今年の出来は・・・2010年11月18日0時から21時までのボージョレ・ヌーヴォー探究! [ワイン]
18日(11月第3木曜日)0時、フランスの新酒ボージョレ・ヌーヴォー解禁!
カウントダウンの会場はホテルグランドハイアット東京のThe French Kitchen
400年にわたるワイン造りメゾン・ジョルジュ・デュブッフ
解禁日前夜17日の23時30分から25時まで、ボージョレの帝王と呼ばれる“ジョルジュ・デュブッフ氏と一緒にヌーヴォーを楽しむ会”に。今年はお祭り騒ぎのノリでカウントダウンをするのではなく、デュブッフ氏と落ち着いた雰囲気の中で旬を祝い合うスタイル by 輸入元サントリーホールディングス(株)とのことでメンバーはワイン業界人、媒体がメイン。デュフッフ氏の生誕の地マコンのプイィ・フュイッセをいただきながら解禁時間を待ちました。
0時の合図とともに氏自らワインを抜栓、2010年のボージョレ・ヌーヴォー(BN)で乾杯です!
試飲した印象は、鮮やかな濃いルビー色、野イチゴ、カシス等のベリー系果実が口中でやさしく広がり、酸もソフトでまろやか。素直に“おいしい”と感じる味わいでした。
デュブッフ氏は「その年の気候の移り変わりをボトルの中に表現するため、息子とエノログと私は毎日300ほどのサンプルの試飲を何度も何度も繰り返しました」とおっしゃっていましたが、その成果を感じます。
デュブッフ氏は今年77歳!
「ワインは1年に1度しか造れないので“丹念に注意深く”の精神を持ち続けることが大事です」
今年のヌーヴォーについては「収穫は9月13日に始まり10月6日に終了。7月まで気温の低い日や降雨もありましたが、8月末から9月上旬にかけては暑い日が続き、初旬に雨が少し降ったことで乾燥していたぶどうにエネルギーを与えることができました。結実不良があり、ぶどうの実が小さくなってしまったことで多くの果汁が取れず生産量は例年より少な目です。30年、40年と出来についてコメントしてきましたが、2010年は簡単に表現するのが難しい年です。2000年の優しさ、2005年以上の優位性、(50年に1度といわれる最高の収穫年だった)2009年より飲みやすさがあり、これら3ヴィンテージを織り交ぜた印象といえます」
サントリーの八木社長を囲んでの3ショットは辰巳琢郎さんと長女の真理恵さん!
真理恵さんは東京音楽大学大学院1年在学中のチャーミングなお嬢さん。現在学業のかたわらコンサート活動を続ける一方、ミュージカル等への出演も精力的にこなしています。この日の辰巳さんは完全に愛娘に甘甘のパパでした。
>>>http://www.suntory.co.jp/wine/special/kaikin/top.html
18日午後からはフランス大使公邸でプレス会見&75種のヌーヴォー
18日14時からはボージョレ・ヌーヴォー2010@フランス大使公邸のプレス会見。
国内主要メディアも来ています。
シャルル・デュランSOPEXA日本代表、グザヴィエ・バルベボージョレワイン委員会会長(中央)
ボージョレ・ヌーヴォーは'50年代、'60年代にパリのビストロを中心に広がり、'70年代にはイギリス、'80年代には豪州、イタリア、日本でブームが起きました。世界に向けて本格的な輸出が始まったのは1968年で、1967年までは11月15日を解禁日にしていました。交通渋滞等によるトラブルもあり、翌年1968年から「11月第3木曜日0時解禁」と決め、今に至っています。
ボージョレ・ヌーヴォーの3分の2がボージョレAC、3分の1がボージョレ・ヴィラージュAC、数年前からボージョレ・ロゼも登場しています。これは全体の2~3%
公邸のロビーには約60社、75種類のワインが勢ぞろい、壮観な眺め!
ヌーヴォーにあわせて、色とりどりのアミューズ・ブーシェが!
大使公邸ではピエール・フェロー(JALUX)の樽詰ヌーヴォーで乾杯後、各自で新酒を試飲
ヌーヴォーの印象はいかがですか
昨年の解禁日にワインバーで味わって以来、気になっている『フレデリック・コサール』のボージョレ・ヴィラージュ。大地のエキスを素直に詰め込んだ1本。赤い果実の印象がGood、ウサギのラベルも好きです。
ボージョレワイン委員会のバルベ会長もヌーヴォーの試飲を楽しんでいました。
会長は日本でのBN人気について、(1)秋の風情とBNのお祭り気分が合致、(2)BNは歴史的に根付いたワインであり、かつ今の時代にも合う、(3)飲みやすくタンニンも少ないので和食に良く合う、という3点を強調
フィリップ・フォール駐日フランス大使(右)は快く写真撮影に応じてくださいました、感謝です!
