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謹賀新年! 祝・ローラン・ペリエ社200周年記念レ・レゼルブ グラン・シエクル!! [シャンパン]

あけましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願いいたします。
年初のブログは大好きなシャンパン・メゾンの素敵なマダムとメゾン創立200周年記念のお話

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ローラン・ペリエ社のアイコンは白いカラーです!

“フランス的な生きる喜び”を表現したもの、それがレ・レゼルブ グラン・シエクル
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画像協力:サントリー
ローラン・ペリエ (LP) 社のアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主と輸入元サントリーワイン・インターナショナル(株)の八木徹社長、アレクサンドラさんは偉大な父、故ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏の跡を継いでメゾンを仕切っています。八木社長は「200年という歴史からみれば、両社のつきあいはまだ短いのですが、パートナーとしてお互いなくてはならない存在になっています」とあいさつ

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クリスマスに届いた素敵なカード、200周年を機にリリースされたレ・レゼルブ グラン・シエクル

200年という歴史を持つ若いメゾン
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晩秋、クリスチャン・マセ駐日大使および夫人がアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール女史出席のもと、同大使公邸でローラン・ペリエ社創業200周年の記念晩餐会を開催しました。
お庭には折り紙細工のインスタレイションが! それはまるでシャンパンの泡のごとく繊細で・・・

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越後妻有アート トリエンナーレ「大地の芸術祭」2009参加作品で、今回はLP社のために作成
杉浦久子・杉浦友哉(仏政府公認建築家)+昭和女子大学杉浦研究室
折り紙制作協力:新潟県十日町市本町・南魚沼塩沼の皆さん

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庭園でのウエルカムシャンパンはフラッグシップの『グラン・シエクル』

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公邸の正面玄関からロビーにかけてLP社の200年間にわたる軌跡をカーペットで展示

「200年という歴史を持つ若いメゾン」と語っていたアレクサンドラさん
その理由は1812年創業したメゾンでも、ドゥ・ノナンクール氏が母親からメゾンを引き継いだ時点では100位に甘んじていたわけであり、氏の60年間に及ぶシャンパンへの情熱、独自の発想の成功が、LP社を売上高で世界第4位までの地位に押し上げたので、そのような意味からアレクサンドラさんは冒頭のように表現していました。

1812年から2012年までの沿革(敬称略)
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未亡人マチルド・エミリー・ペリエの奮闘
■1812年に樽職人だったアンドレ・ミシェル・ピエルロがトゥール・シュール・マルヌに定住。事業拡張ののち、(公証役場に勤務していた)息子アルフォンソ・ピエルロに家業を譲る。セラー・マスターとしてウジェーヌ・ローラン(ぶどう農園の息子で酒造りを知っていた)を雇用。ピエルロには子供がいなかった。メゾンの後継者にローランを指名。彼は妻のマチルド・エミリー・ペリエと共にメゾン隆盛に奮闘、ウジェーヌ・ローランはトゥール・シュール・マルヌの多くの区画や最上のテロワールからとれたワインを購入、精力的に働くが、カーブの拡張工事中の事故がもとで早逝、未亡人となったマチルドがメゾンを引き継ぐ

■マチルドは女手ひとりで事業をさらに拡大、1905年メゾンは夫の名ローランと実家の名ペリエを合わせた『ローラン・ペリエ』名に。彼女の采配下、1914年までに年間5万ケースの生産量のメゾンに成長、1920年には国際市場に進出、海外での販売ルートも拡張。英国のリクエストに応え、ノン・ドザージュ(当時の名はヴァン・サン・シェークル)を生産。ヴァン・サン・シェークルは1889年のパリ万博の年にリリースされ、エッフェル搭のオープニングで使用された、1913年まで同搭内のレストラン『ジュール・ヴェルヌ』でオンリストされていた

■1925年マチルドの死により、娘ウジェーヌ・オルタンスがメゾンを継承。2つの戦争と世界恐慌で、シャンパーニュ地方は暗黒の時代。オルタンスは維持ができなくなり、メゾンを売却。1939年マリー・ルイーズ・ランソン・ドゥ・ノナンクール未亡人(アレクサンドラの父方の祖母)が購入

