ブルーノ・パイヤールのブリュット・プルミエ・キュヴェで瓶内熟成を体感! [オープンカレッジ]
シャンパン製造工程の1つにデゴルジュマン(滓抜き)があります。
ボトルの口元に集められた滓を取り除く作業ですが、20世紀にメゾンを興したブルーノ・パイヤール氏は生産する全アイテムのバックラベルにデゴルジュマンの実施年月を記載しています。
私は2008年3月現地メゾンで、また2008年5月来日時に、デゴルジュマン違いのテイステイングを体験させていただいて以来、その奥深さに魅されております。
パイヤール氏は「デゴルジュマンをすることで酵母の働きは終わります。この作業を行う時、瓶内の炭酸ガスは少し失われ、同時に微量ながら空気が入ります。ドザージュ(糖分添加)が行われ、ここからシャンパンの新しい人生がスタートします」と語っています。
東関東大震災後、延期になっていた冬期シャンパン編の最終回で、このデゴルジュマンの学習をしました。ブルーノ・パイヤールのブリュット・プルミエ・キュヴェNVは「ぶどう品種のブレンド比率(PN45% CH33% PM22%)」、「ドザージュ量」が毎回同じなので、デゴルジュマン違いを比較することで、シャンパンの瓶内変化を理解することができます。今回、ラッキーなことに輸入元ミレジムさんの倉庫にNVのデゴルジュマン違いがありましたので探究することができました!
左から
#1:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45% シャルドネ33% ピノ・ムニエ22%、ドザージュ8~9g/L
デゴルジュマン:2010年6月
3グラスの中で一番香りが素直、白い花やフレッシュな酸を含む果実(GFやアプリコット)、ハチミツ、ミネラル、木香、余韻に軽いビター感
#2:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年8月
#3:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV (1500ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年9月
#2と#3は面白い比較でした。デゴルジュマンは2007年の8月と9月なのでその差は1ヶ月
ボトルは750mlと1500mlの容量違い
#2の味わいはまろやかで酸はスムース、 #3は味わいに熟成感があり、酸は溌剌!
容量は大きい方が相対的にボトルネックのところの空気が少ない(750mlのボトルでも1500mlでも空寸はほとんど同じ)ので、ゆっくりと熟成し、マグナムの場合、レギュラーサイズの2倍量の液体が入っているので温度変化をゆっくりと受けることになります。ゆえに液量が多ければ温まるのも遅く、冷めるのも遅いです。
パイヤール氏は瓶内の変化について、「デゴルジュマン後は、5段階の変化をします。生き生きしたフレッシュさがある第1世代、フローラルな第2世代、スパイシーな第3世代、グリル&ロースト要素の第4世代、果実の砂糖漬けの第5世代」と表現していました。
#2:3つの中で色調は一番濃い目の黄色、#1よりドライで酸はソフト、口当たりはまろやか。
3グラスの中で講座生の一番人気。すべての要素がバランス良く保たれている状態
#3:色調は#2より淡く、気泡の連なりは規則正しく細やかで綺麗。ミネラル感、白カビチーズや白コショウ、酸はまだ溌剌としていて口中でドライな印象、若さと熟成感を共に備えたタイプ
#4:ブルーノ・パイヤール 1995NPU (750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%、ドザージュ:4g/Lまで
デゴルジュマン:2006年10月
気泡は極めて細やか、黄金色、完熟した果実やダシ昆布のニュアンス、オレンジピールの砂糖漬け、ミツロウ、次回チャンスがあれば再会熱望の秀逸な1本!
NPU(ネック・プリュ・ウルトラはラテン語で“それ以上のものがない、最高峰”の意味)は偉大な年にしか生産しない同メゾンの最高傑作!