日本語がお上手なフランスの銀製品の老舗クリストフル・ジャパンのイブ・アルマーニ社長
オエノンヌーヴォーコレクション
17時からは銀座オエノンホールディングス本社ビルでモメサン、ルペ・ショーレ、ドミニク・ローラン、ジョルジュ・ブランの各ヌーヴォー体験を。
ビル1階にあるフレンチレストラン『ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン』のアミューズも趣を添えて
この日の一押しは、ボージョレ・ヌーヴォー“ヴァンダンジュ”。解説にある通リ、最適な熟期を狙って収穫したワインで生産本数2万本、希望販売価格3,000円。今年は9月23日が収穫日で、毎年ぶどうの状態に表記の日は変わります。凝縮したぶどうの果実たっぷり、上品で控えめな酸が好印象でした。予約販売なので既に完売とのことですが、「銀座三越には多少あるかも」との情報でした(笑)、お薦めですよ!
>>>http://www.oenon.jp/beaujolais10/
カロリーを消化すべく、次の目的地京橋のメルシャン本社までは徒歩で。途中、あたりの様子を伺っている可愛い天使発見! 思わず撮ってしまいました。
恒例メルシャンの秋の利き酒会
収穫祭の衣装に身を包んだ新酒娘さんに樽からのヌーヴォーをいただいてスタート
ヴィノテークの吉田編集長も笑顔でテイスティング!
併設のレストラン提供の軽食類は鶏肉のマリネ、ビーフストロノガフ
カニとスモークサーモンの生春巻きは香草効果もあり、どのワインともイイ相性を示していました。
例年の必須アイテムはルイ・ジャドのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー(BVN)!
私の回りの業界人の多くが個人的に毎年購入しているアイテム、ガメ種と思えないヌーヴォーといえます。
今年は日本だけの数量限定ワイン「NON FILTRE ノン・フィルター」がリリースされました。ルイ・ジャドの名醸造家ジャック・ラルディエール氏が手がけたものです。9月初旬に同メゾンを訪問し、光栄にもインタヴューさせていただきましたが、「今年で41回目の収穫を迎えることになる」とおっしゃっていました。右のボトルがノン・フィルター、ボトルに赤字で書いてあります。
グラスの中の色調を比べてみてください。ノン・フルターの方が全体に濃い目です。
味わいは、どちらも完成度が高く、フィルター有(左)はフレッシュ&フルーティのイメージで、酸やタンニンのアタックの強さもそれぞれ口中で個別に感じることができます。一方、フィルター無(右)はフレュシュ&フルーティさを感じる前にワインのふくよかさ、口中での厚みがあり、それらが輪になって広がってきます。タンニンは割とまろやか。ヌーヴォーというイメージではなく、熟成を楽しむ通常のボージョレと表現したいような素晴らしいワイン。
褒めすぎではありませ~ん。ノン・フィルターは既に完売とのことなので、来年は私も予約します!!
今年はキリンビールとメルシャンの共同開発のブースも登場
ロゼ応援隊としては見逃すことのできないコーナー、同社自慢のロゼたちです。
試飲した5アイテムの中でお手ごろ価格&品質で超お薦めはチリのフロンテラ・メルロー・ロゼ、
希望小売価格が760円というのがイイですね。
メルシャンワインアンバサダーの押切もえさんがラベルの監修をしたロゼ・ヌーヴォー
「お姫様気分で飲んで欲しい」というのがキャッチコピーみたいです。ハートマークが可愛いので、2月14日の聖バレンタインデイにも使えそうです。新たなアイテムになるかも。造り手はアルベール・ビショー、神の雫ラベルのヌーヴォーでも知られています。
私は旬の魚、秋刀魚の塩焼きと合わせていただいてみました。ワインの中のミネラル感が塩と良く合い、口中で生臭さが広がることなく、楽しめました。温度はあまり冷たくし過ぎないほうが良いです。アフターヌーンティー感覚でロゼ・ワイン&フルーツを組み合わせてもniceです。
>>>http://www.mercian.co.jp/wine/nouveau2010/index.html
プレス会見より ~容器について~
ボージョレワイン委員会はガラス瓶を使うことで意見の統一を図りました。2010年7月同地方ではSpec仕様書を作成、フランス政府行政に提出。承認がおりるのは2011年中になる見込み。承認を受ければ、ボージョレ・ヌーヴォーは“ガラス瓶のみ”を使うことで徹底することになります。
それまでのいきさつは、フランス政府から「ボージョレ地方としての栽培規定の中のひとつに、ガラス瓶の案件を盛り込み、仕様書を作成してはどうか」との推奨があり、それに従い行動したそうで、現在、原産地呼称制度(AOC)の改革も行われているところであり、あたらしい条件として再作成している最中との報告でした。
501回目の写真・・・すごい数のワインですね。^^
こちら側にまで盛大な賑わいが伝わって来ますよ!!