ドゥ・ノナンクール家登場
■マリー・ルイーズ・ランソン・ドゥ・ノナンクールの4人の子供(息子3人)のなかで、第2次世界大戦から帰還したベルナール・ドゥ・ノナンクールがメゾンをサポ―ト。母からの「良き働き手でなければ良きボスになれない」との言葉に従い、ワイン造りの精神を学ぶ為、ランソン&ドラモット家で修業
1948年10月18日、28歳でシャンパーニュ『ヴーヴ(未亡人の意味)・ローラン・ペリエ』の社長に就任、この時点で生産量8万本、100番目のメゾン。初代セラー・マスターにエドワール・ルクレール任命、1949年~1959年の10年間で8万本から35万本までの生産量に

ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏の偉業の数々
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[コピーライト]Photo by Jean-Marie Curien  転載禁止

■ビール造りをヒントにステンレスタンク使用の醸造法を早々に採用、木樽をすべて排除、低温コントロールできる180hlのタンク22個を設置、ハウススタイルの“Freshness, Finesse, elegance ”を表現することに注力、生産量は35万本から180万本に!
■1951年ベルナール結婚、花嫁(アレクサンドラの母親)は『ローラン・ペリエ』のルーツを担う“ペリエ家”の流れを汲む人物であり、長い歳月を経て、ドゥ・ノナンクール家とペリエ家の運命の糸がつながる。
  
■知名度のないメゾンとして、どのように打って出るか、ベルナールは他メゾンとの差別化を考える
・1959年シャンパンのブレンドの妙を生かした独創性のある『グラン・シエクル』発売
・1968年『ロゼNV』リリース まともな飲料とは理解されていなかったロゼ・シャンパンをその時代に発売。ロゼ・シャンパンは「赤系果実がワインの乗り移ったものでなければならない」との考えを生かし、ピノ・ノワールを使い、最良の畑の最良のぶどうを漬け込んで生産、ロゼNVは確立したアイテムとして動き出す

・1975年2代目セラー・マスターにアラン・テリエ就任。ワイナリーの受容能力は4000hlから8万hlまで増大、生産量は590万本、世界170か国へ輸出
・1979年6月28日英国のチャールズ皇太子と叔父マウントバッテン卿(79年8月逝去)がトゥール・シュール・マルヌを訪問

・1981年糖分添加をしていないノン・ドゼの『ウルトラ・ブリュット』発売
・1987年ドゥ・ノナンクールの長女アレクサンドラの結婚を機に『アレクサンドラ・ロゼ82』デビュー
・1988年アレクサンドラ、ローラン・ペリエに参入
・1995年次女ステファニー、同社参入

・1996年ジャック・シラク大統領からドゥ・ノナンクール会長、レジオン・ドヌール3等勲章受章!
・(1973年から働いていた)ミシェル・フォコネがふたりの前任者からのシャンパン造りを引き継ぎ、3代目セラー・マスターに就任
・2010年10月29日ベルナール・ドゥ・ノナンクール会長逝去
・2011年2月200周年に向け、新ラベルとパッケージ採用
・2012年創業200年祭!!
トゥール・シュル・マルヌでの3日間(ぶどう栽培家、地元の顧客、海外の代理店、そして3日目はすでに退職した人たち)の祝賀会から開始し、パリでの特別イヴェントで完結

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画像のコルクですが、左側はロゼNVのもの、右側はレ・レゼルブのものです。レ・レゼルブは1996年以降、大瓶(マグナム&ジェロボアム)で保存されていました。16年間の熟成を経ています。普通、シャンパン用のコルクは3層で成形、左側にあるコルクのように、チップ(クズ)を圧縮したものを3層のうちの一層に使用しています。でもレ・レゼルブのそれはチップを一切使わない無垢の特別調達です

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200周年のために特別にリリースされた『レ・レゼルブグラン・シエクル』は95年、93年、90年の3VTのブレンド。カーブのなかでは“キュヴェ №571J”と呼ばれていました。シャルドネとピノ・ノワールから構成されていて、シャンパーニュ地方の10の有名なグラン・クリュ100%のぶどうを使用。ドザージュ量は6g/L。ボトルのネック部分は職人の手によって黒いひもが巻かれています

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12月最終週の産経EXワインのこころに『レ・レゼルブ グラン・シエクル』について書きました。スタイリッシュなアルミ製のラベルの貼付、Les Reservesの刻印、すべて職人さんによる手作業です。発売総本数は非公表ですが、日本ではマグナムサイズ130本限定で25万円。ジェロボアムサイズ(このサイズが市場に出るのは初めて)30本で50万円とのこと

