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香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア2012 プレイバック! [香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア]

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画像協力:HKTDC

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11月8日~10日まで開催された『香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・フェア2012』
香港貿易発展局(HKTDC)が主催する最大級の酒類イヴェントのひとつで、今回で5回目を迎えました。

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会場は香港コンベンション&エキシビション・センター、オープニングセレモニーはHKTDCのフレッド・ラム総裁のあいさつからスタート。アジアの重要拠点香港の位置付け、初参加は3ヵ国(アゼルバイジャン・デンマーク・ロシア)で、今回は36の国と地域が出展していること、Ice Bar(カクテルのデモンストレーション)、ワイン教育ゾーン、マスタークラスセミナー等の注目事項、また食と合わせてワインを審査する第4回『キャセイパシフィックHK インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション』の受賞式、ガラ・ディナー等についての紹介がありました。

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主要イヴェントの1つが『ワイン業界カンファレンス』、HKTDCが推奨するセミナーです。
世界のワイン産業の未来をテーマにした講演では、中国農業大学のスーパー才女、馬 会勤(Huiqin Ma)教授が「5年後の中国のワイン生産の傾向」について解説


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スペインのトーレス社が中国で展開しているトーレス・チャイナ。立役者は2000年から中国で活動してるアルベルト・フェルナンデスさん。中国本土でのワイン層浸透のため、中国のワイナリー『グレース・ヴィンヤード』とのジョイントの仕掛けや将来に向けた分析手腕は見事


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広大な展示場、迷います~まずはアルゼンチンブースから
香港出張の前週に東京でお目にかかっていたのが、『パスカル・トソ』の輸出ディレクター、フリアン・オルティさんとアジア担当の輸出ディレクター、マイク・ジェンキンスさん(右)。ピーロートさん主催のプレスディナー@赤坂「菊乃井」の折、香港での再会を約束。ブース裏の商談スペースで、おふたりは中国業者と打ち合わせ、ワインは快調に動いているそうです。

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初参加のロシア。そのブースで、スパークリングワイン発見! 泡もの好きとしては、どこに行っても、目新しい泡ものは興味の対象、初めての体験です。『Abrau-Durso アブレウ・ダーソー』は1870年設立のメゾンで、製法はシャルマ法と瓶内2次発酵を取り入れています。画像の泡ものはシャルマ法によるリーズナブルなレンジで、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール、シャルドネ、アリゴテ、リースリングのブレンド。ブリュット(ドザージュ12g/L)とドミ・セック(ドザージュ40g/L)があります

ここではカベルネ・ソーヴィニヨン100%のセミ・スイートタイプも生産

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12月第2週のワインのこころに香港で「美酒展」 露のスパークリングを体験しましたを書きました。コラムで紹介しているのが瓶内2次発酵によるタイプで、ブリュット(シャルドネ、リースリング、ピノ・ブラン、ピノ・ノワールのブレンド、ドザージュ12g/L、瓶内熟成30ヶ月)とブリュット・ロゼ(ピノ・ノワール100%、ドザージュ12g/L、同30ヶ月熟成)

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ブースではシャンパンメゾン『Chateau d'Avize シャトー・ダヴィズ』の販売管理ディレクター、チボー・ルラージュさん(左)が丁寧に対応してくれました。同社はアブレウ・ダーソーを所有するSLVグループによって買収され、現在は傘下になっています。

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今度はイタリアの泡もの、プロセッコのブースへ。今回初めて参加したというオリヴィエロ・パオロさん(左)から、プロセッコ・スペリオーレについて伺いました。途中、「去年プロセッコの代表が来日してセミナーをしていましたが、来週も来日予定ですよ~」とお話したところ、「事務局長ならそこにいるよ」とのことで・・・ジャンカルロ・ヴェットレッロさんにごあいさつ。上記はおふたりの記念のツーショットです。

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余談ですが・・・これは香港から戻った翌週の東京でのショット!
ANAインターコンチネンタルホテル東京で行われたプロセッコ・ディ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCG品質保護協会のセミナーでは、同協会のエルヴィラ副会長(右)が講師をつとめました。事務局長とも再会できました。世界が狭くなっている気がします。