全裸に帽子だけの天使・・・罰ゲームにも見えます。^^
by vientre-dolor (2010-11-20 15:16)
vientre-dolorさん
初物をいただくと長生きできるとか、パワーアップにいかがですか!
裸ん坊の天使くん、検閲で引っかかったらどうしましょう(笑)
by fumiko (2010-11-20 15:51)
超梯子状態、素晴らしいですね。
ルイ・ジャドのノンフィルター、評価文を読んで想像が膨らみます。
by hako (2010-11-21 22:26)
約60社、75種類のワイン、壮観です。
確かに、天使くん、モザイクが必要ですね。東海四季便りでは、これはモザイクです。
by ほりけん (2010-11-21 23:30)
圧巻のワインの画像ですね~
ヨーロッパに住んでいるとワインが生活の中で
非常に重要な役割を担っているのを感じますが
ボージョレ・ヌーヴォー人気は日本特有もかもし
れません。。
ぴよ先生の所でもコメントしたのですが今月末に
日本に一時帰国するのですが現在UP中の記事
でブログを通じて知り合ったまっとさんのリサイタル
のお知らせがあるのですが12月4日の横浜公演
にカメラマンとして参加予定ですのでもしお時間が
ございましたら是非お越しくださいませ♪
500記事達成遅れましたがおめでとうございます♪
Shin,Sion.
by Shin.Sion (2010-11-22 03:50)
ほぼ24時間にわたるヌーヴォー三昧
お疲れさまでした~
サントリーさん、オエノンさんは今年、業界紙向けにはされなかったので
とても参考になりました
やはり、お祭り騒ぎから一歩進んだお披露目にされたのですね
あるべき姿を考えるとこれが正しいように思います
それにしても、スーパー店頭でのヌーヴォーの価格破壊はすさまじく
隔世の感があります
一方で、ルイ・ジャドのアンフィルター(私もこれが一番のお気に入りでした!)や
自然派(うさぎも私のお気に入りです!)なども良く売れているようで
ヌーヴォーにも(ビールと同じく)二極化が進んでいるように思います
エントリーユーザーの拡大から、ワインファン層へのこだわり商品の提供まで
ヌーヴォーが背負うものは相変わらず大きいのですね
でも、結果的に日本市場でも新酒の楽しみを味わう文化ができれば
素晴らしいことに違いありません
しかし、先生のお写真のお上手さに改めて感激!
同じ場所にいて、同じような写真を撮ったはずなのに~
素敵なお写真、ありがとうございました
(手タレ卒業、幸せそうに飲んでいる自分の姿に、赤面しつつも思わずにっこり!)
また、遅ればせながら500記事達成おめでとうございます
続けることの偉大さを思います
これからも素敵な記事と写真に期待しています!
by 森玉 (2010-11-22 11:08)
デュブッフのヌーボーのラベル、毎年楽しみにしています。
by gillman (2010-11-28 16:48)
これだけの新酒、圧巻ですね。初物で長生きもこれだけあるとどれだけ長生きになるやら・・・・しかしあっという間に消化されていったようで、店頭では意外と売れきれてしまっているようです。いったい一日でどれだけのボジョレーのコルクが抜かれたんでしょうね・・・・
by kowa (2010-11-28 22:23)
一日でそんなにたくさん!!
大変お疲れ様でした。
ヌーボーのその親しみやすさから
たくさんの新しいワインファンを
増やして来ましたが、これからもたくさんの人が
食事の幸せに包まれますように!
毎年大変なぶどう農家の方達もこの日が過ぎると
多少安堵なさるのでは。
ぶどうに乾杯ー!
ぶどうに乾杯ー!
by yuka (2010-11-29 13:21)
まさに壮観。先生も一日仕事ですね。お疲れ様でした。
今年はいろいろあってまだヌーヴォーを賞味できていませんが、いずれ機会を得て飲んでみます。
by uge (2010-12-01 02:45)