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猛暑の泡もの探究は6メゾンのノン・ドザージュで! [オープンカレッジ]

暑さ対策は万全ですか? なにより水分を取らないといけませんね。
その水分補給がシャンパンならどうでしょう(笑)
シャンパン編夏期講座第1回はジメジメした夏を払拭したかったこともあり、超ドライなタイプを選んでみました。糖分添加なしのノン・ドザージュ6種類の競演です。

シャンパン造りは、ぶどう収穫→圧搾→1次発酵→ブレンド→瓶詰→瓶内2次発酵→動瓶→滓抜き(デゴルジュマン)→門出のリキュール(ドザージュ)→打栓の順で行うが、ドザージュは滓抜きで目減りしてしまった分を補う目的で、リキュール(シャンパンの原酒に糖分を加えたもの)を添加、味を調整。その程度により、(最辛口)ブリュット・ナチュール、エクストラ・ブリュット、エクストラ・ドライ、ブリュット、セック、ドゥミ・セック、ドゥー(最甘口)に分類

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シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)では糖分量が3g/L以下
もしくは加糖をしていない場合、以下のように表記することもあります。
・Brut nature(ブリュット・ナチュール) 
・Pas dose(パ・ドゼ)
・Dosage zero(ドザージュ・ゼロ)

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私の前に並んでいるグラスと向かい側の席のグラスを対比してみてください
黒ぶどうの比率の高いグラスの色調、左から2番目、4番目、特に6番目にご注目

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上から見た色調、濃淡がわかりますね

シャンパンはブラインドで供出、左からボトルの配列順
#1:ローラン・ペリエ ウルトラ・ブリュットNV
ぶどう品種:CH55%、PN45%
シャンパーニュ地方でいち早くステンレスタンクを導入(1963年)、ビールの生産工程を見て、伝説の人ド・ノナンクール氏はステンレスタンクを使った低温醸造をシャンパン造りに応用。1981年ドザージュをしないシャンパンを発売した時は一大センセーションを巻き起こしました。南向きの厳選した畑のぶどうを使用。ピュアでミネラル感豊か、レモン&GF等柑橘系果実、焼きたてのパン、フレッシュでありながらふくらみあり

#2:ビルカール・サルモン ブリュット・ヴィンテージ2004
ぶどう品種:PN70%、CH30%
2009年10月デビュー。カリンや洋梨などの果実、舌に残るビター感。低い温度(6~8度)より、少し温度を上げて12度前後で味わうことで苦味は緩和される印象。生地にピュアさが足りない?

#3:ポル・ロジェ ピュア(ブリュット・ナチュール)
ぶどう品種:PN33%、PM33%、CH33%
日本でのデビューは2008年年6月1日。ノワイエル社長は来日時、「当初『ブリュット・レゼルヴ』に糖分を添加しない製品を『ピュア』に使用と考えたのですが、酸味も強く、苦味も出てしまうので、一から出直し、再研究。3年間の試行錯誤の末に、アロマ豊かで果実味があり、酸が穏やかで苦味が少ないピュアが誕生しました」とコメント。こだわりの末、生まれたシャンパンだけに、生地のきれいさが光っています。フレッシュな印象から時間の経過で複雑味が広がる味わい、上品でしなやか

#4:マイィ エクストラ・ブリュットNV
ぶどう品種:PN75%、CH25%
グラン・クリュのみのぶどうを使用、糖分ゼロにもかかわらず、ぶどう本来の熟度が伝わってくる上質な味わい。ピュアさが光るタイプ、さすがグラン・クリュ畑のぶどう。昨今、ノン・ドザージュのシャンパンが流行ですが、生地の秀逸さでは群を抜いている印象。

#5:アヤラ ブリュット・ナチュール ゼロ・ドザージュNV
ぶどう品種:PN45%、CH30%、PM25%
ベースワインは2005年ヴィンテージ85%、リザーヴワイン(PNとCH)15%
偉大なボランジェの傘下。定番NV『ブリュット・マジュール』はぶどうの使用比率同じ、ドザージュ7.95g/L。片やゼロ・ドザージュは糖分添加がない分、舌全体に広がるドライさのインパクト大、ミネラル感も際立っています。

