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グレース・ファミリー・ヴィンヤーズのグレースご夫妻が来日! [ワイン]

カリフォルニアから素敵なご夫妻が再来日しました。
カルトワインの元祖とも言える『グレース・ファミリー』のディックさんとアンさんです。来日目的は2つあって、1つは今秋リリースした『グレース・ファミリー・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー エステイト2010』と、来春4月にリリースされる『同“ブランク” カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2010』のお披露目です。そしてもう1つが、ディックさんのワイン造りの原動力になっている恵まれない子供たち、肢体不自由児を支援するための活動です。今回は東日本大震災の津波被害で校舎を流されてしまった岩手県大槌町の小・中学5校の子供たちを支援するためのチャリティー・ディナーの開催で、輸入元の中川ワインの協力のもとワインセミナーの前日28日に行われたチャリティーでは、430万円の収益金が集まりました。その様子は以下、同社のサイトに詳しく記載されていますのでご覧ください。
>>>http://nakagawa-wine.co.jp/modules/wordpress/index.php?p=668

グレース・ファミリーのワイン造り
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グレースさんは『ブランク2010』、アン夫人は『グレース・ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン2010』を手に

グレースさんのワイン造りの3つのポイントは■ぶどう樹も人間と同じで、若い頃苦労をすれば長じて良くなる。ゆえにぶどう樹も、3,440本/ha(カリフォルニアでは通常570本/haだった)の密植。カリフォルニアで密植を始めた一番古いワイナリー■植樹した日から、化学肥料を使わない努力を続け、現在では有機栽培、サステイナブル、ビオディナミをバランスよく応用■収穫は友達とファミリーだけで行う。億万長者から刑期を終えた子、学歴、職業、一切関係なし。ディックさんのお仲間だけ

ディックさんが求めるワインのスタイルはラブリー、エレガント、バランス。アルコール度数は14%以下(現在13.6~13.8%)
ワイン造りの8割は畑で決まるので、畑への投資、十分なケアをしている。所有する畑は2エーカー、生産量は400ケースのみ、ヴィンヤードマネージャーは長男カークさん

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通訳を務めたのはグレース家と15年来の付き合いがあるビバカルフォルニア主宰の渡辺ケイさん(左)

ディックさんの一番好きなヴィンテージはチャリティー・ディナーに登場した1990年とのこと。3つのお気入りのヴィンテージは1992、1994、そして今回リリースした2010!!

余談ながら、子供たちの誕生日にはバースディー・ヴィンテージのワインを開けたそうで、長男カークさん(52歳)の時はシャトー・モンローズ1960、次男マークさん(50歳)には(来日1週間前)シャトー・ラ・ミッション・オーブリオン1962、それから長女キムさん(48歳)のためにはシュヴァル・ブラン1964をキープしてあるとか。

カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー エステイト2010
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ディック:カベルネ・ソーヴィニヨン100%、ブラックチェリーのような黒系ベリーに少し赤いベリーのニュアンスもあり、杉香、スミレの香り、エレガントでバランス良し、ポテンシャルが高く、30年~40年楽しめるワイン。セントヘレナのヒルサイド(標高210m)にあり、土壌は粘土質ローム

“ブランク”カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2010
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ディック:ブランクは創立25周年のグレース・ファミリーの4つ目のプロジェクトでグレース・ファミリーの完全管理のもとで造られたワイン。アラン&チョッシー・ブランクが所有するぶどう畑のぶどうを購入して生産。グレース・ファミリーから西に7マイル離れたラザフォードにあるヴァレーフロア
カベルネ・ソーヴィニヨン100%、典型的なラザフォードダストの香り、ハーブ、ユーカリ、ミント

2つ質問させていただきました
Q:ワインはクローンも醸造法も同じで、異なるのはぶどう畑の位置やテロワールということになるわけですが、それでも、『ブランク』にはユーカリやミントの香りが顕著です。その香りの差がどうして出るのですか?
ディック:ブランクのワイナリーのそばにはユーカリの大きな樹があり、そのそばに車などを停めておくと、ユーカリのオイルでべトつく感じがあります。それと同じ現象が土中にも起きています。同じエリアにあるマーカス・ヴィンヤードでもユーカリが影響しているようです。

Q:地球温暖化の影響は
ディック:発売していないものを入れて今まで35ヴィンテージ(発売したのは33ヴィンテージ)造ってきました。前半の15~17ヴィンテージは、糖度は十分あがっていないのに、フレーバーはしっかり備わり、種も茶色で、果皮も十分に色着いていることが多かったのですが、直近の15~17ヴィンテージは、ぶどうの糖度はすでにあがっているのに、フレーバーはまだ備わっておらず、種もまだ青く、ぶどうの果皮の色も薄い状態。これはナパ全般に共通していることで、■ルートストック ■仕立方 ■地球温暖化の3つのコンビネーションが原因と推察。オバマ大統領は温暖化の対策に力を入れているので、それを信じています。

[ハートたち(複数ハート)]12月6日付の産経EXワインのこころは子供たちの笑顔が励みのグレース・ファミリーでした。

2000年と2004年にプレイバック
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私がディックさんに初めてお目にかかったのは2000年でした。その時にいただいたポスターです。左上にfumikoの文字があります!