総生産量は9393本、バックラベルにナンバリング、1990年が初ヴィンテージで、2番目が1995年ヴィンテージ
(1)グラン・クリュのぶどうだけを使用、ピノ・ノワールはマイイ、ヴェルジー、ブージーで、シャルドネはアヴィズ、ル・メルニ・シュル・オジェ、シュイイ
(2)キュヴェは一番搾りのみ
(3)1次発酵は200L容量の2年目の樽(新樽は使わない)で10ヶ月
(4)瓶内熟成は9年以上
(5)デゴルジュマン後、18ヶ月以上は休ませる
これら(1)~(5)までを完璧にクリアした偉大なヴィンテージシャンパンがNPU
シャンパンラバーさんへ 同メゾンのシャンパンを購入したらすぐには飲まないで、半年~1年間セラーで保存しておいてください。半年後にデゴルジュマン違いの新たなNVを入手し、ストックしておいたシャンパンとの比較試飲を!
これは瓶内熟成の変化を体感する機会になります。tryなさってみてください!
ボトルの口元に集められた滓を取り除く作業ですが、20世紀にメゾンを興したブルーノ・パイヤール氏は生産する全アイテムのバックラベルにデゴルジュマンの実施年月を記載しています。
私は2008年3月現地メゾンで、また2008年5月来日時に、デゴルジュマン違いのテイステイングを体験させていただいて以来、その奥深さに魅されております。
パイヤール氏は「デゴルジュマンをすることで酵母の働きは終わります。この作業を行う時、瓶内の炭酸ガスは少し失われ、同時に微量ながら空気が入ります。ドザージュ(糖分添加)が行われ、ここからシャンパンの新しい人生がスタートします」と語っています。
東関東大震災後、延期になっていた冬期シャンパン編の最終回で、このデゴルジュマンの学習をしました。ブルーノ・パイヤールのブリュット・プルミエ・キュヴェNVは「ぶどう品種のブレンド比率(PN45% CH33% PM22%)」、「ドザージュ量」が毎回同じなので、デゴルジュマン違いを比較することで、シャンパンの瓶内変化を理解することができます。今回、ラッキーなことに輸入元ミレジムさんの倉庫にNVのデゴルジュマン違いがありましたので探究することができました!
左から
#1:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45% シャルドネ33% ピノ・ムニエ22%、ドザージュ8~9g/L
デゴルジュマン:2010年6月
3グラスの中で一番香りが素直、白い花やフレッシュな酸を含む果実(GFやアプリコット)、ハチミツ、ミネラル、木香、余韻に軽いビター感
#2:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年8月
#3:ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV (1500ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年9月
#2と#3は面白い比較でした。デゴルジュマンは2007年の8月と9月なのでその差は1ヶ月
ボトルは750mlと1500mlの容量違い
#2の味わいはまろやかで酸はスムース、 #3は味わいに熟成感があり、酸は溌剌!
容量は大きい方が相対的にボトルネックのところの空気が少ない(750mlのボトルでも1500mlでも空寸はほとんど同じ)ので、ゆっくりと熟成し、マグナムの場合、レギュラーサイズの2倍量の液体が入っているので温度変化をゆっくりと受けることになります。ゆえに液量が多ければ温まるのも遅く、冷めるのも遅いです。
パイヤール氏は瓶内の変化について、「デゴルジュマン後は、5段階の変化をします。生き生きしたフレッシュさがある第1世代、フローラルな第2世代、スパイシーな第3世代、グリル&ロースト要素の第4世代、果実の砂糖漬けの第5世代」と表現していました。
#2:3つの中で色調は一番濃い目の黄色、#1よりドライで酸はソフト、口当たりはまろやか。
3グラスの中で講座生の一番人気。すべての要素がバランス良く保たれている状態
#3:色調は#2より淡く、気泡の連なりは規則正しく細やかで綺麗。ミネラル感、白カビチーズや白コショウ、酸はまだ溌剌としていて口中でドライな印象、若さと熟成感を共に備えたタイプ
#4:ブルーノ・パイヤール 1995NPU (750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%、ドザージュ:4g/Lまで
デゴルジュマン:2006年10月
気泡は極めて細やか、黄金色、完熟した果実やダシ昆布のニュアンス、オレンジピールの砂糖漬け、ミツロウ、次回チャンスがあれば再会熱望の秀逸な1本!
