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自根シリーズの最後はシャルトーニュ・タイエ『レ・バール エクストラ・ブリュットNV』で! [オープンカレッジ]

オープンカレッジの春期講座シャンパン編が始まりました。
4月は“自根(franc de pied)シリーズ”、メゾンは『シャルトーニュ・タイエ』です。
ぶどう品種はピノ・ムニエ!

昨年末に訪問した『タルラン』のブノワさんから教えていただいた情報をもとに、
『シャルトーニュ・タイエ』のアレクサンドル・シャルトーニュさんにメールをしました。
「1月にタルランの自根のシャルドネ、2月にニコラ・マイヤールの自根のピノ・ノワールを取り上げてきました。今回はあなたが造っているピノ・ムニエを是非とも準備したい」と。
私の持論 「できる男は返信が早い(笑)」、即お返事がきました。
フランスにも在庫がほとんどないなか、アレクサンドルさんと輸入元の(株)フィラディスの間中さんの尽力で、無理が叶いました。本当に特別供出の貴重なシャンパンです。

シャンパン名は『レ・バール エクストラ・ブリュットNV』
尊敬するワインジャーナリストの柳忠之さんが『ワイナート65号』に訪問記事を載せています。

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春期講座の第1回目のフルメンバー!

第1フライト
『シャルトーニュ・タイエ』のNVとミレジムを比較してみました。
本拠地はランスの北西7km、サン・ティエリー丘陵の標高120mに位置するメルフィにあります。1683年からぶどう栽培を、1960年代からシャンパン造りを開始した小規模の家族経営のレコルタン・マニピュラン(RM)です。
#1:キュヴェ・サン・タンヌ ブリュット
生産者:シャルトーニュ・タイエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール47%、シャルドネ39%、ピノ・ムニエ14%
ドザージュ:4.5g/L
デゴルジュマン:2011年12月
価格:5200円
#2:ブリュット・ミレジム2002
生産者:上同(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:6g/L
デゴルジュマン:2011年2月
価格:7800円

左から、#1#2の順。2本とも繊細でリズミカルな気泡。#1は香り華やか、フレッシュ感があり、青リンゴやグレープフルーツGFのような果実味。余韻にGFの内側の白皮を食べたときに感じる軽い渋み。素直で溌剌としたスタイルです。#2はぶどうの凝縮感、ミネラル感、ボディのふくらみがあり、おすすめのおいしいシャンパン。2ボトルとも酸の印象が際立っており、#1はメリハリ感、#2はよりピュアで鋭角的。ここで感じた酸の印象が、第2フライトで同メゾンを利き取る何らかのヒントになるのでは、と思いましたが。さて、第2フライトでいかなる結果が出るか・・・

第2フライトでとりあげた秀逸なピノ・ムニエ100%のシャンパン
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#3:クリストフ・ミニョン エクストラ・ブリュット
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http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-08-15-1
生産者:クリストフ・ミニョン(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2011年8月1日
価格:6300円
レモンやGF、白い花、ブリオッシュ、ミネラル感があり、口中に残る最後の軽いビター感が#1と似ています。チャーミングで軽快、万人に好かれるシャンパン。ピノ・ムニエに関して“フラワリー”というのが私にとっての1つの判断基準です。5アイテムの香りを利いて、それをしっかり感じたのがクリストフ・ミニョンと#5のシャルトーニュ・タイエ。講座生への質問「香りが華やかで花のようなニュアンスを感じるものは」で、挙手が一番多かったのはやはり#5、以下 #3 #4#6 は同数で、#7 はゼロ

#4:タルラン ラ・ヴィーニュ・ドール2002
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生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100% /スパルナシアン(粘土石灰質)土壌
ドザージュ:4g/L
デゴルジュマン:2010年6月22日
価格:10500円
ピュアで凛としたシャンパン。花のような香りだけでなく、香草やハーブ的なニュアンスもあり、口中での旨味や上品な酸、余韻のビター感、いいですよね。「酸を一番感じるのは」の質問に、約半数がタルランに手を挙げていました。ブノワさんは「酸味と渋味を楽しんで」とおっしゃっていますが、デゴルジュマンをして約2年弱。昨年暮現地で、そして今年1月講座で試飲した時より、酸味がワインに溶け込んでいる印象を受けました。ちなみに講座生の酸の感じ方は挙手の多い順に#4#7#3#5は同数、#6でした。