ポスターに記載してある“1987”は、この年にグレース・ファミリーのワイナリーが完成したので、晴れてエステイトボトルとなった年ということで載せています。
グレース・ファミリーでは1978年から86年までケイマスの施設でワインを造っていました

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ディックさんが最も大事にしているのがBe Optimysticという造語です。これは彼のサインの前の部分にもあります。

セミナー開始前にディックさんからいただいた嬉しいプレゼント! 
時計の文字盤にもBe Opitimysticがありました。
渡辺ケイさんから、「この文字は、Optimistic. 楽観的にいこう!(希望を持っていこう!)とMystic 神秘的のふたつをかけています。ディックの生きる上でのポリシーのようなもので、メールや手紙の最後、ボトルにサインをする時など必ず書いています」と説明していただきました。

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懐かしい画像です。撮影は2004年@グレース・ファミリーのセラー
オリジナルラベルのワインたちが並ぶ空間で、ディックさんが交流してきたアジアの子供たちの写真を見せていただきながら話を伺いました。

12月の大槌町訪問は、グレースご夫妻の気持ちを豊かにする新たな1ページになったはずです。その様子をお伝えしますね。

子供たちには「教育」に密接したものをプレゼント
12月3日に岩手県入りし、4日に大槌町の仮校舎を訪問したグレースご夫妻と渡辺ケイさん。東京にいた私は天気予報がとても気になっていました。なぜなら、岩手県の天気が大荒れだったからです。

5日の夕方、渡辺ケイさんからメールをいただきました。許可をいただいたので掲載します。

  前夜からの嵐で地盤沈下した街中がプールのように冠水し、ホテルから通りに出るにもずぶ濡れになり、ワイパーがきかないほどの暴風雨の中、レンタカーで大槌町まで行ってきました。
   街の大半はあの時のまま、時間がとまっているかのようでしたが、子供達はとても明るく前向きで、安心しました。今年、日本レコード大賞新人賞をとった臼澤(うすざわ)みさきちゃんが、大槌中学の生徒で私達は、彼女のサイン色紙とCDをいただきましたよ(笑)。もちろんディックもサインしてさしあげましたが。

   将来子供たちの知性にもっと貢献できるようなことに使って欲しい、というディックからのサジェスチョンがあり、サッカーボールなどではなく、コンピューターラボなど「教育」に密接したものに使途を変更することになりました   



セミナーで、ディックさんは「多くを持つ者と世界中にいる恵まれない子供たちのギャップをうめていくことを使命にしている。教育と医療を柱にした支援をしていく」と語っていましたが、大槌町の子供たちにも教育に付随するプレゼントをなさったようです。

CNNでは、カリフォルニアが大洪水で10日間に4回の嵐がきたということを伝えていました。ディックさんの本拠地であるナパも大荒れだったようです。訪問先の大槌町も、豪雨で大変な状況でしたが、ディックさんは目的を貫徹なさいました。決して健康体でない御身に負担が出ないことをこころから願っています。
グレースご夫妻、渡辺ケイさん、本当にお疲れ様でした。
子供たちの夢が大きく膨らみますように・・・

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今造ROWINGTEAM

ワインは奥が深いですよね!!
私もワインをよく理解し、嗜める女性になりたいです!^^
by 今造ROWINGTEAM (2012-12-06 16:57) 

fumiko

ねねさん、チェック&コメント、ありがとうございます!
拙いワインサイトですが、情報がお役にたてば嬉しいです。
また、ゆるキャラのバリィさん優勝、おめでとうございました。
バリィさんのホンワカ癒し系の雰囲気、大好きです!!

by fumiko (2012-12-06 17:22) 

gillman

うーん、ワインは地球のバロメーターですかね。ここ近年はドイツでも赤ワインができるようになったと聴くこともありますが、それも…

by gillman (2012-12-10 20:31) 

fumiko

gillmanさんがドイツ駐在中は、当然白ワイン中心世界だったと思います。加えて、ワイン産地の北限であるドイツはぶどう栽培でも苦労が多かったはずです。

5年くらい前に、モーゼル・ザール・ルーヴァーのヨハン・ヨゼフ・プリュム家来日セミナーがありました。その時に、「ドイツは世界で一番素晴らしいワイン産地になる!」と宣言していました。そのこころは「地球温暖化の好影響下にあるから」と。

その点をベースにしていただけば、わかりやすいと思います。
赤ワインも、いままで淡い色のワインしかできなかったドイツで、上質ワインが誕生しています。もちろんクローンの活用もありますが。
フランスのブルゴーニュ地方の主要品種ピノ・ノワールPNと同じ、シュペート・ブルグンダー(PNのドイツ名)、イイですよ。是非、チェックを!!
by fumiko (2012-12-10 21:03) 

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