まるでルーヴォワ城にいるようなおもてなし
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LP社はルーヴォワに17世紀ゆかりのお城を所有しています。そして、グラン・シエクルの名前もシャンパンボトルも17世紀ゆかりのものです。なぜ17世紀なのかは、2009年にasahi.comに書いたコラムにその理由が書いてあります。

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この日のためにルーヴォワ城専属のシェフ、ヴァレリーさんも同行していました。そして大使公邸の専属シェフ、セバスチャンさんとのコラボで、シャンパンに合わせたスペシャルメニューを考案

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グラン・シエクルをレギエールでサービス
■帆立のたたき、シャンパーニュ地方特産桃色レンズ豆を添え

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レ・レゼルブ グラン・シエクルマグナム
■ブレッス産若雌鶏のポトフー、トリュフ風味野菜とブイヨン
■パルメザンチーズと成熟ゴーダチーズ
ルーヴォワ城でのディナー同様に、料理は各自好きな分量をお皿に

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ドゥ・ノナンクール氏とセラー・マスターは、リリースした『グラン・シエクル』を、メゾンの記憶として、少量キープしておくことを常としていました。それらのなかから、今回200年記念のために登場したレ・レゼルブは、まさに故ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏へのオマージュシャンパン。さて、その味わいですが、フレッシュでありながら豊潤。3VTが調和したバランスの良いシャンパンで、大きな底力を感じました。

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■ランス特産桃色クッキーに乗せたスグリのブラマンジェ
シャンパーニュを代表する桃色クッキーの台に乗せ、砂糖煮スグリを添えた仏料理最古のデザート、ロゼの赤系果実風味と良く合います

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ロゼNVはマグナムサイズでサービスされました!




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クリスチャン・マセ駐日大使から「キュヴェ・アレクサンドラはアレクサンドラさんの名が付けられたロゼ・シャンパンです。世界中で自分の名前がシャンパンについているのはこの方だけでしょう。お隣のお部屋で一緒にいただきましょう」とのごあいさつがあり、全員移動

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現地同様ブルーのユニフォームと白い手袋でシャンパンをサービス

花嫁の父に代わり雄弁に語ったロゼ・シャンパン
キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼは1987年、アレクサンドラさんの結婚式の席上、お披露目されました。本人も知らなかったサプライズです。

1982年はピノ・ノワールとシャルドネの収獲が同じという極めて珍しい状況になりました。ドゥ・ノナンクール氏はセラー・マスターと相談、ピノ・ノワールの漬け込み中に少しシャルドネを入れてロゼ・シャンパンを造ることを考えます。果実の香りが豊かなピノ・ノワールにシャルドネのパワーを入れるという発想です。そのロゼはカーブのなかで静かにデビューの時を待っていました。日の目をみたのは1987年10月、アレクサンドラさんの結婚式で、花嫁の前に“キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ1982”というラベルのロゼ・シャンパンがありました。結婚式までは内緒というドゥ・ノナンクール氏やセラー・マスター、妹のステファニーさんたちの極秘作戦も成功しました。

「フランスでは花嫁の父親は子供のことを話すので長いスピーチをしますが、父は感動のあまり、一言も言葉がでませんでした。でもその父に代わって雄弁に語ってくれたのが、グラスに注がれたアレクサンドラという名のロゼ・シャンパンでした。そのロゼを前にしてわかったこと、それは父が情熱を傾けてきた事業を私と妹に譲りたいということでした」とアレクサンドラさんは亡き父を思い出しながら語っていましたが、その表情は本当に素敵でした。

アレクサンドラ・ロゼの誕生=結婚25周年、そしてメゾン創立200年のダブルの吉事となった2012年、おめでとうございます!!

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アレクサンドラさんとともに、『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ2004』を手にお祝いできる幸福感
八木社長、本当にありがとうございました!