NPU(ネック・プリュ・ウルトラはラテン語で“それ以上のものがない、最高峰”の意味)は偉大な年にしか生産しない同メゾンの最高傑作!
総生産量は9393本、バックラベルにナンバリング、1990年が初ヴィンテージで、2番目が1995年ヴィンテージ
(1)グラン・クリュのぶどうだけを使用、ピノ・ノワールはマイイ、ヴェルジー、ブージーで、シャルドネはアヴィズ、ル・メルニ・シュル・オジェ、シュイイ
(2)キュヴェは一番搾りのみ
(3)1次発酵は200L容量の2年目の樽(新樽は使わない)で10ヶ月
(4)瓶内熟成は9年以上
(5)デゴルジュマン後、18ヶ月以上は休ませる
これら(1)~(5)までを完璧にクリアした偉大なヴィンテージシャンパンがNPU
シャンパンラバーさんへ 同メゾンのシャンパンを購入したらすぐには飲まないで、半年~1年間セラーで保存しておいてください。半年後にデゴルジュマン違いの新たなNVを入手し、ストックしておいたシャンパンとの比較試飲を!
これは瓶内熟成の変化を体感する機会になります。tryなさってみてください!
BOBさん、チェックありがとうございます!
by fumiko (2011-04-18 21:14)
デゴルジュの日付の重要さ!
改めて感じますねぇ~
記載の義務はやり過ぎですかね?
ぜひ全部の生産者がやって欲しいものです!
by Wino (2011-04-18 23:41)
fumikoさま
いつもお写真で喉の奥が ゴックン。
>液量が多ければ温まるのも遅く、冷めるのも遅いです。
パイヤール氏は瓶内の変化について、「デゴルジュマン後は、5段階の変化をします。生き生きしたフレッシュさがある第1世代、フローラルな第2世代、スパイシーな第3世代、グリル&ロースト要素の第4世代、果実の砂糖漬けの第5世代」と表現していました。<
ふム ふムしきりの門外漢 グランマ・ぴよ拝
by グランマぴよ (2011-04-19 11:13)
シャンパンもいいですねぇ。まだ大学院に行っている頃、同期の(と言っても、ぼくより30歳以上年下ですが)男性がオーストラリアのワイン会社に勤めていてそこを辞めて大学院に入ってきたんですが、彼に頼んで研究室の冷蔵庫にシャンパン(一部ゼクト)を隠しておいて、夜な夜な彼と研究室で呑んだことを想い出しました。彼は今タイの大学で日本語を教えていますが… シャンパンを開けると、想い出も泡のように浮かんできます。
by gillman (2011-04-20 12:42)
5段階の変化、説得力が有りますね。
スパークリング系も奥が深くて素晴らしいです。
by hako (2011-04-20 17:44)
Winoさん、デゴの比較は熟成の差を知るための恰好のテーマ
とても面白いです!
グランマぴよ様、5月1日シャンパンが飲めると良いですね。
gillmanさんの院時代の懐かしい出来事、ふふ、情景が見えます。
>シャンパンを開けると、想い出も泡のように浮かんで・・・
プルーストのマドレーヌ菓子みたいです!
hakoさん、ありがとうございます!
ワインは奥が深いと思いますが、
特に泡好きなので、その果てしない魅力に惹かれております(笑)
vientre-dolorさん、チェック、ありがとうございました!
にょにょさん、nice、ありがとうございます!
tsworkingさん、ありがとうございました!
ChinchikoPapaさん、ありがとうございました!
Shin.Sionさん、被災地訪問、大変お疲れ様でした。
tokiさん、チェック、ありがとうございました!
by fumiko (2011-04-26 00:59)