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(C)コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ品質保護協会

統制原産地呼称認定を受けた1969年から40年を経た2009年8月に、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネで生産されるプロセッコはDOCGの認定を受け、イタリアで44番目の統制保証原産地呼称ワインになりました。
生産地域は限定されたふたつの主要産地コネリアーノとヴァルドッビアーデネの間の丘陵地の15の行政区域。ぶどう品種はグレラが最低85%含まれていなければならず、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネの丘陵地で栽培されてきたヴェルディーゾ、ビアンケッタ、ペレーラ、グレラ・ルンガの使用は最大15%まで。そしてスプマンテには国際品種のピノ&シャルドネの使用が最大15%まで認められています。

第4回キャセイ・パシフィック香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション
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11月14日刊のワインのこころに書いた料理を試してジャッジするコンクールがこれです。世界には様々なワインの品評会がありますが、実際に料理と合わせながら審査している点がとてもユニークで、即応用がききます。

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今回は1800以上のエントリーがありました。そのなかで大いに健闘したのが、日本のワインメーカー、メルシャンです。『勝沼甲州2011』はベスト日本ワイントロフィーを獲得。さらに、『勝沼のあわ2011』 は食との相性(刺身、てんぷら、やき鳥)において、3つのトロフィーをゲットしました。日本の固有品種甲州に期待がかかります。

後日、日本から審査員として参加していた酒販ニュースの佐藤吉司記者に感想を伺ったところ、「リースリングやソーヴィニヨン・ブランだと、香りのインパクトを強く感じてしまうことがあるが、勝沼の泡はアロマも程よく、気泡があることで、食事と合わせやすい」とおっしゃっていました。

それを聞いて思い出したのが、2年前に英国の著名なワインジャーナリスト、ジャンシス・ロビンソン女史が来日して行ったセミナーでのことです。
私は「甲州ワインを世界に向けて仕掛けるとしたら」という質問をさせていただきました。それに対して、ジャンシスは「甲州ワインの性格を考えると、スイスのシャスラやロワールのミュスカデとの比較試飲も考えられますが、ただ、オーストリアのグリュナー・フェルトリナーGVの時のように他のワインとブラインドテイスティングするというやり方(GVの時はブルゴーニュの銘醸ワインと対決)ではなく、“料理と合わせて”比較試飲するほうが良いと思います」とのお答えが。

香港でのコンクールは、まさに“料理”ありです! この路線で頑張れ、甲州ワインです!

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ブランデーやジン、ラムやウォッカ、スコッチウイスキーやバーボンなども審査対象

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受賞式後のガラ・ワイン・ディナーでは、それぞれの料理に合わせて、フランス、イタリア、豪州、NZのトップワイナリーのワインが供出されました。

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画像協力:HKTDC

今思い出しても凄い面々! イタリアンのミシュラン3つ星シェフ3人!
前菜とメインディシュは2012年のミシュラン香港版で3つ星に輝いたリストランテ『オット・エ・メッゾ・ボンバーナ』のウンベルト・ボンバーナシェフ(最左)
リゾットは『ダ・ヴィットーリオ』のキッコ・チェレーアシェフ(左から5人目)
デザートを手掛けたのが、なんと『ラ・ベルゴラ』のハインツ・ベックシェフ(左から9人目)
花束~おふたりの分は別の方が持っていますね

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画像協力:HKTDC

ボンバーナシェフは“The King of White Truffles”と形容されるほどの白トリュフ好き
メインディッシュにやはり白トリュフが登場していました。但馬牛のテンダーロイン、ポルチーニをポレンタ、タレッジョに合わせて 白トリュフ添え!
シェフ自ら、HKTDCのフレッド・ラム総裁に白トリュフをサービスしています







会場全体の雰囲気は
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キアンティ・クラシコのブース! イタリアは参加国のなかで最多の186の展示数

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総数957のうち、フランスは180で、イタリアに続く出展数

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エグリ・ウーリエとドミニク・ローランのブース、ウーリエはローランの樽を使っていますよね

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手島代表や大津さんが頑張っているワインオーストラリア日本事務所の本部も出展

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HKTDCによると、昨年の日本酒の輸出実績は15.3億円(前年対比21.4%増)で、アメリカに次いで2位とのこと。そのような背景もあり、今回はMAFF(農林水産省)やジェトロ(日本貿易振興機構)、 日本酒造組合中央会が協力して初めてジャパン・パビリオンを設置。日本酒セミナーや入門編セミナーを行い、日本酒のPRに力を入れていました。

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日本酒の蔵元さんたちは笑顔で対応、日本酒のブースはとっても元気でした!

