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綱町三井倶楽部のワインセラーに眠っていた『ロマネ・コンティ1937』 [ワイン]

昨日、綱町三井倶楽部にお邪魔してきました。ワインセラーも見せていただきました。
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石造りの階段を下りて行くと

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そこには約15.000本のワインたちが! 寝ている子を起こさないように、静かに近付いて・・・
フラッシュを使わず、手ブレに気を付けて撮ってみました。

案内してくださったのは、同倶楽部の八取康英チーフ・ソムリエ
「ボルドーとブルゴーニュの比率はだいたい6:4くらいですね」とおっしゃっていました。

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セラー内の一番古いロマネ・コンティは1937年、ロウ栓です! 
ラベルにはエドモン・ド・ヴィレーヌ(現当主の父)&ジャック・シャンボンのサインが入っています。

2006年3月にDRCのオベール・ド・ヴィレーヌ当主が来日した際、小飼一至(社)日本ソムリエ協会会長との対談がありました。当時機関誌の編集長だった私は同席して記事を書かせていただいたのですが、ヴィレーヌ当主は「'37年ヴィンテージは2回しか飲んでいません。1回はアメリカ、これは完全にダメでした。もう1本はドメーヌにあったワインで完璧でした。'37年は植え替え前の接木なしの古樹で、私にとっては見習うべきワイン。ここに到達したいと思わせる、ゴールを示してくれるようなワインです」と語っていました。

八取ソムリエに「開けるご予定は?」と伺ってみましたが「今のところありません」とのお返事。
かなり高額になるので、オーダーするほうも相当な覚悟が必要ですよね(笑)
DRCの到達点となるべき偉大なヴィンテージが東京の真ん中で寝ているなんて、何だか嬉しい気分

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こちらは昨日ツイッターでお知らせしたメドック格付け第1級のトップ、シャトー・ラフィット・ロートシルト1902年!セラー内にある同シャトーの一番古いヴィンテージ、お隣は1916年!
『BORDEAUX(ワイン王国刊)』には、「1902年は収穫開始日が9月27日、収量は非常に多く、特に悲惨な年だった」と記されています。また1916年は「9月26日に収穫を開始、収量平均、品質良好、元気が良く、フルボディなれどやや魅力に欠ける」とあります。果たして瓶の中でどのように変化しているのでしょうか、気になります。

あっ、大事なことを1つ追加しておきます!
チャイナパワーの勢い凄いですね。今、中国の富裕層&投機目的で狙われているのがラフィットなんです。大事に扱ってくだされば良いのですが・・・ちょっと心配です。

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シャトー・ラトゥールの1951年ヴィンテージは初めて見ました。
この列には1950年代がずら~っと並んでいます、壮観♪
5大シャトーで一番好きなのがラトゥール!!

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甘口ワインの最高峰シャトー・ディケムの所蔵は1936年が最古。元は白ぶどうなのに歳月の積み重ねで色調も飴色に。至福のワインとでも言いましょうか。

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実はその日の夜、同倶楽部で開かれた会食の席に、主催者が持ち込んだロワールの甘口ワイン『コトー・デュ・レイヨン・ショーム1960』が登場しました。ぶどう品種はシュナン・ブラン。50年経過したワインの色、いかがですか?琥珀色ですね。香りは紹興酒やシェリーのオロロソ、甘口ワインながら味わいはドライで酸化したニュアンスを感じます。口中に含み、じっくり味わってみたのですが、50年の歳月をもう少し雄弁に語ってくれると嬉しかったなぁ。あっさり話をやめてしまったのが惜しい・・・そう感じたワインです。人間もワインも歳月とうまく付き合うことが大事、私はそう思っています。

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雨に濡れた夜の庭園をキャッチ。戦後はGHQも使っていたようですが、歴史の中の様々な出来事を体験している綱町三井倶楽部で貴重なワインと遭遇できたことを心から嬉しく思いました。
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vientre-dolor

見事なワインセラー・・・カッコイイですね。
息を潜めて熟成している過程を上手く撮影出来たんですね。
by vientre-dolor (2010-06-16 01:52) 

shin

"人間もワインも歳月とうまく付き合うことが大事"

まさにそのとおりですね~、それにしても東京に
こんな凄いワインセラーがあったなんて驚きです!

お写真も構図に気をつけて撮影されてるので、
とても迫力がありました!

Shin.

by shin (2010-06-16 05:08) 

gillman

 さすが三井倶楽部ですね、昔三菱商事と仕事をしていた時にプロジェクトのパーティーを高輪の開東閣でやったことがありますが、財閥系の時代の残滓をみた思いがあります。ぼくらの国の歴史として残すべきものは残す必要があるなと思いました。
by gillman (2010-06-16 22:54) 

fumiko

vientre-dolorさん ありがとうございます!
温度14℃、湿度75%に保たれた薄暗いセラーの中で安心して眠っている
ワインたちをフラッシュでびっくりさせるなんてできません~静か~に。
ワインたちもそれに応えてくれたような気がしています(笑)


shinさん! 本当にここは歴史あるセラーだと思います。
写真家さんから
>お写真も構図に気をつけて撮影されてるので、とても迫力がありました!
などというお言葉をいただき、感激です!
近年、撮ることにときめいる私なので、写真のことで褒めていただくと、
happyになってしまいます♪ これからも頑張ります♪♪

