケに。赤身なので脂身がない分、それをフランス産のキャビア(脂肪がある)で補うと、口中で大トロに変身。マヨネーズと山葵のソース、その旨さに感嘆!

「お魚に赤ワインを合わせた絶妙な味わい」とシャトーメンバー全員が大絶賛!

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石川金沢沖・鰆のクルスティヤン焼き、東京滝野川牛蒡のピュレとイタリア産トリュフのエマンセ、その牛蒡のラグーと皮のフリット添え
鰆は皮だけカリカリに焼いて60度で仕上げることでタンパク質が分解して旨味が出てくるところがポイント

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三國シェフが命名したプレ・サレ・焼尻(マティニョンと腿肉のロティとバラ肉のラグー)、フランス産ジロールのフリカッセ、無花果のコンポート、高知産小茄子添え
離島で飼育されている羊の肉はきれいな霜降り、島は海に囲まれているのでエサは自然の塩気を含む由

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究極のフロマージュ、“ヴァシュラン モンド―ル”
この時期ならではの味わい~

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パッションフルーツのクレームブリュレと杉並の内藤さんの栗のタルト、ジンジャー風味アイスクリーム添え
ドライアイスでサプライズ効果を演出

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マカロン3種、(左から)青リンゴと白ワイン、蜂蜜とソーテルヌ、洋梨と赤ワイン

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ソムリエ協会の岡会長は「ワイン愛好家にもっとワインに親しんでいただきたいと思っています」とあいさつ。「2013年3月29日には世界最優秀ソムリエコンクールがあるので、その日は空けておいてください」とのメッセージもありました。世界のトップソムリエが競い合う3年に1度の世界規模の大会なので、愛好家の皆さまも是非とも応援に!

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Chサン・ピエールのジャンさんと髙栁社長の2ショット

回を重ねるに連れて、洗練された会になってまいりました。今回は特に、ワインと料理のマリアージュがとても素晴らしく、三国ワイン&三國シェフの両MIKUNIの奮闘が、こころに深く残りました。髙栁社長&三国ワインの皆さま、本当にありがとうございました!

ということで・・・ワインの余韻に浸りながら、翌日、ボルドーのUGCB会場へ。
シャトーの皆さまとも再会できました!



ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(UGCB)の会長交代
UGCBはボルドーの著名な各アペラシオンにあるグラン・クリュ格付けをはじめとするシャトーの団体で、本部はフランス・ボルドー市にあり、現在の加盟シャト数ーは134です。2012年11月に来日して東京会場に出展したシャトーの数は102、来場者数は963名(輸入、酒販、料飲関係者等)でした。

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UGCBの会長職を務めてたシルヴィー・カーズ女史

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画像協力:ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー日本事務局
オリヴィエ・ベルナール新会長はドメーヌ・ド・シュヴァリエのオーナー兼同族会社フィナンシエール・ベルナールの経営者

UGCBは12 月18日に総会を行い、4年間会長を務め、12月末で退任なさるシルヴィー・カーズ女史の後任にオリヴィエ・ベルナールさんを選出。ベルナールさんは会長就任にあたり「ボルドーのグラン・クリュの成功にオーナーたちの強い関わりが必要とされる時に際し、この新たな責任を任させれることを誇りに思い、目的をもち、力を注ぎ、加盟メンバーのために、事務局スタッフと密接に任を果たしてまいります。今後、われわれデ・グラン・クリュはボルドーのネゴシアンたちとより密接に、最上の協調関係を築いていくべきであり、ユニオン・デ・グラン・クリュの市場訪問にあたっては、この地方を代表する者たちの強いコミットメントを波及させていかねばならないと考えています」とコメント
資料提供:ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー日本事務局

東京会場で披露された2009年ヴィンテージ
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Chランシュ・ムーサの支配人&取締役、いつも温かな笑顔のカステジャさん

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Chピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの支配人だったシルヴィーさんの後任の支配人はニコラ・グルミノーさん(左)

2009年VTについては産経EXワインのワインのこころで紹介させていただきました。各ブースでは2009年VTについて異口同音に「日照度、日較差があったので、ぶどうは良く熟し、完璧なストラクチャーで果実味もあり、調和のとれたワインです」とコメントしていました。グルミノーさんの「50年は熟成する可能性があります」との言葉を受けて、「50年後は生きていません~」と答えたら、「だからお互い元気なうちに毎年どんどんテイスティングをしましょう」とのリアクション!
まずは前評判の高い2010年のお披露目を楽しみに待つことにしましょう。

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Chカルボニューのオーナー、エリック・ペランさん

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高い人気を誇るChスミス・オー・ラフィット。担当はコマーシャル・ディレクター、おなじみのダヴィッド・オルノンさん。白ワインに樽のニュアンスを強く感じたのですが、ぶどうのポテンシャル、熟成の変化等を考えると、これで良いのか・・・一年後に再試飲したいワインでした。

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前夜の98年VTの素晴らしさを引きずりつつ・・・クロ・フルテの果実感、凛とした印象は好きです。

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カステジャさんの親戚筋にあたるボリーさん。2009年に続き、来年披露される2010年VTの良さも強調!

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前夜は黒、翌日は赤のコスチューム、フランスマダムらしいオシャレさが素敵なコリーヌさん

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シャトー・キルヴァンのマーケティング・」広報マネージャーのソフィー・シラー=ティエリーさんはとても上品なマダム。2009年VTはやはり飲みやすく素直な味わいでした。

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9月にピーロートが招聘したソーテルヌメンバーのおひとり、シャトー・レイヌ・ヴィニョ―のアランさん。ソーテルヌの2009VTは洗練さと凝縮感が相まった印象

インフォメーション!!
ボルドーワインラバーさんへ。5月にボルドーでワイン・イヴェント『ウィークエンド・デ・グラン・クリュ』が開催されます。世界中の愛好家を迎え、試飲会やシャトー・ディナー、ぶどう畑ツアー、ゴルフ・コンペなどを行うワイン・イヴェントです。期待の2010年ヴィンテージも楽しみです。
詳細案内・申し込みはコチラ

まもなく2012年が去り、新しい年2013年がやってきます。
拙ブログにお立ち寄りくださった皆さま、本当にありがとうございました。
どうぞ、良いお年をお迎えください! たくさんの感謝を込めて

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ぼんぼちぼちぼち

あけましておめでとうございやす。
今年も色々なワインの紹介 楽しみにしてやす(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-01-01 17:47) 

miche

新年明けましておめでとうございます。
素晴らしいお料理とワインの数々に圧倒されました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。素敵な記事をお待ちしています♡
by miche (2013-01-02 17:39) 

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