クリスマス当日、アレクサンドラ当主、ジャン・クリスチャン輸出部長、広報担当のアンヌ・ロールさんたち3人からのメッセージ付きカードと晩餐会での笑顔の記念写真がたくさん届きました。素敵なプレゼントに大感激! 御三方から受けたあたたかなおもてなしには感謝で一杯です。ご一緒できたことをとても光栄に思っています。

Dear Alexandra san, Jean-Christian san and Anne-Laure san,
Thank you so much for the perfectly the bicentennial celebrations. I will never forget your warm hospitality. Many many thanks, fumiko

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(左から2人目~)ジャン・クリスチャンさん、アンヌ・ロールさん

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LP社のアンバサダー、フィリップ・ソーゼットさんの影を踏まないようにしながら(笑)
不肖私も微力ですがシャンパンの伝道師として頑張ります!



新しい年を迎えての決意!
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撮るのが大好きな私のワクワクする気持ちを見事に見抜いてくださったLP社の専属カメラマンさん
2013年も、お気に入りのキャノンで、“ワインの今”をしっかりキャッチしてまいります。
皆さま、引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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hako

新年から素晴らしい記事ですね。
久々に、じっくり読むことが出来ました。
今年も、よろしくお願いします。

by hako (2013-01-03 16:32) 

tsworking

おめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ご訪問頂いた折に、お役に立てるような言いたい放題に精進します。

とても素晴らしい記事に感動しました。
本当に飾り付けも凄いの一言。
世界が違うなぁとも。

と同時に沢山の歴史とそれを守る心が育てたのだなとも思いました。

fumiko様とのご縁で、食べる事に対してもっと関心を持つことが出来ました。
料理で使う調味料としてのお酒も、使い分けるだけで味や雰囲気が変わる。飲めなくても、楽しめる事に喜びを感じています。

いつかワインビネガーの記事お目にかかれる事を楽しみにしています。
by tsworking (2013-01-03 20:13) 

vientre-dolor

明けましておめでとうございます。

とても楽しそうですね!^^

本年もよろしくお願いいたします。
by vientre-dolor (2013-01-03 21:01) 

Yoshi

明けましておめでとうございます。
今年もワイン素晴らしさの記事等をいっぱい発信してくださいね。
今年もよろしくお願いします。
by Yoshi (2013-01-03 21:14) 

グランマぴよ

fumikoさま

明けましておめでとうございます。
去年からますます佳境におはいりの
big wave 素晴らしいです。
ご取材、ご出演、おblog
今年も魅了させて下さいますことでしょう。
楽しみにさせて頂きます。
  グランマ・ぴよ拝
by グランマぴよ (2013-01-03 23:45) 

miumiu

素敵な記事にワクワクしてしまいました。
今年も沢山の素敵な取材を楽しみにしてます!

by miumiu (2013-01-04 02:46) 

gillman

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
今年もご活躍を祈っています。
by gillman (2013-01-05 16:00) 

shin.sion

昨年はお会いする約束が果たせずスミマセンでした。

今年こそは春か秋の気候がいい時期にお会い出来
ればと願っております。


by shin.sion (2013-01-06 18:28) 

lepin

訪問&コメントありがとうございました。
ワインは大好きで、いつも飲んでいます。
高いのは買えないので、1000~2000円で、美味しそうなのをネットで買っています~。

by lepin (2013-01-06 21:34) 

fumiko

hakoさん、今年もよろしくお願いいたします。
地元で中央葡萄酒さんのワインが入手できそうとか
日本ワインに是非親しんでください~

tsworkingさん、明けましておめでとうございます。
いつもきちんと読んでくださり、ありがとうございます。
Alc に弱い方にも楽しんでいただけると嬉しいです。
tsworkingさんのご活躍を願っております。


vientre-dolorさん、新年おめでとうございます。
チェック&コメントありがとうございます!


明けましておめでとうございます。
Yoshiさんにとって素晴らしい1年であいますように!


グランマぴよ様!
今年もよろしくお願いします。
いつも元気の出るアドヴァイスをいただき、感謝、感謝の私です。
またの再会、楽しみにしております、ルン!


miumiuさんの全快祝いをしましょうね、シャンパンで!


gillmanさん、新年おめでとうございます!
今年もお役にたつワイン情報を発信してまいります。
懲りずにおつきあい、よろしくお願いいたします。


海外を拠点に活躍中のShinさん
グランマぴよ様とShinさんとの御目文字を楽しみにしています。
緊張しないようにしなければ・・・ドキドキです!
by fumiko (2013-01-06 21:53) 

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