ところで6月16日、6時16分&18時16分、
この616はこの世に生を受けた日なんでしょうかね、きっと。


gillmanさん、ありがとうございます♪
博識家のgillmanさんから上記のようなコメントをいただき、光栄です!
ブログを書いた意義がありました。
ここのセラーは著名レストラン(ジョエル・ロブションやトゥールダルジャン)
とはまた違った趣がありました。
私は同倶楽部&セラーに保存されているワインたちが、
歴史のなかで重要な役割を果たしてきたことに感嘆しました。


penguingさん、チェックありがとうございました!

yukioさん、はじめまして! niceありがとうございます!

kojiさん、いつも応援、感謝です!!
by fumiko (2010-06-17 18:36) 

シラネアオイ

こんばんは!初めまして、よろしくおねがいします。
by シラネアオイ (2010-06-17 20:24) 

fumiko

hiroさん、チェック、ありがとうございました!

シラネアオイさん、はじめまして!
お立ち寄りありがとうございました! 嬉しく思います!!
by fumiko (2010-06-17 21:47) 

Wino

お~!一度行ってみたい綱町!!!
三〇デパートのお友達に、連れてってもらおうかなぁ~
by Wino (2010-06-17 21:59) 

fumiko

Winoさん、三〇系の方に頼んで是非~ワインセラーも覗いてください!
実はふる~いシャトー・マルゴーがありました。1891ヴィンテージです!
エチケットからマルゴーを判断することができない状態だったので、
今回は画像を載せていませんが、119年も経過したワインの存在、
凄いですよね、いつ飲むのかなぁ・・・

by fumiko (2010-06-17 22:13) 

シラネアオイ

早速の御来訪とNICE!ありがとうございます。
これからも宜しくおねがいします。
by シラネアオイ (2010-06-17 23:04) 

fumiko

にょにょさん、チェック、ありがとうございました♪
by fumiko (2010-06-18 21:47) 

miyukimono

こんばんは。
私はワインについて全然くわしくないのですが、
記事にあった解説は興味深かったです。
「人間もワインも歳月とうまく付き合うことが大事」
本当にそうですよね。
歳月を嫌ってばかりもいられないので。。。^∇^
by miyukimono (2010-06-18 22:53) 

fumiko

miyukimonoさんはお着物のブログの方ですよね。
私はワインを生業(なりわい)にしていますが、拙ブログにお立ち寄りくださった方が、ワインに少しでも親しみを感じてくださると、すごく嬉しいです。
ワイン、特にシャンパンと着物は、良く似合うんですよ~(笑)
by fumiko (2010-06-18 23:11) 

fumiko

tokiさん、チェック、ありがとうございました♪


toshiroさん、nice、ありがとうございました!


unicoさん、はじめまして、お立ち寄り、ありがとうございました♪
by fumiko (2010-06-20 18:25) 

REI

こんにちは!
15000本のワインが東京の地下に、、、すごいですね。
マルサラに1939年のマルサラワインの樽がひとつ残っていてます。
いまから70年前かと思うと感慨深いですよね。
しかし、1937年のロマネコンティ、、、味も興味深いですが、
値段も興味深いところですね(笑)
by REI (2010-06-21 03:51) 

fumiko

REIさん、ありがとうございます♪
マルサラは酒精強化ワインなので、長熟に耐えますね。
三井倶楽部でのロマネ・コンティはREIさんのコメント通りで、
開けるとなると、う~ん、大変そうです。
ちなみに金額もかなりの額にはなりそうです。

by fumiko (2010-06-22 02:29) 

yuka

すご~い!!!こんなに古いのがたくさん!!エチケットが綺麗なのが大切にされている何よりの証拠だと思いました。大事にされてるのね。
by yuka (2010-06-23 17:46) 

hako

さすが三井ですが、こういう所に潜入して、レポート出来るのは、もっと凄いです。雰囲気が、良く伝わって来ますね。
by hako (2010-06-29 16:10) 

fumiko

yukaさん、チェック&コメント、ありがとうございます!
贅沢な空間で静かに寝ている高貴なワインたち
ワインは飲まれて当然なのですが、
歴史的な資産でもあるので、飲み時は悩みますよね。


hakoさん、嬉しいコメント、感謝です♪
このような価値ある場所にお邪魔させていただき、
ブログでご紹介できることも、光栄なことだと思っています。
by fumiko (2010-06-29 23:54) 

えめぞ~

裏道で三井倶楽部の前はよく通るのですが
このような秘蔵コレクションが眠っているとは夢にも思いませんでした。

1937年のワインってどのような味がするのでしょうか!?
味云々よりも歴史を味わうといった感じでしょうか。


by えめぞ~ (2010-07-16 16:24) 

fumiko

えめぞ~さん、コメントありがとうございました♪
>味云々よりも歴史を味わうといった感じでしょうか。

そう思います。
ワインが語る歴史であれば、
新米パパはHarukaちゃんのバースディー・ワインについて
しっかり考えておくべきかと。
ロマネ・コンティ2010のリリースを待ちますか
それともナビュコドノゾ-ルサイズのNV ?
私は・・・やっぱり素晴らしい体験だった後者をお薦めします!


YUTAKAさん、チェック、ありがとうございました!
by fumiko (2010-07-17 18:26) 

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