#6:ドラピエ ブリュット・ナチュールNV  サンスフル
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:糖分の添加ゼロ(ぶどう本来の残糖2g/Lあり)
SO2不使用。3年間にわたる失敗の後に生まれたシャンパン。来日したドラピエ氏は「SO2なしのシャンパン造りには健全なぶどう畑、そこから穫れる完熟ぶどうが第1の条件」と語っていました。黄金色、ピノ由来の赤い果実の香り、洋梨や生姜、ドライな印象とスパイシーな余韻

シャンパンと体調のマリアージュも!
体が元気一杯の時はノン・ドザージュは爽快な気分になれます。ただし、“生地のきれいさ”が命だけに、生地が洗練されていないと苦味ばかりが強調されてしまう気がします。

一方、体が暑さによってダメージを受けている場合は、迷わずドザージュありのシャンパンを選びましょう。ドザージュ量10g/L前後のものなら大いに癒してくれるはずです。

料理とワインのマリアージュならぬ、シャンパンと体調のマリアージュも、そろそろ考えてみてもイイかも。では、真夏の夜の素敵なシャンパン・ライフをお楽しみください!!
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uge

ドラピエは昨年、A社日米間ビジネスで供されていたシャンパンですね(今年はフィリポナのようです)。すっきりストレートだったような記憶があります。
by uge (2010-08-07 10:21) 

gillman

スパークリング・ワインはドイツではゼクトと言っていたように思います。何か特別な時に飲んでいたのですが、最近は割と気軽に飲めるようになりましたね。でも、奥が深そうですね。
by gillman (2010-08-07 15:20) 

hako

体調の目安にもなるというのに納得です。
ポル・ロジェの社長さんのコメントが、好印象ですね。
by hako (2010-08-08 22:51) 

hiro

場違いなコメントですが・・
以前勤めていたレストランで御客様が・・・

「朝シャンは、朝シャンプーするんじゃ無く!!朝からシャンパンだぁー!!」

そんな生活を送ってみたい物です。。。しかも女性の方でした。。

でも、身近な生活にワインやシャンパンが有るって素敵な事ですよね。。。
by hiro (2010-08-11 18:03) 

fumiko

ugeさん、久々のコメント、ありがとうございます!
ドラピエの本質探究は、ドザージュで使う25年間熟成させた
門出のリキュール。まあ、楽しみにしていてください(笑)


gillmanさん、ありがとうございます!
さすがドイツに在住なさっていらしたgillmanさん、その通リです。
たしかに奥が深いです。


hakoさん、疲れると甘いものが欲しくなりますよね。
疲労の程度で、体が要求する甘さ濃度は違ってきます。
好きなメゾンのドザージュ量をあらかじめ覚えておくと良いですよ。
ノワイエル社長のこだわりには頭が下がります。


hiroさん、シャンパンを朝いただく、朝シャン!
泡好き女性の願望で~す
私も優雅に朝シャンができれば幸せです(笑)


vientre-dolorさん、チェック、ありがとうございました!

winoさん、ありがとうございます♪

Shin・Sionさん、nice、ありがとうございました!

松本さん、拙ブログへのお立ち寄り、ありがとうございました♪

REIさん、ありがとうございます!

kojiさん、お変わりございませんか?

micheさん、nice、ありがとうございました!
by fumiko (2010-08-11 22:31) 

Tomy

ドラピエの拘りに脱帽します。
ブランドブランのシャルドネ100%は聞きますが
ピノノワール100%は他社にはないですね”
so2添加を最小限に抑え、ドサージュにも25年熟成ワインを使うなど自然な状態のシャンパンとクラス最高の余韻の長さと気泡の細かさは他社の追随をゆるさないですんね。
フォグラソテー(フランボワーズソース)とマリアージュするといいかも?

by Tomy (2010-08-12 09:43) 

yuka

うちも先日シャンパン会でした。テタンジェとモエのマチュザレム。
暑い時は!シャンパンに限りますよね♪
暑くなくてもシャンパンだけど・・・。
by yuka (2010-08-12 17:32) 

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