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香港製の香り教材『Le Nez du Vin』、ワイン学習のコースもありました

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出展数72のスペインは開催中、ラ・マンチャやリオハ地区のワインセミナー、ガルナッチャ品種に特化したセミナー、高級スペインワインのセミナーを実施。ただ、ラ・マンチャでは冒頭だけ英語で、あとはすべて北京語。講師の言語は次後の検討課題かも。

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ニュージーランド(NZ)のファインワインテイスティングセミナーでは国際的にも成功し、日本でも良く知られていて、かつ、ワイン評論家から高評価を得ているThe Family of Twelveの12アイテムが供出されました。ワイナリーのメンバーの出身は地元NZ、豪州、英国、スイス等、それぞれですが、共通のワイン理念で結びついた人たちです。メンバーは北島と南島の各6ワイナリーで、アジア市場を将来性がある主要マーケットと位置付けています。

http://hkwinefair.hktdc.com/dm/2012/custom/img/Media_Kit_Family.pdf

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セミナーの講師を務めた(左から)フェルトン・ロードのナイジェルさん、フロム・ワイナリーのウイリアムさん、ヴィラ・マリア・ワイナリーのシャルロットさんと会の仕切りをなさったThe Family of Twelveの会長ノーチラス・エステートのクライヴさん、ペガサス・ベイ・ワイナリーのポール・ドナルドソンさん

ワイン愛好家も参加して
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最終日の会場はワイン関係者や一般の来場者でにぎわいました。
ワールド・ワイン・ツアーと題した有料試飲会場(500HKドル)に供出されていたのはベガ・シシリア、E・ギガル、オルネライア、ルーウィン・エステートの16アイテム。入場者はリストに記載してあるワイン・スペクテーターやワイン・アドボケイト、デキャンターのポイントをチェックしながら熱心に試飲していました。

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画像協力:HKTDC

来年(2013年)は11月7日~9日が開催予定です。アジア最大のワイン拠点の動き、要チェックです。サイトの右上にあるビデオに2012年の様子が出ています。
http://www.hktdc.com/fair/hkwinefair-en/HKTDC-Hong-Kong-International-Wine-and-Spirits-Fair.html

初体験のフェアだったので会場の空気を読むのに少し時間がかかりました。セミナー時間の重複で受講できなかったいくつか(食とのペアリング等)がありましたが、未体験のものや新情報を知るチャンスを得ました。世界のワイン関係者が集まる活気あふれる香港、原動力を感じます。このような機会を与えてくださった香港貿易発展局(HKTDC)にこころから御礼申し上げます。
ありがとうございました!!

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miumiu

ボリューミーな内容で楽しい記事でした。
ロシアの泡、体験したいですぅ!
そして甲州の泡も。直ぐに探して試してみようかな?
by miumiu (2012-12-21 08:27) 

gillman

香港、もう三十年くらい行っていない、行きたいな。友達にも会いたいし。とても盛大なイベントですねぇ。会場にいるだけで酔ってしまいそう。中国になっても香港の良さはいつまでもキープしてほしいですね。
by gillman (2012-12-21 11:01) 

fumiko

miumiuさん、その後、如何ですか。術後はのんびりなさいませ
ロシア産スパークリングはチボーさんが「サンプルをあげる」と言ってくださったのですが、機内持ち込みのスーツケースしかなかったので、持ち帰り断念。勝沼の泡は手に入ると思います。優しい感触は今の体調に良いかも



gillmanさん、お友達がいるうちに是非香港にいらしてください。
30年前とは大きく様変わりしています。元気な香港は魅力的でした!

by fumiko (2012-12-22 00:53) 

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