#5:シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・レ・バール
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生産者:シャルトーニュ・タイエ(RM) 特別出品
ぶどう品種:自根のピノ・ムニエ100%/ チョーク・砂質土壌
ドザージュ:ノン・ドゼ 
デゴルジュマン:2011年4月
若手のホープ、アレクサンドル・シャルトーニュさんを表現しているような元気な気泡、ピノ・ムニエらしいフラワリーで華やかな香り、トロピカルフルーツやキレのある酸、歯茎に残るごく微量のビター感。砂質育ちの自根ぶどうの「酸」の特徴は、粘土石灰質やチョーク質にはない、細身ながらも骨が少し太いという印象です。5つのシャンパンのなかで酸のインパクトがありながらも、口中で太めの酸を感じたのがレ・バールでした。ドザージュをしていないので、酸味ははっきりしていますが、口のなかでの広がりはきわめてクリーミー、丸みがあります。それを#5のなかから利き取り、感じ取ることができるか・・・というより、私のその説明が講座生に伝わるかかどうかのほうが気になりましたが、結果、ここ1年ほどでテイスティング能力に磨きがかかってきたkanさんと初参加のAさんがしっかり当ててくれました。ぶどうの樹齢は50年。NV表記ながら2006年収穫のぶどうだけを使用した数量限定の希少シャンパンです。

自根(franc de pied)でもタルランやニコラ・マイヤールは「砂質のみ」で、シャルトーニュ・タイエは「石灰混じりの砂質」土壌です。ピノ・ムニエの樹を植えたのはアレクサンドルさんの曽祖父・母だそうで、「石灰を含んでいてもベースは砂質なのでフィロキセラの害はない」と判断して植えたということでした。

#6:フランソワ・べデル  アントル・シエル・エ・テール
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生産者:フランソワ・べデル(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:8g/ L 
価格:8300円
収穫年の表記はないのですが2002年産100%、他の4つと明らかに異なる香りで、一番控えめながら、花だけでなく、果実、野菜、鉱物、スパイス等の様々なニュアンスがあり、酵母由来の旨味、複雑味、太くて長~く広がる余韻、一味違う大人の印象。今回講座生に聞いた「香り」、「酸味」、「タンニン」の3項目すべてにおいて一番挙手が少なかったのがベデルですが、1つの要素が際立つというわけでもなく、自己主張するわけでもなく、でも上品に立ち位置を決めている、そのような表現が似合いそうな1本でした。

#7:エグリ・ウーリエ レ・ヴィーニュ・ド・ブリニー プルミエ・クリュ
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http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-07-19-1
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:非公表 (多くても5g/L位までの予想)
デゴルジュマン:2010年10月 
価格:7300円
いつ飲んでも「いいなぁ!」と感じるシャンパン。厚みがあり、蜂蜜のような甘味と舌の上に広がって余韻を残しながら消えていく酸がホントきれい。新樽由来のタンニン分は感じますが、樽使いの凄さは秀逸。講座生への質問「口中でタンニンを一番感じたのは」でも、予想通り、エグリ・ウーリエが圧倒的でした。洗練されたタンニンなので、味のバランスを邪魔することなく、むしろ食事と合わせていただくと、より旨さが広がるという印象を受けます。2番目に多かったのが、シャルトーニュ・タイエ(タイエのタンニンはウーリエとは質の違うタンニン/探究する価値あり)で、以下#4#6#3

微妙な色調の違いも魅力.jpg
お気に入りを1つを選んで、と言われてもとても簡単に答えられない、素晴らしいピノ・ムニエでした。各グラスそれぞれに趣きがあり、大いに魅了されました! 「人生の最後に飲むシャンパンは」などという質問を良く聞きますが、シャンパンの魅力を知れば知るほど、私はその質問に到底答えられないことを実感しています。
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miumiu

OH!!!! これが私の逃した特別なセレクションの日のアイテムだったですね!!
今頃ちょっとばかり後悔ちう。(笑)
だ~い好きなフランソワーズ・ベデルのアントレ・シエル・エ・テールも登場したのですか?ムニエの可能性に開眼した一品です。

夏のコースには参加したいな~と、調整可能か考え中ですよん。

by miumiu (2012-05-05 13:41) 

fumiko

miumiuさん、そうです、この回です!
補助的なピノ・ムニエという従来からのイメージを大きく払しょくする
非常に有意義な2時間になりました。
シャンパンに関して、さらにパワーアップしてまいります。
ご期待ください!!

by fumiko (2012-05-06 21:21) 

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